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JP3872611B2 - 炭酸カルシウムの製造方法 - Google Patents
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JP3872611B2 - 炭酸カルシウムの製造方法 - Google Patents

炭酸カルシウムの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造工程の苛性化工程において製紙用填料及び、製紙用塗工顔料として有用な性能を与えるアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
印刷あるいは筆記用に使用される紙には、通常、白色度、不透明度、平滑性、筆記性、手触り、印刷適性等の改良を目的として填料が内添される。この抄紙方法として、填料にタルク、クレー、酸化チタン等を使用し、pH4.5付近で紙を抄く、いわゆる酸性抄紙と、pH7〜8.5の中性〜弱アルカリ性域で紙を抄く、いわゆる中性抄紙がある。中性抄紙では、輸入品で高価なタルク、クレーに変わって、国産の炭酸カルシウムを填料として使用することが可能となる。近年、紙の保存性等の問題から中性抄紙によって得られる中性紙が着目されるようになり、またこのほかにも紙質、コスト、環境対策等の面でもメリットが多いことから、中性抄紙への移行が進んできており、今後ともその普及が拡大する情勢にある。
【0003】
安価で軽量な中性紙への要求が高まってくるなかで、填料としての炭酸カルシウムの位置づけは非常に重要である。この中性抄紙で填料として用いられる炭酸カルシウムには、天然石灰石を乾式あるいは湿式で機械粉砕して得られる重質炭酸カルシウムと、化学的方法によって得られる沈降性炭酸カルシウム(合成炭酸カルシウム)がある。
【0004】
ところが、天然石灰石をボールミル等の粉砕機を使用して得られた重質炭酸カルシウムは、内添填料として使用した場合、抄紙の際に激しくプラスチックワイヤを磨耗させてしまう。さらに、この填料を使用して、通常の上質紙、塗工紙を抄造製造した場合、嵩、白色度、不透明度等において不十分である。
【0005】
一方、化学的方法によって得られる沈降性炭酸カルシウム(合成炭酸カルシウム)は、反応系が比較的簡単(水、消石灰、炭酸ガス)なこともあり、製紙工場のオンサイトにて実際に製造される例もいくつか見られる。
【0006】
しかしながら、この方法は、炭酸カルシウムが唯一の産物であることから、非常に製造コストが高く、ユーザーの要望する低コスト化にはそぐわず、安価な紙には使用できないか、あるいはその使用量も大きく制限される。
【0007】
そこで考えられるのが、クラフトパルプ製造工程の蒸解薬品の回収・再生を行う苛性化工程で副生する炭酸カルシウムを製紙用原料として使用する方法である。
【0008】
しかし、従来ここで得られる炭酸カルシウムは形状コントロールが難しいため、サイコロ状や六角面体などの種々雑多な形状を有し、粒子径も大きく、何れも不定形あるいは塊状で、従来の重質炭酸カルシウムに近いものであるため、この填料を使用して通常の上質紙、塗工紙を製造した場合、嵩、白色度、不透明度等においては不十分であった。また、近年、抄紙機が大型化し、抄紙速度もより高速化する中にあって、プラスチックワイヤの磨耗性とウェットエンドでの歩留まり性にも大きな問題を抱えていた。
【0009】
これに対し最近、特開平10−226974号公報では、生石灰の消和反応と苛性化反応の条件を特定することで上記問題を解決した製紙用に有用な炭酸カルシウムの製造方法が開示されている。しかし、ここで得られた炭酸カルシウムは、白液分離と洗浄性に劣り、操業性に不安を残した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような状況に鑑み、苛性化工程を利用により、抄紙時には、ウェットエンドでの歩留まりが良く、ワイヤ磨耗性に優れ、またこれを紙の製造に用いた場合には、不透明度が高く、印刷品質等の優れた上質紙や塗工紙を提供するという長所を生かしたまま、特に白液分離性及び洗浄性が大幅に改善された安価なアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムを得ることを本発明の課題とした。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、硫酸塩法又はソーダ法によるパルプ製造工程の苛性化工程を利用して、生成時の生石灰と水のモル比が特定範囲で、かつ特定量の炭酸カルシウムを含有する消石灰をpH5.5〜13.5の液でスラリー化させることによって得られる消石灰乳に、硫酸塩法又はソーダ法によるパルプ製造工程の苛性化工程から出る緑液を連続的に添加し、その添加速度および反応温度を制御することによって、炭酸カルシウムを調製し、ついでこの炭酸カルシウムを結晶成長させるために、この炭酸カルシウムスラリーに対し、生石灰、消石灰、石灰乳、および消石灰乳から成る添加物のいずれか一つを逐次添加し、また緑液を連続添加し、その添加量、添加速度および反応温度を制御することによって、本発明の課題を解決できることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0012】
本発明の方法により、従来の苛性化工程の大幅な設備変更をすること無しに結晶成長した粒子径の大きい炭酸カルシウムの調製が可能となり、短径が0.1〜2.5μmで、長径が0.3〜7.0μmの一次粒子から構成される、平均粒子径が6.5〜30.5μmのアラゴナイト系イガグリ状の炭酸カルシウムが調製され、製紙用填料として不透明度、ワイヤ磨耗性、ウェットエンドでの歩留まり性に優れ、さらに塗工顔料とした場合、白紙光沢度、不透明度、インキ受理性、表面強度を期待通り改善できる。第3段工程にて、結晶成長させることで平均粒子径が大きくなり、白液分離性及び洗浄性を大幅に改善することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の第1段工程であるスラリー化において使用する消石灰は、消石灰生成時の生石灰と水のモル比が、生石灰:水=1:1〜1:10の消石灰を使用する。水の量が生石灰:水=1:1より少ない場合には、生石灰が全量消石灰とならず、第2段工程の反応が不均一となり、生成する炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶含有率が低下し、不定形あるいは塊状粒子が増加し、ワイヤー摩耗性に劣ると共に、良好な紙質が得られない。水の量が生石灰:水=1:10を超えても生成する炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶含有率が低下し、不定形あるいは塊状粒子が増加し、ワイヤ磨耗性に劣ると共に、良好な紙質が得られない。
【0014】
消石灰中の炭酸カルシウム含量については、消石灰の重量を基準として0.05〜10重量%のものを使用する。10重量%を超えれば、生成する炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶含有率が低下し、不定形あるいは塊状粒子が増加し、ワイヤ磨耗性に劣ると共に、良好な紙質が得られない。また一方、0.05重量%以下のものを得るためには、原料生石灰の焼成に要するエネルギーが極度に増加したり、あるいは焼成装置に特別な工夫を必要とするなどがあり、不経済となる。
【0015】
ここで、消石灰の生成において使用する生石灰については、由来は特に限定されないが、炭酸カルシウムを主成分とする石灰石、及び硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造の苛性化工程において炭酸ナトリウムを水酸化ナトリウムに転化する際に生成する炭酸カルシウムを焼成したものが好ましい。
【0016】
消石灰のスラリー化に用いる液としては、pH5.5〜13.5を有するものを使用する。この液には、苛性化工程で補充される水、あるいは緑液や白液中の沈殿物(ドレッグス、炭酸カルシウムスラッジ)を洗浄した上澄液である弱液が使用できる。特に弱液を使用する場合、pH13.5を超えると、NaOHやNa2CO3濃度が高くなるため生成する炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶含有率が低下し、不定形あるいは塊状粒子が増加し、ワイヤ磨耗性が劣ると共に、良好な紙質が得られない。一方、苛性化工程で補充される水を使用する場合は、一般的な工業用水の水質レベルのpH5.5以上であれば特に問題ない。また、消石灰のスラリー化に水あるいは弱液を使用した場合、ここでの使用に相当する、苛性化工程で補充される水量あるいはスメルト溶解用弱液の量を減少させることで、苛性化工程内の水バランスを調整できる。このことより、苛性化工程の操業上重要な問題となる白液濃度の低下を伴うこともなく苛性化反応を行うことができる。
【0017】
スラリー化時の消石灰濃度は、10〜60重量%、好ましくは15〜55重量%で行う。60重量%を超えると液粘度が高すぎて現実的に攪拌が困難となり、一方10重量%未満では、生成する炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶含有率が低下し、不定形あるいは塊状粒子が増加し、ワイヤ磨耗性に劣ると共に、良好な紙質が得られない。
【0018】
スラリー化時における消石灰と液との混合には、一般的な攪拌羽根式、ポンプ式、押し出し機類、捏和機類、混練機類の中から、混合時の液あるいはスラリーの粘度にあわせて適宜選定して使用すれば良い(昭和63年3月18日丸善株式会社発行、化学工学便覧参照)。
【0019】
スラリー化時の温度は、後で添加する緑液の温度により適宜設定する。スラリー化時の時間は、均一混合できる時間が取れれば良く、濃度、温度、攪拌力等により適宜設定する。
【0020】
本発明の第2段工程である苛性化反応に用いる緑液は、一般的な硫酸塩法又はソーダ法の苛性化工程から発生するものを使用し、その濃度はトータルアルカリで80〜160g/L{その内、Na2CO3が65〜130g/L(Na2O換算、以下同じ)}、好ましくはトータルアルカリ100〜150g/L(その内、Na2CO3が85〜130g/L)である。
【0021】
第1段工程で調製された消石灰乳と緑液の混合方法は、消石灰乳に対する緑液の添加速度を0.02〜0.5cc(緑液)/min/g(生石灰換算値)、好ましくは0.04〜0.45cc(緑液)/min/g(生石灰換算値)で行う。0.02cc(緑液)/min/g(生石灰換算値)より小さい添加速度では、生産性が劣り現実的でなく、また一方0.5cc(緑液)/min/g(生石灰換算値)より大きい添加速度では、生成する炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶含有率が低下し、不定形あるいは塊状粒子が増加し、ワイヤ磨耗性に劣ると共に、良好な紙質が得られない。
【0022】
苛性化反応温度については、反応温度が20〜80℃、好ましくは25〜65℃で行う必要がある。80℃より高い場合には、生成する炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶含有率が低下し、不定形あるいは塊状粒子が増加し、ワイヤ磨耗性に劣ると共に、良好な紙質が得られない。また、一方20℃より低い場合にも、生成する炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶含有率が低下し、不定形あるいは塊状粒子が増加し、ワイヤ磨耗性に劣ると共に、良好な紙質が得られない。さらに、冷却のための装置の工夫およびそれに伴う経費がかさみ不経済である。
【0023】
苛性化反応時の攪拌には、一般的な攪拌羽根式、ポンプ式、押し出し機類、捏和機類、混練機類の中から、第1段工程で調整された消石灰乳と緑液が均一に混合できるものを適宜選定して使用すれば良い(昭和63年3月18日丸善株式会社発行、化学工学便覧参照)。
【0024】
また、第2段工程では、初期苛性化反応時に炭酸ナトリウムを使用する方法がある。初期の苛性化反応における炭酸ナトリウムは、一般的な市販の工業用の無水炭酸ナトリウムをそのままあるいは濃厚な液を使用する。
【0025】
添加の方法は消石灰乳に対する炭酸ナトリウムの添加速度を0.002〜0.5g/min/g(生石灰換算値)、好ましくは0.005〜0.4g/min/g(生石灰換算値)で行う。0.002g/min/g(生石灰換算値)より小さい添加速度では、生産性が劣り現実的でなく、また一方0.5g/min/g(生石灰換算値)より大きい添加速度では、生成する炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶含有率が低下し、不定形あるいは塊状粒子が増加し、ワイヤ磨耗性に劣ると共に、良好な紙質が得られない。
【0026】
炭酸ナトリウムによる初期苛性化反応の比率は、第2段工程終了時の苛性化比率に対し、0.3〜50%、好ましくは5〜30%で行なう。0.3%より低い場合は、使用する消石灰の品質範囲が狭くなり、ある条件下では、生成する炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶含有率が低下し、不定形あるいは塊状粒子が増加し、ワイヤ磨耗性が劣ると共に、良好な紙質が得られない。また一方50%より高い場合は、その後の緑液使用量が減少するため、苛性化工程のバランスを崩してしまう。
【0027】
反応温度については、反応温度が20〜80℃、好ましくは25〜70℃で行う必要がある。80℃より高い場合には、生成する炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶含有率が低下し、不定形あるいは塊状粒子が増加し、ワイヤ磨耗性に劣ると共に、良好な紙質が得られない。また、一方20℃より低い場合には、生成する炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶含有率が低下し、不定形あるいは塊状粒子が増加し、ワイヤ磨耗性に劣ると共に、良好な紙質が得られない。さらに、冷却のための装置の工夫およびそれに伴う経費がかさみ不経済である。
【0028】
反応時の攪拌には、一般的な攪拌羽根式、ポンプ式、押し出し機類、捏和機類、混練機類の中から、第1段工程で調整された消石灰乳と炭酸ナトリウムが均一に混合できるものを適宜選定して使用すれば良い(昭和63年3月18日丸善株式会社発行、化学工学便覧参照)。
【0029】
引き続き第2段工程の緑液による苛性化反応は、炭酸ナトリウムによる初期苛性化を行わない場合と同様に行う。
本発明の第3段工程である結晶成長反応に用いる添加物で、生石灰と石灰乳の場合は、生石灰の重量を基準として0.1〜10重量%の炭酸カルシウムを含有するものを使用する。10重量%を超えれば、生成する炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶含有率が低下し、不定形あるいは塊状粒子が増加し、ワイヤ磨耗性に劣ると共に、良好な紙質が得られない。また一方、0.1重量%以下のものを得るためには、原料生石灰の焼成に要するエネルギーが極度に増加したり、あるいは焼成装置に特別な工夫を必要とするなどがあり、不経済となる。
【0030】
添加物が消石灰と消石灰乳の場合は、消石灰生成時の生石灰と水のモル比が、生石灰:水=1:1〜1:10の消石灰を使用する。生石灰:水=1:1より少ない場合には、生石灰が全量消石灰とならず、続く反応が不均一となり、生成する炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶含有率が低下し、不定形あるいは塊状粒子が増加し、ワイヤ摩耗性に劣ると共に、良好な紙質が得られない。生石灰:水=1:10を超えても生成する炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶含有率が低下し、不定形あるいは塊状粒子が増加し、ワイヤ磨耗性に劣ると共に、良好な紙質が得られない。
【0031】
添加物として用いる消石灰中の炭酸カルシウム含量については、消石灰の重量を基準として0.05〜10重量%のものを使用する。10重量%を超えれば、生成する炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶含有率が低下し、不定形あるいは塊状粒子が増加し、ワイヤ磨耗性に劣ると共に、良好な紙質が得られない。また一方、0.05重量%以下のものを得るためには、原料生石灰の焼成に要するエネルギーが極度に増加したり、あるいは焼成装置に特別な工夫を必要とするなどがあり、不経済となる。
【0032】
ここで、本発明の第3段工程において用いる生石灰と石灰乳および消石灰と消石灰乳の生成において使用する生石灰の由来については、特に限定されないが、炭酸カルシウムを主成分とする石灰石、及び硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造の苛性化工程において炭酸ナトリウムを水酸化ナトリウムに転化する際に生成する炭酸カルシウムを焼成したものが好ましい。
【0033】
各添加剤の添加量は、生石灰換算値で比較して、第1段工程で使用した消石灰量の0.3〜10倍量、好ましくは1〜7倍のものを使用する。0.3倍より少量であれば、本発明の方法により得られる炭酸カルシウムの平均粒子径が大きくならず、白液分離性改善効果に劣り、また一方、10倍を超える場合は、得られる炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶含有率が低下し、不定形あるいは塊状粒子が増加し、ワイヤ磨耗性に劣ると共に、良好な紙質が得られない。
【0034】
第3段工程で使用する緑液は、第2段目工程と同様の緑液を使用し、緑液の混合方法は、添加物に対する緑液の添加速度を0.02〜0.5cc(緑液)/min/g(添加物の生石灰換算値)、好ましくは0.04〜0.45cc(緑液)/min/g(添加物の生石灰換算値)で行う。0.02より小さい添加速度では、生産性が劣り現実的でなく、また一方0.5より大きい添加速度では、生成する炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶含有率が低下し、不定形あるいは塊状粒子が増加し、ワイヤ磨耗性に劣ると共に、良好な紙質が得られない。
【0035】
ここで、添加物と緑液の添加方法であるが、添加物を第2段工程で生成した炭酸カルシウムスラリーに全量添加後、緑液を逐次添加する方法、あるいは添加物と緑液を並行して逐次添加し、緑液添加終了までに添加物の添加が終了する方法のどちらでも可能である。ただし、添加物の添加方法は、並行逐次添加の方が良好である。その理由としては、逐次添加の方が、生成するアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムを構成する一次粒子が長く成長しやすく、不透明度等の紙質に有利に働くためである。添加物の添加速度は、0.01〜1.0g(生石灰換算値)/min/g(第1段工程消石灰の生石灰換算値)で、好ましくは0.02〜0.2g(生石灰換算値)/min/g(第1段工程消石灰の生石灰換算値)で行う。0.01より小さい添加速度では生産性に劣り現実的でない。1.0より大きい場合は、一次粒子の長さ方向への成長性が劣る。
【0036】
第3段工程の反応温度については、反応温度が20〜105℃、好ましくは25〜90℃で行う。105℃より高くする場合には、大気圧下での沸騰点を越えるため、加圧型の苛性化装置等を必要とするため不経済である。また、一方20℃より低い場合には、生成する炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶含有率が低下し、不定形あるいは塊状粒子が増加し、ワイヤ磨耗性に劣ると共に、良好な紙質が得られない。さらに、冷却のための装置の工夫およびそれに伴う経費がかさみ不経済である。
【0037】
第3段工程反応時の攪拌には、一般的な攪拌羽根式、ポンプ式、押し出し機類、捏和機類、混練機類の中から、第2段工程で調製されたアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムスラリーと緑液が均一に混合できるものを適宜選定して使用すれば良い(昭和63年3月18日丸善株式会社発行、化学工学便覧参照)。
【0038】
以上のような条件下において、短径が0.1〜2.5μmで、長径が0.3〜7.0μmの棒状あるいは針状の一次粒子がランダムに凝集した、平均粒子径が6.5〜30.5μmでアラゴナイト結晶を50〜80%含有するイガグリ状のアラゴナイト系炭酸カルシウムが調製可能となる。
【0039】
本発明によって得られるアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムは、従来苛性化工程で得られた炭酸カルシウムに比べて、苛性化工程での白液分離性及び洗浄性に優れ、さらには抄紙時のワイヤ磨耗性、歩留まり性に優れ、これを内添することで上質紙、塗工紙の不透明度、印刷適性等に優れた特徴を与える。
【0040】
本発明の第3段工程を行うことにより、イガグリ状を形成する棒状あるいは針状粒子が成長することで大粒径になることで、ろ過速度が非常に改善されるため、白液分離性及び洗浄性が飛躍的に改善されると考えられる。
【0041】
【実施例】
以下に本発明を実施例および比較例をあげてより詳細に説明するが、当然ながら、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
[試験法]
▲1▼アルカリの測定:TAPPI624hm−85あるいはこれに準じて測定した。
【0042】
▲2▼生石灰、消石灰中の炭酸カルシウム含量:SSC5100 TG/DTA22システム(セイコー電子工業株式会社)使用
▲3▼生成炭酸カルシウムの平均粒子径:生成物を水洗濾過し、水で希釈後、レーザー回折式粒度分布計(シーラス社製モデル715)で平均粒子径を測定した。短径、長径は走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製 JSM-5300)で実測した。
【0043】
▲4▼形態観察:生成物を水洗濾過し、乾燥後走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製JSM-5300)で形態観察した。
▲5▼結晶系:Rigaku製 X線回折RAD−2Cにより測定した。
【0044】
▲6▼アラゴナイト結晶含有率(%):硝酸カルシウムと尿素よりアラゴナイト結晶を製造{Gypsum&Lime No.245(P234参照、Rigaku製 X線回折RAD−2Cの測定ではカルサイトピークなし}し、試薬のカルサイト結晶含有率99.9%との混合比率を変えて、X線回折RAD−2Cで測定する。この時のX線回折ピークの2θ=26.2°(アラゴナイト結晶)と2θ=29.4°(カルサイト結晶)の強度から次の計算式{26.2°の強度÷(26.2°の強度+29.4°の強度)}より強度比を求めて、混合割合と強度比の検量線を作成した。この検量線を使用し、アラゴナイト含有率を求めた。
【0045】
▲7▼ろ過速度:約8L試料スラリー(濃度11%)を攪拌下に電熱ヒータで加熱し、所定の減圧度に調整したブフナーで吸引ろ過した。ろ過経過時間とろ液量の関係、及び別に求めたろ液量とケーキ厚の関係から、各ケーキ厚におけるろ過速度を求めた。
【0046】
装置:リーフテスター VR−23(宮本コーポレーション製)
温度:50℃
減圧度;−456mmHg(差圧0.6kg/cm2相当)
ろ過面積;28.3cm2
ろ材:ポリプロピレン製(クバナパルピング株)
[実施例1]
4Lの4ツ口フラスコ容器(以下の実施例・比較例についても同じ容器使用)に、生成時の生石灰と水のモル比が、生石灰:水=1:1.4であり、かつ消石灰の重量を基準として1.6重量%の炭酸カルシウムを含有する消石灰74gと、pH6.8の苛性化工程で補充される水を用い、消石灰濃度が30重量%になる割合で混合、スラリー化させて消石灰乳をつくり、緑液(組成:Na2CO3=110g/L、Na2S=34g/L、NaOH=6g/L。いずれもNa2O換算値で、以下の実施例・比較例について同じ)添加速度0.22cc/min/g(消石灰乳の生石灰換算値)、添加時間60分、温度50℃、攪拌速度250rpm(KYOEI社POWER STIRRER TYPE PS-2N使用、以下の実施例・比較例について同じ攪拌機使用)の条件で苛性化反応を行わせた。
【0047】
得られた炭酸カルシウムスラリーに、生石灰の重量を基準として1.6重量%の炭酸カルシウムを含有する生石灰を0.034g/min/g(第1段工程消石灰の生石灰換算値)で60分間逐添する。この時並行して、緑液を添加速度0.22cc/min/g(添加物としての生石灰全量)、添加時間60分、温度50℃、攪拌速度250rpmの条件で結晶成長反応を行わせた。生成反応物の平均粒子径および形態観察を行った結果、平均長径3.5μm、平均短径0.35μmの一次粒子から構成される、平均粒子径14.0μmのアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムが認められた。実験条件および結果を表1−1に示す。
[実施例2]
4Lの4ツ口フラスコ容器に、生石灰消化時のモル比が、生石灰:水=1:1.4で、かつ炭酸カルシウム含有率1.6重量%の消石灰74gと、pH6.8の苛性化工程で補充される水を用い、消石灰濃度が30重量%になる割合で混合後、スラリー化させて消石灰乳をつくり、緑液を添加速度0.22cc/min/g(消石灰乳の生石灰換算値)、添加時間60分、温度50℃、攪拌速度250rpmの条件で苛性化反応を行わせた。得られた炭酸カルシウムスラリーに、生石灰消化時のモル比が、生石灰:水=1:1.4で、かつ炭酸カルシウム含有率1.6重量%の消石灰0.067g(生石灰換算値)/min/g(第1段工程消石灰の生石灰換算値)で60分間逐添する。この時並行して、該緑液添加速度0.22cc/min/g(添加物としての消石灰全量の生石灰換算値)、添加時間60分、温度50℃、攪拌速度250rpmの条件で結晶成長反応を行わせた。生成反応物の平均粒子径および形態観察を行った結果、平均長径3.5μm、平均短径0.35μmの粒子から構成される、平均粒子径19.5μmのアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムが認められた。実験条件および結果を表1−1に示す。
【0048】
[実施例3]
4Lの4ツ口フラスコ容器に、生石灰消化時のモル比が、生石灰:水=1:1.4で、かつ炭酸カルシウム含有率1.6重量%の消石灰74gと、pH6.8の苛性化工程で補充される水を用い、消石灰濃度が30重量%になる割合で混合後、スラリー化させて消石灰乳をつくり、緑液添加速度0.22cc/min/g(消石灰乳の生石灰換算値)、添加時間60分、温度50℃、攪拌速度250rpmの条件で苛性化反応を行わせた。得られた炭酸カルシウムスラリーに、生石灰消化時のモル比が、生石灰:水=1:1.4で、かつ炭酸カルシウム含有率1.6重量%の消石灰と水を用いて30重量%スラリーにしたものを、0.22cc/min/g(第1段工程消石灰の生石灰換算値)で60分間逐添する。この時並行して、緑液添加速度0.22cc/min/g(添加物としての消石灰乳全量の生石灰換算値)、添加時間60分、温度50℃、攪拌速度250rpmの条件で結晶成長反応を行わせた。生成反応物の平均粒子径および形態観察を行った結果、平均長径3.5μm、平均短径0.35μmの粒子から構成される、平均粒子径19.5μmのアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムが認められた。実験条件および結果を表1−1に示す。
[実施例4]
4Lの4ツ口フラスコ容器に、生石灰消化時のモル比が、生石灰:水=1:1.4で、かつ炭酸カルシウム含有率1.6重量%の消石灰74gと、pH6.8の苛性化工程で補充される水を用い、消石灰濃度が30重量%になる割合で混合後、スラリー化させて消石灰乳をつくり、緑液添加速度0.22cc/min/g(消石灰乳の生石灰換算値)、添加時間60分、温度50℃、攪拌速度250rpmの条件で苛性化反応を行わせた。得られた炭酸カルシウムスラリーに、炭酸カルシウム含有率1.6重量%の生石灰と水を用いて7重量%スラリーにしたものを、0.71cc/min/g(第1段工程消石灰の生石灰換算値)で60分間逐添する。この時並行して、緑液添加速度0.22cc/min/g(添加物としての生石灰乳全量の生石灰換算値)、添加時間60分、温度50℃、攪拌速度250rpmの条件で結晶成長反応を行わせた。生成反応物の平均粒子径および形態観察を行った結果、平均長径3.5μm、平均短径0.35μmの粒子から構成される、平均粒子径17.4μmのアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムが認められた。実験条件および結果を表1−1に示す。
[実施例5]
4Lの4ツ口フラスコ容器に、生石灰消化時のモル比が、生石灰:水=1:8.0で、かつ炭酸カルシウム含有率1.6重量%の消石灰74gと、pH6.8の苛性化工程で補充される水を用い、消石灰濃度が20量%になる割合で混合後、スラリー化させて消石灰乳をつくり、炭酸ナトリウム粉末(純度99%)添加速度0.04g/min/g(消石灰乳の生石灰換算値)で10分間添加し、その後、緑液添加速度0.22cc/min/g(消石灰乳の生石灰換算値)、添加時間50分、温度50℃、攪拌速度250rpmの条件で苛性化反応を行わせた。得られた炭酸カルシウムスラリーに、生石灰の重量を基準として1.6重量%の炭酸カルシウムを含有する生石灰を0.034g/min/g(第1段工程消石灰の生石灰換算値)で60分間逐添する。この時並行して、緑液添加速度0.22cc/min/g(添加物としての生石灰の全量)、添加時間60分、温度50℃、攪拌速度250rpmの条件で結晶成長反応を行わせた。生成反応物の平均粒子径および形態観察を行った結果、平均長径3.5μm、平均短径0.35μmの粒子から構成される、平均粒子径14.0μmのアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムが認められた。実験条件および結果を表1−1に示す。
[実施例6]
第3段工程の反応温度を90℃にした以外は、実施例2と同様に行わせた。生成反応物の平均粒子径および形態観察を行った結果、平均長径3.5μm、平均短径0.4μmの粒子から構成される、平均粒子径22.4μmのアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムが認められた。実験条件および結果を表1−1に示す。
[比較例1]
炭酸カルシウム含有率3.0重量%の生石灰50gと、pH13.1の弱液を用い、生石灰濃度が30重量%になる割合で混合、消和させて石灰乳をつくり、実施例1と同じ緑液を添加速度0.11cc/min/g(生石灰)、添加時間120分、温度85℃、攪拌速度1000rpmの条件で苛性化反応を行わせた。反応生成物は、平均長径3.8μm、平均短径0.3μmであるアラゴナイト系針状炭酸カルシウムであることが認められた。実験条件および結果を表2−1に示す。
[比較例2]
炭酸カルシウム含有率7.0重量%のキルン焼成生石灰を使用した以外は、比較例1と同様に実験を行った。反応生成物は、平均長径8.0μm、平均短径0.4μmであるアラゴナイト系針状炭酸カルシウムであることが認められた。実験条件および結果を表2−1に示す。
[比較例3]
第2段工程反応時の緑液添加速度を、0.88cc/min/g(消石灰乳の生石灰換算値)、添加時間15分にした以外は、実施例1と同様に実験を行った。この時の反応生成物は、平均粒子径15.5μmであり、粒子が不定形あるいは塊状の炭酸カルシウムであることが認められた。実験条件及び結果を表2−1に示す。
[比較例4]
第1段工程の消石灰中の炭酸カルシウム含有率を15重量%にした以外は、実施例2と同様に実験を行った。この時の反応生成物は、平均粒子径20.4μmであり、粒子が不定形あるいは塊状の炭酸カルシウムであることが認められた。実験条件及び結果を表2−1に示す。
[比較例5]
第1段工程の生石灰消化時のモル比が、生石灰:水=1:12.0の消石灰にした以外は、実施例2と同様の実験を行った。この時の反応生成物は、平均粒子径18.4μmであり、粒子が不定形あるいは塊状の炭酸カルシウムであることが認められた。実験条件及び結果を表2−1に示す。
[比較例6]
第2段工程と第3段工程の反応時の温度を15℃にした以外は、実施例1と同様の実験を行った。この時の反応生成物は、平均粒子径14.7μmであり、粒子が不定形あるいは塊状の炭酸カルシウムであることが認められた。実験条件及び結果を表2−1に示す。
[応用例1]
カナダ標準濾水度(以下C.S.F.と略記する)が300mlの晒し化学パルプの単独スラリーに、対パルプ当たり内添サイズ剤(アルキルケテンダイマー)0.02%、硫酸バンド0.5%、カチオン変性デンプン0.3%、実施例1〜6と比較例1〜6で得たそれぞれの炭酸カルシウムを15%(各種苛性化軽カルは、サンドグラインダーで3μmに粉砕したものを用いた)、並びに200ppmの歩留まり向上剤(ポリアクリルアミド、アニオン性分子量400万〜5OO万)を内添し調製したスラリーをテストマシンで抄紙した。この様にして得られた紙の坪量、密度、不透明度の測定は20℃、65%RHで1昼夜調湿した後、JISに準じて行った。また填料の歩留りおよびワイヤ摩耗試験を実施した。試験方法を以下に、また得られた結果を表1−2及び表2−2に示す。
【0049】
【表1−1】
Figure 0003872611
【0050】
【表1−2】
Figure 0003872611
【0051】
【表2−1】
Figure 0003872611
【0052】
【表2−2】
Figure 0003872611
【0053】
[試験法]
(1)ワイヤ摩耗測定法
・試験器:日本フィルコン式磨耗試験装置
・ワイヤ:日本フィルコンCOS−60ポリエステルワイヤ
・スラリー濃度:2重量%
・各種苛性化軽カルは、サンドグラインダーで3μmに粉砕したものを用いた
・荷重:1250g
・磨耗時間:90分
・磨耗量:磨耗試験前後のワイヤ重量減量(mg)
(2)歩留まり測定法
・使用パルプ:C.S.F.300mlに叩解したパルプ
・紙料濃度:0.5重量%(パルプ/填料=60/40)
・各種苛性化軽カルは、サンドグラインダーで3μmに粉砕したものを用いた
・薬品添加順序:パルプ→硫酸バンド(1%)→カチオン化デンプン(0.2%)→填料→コロイダルシリカ(0.02%)
( )内は対パルプ添加量で重量%
・測定装置:ブリットジャーテスター使用
・測定条件:薬品添加時シェア 700rpm
測定時シェア 1500rpm
使用ワイヤ 200メッシュ
紙料のファーストパスリテンションを測定
【0054】
【発明の効果】
実施例1〜6に示す如く、本発明による炭酸カルシウムは結晶成長した平均粒子径の大きいアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムであった。この炭酸カルシウムは、抄紙時の歩留まり性及びプラスチックワイヤー磨耗性に優れ、さらに白液分離性と洗浄性を大幅に改善した。
【0055】
また応用例1の紙質試験の結果、本発明による炭酸カルシウムは、不透明度も優れていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムの結晶粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例1で得られた生成物についてのX線回折の結果を示す図である。
【図3】実施例2で得られたアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムの結晶粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】実施例3で得られたアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムの結晶粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】実施例4で得られたアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムの結晶粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】実施例5で得られたアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムの結晶粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】実施例6で得られたアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムの結晶粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図8】比較例1で得られたアラゴナイト系針状炭酸カルシウムの結晶粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図9】比較例1で得られた生成物についてのX線回折の結果を示す図である。
【図10】比較例3で得られた炭酸カルシウムの結晶粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図11】 比較例3で得られた生成物についてのX線回折の結果を示す図である。

Claims (11)

  1. 硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造工程の苛性化工程において炭酸カルシウムを製造する方法であって、生成時の生石灰と水のモル比が、生石灰:水=1:1〜1:10であり、かつ消石灰の重量を基準として0.05〜10重量%の炭酸カルシウムを含有する前記消石灰に対して、前記消石灰の濃度が10〜60重量%になるようにpH5.5〜13.5を有する液を添加し、攪拌あるいは捏和しながらスラリー化させて消石灰乳及び/又は消石灰泥を生成する第1段工程、
    ついで該消石灰乳及び/又は消石灰泥に対して、前記苛性化工程で発生し、白液を製造するに必要な緑液を0.02〜0.5cc(緑液)/min/g(消石灰の生石灰換算値)の添加速度で所定量逐次添加し、反応温度20〜80℃にて苛性化反応を行うことにより炭酸カルシウムスラリーを生成する第2段工程、
    その次に該炭酸カルシウムスラリーに、生石灰、消石灰、石灰乳、および消石灰乳から成る添加物のいずれか一つを所定量添加し、また該緑液を該添加物に対して0.02〜0.5cc(緑液)/min/g(添加物の生石灰換算値)の添加速度で所定量を逐次、該炭酸カルシウムスラリーに添加し、反応温度20〜105℃にて苛性化反応を行なう第3段工程よりなる、製紙用に有用なアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムの製造方法。
  2. 前記第3工程において、該添加物を緑液と並行して、逐次添加する請求項1記載のアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムの製造方法。
  3. 前記第2段工程において、該緑液を逐次添加する前に、該消石灰乳及び/又は消石灰泥に対して炭酸ナトリウムを0.002〜0.5g/min/g(消石灰の生石灰換算値)の添加速度で所定量逐次添加し、反応温度20〜80℃にて初期苛性化反応を行なわせる請求項1または2記載のアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムの製造方法。
  4. 前記pH5.5〜13.5を有する液が、苛性化工程で発生する弱液である請求項1〜3記載のアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムの製造方法。
  5. 生石灰換算値で比較して、前記添加物の添加量が、前記第1段工程の消石灰に対して、0.3〜10重量倍量である請求項1〜4記載のアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムの製造方法。
  6. 前記添加物が、生石灰の重量を基準として0.1〜10重量%の炭酸カルシウムを含有する生石灰である請求項1〜5記載のアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムの製造方法。
  7. 前記添加物が石灰乳であって、請求項6記載の生石灰を含有する請求項1〜5記載のアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムの製造方法。
  8. 前記添加物が消石灰であって、生成時の生石灰と水のモル比が、生石灰:水=1:1〜1:10で、かつ消石灰の重量を基準として0.05〜10重量%の炭酸カルシウムを含む消石灰である請求項1〜5記載のアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムの製造方法。
  9. 前記添加物が消石灰乳であって、請求項8記載の消石灰を含有する請求項1〜5記載のアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムの製造方法。
  10. 第2段工程終了時の苛性化率に対する前記初期苛性化反応の比率が5〜50%である請求項3〜8記載のアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムの製造方法。
  11. 第1段工程の消石灰と前記添加物である消石灰または消石灰泥との生成に使用する生石灰、および前記添加物である生石灰、石灰乳が、炭酸カルシウムを主成分とする石灰石、及び/又は硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造の苛性化工程において炭酸ナトリウムを水酸化ナトリウムに転化する際に生成する炭酸カルシウムを焼成したものである請求項1〜10のいずれか1項に記載のアラゴナイト系イガグリ状炭酸カルシウムの製造方法。
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