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JP3880403B2 - 樋管の水みち形成防止方法およびその構造 - Google Patents
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JP3880403B2 - 樋管の水みち形成防止方法およびその構造 - Google Patents

樋管の水みち形成防止方法およびその構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、樋管の水みち形成防止方法およびその構造に関し、更に詳しくは、河川、ため池等の堤防に埋設される樋管の近傍に水みち(水抜け路)が形成されるのを防止する水みち形成防止方法およびその構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、河川の水を別の場所へ導く手段として、河川の堤防に比較的大型の樋管(又は撓み性排水管)が埋設されることがある。これは河川が増水した時の水量の調節、堤防の決壊の防止のために設けられることもあるが、河川から用水(例えば農業用水)として取水する手段としても用いられている。しかしながら、樋管が堤防下を横断して埋設されるために、樋管に沿って水みち(水の通り道、水抜け路)が形成され、その結果、樋管近傍の土壌が削り取られ、樋管の沈下が起こり、樋管が破裂したり最悪の場合には堤防が陥落することがある。
【0003】
そこで、上記の問題を解決する手段として、地中に埋設される樋管の外周に、水みちの形成を防止するための遮水壁を取り付け、さらにこの遮水壁を矢板に連結するものがある。しかし、遮水壁の材質や、樋管および矢板への取付け、連結方法によっては、作業性が悪く、さらに地盤の沈下が生じた際に遮水壁が追随できず、樋管と遮水壁の位置関係に無理が生じ、結果として樋管の破損を引き起こすことがあった。
特に、遮水壁と矢板との連結では、板状の遮水壁に対して矢板がコルゲート状(波形状)という合致し難い形状であるために、ボルトやナットを用いる通常の方法では極めて難しい作業を必要とした。
【0004】
一方、樋管に遮水壁を取付ける点について、地盤の沈下に対処したものとしては特開平8−68031号に開示された樋管まわりの水みち防止構造を挙げることができる。この樋管まわりの水みち防止構造は、樋管と、樋管の軸心方向に移動自在な取り付け用リング体と、この取り付け用リング体の外周部に設けられる弾性体と、この弾性体の外周部に取り付けられる遮水壁とから主として構成されるものであって、取り付け用リング体と遮水壁との間に弾性体を介在させ、リング体の軸心方向への移動性と弾性体の柔軟性とを利用することによって、地盤の沈下に遮水壁を追随させ、樋管との位置関係に無理が生じないようにしたものである。
【0005】
また、同様の問題に対処したものとして、特開平8−144248号に開示された樋管まわりの水みち防止構造を挙げることができる。この樋管まわりの水みち防止構造は、樋管と、樋管の軸心方向に移動自在な取り付け用リング体と、弾性体からなる遮水壁とから主として構成されるものであって、リング体の軸心方向への移動性に加えて、遮水壁自体を弾性体とすることによって、地盤の沈下に遮水壁を追随させ、樋管との位置関係に無理が生じないようにしたものである。
【0006】
しかし、これらの水みち形成防止構造(以下、水みち形成防止樋管構造と称することもある)を実際に施工するには、遮水壁に形成された通孔部に樋管を挿通する作業が必要であり、更には、取り付けリングを樋管の外周部に沿って軸心方向に移動させ、所望の位置に固定させる作業が必要となり、大変な労力を必要とし、作業性が非常に悪かった。また、その他の問題として、弾性体からなる遮水壁にはその柔軟性のために、施工時の形状保持(自立)が難しいという問題があり、実際には弾性体からなる遮水壁の外周縁部に剛性のあるフレームを取り付けなければならなかった。また更なる他の問題として、遮水壁に用いられる弾性体は一般的に値段が高く、ポリエチレンなどのプラスチック材料に比べて重量が重く、更には、運搬時にロール状に巻いて運ぶため巻癖が残るなどの点から、経済性、運搬性、施工性に劣るという指摘もあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、樋管を地中に埋設するに際し、通孔を有する遮水壁と矢板とを、遮水壁の通孔に樋管を通し、かつ遮水壁を矢板に連結して、地中にそれぞれ埋設し、樋管まわりに水みちが形成されるのを防止する樋管の水みち形成防止方法において、遮水壁が、略方形であり、その両側辺と底辺とに沿って、断面をコ字状とし、かつそのコ字状の開口部分を外向きとする断面コ字状辺縁部を有し、
遮水壁を矢板に連結するに際して、遮水壁の断面コ字状辺縁部内に、矢板の対応辺を挿入し、次いで断面コ字状辺縁部と挿入された矢板の対応辺との間に生コンクリートを注入して硬化させ一体化することを特徴とする樋管の水みち形成防止方法を提供する。
【0008】
すなわち、この発明は、略方形の遮水壁の両側辺と底辺に沿って断面コ字状辺縁部を有し、遮水壁を矢板に連結するに際して、遮水壁の断面コ字状辺縁部内に、矢板の対応辺を挿入し、次いで断面コ字状辺縁部と挿入された矢板の対応辺との間に生コンクリートを注入して硬化させ一体化させることによって、ボルトやナットを用いる場合とは異なり、固定するもの同士の寸法上のバラツキを広い範囲で許容できるので、作業性を大幅に改善できる。
ここで、矢板は、通常そのコルゲート(波)の幅を400〜500mmとし、全高さを100〜150mmとしているので、略方形の遮水壁の両側辺と底辺に沿って形成される断面コ字状辺縁部は、そのコ字状の開口幅を200〜500 mmとし、奥行きを300〜600mmとするのが好ましい。このように形成された断面コ字状辺縁部内に矢板を挿入し、次いでこの矢板と断面コ字状辺縁部との間に生コンクリートを注入して硬化させ、遮水壁と矢板を一体化するわけである。
さらに、本発明は、従来の遮水壁に相当する部材を一対の分割壁部で構成することにより、従来のように樋管を遮水壁の通孔部に挿通する作業を不要とし、施工期間の大幅短縮を可能とするとともに、遮水壁の製造装置を小形化できるので、施工費に加えて製作費の削減も達成することができる。
さらに本発明は、 通孔を有する略方形の遮水壁を、内フレームと、第1弾性体と、前記内フレームの両側辺および底辺から前記第1弾性体を介して外側に延びる外フレームとで構成し、遮水壁の断面コ字状辺縁部を、前記外フレームの両側辺および底辺に沿って形成することによって、第1弾性体の弾性を生かして内フレームと外フレームとのズレ、つまり樋管と矢板との位置のズレを許容できるようにすることができる(例えば地盤の沈下への追随性を向上させることができる)。
さらに本発明は、遮水壁の通孔に樋管を通すに際して、樋管と、遮水壁の通孔との間に第2弾性体を介在させることができ、またこの第2弾性体を帯状に構成し、樋管と、遮水壁の通孔との間に第2弾性体を介在させるに際して、第2弾性体を樋管に予め巻着し、次いで樋管を、巻着した第2弾性体を介して遮水壁の通孔に通すこともできる。
本発明は、別の観点によれば、樋管、通孔を有する遮水壁および矢板を、遮水壁の通孔に樋管を通し、かつ遮水壁を矢板に連結して地中にそれぞれ埋設し、樋管まわりに水みちが形成されるのを防止する樋管の水みち形成防止構造において、遮水壁が略方形であり、この遮水壁と矢板とを連結する連結部が、
遮水壁の両側辺と底辺に沿って形成され、断面をコ字状とし、かつそのコ字状の開口部分を外向きとする断面コ字状辺縁部と、
この断面コ字状辺縁部内に挿入された矢板の対応辺縁部と、
遮水壁の断面コ字状辺縁部と挿入された矢板の対応辺縁部との間に注入され硬化されたコンクリート体と
からなる樋管の水みち形成防止構造を提供できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る水みち形成防止方法およびその構造の具体的な基本構成について述べる。
まず、この発明に係る水みち形成防止構造または樋管構造の基本構成は、地中に埋設される樋管と、帯状の弾性体と、樋管の外形に対応する形状の切り欠き部を有する一対の分割壁部と、各分割壁部に装着され、両分割壁部を樋管に固定するための一対の分割枠体とからなる基本構成を備えているが、更に、これらの樋管、弾性体、分割壁部、及び分割枠体に加えて、現場で分割壁部の分割辺部分を接合するために、分割辺部分にそれぞれ取り付けられる接合片を主として備えている。
【0010】
まず、地中に埋設される樋管は、その形状として特に限定されないが、断面円形、楕円形、正方形などの管を挙げることができ、具体的には円管であることが好ましく、直径500〜3000mm、肉厚20〜200mm程度の合成樹脂管であることが更に好ましい。そしてその材料は好ましくは硬質熱可塑性樹脂であって、具体的にはポリエチレンであることが更に好ましい(高耐圧ポリエチレン管)。
【0011】
次に帯状の弾性体(第2弾性体)は、一定の厚みと幅をもつ帯状であって、樋管の外周と、後述の分割壁部の切り欠き部及びその切り欠き部に装着される分割枠体との間に介在されるものであり、樋管と切り欠き部及び分割枠体との間をシールするために設けられるものであるが、地盤の沈下の際にその弾性を活かして、樋管と一対の分割壁部(遮水壁)との位置関係のずれを吸収できるようにして両者に機械的な無理が生じないようにする効果もある。具体的な厚みとしては、地中に埋設された際の樋管の変形を考慮して、樋管の外径の1〜2%であることが好ましく、この分野でよく用いられる直径1000mm以上の樋管の場合においては、その標準的な厚みを20mm〜30mmとすることができる。
【0012】
しかし、上述のように地盤沈下に対する一対の分割壁部の追随性を向上させる等の目的により、その厚みは限定されず、5mm〜100mm程度の範囲内で適宜選択することができる。また、弾性体の幅については、分割壁部の厚さや、後述の分割枠体の大きさを考慮して決定されるが、その標準的な幅は160mm前後とすることができる。
【0013】
更に、この弾性体に用いられる材質としては、ゴム類、すなわち天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマーを挙げることができる。具体的にはクロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴムを用いるのが好ましい。更にそれらの天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマーに高吸水性ポリマー、例えばポリアクリル酸ナトリウムや、アクリル酸とポリビニルアルコールとの共重合体、アクリル酸とアクリルアミドとの共重合体などを混合した複合体〔この複合体は、通常水膨張ゴム又は水膨潤ゴムと呼ばれる〕を用いることもできる。このような複合体を弾性体として用いれば、装着後の水分吸水によって体積膨張させることができ、それによってシール効果を更に高めることができるので好ましい。
【0014】
次に一対の分割壁部について述べる。この発明においては一対の分割壁部を現場で接合することにより1つの遮水壁となるように構成されている。そしてその接合された状態である遮水壁は、正面視で略方形であることが好ましく、更にその略中央部分には樋管の外形に対応する輪郭の通孔部が形成されており、具体的には円形の通孔部が形成されていることが好ましい。
【0015】
すなわち、遮水壁を2分割した状態である一対の分割壁部の遮水壁の通孔部に相当する部分は、樋管の外形に略一致する切り欠き部が形成されており、具体的には上述の弾性体の厚みにもよるが、樋管の外径プラス20mm程度の直径を有する半円形の切り欠き部にそれぞれ形成されているのが好ましい。そして、それらの半円形の切り欠き部には後述の分割枠体がそれぞれ取付られ、一方、分割壁部の分割辺部分(すなわち切り欠き部の両側の直線部分)同士は、後述の接合片を用い、好ましくは同じく後述の弾性片を介して互いに接合され、1つの遮水壁となるのである。
【0016】
そして、このように1つの遮水壁となることにより、一対の分割壁部の切り欠き部及びその切り欠き部にそれぞれ装着された分割枠体に、樋管の外周面に巻かれた弾性体を押圧する力が発生し、遮水壁は樋管の外周に取付けられるのである。また、上述したように、一対の分割壁部によって遮水壁を構成することによって、従来例の施工時に必要であった、遮水壁の通孔部に樋管を挿通するという、大がかりで非常な労力を伴う作業を不要とすることができるのである。
【0017】
なお、この発明に係る水みち形成防止樋管構造において、遮水壁の分割方向は上下方向であることが好ましいが、必ずしも上下方向に限定される必要はなく、左右方向や遮水壁の対角線、すなわち斜め方向など、どの様な方向で分割されていてもよい。また、その分割数も2分割であることが好ましいが、それ以上の分割数であってもよい。
【0018】
また、一対の分割壁部の材料は硬質熱可塑性樹脂、具体的には高密度ポリエチレンであることが好ましく、その厚みは、施工現場の具体的な事情により決定されるが、20mm〜40mmであることが好ましい。これは、この発明に係る水みち形成防止樋管構造の遮水壁を構成する一対の分割壁部には、適度な剛性と適度な弾性という2つの物性が要求されるためである。そして、分割壁部が適度な剛性と適度な弾性を兼ね備えることにより、水みち形成防止樋管構造の施工中に、分割壁部を所望の位置で自立させることを可能にし、それによって施工を容易にすると共に、一対の分割壁部を上述の弾性体を介して樋管に押圧することによって樋管との取付部分に無理な力が加わっても樋管を破損させるのを防止することが可能となるのである。
【0019】
また、硬質熱可塑性樹脂を用いることで、従来の鉄製やゴム製の遮水壁に対して材料費を削減できるとともに軽量化することができる。特に軽量化は、輸送を簡単にするとともに、施工時の作業性及び安全性の向上、更には施工後の地盤沈下の防止のうえでも好ましいものである。特に、従来のゴム製の遮水壁は輸送時にロール状に巻いて運ぶため、巻き癖がついてしまい、これは施工時の作業性を悪化させる大きな要因であったが、この発明における遮水壁を構成する一対の分割壁部は上述のように自立可能に硬質熱可塑性樹脂で製造されるので、このように作業性を悪化させることはない。
【0020】
次に分割枠体について述べる。この発明において、分割枠体は金属からなるものが好適に用いられる。そしてその形状としては、樋管の外形に対応する形状であることが要求されるが、好ましくは、複数に分割可能、すなわち分割壁部の切り欠き部に対応した形状であって、円環形状の枠体を上下に2分割した半円形であることが更に好ましい。また、その断面はL字形であることが好ましい。そして、このL字断面の一面が、一対の分割壁部の切り欠き部の周縁に切り欠き部を取り巻くようにそれぞれ取付けられる。なお、更に好ましくは、この分割枠体は一対の分割壁部の切り欠き部の表裏の周縁、つまり両側にそれぞれ備えられる。このように両側に備えることにより、分割壁部の表裏の2方向から樋管の外周面に巻かれた弾性体を押圧することが可能となり、一対の分割壁部を樋管に対して強固に固定することが可能となるのである。
【0021】
次に接合片について述べる。この接合片は上述の一対の分割壁部の分割辺部分同士を接合するために備えられるものであり、その材質は分割枠体と同様に金属であることが好ましく、またその断面はL字形であることが好ましい。なお、この接合片を用いて分割壁部同士を接合する際には、分割辺部分同士の接合面及び接合片同士の接合面をシールするように板状の弾性片を挟んで接合することが、組み立てられた遮水壁の水みち形成防止効果を向上させるうえで好ましく、この弾性片の材質は、上述の樋管と分割枠体との間をシールする弾性体と同じものが好ましい。
【0022】
なお、この発明に係る水みち形成防止樋管構造においては、分割壁部の分割辺部分同士を、上述のような接合片及び弾性体を用いることなく、施工現場で溶接することによって接合してもよい。また、その具体的な施工手順については、後述の実施の形態の項で詳細に説明するので、ここではその説明を省略する。
【0023】
以上、詳細に述べたように、この発明に係る水みち形成防止樋管構造の基本構成は、単純な構成にて、従来の水みち形成防止樋管構造(樋管まわりの水みち防止構造)の問題点であった、大型化や重量化による部品運送の難しさ、作業性の悪さ等の問題点を克服したものであるが、特記すべきは、一対の分割壁部で遮水壁を構成し、また分割枠体もそれら分割壁部に対応した形状としている点において、その施工時の作業性を非常に良好なものとして施工期間を大幅に短縮できる点にある。
【0024】
以下、この発明に係る水みち形成防止樋管構造の具体的な構成及びその施工手順について図に示す実施の形態に基づいて説明する。なお、これによってこの発明が限定されるものではない。
図1はこの発明に係る水みち形成防止樋管構造の実施の形態の周辺構造説明図である。図2は図1の実施の形態の一部、すなわち遮水壁取付部分付近の正面図である。図3は図1の実施の形態の遮水壁取付部分付近の右側面図である。図4は図1の実施の形態の遮水壁取付部分付近の左側面図である。図5は図1の実施の形態の遮水壁取付部分付近の平面図である。図6は図2のA−A線断面図である。図7は図2のB−B線断面図である。図8は分割壁部を樋管へ取付ける手順を示す概略施工図である。
図9はこの発明に係る水みち形成防止樋管構造の実施の形態の全体を示す図2相当図である。図10は図9のC−C線拡大断面図である。
【0025】
まず、図1において、この発明に係る水みち形成防止構造の実施の形態である水みち形成防止樋管構造1は、河川2の水を農業用水として他の場所(図示せず)へ導くべく、堤防3に埋設される樋管6と、この樋管6の近傍に生ずるおそれのある水みち(水抜け路)5の形成を防止するための分割壁部14及び15から構成される遮水壁7と、後述する第1弾性体としての弾性樹脂製フレーム42(図9及び図10参照)と、このフレームを介して遮水壁7から延設された、後述する鋼製フレーム45(図9及び図10参照)とから主として構成されている。また、4は樋門、46は矢板である。
【0026】
そこで、まず、分割壁部(分割遮水壁部と称することもある)14及び15の樋管6への取付け構造、すなわち水みち形成防止樋管構造1の詳細について図2から図7を用いて説明する。
【0027】
図2から図7、特に図2において示されているように、高密度ポリエチレンからなる樋管6の外周面8に、第2弾性体としての、クロロプレンゴムからなる帯状の弾性体(第2弾性体)9が樋管6の外周面8を取り巻くように配設されている。なお、このクロロプレンゴムは水膨張ゴムとすることもでき、この水膨張ゴムを弾性体9の素材として用いると、樋管6と分割壁部14及び15との装着後に水分によって膨潤し、それによってシール性の面でより好ましいものとなる。
分割壁部14及び15は、その半円形の切り欠き部分16の表裏周縁には断面L字状の半円形の鋼製分割枠体10a、10b、11a及び11bの一面がそれぞれボルト12及びナット13を用いて貫通固定されている。
【0028】
また、分割壁部14及び15の分割辺部分17の表裏にはそれぞれ断面L字状の接合片18a、18b、18c、18d、18e、18f、18g及び18hがボルト12及びナット13を用いて固定され、更に、接合片18aと18b、18cと18d、18eと18f、18gと18hが、分割壁部14と15の間をシールする板状の弾性片19及び20を介してボルト12及びナット13を用いて固定され、一つの遮水壁7を構成している。そしてこのように分割辺部分17が接合され、一つの遮水壁7を構成することにより、上述の分割枠体10a、10b、11a及び11bの残るもう一面及び分割壁部14、15の切り欠き部分16が弾性体9を押圧し、遮水壁7を樋管6の外周に固定すると共に、樋管6の外周面8と遮水壁7とのシール効果を高めている。
【0029】
次に、本発明に係る水みち形成防止構造の実際の施工の手順について、以上の構成からなる水みち形成防止樋管構造1を基にして、特に図8を用いて説明する。
この実施の形態の水みち形成防止樋管構造1の実際の施工については、まず、分割壁部15を所望の位置に設置する。なお、この時に分割壁部15の切り欠き部分16には予め分割枠体10b及び11bを取付けておき、分割辺部分17には接合片18b、18d、18f、18hを取付けておくことが好ましい。次に、弾性体(第2弾性体)9が巻き付けられた樋管6を、分割壁部15の切り欠き部分16の上に載せ、次に、分割壁部15の分割辺部分17の上に弾性片19及び20を置き、上述の分割壁部15と同様に取付フレーム10a及び11aと接合片18a、18c、18e及び18gが予め取り付けられた分割壁部14を樋管6の上に載せ、ボルト12及びナット13を用いて更に接合片同士、すなわち接合片18aと18b、18cと18d、18eと18f、18gと18hをそれぞれ弾性片19、20を介して固定し、水みち形成防止樋管構造1の施工が完了する。なお、44は鋼製外フレームであり、その両側辺及び底辺に沿って断面コ字状辺縁部45を有する。46は矢板である。
【0030】
このように、水みち形成防止樋管構造1は、遮水壁7が上下に分割された分割壁部14及び15で構成されているので、従来の水みち形成防止樋管構造を施工するうえで必要であった、遮水壁の通孔部に樋管を挿通するという大がかりな作業を不要とすることができ、施工期間の大幅な短縮(例えば1/4〜1/5に短縮)を可能としている。
【0031】
さて、図9及び10において、41は、この発明に係る水みち形成防止樋管構造の実施の形態の全体構成を示し、水みち形成防止樋管構造1として説明した、樋管6と遮水壁7の分割壁部14及び15との結合構造に加えて、つまり樋管6と遮水壁47の分割壁部分54及び55との結合構造に加えて第1の弾性体としての板状の弾性樹脂製フレーム42と、このフレームを介して分割壁部分54及び55に延設された鋼製外フレーム44とを主として備えている。
【0032】
この水みち形成防止樋管構造41は、施工後に地盤の沈下が容易に予想できるような場所への設置に適したものであり、遮水壁47の内フレーム43の外周部分に弾性樹脂製フレーム42がボルト12及びナット13で固定されている。そしてこの弾性樹脂製フレーム42の更に外周部分には鋼製外フレーム44がボルト12及びナット13で固定されているわけである。
鋼製フレーム44は、その両側辺および底辺に断面コ字状辺縁部45、つまり外周方向に開口するコ字状断面を有し、この断面コ字状辺縁部45の内部に、周囲の地中に差し込まれた矢板46の側辺部を差し込んで現場で、遮水壁47の断面コ字状辺縁部45と矢板46の対応辺との間の両上端開口(図示省略)と、断面コ字状辺縁部45の小孔49(図8参照)とを介してコンクリート50を流し込むことによって矢板46を固定する。従って、この矢板46のコンクリート50を用いた固定方法は、ボルトやナットを用いる場合とは異なり、固定するもの同士の寸法上のバラツキをかなりの範囲で許容できるので、作業性を大幅に改善できる。
【0033】
なお、この実施の形態の水みち形成防止樋管構造41は、弾性樹脂製フレーム42を遮水壁47の内フレーム43の外周部分に備えることにより、弾性樹脂製フレーム42の弾性を活かして地盤の沈下への追随性を更に向上させたものである。
【0034】
【発明の効果】
この発明によれば、略方形の遮水壁の両側辺と底辺に沿って断面コ字状辺縁部を有し、遮水壁を矢板に連結するに際して、遮水壁の断面コ字状辺縁部内に、矢板の対応辺を挿入し、次いで断面コ字状辺縁部と挿入された矢板の対応辺との間に生コンクリートを注入して硬化させ一体化させることによって、ボルトやナットを用いる場合とは異なり、固定するもの同士の寸法上のバラツキを広い範囲で許容できるので、作業性を大幅に改善できる。
さらに、遮水壁を一対の分割壁部で構成すると、従来の水みち形成防止方法において必要であった、遮水壁の通孔部に樋管を挿通する作業を不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る水みち形成防止樋管構造の実施の形態の周辺構造説明図である。
【図2】図1の実施の形態の遮水壁取付部分付近の拡大正面図である。
【図3】図1の実施の形態の遮水壁取付部分付近の拡大右側面図である。
【図4】図1の実施の形態の遮水壁取付部分付近の拡大左側面図である。
【図5】図1の実施の形態の遮水壁取付部分付近の拡大平面図である。
【図6】図2のA−A線断面図である。
【図7】図2のB−B線断面図である。
【図8】分割壁部を樋管へ取付ける手順を示す概略施工図である。
【図9】この発明に係る水みち形成防止樋管構造の実施の形態を示す図2相当図である。
【図10】図9のC−C線拡大断面図である。
【符号の説明】
1・・・水みち形成防止樋管構造
2・・・河川
3・・・堤防
4・・・樋門
5・・・水みち
6・・・樋管
7・・・遮水壁
8・・・外周面
9・・・弾性体(第2弾性体)
10,11・・・分割枠体
12・・・ボルト
13・・・ナット
14,15・・・分割壁部
16・・・切り欠き部分
17・・・分割辺部分
18・・・接合片
19,20・・・弾性片
41・・・水みち形成防止樋管構造
42・・・弾性樹脂製フレーム(第1弾性体)
43・・・内プレート
44・・・鋼製外フレーム
45・・・断面コ字状辺縁部
46・・・矢板
47・・・遮水壁
49・・・小孔
50・・・コンクリート
54,55・・・分割壁部分

Claims (8)

  1. 樋管を地中に埋設するに際し、通孔を有する遮水壁と矢板とを、遮水壁の通孔に樋管を通し、かつ遮水壁を矢板に連結して、地中にそれぞれ埋設し、樋管まわりに水みちが形成されるのを防止する樋管の水みち形成防止方法において、
    遮水壁が、略方形であり、その両側辺と底辺とに沿って、断面をコ字状とし、かつそのコ字状の開口部分を外向きとする断面コ字状辺縁部を有し、
    遮水壁を矢板に連結するに際して、遮水壁の断面コ字状辺縁部内に、矢板の対応辺を挿入し、次いで断面コ字状辺縁部と挿入された矢板の対応辺との間に生コンクリートを注入して硬化させ一体化することを特徴とする樋管の水みち形成防止方法。
  2. 遮水壁が、樋管の外形に対応する形状の切り欠き部を有する上下一対の分割壁部と、前記各分割壁部を樋管に固定するために前記各分割壁部に装着される上下一対の分割枠体とからなり、
    樋管と、通孔を有する遮水壁とを、この遮水壁の通孔に樋管を通して地中に埋設するに際して、
    遮水壁の下分割壁部を地中に埋設した後、樋管を下分割壁部の切り欠き部に乗せ、次いで下分割壁部に上分割壁部を、その切り欠き部が樋管に被さるように乗せて、上下一対の分割壁部を上下一対の分割枠体で結合する請求項1に記載の樋管の水みち形成防止方法。
  3. 通孔を有する略方形の遮水壁が、内フレームと、第1弾性体と、前記内フレームの両側辺および底辺から前記第1弾性体を介して外側に延びる外フレームとからなり、
    遮水壁の断面コ字状辺縁部が、前記外フレームの両側辺および底辺に沿って形成されてなる請求項1に記載の樋管の水みち形成防止方法。
  4. 遮水壁が、樋管の外形に対応する形状の切り欠き部を有する上下一対の分割壁部分と、前記各分割壁部分を樋管に固定するために前記各分割壁部分に装着される上下一対の分割枠体部分とからなり、
    樋管と遮水壁とを、この遮水壁の通孔に樋管を通して地中に埋設するに際して、下分割壁部分の内フレーム、外フレームおよび第1弾性体を、この第1弾性体が内フレームの両側辺および底辺と外フレーム内との間に介在するよう地中に埋設し、次いで樋管を下分割壁部分の切り欠き部に乗せた後、上分割壁部分の内フレーム、外フレームおよび第1弾性体を、内フレームの切り欠き部が樋管に被さり、かつ第1弾性体が内フレームの両側辺と外フレーム内との間に介在するように下分割壁部分に乗せ、さらに上下一対の分割壁部分を上下一対の分割枠体部分で結合する請求項3に記載の樋管の水みち形成防止方法。
  5. 遮水壁の通孔に樋管を通すに際して、樋管と、遮水壁の通孔との間に第2弾性体を介在させる請求項1〜4のいずれか1つに記載の樋管の水みち形成防止方法。
  6. 第2弾性体が、帯状であり、
    樋管と、遮水壁の通孔との間に第2弾性体を介在させるに際して、第2弾性体を樋管に予め巻着し、次いで樋管を、巻着した第2弾性体を介して遮水壁の通孔に通す請求項5に記載の樋管の水みち形成防止方法。
  7. 遮水壁の底辺に沿う断面コ字状辺縁部が、その水平部分に小孔を有し、遮水壁の断面コ字状辺縁部と挿入された矢板の対応辺との間への生コンクリートの注入を、遮水壁の断面コ字状辺縁部と挿入された矢板の対応辺との間の両上端開口と小孔とを介して行う請求項1〜6のいずれか一つに記載の樋管の水みち形成防止方法。
  8. 樋管、通孔を有する遮水壁および矢板を、遮水壁の通孔に樋管を通し、かつ遮水壁を矢板に連結して地中にそれぞれ埋設し、樋管まわりに水みちが形成されるのを防止する樋管の水みち形成防止構造において、
    遮水壁が略方形であり、この遮水壁と矢板とを連結する連結部が、
    遮水壁の両側辺と底辺に沿って形成され、断面をコ字状とし、かつそのコ字状の開口部分を外向きとする断面コ字状辺縁部と、
    この断面コ字状辺縁部内に挿入された矢板の対応辺縁部と、
    遮水壁の断面コ字状辺縁部と挿入された矢板の対応辺縁部との間に注入され硬化されたコンクリート体と
    からなる樋管の水みち形成防止構造。
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