JP3880359B2 - オイルレス定着用フルカラートナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真技術を用いたオイルレス定着のフルカラー複写機、およびフルカラープリンター等の画像形成装置に適用されるオイルレス定着用フルカラ−トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記画像形成装置に適用される乾式現像剤は、トナーとフェライト粉、鉄粉、ガラスビーズ等からなるキャリアが混合された二成分系現像剤と、トナー自身に磁性粉末を担持させた磁性一成分系現像剤および非磁性一成分現像剤とに概ね分けられる。これらの現像剤に用いられるトナーは、結着樹脂および着色剤を主成分としており、他に、記録シートへの低温定着性を良好にするためのワックスや、オフセットを防止するための離型剤、極性(正帯電か負帯電)を付与するための帯電制御剤等が添加される。トナーはこれら材料が所定の配合で混合された後、溶融混練、粉砕、分級といった工程を経て粉体に製造され、最後に、流動性、帯電性、クリーニング性および保存性等の制御のために、シリカ、酸化チタン、アルミナおよび各種の樹脂微粒子等の外添剤が付着されて表面処理が施され、最終的に現像剤として供される。
【0003】
これらの画像形成装置での定着装置において、定着ロールなどの定着部材にトナーが付着し堆積するいわゆるオフセットを防ぐために、シリコーンオイルなどの離型性の良いオイルを定着ロールに塗布することが行われてきた。しかし、この方法は、オイルタンク、オイル塗布装置が必要であり装置が複雑、大型となる。また、定着ロールの劣化をも引き起し、一定期間毎のメンテナンスを必要とする。さらにコピー用紙、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)用フィルムなどにオイルが付着することが不可避であり、とりわけOHPにおいては付着オイルによる色調の悪化の問題がある。
【0004】
上記のような問題から、近年の画像形成装置においては、メンテナンスの簡便化、省資源、経費の低減等を目的として、定着装置に離型オイルを使用しないいわゆるオイルレスタイプのものが提供されるようになった。離型オイルを使用しないことにあたり、ワックスのような離型剤をトナー粒子中に多量に添加したり、結着樹脂の溶融弾性率を架橋や高分子量成分の含有によって高めて、離型オイルの機能を補完する方策が一般に採用されている。
【0005】
また、フルカラー画像としては、写真調の光沢のある画像に対するニーズが高く、これを達成するするためには、定着後のトナー面が平滑であり、かつ各トナーの透明性が高いことが要求される。そのためには、トナーが定着温度で極低粘度になる必要がある。しかしながら、定着温度におけるトナーの粘度を極めて低くするためには、結着樹脂の分子量を小さくする必要がある。ところが、単に分子量を小さくしただけでは、現像機内での樹脂の耐久性の低下をきたし、スジ状の画像ムラや地カブリの程度の上昇などが早期に発生してしまうという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のような離型剤多量添加タイプトナ−を用いたオイルレス定着システムを採用する画像形成装置では、多数枚のプリント過程で、感光体へのフィルミングによる黒点(ブラックスポットのことで、以下BSと称す)の発生や、現像あるいは帯電部材(現像ロール、層厚規制部材等)への融着の発生による画像特性不良等の問題が生じやすい傾向にあった。また、前記問題点を解決するためには結着樹脂の分子量分布を拡大したり、架橋させて溶融粘度を上げることが有効であるが、このことは定着温度での結着樹脂の溶融が不均一になり画像面の平滑性が下がり、画像の光沢を低下させたり、OHP画像の光透過度不足等フルカラートナーにとって致命的な問題を生じた。
【0007】
前記のように、感光体へのBSや現像あるいは帯電部材への融着の発生はトナー粒子中に離型剤としてのワックス類を多量に添加することが一因である。一方、画像面の光沢度の不足やOHP用画像の光透過度不足は、前記問題点を軽減するためにトナー粒子中へのワックス類の添加量を制限し、結着樹脂の分子量分布を拡大することが原因である。
【0008】
フルカラートナーには銀塩写真と同等な高級な画像が要求される側面もあり、画像の光沢性および混色性・透明性が必要なことから、シャープな溶融特性のポリエステル樹脂が使われ、定着オフセットが発生せず、かつ感光体へのBSの発生や現像部材等への融着が発生しない範囲でワックス類を微分散させてきた。しかし、両問題点を解決する添加量の範囲は狭くその選択は容易ではなかった。そのため、ワックス類をより多く添加しても微分散を達成させるために天然ワックスや極性ワックスを使用することが一般的に行われてきた。しかし、ポリエステル樹脂は元来、耐環境特性に劣り、温度や湿度等の環境変化に対して安定な帯電量を得ることが困難となって高温/高湿時に地カブリが悪化したり、低温/低湿時に画像濃度の低下を起しやすかったが、天然ワックスや極性ワックスを使用することで耐環境特性はより低下する傾向となった。
【0009】
従って本発明は、上記問題を解決し、多数枚の連続プリントをしても、あらゆる環境下で長期間十分な画像濃度などを維持することができ、感光体へのBSや現像部材への融着の問題を発生せず、かつプリント画像にフルカラー画像として十分な光沢性、および混色性・透明性(銀塩写真様の高画質)を発現し、かつOHP画像において十分な光透過度を発現できるオイルレス定着用フルカラートナーを提供することを目的するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のオイルレス定着用フルカラートナーは、定着装置に使用される部材に弾性を有するロールまたはベルトと採用したシステムで記録シート上のトナーを熱圧定着させるシステムにおいて、離型オイルを使用しないいわゆるオイルレス定着に際して、結着樹脂として少なくともシクロオレフィン共重合体樹脂を含有し、離型剤として配合されるワックスを総量でトナー粒子重量に対して7.0〜20重量%含有し、トナー粒子中に含まれるデカリンの濃度が、トナー粒子に対して500ppm以下であり、プリント画像面の光沢度が15%以上であることを特徴とするオイルレス定着用フルカラートナーである。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のオイルレス定着用フルカラートナーについて説明する。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂と離型剤とにより構成され、結着樹脂は少なくともシクロオレフィン共重合体樹脂であり、トナー粒子中に含まれるデカリンの濃度が、トナー粒子に対して500ppm以下であり、離型剤として少なくともワックスを含有する。そして、必要に応じて、トナー粒子には着色剤、帯電制御剤などを含有し、流動化剤などの外添剤が付着している。
【0012】
本発明の結着樹脂としては、少なくともシクロオレフィン共重合体樹脂を含有する。シクロオレフィン共重合体樹脂とは、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン(広義には非環式オレフィン)とシクロヘキセン、ノルボルネン、テトラシクロドデセン等の二重結合を持った脂環式化合物(シクロオレフィン)との共重合体であり、このシクロオレフィン共重合体樹脂は、例えばメタロセン系、チグラー系触媒を用いた重合法により得られた重合物である。本発明に使用されるシクロオレフィン共重合体樹脂は、製造時の溶媒のデカリンが十分に除かれているものが好ましい。トナー中に残留するデカリンはトナー全体に対し500ppm以下が好ましい。500ppm以上ではデカリンは高沸点溶媒であるため、トナー中に残留しやすく、トナーの帯電制御能力を低下させ、プリント画像に地カブリを発生させやすくなったり、定着時に臭気が発生するなどの問題を生じる。
【0013】
本発明で使用されるシクロオレフィン共重合体樹脂としては、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(以下、GPCと略称する)により測定した数平均分子量(以下、Mnと略称する)が5000未満、好ましくは3500〜4500で、重量平均分子量(以下、Mwと略称する)が60000未満、好ましくは10000〜50000のものを主体とすることが実用的な非オフセット幅と画像光沢のバランスがとれるので好ましい。
【0014】
シクロオレフィン共重合体樹脂は、画像面の光沢性のみのためには単一のフラクションであることが好ましいが、非オフセット温度のコントロールのためには必要に応じて、高分子量フラクションを少量含むことが好ましい。従って、前記低分子量樹脂を主体にして、高分子量樹脂をシクロオレフィン共重合体樹脂全体に対して15%以下の範囲でブレンドすることが好ましい。
【0015】
そして、トナー粒子を、GPCにより測定した数平均分子量(Mn)が3000〜6000であり、重量平均分子量(Mw)が9000〜60000であり、かつMw/Mnが2.0〜15となるように、結着樹脂を選択し、製造条件を調整することが実用的な非オフセット幅と画像光沢のバランスがとれるので好ましい。トナーの分子量は、実使用上のトナーの品質を決定するので重要である。
トナー粒子の分子量が上記範囲未満ではトナーの耐久性が低下し融着を起し易くなり、上記範囲を越えると十分な非オフセット温度幅は得られるが、定着時のトナー面の光沢性や混色性・透明性が悪化したりする。
【0016】
Mw/Mnが上記範囲を越えると、トナー製造時の粉砕性が低下するとともに画像の定着性や画像表面の光沢性や混色性・透明性の悪化を招き、上記範囲未満では、ホットオフセット性が悪化し、また、連続プリント時にトナーの微粉化が起こって地カブリが悪化するなどの問題を引き起こす。
【0017】
本発明のシクロオレフィン共重合体樹脂の合成例としては、特開平5−339327号、特開平5−9223号、特開平6−271628号などに開示されている。
また、α―オレフィンとシクロオレフィンの反応仕込モル比は、広い範囲で変化させることができ、目的とするシクロオレフィン共重合体の必要特性に応じて調整すればよい。調整可能な範囲は、両者の合計に対してシクロオレフィン2〜98モル%、好ましくは5〜95モル%である。例えば、α―オレフィンとしてエチレン、シクロオレフィンとしてノルボルネンを反応させる場合、反応生成物のシクロオレフィン共重合物のガラス転移点(Tg)は、これらの仕込み割合に大きく影響され、ノルボルネンの仕込割合を増加させると,Tgも上昇する傾向にある。例えばノルボルネンの仕込割合を60重量%にすると、Tgはほぼ60〜70℃となる。
【0018】
また、シクロオレフィン共重合体樹脂に溶融空気酸化法または無水マレイン酸変性等によりカルボキシル基を導入することにより、他の樹脂との相溶性、顔料の分散性を向上させることができる。また、水酸基、アミノ基を既知の方法により導入することによっても、同様の向上が実現できる。さらに、シクロオレフィン共重合体樹脂に、ノルボルナジエン、シクロヘキサジエン、テトラシクロドデカジエン等のジエンモノマーとの共重合により、あるいはカルボキシル基を導入したシクロオレフィン共重合体樹脂に、亜鉛、銅、カルシウム等の金属の添加により架橋構造を導入することにより、非オフセット性を向上させることができるが、プリント画像の光沢度や混色性・透明性が低下するので銀塩写真様の画質を得ることを目的とするフルカラー用としては好ましくない。
【0019】
本発明において、結着樹脂として、前記の特性を満足するシクロオレフィン共重合体樹脂と、他の樹脂を混合して用いてもよい。この場合、シクロオレフィン共重合体樹脂とその他の樹脂との配合割合は、シクロオレフィン共重合体樹脂とその他の樹脂との合計量中、シクロオレフィン共重合体樹脂が、好ましくは50〜100重量%であり、さらに好ましくは80〜100重量%である。シクロオレフィン共重合体樹脂が50重量%未満では、多数枚の連続プリントをしたときに、あらゆる環境下で長期間十分な画像濃度などを維持することが困難で、かつ感光体へのBSや現像部材への融着の問題を発生しないオイルレス定着用フルカラートナーを提供することが困難な傾向となる。
【0020】
シクロオレフィン共重合体樹脂に配合される他の樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ、特にトナーの定着性能を向上させる目的で、溶融開始温度(軟化点)ができるだけ低いもの(例えば120〜150℃)が好ましく、また、保存安定性を向上させるために、ガラス転移点が65℃以上の高いものが好ましい。
【0021】
本発明のトナーは、離型剤としてのワックスを総量でトナー粒子重量に対して7.0〜20重量%含有することが必要であり、より好ましくは8.0〜18重量%である。ワックスによるフィルミングを防止するためには、ワックスが結着樹脂樹脂中に3μm以下の径で微分散していることが望ましい。ワックスの総量が7.0重量%未満では離型作用が不足し、オフセットが発生し易くなり、20重量%を越えるとワックスによるフィルミングが発生し易くなる。また、ワックス分散径が3μmを越えてもフィルミングの原因となる。
【0022】
本発明で用いられるワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィン系ワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス、パラフィンワックス、マイクロワックスなどの石油系ワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、硬化ひまし油などが挙げられる。また、シクロオレフィン樹脂中でのワックスの微分散を制御する目的で変性ポリエチレンワックスを使用することもできる。そして、これらのワックスを2種類以上を使用することが好ましい。
【0023】
本発明では、ワックスの少なくとも1種類はフィッシャートロプシュワックスであることが好ましい。フィッシャートロプシュワックスには非オフセット温度幅を拡大させる効果がある。
【0024】
すべての種類のワックスのDSCの発熱ピークで示される融点は80℃以上であることが好ましい。80℃未満では、トナー粒子のブロッキングが起こり易くなり耐久性に問題を生じる。また、少なくとも1種類は100℃以下であることが好ましい。すべての種類のワックスの融点が100℃を超えて大きいと定着時に離型性を発揮し難くなりオフセットを起しやすくなる。
【0025】
本発明で用いられる着色剤は、ブラック用顔料としてはカーボンブラックが、マゼンタ用顔料としてはC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50,51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バイオレット1、2,10、13、15、23、29、35等が、シアン用顔料としてはC.I.ピグメントブル−2、3、15、16、17;C.I.バットブル−6;C.I.アシッドブル−45等が、イエロ−用顔料としてはC.I.ピグメントイエロ−1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、74、83、93、97、128、155、180が単独もしくは混合されて用いられる。フルカラー用としては、マゼンタはC.I.ピグメントレッド57、122、シアンはC.I.ピグメントブルー15、イエローはC.I.ピグメントイエロー17、93、155、180が混色性が良いので色の再現性に優れフルカラー用として好ましい。着色剤は、十分な濃度の可視像が形成されるに十分な割合の含有量が必要であり、例えば、トナー粒子100重量部に対して1〜20重量部程度の割合で含有され、3.0〜8.0%が好ましい。8.0%を越えると、プリント画像の透明性が低下し、3.0%未満では十分な画像濃度が得られない。また、フルカラー用トナーとしては、顔料の分散をより良好にするためには、顔料を予め結着樹脂となり得る樹脂中に高濃度に分散させたマスターバッチを使用することが好ましい。
【0026】
本発明において帯電制御剤は、極性を付与するために添加され、正帯電トナー用と負帯電トナー用とに分けられる。正帯電トナー用としては、ニグロシン染料、第4級アンモニウム塩、ビリジニウム塩およびアジン等が用いられる。また、負帯電トナー用としては、アゾ系含金属錯体、サリチル酸系金属錯体および下記一般式の化合物等が用いられる。好ましい配合量はトナー粒子100重量部に対して0.1〜5.0重量部である。本発明においてブラックトナー以外は無色あるいは淡色であることが必要である。0.1重量部未満では、帯電性が不足し、5.0重量部を越えると帯電安定性が悪化する。本発明の帯電制御剤としては特に化2に示す下記一般式の化合物である中心にB(ホウ素)を用いたホウ素錯体を用いることが好ましく、特に、このホウ素錯体を、トナー粒子に対して1.0〜4.0重量部配合することが好ましい。アゾ系、サリチル酸系の亜鉛錯体やクロム錯体でもカラートナーに使用可能であるが、単独で使用した場合には帯電の安定性に支障をきたす場合がある。これはシクロオレフィン共重合体樹脂の体積固有抵抗がポリエステル樹脂などと比較して高いことに由来するものと推察される。なお、前記の帯電制御剤を単独又は混合して使用しても差支えない。
【0027】
【化2】
【0028】
式中、R1およびR4は水素原子、アルキル基、置換または非置換の芳香環(縮合環も含む)を示し、R2およびR3は置換または非置換の芳香環(縮合環も含む)を示し、Bはホウ素を示し、Xn+はカチオンを示し、nは1または2である。
【0029】
その他必要に応じて含有させる添加剤としては、磁性粉等が挙げられる。磁性粉の具体例としてはフェライト粉、マグネタイト粉、鉄粉等の微粒子が挙げられる。フェライト粉としてはMeO−Fe2O3の混合焼結体が本発明に使用される。この場合のMeとはMn、Zn、Ni、Ba、Co、Cu、Li、Mg、Cr、Ca、V等であり、そのいずれか1種又は2種以上用いれらる。また、マグネタイト粉としてはFeO−Fe2O3の混合焼結体が使用される。磁性粉は、0.05〜3μmのものが好ましく、トナーに対する割合は70重量%以下が好ましい。
【0030】
本発明を構成するトナー粒子は、上記材料が所定の配合で混合され、その混合物が、溶融混練、粉砕、分級といった工程を経て製造される。また、上記材料を用いて重合法によりトナー粒子を得てもよい。
【0031】
本発明のトナーは、トナー粒子に対して疎水性シリカ微粒子が1.0〜4.0重量%付着していることが好ましい。疎水性シリカ微粒子の付着量が1.0重量%未満の場合ではトナー粒子中に含有される離型剤が感光体や帯電部材に融着し画像欠陥が発生しやすくなったり、流動性が低下しトナーの供給不良や長時間保存性が悪化する。4.0重量%を超えると疎水性シリカの脱離が発生しやすく、BSなどの問題や地カブリの問題を起こすようになる。疎水性シリカのさらに好ましい添加量は1.5〜3.5重量%である。
【0032】
また、疎水性シリカ微粒子は少なくとも体積平均粒子径が0.03〜0.10μmの大粒径のものと、体積平均粒子径が0.03μm未満の中・小粒子径ものとを併用することが好ましい。こうすることでさらに安定した耐融着性を得ることができる。大粒子径疎水性シリカ微粒子の体積平均粒子径が0.10μmを超えると流動性が悪くなる。0.03μm未満では十分な耐融着性が得られない。大粒径疎水性シリカはトナー粒子に対して0.5〜3.0重量%付着していることが好ましい。また、大粒径疎水性シリカが3.0重量部を超えると流動性が悪化し、0.5重量部未満では耐融着性が不足する。
【0033】
トナーには疎水性シリカ微粒子の他に、トナーの流動性、帯電性、クリーニング性および、保存性等の制御のため、必要に応じて磁性粉、アルミナ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタンまたは、各種の樹脂微粒子等の外添剤が付着されていてもよい。
トナー粒子に上記微粒子を付着させるためには、タービン型攪拌機、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の一般的な攪拌機により混合して攪拌する等の方法が挙げられる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例および比較例に基づき本発明を説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、下記のようなトナーA〜Gを作製した。
【0035】
実施例1〈トナーAの作製〉
・シクロオレフィン共重合体樹脂 76重量部
(ティコナ社製、商品名:TOPAS COC、残留溶媒デカリンの除去を十分行ったタイプ、低分子量樹脂に高分子量樹脂をブレンドしたもの)
・ポリプロピレンワックス 5重量部
(三洋化成工業社製、商品名:ビスコール660P)
・カルナウバワックス 5重量部
(加藤洋行社、商品名:カルナウバ2号粉末)
・ホウ素錯体 2重量部
(日本カーリット社製、商品名:LR−147)
・キナクリドン顔料マスターバッチ 12重量部
(顔料:ポリオレフィン樹脂=7:3、
顔料 クラリアント社製:Toner Magenta E02=C.I.ピグメントレッド122)
【0036】
上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合し、二軸のエクストルーダーにて熱溶融混練後、ジェットミルにて粉砕し、その後乾式気流分級機で分級して体積平均粒径が9μmのトナー粒子を得た。
そして、該トナー粒子に対して大粒径疎水性シリカ(日本アエロジル社製 商品名:RY−50、体積平均粒子径約0.05μm)を1.0重量%と中粒径疎水性シリカ(キャボット社製、商品名:TG−308F、体積平均粒子径約0.01μm )を1.0重量%とを添加し、ヘンシェルミキサーにて周速40m/sec、4分間混合しトナーAを得た。トナーAのMnは4100、Mwは14000、Mw/Mnは3.41であり、デカリンのトナー粒子中の残留濃度は254ppmであった。
【0037】
実施例2〈トナーBの作製〉
ワックスの配合量をポリプロピレンワックス 9.0重量部、カルナウバワックス9.0重量部とし、シクロオレフィン共重合体樹脂を68重量部としたこと以外は実施例1と同様のマゼンタトナーを得た。
【0038】
実施例3〈トナーCの作製〉
ワックスの配合量をポリプロピレンワックス 4.0重量部、カルナウバワックス4.0重量部とし、シクロオレフィン共重合体樹脂を78重量部としたこと以外は実施例1と同様のマゼンタトナーを得た。
【0039】
実施例4〈トナーDの作製〉
大粒径疎水性シリカ(日本アエロジル社製 商品名:RY−50、体積平均粒子径0.05μm)を0.6重量%と中粒径疎水性シリカ(キャボット社製、商品名:TG−308F、体積平均粒子径0.01μm)を0.6重量%とを添加したこと以外は実施例1と同様のマゼンタトナーを得た。
【0040】
実施例5〈トナーEの作製〉
大粒径疎水性シリカ(日本アエロジル社製 商品名:RY−50、体積平均粒子径0.05μm)を2.0重量%と中粒径疎水性シリカ(キャボット社製、商品名:TG−308F、体積平均粒子径0.01μm)を2.0重量%とを添加したこと以外は実施例1と同様のマゼンタトナーを得た。
【0041】
実施例6〈トナーFの作製〉
シクロオレフィン共重合体樹脂のブレンド比率を変えて、トナー粒子のMnが3500、Mwが9800、Mw/Mnが2.80であり、デカリンのトナー中残留濃度が231ppmであること以外は実施例1と同様のマゼンタトナーを得た。
【0042】
実施例7〈トナーGの作製〉
シクロオレフィン共重合体樹脂のブレンド比率を変えて、トナー粒子のMnが4500、Mwが58000、Mw/Mnが12.9であり、デカリンのトナー中残留濃度が345ppmであること以外は実施例1と同様のマゼンタトナーを得た。
【0043】
実施例8〈トナーHの作製〉
ワックスの配合量をフィッシャートロプシュワックス(日本精蝋社製、商品名:FT−100、融点93℃)1.0重量部、カルナウバワックス4.0重量部、ポリプロピレンワックス4.0重量部とし、シクロオレフィン共重合体樹脂を77重量部としたこと以外は実施例1と同様のマゼンタトナーを得た。
【0044】
実施例9〈トナーIの作製〉
帯電制御剤のホウ素錯体の配合量が1.0重量部とし、シクロオレフィン共重合体樹脂を77重量部としたこと以外は実施例1と同様のマゼンタトナーを得た。
【0045】
実施例10〈トナーJの作製〉
帯電制御剤のホウ素錯体の配合量が4.0重量部とし、シクロオレフィン共重合体樹脂を74重量部としたこと以外は実施例1と同様のマゼンタトナーを得た。
【0046】
実施例11〈トナーKの作製〉
シクロオレフィン共重合体樹脂の製造時の溶媒除去工程を簡略化した樹脂を使用したこと以外は実施例1と同様にしてマゼンタトナーを得た。トナー中のデカリンの残留濃度が480ppmであった。
【0047】
比較例1〈トナーLの作製〉
ワックスの配合量をポリプロピレンワックス 2.5重量部、カルナウバワックス2.5重量部とし、シクロオレフィン共重合体樹脂を81重量部としたこと以外は実施例1と同様の比較用のマゼンタトナーを得た。
【0048】
比較例2〈トナーMの作製〉
ワックスの配合量をポリプロピレンワックス12.5重量部、カルナウバワックス12.5重量部とし、シクロオレフィン共重合体樹脂を61重量部としたこと以外は実施例1と同様の比較用のマゼンタトナーを得た。
【0049】
比較例3〈トナーNの作製〉
結着樹脂をポリエステル樹脂としたこと以外は実施例1と同様にして比較用のマゼンタトナーを得た。得られたトナ−PのMnは3800、Mwは18000、Mw/Mnは4.73であった。
【0050】
比較例4〈トナーOの作製〉
シクロオレフィン共重合体樹脂のブレンド比率を代えた以外は実施例1と同様にして比較用のマゼンタトナーを得た。得られたトナーのMnは4500、Mwは70000、Mw/Mnは15.6であった。
【0051】
比較例5〈トナーPの作製〉
大粒径疎水性シリカを2.5重量部、中粒径疎水性シリカを1.0重量部、計3.5重量部を付着させた以外は実施例1と同様にして比較用のマゼンタトナーを得た。
【0052】
次に前記トナーA〜Pの各々のトナーを沖電気社のフルカラープリンターMICROLINE3020Cの現像機に投入し、画像比率が5%のA4原稿をA4の市販のPPC用紙に10000枚まで複写し、実施例1〜11および比較例1〜5の各トナーを評価した。評価は中温中湿(N/N:20℃、58%RH)、高温高湿(H/H:32℃、85%RH)、低温低湿(L/L:10℃、20%RH)の各環境下で実施した。
トナー作製条件を表1に、評価結果を表2に示した。なお、表1中カルナウバとはカルナウバワックスの省略である。
【0053】
評価方法は下記のとおりである。
1.画像濃度(ID)はベタ画像部をマクベス反射濃度計RD−914で測定した。
2.カブリ(BG)は日本電色工業社製のカラーメーターZE2000で非画像部の白色度を測定し、複写前後の白色度の差で示した。
3.オフセットは目視により定着機および画像を確認した。○はオフセットが発生していないもの、△は定着ローラーが若干汚染しているもの、△×は画像表面あるいは裏面が若干汚染しているもの、×は画像面にはっきりとオフセットが発生しているものである。
4.BS・融着は目視により、感光体および現像ロール・層規制ブレードを確認した。○はBSおよび融着とも発生していないもの、△は現像ロール上に軽微な筋が確認されたもの、△×は現像ロール上にはっきりとした筋が確認されたもの、もしくは感光体上に軽微なBSが確認されたもの、×は画像上に融着もしくはBSによる画像欠陥が確認されたものである。
5.光沢度は、定着部を外した2成分複写機により付着量約1.0mg/ cm2に調整したベタ画像を印字し、外部定着機により定着させたサンプルを日本電色工業社製GLOSS METER(VGS−SENSOR)で、75°鏡面光沢を3回測定し平均した。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
表2から明らかなように、実施例1〜11の本発明のトナーでは、初期と各環境下10000枚後の画像濃度は1.27以上であり、カブリは0.86以下で実用上問題ない範囲で複写でき、且つ、オフセットおよび感光体へのBS、現像部材への融着がなく帯電性、定着性、および耐久性に問題ないことが確認された。PPC用紙での光沢度は15以上であり、高画質であった。また、イエロー、シアン、ブラックトナーにおいても同様の結果が得られ、フルカラー用トナーに好適であることが確認された。
これに対し比較例1〜3の比較用トナーでは、画像濃度、カブリ、オフセット、感光体へのBSの発生、現像部材への融着の発生など帯電性、定着性、および耐久性などの種々の問題が確認された。比較例4〜5の比較用トナーは、光沢度が15未満であり、画質が劣りフルカラー用には不適当であった。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のオイルレス定着用フルカラートナーは、多数枚の連続プリントをしても、高温高湿、常温常湿、低温低湿のあらゆる環境下で長期間十分な画像濃度などを維持することができ、感光体へのBSや現像部材への融着の問題を発生せず、かつプリント画像にフルカラー画像としての十分な光沢性および混色性・透明性(銀塩写真様の高画質)を発現し、かつOHP用画像において十分な光透過度を発現できるという画期的効果を奏する。
Claims (4)
- 結着樹脂として少なくともシクロオレフィン共重合体樹脂を含有し、離型剤として添加されるワックスを総量でトナー粒子重量に対して7.0〜20重量%含有し、トナー粒子中に含まれるデカリンの濃度が、トナー粒子に対して500ppm以下であり、プリント画像面の光沢度が15以上であることを特徴とするオイルレス定着用フルカラートナー。
- トナー粒子表面に疎水性シリカ微粒子がトナー粒子に対して1.0〜4.0重量%付着していることを特徴とする請求項1に記載のオイルレス定着用フルカラートナー。
- ワックスの少なくとも1種類がフィッシャートロプシュワックスであることを特徴とする請求項1に記載のオイルレス定着用フルカラートナー。
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