JP3879166B2 - 金属キレートアゾメチン化合物及びこれを用いた光学的記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アゾメチン化合物と金属との新規な金属キレートアゾメチン化合物及びそれを用いた光学的記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザーを用いた光学記録は、高密度での情報の記録、保存及び再生が可能であるため、近年、特にその開発が盛んである。
光学記録の一例としては、光ディスクを挙げることができる。一般に光ディスクは、円形の基板上に設けられた薄い記録層に、1μm程度に集束したレーザー光を照射し、高密度の情報記録を行うものである。その記録は、照射されたレーザー光エネルギーを吸収することによって、その個所の記録層に、分解、蒸発、溶解等の熱的変形が生成することにより行われる。また、記録された情報の再生は、レーザー光により変形が起きている部分と起きていない部分の反射率の差を読み取ることにより行われる。
従って、記録層はレーザー光のエネルギーを効率よく吸収する必要があり、レーザー吸収色素が用いられている。
【0003】
この種の光学的記録媒体としては、種々の構成のものが知られている。例えば、特開昭55−97033号公報には、基板上にフタロシアニン系色素の単層を設けたものが開示されている。しかしながら、フタロシアニン系色素は感度が低く、また分解点が高く蒸着しにくい等の問題点を有し、さらに有機溶媒に対する溶解性が著しく低いため塗布によるコーティングに使用することができないという問題点も有している。
【0004】
また、特開昭58−112790号、同58−114989号、同59−85791号、同60−83236号各公報等には、シアニン系色素を用いた記録層を設けたものが開示されている。しかし、この色素は溶解性が高く、塗布によるコーティングが可能であるという利点の反面、耐光性が劣るという問題点を有している。このため、特開昭59−55795号公報には、このシアニン系色素にクエンチャーを加えて耐光性を向上させることが検討されているが、まだまだ不十分なレベルである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決する記録用色素、及びそれを用いた光学的記録媒体を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る色素は、下記一般式〔I〕で示されるアゾメチン化合物が金属とキレートを形成している金属キレートアゾメチン化合物である。
【0007】
【化7】
【0008】
(式中、Aはそれが結合している炭素原子及び窒素原子と一緒になって複素環を形成する残基を表す。Bはそれが結合している2つの炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成しており、かつこのベンゼン環には少なくともXとして−OH、−COOH、−SO 3 H、−NHSO 2 R 16 、−NHCOR 16 、−NHCOOR 16 (R 16 は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表わす)から選ばれる基を有し、4−位にアミノ基が結合している。)
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明について詳細に説明すると、前記一般式〔I〕において、残基Aはそれが結合している炭素原子及び窒素原子と一緒になって複素環を形成するが、残基Aが形成する複素環としては下記のものが好ましい。
【0010】
【化8】
【0011】
【化9】
【0012】
【化10】
【0013】
(式中、R1 〜R8 は、それぞれ独立して、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜7のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシルなどアルキル基の炭素数が1〜6のアルキルスルホニル基及びアルコキシスルホニル基;フェニルスルホニル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基等の炭素数2〜7のアルキルカルボニル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ホルミル基;−CR9 =CR10(CN)(ここで、R9 は水素原子又は前記R1 〜R8 において定義したものと同様の炭素数1〜6のアルキル基を表し、R10はシアノ基又はメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基を表す。);ニトロ基;
【0014】
【化11】
【0015】
(ここで、R11〜R13は、それぞれ独立して、水素原子又はニトロ基を表し、Zは単結合、−SCH2 −、−SO2 −又は−SO2 CH2 −を表す。);炭素数が1〜3のフルオロアルキル基及びフルオロアルコキシ基;シアノ基;前記R10において定義したものと同義の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;メトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルエチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルエチル基、n−プロポキシカルボニルプロピル基、イソプロポキシカルボニルメチル基、イソプロポキシカルボニルエチル基等の炭素数3〜7のアルコキシカルボニルアルキル基;又はメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基等の炭素数1〜7のアルキルチオ基;炭素数1〜3のフルオロアルキルチオ基;フェニルアゾ基を表す。
残基Aが形成する複素環は、下記のいずれかであるのがより好ましい。
【0016】
【化12】
【0017】
式中、P1 、P2 、P3 及びP4 は、それぞれ独立して、イソプロピル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、2,4−ジメチル−3−ペンチル基等の分岐の炭素数3〜7のアルキル基;イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ基等の炭素数3〜8の分岐アルコキシ基;イソプロピルチオ基、tert−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、2,4−ジメチル−3−ペンチルチオ基等の炭素数3〜7の分岐アルキルチオ基;フッ素原子;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基等の炭素数1〜3のフッ素置換アルキル基;トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、テトラフルオロエトキシ基等の炭素数1〜3のフッ素置換アルコキシ基;トリフルオロメチルチオ基、ペンタフルオロエチルチオ基、テトラフルオロエチルチオ基等の炭素数1〜3のフッ素置換アルキルチオ基などを表わす。
【0018】
一般式〔I〕で示されるアゾメチン化合物において、Bが形成するベンゼン環は更にX以外の置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、エステル基、カルバモイル基、アシル基、アシルアミノ基、スルファモイル基、スルホンアミド基、アミノ基、ヒドロキシル基、フェニルアゾ基、ピリジノアゾ基、ビニル基等が挙げられ、これらの置換基そのものも更に置換基を有していてもよい。これらの芳香族環又は複素環の置換基の中で好ましいものとしては、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアルキルスルファモイル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のフェニルスルファモイル基、置換基を有していてもよいフェニルアゾ基、置換基を有していてもよいピリジノアゾ基、炭素数2〜26のエステル基、炭素数2〜26のカルバモイル基、炭素数2〜26のアシル基、炭素数1〜25のアシルアミノ基、炭素数1〜25のスルホンアミド基、−NR17R18(R17及びR18は、それぞれ独立して、水素原子;置換されていてもよいアルキル基;置換されていてもよいアリール基、特にフェニル基;置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルキル基を表わすか、又はR17とR18とが結合して5員環若しくは6員環を形成していてもよい)、ヒドロキシル基、−CR19=C(CN)R20(R19は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表わし、R20はシアノ基又は炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基を表わす。)等が挙げられる。
【0019】
一般式〔I〕で示されるアゾメチン化合物において、Xとしては、−OH、−COOH、−SO3 H、−B(OH)2 、−HNSO2 R16、−NHCOR16、−NHCOOR16(R16は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表わす。)が挙げられ、特に好ましいものとしては−OH、−COOH、−SO3 H、−HNSO2 R16(R16は前記定義に同じ。)が挙げられる。なお、Xが−COOH、−OH、−SO3 H等のように陰イオンに解離しうる基である場合には、アゾ金属キレート化合物の形成に際してはこのままの形で用いてもよいが、陽イオンとの塩の形で用いてもよい。かかる陽イオンとしては、Na+ 、Li+ 、K+ 等の
無機の陽イオン又は
【0020】
【化13】
【0021】
等の有機の陽イオンが挙げられる。
一般式〔I〕で示されるアゾメチン化合物の中で好ましいものの一つは、下記一般式〔II〕で表わされるものである。
【0022】
【化14】
【0023】
(式中、R14及びR15は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、特にフェニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜25のアルケニル基若しくは置換基を有していてもよい炭素数3〜25のシクロアルキル基を表わすか、又はR14とR15とが結合して5員環若しくは6員環を形成している。A及びXは前記定義と同義を表わし、環Dは更に置換基を有していてもよい。)
【0024】
前記一般式〔II〕において、R14及びR15で表わされるアルキル基、アリール基、アルケニル基又はシクロアルキル基に結合しうる置換基としては、例えばアルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシアルコキシアルコキシ基、アリルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、テトラヒドロフリル基、アルキルスルホニルアミノ基、ハロゲン原子等が挙げられ、更にこのアリール基の置換基としてはアルキル基又はビニル基が挙げられる。環Dに結合しうる他の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
本発明に係る金属とキレートを形成するアゾメチン化合物のいくつかを下記の表1に例示する。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】
【表7】
【0032】
【表8】
【0036】
本発明において、アゾメチン化合物とキレートを形成する金属としては、一般にアゾ化合物と錯体を形成する能力のある金属であるならば特に制限はされないが、Ni、Co、Fe、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt等の遷移元素が好ましく、特にNi又はCoが好ましい。
次に、本発明の金属キレートアゾメチン化合物の製造方法について説明すると、一般式(I)のアゾメチン化合物は、下記式に従いホルミル化合物とアミノ化合物との脱水縮合により製造することができる。
【0037】
【化15】
【0038】
次いでこのアゾメチン化合物と金属塩とを、水やジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、エタノール等の有機溶媒中で反応させると本発明の金属キレート化合物が得られる。
金属キレート化合物の製造に用いる金属塩の陰イオンとしては、SCN- 、SbF6 - 、Cl- 、Br- 、F- 、ClO4 - 、BF4 - 、PF6 - 、CH3 COO- 、TiF6 2-、SiF6 2-、Zr6 2-、Ph−SO3 - 、CH3 −Ph−SO3 - 、B- Ph4 (ここで、Phはベンゼン環を表す。)等の一価又は二価の陰イオンが好ましく、特にBF4 - 、PF6 - 、CH3 COO- が好ましく用いられる。
【0039】
次に本発明の光学的記録媒体について説明する。
本発明の光学的記録媒体は、基本的には基板と前記アゾメチン化合物の金属キレート化合物を含む記録層とから構成されるものであるが、さらに必要に応じて基板上に下引き層を設けることができる。また好ましい層構成としては、記録層上に金属、アルミニウムのような金属反射層及び樹脂からなる保護層を設けて高反射率の媒体とし、追記型のCD又はDVDメディアとすることができる。
【0040】
基板としては、使用するレーザー光に対して透明又は不透明のいずれであってもよい。基板の材質としては、ガラス、プラスチック、紙、板状又は箔状の金属等の、一般に記録材料の支持体として知られているものが用いられるが、プラスチックが種々の点から好適に使用できる。プラスチックとしては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ニトロセルロース、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリサルホン樹脂等が挙げられるが、高生産性、コスト、耐吸湿性の点から射出成形型のポリカーボネート樹脂基板が特に好ましく用いられる。
【0041】
本発明の光学的記録媒体におけるアゾメチン化合物と金属との金属キレート化合物を含有する記録層は、膜厚100Å〜5μmであることが好ましく、更に好ましくは300〜1200Åである。
成膜法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、塗布法など一般に行われている薄膜形成法で成膜することができるが、量産性、コスト面等から塗布法が好ましい。塗布法としてはドクターブレード法、キャスト法、スピナー法、浸漬法などのいずれも用いうるが、特にスピナー法が好ましい。
【0042】
塗布法による場合には所望によりバインダーを使用することもできる。バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ケトン樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート等の既知のものが用いられる。スピナー法による成膜の場合、回転数は500〜5000rpmが好ましく、スピンコートの後、必要に応じて加熱あるいは溶媒蒸気にあてる等の処理を行うことができる。
【0043】
また、記録層の安定性や耐光性向上のために、記録層には一重項酸素クエンチャーとして遷移金属キレート化合物(例えば、アセチルアセトナートキレート、ビスフェニルジチオール、サリチルアルデヒドオキシム、ジスジチオ−α−ジケトン等)を含有させてもよく、更に同系統の色素あるいはトリアリールメタン系色素、アゾ染料、シアニン系色素、スクワリリウム系色素、モノアゾ化合物の金属キレート化合物、ニッケル−インドアニリン系色素等の他系統の色素を併用することもできる。
【0044】
塗布法、特にスピナー法により、基板上に記録層を形成する場合の塗布溶媒としては、テトラフルオロプロパノール、オクタフルオロペンタノール、テトラクロロエタン、ブロモホルム、ジブロモエタン、ジアセトンアルコール、エチルセロソルブ、キシレン、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、クロロベンゼン、シクロヘキサノン、乳酸メチル等の沸点120〜160℃のものが好適に使用される。
【0045】
この中でも、高生産性、コスト、耐吸湿性に優れる射出成型ポリカーボネート樹脂基板に対しては、この基板を侵すことなく好適に使用できる溶媒として、ジアセトンアルコール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン等のケトンアルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;テトラフルオロプロパノール、オクタフルオロペンタノール等のパーフルオロアルキルアルコール系溶媒;乳酸メチル、イソ酪酸メチル等のヒドロキシエステル系溶媒、エチルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒等を用いるのが好ましい。
本発明の光学的記録媒体の記録層は、基板の両面に設けてもよいし、片面だけに設けてもよい。
【0046】
上記のようにして得られた光学的記録媒体への記録は、基板の両面又は片面に設けた記録層に1μm程度に集束したレーザー光、好ましくは半導体レーザーの光を照射することにより行う。レーザー光の照射された部分には、レーザーエネルギーの吸収による、分解、蒸発、溶融等の記録層の熱的変形が生じる。従って、レーザー光により熱的変形が起きている部分と起きていない部分の反射率の差を読み取ることにより、記録された情報の再生を行うことができる。
本発明の光学的記録媒体の記録、再生に使用されるレーザー光としては、N2 、He−Cd、Ar、He−Ne、ルビー、半導体、色素レーザー等が挙げられるが、特に軽量性、取扱いの容易さ、コンパクト性などの点から半導体レーザーが好適に使用される。
【0047】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り実施例により限定されるものではない。
実施例1
(a) 化合物製造例
3−アセチルアミノ−N,N−ジエチルアニリン600mgを50%酢酸水溶液7.5mlに溶かした溶液を20℃以下に氷冷しながら撹拌し、これに亜硝酸ナトリウム300mgを水1.5mlに溶かした溶液を徐々に滴下して反応させた。反応終了後、炭酸ナトリウム水溶液で中和してからクロロホルムで抽出した。抽出液を水洗したのち、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィーで分離したのち溶媒を留去して、ニトロソ化合物の緑色結晶565mgを得た。
1H−NMR(CDCl3 ):δppm:12.66(s,1H),8.38(d,1H),8.03(d,1H),6.63(dd,1H),3.56(q,4H),2.22(s,3H),1.32(t,6H)
【0048】
次いで、このニトロソ化合物500mgを乾燥メタノール6mlに溶解し、さらにこれに水素化ホウ素ナトリウム200mg及びパラジウムカーボン80mgを加え、窒素雰囲気下で撹拌した。2時間後、吸引濾過してパラジウムカーボンを除去した。濾液に2−ピリジンカルバルデヒド457mgを加え、希塩酸でpHが中性になるように調整し、1時間撹拌した。反応液をクロロホルムで抽出し、抽出液を水洗したのち溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー分離し、次いで晶析により、表1のA−1の構造を有するアゾメチン化合物の黄色結晶356mgを得た(収率54%)。
【0049】
MASS(EI):310(M+ )
UV−visスペクトル(エタノール):λmax433nm
メタノール3mlにこのアゾメチン化合物100mgを溶解し、撹拌しながらこれに、過塩素酸ニッケル六水和物294mgを水2mlに溶解した溶液を滴下した。30分撹拌したのち濾過して、ニッケルキレート化合物の沈殿82mgを得た。本化合物のエタノール溶液中の吸収スペクトルを図1に示す。
UV−visスペクトル(エタノール):λmax488nm
【0050】
(b) 光学的記録媒体製造例
上記製造例(a)と同様の手法で得たアゾメチン化合物とニッケルとの金属キレート化合物0.15gをオクタフルオロペンタノール7.5gに溶解し、0.22μmのフィルターで濾過した。この溶液5mlを深さ700Å、幅0.7μmの溝(グルーブ)を有する直径5インチの射出成形ポリカーボネート樹脂基板上に滴下し、スピナー法により500rpmの回転数で塗布した。塗布後、100℃で1時間乾燥した。
次にこの塗布膜の上に、スパッタリング法により膜厚800Åの金の膜を成膜し、反射層を形成した。さらに、この反射層の上に紫外線硬化性樹脂CD−318(大日本インキ社製品)をスピンコートした後、紫外線を照射して硬化させ、厚み5μmの保護層を形成し、光学的記録媒体を製造した。
【0051】
(c) 光記録例
上記製造例(b)で得た光学的記録媒体について、635nmの半導体レーザーでEFM信号の記録及び初期特性評価を行ったところビット長ジッターは良好であり、良好なリム形状の記録部が得られた。温度80℃、湿度90%の条件で500時間の高温高湿試験の後に、ブロックエラーレートの変化を測定したところ、わずかなエラーの増加が見られるだけであった。
【0052】
実施例2〜4
実施例1において金属キレートアゾメチン化合物の溶液として表2のものを用いた以外は、実施例1と同様にして光学的記録媒体を製造した。
この記録媒体について実施例1と同様に試験したところ、EFM信号の記録及び初期特性評価はいずれも良好であり、良好なリム形状の記録部が得られた。また実施例1と同様に高温高湿試験を行ったところ、わずかなエラーの増加が見られるだけであった。
【0053】
【表12】
【0054】
実施例5
深さ150nm、幅(半値幅)0.25μm、ピッチ0.80μm(AFMでの測定結果)のU字型案内溝を有する厚さ0.6mmのポリカーボネート基板に、表1のA−5のアゾメチン化合物とニッケル塩との金属キレートアゾメチン化合物をオクタフルオロプロパノールに2.5重量%となるように溶解した溶液をスピナー法により塗布し、100℃の乾燥機で30分間乾燥した。次いでこの色素層の上に金を、平均厚さが100nmとなるように、DCマグネトロンスパッタ法により成膜して反射層を形成した。更にこの反射層の上に、紫外線硬化型樹脂SD−318をスピナー法により乾燥厚さが4μmとなるように塗布し、紫外線照射装置で紫外線を照射して硬化させ、保護層を形成した。このようにして製作した2枚のディスクをホットメルト方式で接着して光学的記録媒体とした。
【0055】
この記録媒体について、波長640nmの半導体レーザー評価機(開口数NA=0.6)を用いて、EFM信号の記録及び初期特性評価を行ったところビット長ジッターは良好であり、良好なリム形状の記録部が得られた。温度80℃、湿度90%の条件で500時間の高温高湿試験の後に、ブロックエラーレートの変化を測定したところ、わずかなエラーの増加が見られるだけであった。
【0056】
【発明の効果】
本発明のアゾメチン化合物の金属キレート化合物は、有機溶媒に対する溶解性が高く、塗布によるコーティングが可能であり、しかも感度が良好で耐光性、保存安定性に優れているものであり、この金属キレート化合物を用いた光学的記録媒体は、高感度でかつ優れた記録・再生特性を有しており、特に、耐光性及び保存安定性に優れており、記録層上に金属反射層及び保護層を設けたCDメディアやDVDメディアとして適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたニッケルとキレートを形成しているアゾメチン化合物の吸収スペクトルである。
Claims (6)
- 下記一般式〔I〕で示されるアゾメチン化合物が金属とキレートを形成している金属キレートアゾメチン化合物。
(式中、Aはそれが結合している炭素原子及び窒素原子と一緒になって複素環を形成する残基を表す。Bはそれが結合している2つの炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成しており、かつこのベンゼン環には少なくともXとして−OH、−COOH、−SO 3 H、−NHSO 2 R 16 、−NHCOR 16 、−NHCOOR 16 (R 16 は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表わす)から選ばれる基を有し、4−位に下記式で表わされるアミノ基が結合している。
式中、R 14 及びR 15 は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基若しくは置換基を有していてもよいシクロアルキル基を表わすか、又はR 14 とR 15 とが結合して5員環若しくは6員環を形成している。) - 一般式〔I〕における残基Aが炭素原子及び窒素原子と一緒になって形成
する複素環が、下記式で示される複素環よりなる群から選ばれるものであることを特徴とする請求項1記載の金属キレートアゾメチン化合物。
{各式中、R1 〜R8 は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数2〜7のアルキルカルボニル基、ハロゲン原子、ホルミル基、−CR9 =CR10(CN)(ここで、R9 は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R10はシアノ基又は炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基を表す。)、ニトロ基、
(ここで、R11〜R13は、それぞれ独立して、水素原子又はニトロ基を表し、Zは単結合、−SCH2 −、−SO2 −又は−SO2 CH2 −を表す。)、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、シアノ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜7のアルコキシカルボニルアルキル基又は炭素数1〜6のアルキルチオ基を表す。} - キレートを形成する金属が遷移元素であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属キレートアゾメチン化合物。
- キレートを形成する金属がコバルト又はニッケルであることを特徴とする請求項1または2に記載の金属キレートアゾメチン化合物。
- 基板上にレーザーによる情報の書き込み及び/又は読み取りが可能な記録層が設けられた光学的記録媒体において、記録層が請求項1ないし4のいずれかに記載の金属キレートアゾメチン化合物を含有することを特徴とする光学的記録媒体。
- 記録層上に金属からなる反射層及び樹脂からなる保護層が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の光学的記録媒体。
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