JP3882461B2 - 記憶装置システム及びそのバックアップ取得方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、計算機システムにおける記憶装置システムに係り、特に、ホストコンピュータを介することなくデータのバックアップを取得可能な記憶装置システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に計算機システムでは、記憶装置に障害が発生したときに大切なデータが完全に失われてしまうことを防ぐために、記憶装置に保持されるデータのバックアップをとることが行われている。バックアップをとるデータの整合性を保証するために、バックアップをとっている間は、通常、その記憶装置に対するデータのライト処理を停止しなくてはならない。
【0003】
このような問題を解決し、さらに、ホストコンピュータを介在させずにバックアップ処理を行うことを可能とした記憶装置が、例えば、特開平7−210439号公報に開示されている。
【0004】
特開平7−210439号公報に開示された記憶装置は、(1)バックアップの対象とされる領域をバックアップ済みの領域と未バックアップ領域とに分けて管理する手段、(2)未バックアップ領域に対するライト要求をうけたとき、ライト対象とされる領域に記録されているデータを読みだしてバッファに退避し、その後、ライトデータを受領して記憶媒体に記録する手段、(3)バックアップの対象となるデータを別の記憶装置に転送する際、転送対象のデータが記憶媒体にあるかバッファにあるかを識別し、バックアップ開始時点でのデータを転送する手段、(4)バッファに退避したデータが適当な量を越えた場合、積極的に退避データをバックアップ先の別の記憶装置に転送する手段、及び(5)バックアップ先の別の記憶装置がシーケンシャルアクセス形式であった場合、データと、そのデータが記憶媒体のどこに記録されていたかを示す位置情報とを合わせて別の記憶装置に転送する手段を備える。
【0005】
この記憶装置では、上記手段(4)によってバッファがいっぱいになることを防止するため、バックアップデータを格納する記憶装置がシーケンシャルアクセス形式の場合、正しい順序で記録されないという問題が発生する。これについては、手段(5)によってシーケンシャルアクセス形式の記憶装置に正しい順序でデータを格納しなくても、位置情報をもとにリストアすることを可能にしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開平7−210439号公報に開示された技術では、バックアップデータを格納する記憶装置がシーケンシャルアクセス形式であった場合、データの位置情報を作成する処理のオーバーヘッドがかかる。また、データの他にその位置情報を転送して記憶しておく必要があり、その分、バックアップデータを格納する記憶装置に記憶容量が必要となるといった問題を有する。
【0007】
さらに、特開平7−210439号公報に開示された技術では、バックアップ中にライト要求が発生すると、ライト要求により更新される前のデータをバッファに退避するので、バックアップ先の記憶装置へデータを転送する際、転送すべきデータが記憶媒体にあるのか、バッファにあるのか管理しておく必要がある。また、更新前のデータを退避するために、バッファのどの領域があいているのか、どの領域のデータを退避したのかといった管理項目も多くなるといった問題もある。
【0008】
本発明の目的は、バックアップデータを格納する記憶装置がシーケンシャルアクセス形式の記憶装置である場合でも、正しい順序でバックアップデータを格納してデータの位置情報の記録を不要とした記憶装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、退避データの管理を簡略なものとする記憶装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、ホストからの指示に応答して、ボリューム内の指示により示された領域に格納されているデータを、他の記憶装置に転送してバックアップを取得する機能を有する記憶装置システムにおいて、指示された領域を、他の記憶装置へのデータコピーが済んでいる領域と、他の記憶装置へのコピーがすんでおらず、かつデータ退避用のボリュームにデータを退避済みの領域と、他の記憶装置へのデータコピーが済んでおらず、かつ、データ退避用のボリュームへのデータの退避が行われていない領域とに分けて管理する領域管理手段、他の記憶装置へコピーされておらず、かつ退避用ボリュームへのデータの退避が行われていない領域に対してライト要求を受領した場合、当該ライト要求の対象領域に保持されているデータを、データ退避用のボリュームに格納した後、ライトデータを受領するライト要求実行手段、他の記憶装置に転送するデータが、ボリューム内の領域にあるのかデータ退避用のボリュームにあるのかを管理するコピー元管理手段、及び、コピー元管理手段によって得られた場所のデータを指示により指定された記憶装置に転送するコピー手段とを有する。
【0011】
また、本発明の他の観点によれば、コンピュータにより利用されるユーザデータを格納したユーザボリュームと、ユーザボリュームのデータを他の記憶装置にコピーしてバックアップを取得する際にデータの退避用として使われるワークボリュームと、ユーザボリューム及びワークボリュームへのアクセスを制御する制御装置とを備えた記憶装置システムにおけるバックアップ方法が提供される。このバックアップ方法では、ユーザボリュームから他の記憶装置へのデータのコピー要求に応答して、ユーザボリュームからコピー要求で指定された領域に保持されているユーザデータを他の記憶装置へのコピーされる。他の記憶装置へのコピー処理中に、指定された領域内の一部の領域に対するデータの書き込み要求があったとき、当該一部の領域に保持されているユーザデータがワークボリュームに転送された後、一部の領域へのデータの書き込みが行われる。コピー処理においては、他の記憶装置へコピーしようとするユーザデータが、ユーザボリューム内の領域保持されているのか、ワークボリューム内の領域に保持されているのか判別され、この判別の結果に応じてコピーしようとするユーザデータを読み出して他の記憶装置へ転送する。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明が適用された記憶装置を含む計算機システムの構成例を示すブロック図である。
【0013】
本実施形態の計算機システムは、ユーザデータを格納したディスクサブシステム118、ディスクサブシステム118に対して、そこに格納されたユーザデータを対象とするリード要求、ライト要求およびコピー要求などを発行するホストコンピュータ116、及び、ディスクサブシステム118に格納されたデータのバックアップデータを格納する磁気テープ装置117を有する。
【0014】
ディスクサブシステム118は、ホストコンピュータ116とのインタフェースとなるホストインタフェース102、磁気テープ装置117とのインタフェースとなる磁気テープ装置インタフェース104、ディスクサブシステム118において行われる各種の処理を制御する制御プロセッサ108、制御プロセッサ108により使用される制御情報を格納する制御メモリ109、及びデータを格納する記憶装置であるボリュームにアクセスするボリュームアクセス部114を備える。
【0015】
制御プロセッサ108は、本実施形態におけるバックアップ処理に関する処理機能として、ボリューム属性変更処理101、ライト処理103、及びコピー処理105を有する。これらの処理機能は、具体的には制御プロセッサ108が実行するプログラムにより実現される。制御プロセッサ108は、この他、ディスクサブシステムの制御のために種々の機能を有するが、これらについては、本発明と直接的には関係しないので、ここでは図示、並びに説明は省略している。なお、これらの処理機能のうち、ボリューム属性変更処理101は、第1の実施形態では用いられない。ボリューム属性変更処理101については、後述する第2の実施形態で説明する。
【0016】
制御メモリ109には、本実施形態におけるバックアップ処理において使われる制御情報として、ボリューム管理情報106と、コピー状態管理情報107が保持される。
【0017】
ディスクサブシステム118は、データを格納する記憶装置であるボリュームとして、ユーザデータを格納するユーザボリューム110、111と、バックアップ処理時に、退避データを格納するためのワークボリューム112、113を有する。各ボリュームには、各々を識別するための識別子として、ボリューム番号が付与されている。
【0018】
本実施形態、及び後述する第2の実施形態において、ボリュームとは、物理的なディスク装置を用いて形成され、ホストコンピュータから1つの記憶装置として認識される論理的な記憶装置をいう。1台の物理的なディスク装置をそのまま1つのボリュームとしてもよく、また、1台のディスク装置上で複数のボリュームを形成するようにすることも可能である。ディスクサブシステム118がいわゆるRAIDとして構成される場合は、RAIDを構成する複数の物理的なディスク装置上に、又は複数のボリュームが形成される。
【0019】
各ボリュームの記憶領域は、複数個のブロックから構成されている。各ブロックには、それぞれを識別するための情報として、ブロック番号が付けられる。ボリュームは、ブロック番号が0、1、2、・・・、N(Nは0以上の整数値であり、ボリューム毎に異なる場合もある)の値をとるブロックを備える。
【0020】
図2は、コピー状態管理情報107のデータ構造を示す概念図である。
【0021】
コピー状態管理情報107は、コピー動作に関係する情報を含んでいる。コピー状態管理情報107は、ホストコンピュータ116により発行されるライト要求、及びコピー要求に応答して実行されるライト処理103、及びコピー処理105において参照・更新される。
【0022】
図に示すように、コピー状態管理情報107は、使用中フラグ300、コピー元ボリューム番号303、ブロック情報304を含んで構成される。使用中フラグ300は、当該コピー状態管理情報107が使用中であるかどうかを示すフラグで、「未使用」と「使用中」のいずれかを示す値を持つ。コピー元ボリューム番号303には、バックアップ処理によるコピー対象のデータを格納しているボリュームのボリューム番号が格納される。ブロック情報304は、コピー元ボリューム番号303により示されるボリュームのブロックの状態を示す情報である。
【0023】
ブロック情報304は、ブロック状態を示す情報として、ブロック番号301とコピー状態302を有する。コピー状態302は、「コピー不要」、「コピー要&退避未」、「コピー要&退避済」、及び「コピー済み」のいずれかを示す値を持つ。
【0024】
「コピー不要」は、コピーする必要のないデータを格納するブロックであることを示す。「コピー要&退避未」は、現在コピーする必要のあるデータを格納しているブロックであることを示す。「コピー要&退避済」は、コピー要求を受領した時点ではコピーが必要とされるデータを格納したブロックであったが、そのデータがワークボリュームに退避されていることを示す。
【0025】
図3は、ボリューム管理情報106のデータ構造を示す概念図である。
【0026】
ボリューム管理情報106は、ボリュームの状態を示す管理情報で、ボリューム番号400ごとにコピー動作有無フラグ401を有している。コピー動作有無フラグ401は、「コピー中」または「通常」のいずれかを示す値をとる。「コピー中」は、当該ボリュームがコピー処理の対象であることを示す。「通常」は、当該ボリュームがコピー処理の対象でないこと示す。
【0027】
図4は、本実施形態において、ホストコンピュータからのライト要求に応答して実施されるライト処理103の流れを示すフローチャートである。
【0028】
ホストコンピュータ116は、ユーザデータの書き込み、あるいは、更新を行おうとする際、ライト要求をディスクサブシステム118に対して発行する。ライト要求には、ライトデータが書き込まれるボリュームのボリューム番号、ライトデータを書き込むブロックのブロック番号、及びライトデータが含まれる。
【0029】
ライト要求を受けると、制御プロセッサ108は、ライト処理103による処理を開始する。
【0030】
制御プロセッサ118は、まず、ボリューム管理情報106を参照し、ライト要求の対象となるボリュームのデータに対して、後述するコピー処理が実行中であるかどうか判定する。具体的には、コピー動作有無フラグ401の状態を調べ、コピー動作有無フラグ401が「コピー中」を示す場合はステップ501に進み、「通常」を示す場合はステップ504に進む(ステップ500)。
【0031】
ステップ501において、制御プロセッサ118は、コピー状態管理情報107を参照してライト要求の状態を調べ、データの退避が必要かどうかを判定する。具体的には、ライト要求の対象とされるボリュームのボリューム番号と同じ値をコピー元ボリューム番号303に格納しているコピー状態管理情報107を選択する。次に、制御プロセッサ118は、コピー状態302を調べ、ライト要求の対象であるブロックが「コピー要&退避未」かどうか調べる。コピー状態302が「コピー要&退避未」を示している場合、ステップ502に進みデータの退避を行う。コピー状態302が「コピー要&退避未」以外を示す値である場合は、データの退避が不要なのでステップ504に進む。
【0032】
ステップ502では、まず、ライト要求の対象とされたブロックのうち、コピー状態302により「コピー要&退避未」であることが示されるブロックのデータをユーザボリューム110からボリュームアクセス部114により読み込む。次に、制御プロセッサ118は、読み込んだデータをワークボリューム112に記録する。このとき、制御プロセッサ118は、ユーザボリューム110において読み出したデータが格納されていたブロックと同じブロック番号を持つワークボリューム112のブロックにデータを書き込む。
【0033】
ステップ503で制御プロセッサ118は、ステップ502でデータを退避したブロックのコピー状態302を「コピー要&退避済」を示す値に更新する。
【0034】
ステップ504では、ライト要求でホストコンピュータ116から受け取ったライトデータをユーザボリューム110の指定されたブロックに記録して処理を終了する。
【0035】
図5は、本実施形態において、ホストコンピュータからのコピー要求に応答して実施されるコピー処理105の流れを示すフローチャートである。
【0036】
ホストコンピュータ116により発行されるコピー要求は、コピー対象となるデータを格納したボリュームのボリューム番号、及びコピー対象となるデータを格納したブロックのブロック番号を有する。
【0037】
ホストコンピュータ116からコピー要求を受けると、制御プロセッサ118は、コピー処理105による処理を開始する。
【0038】
コピー処理105において、制御プロセッサ118は、ボリューム管理情報106から、ボリューム番号が400にコピー要求のパラメータとして受け取ったボリューム番号と同じボリューム番号が設定されているエントリを選択する。そして、そのエントリのコピー動作有無フラグ401に「コピー中」を示す値を設定する(ステップ600)。
【0039】
制御プロセッサ118は、コピー状態管理情報107の中から使用中フラグ300に「未使用」を示す値が設定されているコピー状態管理情報を選択し、選択したコピー状態管理情報107の使用中フラグに「使用中」を示す値を設定する。次に、コピー元ボリューム番号303にコピー要求のパラメータであるボリューム番号を設定する。次に、制御プロセッサ118は、コピー要求のパラメータで指定されたブロック番号と同じブロック番号301に対応するコピー状態302に「コピー要&退避未」を示す値を設定し、他のブロック番号301に対応するコピー状態302に「コピー不要」を示す値設定する(ステップ601)。
【0040】
この後、ブロックを指定するための変数iに0を設定して、変数iを初期化する(ステップ602)。
【0041】
制御プロセッサ118は、ステップ601で選択したコピー状態管理情報107の中で、変数iの値と同じブロック番号301に対応したコピー状態302の値によって次に実行する処理を決める。すなわち、コピー状態302が「コピー要&退避未」を示す場合はステップ604に進み、「コピー要&退避済」を示す場合はステップ605に進む。また、コピー状態302が「コピー不要」あるいは「コピー済み」を示す場合はステップ607に進む(ステップ603)。
【0042】
ステップ604において、制御プロセッサ118は、ボリュームアクセス部114を使って、変数iと同じブロック番号を持つユーザボリューム110のブロックからデータを読み出す。制御プロセッサ118は、ユーザボリューム110から読み出したデータを、磁気テープ装置インタフェース104を介して磁気テープ装置117に転送し、磁気テープに記録する。
【0043】
ステップ605では、変数iに合致するブロック番号を持つワークボリューム112のブロックから、ボリュームアクセス部114を使って、データを読み出す。制御プロセッサ118は、このデータを、磁気テープ装置インタフェース104を介して磁気テープ装置117に転送し、磁気テープに記録する。
【0044】
ユーザボリューム110、あるいは、ワークボリューム112から磁気テープ装置117へのデータの転送の後、制御プロセッサ118は、当該ブロックのデータのコピーが終わったことを示すため、コピー状態管理情報107の変数iと同じブロック番号301に対応するコピー状態302に「コピー済み」を示す値を設定する(ステップ606)。
【0045】
ステップ607では、ユーザボリューム110のすべてのブロックに関して処理が実行されたかどうか判定される。すべてのブロックについて処理が終了した場合はステップ609の処理に進む。まだ残っているブロックがある場合、制御プロセッサ118は、ステップ608で変数iの値を1増やした後、ステップ603の処理に戻り、残りのブロックについて同様の処理を行う。
【0046】
ステップ609では、ステップ601で選択されたコピー状態管理情報107の使用中フラグ300に「未使用」を示す値が設定される。最後に、制御プロセッサ118は、ボリューム管理情報106のコピー動作有無フラグ401に「通常」を示す値を設定して、コピー処理105を終了する。
【0047】
ここで説明した実施形態では、ホストコンピュータ116から発行されたコピー要求に応答してコピー処理が行われる。この他、ディスクサブシステム118が操作端末115とのインタフェースとなる操作端末100を備え、操作端末115からコピー要求を発行するようにしても良い。この場合、制御プロセッサ108は、操作端末インタフェース100を介して操作端末115からコピー要求を受け、コピー処理105を開始する。
【0048】
以上説明したように、データを退避する領域としてボリュームを使用することにより、バッファなどの半導体メモリをデータ退避用の記憶媒体として利用する場合に比較してコストを低減することができる。また、コピー要求で指定される順番に従ってデータをバックアップするので、位置情報を用いることなくバックアップデータを磁気テープのようなシーケンシャルアクセス形式の記憶媒体に格納することができる。これにより、バックアップ処理のオーバーヘッド、転送データ量、及び格納データ量の削減を図ることができる。
【0049】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
【0050】
以下に説明する第2の実施の形態における計算機システムは、基本的には、第1の実施形態と同様の構成を有する。本実施形態では、第1の実施形態では用いなかったボリューム属性変更処理101を用いた処理について説明する。ボリューム属性変更処理101を用いることにより、制御情報の内容及び実施される処理が第1の実施形態とは多少異なる。
【0051】
図6は、本実施形態で用いられるコピー状態管理情報のデータ構造を示す概念図である。図に示すように、本実施形態のコピー状態管理情報は、使用中フラグ300、コピー元ボリューム番号303、ブロック情報304にワークボリューム番号700が追加されている。
【0052】
ワークボリューム番号700は、ホストコンピュータ116、あるいは、操作端末115からのコピー要求を実行中にデータを退避するためのワークボリュームとして用いるボリュームのボリューム番号である。本実施形態では、ワークボリューム番号700に保持されたボリューム番号を持つボリュームがワークボリュームとして使用される。
【0053】
図7は、本実施形態におけるボリューム管理情報106のデータ構造を示す概念図である。図に示すように、本実施形態のボリューム管理情報106は、第一の実施の形態で用いたボリューム管理情報に対し、属性フラグ800が追加されている。
【0054】
属性フラグ800には、ボリューム番号400により特定されるボリュームの属性を示すフラグとして、「ユーザ」あるいは「ワーク」のいずれかを示す値が設定される。属性フラグ800に設定された値が「ユーザ」を示すとき、当該ボリュームはユーザデータを格納するユーザボリュームとして用いられる。一方、属性フラグ800が「ワーク」を示す値のとき、当該ボリュームは退避データを格納するワークボリュームとして用いられる。
【0055】
ホストコンピュータ116、あるいは操作端末115は、ディスクサブシステム118に対し、ボリューム属性変更コマンドを発行することで、ボリュームの属性(ユーザボリュームあるいはワークボリュームといった属性)を変更することができる。ボリューム属性変更コマンドは、パラメータとして、「ボリューム番号」および「属性」を含んでいる。パラメータ「ボリューム番号」は、属性を変更する対象となるボリュームを示すボリューム番号である。また、パラメータ「属性」は、ボリューム番号で指定されたボリュームの新しい属性を示す。
【0056】
図8は、ボリューム属性変更コマンドに応答して制御プロセッサ108が実行するボリューム属性変更処理101のフローチャートである。
【0057】
ボリューム属性変更処理101において、制御プロセッサ108は、まず、ボリューム管理情報106を参照して、受け付けたボリューム属性変更コマンドのパラメータ「ボリューム番号」に対応するボリュームのコピー動作有無フラグ401を検査する(ステップ1000)。
【0058】
コピー動作有無フラグ401が「コピー中」である場合、制御プロセッサ108は、属性を変更することはできないことを要求元のホストコンピュータ116、あるいは操作端末115に通知して処理を終了する(ステップ1002)。
【0059】
ステップ1000において、コピー動作有無フラグ401が「通常」であった場合、制御プロセッサ108は、属性フラグ800をパラメータで指定された属性に変更して処理を終了する(ステップ1001)。
【0060】
図9は、本実施形態におけるライト処理のフローチャートである。本実施形態におけるライト処理は、図に示すように、第一の実施形態におけるライト処理におけるステップ502の処理が、ステップ1100およびステップ1101の処理と置き換えられている。
【0061】
制御プロセッサは、データの退避が必要とされる場合(ライト要求の対象とされたボリュームについてコピー要求を実行しており、かつ、ライト要求の対象ブロックのコピー状態302が「コピー要&退避未」の場合)ステップ1100において、使用中フラグ300が「使用中」であり、ライト要求の対象とされたボリュームのボリューム番号がコピー元ボリューム番号303に設定されているコピー状態管理情報107を取得する。さらに、制御プロセッサは、該当するコピー状態管理情報107のワークボリューム番号700に設定されているボリューム番号に基づいて、データを退避するためのワークボリュームとして使用するボリュームを識別する。
【0062】
ステップ1101では、第1の実施形態のステップ502と同様にして、コピー元のボリュームからデータが読み出され、ステップ1100で識別されたワークボリュームにそのデータが書き込まれる。
【0063】
ステップ1100、1101以外の図4と同じステップ番号が付された処理は、第1の実施形態において説明した対応するステップの処理と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0064】
図10は、本実施形態におけるコピー処理のフローチャートである。
【0065】
本実施形態のコピー処理は、次の点で第1の実施形態におけるコピー処理とは異なっている。第1の実施形態におけるステップ601に換えてステップ1200、1201の処理が行われる。第1の実施形態におけるステップ605の処理に換えてステップ1202の処理が行われる。そして、処理の最後に、ステップ1203の処理が追加されている。
【0066】
ステップ1200で制御プロセッサ108は、ボリューム管理情報106を参照して、コピー動作有無フラグ401が「通常」、属性フラグ800が「ワーク」であるボリューム、すなわち、未使用のワークボリュームを選択する。そして、選択したボリュームに対応するコピー動作有無フラグ401に「コピー中」を示す値を設定する。
【0067】
次に、制御プロセッサ108は、ステップ1201において、第1の実施形態におけるステップ601と同様に、使用するコピー状態管理情報107を選択し、各情報の設定を行う。このとき、本実施形態では、コピー状態管理情報107のワークボリューム番号700には、ステップ1200で選択されたボリュームのボリューム番号が設定される。
【0068】
ステップ1202で制御プロセッサ108は、ステップ1200で選択したボリュームから、変数iと同じブロック番号を持つブロックに記憶されているデータを読み出す。それから、制御プロセッサ108は、磁気テープ装置インタフェース104を介して読み出したデータを磁気テープ装置117に転送し、磁気テープにそのデータを記録する。
【0069】
ステップ1203では、ボリューム管理情報106のステップ1200で選択したボリュームに対応するコピー動作有無フラグ401に「通常」を設定し、使用中の状態を解除する。
【0070】
ここで説明した処理以外の処理については、第1の実施形態におけるコピー処理と同様の処理が行われる。従って、ここではその説明は省略する。
【0071】
本実施形態によれば、ボリュームの属性を変更するコマンドをサポートし、ユーザデータを格納するユーザボリュームや退避データを格納するワークボリュームを切り替えて使用することができる。このため、必要となるコピー要求の多重度に合わせてワークボリューム数を変更可能であり、ボリューム資源を有効に活用できる。
【0072】
また、コピー要求を受け付けたときに、ディスクサブシステムが未使用のワークボリューム群の中から、当該コピー要求を実行するために使用するワークボリュームを選択して使用する。コピー処理が終了した時には、使っていたワークボリュームを未使用の状態に戻す。このように、1個のワークボリュームを使いまわすことにより、ワークボリュームの有効活用がはかれる。
【0073】
さらに、ホストコンピュータや操作端末側のコピー要求を発行するプログラムは、ワークボリュームを管理する必要がないので、プログラムが簡単になる。
【0074】
上述した第1及び第2の実施形態では、退避データをワークボリューム内のユーザボリュームと同じブロック番号のブロックに格納したが、ワークボリュームの先頭から順に退避データを格納することもできる。この場合、コピー状態管理情報107に、退避済みかどうかという情報の他に、どのブロックに退避したかという情報を持たせればよい。コピー処理では、この情報から退避データがどこに格納されているか調べ、該当するブロックからデータを読み出して、磁気テープ装置にデータを転送する。このようにすることで、ホストコンピュータあるいは操作端末からのコピー要求によって示されるブロックの分だけ、退避データを格納する領域を確保すれば良く、より少ない容量のワークボリュームで、コピー要求を多重に実行することができる。
【0075】
また、ディスクサブシステムがホストコンピュータからボリュームへのアクセス要求を受けた場合、ボリューム管理情報を参照して当該ボリュームがユーザボリュームであるかどうかをチェックし、当該ボリュームがユーザボリュームであればアクセス要求を実行し、当該ボリュームがワークボリュームである場合は、アクセス要求を受領できないボリュームであることをホストコンピュータに通知するようにすることもできる。このようなチェック機構を設けることにより、ディスクサブシステムは、不当なボリュームへのアクセスを禁止することができる。
【0076】
以上説明した実施形態によれば、コピー要求で示されるブロックに関して、ホストからライト要求を受けながら、コピー要求を受領した時点のデータを、ホストを介在しないで、磁気テープ装置などにバックアップするディスクサブシステムにおいて、以下のような効果を奏することができる。
【0077】
第一に、データを退避する領域としてボリュームを使用することにより、バッファなどの半導体メモリと比較してコストを低減することができる。
【0078】
第二に、コピー要求で示される順番どおりに、バックアップデータを磁気テープのようなシーケンシャルアクセス形式の記憶媒体に格納することができるので、バックアップしたデータが格納されていた位置を示す位置情報を付加する必要がなく、位置情報作成のオーバーヘッド削減、転送データ量の削減、格納データ量の削減を実現できる。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、ホストコンピュータからのデータのライト要求を継続的に受け付けながらある時点におけるユーザデータのコピーを取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された記憶装置を含む計算機システムの構成例を示す簡略なブロック図である。
【図2】第1の実施形態におけるコピー状態管理情報のデータ構造を示す概念図である。
【図3】第1の実施形態におけるボリューム管理情報のデータ構造を示す概念図である。
【図4】第1の実施形態におけるライト処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態におけるコピー処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態におけるコピー状態管理情報のデータ構造を示す概念図である。
【図7】第2の実施形態におけるボリューム管理情報のデータ構造を示す概念図である。
【図8】ボリューム属性変更処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態におけるライト処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】第2の実施形態におけるコピー処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
101・・・ボリューム属性変更処理、103・・・ライト処理、105・・・コピー処理、106・・・ボリューム管理情報、107・・・コピー状態管理情報、108・・・制御プロセッサ、109・・・制御メモリ、110、111・・・ユーザボリューム、112、113・・・ワークボリューム、116・・・ホストコンピュータ、117・・・磁気テープ装置、118・・・ディスクサブシステム。
Claims (4)
- ホストからの指示に応答して、ボリューム内の前記指示により示された領域に格納されているデータを、他の記憶装置に転送してバックアップを取得する機能を有する記憶システムにおいて、
前記ホストと接続され、前記ホストからの指示を受領する第1のインタフェースと、
前記他の記憶装置に接続され、データを転送する第2のインタフェースと、
データ退避用のボリュームを複数有し、これら複数のデータ退避用ボリュームの使用状態を管理するワークボリューム管理手段と、コピー要求に応答して、前記ワークボリューム管理手段により管理される未使用状態のデータ退避用ボリュームを選択して、データ退避用に割り当てるデータ退避用ボリューム割り当て手段と、
前記指示された領域を、前記他の記憶装置へのデータコピーが済んでいる領域と、前記他の記憶装置へのコピーがすんでおらず、かつデータ退避用のボリュームにデータを退避済みの領域と、前記他の記憶装置へのデータコピーが済んでおらず、かつ、前記データ退避用のボリュームへのデータの退避が行われていない領域とに分けて管理する領域管理手段と、
前記他の記憶装置へコピーされておらず、かつ前記退避用ボリュームへのデータの退避が行われていない領域に対してライト要求を受領した場合、当該ライト要求の対象領域に保持されているデータを、前記データ退避用のボリュームに格納した後、ライトデータを受領するライト要求実行手段と、
前記他の記憶装置に転送するデータが、前記ボリューム内の領域にあるのか、前記データ退避用のボリュームにあるのかを管理するコピー元管理手段と、
前記コピー元管理手段によって得られた場所のデータを前記指示により指定された前記他の記憶装置に前記第2のインタフェースを介して、転送するコピー手段と、
コピー要求の実行が完了したことに応じて、データ退避用に使用していた前記データ退避用ボリュームを未使用の状態にもどすデータ退避用ボリューム解放手段と、
を有することを特徴とする記憶システム。 - 前記コピー手段は、前記指示により指定される順番で、前記記憶装置にデータを転送することを特徴とする請求項1に記載の記憶システム。
- ユーザデータを格納するユーザボリュームと退避データを格納するワークボリュームとを切り替えるコマンドを受領するボリューム切り替え手段を有することを特徴とする請求項1に記載の記憶システム。
- 前記ライト要求実行手段は、前記データ退避用ボリュームにデータを退避する際、退避するデータが格納されていた前記ボリューム内の領域と同じアドレスとなる前記データ退避用ボリューム内の領域に、前記データを退避することを特徴とする請求項1に記載の記憶システム。
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