JP3875383B2 - 表面検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,広くは各種物体の表面検査装置に関し、詳しくは薄板状の物体たとえば半導体ウェーハの表面の異物(パーティクル等)や傷(結晶欠陥等)を検査するウェーハ表面検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、異なる被検査物ごとに、被検査物の表面に角度を変えて光束を照射し、その表面からの散乱光を受光して、被検査物表面の異物等を検査する装置は知られている。
【0003】
たとえば、特開昭56−67739号公報には、光ビームとして互いに異なる方向から入射する複数のコヒーレント光ビームを用いた欠陥検査装置が示されている。
【0004】
特開平1−59522号公報には、検出点に対してその周囲の4方向の斜め上方より偏光レーザを照射し、検出点からの反射光のうち特定偏向成分を抽出して回路パターンが形成されたウエハ上に存在する異物を検出するようにしたウエハ異物検出装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
被検査物として半導体ウエハを想定すると、検査対象としては半導体ウエハ表面の異物(一般に凸状のもの)及び結晶欠陥(一般に凹状のもの)がある。
【0006】
また、検査対象の種類によって望ましい照射角度に違いがある。この点に着目し、さらにこの検査対象ごとに適切な条件で、しかも同時に検査を行うことが望ましい。
【0007】
しかし、従来の表面検査装置は、異物(一般に凸状のもの)及び結晶欠陥(一般に凹状のもの)の同時検査を実現できなかった。
【0008】
本発明は,このような事情に鑑みてなされたもので、被検査物の表面に存在する異物や結晶欠陥の検査を同時に精度良く行うことのできる表面検査装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決手段は、前掲の請求項1〜8に記載の表面検査装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、異なる照射角度で光束を被検査物に照射し、その表面からの各角度ごとの散乱光を同時に受光して、被検査物の表面の凸状の異物や凹状の結晶欠陥などを、同時に検査することができる表面検査装置を提供するものである。
【0011】
たとえば、本発明による表面検査装置は、第1波長の光束と第2波長の光束を発する光源部と、上記第1波長の光束を第1照射角度により被検査物の表面に照射する第1照射光学系と、上記第2波長の光束を第1照射角度とは異なる第2照射角度により被検査物の表面に照射する第2照射光学系と、第1照射光学系で照射されて被検査物表面の検査対象からの散乱光を第1受光方向から受光する第1受光光学系と、第2照射光学系で照射された被検査物表面の検査対象からの散乱光を第2受光方向から受光する第2受光光学系と、第1受光光学系で受光した第1波長の散乱光を第1受光信号に変換する第1受光部と、第1受光光学系で受光した第2波長の散乱光を第2受光信号に変換する第2受光部と、第2受光光学系で受光した第1波長の散乱光を第3受光信号に変換する第3受光部と、第2受光光学系で受光した第2波長の散乱光を第4受光信号に変換する第4受光部と、上記被検査物と上記照射光学系の照射光束とを相対的に変位させる変位部と、上記第1乃至第4受光信号から検査対象を弁別する信号処理部とを備えている。
【0012】
その場合、好ましくは、上記第1照射光学系の第1照射角度は、上記第2照射光学系の第2照射角度よりも小さく設定してある。第1受光光学系が受光する第1受光方向が上記第1照射光学系又は上記第2照射光学系で照射された光束の被検査物の表面での正反射方向に対してなす第1受光角度は、第2受光光学系がその正反射方向となす第2受光角度よりも大きく設定されている。上記信号処理部は、上記第1受光信号若しくは第3受光信号に基づき第1処理信号を、又は上記第2受光信号若しくは第4受光信号に基づき第2処理信号を形成して、上記第1処理信号と上記第2処理信号との両者に含まれるデータから第1検査対象を、又は上記第1処理信号と上記第2処理信号との一方にしか含まれないデータから第2検査対象を、検査対象として判別する。
【0013】
さらに好ましくは、上記第1受光部乃至第4受光部の感度をそれぞれ高感度と低感度に切換可能な感度設定手段を設ける。感度設定手段は、上記被検査物が表面散乱の少ないものであるときに、上記第1受光部及び上記第2受光部を高感度に設定し、上記第3受光部及び第4受光部を低感度に設定する。さらに、感度設定手段は、上記被検査物が表面散乱の多いものであるときに、上記第1受光部及び上記第2受光部を低感度に設定し、上記第3受光部及び第4受光部を高感度に設定する。
【0014】
また、上記被検査物は、ベアの半導体ウエハとし、上記信号処理部は、上記第1検査対象として半導体ウエハ表面の異物を判別し、上記第2検査対象として半導体ウエハ表面の小さな凹部を判別する。さらに、上記信号処理部が判別した上記第1検査対象たる半導体ウエハ表面の異物及び上記第2検査対象たる半導体ウエハ表面の小さな凹部の何れか一つ又はその両方を表示する表示部を設ける。
【0015】
さらに、上記信号処理部が判別した判別結果を記憶する記憶部を設け、すでに検査した検査対象を再び検査する際に、上記信号処理部が、記憶部に記憶された判別結果と今回の測定の判別結果とを関連づける。
【0016】
【実施例】
図1は、本発明の好適な1つの実施例による表面検査装置の主要な光学要素の概略配置図である。
【0017】
表面検査装置1は、少なくとも第1波長λ1の光束11と、これと異なる第2波長λ2の光束12を発するレーザチューブ等の光源部10と、光源部10からの第1波長λ1の光束11を第1照射角度θ1によって、被検査物である半導体ウエハ2に照射する第1照射光学系20と、光源部10からの第2波長λ2の光束12を第2照射角度θ2によって、第1照射光学系20と同様に半導体ウエハ2の表面の検査点P上に照射する第2照射光学系30と、第1照射光学系20と第2照射光学系30によって照射された光束11、12による半導体ウエハ2の表面の検査点Pからの散乱光を第1受光方向から受光する第1受光光学系40と、第1照射光学系20又は第2照射光学系30によって照射された光束11、12による半導体ウエハ2の表面の検査点Pからの散乱光を第1受光方向とは異なる第2受光方向から受光する第2受光光学系50と、被検査物たる半導体ウエハ2を上記第1照射光学系20の照射光束11に対して相対的に直線及び回転移動可能とする変位部60とを有する。第1受光光学系40の仰角は、30°であり、第2受光光学系50の仰角は、30°である。
【0018】
光源部10を説明すると、少なくとも第1波長の光束11と、これとは異なる第2波長の光束12を発する光源部10としては、複数の波長の光束を発する各種のものが利用できる。例えばマルチラインのレーザのように一つの光源で複数の波長の光束を発するものや、異なる波長の光束を発する複数の光源の光束をハーフミラーなどで合成して一つのビームを形成するものが採用できる。
【0019】
マルチラインのレーザを採用する際に、不必要な波長の光束が発生する場合は、第1波長と第2波長を通過させるバンドパスフィルターを通過させることにより、必要な波長の光束のみを取り出すことができる。
【0020】
異なる波長の光束を発する複数の光源を使用する場合は、複数の光束をハーフミラーなどで合成して一つのビームを形成する。その一例を図11に示す。2個の光源10からビーム(光束)を発し、途中でハーフミラー201で合成して合成ビームを作る。たとえば、ヘリウムカドミウムレーザを使用し、441.6nmの波長と325nmの波長を選択する。
【0021】
図1の例で光源部10としてアルゴンイオンレーザを用いれば、488nmの波長と514.5nmの波長が選択できる。光源部10から射出された光束は、第1波長λ1の光束11を通過させ、第2波長λ2の光束12を反射させるダイクロイックミラー3によって、第1波長の光束11と第2波長の光束12が分離される。第1波長の光束11は、第1ミラー21によって向きが変えられ、第1照射レンズ群22、第2ミラー23を介して第1照射角度θ1で被検査物2の表面の照射点Pに照射される。第2波長の光束12は、ダイクロイックミラー3によって反射され、第2照射レンズ群31、第3ミラー32及び第4ミラー33を介して第2照射角度θ2で被検査物2の表面の照射点Pに照射される。
【0022】
照射点Pに検査対象すなわち異物等が存在した場合、これに照射光束が照射されると、所定の指向性に従って散乱光が生じる。第1照射角度θ1及び第2照射角度θ2は、被検査物2の法線方向を基準に設定する。図1の実施例において、第1照射角度θ1は、入射角度として0度から40度の範囲から所定角度が選択される。第2照射角度θ2は50度から85度の範囲から所定角度が選択される。水平方向は、一致していても異なっていても差し支えない。
【0023】
図1の実施例においては、第1照射角度θ1<第2照射角度θ2の関係が成立している。第1波長λ1と第2波長λ2の大きさは、任意に選択可能である。但し、入射角度が大きいほど検出感度が良くなり、また使用波長λが短いほど検出感度が良くなる傾向があるので、第1波長λ1よりも第2波長λ2が長い関係(第1波長λ1<第2波長λ2)とすれば、それにより、第1照射角度θ1による検出感度と第2照射角度θ2による検出感度とが等しくなる方向に設定することができる。
【0024】
次は、第1受光光学系40(側方散乱光)と第2受光光学系50(前方散乱)を説明する。
【0025】
前述の散乱光を受光するために第1受光光学系40と第2受光光学系50が設けられている。第1受光光学系40は、第1照射光学系20と第2照射光学系30によって照射された光束11、12による半導体ウエハ2の表面の検査点Pからの散乱光を第1受光方向から受光する。第2受光光学系50は、第1照射光学系20と第2照射光学系30によって照射された光束11、12による半導体ウエハ2の表面の検査点Pからの散乱光を第1受光方向とは異なる第2受光方向から受光する。
【0026】
第1受光方向の第1受光水平角θH1(たとえば90°)及び第2受光方向の第2受光水平角θH2(たとえば50°)は、第1照射光学系20と第2照射光学系30による照射光束11、12が被検査物2で鏡面反射されたときの反射方向を基準に測る。図1の実施例においては、第1受光水平角θH1>第2受光水平角θH2の関係にある。
【0027】
第1及び第2受光方向の受光仰角は例えば30°に設定される。
【0028】
図2に示すように、第1受光光学系40で受光された受光光束は、受光光路に挿入又はこれから離脱するために矢印方向に移動可能に配置されているNDフィルタ200を経たあと、第1波長λ1の光束と第2波長λ2の光束に第2ダイクロイックミラー3aで分離される。そして、第1受光部41は、第1受光光学系40で受光した第1波長λ1の散乱光を受光し、第1受光信号に変換する。第2受光部42は、第1受光光学系40で受光した第2波長λ2の散乱光を受光し、第2受光信号に変換する。
【0029】
第2受光光学系50も、図2に示すものと同様の光学系により、矢印方向に移動可能に配置されているNDフィルタのあと第1波長λ1の光束と第2波長λ2の光束に第2ダイクロイックミラー3aで分離する。第3受光部43が、第2受光光学系50で受光した第1波長λ1の散乱光を受光し、第3受光信号に変換する。第4受光部44が、第2受光光学系50で受光した第2波長λ2の散乱光を受光し、第4受光信号に変換する。
【0030】
前述の第1受光部乃至第4受光部41〜44は、フォトマルチプライヤーなどの高感度の受光素子が望ましい。
【0031】
また、変位部60を説明すると、変位部60は、被検査物2を回転変位させる回転変位部61と被検査物2を直線変位させる直線変位部62とから構成されている。回転変位部61の一回転の変位に対して、直線変位を光束の幅の所定割合だけ移動させるようにすることで、被検査物2を第1及び第2照射光学系20、30の照射光によりくまなく螺旋走査を行う。
【0032】
本発明は前述のような走査方法に限られるものではなく、回転変位の代わりに照射光束をポリゴンミラーなどで直線走査を行うようにしても構わない。
【0033】
図1の実施例では、回転変位部61が回転テーブルを回転させる回転モータにより構成され、直線変位部62がその回転モータを直線的に移動させるスライド移動部で構成されている。スライド移動部は、その移動により照射光学系20、30の照射光束11、12の照射位置が被検査物2の中心を通り、直径方向によぎるように変位させる。
【0034】
図3は、本発明による表面検査装置のブロック図である。
第1乃至第4受光部41、42、43、44の第1乃至第4受光信号は、それぞれ第1乃至第4A/D変換器111、112、113、114により、デジタル信号に変換された後、信号処理部の働きを行う制御演算部120に送られ所定の信号処理がなされる。制御演算部120は、後述する所定の信号処理を行い、検査結果を必要に応じて表示部130で表示させたり、記憶部140に記憶したり、その記憶内容の読み出しを行う。
【0035】
また、制御演算部120は、回転変位部61の回転モータや直線変位部62のスライド移動部を制御したり、被検査物2の種類に応じて、第1乃至第4受光部41、42、43,44の感度切換部150を制御する。
【0036】
感度切換部150は、NDフィルター200を図2の矢印方向に移動して、第1乃至第4受光部41、42、43、44の受光窓ににNDフィルター200を挿入して感度を下げたり、受光窓からNDフィルター200を離脱して感度を上げたりすることにより感度切換を行う。
【0037】
第1乃至第4受光部41、42、43、44をフォトマルチプライヤーで形成したときには、これらに加える電圧調整により感度を切り換えることもできる。
【0038】
図4は、検査の概略手順を示す。
【0039】
検査が開始されると、ステップS1において、被検査物2の種類を判別し、表面散乱の少ないもの(例えばベアウエハ、SiO2膜付きのもの)か、表面散乱の多いもの(例えば、金属膜付きのウエハ)かを判別する。被検査物2が、表面散乱の少ない被検査物のときには、ステップS2に進み、第1乃至第4受光部41〜44の感度を表面散乱の少ない被検査物に適した設定とする。すなわち表面散乱の少ない被検査物のときには、第1受光部41及び第2受光部42の感度を高感度に切換え、第3受光部43及び第4受光部44の感度を低感度に切換え(この状態を第1検査条件という)、ステップS3に進む。
【0040】
ステップS3では、第1照射光学系20及び第2照射光学系30から第1波長λ1の光束11と第2波長λ2の光束12がともに照射された状態で変位部60が回転変位と直線変位を行い、螺旋走査が行われ、ステップS4に進む。
【0041】
ステップS4では、制御演算部120が第1乃至第4受光部41〜44からの第1乃至第4受光信号を受け取り、信号処理を行う受光信号を選択し、ステップS5に進む。
【0042】
ステップS5では、制御演算部120が選択された受光信号に所定の信号処理を施し、検査対象(たとえば凸状の異物や、凹状の結晶欠陥等)を抽出し、その開始座標、終了座標、ピーク座標などのデータを求め、ステップS6に進む。
【0043】
ステップS6では、抽出された高角度照射によるデータと抽出された低角度照射によるデータに基づき、検査対象の種類(たとえば凸状の異物や、凹状の結晶欠陥)を判別し、ステップS7に進む。
【0044】
ステップS7では、走査を終了するか否かが判断される。終了でなければ、ステップS4に戻り、処理が走査が終了まで繰り返される。走査終了であれば、ステップS8に進む。
【0045】
ステップS8では、検査対象の検査データを記憶部140に記憶し、ステップS9に進む。
【0046】
ステップS9では、後述する検査対象の検査データを所定の形式で表示部130で表示し、ステップS10に進む。
【0047】
ステップS10では、測定終了かどうかが判断される。測定終了でなければ、ステップS1に戻り、新たな測定が行われる。そうでなければ、そのまま終了する。
【0048】
ステップS1において、被検査物2が、表面散乱の多いもの(例えば、金属膜付きのウエハ)と判断されたときには、ステップS11に進み、第1乃至第4受光部41〜44の感度を表面散乱の多い被検査物に適した設定とする。すなわち表面散乱の多い被検査物のときには、第1受光部41及び第2受光部42の感度を低感度に切換え第3受光部43及び第4受光部44の感度を高感度に切換える。この状態を第2検査条件という。この場合、ステップS3に進み、検査が、上述したものと同様に行われる。
【0049】
受光信号の選択は、次のように行われる。
【0050】
図4のステップS4で行われる信号選択処理について以下に説明する。
【0051】
被検査物2が、表面散乱の少ないもの(例えばベアウエハ、SiO2膜付きのもの)である場合、第1乃至第4受光部41〜44の感度を表面散乱の少ない被検査物に適した設定とされる。すなわち表面散乱の少ない被検査物のときには、第1受光部41及び第2受光部42の感度を高感度に切換え、第3受光部43及び第4受光部44の感度を低感度に切換える。この状態を第1検査条件という。この状態で検査が行われる。
【0052】
このときに、高角度で照射される光束による第1波長λ1の散乱光は、高感度に設定された第1受光部41、低感度に設定された第3受光部43で受光され、第1受光信号、第3受光信号が形成される。
【0053】
低角度で照射される光束による第2波長λ2の散乱光は、高感度に設定された第2受光部42と、低感度に設定された第4受光部44で受光され、第2受光信号と、第4受光信号が形成される。この時の各受光信号の一例を図5の(1)(2)(3)(4)に示す。
【0054】
図5に示されているように、検査対象を抽出する信号処理が行われる受光信号は、検査対象からの散乱光の強度によって決定される。たとえば、一例として、高感度に設定されている第1受光部41の出力である第1受光信号41a〜41dが飽和していないときには、第1受光信号が第1波長λ1の散乱光の信号として信号処理の対象に選択される。第1受光信号41a〜41dの少なくとも一つが飽和しているときには、低感度に設定されている第3受光部43の出力である第3受光信号43a〜43dが第1波長λ1の散乱光の信号として信号処理の対象に選択される。これにより高角度照射の場合の散乱特性が得られる。
【0055】
一方、低角度照射の場合の散乱特性に関しては、高感度に設定されている第2受光部42の出力である第2受光信号42a〜42dのすべてが飽和していないときには、第2受光信号42a〜42dが第2波長λ2の散乱光の信号として信号処理の対象に選択される。第2受光信号42a〜42dのいずれかが飽和しているときには、低感度に設定されている第4受光部44の出力である第4受光信号44a〜44dが第2波長λ2の散乱光の信号として信号処理の対象に選択される。
【0056】
さらに、検査対象データの抽出信号の処理のしかたを具体的に説明する。
【0057】
検査対象のデータの処理は、図4に示すステップS5において行われる。その検査対象のデータ抽出処理に関して説明すると、検査対象を表現するための各種の方式がある。一例として、検査対象を、その開始座標、終了座標、ピーク座標として求めるものを示す。
【0058】
図6は、そのような本発明のフローチャートの一例を示す。
【0059】
図6において、まず測定が開始されると、ステップ1において、測定データが入力され、ステップ2に進む。
【0060】
ステップ2において、得られた測定データSnがスライスレベルSLよりも大きいかどうかが判断され、小さい場合はステップ3に進み、大きい場合は、ステップ7に進む。
【0061】
ステップ3において、異物の幅を示す幅カウントSWcnt の計数が0かどうか、即ち既に測定データSnがスライスレベルSLを越えたかどうかを判断する。
言い換えると、直前に異物のデータを測定をしたかどうかを判断する。
ここで直前とは、ステップ13で判断される所定値SEset のカウント以内を意味する。
【0062】
SWcnt の計数が0である場合、即ち直前に異物データがない場合、ステップ1に戻り次の測定データの処理に移る。SWcnt の計数が0でない場合、即ち直前に異物データがある場合には、ステップ4に進み、得られた測定データSnがスライスレベルSLよりも小さい期間を計数するSEcnt カウント(無信号期間カウント)を計数する処理が行われる。
【0063】
ステップ4において、SEcnt =0の場合、エンド信号計数が0であるかどうかが判断され、SEcnt =0の場合はステップ5に進み、それ以外はステップ12に進む。
【0064】
ステップ5において、即ち得られた測定データSnがスライスレベルSLを越えていた状態からスライスレベルSL下回った時に、その時の座標値X 、Y 座標をXend、Yendとして記憶し、ステップ6に進む。ステップ6において、SEcnt 計数値に1が加えられ、ステップ1へ戻り次の測定データ処理に移る。
ステップ2において、得られた測定データSnがスライスレベルSLよりも大きいかどうかが判断されたときには、ステップ7に進む。ステップ7において、SWcnt の計数が0かどうか、即ち測定データSnがスライスレベルSLを越えたかどうかが判断され、初めて越えたときにはステップ8に進み、初めてでないときには、ステップ10に進む。
【0065】
ステップ8においては、この時の座標値を異物の開始座標(スタート点の座標値)Xstart, Ystartとして記憶し、ステップ9に進む。
【0066】
一方、ステップ7において、異物の開始からの計数値SWcnt の計数が0でない、即ち最初に測定データSnがスライスレベルSLを越えたものでないと判断したときには、ステップ10に進み、
無信号期間カウントSEcnt の計数値が0でないかどうかを判断する。
無信号期間カウントSEcnt の計数値が0でないときは、ステップ11で、SEcnt の計数値を0とし、ステップ9に進む。無信号期間カウントSEcnt の計数値が0のときは直接ステップ9に進む。
【0067】
ステップ9においては、今回の測定データが以前の測定データより大きいかどうかを判断し、大きい方をピークデータとして記憶するピーク処理がなされ、ステップ12に進む。
【0068】
ステップ12においては、異物の開始座標の点(スタート点、異物の前端に相当)からの計数値SWcnt に1を加え、ステップ1に戻る。
【0069】
ステップ4において、SEcnt =0でない場合、即ち無信号期間カウントSEcnt の計数値が0でない場合は、ステップ13に進む。ここでは、無信号期間カウントSEcnt が予め定めた計数値SEset より大きいかどうかが判断される。無信号期間カウントSEcnt が予め定めた計数値SEset より小さい場合は、ステップ6へ進み次の測定データ処理が行われる。
【0070】
また無信号期間カウントSEcnt が予め定めた計数値SEset より大きい場合は、ステップ14へ進み、次の測定データ処理が行われる。
【0071】
ステップ14においては、ステップ8で記憶された異物のスタート点の座標値Xstart, Ystartを、ステップ5で記憶された座標値Xend, Yendを、メモリに記憶されているピーク値を、それぞれ今回測定対象となっている異物のスタート点の座標値、異物のエンド点の座標値及びピーク値としてデータ転送し、メモリに記憶し、ステップ15に進む。
【0072】
ステップ15において、測定終了かどうかが判断され、測定終了であればそのまま測定を終了し、そうでなければステップ16に進む。
【0073】
ステップ16において、初期設定が行われ、として異物の開始座標値Xstart, Ystart、終了座標値Xend, Yend及びピーク値P、無信号期間カウントSEcnt 並びに異物の開始からの計数値SWcnt を0として、ステップ1に戻る。
【0074】
図7は、本発明によるピーク値その他の処理のしかたを示している。
【0075】
検出光を所定方向に走査させていくとき、異物の散乱信号がスレッショルド信号(図7に水平に実線で示されている)を越えたら、そこをスタート点(Start)として記憶し、その後、異物散乱信号がスレッショルド信号を下回ったら、そこをエンド点(End)として記憶し、スタート点とエンド点との間で異物散乱信号が最も大きかったところをピーク(Peak)として記憶する。異物散乱信号の位置データとしてスタート点(Start)、ピーク(Peak)およびエンド点(End)からなる位置情報に基いて検査対象物の表面上の異物を特定する。
【0076】
図7においては、異物は、Da,Db,Dcが特定されるので、異物の個数は3になる。この場合、区間A、Bのデータは異物の個数に無関係になり、異物の個数は3個とカウントされるのである。
【0077】
次は、Z方向の検出を説明する。
【0078】
照射光束の鏡面反射光を受光して、その受光位置から被検査物2の高さを知ることができる。必要に応じて、検査対象位置のY方向座標(被検査物2の直線移動方向)を補正することもできる。たとえば、受光部からの出力信号に基づき、演算同期回路部が、ウエハ表面2上の検査時に基準面を基準としてウエハの高さがdZだけ変位した場合、基準面に入射する光と基準面とのなす角度をθとすると、ピーク検出回路部により得られた径方向の座標Ym…に対して補正量dYだけ補正を施す。ここで、dY=dZ/tan θとする。たとえば、補正後のピークの座標は、Ym data−dYとして求める。螺旋走査の場合には、径方向にしか座標値にズレが生じないが、他の走査方式に適用する場合には高さの変位がズレとして現れる方向の座標について補正を施す。
【0079】
次は、検査対象の判別について説明する。
【0080】
図4のステップS7で行われる検査対象の種類を判別についてより具体的に説明する。
【0081】
ここでは、抽出された高角度照射によるデータと抽出された低角度照射によるデータに基づき、検査対象の種類を判別する。
【0082】
表面散乱の少ない被検査物2を検査しているときには、図5の(1)(2)(3)(4)に示すような各種の第1乃至第4受光信号が得られる。そして、これらの受光信号には、表面の凸部に相当する小さな表面異物の信号や、表面の凹部に相当する結晶欠陥の信号や、表面の凸部に相当する大きな異物の信号が含まれている。
【0083】
たとえば、図5の(1)に示す第1受光信号41a〜41dは、高照射角度で照射した第1波長λ1の光束が照射されたときに生じた散乱光を第1方向から受光した高感度に設定された第1受光部41の出力である。この第1受光信号41a〜41dには、表面の凸部に相当する異物の信号と、表面の凹部に相当する結晶欠陥の信号が、スライスレベルSLを越える信号として現れる。但し、一番右側の大きな異物の信号41dは、飽和している。
【0084】
図5の(2)に示す第2受光信号42a〜42dは、低照射角度で照射した第2波長λ2の光束が照射されたときに生じた散乱光を第1方向から受光した高感度に設定された第2受光部42の出力である。この第2受光信号42a〜42dでは、表面の凸部に相当する異物の信号42a,42dのみがスライスレベルSLを越える信号として現れ、表面の凹部に相当する結晶欠陥の信号42b,42cはスライスレベルSLを下回る小さなレベルの信号として現れる。ただし、右端の信号42dは飽和している。
【0085】
図5の(3)に示す第3受光信号43a〜43dは、高照射角度で照射した第1波長λ1の光束が照射されたときに生じた散乱光を第2方向から受光した低感度に設定された第3受光部43の出力である。この図5の(3)に示す第3受光信号43a〜43dは、第1受光信号41a〜41dのレベルを全体的に下げたものとして現れる。
【0086】
図5の(4)に示す第4受光信号44a〜44dは、低照射角度で照射した第2波長λ2の光束が照射されたときに生じた散乱光を第2方向から受光した低感度に設定された第4受光部44の出力である。この図5の(4)に示す第4受光信号44a〜44dは、第2受光信号42a〜42dのレベルを全体的に下げたものとして現れる。
【0087】
従って、高照射角度で照射したときに得られた受光信号(第1受光信号又は第3受光信号)と低照射角度で照射したときに得られた受光信号(第2受光信号又は第4受光信号)の両方に現れた検査対象は、表面の凸部(すなわち異物)を表した信号として判別できる。また、高照射角度で照射したときに得られた受光信号(第1受光信号又は第3受光信号)に現れ、低照射角度で照射したときに得られた受光信号(第2受光信号又は第4受光信号)には現れない検査対象は、表面の凹部(すなわち結晶欠陥などの窪み)として判別する。
【0088】
表示部130には、検査対象の種類ごとの個別表示か、検査対象の種類を区別可能に合成して表示させる。また過去に同じ被検査物を測定したデータがあるときは、検査対象(異物等)の増加、減少などの履歴がグラフなどで判断つくような形で表示される。
【0089】
図8は、そのような検査結果の表示例を示す。図8の(a)では、被検査物2の輪郭図形中に検出した結晶欠陥のみを検出位置に対応させて○81、82で表示し、図8の(b)では、被検査物2の輪郭図形中に検出した異物のみを検出位置に対応させて×83、84で表示し、図8の(c)では、被検査物2の輪郭図形中に検出した結晶欠陥と異物を区別可能な記号(たとえば○、×)で検出位置に対応させて表示している。
【0090】
また、図7に関連して説明したピークの値は色の違いで表示するのが好ましい。
【0091】
図9と図10は、過去に同じ被検査物を測定したデータがあるとき、検査対象の増加、減少などの履歴の一例を示した図である。
【0092】
図9において、(a)は、第1回目(t1)の検査データを示し(b)は第2回目(t2)の検査データを示し、(c)は、第3回目(t3)の検査データを示している。○印91、94、95は凹状の検査対象(結晶欠陥など)を示し、×印92、93、96、97は、凸状の検査対象(パーティクルのような凸状のもの)を示している。(a)から(c)に順に検査対象の個数が増加している。
【0093】
図10は、図9の(a)〜(c)つまり(t1)〜(t3)における検査対象91〜97の履歴を示すグラフである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表面検査装置の主な光学要素の概略配置図である。
【図2】受光光学系の詳細図である。
【図3】本発明の表面検査装置の概略を示すブロック図である。
【図4】本発明を適用した表面検査装置による検査の概略フローチャートを示す。
【図5】第1受光信号乃至第4受光信号の一例を示した図である。
【図6】本発明の表面検査装置における検査対象を求める信号処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】受光信号の一例を示した図である。
【図8】本発明の表面検査装置において検査結果を検査対象の種類に応じて単独させて表示したり、合成させて表示した例を示した図である。
【図9】本発明の表面検査装置において過去の測定結果と関連づけられた検査結果を表示する他の例を示す図である。
【図10】本発明の表面検査装置において過去の検査結果と関連づけられた検査結果を表示する一例を示す図である。
【図11】複数の光束をハーフミラーで合成して1つのビームを形成する態様の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 表面検査装置
2 被検査物
3 ダイクロイックミラー
10 光源部
20 第1照射光学系
30 第2照射光学系
40 第1受光光学系
41 第2ダイクロイックミラー
50 第2受光光学系
60 変位部
61 回転変位部
62 直線変位部
41〜44 第1乃至第4受光部
111〜114 第1乃至第4A/D変換器
120 制御演算部
130 表示部
140 記憶部
150 感度切換部
Claims (8)
- 第1波長の光束と第2波長の光束を発する光源部と、
上記第1波長の光束を第1照射角度により被検査物の表面に照射する第1照射光学系と、
上記第2波長の光束を第1照射角度とは異なる第2照射角度により被検査物の表面に照射する第2照射光学系と、
第1照射光学系で照射されて被検査物表面の検査対象からの前方散乱光を第1受光方向から受光する第1受光光学系と、
第2照射光学系で照射された被検査物表面の検査対象からの側方散乱光を第2受光方向から受光する第2受光光学系と、
第1受光光学系で受光した第1波長の前方散乱光を第1受光信号に変換する第1受光部と、
第1受光光学系で受光した第2波長の前方散乱光を第2受光信号に変換する第2受光部と、
第2受光光学系で受光した第1波長の側方散乱光を第3受光信号に変換する第3受光部と、
第2受光光学系で受光した第2波長の側方散乱光を第4受光信号に変換する第4受光部と、
上記被検査物と上記照射光学系の照射光束とを相対的に変位させる変位部と、
上記第1乃至第4受光信号から検査対象を弁別する信号処理部と、
から構成されていることを特徴とする表面検査装置。 - 上記第1照射光学系の第1照射角度は、上記第2照射光学系の第2照射角度よりも小さく設定してあり、
第1受光光学系が受光する第1受光方向が上記第1照射光学系又は上記第2照射光学系で照射された光束の被検査物の表面での正反射方向に対してなす第1受光角度は、第2受光光学系がその正反射方向となす第2受光角度よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1記載の表面検査装置。 - 上記信号処理部は、被検査物表面の散乱の種類に応じて、上記第1受光信号若しくは第3受光信号に基づき第1処理信号を、上記第2受光信号若しくは第4受光信号に基づき第2処理信号を形成して、上記第1処理信号と上記第2処理信号との両者に含まれるデータから第1検査対象を、上記第1処理信号と上記第2処理信号との一方にしか含まれないデータから第2検査対象を、検査対象として判別するように構成されていることを特徴とする請求項2記載の表面検査装置。
- さらに、上記第1受光部及び第2受光部の感度と第3受光部及び第4受光部の感度をそれぞれ高感度と低感度に切換可能な感度設定手段を設け、該感度設定手段は、上記被検査物の表面散乱が低散乱のものであるときに、上記第1受光部及び上記第2受光部を高感度に設定し、上記第3受光部及び第4受光部を低感度に設定するように構成したことを特徴とする請求項3記載の表面検査装置。
- さらに、上記第1受光部及び第2受光部の感度と第3受光部及び第4受光部の感度をそれぞれ高感度と低感度に切換可能な感度設定手段を設け、該感度設定手段は、上記被検査物の表面散乱が高散乱のものであるときに、上記第1受光部及び上記第2受光部を低感度に設定し、上記第3受光部及び第4受光部を高感度に設定するように構成したことを特徴とする請求項3記載の表面検査装置。
- 上記被検査物は、ベアの半導体ウエハとし、上記信号処理部は、上記第1検査対象として半導体ウエハ表面の異物を、上記第2検査対象として半導体ウエハ表面の凹部を判別することを特徴とする請求項3記載の表面検査装置。
- さらに、上記信号処理部が判別した上記第1検査対象たる半導体ウエハ表面の異物及び上記第2検査対象たる半導体ウエハ表面の凹部の何れか一つ又はその両方を表示する表示部を設けたことを特徴とする請求項6記載の表面検査装置。
- さらに上記信号処理部が判別した判別結果を記憶する記憶部を設け、すでに検査した検査対象を再び検査する際に、上記信号処理部が、記憶部に記憶された判別結果と今回の測定の判別結果との履歴を示すように構成されていることを特徴とする請求項4記載の表面検査装置。
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