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JP3872548B2 - 吸水性複合体、その製造方法および吸水性物品 - Google Patents
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JP3872548B2 - 吸水性複合体、その製造方法および吸水性物品 - Google Patents

吸水性複合体、その製造方法および吸水性物品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な吸水性複合体、その製造方法および吸水性物品に関するものである。詳しく述べると、加圧下吸水量、垂直吸引力および柔軟性に優れ、かつ吸水性ポリマーが脱落しにくい吸水性複合体、その製造方法および吸水性物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、繊維状基材にモノマーを噴霧や塗布等の方法により付着させたのち、該モノマーを重合させることによりアニオン性吸水性ポリマーを基材に固定化し、吸水時のポリマーの脱落や移動を防止した吸水性シートが多く知られている。これらの吸水性シートは、ポリマーの脱落についてはある程度まで防止され、シートとしての形態保持性は改善されてはいるが、吸収体あるいは吸水性複合体におけるガラス転位温度の高い、アニオン性吸水性ポリマーの濃度を高くすればするほど、吸水量は向上するものの、吸収体あるいは吸水性複合体が堅くなるために実用に供し得ないのである。したがって、前記方法により、吸水性シートの柔軟性を維持しようとした場合には、吸水性シート中の吸水性ポリマーの含量割合を下げざるを得ず、繊維による吸水性ポリマーの膨潤規制とも相まって吸収量が不十分な吸水性シートしか得ることができないものであった。
【0003】
一方、WO94/04351およびWO94/04352には、繊維状基材に吸水性ポリマーをバインダーで固定する技術が開示されている。この方法により、吸水性ポリマーの繊維状基材による膨潤規制のない吸水性シートは得られるものの、吸水性ポリマーの含量割合には限度があり、トータル吸水量の不十分な吸水性複合体しか得ることができない。また、粒子状の吸水性ポリマーの脱落や移動が起こって設計どおりの吸水能力が発揮できず、おむつのように赤ちゃんの動きがある場合には、吸収体が破壊されて、これが漏れの原因となる等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、新規な吸水性複合体、その製造方法および吸収体を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、加圧下吸水量、垂直吸引力および柔軟性に優れ、かつ吸水性ポリマーが脱落しにくい吸水性複合体、その製造方法および吸水性物品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記諸目的は、下記(1)〜(12)により達成される。
【0007】
(1) 支持体に固着されたカチオン性吸水性架橋ポリマーと該カチオン性吸水性架橋ポリマーを介して該支持体に固定されてなるアニオン性吸水性ポリマー粒子とからなり、該支持体100重量部に対する該カチオン性吸水性ポリマーの割合が1〜10,000重量部であり、かつ該カチオン性吸水性ポリマー100重量部に対する該アニオン性吸水性ポリマー粒子の割合が10〜10,000重量部である吸水性複合体
【0010】
) 該支持体が繊維状物である前記(1)に記載の吸水性複合体。
【0011】
) 少なくとも5cmの体積を有し、厚さが0.2mm以上、密度が0.3〜1.1g/cmの範囲であるシート状物であって、その垂直吸引力が5cm以上、加圧下吸水量が20g/g以上、ガーレー剛性が1000mgfN以下である前記(1)または(2)に記載の吸水性複合体。
【0012】
) 吸水性ポリマーの割合が、全吸水性複合体中80重量%以上である前記()に記載の吸水性複合体。
【0013】
) 支持体にカチオン性吸水性ポリマーを形成し得る原料モノマーを付着させ、該原料モノマーを重合ないし重縮合させることによりカチオン性吸水性ポリマーを該支持体に固着させ、ついでアニオン性吸水性ポリマー粒子を該カチオン性吸水性ポリマーに固着させることを特徴とする吸水性複合体の製造方法。
【0014】
) 該支持体100重量部に対する該カチオン性吸水性ポリマーの割合が1〜10,000重量部であり、かつ該カチオン性吸水性ポリマー100重量部に対する該アニオン性吸水性ポリマー粒子の割合が10〜10,000重量部である前記()に記載の吸水性複合体の製造方法。
【0015】
) 該支持体が繊維状物である前記()または()に記載の吸水性複合体の製造方法。
【0016】
) 該繊維状物が繊維シートである前記()に記載の吸水性複合体の製造方法。
【0017】
) 該アニオン性吸水性ポリマー粒子は、該カチオン性吸水性ポリマーを固着した繊維シートに散布されたのちプレスされてなる前記()に記載の吸水性複合体の製造方法。
【0018】
10) 前記(1)〜()のいずれかに記載の吸水性複合体を含む吸水性物品。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明で使用される支持体は、発泡ポリウレタンのような発泡体の他、粉末状、粒子状、シート状、短冊状、繊維状等のいずれの形態でも使用できるが、好ましくは繊維状物である。繊維状物としては、天然または合成繊維、天然または合成パルブ等がある。
【0020】
各種繊維から作られる繊維質支持体、特に、シート状繊維質支持体すなわち繊維シートであり、織布、不織布、紙、編地などが挙げられるが、各種繊維ウェブから作られる不織布が好適に使用される。この発明では、繊維は親水性繊維、疎水性繊維のいずれでも使用できる。用いられる親水性繊維としては、木材パルプ、綿、羊毛、レーヨン、アセテート、ビニロン等が挙げられ、疎水性繊維としては、ポリエステル、アクリル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の他、これらの混紡繊維が例示される。繊維シートは、例えば、テープ状のものも含まれ、その厚みも特に限定はないが、例えば、0.01〜100mm、好ましくは0.1〜10mmのものが使用される。繊維シートとして長尺物を使用し、これを連続的に供給しながら本発明の製造方法を適用することができ、このようにすると生産性良く、本発明の吸水性複合体を得ることができる。また、これらの繊維の直径は0.1〜1,000μm、好ましくは1〜100μmである。
【0021】
本発明で使用されるカチオン性吸水性ポリマーとしては、ポリアリルアミン、ポリアルキレンポリアミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリ(メタ)アクリルアミドのマンニッヒ反応物、ポリ(メタ)アクリルアミン、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートのホモポリマーまたは(メタ)アクリルアミドとのコポリマー、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートをハロゲン化アルキル(例えば塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル等)で4級化アンモニウム塩としたもののホモポリマーまたはその(メタ)アクリルアミドとのコポリマー、ポリジアルキルアリルアミン4級アンモニウム塩、4級化ビニルベンジルアミンのポリマー、キトサンのアセチル化物、エピクロルヒドリンと多価アミンまたはモノアミンとの縮合反応物等がある。これらは、必要により重合時に架橋剤を加え、あるいは重合後に架橋剤を加えて架橋させてもよい。いずれにしても架橋させたものが、種々の物性値の点から好ましい。より好ましくは、ガラス転位温度が室温以下の架橋されたポリカチオンである。
【0022】
上記ポリマーの製造に用いられるジアルキルアミノ(メタ)アクリレートのハロゲン化アルキル4級塩としては、例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のモノマーのハロゲン化アルキル4級塩がある。
【0023】
本発明においては、これらのカチオン性吸水性ポリマーは、重合後のポリマーを溶液、その他の形態で前記支持体に噴霧、塗布等の手段によって固着させてもよいが、モノマーないしはモノマー混合物またはその水溶液の状態で前記支持体に含浸ないしは付着させたのち、該モノマーないしはモノマー混合物を重合ないしは重縮合させてカチオン性吸水性ポリマーを支持体に固着させる方法が望ましい。
【0024】
前記モノマーないしはモノマー混合物の重合は、重合開始剤の存在下に0〜200℃、好ましくは50〜150℃の温度で行なわれる。
【0025】
重合開始剤としては、水溶性または水と混合・分散可能な酸化性またはアゾ系のラジカル性重合開始剤が好適である。例えば、酸化性重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;過酸化水素;ジ第3ブチルペルオキシド、アセチルペルオキシド等の有機過酸化物等が挙げられ、アゾ系重合開始剤としては、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、4,4´−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ化合物を挙げることができる。
【0026】
また、必要によりこれらの酸化性重合開始剤とアゾ系重合開始剤の併用に加え、さらに上記重合開始剤を複数併用したり亜硫酸塩やL−アスコルビン酸等の還元性物質を添加してレドックス重合を行なってもよい。重合開始剤は、前記モノマーの合計量に対して0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%用いられる。
【0027】
この際、必要に応じ前記モノマーの合計量に対して0.0001〜10重量%、好ましくは0.01〜2重量%の架橋剤が必要により配合される。架橋剤としては、分子中に2個以上の不飽和二重結合を有する化合物、例えばN,N´−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、グリシジル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
【0028】
本発明において、支持体100重量部に対するカチオン性吸水性ポリマーの固着量は1〜10,000重量部、好ましくは10〜5,000重量部、最も好ましくは50〜1,000重量部である。
【0029】
本発明で使用されるアニオン性吸水性ポリマーとしては、つぎのごとき水溶性のエチレン性不飽和モノマーのホモポリマーまたはコポリマーがある。このようなモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、および、それらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。好ましくはアクリル酸またはその塩である。
【0030】
該モノマー中には、必要により該モノマーの合計量に対して0.0001〜10重量%、好ましくは0.01〜2重量%の架橋剤が配合される。架橋剤としては、分子中に2個以上の不飽和二重結合を有する化合物、例えばN,N´−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、グリシジル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、硫酸アルミニウムなどを挙げることができる。
【0031】
本発明においては、これらアニオン性吸水性ポリマーは、予め重合器中で重合され、必要により乾燥、粉砕されて粒子として得られる。
【0032】
前記モノマーないしモノマー混合物またはその水溶液は、重合器中で重合開始剤の存在下に0〜200℃、好ましくは50〜150℃の温度で行なわれる。
【0033】
重合開始剤としては、水溶性または水と混合・分散可能な酸化性またはアゾ系のラジカル性重合開始剤が好適である。例えば、酸化性重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;過酸化水素;ジ第3ブチルペルオキシド、アセチルペルオキシド等の有機過酸化物等が挙げられ、アゾ系重合開始剤としては、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、4,4´−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ化合物を挙げることができる。
【0034】
また、必要によりこれらの酸化性重合開始剤とアゾ系重合開始剤の併用に加え、さらに上記重合開始剤を複数併用したり亜硫酸塩やL−アスコルビン酸等の還元性物質を添加してレドックス重合を行なってもよい。重合開始剤は、前記モノマーの合計量に対して0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%用いられる。
【0035】
得られたアニオン性吸水性ポリマー粒子の平均粒径は、1,000〜10μm、好ましくは600〜100μmである。このようなアニオン性吸水性ポリマー粒子は前記のようにカチオン性吸水性ポリマー粒子が固着されている支持体上に、散布、その他の方法で均一に分散されたのち、プレス等の手段で該カチオン性吸水性ポリマー表面に固着される。その量は、該カチオン性吸水性ポリマー100重量部に対して、10〜10,000重量部、好ましくは100〜1,000重量部である。
【0036】
このようにして得られる吸水性複合体1は、例えば支持体として繊維状物を使用した場合には、図1に示すように繊維2にカチオン性吸水性ポリマー3が固着し、さらに該カチオン性吸水性ポリマー3を介してアニオン性吸水性ポリマー粒子4が繊維2に固着した状態になっている。
【0037】
また、本発明による吸水性複合体は、少なくとも5cm3 、好ましくは10〜200cm3 の体積を有し、厚さが0.2mm以上、好ましくは0.5〜5mm、密度が0.3〜1.1g/cm3 、好ましくは0.3〜1.0g/cm3 の範囲であるシート状物が好ましい。また、その垂直吸引力が5cm以上、好ましくは6.5〜10cm、加圧下吸水量が20g/g以上、好ましくは24〜50g/g、ガーレー剛性が1000mgfN以下、好ましくは0〜500mgfNであるものが好ましい。
【0038】
また、吸水性ポリマー(カチオン性吸水性ポリマーとアニオン性吸水性ポリマーの合計)の割合は、全吸水性複合体中80重量%以上のものが好ましく、特に85〜99重量%のものが好ましい。すなわち、該割合を80重量%以上にすることにより支持体の量を減らし、得られる吸水性複合体をコンパクトにすることができるからである。
【0039】
【実施例】
つぎに、参考例、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、下記例中、「部」は特にことわらないかぎり重量部を意味する。
【0040】
参考例1
坪量30g/m2 のポリエステル不織布(厚さ2mm)に対し、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル4級塩(79%水溶液)100部、トリメチロールプロパントリアクリレート0.49部、ヒドロキシエチルセルロース1.2部、過硫酸ナトリウム0.29部および脱イオン水45.5部よりなる単量体水溶液をその付着量が96g/m2 となるように付着せしめた。ついで、該単量体水溶液が付着した不織布を窒素雰囲気下に100℃で10分間保持して単量体の重合を行い、カチオン性吸水性ポリマーが不織布に固着したカチオン性吸水性ポリマーシート(1)を得た。得られたシート(1)の保水量は10g/gであった。
【0041】
参考例2〜4
参考例1において、単量体水溶液の付着量をそれぞれ、690g/m2 、290g/m2 および55g/m2 にした以外は、参考例1と同様にして3種類のカチオン性吸水性ポリマーシート(2)、(3)および(4)を得た。また得られたシートの保水量はそれぞれ、11g/g、9g/gおよび3g/gであった。
【0042】
参考例5
窒素シールされ除熱可能な反応容器中、75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウム塩の水溶液5500部(単量体濃度37%)に、架橋剤としてトリメチロールプロパントリアクリレート1.7部を溶解し、窒素ガスで30分間脱気後、過硫酸アンモニウム2.8部およびL−アスコルビン酸0.14部を添加し、反応温度30〜70℃で重合を行った。重合開始後60分後に重合物を約5mmの径に細分化された含水ゲル重合体として取り出し、該含水ゲル状重合体の細粒化物を50メッシュ金網上に広げて150℃で90分間熱風乾燥を行った。乾燥物をロール型粉砕機を組み合わせて粉砕し、粒子径が150μm〜850μmであるアニオン性吸水性ポリマー粒子(1)を得た。このものの保水量は35g/gであった。
【0043】
参考例6
参考例5で得られたアニオン性吸水性ポリマー(1)100部に対し、グリセリン0.5部、水2部およびエチルアルコール0.5部からなる架橋剤水溶液を添加混合し、得られた混合物を196℃で45分間加熱処理してアニオン性吸水性ポリマー粒子(2)を得た。このものの保水量は30g/gであった。
【0044】
実施例1
参考例1で得られたカチオン性吸水性ポリマーシート(1)を10cm×30cmの大きさに裁断し、このものに対し、シート全体に参考例5のアニオン性吸水性ポリマー粒子(1)を添加し、さらに圧力2kg/cm2 でプレスして本発明の吸水性複合体(1)を得た。吸水性複合体(1)の坪量は410g/m2 、厚さは0.8mm、密度は0.49g/cm3 、体積は24cm3 であり、アニオン性吸水性ポリマー粒子(1)の付着量は327g/m2 であった。
【0045】
実施例2
参考例1で得られたカチオン性吸水性ポリマーシート(1)を10cm×30cmの大きさに裁断し、このものに対し、シート全体に参考例6のアニオン性吸水性ポリマー粒子(2)を添加し、さらに圧力2kg/cm2 でプレスして本発明の吸水性複合体(2)を得た。吸水性複合体(2)の坪量は400g/m2 、厚さは0.9mm、密度は0.46g/cm3 、体積は27cm3 であり、アニオン性吸水性ポリマー粒子(2)の付着量は317g/m2 であった。
【0046】
実施例3
参考例2で得られたカチオン性吸水性ポリマーシート(2)を10cm×30cmの大きさに裁断し、このものに対し、シート全体に参考例6のアニオン性吸水性ポリマー粒子(2)を添加し、さらに圧力2kg/cm2 でプレスして本発明の吸水性複合体(3)を得た。吸水性複合体(3)の坪量は1180g/m2 、厚さは1.4mm、密度は0.84g/cm3 、体積は42cm3 であり、アニオン性吸水性ポリマー粒子(2)の付着量は770g/m2 であった。
【0047】
実施例4
参考例3で得られたカチオン性吸水性ポリマーシート(3)を10cm×30cmの大きさに裁断し、このものに対し、シート全体に参考例6のアニオン性吸水性ポリマー粒子(2)を添加し、さらに圧力2kg/cm2 でプレスして本発明の吸水性複合体(4)を得た。吸水性複合体(4)の坪量は520g/m2 、厚さは1.1mm、密度は0.47g/cm3 、体積は33cm3 であり、アニオン性吸水性ポリマー粒子(2)の付着量は330g/m2 であった。
【0048】
実施例5
参考例4で得られたカチオン性吸水性ポリマーシート(4)を10cm×30cmの大きさに裁断し、このものに対し、シート全体に参考例6のアニオン性吸水性ポリマー粒子(2)を添加し、さらに圧力2kg/cm2 でプレスして本発明の吸水性複合体(5)を得た。吸水性複合体(5)の坪量は210g/m2 、厚さは0.6mm、密度は0.35g/cm3 、体積は18cm3 であり、アニオン性吸水性ポリマー粒子(2)の付着量は150g/m2 であった。
【0049】
比較例1
坪量30g/m2 のポリエステル不織布に対し、75%中和アクリル酸カリウム100重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート0.17部、ヒドロキシエチルセルロース1.24部、過硫酸ナトリウム0.29部および脱イオン水45.1部よりなる単量体水溶液をその付着量が790g/m2 となるように付着せしめた。ついで、該単量体水溶液が付着した不織布を窒素雰囲気下に120℃で3分間保持して単量体の重合を行い、吸水性ポリマーが不織布に固着した比較吸水性複合体(1)を得た。得られた比較吸水性複合体(1)の保水量17g/gであった。
【0050】
比較例2
比較例1で得られた比較吸水性複合体(1)100部にエチレングリコールジグリシジルエーテル0.5部、水3部、イソプロピルアルコール1部からなる架橋剤水溶液を噴霧添加し、100℃で30分間加熱処理して比較吸水性複合体(2)を得た。得られた比較吸水性複合体(2)の保水量は15g/gであった。
【0051】
実施例6
本発明の吸水性複合体(1)〜(5)および比較吸水性複合体(1)〜(2)について、保水量、加圧下吸水量、吸水速度、垂直吸引力およびガーレー剛性について測定し、値を表1および表2にまとめた。
【0052】
なお、保水量、加圧下吸水量、吸水速度、垂直吸引力および柔軟性は、つぎの方法により測定した。
【0053】
(1)保水量
0.2gの秤量した吸水性ポリマーシートを6cm×6cmの不織布性のティーバック式袋にいれて縁部をヒートシールした。このものを、生理食塩水(0.9%食塩水)に30分間浸漬し、その後遠心分離器(250G)で3分間余剰の生理食塩水を除去して重量(W1)を測定した。別に吸水性ポリマーシートを入れずに同様の操作を行いブランク値の重量(W0)とした。(W1)より(W0)を差し引いた値を、吸水性ポリマーシートの重量(0.2g)で除して保水量(g/g)とした。
【0054】
(2)加圧下吸水量
加圧下の吸収量は、まず、内径160mm、高さ20mmのガラスシャーレ中に直径120mmのガラスフィルター板(G#1)を置いて測定した。
【0055】
ガラスシャーレ中に0.4%食塩水を入れて、ガラスフィルター板の頂部まで満たし、濾紙(TOYO製 FILTER PAPER No.2)をガラスフィルター板の上にのせた。3.1cm×3.1cmの大きさに打ち抜いて秤量した吸水性ポリマーシートを、内径55mm、高さ60mmの円筒型の底部に400メッシュのステンレス製の金網を固定したアクリル樹脂容器中にいれ、更に円筒の内部に50g/cm2 の荷重となるよう真鍮製のプランジャーをのせ、円筒集合体の全部の重量(W1)を測定した。この円筒集合体を濾紙の上にのせ、加圧下において30分間吸収させた。吸収中はガラスシャーレ中の0.4%食塩水の液量を一定に保持した。30分後の円筒集合体全部の重量(W2)を測定し、(W2)より(W1)を差し引いた値を吸収前の吸水性ポリマーシートの重量で除して加圧下吸水量(g/g)とした。
【0056】
(3)吸水速度
1平方インチ(2.54cm×2.54cm)に打ち抜いた吸水性ポリマーシートの重量を秤量した。内径55mmφ、高さ15mmのポリプロピレン容器中に、吸水性ポリマーシート重量の10倍の0.4%食塩水を注ぎ、吸水性ポリマーシートを液中に投入してから液がすべて吸収(45度に傾けて液だまりができない状態)するまでの時間を測定し、値とした。
【0057】
(4)垂直吸引力
吸水性ポリマーシートを2cm×10cmの帯状に打ち抜き、生理食塩水中に吸水性ポリマーシートの先端が2mm浸漬するようにして垂直に吊り下げ、60分後に吸水性ポリマーシートの先端から垂直方向に液を吸い上げた距離(cm)を測定した。
【0058】
(5)柔軟性
吸水性ポリマーシートを2.54cm×8.89cm(1インチ×3.5インチ)の帯状に打ち抜き、温度25℃および湿度50%においてJIS−L−1096に規定されたガーレー剛性の測定法に基づき柔軟性を測定した。更に、このものを温度70℃で3時間乾燥させ、同様にして柔軟性を測定した。
【0059】
【表1】
Figure 0003872548
【0060】
【表2】
Figure 0003872548
【0061】
実施例7
12cm×25cmの大きさに作成した本発明の吸水性複合体(1)〜(5)をそれぞれ、坪量30g/m2 のポリエチレンフィルム(大きさ12cm×25cm)とポリプロピレン繊維よりなる坪量30g/m2 のスパンボンド不織布(大きさ12cm×25cm、裏面、すなわち吸水性複合体側に坪量30g/m2 の紙を貼り合わせ、このものを表面材として構成体の上部に使用)の間に挟持して本発明の吸水性物品(1)〜(5)を作成した。一方、同様にして比較吸水性複合体(1)〜(2)を用いて、比較吸水性物品(1)〜(2)を作成した。
【0062】
得られた吸水性物品の表面材の上部に、中央に直径23mmの開孔を有する厚さ15mmかつ重量7kgの金属板(大きさ14cm×25cm)を載置し、その状態で生理食塩水を開孔部より30分おきに3回注入した。3回目の注入終了後、5分後に金属板を取り除き、代わりに2つ折りにしたキッチンタオル(22cm×23cm、坪量40g/m2 )10枚を表面材の上に載置し、その後同じ金属板を一分間さらにキッチンタオルの上において、キッチンタオルに吸収される生理食塩水の重量を秤量して、戻り量(g)を求めた。結果を表3に示した。
【0063】
【表3】
Figure 0003872548
【0064】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による吸水性複合体は、加圧下吸水量が大きいので、漏れの少ないおむつ等の吸水性物品を提供することができる。また、垂直吸引力が大きいので吸水性物品、例えばおむつ全体が使用できる。さらに柔軟性がある(ガーレー剛性が小さい)ので、おむつ等の吸水性物品に使用した場合、人体等に対してよくフィットする。また、吸水性ポリマーが脱落し難いので、保形性に優れるだけでなく、支持体、例えば繊維状物の割合を著しく減らすことができる。その結果、シート状繊維を支持体として使用すれば、極めて薄型の吸水性物品、たとえばおむつ、生理用ナプキン等が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による吸水性複合体の構造を説明するための模式図である。

Claims (10)

  1. 支持体に固着されたカチオン性吸水性架橋ポリマーと、
    該カチオン性吸水性架橋ポリマーを介して該支持体に固定されてなるアニオン性吸水性ポリマー粒子と、からなり、
    該支持体100重量部に対する該カチオン性吸水性ポリマーの割合が1〜10,000重量部であり、かつ該カチオン性吸水性ポリマー100重量部に対する該アニオン性吸水性ポリマー粒子の割合が10〜10,000重量部である吸水性複合体。
  2. 該支持体が繊維状物である請求項1に記載の吸水性複合体。
  3. 少なくとも5cmの体積を有し、厚さが0.2mm以上、密度が0.3〜1.1g/cmの範囲であるシート状物であって、その垂直吸引力が5cm以上、加圧下吸水量が20g/g以上、ガーレー剛性が1000mgfN以下である請求項1または2に記載の吸水性複合体。
  4. 吸水性ポリマーの割合が、全吸水性複合体中80重量%以上である請求項記載の吸水性複合体。
  5. 支持体にカチオン性吸水性ポリマーを形成し得る原料モノマーを付着させ、該原料モノマーを重合ないし重縮合させることによりカチオン性吸水性ポリマーを該支持体に固着させ、ついでアニオン性吸水性ポリマー粒子を該カチオン性吸水性ポリマーに固着させることを特徴とする吸水性複合体の製造方法。
  6. 該支持体100重量部に対する該カチオン性吸水性ポリマーの割合が1〜10,000重量部であり、かつ該カチオン性吸水性ポリマー100重量部に対する該アニオン性吸水性ポリマー粒子の割合が10〜10,000重量部である請求項に記載の吸水性複合体の製造方法。
  7. 該支持体が繊維状物である請求項またはに記載の吸水性複合体の製造方法。
  8. 該繊維状物が繊維シートである請求項に記載の吸水性複合体の製造方法。
  9. 該アニオン性吸水性ポリマー粒子は、該カチオン性吸水性ポリマーを固着した繊維シートに散布されたのちプレスされてなる請求項に記載の吸水性複合体の製造方法。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の吸水性複合体を含む吸水性物品。
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