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JP3882018B2 - 六フッ化硫黄の精製方法 - Google Patents
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JP3882018B2 - 六フッ化硫黄の精製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、六フッ化硫黄の精製方法に関するものであり、特に有害不純物を含む回収六フッ化硫黄ガスを精製剤と接触させて精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
六フッ化硫黄(以下「SF6 」と記す)は、気体として優れた電気絶縁性を有することから、遮断機や変圧器などの気体絶縁媒体として需要が増大している。SF6 それ自体は化学的に安定であり、毒性も腐食性も認められないが、例えば縮小型変電設備の機器などに用いられると、コロナ放電や遮断時に発生するアークなどの強い電気的ストレスに曝され、分解して種々の不純物を生成し障害をもたらすようになる。例えば、電気的ストレスにより分解して生成する不純物の中で、四フッ化硫黄(以下「SF4 」と記す)、二フッ化硫黄(以下「SF2 」と記す)、一フッ化硫黄(以下「S22」と記す)などは非常に反応性に富む物質であり、機器内に微量の水分が存在すると、これと反応してフッ化水素(以下「HF」と記す)、亜硫酸ガス(以下「SO2 」と記す)、フッ化チオニル(以下「SOF2 」と記す)、フッ化スルフリル(以下「SO22」と記す)などの強酸性物質や微量の五フッ化硫黄(以下「S2 10」と記す)を生成する。これらの不純物を含むSF6 ガスを使用し続けると、機器類の金属部材を腐食するなどの障害が現れるので、適宜に機器から抜き出して新しいSF6 と入れ替えが行われる。
【0003】
しかしSF6 ガスは高価であるばかりでなく、地球温暖化など環境への影響も無視できない状況下で、前記の有害不純物を含むSF6 は、回収して精製処理した後リサイクルすることが求められるようになってきた。この課題に対しては従来からも種々の精製方法が提案されている。例えば、乾式法としては、▲1▼回収ガスを活性アルミナ、X型合成ゼオライトと接触させる方法(特公昭47−6205号公報)、▲2▼転化剤を用いて不純物ガス成分を固体合成物と生成ガスとに転化させ、次いでガス吸収剤を用いて前記の生成ガスを吸収除去する方法(特開昭60−54723号公報)など、また湿式法としては、▲3▼回収ガスをアルカリ槽(水酸化カルシウム水溶液)で処理する方法(浜野,ほか;大電力試験場におけるSF6 ガス回収装置;平成8年電気学会全国大会)、▲4▼リチウム置換した巨大網状構造ポリマーと接触させる方法(特開平6−211506号公報)などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来提案されている前記の各精製方法にはそれぞれ問題があった。例えば前記▲1▼の方法では、SO2 、SOF2 、SO22、S2 10などに対して十分な吸着効果が得られない、▲2▼の方法は、不純物を水酸化カルシウムと反応させて水素を発生させ、この水素ガスを吸着除去するものであるが、可燃性の水素ガスを発生させる問題がありまた十分な処理能力が得られない、▲3▼の方法は湿式法であり設備が大規模となる、▲4▼は高価な吸収剤を用いるほか、湿式法であるため大量の水分が混入する、などの問題があり、何れも工業的に採用できる経済的な方法ではなかった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、従ってその目的は、不純物を含むSF6 から簡便かつ効率的に有害不純物を除去することができるSF6 の精製方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明は、不純物を含むSF6 を、アルカリ土類金属化合物、アルミン酸アルカリ金属塩およびテトラアルキルアンモニウム塩からなる群から選ばれた1種以上の化合物と炭素質固体とからなる精製剤と接触させるSF6 の精製方法を提供する。
前記の不純物を含むSF6 は、不純物としてHF、SO2 、S22、SF2 、SF4 、S2 10、SOF2 およびSO22からなる群の何れか1種以上を含むものであってよい。
前記精製剤のアルカリ土類金属化合物は、カルシウム、マグネシウム、バリウムおよびストロンチウムの酸化物、水酸化物、炭酸塩および硝酸塩からなる群から選ばれたものであることが好ましい。またアルミン酸アルカリ金属塩は、アルミン酸リチウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムおよびアルミン酸セシウムからなる群から選ばれたものであることが好ましい。またテトラアルキルアンモニウム塩は、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、炭酸テトラメチルアンモニウム、炭酸テトラエチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、アルミン酸テトラメチルアンモニウムおよびアルミン酸テトラエチルアンモニウムからなる群から選ばれたものであることが好ましい。
前記精製剤の炭素質固体は、コークス粉末、チャー炭、石炭、ピッチ、木炭、活性炭およびカーボンブラックからなる群から選ばれた1種以上であることが好ましい。
前記精製剤の比表面積は、80m2 /g〜1000m2 /gの範囲内であることが好ましい。また前記精製剤の平均細孔径は、7オングストローム〜1500オングストロームの範囲内であることが好ましい。
前記により精製されたSF6 中に含まれるHF濃度は、0.1重量ppm以下とされることが好ましい。
また、前記のSF6 の精製方法は、脱水工程が付加されていることが好ましい。この脱水工程は、脱水剤としてゼオライトを用いるものであることが好ましい。前記により精製されたSF6 中に含まれる水分濃度は、50重量ppm以下とされることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明のSF6 の精製方法は、例えばガス遮断器(GCB)などのガス絶縁機器に使用されて、コロナ放電や遮断時に発生する電気アークなどにより分解し有害な不純物を生成したSF6 (以下「不純SF6 」と記す)からこの有害不純物を除去し、リサイクルする際などの精製工程に適用される。これらのガス絶縁機器に使用された後の不純SF6 は、一般にSF4 、SF2 、S22、SO2 、SOF2 、SO22、S2 10などの腐食性有害不純物を含んでいる。
【0007】
本発明の精製方法の一実施形態においては、アルカリ土類金属化合物、アルミン酸アルカリ金属塩および/またはテトラアルキルアンモニウム塩と炭素質固体とからなる精製剤を、例えば反応管に充填し、この反応管に室温で、前記の不純SF6 をガス流として流通させる。これにより、不純SF6 中の不純物は精製剤に吸着され、実質的に有害不純物を含まないSF6 (以下「精製SF6 」と記す)を、簡便かつ効果的に回収することができる。
【0008】
得られた精製SF6 を前記のガス絶縁機器などにリサイクルするに際しては、精製SF6 中の水分が50重量ppm以下とされることが好ましい。これは、前記のSF6 精製工程に、例えば脱水剤としてゼオライトを用いる脱水工程を付加することにより達成することができる。
【0009】
以下、本発明の構成要素について詳しく説明する。
本発明に用いる精製剤は、アルカリ土類金属化合物、アルミン酸アルカリ金属塩およびテトラアルキルアンモニウム塩からなる群から選ばれた1種以上の化合物と炭素質固体とからなる。
【0010】
前記のアルカリ土類金属化合物の例としては、カルシウム、マグネシウム、バリウムまたはストロンチウムの酸化物、水酸化物、炭酸塩または硝酸塩などを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、または2種以上の混合物として用いてもよい。就中、カルシウムの酸化物、水酸化物、炭酸塩または硝酸塩が好ましく、安価に入手できて取扱いが容易な点で生石灰、消石灰、または石灰石が更に好適である。
【0011】
前記のアルミン酸アルカリ金属塩の例としては、アルミン酸リチウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムまたはアルミン酸セシウムなどを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、または2種以上の混合物として用いてもよい。就中、アルミン酸ナトリウムまたはアルミン酸カリウムが入手の容易さの点で好適である。特にアルミン酸ナトリウムが好ましい。
【0012】
前記のテトラアルキルアンモニウム塩の例としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、炭酸テトラメチルアンモニウム、炭酸テトラエチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、アルミン酸テトラメチルアンモニウムまたはアルミン酸テトラエチルアンモニウムなどを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、または2種以上の混合物として用いてもよい。就中、水酸化テトラメチルアンモニウム、炭酸テトラメチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウムまたはアルミン酸テトラメチルアンモニウムが入手の容易さの点で好適である。特に炭酸テトラメチルアンモニウムが好ましい。炭酸テトラメチルアンモニウムとアルミン酸テトラメチルアンモニウムはそれぞれ、水酸化テトラメチルアンモニウムに炭酸ガスまたは水酸化アルミニウムを反応させて製造することができる。
【0013】
前記の炭素質固体の例としては、コークス粉末、チャー炭、石炭、ピッチ、木炭、活性炭およびカーボンブラックなどを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、または2種以上の混合物として用いてもよい。炭素質固体の形状としては、粉末または細粒状またはペレット状であることが好ましい。細粒状の場合は、球形であっても破砕形であってもいずれでもよい。これらの炭素質固体は、比表面積が100m2 /g〜2500m2 /gの範囲内、特に500m2 /g〜2000m2 /gの範囲内であることが好ましい。特に好適な炭素質固体の例としては、粉末状のものではチャー炭、細粒状のものでは活性炭を挙げることができる。
【0014】
本発明に用いる精製剤は、種々の方法で調製することができる。例えばアルミン酸ナトリウムなどの水溶液に炭素質固体として活性炭などを浸漬し、攪拌後に乾燥すれば、担持型の精製剤が得られる。また、例えば消石灰粉末などとチャー炭粉末などとを所定の割合に混合し、水を加えて混練し、取扱い易い粒径のペレット状に成形した後乾燥すれば、ペレット型の精製剤が得られる。
【0015】
精製剤が担持型である場合、例えばアルミン酸アルカリ金属塩および/またはテトラアルキルアンモニウム塩の炭素質固体への担持量は、炭素質固体として活性炭を用いる場合、活性炭100mlに対する担持量gとして1重/容%〜30重/容%の範囲内、特に5重/容%〜20重/容%の範囲内とすることが好ましい。1重/容%未満では効果が不十分であり、30重/容%を越えると炭素質固体の細孔閉塞などが起こって逆に効率が低下する。
【0016】
精製剤がペレット型である場合、例えばアルカリ土類金属化合物と炭素質固体の混合割合は、組成物の種類にもよるが、同重量割合かまたはアルカリ土類金属化合物の割合を大きくすることが好ましい。
担持型であってもペレット型であっても、精製剤は十分に乾燥する必要があり、乾燥には乾燥ガスとして窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスを用いることが好ましい。
【0017】
精製剤の比表面積は、80m2 /g〜1000m2 /gの範囲内、特に100m2 /g〜700m2 /gの範囲内とすることが好ましい。また精製剤の平均細孔径は、7オングストローム〜1500オングストロームの範囲内、特に7オングストローム〜1100オングストロームの範囲内とすることが好ましい。これらの範囲外では精製効率が低下する。前記範囲の比表面積および平均細孔径は、精製剤の調製に際して素材、配合割合、調製法などを選択することにより実現できる。
【0018】
前記の精製剤を用いて不純SF6 を精製するに際しては、不純SF6 をこの精製剤と接触させる。この接触工程において、不純SF6 中の不純物濃度は2.0重量%以下であることが好ましい。不純物がこれ以上含まれていると、大量の精製剤が必要となり、また精製時間も多くかかるので好ましくない。
【0019】
接触に際して不純SF6 は気体であっても液体であってもよいが、通常は気体として接触させることが好ましい。接触方法としては一般に流体−固体接触に用いられる方法が何れも採用可能である。従って流動床方式や移動床方式も用いることができるが、一般には固定床方式が好ましい。気−固接触方式を採用する場合、接触工程の圧力は特に限定されないが、経済的見地から大気圧〜2MPaの範囲内とすることが好ましい。また接触工程の温度も特に限定されないが、例えば−40℃〜100℃の範囲内で適宜選択することができる。特別な事情がなければ、経済的見地から接触温度は常温とすることが好ましい。
【0020】
以上説明した精製剤との接触工程によって、不純SF6 は、例えばHF濃度として0.1重量ppm以下(ハロゲンイオン分析、イオンクロマトグラフィー)のレベルまで精製することができる。この精製条件でSイオン量はSO4 -として0.1重量ppm以下(イオンクロマトグラフィー)となる。更に他の有害不純物であるSO2 、SF2 、SF4 、SO22およびSOF2 も、ガスクロマトグラフィー(GC)およびガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MAS)において検出限界以下(0.1重量ppm以下)とすることができる。
【0021】
前記の接触工程で得られた精製SF6 を気体絶縁媒体としてリサイクルするためには、SF6 分解の一要因をなす水分を十分に除去する必要がある。そこで、本発明のSF6 の精製方法には、水分含量を厳重に管理できる脱水工程を付加することが好ましい。この脱水工程は、前記の接触工程の後に、好ましくは脱水剤として合成ゼオライトなどを用いる気−固接触により行うことが好ましい。この工程で用いるに好適な脱水剤は合成ゼオライトであり、特に「モレキュラーシーブ(商品名)」として一般に知られている分子ふるいの中から、好適な細粒径範囲のものを選択して用いることが好ましい。
【0022】
前記の分子ふるいを脱水剤として用いる気−固接触脱水工程は、圧力が大気圧〜2MPaの範囲内、温度が−40℃〜100℃の範囲内、特に常温において運転することが経済的見地から好ましい。この脱水工程によって、精製SF6 中の水分含量を50重量ppm以下、更に、特に好ましい水分含量限界である10重量ppm以下にすることができる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
不純SF 6 試料
試験のため、下記の不純SF6 試料を調製した。
【0024】
(不純SF6 試料1)
六フッ化硫黄(昭和電工社製、純分99.999%以上、ハロゲンイオン1重量ppm以下)を、ガス絶縁開閉試験装置に約0.5MPaの充填圧まで充填し、ガス絶縁開閉試験を繰り返した後、このガスを、真空乾燥し冷却したシリンダー容器に採取し、不純SF6 試料1とした。
この試料の分析結果を以下に示す。分析方法は、電子捕獲型分析法(GC/ECD)、炎光光度分析法(GC/FPD)、熱伝導度法(GC/TCD)、ガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MAS)、ハロゲンイオン分析法(イオンクロマトグラフィー)および水分分析法(水晶発振子法)によった。
分析結果は、水分を除くガス成分の重量ppmで表し、H2 Oは別途に重量ppmで表示した。(以下、全ての分析結果を同様に表示する。)
Figure 0003882018
【0025】
(不純SF6 試料2)
前記の不純SF6 試料1に更に市販の四フッ化硫黄(SF4 )および五フッ化硫黄(S2 10)を添加し、不純SF6 試料2とした。この試料の分析結果を以下に示す。S2 10の分析方法は電子捕獲型分析法(GC/ECD)によった。
Figure 0003882018
【0026】
精製剤の調製
下記の3種の精製剤を調製した。
(精製剤1)
アルミン酸ナトリウムの25%水溶液40mlに、粒状活性炭(比表面積1200m2 /g、粒径0.5mm〜2mm)100mlを浸漬し、攪拌後、乾燥窒素ガスにて200℃で3時間乾燥させ、水分を含まないアルミン酸ナトリウム担持活性炭(NaAlO2 担持量10g/100ml活性炭)を調製し、精製剤1とした。
精製剤1は、比表面積が約570m2 /g、平均細孔径が約14オングストロームであった。
【0027】
(精製剤2)
水酸化テトラメチルアンモニウムの25%水溶液40mlに、粒状活性炭(比表面積1200m2 /g、粒径0.5mm〜2mm)100mlを浸漬し、攪拌後、乾燥窒素ガスにて50℃で5時間乾燥させ、水分を含まないテトラメチルアンモニウム担持活性炭((CH34NOH担持量10g/100ml活性炭)を調製し、精製剤2とした。
精製剤2は、比表面積が約560m2 /g、平均細孔径が約13オングストロームであった。
【0028】
(精製剤3)
粒度250μm以下のチャー炭と粒度250μm以下の消石灰とを、重量比1:3の割合で配合し、ヘンシェルミキサーで混合しながら水を加えて造粒し、次いで110℃で4時間乾燥し、更に窒素雰囲気下800℃で8時間熱処理して脱水焼成し、得られた焼成物を2mm〜4mmのペレットに整粒して精製剤3を調製した。
精製剤3は炭素(C)と酸化カルシウム(CaO)が主成分であり、比表面積が約120m2 /g、平均細孔径が約1000オングストロームであった。
【0029】
精製実験
(実施例1)
容積75mlのSUS製シリンダーに、前記の精製剤1を40ml充填し、これに前記の不純SF6 試料1を、室温で12NL/hrの速度で供給した。シリンダーの出口でガスを採取し、ガス分析およびハロゲンイオン分析を行った。ハロゲンイオン分析は、超純水に出口ガスを一定時間吹き込み、この試料をイオンクロマトグラフィーにより分析した。分析結果を以下に示す。
Figure 0003882018
上記の結果から、精製剤1によって、不純SF6 試料1中の有害不純物が効果的に除去されたことは明かである。
【0030】
(実施例2)
容積75mlのSUS製シリンダーに、前記の精製剤2を40ml充填し、これに前記の不純SF6 試料1を、室温で20NL/hrの速度で供給した。シリンダーの出口でガスを採取し、実施例1と同様にしてガス分析およびハロゲンイオン分析を行った。分析結果を以下に示す。
Figure 0003882018
上記の結果から、精製剤1によって、不純SF6 試料1中の有害不純物が効果的に除去されたことは明かである。
【0031】
(実施例3)
実施例2で得られた出口ガスから水分を除去する実験を行った。
容積75mlのSUS製シリンダーに、市販の合成ゼオライト(ユニオン昭和社製モレキュラーシーブ3A)を60ml充填し、これに前記の実施例2で得られた出口ガスを導入し、排出ガス中の水分を分析した。分析値は5重量ppm以下であった。
この実施例3の方法によりSF6 試料中の水分が所定限度以下まで効果的に除去されたことは明かである。
【0032】
(実施例4)
容積75mlのSUS製シリンダー2本を直列に連結し、第一のシリンダーには精製剤3を40ml充填し、第二のシリンダーには精製剤1を40ml充填し、第一のシリンダーから不純SF6 試料1を、室温で20NL/hrの速度で供給した。第二シリンダーの出口でガスを採取し、実施例1と同様にしてガス分析およびハロゲンイオン分析を行った。分析結果を以下に示す。
Figure 0003882018
上記の結果から、精製剤3および精製剤1の併用は、不純SF6 試料1中の有害不純物の除去に有効であるばかりでなく、パーフルオロカーボン類(CF4 、C26)の除去にも有効であることがわかる。
【0033】
(実施例5)
容積75mlのSUS製シリンダーに、前記の精製剤1を40ml充填し、これに前記の不純SF6 試料2を、室温で12NL/hrの速度で供給した。シリンダーの出口でガスを採取し、実施例1と同様にしてガス分析およびハロゲンイオン分析を行った。S2 10の分析方法は電子捕獲型分析法(GC/ECD)によった。分析結果を以下に示す。
Figure 0003882018
上記の結果から、精製剤1によって、不純SF6 試料2中のSF4 およびS2 10も、他の有害不純物と同様に効果的に除去されたことは明かである。
【0034】
【発明の効果】
本発明の六フッ化硫黄の精製方法は、不純物を含む六フッ化硫黄を、アルカリ土類金属化合物、アルミン酸アルカリ金属塩またはテトラアルキルアンモニウム塩から選ばれた1種以上の化合物と炭素質固体とからなる精製剤と接触させるものであるので、大規模な設備を必要とせず、簡便かつ効果的に有害不純物を除去することができる。更に本発明の精製方法は、脱水工程を付加することによりSF6 分解の一要因をなす水分を除去することができて、精製SF6 を気体絶縁媒体としてリサイクルさせることができるようになる。

Claims (12)

  1. 不純物を含む六フッ化硫黄を、アルカリ土類金属化合物、アルミン酸アルカリ金属塩およびテトラアルキルアンモニウム塩からなる群から選ばれた1種以上の化合物と炭素質固体とからなる精製剤と接触させる六フッ化硫黄の精製方法。
  2. 不純物としてフッ化水素、亜硫酸ガス、一フッ化硫黄、二フッ化硫黄、四フッ化硫黄、五フッ化硫黄、フッ化チオニルおよびフッ化スルフリルからなる群の何れか1種以上を含む六フッ化硫黄を、請求項1に記載の精製剤と接触させる六フッ化硫黄の精製方法。
  3. アルカリ土類金属化合物が、カルシウム、マグネシウム、バリウムおよびストロンチウムの酸化物、水酸化物、炭酸塩および硝酸塩からなる群から選ばれたものである請求項1に記載の六フッ化硫黄の精製方法。
  4. アルミン酸アルカリ金属塩が、アルミン酸リチウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムおよびアルミン酸セシウムからなる群から選ばれたものである請求項1に記載の六フッ化硫黄の精製方法。
  5. テトラアルキルアンモニウム塩が、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、炭酸テトラメチルアンモニウム、炭酸テトラエチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、アルミン酸テトラメチルアンモニウムおよびアルミン酸テトラエチルアンモニウムからなる群から選ばれたものである請求項1に記載の六フッ化硫黄の精製方法。
  6. 炭素質固体がコークス粉末、チャー炭、石炭、ピッチ、木炭、活性炭およびカーボンブラックからなる群から選ばれた1種以上である請求項1に記載の六フッ化硫黄の精製方法。
  7. 精製剤の比表面積が80m2 /g〜1000m2 /gの範囲内である請求項1に記載の六フッ化硫黄の精製方法。
  8. 精製剤の平均細孔径が7オングストローム〜1500オングストロームの範囲内である請求項1に記載の六フッ化硫黄の精製方法。
  9. 精製された六フッ化硫黄中に含まれるフッ化水素濃度を0.1重量ppm以下とする請求項1に記載の六フッ化硫黄の精製方法。
  10. 脱水工程が付加された請求項1に記載の六フッ化硫黄の精製方法。
  11. 脱水工程が、脱水剤としてゼオライトを用いるものである請求項9に記載の六フッ化硫黄の精製方法。
  12. 精製された六フッ化硫黄中に含まれる水分濃度を50重量ppm以下とする請求項10に記載の六フッ化硫黄の精製方法。
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