JP3874375B2 - 椅子の上張地押さえ構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、裏カバーを用いて椅子の座部や背凭れ等に張られている上張地(表皮部材)の縁部分およびこれらの芯材の裏面を覆い隠す構造に関する。更に詳述すると、本発明は椅子の上張地と裏カバーとを隙間を生じないように密着させる上張地押さえ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
椅子の座部や背凭れは、インナーシェルと呼ばれる芯材とこの芯材に支えられたウレタンフォームなどのクッション材とその上にたるみ無く張られているレザーやビニール又は布等の上張地とで構成されている。そして、上張地は、その縁部分を芯材の裏側に回して軽く引っ張ることで表側のたるみを伸ばし、その状態で鋲やコの字形の針(ホチキスの針)等の止着針を使用してあるいは溶着などで直接芯材に固定されるか、若しくはワイヤやゴム紐などの緊迫手段を用いて縁を絞ることによって被せられている。このとき、上張地の縁のほつれや切断面を隠して美観を向上させるために、アウターシェルと呼ばれる裏カバーを取り付けて上張地のほつれ等の縫製のばらつきを隠すようにしている。
【0003】
例えば、背凭れを例に挙げると、図5に示すように、上張地104は、芯材102の裏側に縁部分が回わされてその縁部分が例えばワイヤやゴム紐などの緊迫手段105により絞られることによって芯材102に被せられている。そして、その上から、裏カバー106が被せられるようにして取り付けられている。裏カバー106は、芯材102よりも僅かに大きめに形成され、芯材102の周縁壁102aの外に背裏カバー106の周縁壁106a部分が嵌め合わせされてクッション材103と共に芯材102の裏側に巻き込まれる上張地104を裏カバー106のエッジが押さえるように取り付けられている。
【0004】
また、図6に示すような背凭れ構造も知られている。この背凭れ101では、芯材102の周縁壁102aと背裏カバー106の周縁壁106aとが突き合わせられ、芯材102に裏カバー106が載せられるようにして取り付けられている。これにより、背裏カバー106の周縁壁106aの先端のエッジ部分が、クッション103と上張地104とを芯材102の周縁壁102aの先端に押しつけるようにして密着される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した各背凭れ構造では、背裏カバー106を上張地104の上に被せたり、載せることによって周縁壁106aの先端のエッジ部分を上張地104に押しつけるだけなので、背裏カバー106や芯材102の形状・寸法に成形の誤差があったり、また組み付け精度が悪いと、図示のように周縁壁106aと上張地104との間に隙間Sが生じて上張地104の縫製のばらつきが外観に出てしまう問題がある。
【0006】
そこで、裏カバー106と上張地104との隙間Sを防止するには、背裏カバー106及び芯材102の寸法精度並びに組立精度を十分に高くしなければならず、生産コストを増加させてしまう問題を有している。
【0007】
これらの問題は、背凭れ特有の問題ではなく、例えば座部や肘掛け等においても同様に起こる。
【0008】
そこで、本発明は、裏カバー及び芯材の成形上の寸法精度並びに組立精度を特に高くしなくとも、裏カバーと上張地とを密着させることができる椅子の上張地押さえ構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明は、裏カバーを用いて椅子の座部や背凭れ等に張られている上張地の縁部分およびこれらの芯材の裏面を覆い隠す上張地押さえ構造において、芯材の裏側の周縁部分に裏カバーの周縁壁の先端のエッジ部分を対向させる溝を全周に設けると共に、上張地の縁部分を溝を包み込みながら芯材の裏側に回り込ませて緊迫手段で絞り、前記溝部分で前記上張地の支持をフリー状態として前記上張地自体の張力により弾力性を発揮させる一方、溝と裏カバーの周縁壁との間に介在する上張地を溝内に押し込むようにして芯材と裏カバーとを固定し、溝の上に張られた上張地の弾性力により上張地と裏カバーの周縁壁の先端のエッジ部分とが密着するようにしている。
【0010】
したがって、上張地を被せた芯材に裏カバーを組み付けると、溝部分で上張地の支持がフリー状態となり、クッションの弾力性及びそれ自身の張力により大きな張力を得て適宜弾力性を発揮することとなることから、裏カバーの周縁壁のエッジ部分が芯材と裏カバーとの間に介在する上張地を溝内へ押し込みながら、上張地の弾力性で上張地と裏カバーの周縁壁のエッジ部分とが確実に密着する。ここで、溝の上に張られた上張地は更にクッションによって内側から弾力的に支持されている場合、上張地と周縁壁との密着がより確実に行われる。
【0011】
更に、本発明の椅子の上張地押さえ構造は、裏カバーと芯材とのいずれか一方に、先端に返り部を有する係止爪を設けると共に、他方に係止爪を挿入して返り部と係合するストッパ部を有する係止筒を設け、かつ係止筒のストッパ部の穴径を係止爪の軸部よりも大きめに設定してこれらが係合する方向と直交するカバー外周方向に裏カバーが全体的に移動可能に係合させ、溝と裏カバーの周縁壁の先端のエッジ部分との位置関係がカバー外周方向へずれた場合には裏カバーのカバー外周方向への全体移動によって裏カバーの周縁壁の先端のエッジ部分と溝とを対向させるようにしている。この場合、成形上の精度が悪く芯材の溝と裏カバーの周縁壁との位置関係がカバー外周方向へずれたとしても、裏カバー全体を適宜カバー外周方向へ移動させることによって、ずれを吸収して適切な位置関係に収められる。
更に、本発明は、請求項2記載の椅子の上張地押さえ構造において、係止爪の基端部に係止筒の先端が当接可能な当接壁を備え、係止爪と係止筒との係合が、係止爪がストッパ部に引っ掛かった状態と係止筒の先端が当接壁に当接した状態との間で起こり、芯材と裏カバーとのみを組み合わせると裏カバーの周縁壁は溝の間に位置し、どこにも接しない状態になる。この場合、芯材と裏カバーとの間隔は、係止爪と係止筒とが係合する範囲内で変更可能とされ、上張地やクッション材を介在させることなく芯材と裏カバーとを組み合わせると、裏カバーの周縁壁は外周壁と内周壁との間に位置し、どこにも接することのない状態で取り付けられる。
更に、本発明は、請求項1記載の椅子の上張地押さえ構造において、溝を外周壁と内周壁との2重の周壁の間で形成し、裏カバーの周縁壁と全周にわたって対向するようにしている。この場合、外周壁と内周壁との間の溝部分で上張地の支持がフリー状態となり、クッションの弾力性及びそれ自身の張力により適宜弾力性を発揮することができる。
更に、本発明は、請求項4記載の椅子の上張地押さえ構造において、内周壁が外周壁よりも高く突出しており、両壁の間で段差が形成されるようにしている。この場合、外周壁と内周壁との間の溝部分で上張地の支持がフリー状態となり、クッションの弾力性及びそれ自身の張力により適宜弾力性を発揮することができると共に、上張地を内周壁の内側で絞ることにより、外周壁と内周壁との間の溝部分で大きな張力を得ることができる。
更に、本発明は、請求項4または5のいずれかに記載の椅子の上張地押さえ構造において、裏カバーの周縁壁の先端が外周壁の先端に近接するようにしている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態は、背凭れに適用した場合について説明している。
【0013】
図1から図3に示すように、椅子の背凭れ1は、背支棹8の先端部に揺動可能に取り付けられた芯材(インナーシェル)2と、この芯材2に支持されるウレタンフォームなどのクッション3と、該クッション3および芯材2を被う上張地4と、芯材2に取り付けられて上張地の縁部分および芯材2の裏面を覆い隠す裏カバー6とから構成されている
芯材2は、例えばプラスチック等で成形され、その周縁には、裏側へ突出する2重の周壁7,11が形成され、外周壁7と内周壁11との間で裏カバー6の周縁部を嵌合させる溝16が全周に形成されている。そして、これら両周壁7,11は補強リブとしても機能する。本実施の形態の場合、内周壁11は外周壁7よりも高く突出しており、両壁7,11の間で段差が形成されている。芯材2は、本実施形態では、ほぼ楕円形状の基板2aと、該基板2aの裏面側に突出している多数の補強リブ2bと、基板2aの裏面のほぼ中央に背支棹8を取り付けるためのピン受け2cが設けられている。補強リブ2bは縦横並びに放射状に設けられ、内外周壁7,11と相まって基板2aに背凭れ芯材として十分な剛性を与えている。ピン受け2cは、背支棹8の先端の取付ピン8aが回転可能に収容される水平な溝2dを有し、取付金具9がピン受け2cを覆うようにねじ10により止着されることによって、取付ピン8aの固定と脱落防止が図られている。このため、芯材2は背支棹8に対して水平な取付ピン8aを中心に揺動可能とされる。また、ピン受け2cの下方には、背支棹8の揺動を制限する突起2eが形成されている。これにより、背支棹8が芯材2の下部で上張地4に当接することはないので、上張地4やクッション3の損傷が防止される。
【0014】
芯板2aの表側の全面には例えばウレタンフォームなどのクッション3が取り付けられて上張地4で被われている。上張地4の周縁部は、外周壁7及び内周壁11を包み込むように芯材2の裏側に回り込み、ワイヤやゴム紐などの緊迫手段5で一周に渡って絞られている。これにより、上張地4は、芯材2との間にクッション3を挟み込んだ状態で縫製される。ここで、外周壁7と内周壁11との間の溝16部分で上張地4の支持がフリー状態となり、クッション3の弾力性及びそれ自身の張力により適宜弾力性を発揮するように設けられている。なお、本実施形態では、内周壁11が外周壁7よりも突出しているので、上張地4を内周壁11の内側で絞ることにより、外周壁7と内周壁11との間の溝16部分で大きな張力を得ることができる。尚、上張地4としては、布地の他、人工皮革や革、ビニル、ポリプロピレン等としても構わない。
【0015】
一方、裏カバー6は、例えばプラスチック等から成り、ほぼ楕円形状のカバー板6bと、該カバー板6bの周縁部に直立して形成された周縁壁6aとを備え、背支棹8ともども芯材2と上張地4の縁を被い隠す内部空間を有している。
【0016】
ここで、芯材2と裏カバー6とは、ピン受け2cの周囲の4箇所に設けられた係止機構13により係合されている。係止機構13は、図4に示すように、芯材2の裏面から突出する円筒形状の係止筒14と、裏カバー6の内側に設けられた係止爪15とで構成されている。係止筒14は段部から成るストッパ部14aを内部に有し、裏カバー6から突出している係止爪15が挿入された際に係止爪15の返り部15bと裏カバー6が外れる方向には係止可能に設けられている。ストッパ部14aは係止爪15が挿入される外側の面がテーパ状に形成され、容易な係止爪15の挿入を可能としている。また、ストッパ部14aは、係止爪15の軸部よりもやや大きめの穴径とされ、これらが係合する方向と直交するカバー外周方向(図中の矢印方向で、以下カバー外周方向と略称する)へ裏カバー6全体が移動可能とされている。このため、成形上の精度が悪く芯材2の溝16と裏カバー6の周縁壁6aのエッジとの位置関係がカバー外周方向へずれたとしても、裏カバー6全体を図1の矢印方向にずらすことによって、このずれを吸収して適切な位置関係に収めることが可能である。また、係止爪15は例えば縦に3割りされた筒状体から成り、その内の少なくとも1つ、より好ましくは2つにテーパ状の返り部15bを設け、係止筒14内へ挿入される際には窄まり、挿入後には広がって返り部15bがストッパ部14aと係合して抜けないように設けられている。このとき、返り部15bは、裏カバー6の中心寄りの片に配置され、芯材2を四方から把持するように力を作用させて係合させるように設けることが好ましい。また、各係止爪15の基端部には係止筒14の先端が当接可能な当接壁15aが備えられている。したがって、係止爪15と係止筒14との係合は、係止爪15がストッパ部14aに引っ掛かった状態と係止筒14の先端が当接壁15aに当接した状態とで起こり、それらの間では自由に移動可能とされている。このため、芯材2と裏カバー6との間隔は、係止爪15と係止筒14とが係合する範囲内で変更可能とされている。そこで、上張地4やクッション材3を介在させることなく芯材2と裏カバー6とのみを組み合わせると、図2に示すように、裏カバー6の周縁壁6aは外周壁7と内周壁11との間に位置し、どこにも接することのない状態で取り付けられることとなる。本実施形態では係止機構13を4箇所としているが、これに限らず少なくとも1箇所、好ましくは2箇所以上であれば裏カバー6の係留は可能である。
【0017】
以上のように構成された背凭れ構造によると、次のようにして上張地の縁は裏カバー6で被い隠される。
【0018】
上張地4で被われた芯材2に裏カバー6を取り付けるには、裏カバー6の係止爪15を芯材2の係止筒14に挿入して係合させる。この時、成形精度の悪さに起因する溝16と裏カバー周縁壁6aとの間のカバー外周方向へのずれがあっても、裏カバー6のカバー外周方向への全体移動によってそのずれが吸収され、適切な位置関係で裏カバー6の周縁壁6aの先端のエッジ部分と芯材2の溝16とが対向し、芯材2と裏カバー6との間に介在する上張地4を芯材2の外周壁7と内周壁11との間の溝16へ押し込む。ここで、裏カバー6を芯材2に対して強く押し込もうとしても、係止筒14の先端が裏カバー6の当接壁15aと当接して、裏カバー6と芯材2とがそれ以上接近できなくなる。これにより、周縁壁6aが上張地4を押圧する力の大きさを適正な範囲内に収めることができ、上張地4の切れ等を防止することができる。その反面、外周壁7と内周壁11の間の溝16内へ裏カバー6の周縁壁6aによって押し込まれた上張地4及びクッション3には、裏カバー6を押し戻そうとする力が発生する。この上張地4の弾力性により裏カバー6が押し戻されて、係止爪15の返り部15bと係止筒14のストッパ部14aとが引っ掛かった状態となると共に裏カバー6の周縁壁6aのエッジに当接するまで上張地4が押し戻されて上張地4と裏カバー6の周縁壁6aの先端のエッジ部とが密着する。特に、溝16を塞ぐようにして上張地4と芯材2との間にクッション3を挟み込んでいる場合には、溝16の上に張られた上張地4が、クッション3によって内側からも支持されるので、上張地4の弾力性が増し、上張地4と周縁壁6aのエッジ部との密着を確実に行うことができる。
【0019】
したがって、裏カバー6や芯材2に成形誤差や組み付け誤差が生じていても、上張地4と周縁壁6aとの間に隙間が生ずることはない。さらに、荷重や経時変化により周縁壁6aや外周壁7及び内周壁11の形状が変化した場合は、この変形を上張地4の弾性により吸収することができる。このため、これらの場合も上張地4と裏カバー6との隙間の発生を防止することができる。
【0020】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では、上張地押さえ構造を椅子の背凭れに適用した場合について主に説明しているが、これに特に限られず、座部や肘掛け等に適用することも可能である。また、本実施の形態では、外周壁7よりも内周壁11を高くして溝16を形成しているが、これに特に限定されず、その逆に外周壁7側を内周壁11よりも高くしても良いし、あるいは同じ高さとしても良い。更に、内外の周壁7,11は芯材2の基板2aに対してほぼ垂直に形成されているが、外向きあるいは内向きで斜めに平行に形成されても良いし、溝16が楔状となるように内外の周壁7,11が外向き及び内向きにそれぞれ形成されるようにしても良い。また、本実施の形態では、芯材2から補強リブを兼ねた周壁7,11を突出させて溝16を形成しているが、これに特に限定されず、芯材2の縁を凹ませて溝16を形成するようにしても良い。更に、係止筒14と係止爪15とは、本実施の形態とは逆に、裏カバー6側に係止筒14を、芯材2側に係止爪15をそれぞれ設けるようにしても良いし、一方の部材に係止筒14と係止爪15とを混在させるようにしても良い。
【0021】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明の椅子の上張地押さえ構造では、芯材の裏側の周縁部分に裏カバーの周縁壁の先端のエッジ部分を対向させる溝を全周に設けると共に、上張地の縁部分を溝を包み込みながら芯材の裏側に回り込ませて緊迫手段で絞り、溝部分で上張地の支持をフリー状態として上張地自体の張力により弾力性を発揮させる一方、溝と裏カバーの周縁壁との間に介在する上張地を溝内に押し込むようにして芯材と裏カバーとを固定し、溝の上に張られた上張地の弾性力により上張地と裏カバーの周縁壁の先端のエッジ部分とが密着するようにしているので、芯材や裏カバーの寸法誤差や形状のばらつきあるいは組み付け誤差があっても、上張地がその弾力性により裏カバーのエッジと密着し、上張地と裏カバーとの間の隙間の発生を防いで美しい外観に仕上げることができる。このため、裏カバー及び芯材の成形精度や組み付け精度への要求を軽減させて製造コストを低減させることができる。
【0022】
また、裏カバーを芯材に装着するだけで同時に上張地が芯材の縁の溝に押し込まれて隙間なく組み付けを完了することができるので、組み付け作業が楽である上に、効率が良いと共に品質も安定する。しかも、従来のように芯材の周縁壁と裏カバーの周縁壁とが上張地を挟み込むようにして嵌合する構造では使用できなかった厚さや材質の上張地を使用することができ、上張地の種類を選ばないという利点がある。
【0023】
また、裏カバーが上張地を押しつけても、上張地やクッションが芯材の溝に逃げて過大な負荷がかかることがないので損傷することはない。このため、組立作業時に裏カバーの組付けを特に慎重に行う必要はなく、作業性を向上することができる。
【0024】
加えて、請求項2記載の椅子の上張地押さえ構造によると、成形精度の悪さに起因する溝と裏カバー周縁壁との間のカバー外周方向へのずれがあっても、裏カバーのカバー外周方向への全体移動によってそのずれが吸収され、適切な位置関係で裏カバーの周縁壁と芯材の溝とが対向し、芯材と裏カバーとの間に介在する上張地を芯材の溝へ押し込むので、裏カバー及び芯材の成形精度や組み付け精度への要求を更に軽減させて製造コストを低減させることができる。
更に、請求項3記載の椅子の上張地押さえ構造によると、芯材と裏カバーとの間隔は、係止爪と係止筒とが係合する範囲内で変更可能とされ、上張地やクッション材を介在させることなく芯材と裏カバーとを組み合わせると、裏カバーの周縁壁は溝の間に位置し、どこにも接することのない状態で取り付けられるので、周縁壁が上張地を押圧する力の大きさを適正な範囲内に収めることができ、上張地の切れ等を防止することができる。
更に、請求項4記載の椅子の上張地押さえ構造によると、外周壁と内周壁との間の溝部分で上張地の支持がフリー状態となり、クッションの弾力性及びそれ自身の張力により適宜弾力性を発揮することができ、上張地と周縁壁のエッジ部との密着を確実に行うことができる。
更に、請求項5記載の椅子の上張地押さえ構造によると、外周壁と内周壁との間の溝部分でフリー状態で支持される上張地を内周壁の内側で絞ることにより、外周壁と内周壁との間の溝部分で大きな張力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の椅子の上張地押さえ構造を背凭れに適用した実施形態において要部を示す断面図である。
【図2】図1の背凭れの全体を示す中央縦断面図である。
【図3】芯材を示す背面図である。
【図4】芯材と裏カバーとの係止機構を示す断面図である。
【図5】従来の背凭れの裏カバーと上張地との係合状態を示す要部断面図である。
【図6】従来の背凭れの裏カバーと上張地との係合状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 背凭れ
2 芯材
3 クッション
4 上張地
6 裏カバー
6a 周縁壁
7 外周壁
11 内周壁
16 溝
Claims (6)
- 裏カバーを用いて椅子の座部や背凭れ等に張られている上張地の縁部分およびこれらの芯材の裏面を覆い隠す上張地押さえ構造において、前記芯材の裏側の周縁部分に前記裏カバーの周縁壁の先端のエッジ部分を対向させる溝を全周に設けると共に、前記上張地の縁部分を前記溝を包み込みながら前記芯材の裏側に回り込ませて緊迫手段で絞り、前記溝部分で前記上張地の支持をフリー状態として前記上張地自体の張力により弾力性を発揮させる一方、前記溝と前記裏カバーの周縁壁との間に介在する前記上張地を前記溝内に押し込むようにして前記芯材と前記裏カバーとを固定し、前記溝の上に張られた前記上張地の弾性力により前記上張地と前記裏カバーの周縁壁の先端のエッジ部分とが密着することを特徴とする椅子の上張地の押さえ構造。
- 前記裏カバーと芯材とのいずれか一方に、先端に返り部を有する係止爪を設けると共に、他方に前記係止爪を挿入して前記返り部と係合するストッパ部を有する係止筒を設け、かつ前記係止筒のストッパ部の穴径を前記係止爪の軸部よりも大きめに設定してこれらが係合する方向と直交するカバー外周方向に前記裏カバーが全体的に移動可能に係合させ、前記溝と前記裏カバーの周縁壁の先端のエッジ部分との位置関係がカバー外周方向へずれた場合には前記裏カバーの前記カバー外周方向への全体移動によって前記裏カバーの周縁壁の先端のエッジ部分と前記溝とを対向させたことを特徴とする請求項1記載の椅子の上張地押さえ構造。
- 前記係止爪の基端部には係止筒の先端が当接可能な当接壁が備えられ、前記係止爪と係止筒との係合は、前記係止爪が前記ストッパ部に引っ掛かった状態と前記係止筒の先端が前記当接壁に当接した状態との間で起こり、前記芯材と前記裏カバーとのみを組み合わせると前記裏カバーの周縁壁は前記溝の間に位置し、どこにも接しない状態になることを特徴とする請求項2記載の椅子の上張地押さえ構造。
- 前記溝は外周壁と内周壁との2重の周壁の間で形成され、前記裏カバーの周縁壁と対向することを特徴とする請求項1記載の椅子の上張地押さえ構造。
- 前記内周壁は前記外周壁よりも高く突出しており、両壁の間で段差が形成されていることを特徴とする請求項4記載の椅子の上張地押さえ構造。
- 前記裏カバーの周縁壁の先端が前記外周壁の先端に近接していることを特徴とすることを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載の椅子の上張地押さえ構造。
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