JP3881882B2 - サーボコントローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パルス列信号によりサーボモータの速度と位置を制御する方式のサーボコントローラに係り、特に、複数台のサーボモータを備えたサーボ制御システムに好適なサーボコントローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械や動作シミュレーション遊技システムなど、精密な位置制御と速度制御が要求される機器の移動部の駆動には、サーボ制御システム(サーボ機構)が採用される場合が多いが、このとき、サーボモータの制御に使用されるのがサーボコントローラで、この場合、サーボ制御システムは、例えば図6に示すように構成されている。
【0003】
この図6は、複数台のサーボモータ、例えば4台のサーボモータ7〜10を備えたサーボ制御システムの一例で、これら複数台のサーボモータ7〜10は、サーボコントローラ2の制御のもとで、夫々のサーボアンプ3〜6により駆動されるようになっている。
【0004】
このとき、サーボコントローラ2は、各サーボモータ7〜10の制御のため、各伝送ライン11〜14を介して、各サーボアンプ3〜6にパルス列出力(パルス列からなる信号のこと)を供給するようになっており、従って、このようなサーボモータの速度制御や位置制御にパルス列出力を使った位置決めシステムの場合、パルス列出力方式と呼ばれている。
【0005】
そして、このサーボコントローラ2は、それ自体もコンピュータを主体にして構成されているが、このとき、各サーボモータ7〜10の制御に必要なデータとプログラムは、パソコン1によりプログラミングされ、制御に必要なデータと共にサーボコントローラ2に格納されるようになっている。
【0006】
ところで、このようなパルス列出力方式のサーボシステムの場合、パルス列出力の伝送ライン11〜14に断線などの異常が発生すると、サーボモータによる駆動対象の動きが異常になって、正しいサーボ動作が得られなくなってしまうだけでは無く、安全性の保持にも問題が生じてしまう。
【0007】
そこで、例えば駆動対象の動きを検出するエンコーダの信号など、サーボモータ側からのフィードバック信号を監視し、伝送ライン11〜14も含めて、パルス列出力の伝送系全体の健全性を確認し、ライン断線などの伝送異常の発生を検出する方法が従来から知られている。
【0008】
しかし、この方法は、オープンループ制御方式のサーボ制御システムの場合、フィードバック信号が無いので適用できないが、ここで、パルス列出力方式による位置決めシステムでは、オープンループ制御方式による場合が多い。
【0009】
そこで、オープンループ制御方式の場合は、図7に示すように、各伝送ライン11〜14に別途、検出回路を組込んで、ライン断線などの伝送異常の発生を検出する方法が従来技術として知られていた。この図において、16はドライバ、17はレシーバ、18は終端抵抗、19はフォトカプラ、20はバイパス用ダイオード、そして21は断線検出回路である。
【0010】
この場合、伝送ライン11〜14が健全なら、矢印で示すように、終端抵抗18を通って電流が流れるから、フォトカプラ19により信号が取出されるが、ラインが断線したときは、フォトカプラ19から信号が出力されなくなる。
【0011】
そこで、このフォトカプラ19の出力を断線検出回路21で監視してやれば、ライン断線を検出することができ、サーボコントローラ2で伝送ライン11〜14の健全性を確認することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、ライン断線などによる伝送異常の検出に別途検出回路の付加を要する点に配慮がされておらず、コストアップに問題があった。
【0013】
従来技術では、配線途中やサーボコントローラ若しくはサーボアンプに新たに断線検出用の回路が必要なため、容易に行えるものではなく、特に、多軸を制御する場合、各軸毎に断線検出が必要になるため、回路と工数が多大になり、従って、コストアップになってしまうのである。
【0014】
本発明の目的は、少ないコストアップで伝送異常が確実に検出できるようにしたサーボコントローラを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、パルス列信号によりサーボモータの速度と位置を制御し、前記パルス列信号の伝送異常を、前記パルス列信号の出力を表すサーボコントローラのRUNビットの変化と、サーボアンプから出力される位置決め完了信号の変化の時間的な組合わせから検出する方式のサーボコントローラにおいて、前記サーボモータの現速度を算出する手段と、当該算出した現速度を予め設定してある監視速度と比較する手段とを設け、前記RUNビットが変化した後、前記現速度が前記監視速度を越えていることを条件として前記伝送異常が検出されるようにして達成される。
【0016】
このとき、前記伝送異常の検出のための処理を繰り返し、伝送異常が少なくとも2回、検出されたとき伝送異常と判定するようにしても上記目的がも達成でき、前記サーボモータが複数台備えられ、前記パルス列信号の伝送異常が、各サーボモータ毎に検出されるようにしても上記目的が達成できる。
【0017】
本発明によれば、本来、位置決めに用いられる位置決め完了信号を利用している。
【0018】
サーボアンプでは、上位から受け取った位置指令と実動作中のモータ現在値の間には追従の遅れ等により偏差があり、この位置偏差(位置指令値と位置検出値との偏差)が或る指定された値よりも小さくなると位置決め完了信号が出力される。
【0019】
この信号は、サーボ制御システムでは一般的にサーボアンプから出力されるものであり、このため、本発明によれば、新たな信号や回路を必要とすることがなく、断線などによる伝送異常の検出が得られることになる。
【0020】
また、この信号を入力し、その入力状態をサーボコントローラで監視することにより、断線検出時、同期しているサーボモータの軸だけを停止させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるサーボコントローラについて、図示の実施に形態により詳細に説明する。
ここで、まず、本発明の一実施形態によるサーボコントローラにおいても、それが適用されたサーボ機構の場合、そのブロック構成については、図6で説明した従来技術の場合と同じであり、異なっているのは、サーボコントローラ2による処理だけである。
【0022】
そこで、以下、この実施形態に係るサーボコントローラ2の動作について説明すると、ここで、まず、上記従来技術の説明に際しては特に触れなかったが、パルス列出力方式のサーボコントローラの場合、良く知られているように、パルス列出力におけるパルスの周期(1/パルス周波数)がサーボモータの速度指令値を表わし、パルスの個数が位置指令値になっている。
【0023】
次に、これも特に触れなかったが、一般的なサーボコントローラの場合、回動期間と停止期間の繰り返しからなるサーボモータの一連の動作の中で、当該サーボモータに指令される回転動作期間と動作停止期間を表示するため、図1に示すように、RUN(ラン)ビット27が設定してあるのが通例であり、この実施形態におけるサーボコントローラ2も同じである。
【0024】
この図1において、時刻t0 は、サーボモータの一連の動作の中にある幾つかの回転動作期間の一つにおける開示時点を表わし、時刻t2 は、その終了時点を表わしたものであり、ここで、波形28がパルス列出力で、波形29はサーボアンプ入力におけるパルス列出力である。
【0025】
従って、この図1は、時刻t0 でRUNビット27がローレベルからハイレベルに変わり、この時点からパルス列出力28が発生し、これがサーボアンプにパルス列出力29として入力され、この後、時刻t2 でRUNビット27がローレベルに落ち、これに伴ってパルス列出力28、29が消滅している状態が示されていることになる。
【0026】
更に、これも特に触れなかったが、一般的なサーボコントローラの場合、そのサーボアンプは、パルス列出力28が入力されてから、このとき指令された位置に対して所定の偏差内でサーボモータが位置決めされたとき、位置決め完了信号を発生し、サーボコントローラ側に出力するように構成されているのが通例であり、この実施形態におけるサーボアンプ3〜6も同じである。
【0027】
ここで、図1では、波形30が位置決め完了信号で、ここではハイレベルが位置決め完了状態を表わし、ローレベルでは位置決めが完了していない状態を表わす。
【0028】
従って、この位置決め完了信号30は、パルス列出力29がサーボアンプに入力され、サーボモータが正常に回転動作したとすると、図示のように、まず、RUNビット27が時刻t0 で立ち上がった後、所定の遅れ時間τD 経過後、時刻t1 でハイレベルからローレベルに落ちる。
【0029】
そして、この時刻t1 以後、サーボアンプにパルス列出力29が入力されている間、位置決め完了信号30はローレベルを保ち、この後、時刻t2 でRUNビット27がローレベルに落ちたとき、今度は所定の遅れ時間τU 経過後、ハイレベルに立ち上がることになる。
【0030】
何故なら、このようなサーボ駆動系では、サーボモータが回り始め、回転している間は、指令された位置に追従している状態になるだけであり、指令された位置に近づいて位置決めされるのは、パルス列出力29が無くなった後になってしまうからである(詳細は後述)。
【0031】
このときの遅れ時間τD、τU の永さは、サーボモータのトルク、慣性モーメント(GD2)、それに駆動部分のイナーシャなどにより決り、従って、各サーボモータ毎に特有の定数となる。
【0032】
ここで、いま、伝送ライン(例えば図6の伝送ライン11〜14の何れか)に断線が発生したなどの理由により、パルス列出力の伝送系に異常が発生し、パルス列出力28がサーボコントローラ2から出力されたにもかかわらず、パルス列出力29が最初からサーボアンプに入力されなかったり、サーボモータが回転動作中に途切れたとする。
【0033】
まず、パルス列出力29が最初からサーボアンプに入力されなかった場合は、図2に示すように、時刻t0 でRUNビット27が立ち上がった後、所定の遅れ時間τD 経過後の時刻t1 になっても、位置決め完了信号30はハイレベルのままで変化しない。
【0034】
何故なら、この場合は、最初からパルス列出力29がサーボアンプに入力されないので、サーボモータも回転動作を開始せず、前に指令された位置にそのまま停止され、位置決め完了された状態にあるからである。
【0035】
次に、パルス列出力29が途切れた場合は、図3に示すようになる。ここで、時刻tE が伝送異常発生時点であり、従って、この時点以降、パルス列出力29はサーボアンプの入力から消滅し、この結果、遅れ時間τU 経過後の時刻t3 で位置決め完了信号30はローレベルからハイレベルに変わる。
【0036】
何故なら、時刻tE 以降、パルス列出力29が途切れるので、これによる指令位置も、時刻tE までに与えられた位置となり、サーボモータは、時刻t3 で、この時刻tE までに与えられた位置に停止し、位置決め完了状態になるからである。
【0037】
ここで、これら図1〜図3におけるRUNビット27と位置決め完了信号30の関係についてみると、次のことが判る。
まず、図1では、RUNビット27が変化したときは、その後、所定の遅れ時間τD、τU 経過後、必ず位置決め完了信号30も変化している。つまり、パルス列出力の伝送系に異常が発生していないときは、RUNビット27の変化と位置決め完了信号30の変化が、遅れ時間τD、τU をおいて、セットになって現われている。
【0038】
一方、図2と図3では、このようなRUNビット27と位置決め完了信号30のセットになった変化がみられない。
まず、図2の場合は、時刻t0 でRUNビット27が変化(この場合はローレベルからハイレベルになる)してから遅れ時間τU が経過した後も、位置決め完了信号30はそのまま(この場合はハイレベルのまま)で変化していない。
【0039】
次に、図3の場合、今度は、時刻t3 で位置決め完了信号30が変化(この場合はローレベルからハイレベルになる)したにもかかわらず、このときから遅れ時間τD が経過しても、RUNビット27はそのまま(この場合はハイレベルのまま)で変化していない。
【0040】
ここで、これら図2と図3は、何れもパルス列出力の伝送系に異常が発生してしまった場合であり、従って、このことから、パルス列出力の伝送系に異常がないときは、RUNビット27の変化と位置決め完了信号30の変化がセットになって現われるが、パルス列出力の伝送系に異常が発生したときは、RUNビット27と位置決め完了信号30のセットになった変化が見られなくなってしまうことが判る。
【0041】
つまり、このことは、RUNビット27の状態と位置決め完了信号30の状態をみるだけで、パルス列出力の伝送系が正常な状態にあるか、異常が発生してしまっているかが判定できることを意味する。
【0042】
そこで、この実施形態によるサーボコントローラ2は、RUNビット27の状態と、位置決め完了信号30の状態を取込み、これらが以下に示す関係になったとき、伝送ライン断線などに伝送異常が発生したものとする。
【0043】
▲1▼RUNビット27が変化した後、所定の判定時間τED が経過した後も、位置決め完了信号30が変化しなかったとき(図2の場合)。
▲2▼位置決め完了信号30が変化した後、所定の判定時間τED が経過した後も、RUNビット27が変化しなかったとき(図3の場合)。
【0044】
ここで、判定時間τED は、異常の判定に必要な待ち時間を設定するために設けたもので、異常になったことが確実に判定できるように、遅れ時間τD、τU を見越して、図示のように、τED>τD、τED>τU にしてある。
【0045】
このときの信号の監視と異常発生の検出に対処するための命令を発生するのがサーボコントローラ2であり、この実施形態では、このためにラダープログラムが用いられる。
【0046】
ここで、上記したように、これらRUNビット27と位置決め完了信号30については、従来技術によるサーボ機構の場合でも、一般的に備えている機能により得られるものであり、従って、この実施形態によれば、別途、検出回路などを設けることなく、伝送ライン断線などによる伝送異常の発生を容易に、しかも確実に検出することができる。
【0047】
ところで、ここで説明した位置決め完了信号30は各サーボアンプ3〜6で発生されるが、このとき、上記したように、パルス列出力28が入力されてから、このとき指令された位置に対して所定の偏差内でサーボモータが位置決めされたとき発生(変化)するものである。そこで、以下、このときの発生動作の詳細について説明する。
【0048】
各サーボアンプ3〜6では、上記したように、上位の機器、つまりサーボコントローラ2から供給されるパルス列出力28におけるパルスの周期(1/パルス周波数)がサーボモータの速度指令値を表わし、パルスの個数が位置指令値になっている。
【0049】
そこで、いま、パルス列出力28のパルス周期による速度指令が、例えば図4(a)の速度指令22に示すようになっていたとすると、各サーボモータ7〜10は、これに対して回転速度特性23で示すように追従する。
【0050】
この場合、パルス列出力28のパルス個数による位置指令は、図4(b)に位置指令24で示すようになるが、これに対して各サーボモータ7〜10は、位置特性25で示すように、所定の位置偏差ΔPをもって追従し、位置偏差ΔPが0になったとき停止し、位置決めが完了する。
【0051】
そこで、各サーボアンプ3〜6は、この位置偏差ΔPが0のとき、位置決め完了信号30を発生するようにすればよいが、実際には、位置検出の精度に限度が有るなどの理由により、サーボモータが停止しても位置偏差ΔPが0に収斂しない場合がある。
【0052】
そこで、上記したように、各サーボアンプ3〜6は、図4(b)、(c)に示すように、この位置偏差Δが予め設定してある位置決め幅ΔPMIN 以下になったとき、位置決め完了信号30が発生(変化)するようになっているのである。
【0053】
ところで、このとき、指令速度が遅くなると、相対的に各サーボモータ7〜10の追従性が良くなって、位置指令に対して小さな位置偏差ΔPで追従するようになり、この結果、サーボモータが回転しているときでも、位置偏差ΔPが位置決め幅ΔPMIN 以下になって、位置決め完了信号30が常時、位置決め完了になってしまう虞れがある。
【0054】
そこで、この実施形態では、図5に示す処理により、断線などによる伝送異常発生を判定するように構成してあり、以下、このフローチャートにより、伝送異常発生の検出処理について説明する。
【0055】
この図5による処理は、プログラム可能なサーボコントローラ2により実行され、サーボコントローラ2が動作を立ち上げたとき開始される。そして、まず、処理ステップS1で、RUNビット27の発生を監視し、サーボアンプ3〜6にパルスが出力されているか否かを判定する。
【0056】
従って、RUNビット27が発生していないとき、つまりローレベルになっている間は処理ステップS1に留まり、RUNビット27がハイレベル(High)に変わったとき、次の処理ステップS2に進む。
【0057】
処理ステップS2では、サーボコントローラ2からサーボアンプ3〜に指令される速度、つまり現速度を算出する。この現速度は、一定周期ΔTS 毎にサーボコントローラ2で管理している現在位置を格納することにより、
現速度=(現在速度−前回に格納した現在位置)/ΔT S
として算出できる。
【0058】
次に、処理ステップS3に進み、いま算出した現速度を予め設定してある監視速度と比較し、現速度が監視速度より大きいが否かを判断する。そして、判定結果がN(否定)のときは処理ステップS4に進み、リトライカウント値をクリアする。
【0059】
このときの監視速度は、図4で説明したサーボモータの追従動作中での位置偏差ΔPが位置決め幅ΔPMIN よりも大きくなっているときのサーボモータの速度とする。すなわち、
監視速度→(位置偏差ΔP>位置決め幅ΔPMIN)となる速度
とする。
【0060】
何故なら、位置決め完了信号30は、サーボモータの速度が或る程度以下の遅い場合は、図4で説明したように、常時、位置決め完了状態(ハイレベル)になってしまい、この位置決め完了信号30ではサーボモータが停止している状態と同じになって区別できなくなってしまうからである。
【0061】
一方、処理ステップS3での判定結果がY(肯定)のときは処理ステップS5に進み、今度は位置決め完了信号30がハイレベル(High)か否かを判断する。そして、判定結果がN(否定)のときは処理ステップS4に進み、同じくリトライカウント値をクリアする。
【0062】
そして、この処理ステップS5での判定結果がYになったとき、処理ステップS6に進み、ここでリトライカウントUP、すなわちカウント値を1カウント上げ、次いで処理ステップS7に進む。
【0063】
処理ステップS7ではリトライカウント値を調べ、それが規定リトライカウント値以上あるか否かを判断する。そして、結果がNのときは処理ステップS1に戻り、Yのとき、伝送異常検出とするのである。
【0064】
ここで、上記したように、RUNビット27がハイレベルで、且つ、サーボモータの速度が上記した監視速度以上なら、位置決め完了信号30はローレベルになる。
【0065】
従って、処理ステップS2から処理ステップS6に進んだときは、一応、断線などの伝送異常が発生しているものとみることができる。しかしながら、上記したように、追従遅れなどにより実際のサーボモータの速度が監視速度以下になっている可能性も否定できない。
【0066】
そこで、この実施形態では、RUNビット27がハイレベルでサーボモータの速度が監視速度以上、且つ、位置決め完了信号30がハイレベルであっても、つまり、処理ステップS2から処理ステップS6に進んだときでも、この状態が或る時間Tm 継続したとき、初めて伝送異常発生が検出されるようにしたものである。
【0067】
ここで、この時間Tm が、サーボモータが監視速度以上に達するのに要する時間で、これを規定しているのが、図5の処理ステップS7における規定リトライカウント値である。何故なら、この図5の処理は、上記した一定周期ΔTS でプログラムが回っており、従って、時間Tm は、この一定周期ΔTS と規定リトライカウント値の積、すなわち、Tm =ΔTS ×(規定リトライカウント値)で設定されるからである。
【0068】
従って、図5において、処理ステップS3、S5の条件を満たしたとき、処理ステップS6でリトライカウントUPした上で、リトライカウント値が規定リトライカウント値以上になったとすると、時間Tm 以内に上記した条件、つまりRUNビット27がハイレベルでサーボモータの速度が監視速度以上、且つ、位置決め完了信号30がハイレベルであるという条件が満たされたことになり、正確に伝送異常発生が検出できることになる。
【0069】
そして、このときの時間Tm が、図3における判定時間τED と遅れ時間τU の差(τED−τU)で、伝送異常発生時点tE から伝送異常発生検出時点tED までの遅れ時間となる。
【0070】
ここで、リトライカウントUPを実行する条件が満たされない場合、つまりサーボモータの速度が監視速度以下のとき、又は位置決め完了信号がローレベルのときは処理ステップS4でリトライカウントはクリアされてしまう。従って、これにより、上記の条件が連続して満たされた場合だけ、リトライカウントUPされることが保証される。
【0071】
従って、上記したように、この実施形態によれば、別途、検出回路などを設けることなく、伝送ライン断線などによる伝送異常の発生を容易に、しかも確実に検出することができる。
【0072】
また、この実施形態によれば、サーボアンプからフィードバック信号が無いオープンループサーボ制御システムにおいも、別途、検出回路などを設けることなく、伝送ライン断線などによる伝送異常の発生を容易に、しかも確実に検出することができる。
【0073】
更に、この実施形態によれば、断線などによる伝送異常の発生を検出した際、そのときのサーボ系の運転内容に応じて軸を指定した停止命令やエラーを出力するプログラムとすることにより、問題のない軸の運転まで止めることなく、必要な軸だけ停止させることができ、また、同期している軸については、共に停止されることができる。
【0074】
また、複数の軸を備えたサーボ系で同期運転している場合には、1軸だけがパルス断線し停止すると暴走に近い動きになる。しかし、上記実施形態によれば、各軸それぞれの断線を検出し、パルス列出力サーボコントローラで同期運転している軸全てをコントローラから停止でき、かつその他軸の非同期で運転するものには支障をきたさない安全かつ効率のよい制御ができる。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、伝送異常発生の検出に、別途、検出用の回路や配線を追加することなく、容易に断線などの伝送異常の発生を検出することができる。
また、本発明によれば、サーボアンプからフィードバック信号が無いオープンループサーボ制御システムにおいも、別途、検出回路などを設けることなく、伝送ライン断線などによる伝送異常の発生を容易に、しかも確実に検出することができる。
【0076】
更に、本発明によれば、サーボコントローラにより、指令側と受け側の双方の監視ができるため、断線など伝送異常発生検出時、運転内容に応じて任意に停止軸の指定ができ、エラー出力などにも柔軟な対処することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るサーボコントローラの動作を説明するためのタイミング図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るサーボコントローラによる伝送異常発生検出動作を説明するためのタイミング図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るサーボコントローラによる伝送異常発生検出動作を説明するためのタイミング図である。
【図4】サーボ制御システムにおけるサーボモータの動作特性を説明するための特性図である。
【図5】本発明の一実施形態による伝送異常発生検出動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明によるサーボコントローラが適用対象とするサーボ制御システムの一例を示すブロック構成図である。
【図7】従来技術による断線検出回路の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 プログラミング装置(パソコン)
2 サーボコントローラ
3〜6 サーボアンプ
7〜10 サーボモータ
11〜14 ケーブル(位置決め完了信号線を含む)
16 送信機
17 受信機
20 終端抵抗
19 フォトカプラ
20 バイパス用ダイオード
21 断線検出回路
27 RUNビット
28 パルス列出力
29 サーボアンプ入力
30 位置決め完了信号
Claims (3)
- パルス列信号によりサーボモータの速度と位置を制御し、前記パルス列信号の伝送異常を、前記パルス列信号の出力を表すサーボコントローラのRUNビットの変化と、サーボアンプから出力される位置決め完了信号の変化の時間的な組合わせから検出する方式のサーボコントローラにおいて、
前記サーボモータの現速度を算出する手段と、当該算出した現速度を予め設定してある監視速度と比較する手段とを設け、
前記RUNビットが変化した後、前記現速度が前記監視速度を越えていることを条件として前記伝送異常が検出されるように構成したことを特徴とするサーボコントローラ。 - 請求項1に記載の発明において、
前記伝送異常の検出のための処理を繰り返し、伝送異常が少なくとも2回、検出されたとき伝送異常と判定するように構成されていることを特徴とするサーボコントローラ。 - 請求項1又は請求項2に記載の発明において、
前記サーボモータが複数台備えられ、
前記パルス列信号の伝送異常が、各サーボモータ毎に検出されるように構成したことを特徴とするサーボコントローラ。
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