JP3880893B2 - 放電加工用電源装置 - Google Patents
放電加工用電源装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3880893B2 JP3880893B2 JP2002194730A JP2002194730A JP3880893B2 JP 3880893 B2 JP3880893 B2 JP 3880893B2 JP 2002194730 A JP2002194730 A JP 2002194730A JP 2002194730 A JP2002194730 A JP 2002194730A JP 3880893 B2 JP3880893 B2 JP 3880893B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- power supply
- current path
- path pattern
- current
- discharge machining
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Generation Of Surge Voltage And Current (AREA)
- Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
- Cooling Or The Like Of Electrical Apparatus (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ワイヤ放電加工機で用いられる放電加工用電源装置に関し、特に大電流化と高周波数化とを両立させるワイヤ放電加工機に好適な放電加工用電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、放電加工用電源装置の一般的な構成を示す回路図である。図7に示す放電加工用電源装置71は、スイッチング回路を搭載するプリント基板72と、プリント基板72上のスイッチング回路に電源を供給する直流電源73と、プリント基板72上のスイッチング回路に駆動パルスを供給する発振器74とを備えている。
【0003】
図示しないワイヤ放電加工機内の放電加工部には、電極Eと他方の電極としての被加工物Wとが所定間隔を置いて対向配置されている。プリント基板72に設けられる放電電流パルスの出力端子75,76は、加工電流出力フィーダー79の給電線を介して、電極Eと被加工物Wとにそれぞれ接続されている。加工電流出力フィーダー79の各給電線には、浮遊インダクタンスL1,L2が存在する。
【0004】
プリント基板72上のスイッチング回路は、例えば、並列接続されたスイッチング素子Tr1,Tr2,Tr3の組と、並列接続されたスイッチング素子Tr4,Tr5,Tr6の組とで構成されている。
【0005】
並列接続されたスイッチング素子Tr1,Tr2,Tr3の組では、各ソース電極が直流電源73の正極端に接続され、各ゲート電極が発振器74の一方の出力端に接続され、各ドレイン電極が出力端子75に接続されている。各ドレイン電極から出力端子75に至る経路には、正極性電流路パターン77が形成されている。
【0006】
また、並列接続されたスイッチング素子Tr4,Tr5,Tr6の組では、各ソース電極が直流電源73の負極端に接続され、各ゲート電極が発振器74の他方の出力端に接続され、各ドレイン電極が出力端子76に接続されている。各ドレイン電極から出力端子76に至る経路には、負極性電流路パターン78が形成されている。
【0007】
次に、動作の概要を説明する。電極Eと被加工物Wとの間で放電が発生し、放電路が形成されると、並列接続されたスイッチング素子Tr1,Tr2,Tr3の組では、発振器74からの駆動パルスによって順々にオン・オフ動作を行う。それと同期して、並列接続されたスイッチング素子Tr4,Tr5,Tr6の組でも、発振器74からの駆動パルスによって同時にオン・オフ動作を行う。
【0008】
その結果、間欠的な放電電流パルスが、正極性電流路パターン77→出力端子75→加工電流出力フィーダー79→電極E→被加工物W→加工電流出力フィーダー79→出力端子76→負極性電流路パターン78と流れ、電極Eと被加工物Wとの間に放電電流パルスが供給される。このように正極性電流路パターン77と負極性電流路パターン78とには、大電流が流れるので、相当の発熱がある。
【0009】
特に、電極Eと被加工物Wとの間の微小間隔に供給する放電電流パルスの大電流化と高周波数化とを両立させて加工速度を向上させるようにしたワイヤ放電加工機に用いられる放電加工用電源装置の場合には、正極性電流路パターン77と負極性電流路パターン78とには、大電流がほぼ途切れることなく流れることになるので、発熱は著しいものになる。その結果、流せる電流値が、正極性電流路パターン77と負極性電流路パターン78の耐熱限界によって制限されることが起こる。
【0010】
そこで、従来では、スイッチング回路搭載基板上に流せる電流値の増加策として、例えば図8や図9に示す措置が採られている。図8では、大きな電流をプリント基板81上に流す場合に、正極性電流路パターンと負極性電流路パターンを保護するために、各電流路パターンに代えて銅などの金属片82を実装させる例が示されている。金属片82は、厚みが1mm〜3mm程度のバー状のもので、パワーモジュール部品83と各出力端とを接続している。これによって、プリント基板81上に大電流を流すことのできる経路が構成されるので、これまで搭載することが困難だったIGBT(絶縁ゲート型バイポーラスイッチング素子)、IPM(インテリジェントパワーモジュール)、ダイオードモジュールなどパワーモジュール部品83を直接プリント基板81上に実装することができるようになる。
【0011】
また、放電電流パルスが高周波数化されると、その電流は表皮効果のため導電体の表面のみに流れるようになるので、図9では、プリント基板91にできるだけ幅の広い正極性電流路パターン92と負極性電流路パターン93とを形成した例が示されている。正極性電流路パターン92と負極性電流路パターン93の各出力端には、レジスト94,95を介してコネクタ96,97が設けられ、コネクタ96,97は、給電線98,99を介して中継端子台100に接続されている。中継端子台100には、加工電流出力フィーダ79が接続されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8に示した構成では、パワーモジュール部品83の発熱を抑えるには、別途ヒートシンクなど放熱機能を持った部材を直接発熱体に取り付ける必要がある。また、大電流が流れる金属片82自体の冷却に関しては考慮されていないが、同様に冷却措置が必要である。
【0013】
図9に示した構成では、正極性電流路パターン92と負極性電流路パターン93での発熱は、電流が集中する出力端で最大となるが、プリント基板91の表面のみでの放熱となるので、出力端では温度上昇が大きくなり、大電流化が困難である。
【0014】
この電流路パターンの発熱を抑える方策として、プリント基板のパターン層を特別に厚くしたり、金属パターン基板を使用して冷却フィンを実装したり、また例えば冷却水のような冷媒をプリント基板周辺に供給する特別な装置、配管を施しプリント基板を水冷したりする措置が知られている。
【0015】
しかし、放電電流パルスを出力するプリント基板では、このような措置を採ることは困難である。すなわち、放電電流パルスを出力するプリント基板は、多数のスイッチング素子が実装されるので寸法が大きい。また、電流路パターンは、全スイッチング素子に接続されるためプリント基板上最も広い面積を占有する。したがって、電流路パターンのパターン層を厚くすると、広範囲に渡るパターン層を厚くする必要がある。その結果、電流路パターンに使用される材料費が倍増し高価になるという問題がある。
【0016】
また、放熱効果の優れる金属パターン基板を使用する場合では、金属パターン基板それ自体がプリント基板に比較して高価である。また、冷却フィンが必要になるので、その分余計にコストが上がってしまうという問題がある。さらに、プリント基板を水冷する装置では、ポンプ、配管、制御装置など複雑で高価な機構を新たに設ける必要がある。加えて、万が一冷却水などの冷媒がプリント基板上に漏れた場合には、高電圧、高電流の回路がショートし電源装置が破壊されるという危険性も生じるという問題がある。
【0017】
この発明は、上記に鑑みてなされたもので、スイッチング回路搭載基板の出力端での温度上昇を抑制する機構を備えることにより、放電電流パルスの大電流化と高周波数化とを両立させ加工速度の向上を図るワイヤ放電加工機の実現を可能にする放電加工用電源装置を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明にかかる放電加工用電源装置は、電極と前記電極に所定間隔を置いて対向配置される他方の電極としての被加工物との間に放電電流パルスを供給するスイッチング回路を備える放電加工用電源装置において、前記スイッチング回路を搭載する基板の放電電流パルス出力端に一端が連結される金属片と,前記金属片の周囲に外気を強制対流させるために配置される冷却ファンとを備えたことを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、スイッチング回路を搭載する基板の放電電流パルス出力端側は、電流が集中するので、大きな発熱があるが、この発生した熱は、出力端側に取り付けた金属片に伝播し、放熱される。加えて、金属片は、冷却ファンによって冷却されるので、金属片での放熱が促進される。その結果、基板の放電電流パルス出力端では、温度上昇が抑制される。
【0020】
つぎの発明にかかる放電加工用電源装置は、上記の発明において、前記金属片の他端は、前記スイッチング回路を構成するスイッチング素子に取り付けられる冷却フィンに電気絶縁材を介して接続されていることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、上記の発明において、金属片に伝播した熱は、スイッチング素子に取り付けられる冷却フィンに電気絶縁材を介して伝播し、冷却フィンにおいても放熱される。
【0022】
つぎの発明にかかる放電加工用電源装置は、電極と前記電極に所定間隔を置いて対向配置される他方の電極としての被加工物との間に放電電流パルスを供給するスイッチング回路を備える放電加工用電源装置において、前記スイッチング回路を搭載する基板の放電電流パルス出力端に一端が連結され、他端が前記スイッチング回路を構成するスイッチング素子に取り付けられる冷却フィンに電気絶縁材を介して接続される金属片を備えたことを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、スイッチング回路を搭載する基板の放電電流パルス出力端側は、電流が集中するので、大きな発熱があるが、この発生した熱は、出力端側に取り付けた金属片に伝播し、放熱される。加えて、金属片に伝播した熱は、スイッチング素子に取り付けられる冷却フィンに電気絶縁材を介して伝播し、冷却フィンにて放熱される。その結果、基板の放電電流パルス出力端では、温度上昇が抑制される。
【0024】
つぎの発明にかかる放電加工用電源装置は、上記の発明において、前記金属片の周囲に外気を強制対流させる冷却ファンが配置されていることを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、上記の発明において、金属片は、冷却ファンによって冷却される。したがって、金属片に伝播した熱は、金属片においても放熱される。
【0026】
つぎの発明にかかる放電加工用電源装置は、上記の発明において、前記金属片の面は、波形状に折り曲げられていることを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、上記の発明において、金属片は、面が波形状に折り曲げられて広い放熱面積を持つようになっている。
つぎの発明にかかる放電加工用電源装置は、上記の発明において、前記金属片は、当該基板に形成される前記スイッチング回路を通る正極性電流路パターンおよび負極性電流路パターンの各出力端の一方または双方に設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、上記の発明において、基板の放電電流パルス出力端である正極性電流路パターンおよび負極性電流路パターンの各出力端に設けるのが好ましいが、少なくとも一方の出力端に設けるだけでも、温度上昇が抑制される。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる放電加工用電源装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0029】
実施の形態1.
図1と図2は、この発明の実施の形態1である放電加工用電源装置における基板温度抑制機構付きスイッチング回路搭載基板の構成を示す外観図である。なお、図1は、平面図であり、図2は、側面図である。
【0030】
図1において、スイッチング回路(Tr1〜Tr6)が搭載されるプリント基板1には、できるだけ幅の広い正極性電流路パターン2と負極性電流路パターン3とを形成されている。また、図2に示されているように、正極性電流路パターン2と負極性電流路パターン3は、薄層に形成されている。
【0031】
そして、正極性電流路パターン2の出力端側には、基板温度抑制部4が設けられ、同様に負極性電流路パターン3の出力端側には、基板温度抑制部5が設けられている。つまり、正極性電流路パターン2と負極性電流路パターン3の各出力端は、基板温度抑制部4と基板温度抑制部5とを介して加工電流出力フィーダー79と接続されるようになっている。
【0032】
正極性電流路パターン2の出力端側に設けられる基板温度抑制部4は、レジスト41と金属片42と固定部材43と冷却ファン44と配線固定部45とで構成され、次のような内容になっている。
【0033】
すなわち、正極性電流路パターン2の出力端側には、正極性電流路パターン2と同等の幅で適宜長さの露出されたレジスト41が設けられている。レジスト41は、プリント基板1の表面に露出された正極性電流路パターン2が酸化するのを防止するため導電性薄膜で覆われている。また、レジスト41は、平面に加工されている。そして、レジスト41には、部品固定用のネジ穴が設けられている。なお、図示例では、ネジ穴であるが、貫通穴でもよい。個数は、任意であることは言うまでもない。
【0034】
金属片42は、導電性と熱伝導性に優れ、安価に入手できる板状(好ましくは薄板状)金属部材であって、図示例では、正極性電流路パターン2の幅よりも広い幅を持ち、適宜な長さの4角形状に成形されている。
【0035】
金属片42の一端側には、レジスト41に設けたネジ穴(または貫通穴)と同じ数の取付穴が、同じピッチ、同じ穴径で形成されている。すなわち、金属片42の一端側は、その取付穴がレジスト41に設けたネジ穴に位置決めされ、固定部材としてのネジ43をねじ込んで固定されている。なお、レジスト41に設けられた穴が、貫通穴であればボルトを使用し、プリント基板1の裏側に座金を当てて固定する。このとき、金属片42の一端側とレジスト41とは、隙間なく接触できるように平面な接触面を持つことが好ましい。
【0036】
また、金属片42の他端側には、加工電流出力フィーダー79の給電線を締結するための配線固定部45が設けられている。配線固定部45には、例えばネジ穴が設けられ、先端に圧着端子が具備された加工電流出力フィーダー79をネジにて固定する。なお、金属片42に接続される加工電流出力フィーダー79が複数ある場合には、金属片42の他端側には、相当する数だけの配線固定部45が準備されることになる。
【0037】
そして、冷却ファン44は、金属片42に外気を供給し、または金属片42近辺の空気を吸気して金属片42を効果的に冷却できるように配置されている。金属片42では、プリント基板1から飛び出して延在する部分があるので、少なくともこの延在部分を波状(フィン状)に形成して表面積を増加させ、冷却ファン44による冷却効果を高める措置も容易に採ることができる。
【0038】
また、負極性電流路パターン3の出力端側に設けられる基板温度抑制部5は、レジスト51と金属片52と固定部材53と冷却ファン54と配線固定部55とで構成され、次のような内容になっている。
【0039】
すなわち、負極性電流路パターン3の出力端側には、負極性電流路パターン3と同等の幅で適宜長さの露出されたレジスト51が設けられている。レジスト51は、プリント基板1の表面に露出された負極性電流路パターン3が酸化するのを防止するため導電性薄膜で覆われている。また、レジスト51は、平面に加工されている。そして、レジスト51には、部品固定用のネジ穴が設けられている。なお、図示例では、ネジ穴であるが、貫通穴でもよい。個数は、任意であることは言うまでもない。
【0040】
金属片52は、導電性と熱伝導性に優れ、安価に入手できる板状(好ましくは薄板状)金属部材であって、図示例では、正極性電流路パターン2の幅よりも広い幅を持ち、適宜な長さの4角形状に成形されている。
【0041】
金属片52の一端側には、レジスト51に設けたネジ穴(または貫通穴)と同じ数の取付穴が、同じピッチ、同じ穴径で形成されている。すなわち、金属片52の一端側は、その取付穴がレジスト51に設けたネジ穴に位置決めされ、固定部材としてのネジ53をねじ込んで固定されている。なお、レジスト51に設けられた穴が、貫通穴であればボルトを使用し、プリント基板1の裏側に座金を当てて固定する。このとき、金属片52の一端側とレジスト51とは、隙間なく接触できるように平面な接触面を持つことが好ましい。
【0042】
また、金属片52の他端側には、加工電流出力フィーダー79の給電線を締結するための配線固定部55が設けられている。配線固定部55には、例えばネジ穴が設けられ、先端に圧着端子が具備された加工電流出力フィーダー79をネジにて固定する。なお、金属片52に接続される加工電流出力フィーダー79が複数ある場合には、金属片52の他端側には、相当する数だけの配線固定部55が準備されることになる。
【0043】
そして、冷却ファン54は、金属片52に外気を供給し、または金属片52近辺の空気を吸気して金属片52を効果的に冷却できるように配置されている。金属片52では、プリント基板1から飛び出して延在する部分があるので、少なくともこの延在部分を波状(フィン状)に形成して表面積を増加させ、冷却ファン54による冷却効果を高める措置も容易に採ることができる。
【0044】
次に、図3〜図5を参照して、以上のように構成される実施の形態1による基板温度抑制機構付きスイッチング回路搭載基板の作用を説明する。なお、図3は、図1に示す基板温度抑制機構付きスイッチング回路搭載基板における出力電流経路を説明する平面図である。図4は、実施の形態1による基板温度抑制機構がない場合のスイッチング回路搭載基板における各位置の温度分布を示す図である。図5は、実施の形態1による基板温度抑制機構がある場合のスイッチング回路搭載基板における各位置の温度分布を示す図である。
【0045】
図3では、プリント基板1を長手方向に3分割した領域P1,P2,P3が示されている。領域P1は、プリント基板1の出力端から一番遠い領域であり、スイッチング素子Tr1,Tr4が含まれている。領域P2は、プリント基板1の出力端から二番目に遠い領域であり、スイッチング素子Tr2,Tr5が含まれている。領域P3は、プリント基板1の出力端から三番目に遠い領域、つまり一番近い領域であり、スイッチング素子Tr3,Tr6が含まれている。
【0046】
スイッチング素子Tr1,Tr4は、同期してオン・オフ動作を行う。スイッチング素子Tr1から出力される電流パルスi1は、正極性電流路パターン2から基板温度抑制部4のレジスタ41,金属片42を通り、加工電流出力フィーダー79に供給される。そして、加工電流出力フィーダー79から帰ってくる電流パルスi4は、基板温度抑制部5の金属片52,レジスタ51を通り、負極性電流路パターン3からスイッチング素子Tr4に取り込まれる。
【0047】
スイッチング素子Tr2,Tr5は、同期してオン・オフ動作を行う。スイッチング素子Tr2から出力される電流パルスi2は、正極性電流路パターン2から基板温度抑制部4のレジスタ41,金属片42を通り、加工電流出力フィーダー79に供給される。そして、加工電流出力フィーダー79から帰ってくる電流パルスi5は、基板温度抑制部5の金属片52,レジスタ51を通り、負極性電流路パターン3からスイッチング素子Tr5に取り込まれる。
【0048】
スイッチング素子Tr3,Tr6は、同期してオン・オフ動作を行う。スイッチング素子Tr3から出力される電流パルスi3は、正極性電流路パターン2から基板温度抑制部4のレジスタ41,金属片42を通り、加工電流出力フィーダー79に供給される。そして、加工電流出力フィーダー79から帰ってくる電流パルスi6は、基板温度抑制部5の金属片52,レジスタ51を通り、負極性電流路パターン3からスイッチング素子Tr6に取り込まれる。
【0049】
今、領域P1,P2,P3での各スイッチング素子が同期してオン・オフ動作を行うとする。そうすると、領域P1,P2,P3での総電流量は、次のようになる。
【0050】
領域P1では、正極性電流路パターン2での総電流量Ip1は、Ip1=i1であり、負極性電流路パターン3での総電流量Ip4は、Ip4=i4である。領域P2では、正極性電流路パターン2での総電流量Ip2は、Ip2=i1+i2となり、負極性電流路パターン3での総電流量Ip5は、Ip5=i4+i5となる。領域P3では、正極性電流路パターン2での総電流量Ip3は、Ip2=i1+i2+i3となり、負極性電流路パターン3での総電流量Ip6は、Ip6=i4+i5+i6となる。
【0051】
電流パルスi1,i2,i3は、流れる方向が同一であるので、Ip3>Ip2>Ip1が成立する。また、電流パルスi4,i5,i6も流れる方向が同一であるので、Ip6>Ip5>Ip4が成立する。以上の事実から、プリント基板1の出力端に最も近接した領域P3において流れる電流量が最も大きく、プリント基板1の出力端から最も遠い領域P1において流れる電流量が最も小さいことがわかる。具体的には、ジュールの法則によれば、電流が導体を流れるとその電流値に対応した発熱が生じるので、(領域P1での発熱量)<(領域P2での発熱量)<(領域P3での発熱量)の関係が成立する。
【0052】
したがって、この実施の形態1で示した基板温度抑制部4,5が存在しない場合(例えば従来例の図9で示した構成の場合)には、プリント基板1上の温度分布は、図4に示すようになる。図4において、横軸は、プリント基板1上での各領域を示し、縦軸は、プリント基板1上での各領域の温度[℃]を示している。
【0053】
図4では、発熱量が最も小さい領域P1の温度上昇が最も小さく、発熱量が最も大きい領域P3の温度上昇が最も大きくなることが示されている。従来例の図9で示した構成では、プリント基板1の出力端における各電流路パターンの発熱は、どこにも伝播されず、プリント基板1の表面のみで放熱されるだけであるので、他の領域と同様に流れる電流量に応じた温度になる。
【0054】
これに対し、この実施の形態1による基板温度抑制部4,5が付加されたプリント基板1上の温度分布は、図5に示すようになる。図5では、横軸と縦軸を図4と同様の目盛りで表現しているが、発熱量が最も大きい領域P3の温度上昇値が、発熱量が領域P3よりも小さい領域P2の温度上昇値とほぼ同じ値になることが示されている。
【0055】
領域P3での温度上昇が大幅に抑制される理由は、次のように説明できる。すなわち、領域P3は、極めて基板温度抑制部4,5に近接しているので、領域P3で発生された熱は効率よくレジスト41,51を介して熱伝導性の優れた材質からなる金属片42,52に伝播し、放熱される。加えて、金属片42,52が冷却ファン44,54によって積極的に冷却されるので、金属片42,52での放熱が一層促進される。なお、金属片42,52を冷却する構成については、図1で示した構成の他に、1個の冷却ファンを用い、通風ダクトで外気を金属片42,52に導く構成も採ることができる。
【0056】
このように、プリント基板1の出力端、すなわち正極性電流路パターン2と負極性電流路パターン3の各出力端に基板温度抑制部4,5を設けたので、放電電流パルスを出力する際に生じるプリント基板1の出力端における各電流路パターンの温度上昇を抑えることができ、またプリント基板1の温度を全領域に渡って均一化することができる。
【0057】
その結果、正極性電流路パターン2と負極性電流路パターン3の各パターン層を薄くすることができるので、正極性電流路パターン2と負極性電流路パターン3の各パターン幅をできるだけ大きくしても、パターン形成に使用される材料費を低く抑えることができる。
【0058】
すなわち、実施の形態1によれば、正極性電流路パターン2と負極性電流路パターン3の温度上昇を抑制することができるので、流せる電流値の上限値を引き上げることができる。そして、各パターン幅を大きくして表面面積を拡大することができ、大電流化と高周波数化を両立させることができるようになる。
【0059】
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2である放電加工用電源装置における基板温度抑制機構付きスイッチング回路搭載基板の構成を示す側面図である。なお、図6では、実施の形態1(図1、図2)に示した構成要素と同一ないしは同等である要素には、同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
【0060】
図6では、2つの電流路パターンのうち、正極性電流路パターン2に接続される基板温度抑制部4の関係が示されている。基板温度抑制部5側も同様であるので、双方の符号を併記して説明する。
【0061】
図6に示すように、高速で動作し、かつ大電流パルスを出力するスイッチング素子Tr1,Tr2,Tr3は、通常冷却効果を得るため、冷却能力の高い大型フィンである冷却フィン61に直接取り付けられている。スイッチング素子Tr4,Tr5,Tr6も同様である。
【0062】
そこで、この実施の形態2では、基板温度抑制部4,5においてプリント基板1と加工電流出力フィーダー79とを接続する金属片42,52の背面を冷却フィン61に電気絶縁材を介して接続するようにしている。但し、実際には、金属片42,52の背面と冷却フィン61との間には、隙間があるので、図6に示すように、隙間を埋めるための熱伝導金属ブロック63を介在させている。そして、電気的な絶縁を図るため、金属片42,52の背面と熱伝導金属ブロック63との間には絶縁シート62が設けられ、熱伝導金属ブロック63と冷却フィン61との間には絶縁シート64が設けられている。なお、熱伝導金属ブロック63は、金属片42,52のそれぞれと一体になっていても構わない。これによれば、絶縁シートは、冷却フィン61側の1つになる。
【0063】
この構成によれば、プリント基板1の出力端側で発生した熱66は、まず金属片42,52に伝播し、次いで金属片42,52から絶縁シート62、熱伝導金属ブロック63および絶縁シート64を介して冷却フィン61に伝播し、冷却能力の高い冷却フィン61にて放熱される。このとき、金属片42,52と冷却フィン61とは絶縁シート62,64によって絶縁されているので、金属片42,52を流れる放電電流パルスは、冷却フィン61には流れない。
【0064】
このように、実施の形態1に示した構成において、プリント基板1の出力端に接続された金属片42,52をスイッチング素子の冷却フィン61に電気絶縁材を介して接続するようにしたので、金属片42,52の冷却効率をさらに高めることができ、プリント基板1の出力端側での温度上昇をさらに抑制することができる。
【0065】
なお、以上は、実施の形態1への適用例であるが、実施の形態1で説明した冷却ファンは、この実施の形態2の構成とすれば、省略できる場合があることは言うまでもない。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、スイッチング回路を搭載する基板の放電電流パルス出力端側は、電流が集中するので、大きな発熱があるが、この発生した熱は、出力端側に取り付けた金属片に伝播し、放熱される。加えて、金属片は、冷却ファンによって冷却されるので、金属片での放熱が促進される。その結果、基板の放電電流パルス出力端では、温度上昇が抑制される。したがって、流せる電流値の上限値を引き上げることができる。そして、電流路パターン幅を大きくして表面面積を拡大することができ、大電流化と高周波数化を両立させることができるようになる。
【0067】
つぎの発明によれば、上記の発明において、金属片に伝播した熱は、スイッチング素子に取り付けられる冷却フィンに伝播し、冷却フィンにおいても放熱されるので、一層の冷却効果が得られる。
【0068】
つぎの発明によれば、スイッチング回路を搭載する基板の放電電流パルス出力端側は、電流が集中するので、大きな発熱があるが、この発生した熱は、出力端側に取り付けた金属片に伝播し、放熱される。加えて、金属片は、冷却ファンによって冷却されるので、金属片での放熱が促進される。その結果、基板の放電電流パルス出力端では、温度上昇が抑制される。したがって、流せる電流値の上限値を引き上げることができる。そして、電流路パターン幅を大きくして表面面積を拡大することができ、大電流化と高周波数化を両立させることができるようになる。
【0069】
つぎの発明によれば、上記の発明において、金属片は、冷却ファンによって冷却されるので、金属片に伝播した熱は、金属片においても放熱される。したがって、一層の冷却効果が得られる。
【0070】
つぎの発明によれば、上記の発明において、金属片は、面が波形状に折り曲げられて広い放熱面積を持つようになっている。したがって、一層の冷却効果が得られる。
つぎの発明によれば、上記の発明において、基板の放電電流パルス出力端である正極性電流路パターンおよび負極性電流路パターンの各出力端に設けるのが好ましいが、少なくとも一方の出力端に設けるだけでも、温度上昇が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1である放電加工用電源装置における基板温度抑制機構付きスイッチング回路搭載基板の構成を示す平面図である。
【図2】 図1に示す基板温度抑制機構付きスイッチング回路搭載基板の構成を示す側面図である。
【図3】 図1に示す基板温度抑制機構付きスイッチング回路搭載基板における出力電流経路を説明する平面図である。
【図4】 実施の形態1による基板温度抑制機構がない場合のスイッチング回路搭載基板における各位置の温度分布を示す図である。
【図5】 実施の形態1による基板温度抑制機構がある場合のスイッチング回路搭載基板における各位置の温度分布を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態2である放電加工用電源装置における基板温度抑制機構付きスイッチング回路搭載基板の構成を示す側面図である。
【図7】 放電加工用電源装置の一般的な構成を示す回路図である。
【図8】 従来のスイッチング回路搭載基板において大きな電流を流せるようにした構成例(その1)を示す図である。
【図9】 従来のスイッチング回路搭載基板において大きな電流を流せるようにした構成例(その2)を示す図である。
【符号の説明】
1 プリント基板、2 正極性電流路パターン、3 負極性電流路パターン、4,5 基板温度抑制部、41,51 レジスト、42,52 金属片、43,53 固定部材(ネジ)、44,54 冷却ファン、45,55 配線固定部、61 冷却フィン、62,64 絶縁シート、63 熱伝導金属ブロック、79加工電流出力フィーダー、Tr1〜Tr6 スイッチング素子、E 電極、W被加工物。
Claims (6)
- 電極と前記電極に所定間隔を置いて対向配置される他方の電極としての被加工物との間に放電電流パルスを供給するスイッチング回路を備える放電加工用電源装置において、
前記スイッチング回路を搭載する基板の放電電流パルス出力端に一端が連結される金属片と,
前記金属片の周囲に外気を強制対流させるために配置される冷却ファンと、
を備えたことを特徴とする放電加工用電源装置。 - 前記金属片の他端は、前記スイッチング回路を構成するスイッチング素子に取り付けられる冷却フィンに電気絶縁材を介して接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の放電加工用電源装置。 - 電極と前記電極に所定間隔を置いて対向配置される他方の電極としての被加工物との間に放電電流パルスを供給するスイッチング回路を備える放電加工用電源装置において、
前記スイッチング回路を搭載する基板の放電電流パルス出力端に一端が連結され、他端が前記スイッチング回路を構成するスイッチング素子に取り付けられる冷却フィンに電気絶縁材を介して接続される金属片、
を備えたことを特徴とする放電加工用電源装置。 - 前記金属片の周囲に外気を強制対流させる冷却ファンが配置されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の放電加工用電源装置。 - 前記金属片の面は、波形状に折り曲げられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の放電加工用電源装置。
- 前記金属片は、当該基板に形成される前記スイッチング回路を通る正極性電流路パターンおよび負極性電流路パターンの各出力端の一方または双方に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の放電加工用電源装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002194730A JP3880893B2 (ja) | 2002-07-03 | 2002-07-03 | 放電加工用電源装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002194730A JP3880893B2 (ja) | 2002-07-03 | 2002-07-03 | 放電加工用電源装置 |
Publications (3)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004039853A JP2004039853A (ja) | 2004-02-05 |
| JP2004039853A5 JP2004039853A5 (ja) | 2005-08-11 |
| JP3880893B2 true JP3880893B2 (ja) | 2007-02-14 |
Family
ID=31703350
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002194730A Expired - Fee Related JP3880893B2 (ja) | 2002-07-03 | 2002-07-03 | 放電加工用電源装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3880893B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE112012002360T5 (de) | 2011-06-06 | 2014-02-27 | Mitsubishi Electric Corp. | Hochfrequenzenergiequellenerzeugungsvorrichtung |
| CN108638726B (zh) * | 2018-05-07 | 2019-10-18 | 北京工业大学 | 一种获得高压电表面单极性放电痕迹的方法与装置 |
-
2002
- 2002-07-03 JP JP2002194730A patent/JP3880893B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2004039853A (ja) | 2004-02-05 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP4142227B2 (ja) | 車両用電動圧縮機のモータ駆動用インバータ装置 | |
| US6984887B2 (en) | Heatsink arrangement for semiconductor device | |
| US20110235271A1 (en) | Mother and daughter board configuration to improve current and voltage capabilities of a power instrument | |
| CN110199466B (zh) | 电动机驱动装置 | |
| CN101491169B (zh) | 配置用于流过气流的电子模块和包括该电子模块的系统 | |
| JP5670447B2 (ja) | 電子機器 | |
| CN101491168B (zh) | 构造为故障遏制的电子模块及包括其的系统 | |
| JP3880893B2 (ja) | 放電加工用電源装置 | |
| JPH08204072A (ja) | 電子部品の冷却装置 | |
| JP2004063681A (ja) | 半導体装置 | |
| US11930623B2 (en) | Board structure, electronic apparatus, and method of manufacturing board structure | |
| JP2009017624A (ja) | モータ制御装置 | |
| JP6503650B2 (ja) | 電力変換装置の冷却構造 | |
| US9943015B2 (en) | Assembly structure of high-power semiconductors and heat sink | |
| JP2008016582A (ja) | 電子機器用プリント基板 | |
| JP3749137B2 (ja) | 半導体装置 | |
| CN107710883B (zh) | 使用高导电散热垫的印刷电路板散热系统 | |
| CN218123389U (zh) | 一种mos管并联封装装置 | |
| JPH0563118B2 (ja) | ||
| US20060139892A1 (en) | Heat dissipating arrangement for an electronic appliance | |
| JPS59155158A (ja) | 半導体装置の冷却構造 | |
| KR20010019507A (ko) | 전자레인지용 히트싱크 | |
| JP2019221015A (ja) | 電気機器 | |
| JP2009193990A (ja) | Dc−dcコンバータ回路の冷却構造 | |
| JPH0817533A (ja) | 集積回路パッケージ用の放熱機能付きソケット |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050127 |
|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050127 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061031 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061107 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061108 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091117 Year of fee payment: 3 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101117 Year of fee payment: 4 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111117 Year of fee payment: 5 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121117 Year of fee payment: 6 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121117 Year of fee payment: 6 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131117 Year of fee payment: 7 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |