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JP3882907B2 - 高圧サプライポンプ - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(以下、内燃機関を「エンジン」という。)に用いられる高圧サプライポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特許第3077738号に開示されているように、エンジンのカムシャフトに取り付けられているポンプカムにより駆動される高圧サプライポンプが公知である。カムシャフトに取り付けられているポンプカムにより高圧サプライポンプを駆動することにより、高圧サプライポンプにカムを内蔵する必要がない。そのため、高圧サプライポンプの小型化が図られ、高圧サプライポンプの搭載に必要となるスペースが低減するという利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジンの駆動軸に対するカムシャフトの位相を変更する連続位相制御手段が搭載されているエンジンにおいて、連続位相制御手段が装着されているカムシャフトによって高圧サプライポンプを駆動する場合、カムシャフトには排気弁または吸気弁の駆動トルクに加えて高圧サプライポンプの駆動トルクが作用する。このとき、カムシャフトに作用する高圧サプライポンプの駆動トルクは、連続位相制御手段の作動負荷となる。そのため、高圧サプライポンプの駆動トルクの変動により、連続位相制御手段の作動は不安定になるという問題がある。
【0004】
また、可変カムシャフトの位相は連続位相制御手段の作動にともなって進角または遅角される。これにともない、可変カムシャフトにより駆動されるポンプカムも進角または遅角される。そのため、連続位相制御手段の作動に合わせて、高圧サプライポンプの作動特性を変更させるための制御が必要となる。
【0005】
さらに、V型エンジンのように複数のシリンダヘッドを有するエンジンの場合、カムシャフトの総数と高圧サプライポンプの総数とは一致しない。例えば、V型DOHCエンジンの場合、各シリンダヘッドには吸気カムシャフトおよび排気カムシャフトが搭載され、カムシャフトの総数は四本となるのに対し、高圧サプライポンプはそのうちの一本により駆動される。この場合、高圧サプライポンプを駆動するカムシャフトに装着されている連続位相制御手段と、他のカムシャフトに装着されている連続位相制御手段との間の負荷は相違する。そのため、各シリンダヘッドの間で連続位相制御手段の作動応答期間が異なるおそれがある。その結果、各シリンダヘッドの間で連続位相制御手段の作動応答期間を一致させるため、高圧サプライポンプを駆動するカムシャフトに装着されている連続位相制御手段のみを大型化しなければならないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、連続位相制御手段の作動に影響を及ぼすことがない高圧サプライポンプを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の高圧サプライポンプによると、ポンプ部はポンプカムにより駆動される。ポンプカムは、駆動軸から駆動力が伝達されるスプロケットホイールとともに回転し、回転力をポンプ部へ伝達する。そのため、ポンプカムはスプロケットホイールに伝達された駆動軸の駆動力によって直接駆動され、ポンプ部の駆動トルクは可変カムシャフトへ作用しない。なお。可変カムシャフトとは、エンジンが有している複数のカムシャフトのうち、連続位相制御手段が装着されているカムシャフトである。したがって、ポンプカムおよびポンプ部を連続位相制御手段が装着されている可変カムシャフト側に設ける場合でも、連続位相制御手段の作動に影響が及ぶことがない。
【0008】
本発明の請求項2記載の高圧サプライポンプによると、ポンプカムはスプロケットホイールと一体に形成されている。そのため、部品点数を低減することができる。
本発明の請求項記載の高圧サプライポンプによると、ポンプカムは可変カムシャフトの軸受と係合部との間に設置されている。係合部にはスプロケットホイールへ駆動力を伝達する伝達手段が係合される。軸受と係合部との間にポンプカムを設置し、軸受と係合部との間の距離を小さくすることにより、伝達手段から係合部へ作用する駆動力によって可変カムシャフトの軸方向の位置ずれを低減することができる。
【0009】
本発明の請求項記載の高圧サプライポンプによると、ポンプカムはスプロケットホイールと別体に形成されている。そのため、ポンプカムをスプロケットホイールとは異なる材質とすることができ、ポンプカムの材質を自由に選択することができる。ポンプカムはポンプ部から大きな負荷を受けるため、スプロケットホイールと比較して摩耗が激しくなるおそれがある。スプロケットホイールとポンプカムとを別体にすることにより、ポンプカムのみを耐摩耗性の高い材質とすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例による高圧サプライポンプが搭載されたエンジンの要部を図1に示す。
【0011】
高圧サプライポンプ1は、エンジンのヘッドカバー2に装着されているチェーンカバー7に搭載されている。ヘッドカバー2の内部には、図示しない吸気弁または排気弁を開閉駆動するカムシャフトが収容されている。図1に示すカムシャフト10は、図示しない排気弁を開閉駆動する排気カムシャフトであって、図示しない排気カムを有している。カムシャフト10の端部には連続位相制御手段としてのバルブタイミング調整装置(以下、バルブタイミング調整装置を「VVT」という。)20が装着されている。すなわち、カムシャフト10は、VVT20が装着されている可変カムシャフトである。カムシャフト10はヘッドカバー2と一体に形成されている軸受3に支持される摺動部11を有しており、カムシャフト10はヘッドカバー2に回転可能に支持されている。高圧サプライポンプ1が搭載されるエンジンとしては、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンのいずれであってもよい。
【0012】
カムシャフト10の外周側には、プーリ50が設置されている。プーリ50は、カムシャフト10に対し回転方向に自由である。プーリ50は、スプロケットホイール51、ポンプカム52およびフランジ53を有している。プーリ50を構成するスプロケットホイール51、ポンプカム52およびフランジ53は一体に形成されている。スプロケットホイール51は、図2に示すように円板上に形成されており、外周部に係合部54を有している。係合部54には伝達手段としてのタイミングベルト4が係合している。なお、伝達手段としてはタイミングベルトに限らずタイミングチェーンなどを用いてもよい。タイミングベルト4は、係合部54とは反対側が図示しないエンジンの駆動軸に係合している。これにより、エンジンの駆動軸の駆動力はタイミングベルト4を経由してスプロケットホイール51へ伝達される。図1に示すように、スプロケットホイール51へ駆動軸の駆動力が伝達されることにより、スプロケットホイール51とともにプーリ50全体が回転する。そのため、プーリ50の回転により、ポンプカム52およびフランジ53が回転する。
【0013】
ポンプカム52は、スプロケットホイール51とフランジ53との間に設置されている。ポンプカム52は、図2に示すようにカムプロフィル55を有している。カムプロフィル55にはポンプ部60のリフタ61が当接しており、ポンプカム52の回転にともなってリフタ61は図1および図2の上下方向へ往復駆動される。
【0014】
高圧サプライポンプ1は、ポンプカム52およびポンプ部60を備えている。ポンプ部60は電磁弁部62を有している。ポンプ部60は、リフタ61とともに図1および図2の上下方向へ往復駆動される図示しないプランジャを有している。プランジャは、ポンプ部60のハウジング63に往復移動可能に支持されており、プランジャの反リフタ側の端部にはハウジング63とともに図示しない加圧室を形成している。電磁弁部62は、図示しない加圧室へ流入または加圧室から流出する燃料の流れを調整する。
【0015】
ポンプカム52の回転にともなってカムプロフィル55に当接するリフタ61がカムシャフト10方向へ下降すると、リフタ61とともに図示しないプランジャもカムシャフト10方向へ下降する。このとき、電磁弁部62は開弁しており、プランジャの下降によって図示しない加圧室へ燃料が吸入される。リフタ61の上昇開始当初は電磁弁部62は開弁しているため、プランジャの上昇にともない加圧室へ吸入された燃料は電磁弁部62を経由して高圧サプライポンプ1の外部へ排出される。そして、所定の燃料吐出量に対応する位置にプランジャが到達すると、電磁弁部62は閉弁され、リフタ61とともにプランジャがさらに上昇することにより、加圧室内の燃料の圧力は上昇する。加圧室内の燃料の圧力が所定の圧力に到達すると、図示しない逆止弁が開弁し、吐出口64から高圧の燃料が吐出される。
【0016】
図1に示すように、VVT20はハウジング21およびベーン30から構成されている。ハウジング21は、ボルト5によりプーリ50と一体に固定されている。そのため、ハウジング21はプーリ50とともに回転可能である。一方、ベーン30はボルト6によりカムシャフト10と一体に固定されている。そのため、ベーン30はカムシャフト10ともに回転可能である。図3に示すように、ベーン30はハウジング21の内部に収容されている。ベーン30はスプリング22により進角方向へ付勢されている。ベーン30とハウジング21との間には油圧室が形成されており、油圧室はベーン30の羽根部31により遅角室32および進角室33に分割されている。遅角室32または進角室33へ作動油が供給されることにより、ハウジング21に対しベーン30は相対的に回転する。ハウジング21とベーン30とが相対的に回転することにより、駆動軸からプーリ50と一体に回転するハウジング21を経由してベーン30と一体に回転するカムシャフト10へ伝達される駆動力の位相が変更される。
【0017】
図1に示すように、ベーン30の羽根部31の一つにはエンジンの始動時にベーン30の位置を所定の進角位置(例えば、最進角位置)に固定するためのストッパピン40が装着されている。ストッパピン40は、羽根部31に形成された穴部34に挿入されており、スプリング41によりフランジ53方向へ付勢されている。そして、フランジ53に形成されているストッパ穴56にストッパピン40の端部が嵌合すると、ハウジング21に対してベーン30がロックされる。ストッパピン40には段差部42が形成されており、段差部42に作動油の油圧が作用することにより、ストッパピン40はスプリング41の付勢力に抗してストッパ穴56から抜け出す。これにより、ハウジング21とベーン30とのロック状態は解除される。
【0018】
エンジンの駆動軸の駆動力はタイミングベルト4を介してスプロケットホイール51に伝達される。これにより、プーリ50は回転駆動される。プーリ50の回転にともなって一体に形成されているポンプカム52およびフランジ53も回転する。ポンプカム52が回転することにより、ポンプ部60は駆動される。一方、フランジ53が回転することにより、フランジ53と一体のハウジング21が回転する。ハウジング21の回転力は、ベーン30へ伝達される。そして、ベーン30と一体のカムシャフト10が回転駆動される。これにより、エンジンの駆動軸の駆動力は、VVT20を経由してカムシャフト10へ伝達される。
【0019】
以上、説明したように本発明の第1実施例による高圧サプライポンプ1によると、ポンプ部60はプーリ50とともに回転するポンプカム52によって駆動される。プーリ50はタイミングベルト4を介してエンジンの駆動軸により駆動される。そのため、ポンプ部60はタイミングベルト4を介して駆動軸から伝達される駆動力によって直接駆動される。これにより、カムシャフト10にはポンプ部60からの駆動トルクが作用しない。したがって、ポンプカム52およびポンプ部60をVVT20が装着されているカムシャフト10側に設置する場合でも、VVT20の作動に及ぼす影響を低減することができる。また、エンジンがカムシャフトを複数有している場合でも、VVT20および各カムシャフトに作用する駆動トルクに差が生じることがなく、各カムシャフトを安定して作動させることができる。
【0020】
また、第1実施例では、カムシャフト10の軸受3とポンプカム52との間にスプロケットホイール51が位置している。これにより、軸受3の近傍にスプロケットホイール51が配置される。そのため、タイミングベルト4のテンションによるカムシャフト10の曲げモーメントの増加を抑えることができる。さらに、プーリ50は、スプロケットホイール51、ポンプカム52およびフランジ53と一体に有している。したがって、部品点数を低減することができる。
【0021】
(第2実施例)
本発明の第2実施例による高圧サプライポンプを図4に示す。第1実施例と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施例では、プーリ70のスプロケットホイール71、ポンプカム72およびフランジ73の配置が第1実施例と異なる。第2実施例では、VVT20のハウジング21に固定されるフランジ73の外周側にスプロケットホイール71が配置されている。すなわち、スプロケットホイール71とフランジ73とは同一の部位に配置されている。プーリ70は、スプロケットホイール71が配置されているフランジ73と、ポンプカム72とを有している。フランジ73の外周側に配置されているスプロケットホイール71は、径方向の外端部にタイミングベルト4と係合する係合部74を有している。ポンプカム52は、スプロケットホイール71が配置されているフランジ73とともに一体のプーリ70を形成している。プーリ70は、第1実施例と同様にカムシャフト10に対し回転方向に自由である。
【0022】
第2実施例では、駆動軸からスプロケットホイール71に伝達された駆動力によりポンプカム72が回転し、ポンプカム72の回転によってポンプ部60が駆動される。したがって、第1実施例と同様に、ポンプ部60の駆動トルクがVVT20の作動に影響を及ぼすことはない。
また、第2実施例では、フランジ73にスプロケットホイール71を配置することにより、プーリ70の軸方向の長さが短縮される。したがって、VVT20を小型化することができ、これらを搭載するために必要なスペースを低減することができる。
【0023】
(第3実施例)
本発明の第3実施例による高圧サプライポンプを図5に示す。第1実施例と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第3実施例は、第2実施例の変形である。第3実施例では、プーリ80がプーリ本体81とポンプカム82とから構成されている。プーリ本体81には、スプロケットホイール83が配置されたフランジ84が一体に形成されている。ポンプカム82はプーリ本体81と別体に形成されており、プーリ本体81に例えば圧入あるいは挿入した後、溶接などにより固定されている。すなわち、ポンプカム82はプーリ本体81とともにカムシャフト10の外周側をカムシャフト10に対し回転方向に自由である。
【0024】
第3実施例では、ポンプカム82をプーリ本体81と別体にすることにより、ポンプ部60から大きな負荷を受けるポンプカム82だけを耐摩耗性の高い材質で形成することができる。例えば、プーリ本体81を加工および成形が容易な焼結材により形成し、ポンプカム82を強度の高いクロムモリブデン鋼などで形成することができる。したがって、ポンプカム82の寿命を延長することができる。
【0025】
(変形例)
上記複数の実施例では、スプロケットホイール、ポンプカムおよびフランジを有するプーリを一体またはポンプカムのみを別体にする例について説明した。しかし、本発明としては、次のように変形してもよい。
プーリをフランジ、ポンプカムおよびスプロケットホイールに分割する。これらを分割することにより、スプロケットホイールとフランジとの間にポンプカムが位置する場合でも、ポンプカムをスプロケットホイールおよびフランジとは異なる材質で形成することができ、ポンプカムの寿命を延長することができる。
【0026】
以上、説明した本発明の複数の実施例では、排気弁を駆動するカムシャフトに本発明による高圧サプライポンプを一機設置する場合について説明した。しかし、排気弁に限らず吸気弁を駆動するカムシャフト、ならびに吸気弁および排気弁を駆動する各カムシャフトに一機以上の高圧サプライポンプを設置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による高圧サプライポンプが搭載されたエンジンの要部を示す模式図である。
【図2】図1の矢印II方向から見た矢視図である。
【図3】本発明の第1実施例による高圧サプライポンプが搭載されたエンジンのVVTを示す模式図であって、図1の矢印II方向から見た図である。
【図4】本発明の第2実施例による高圧サプライポンプが搭載されたエンジンの要部を示す模式図である。
【図5】本発明の第3実施例による高圧サプライポンプが搭載されたエンジンの要部を示す模式図である。
【符号の説明】
1 高圧サプライポンプ
3 軸受
4 タイミングベルト(伝達手段)
10 カムシャフト
20 VVT(連続位相制御手段)
51、71、83 スプロケットホイール
52、72、82 ポンプカム
53、73、84 フランジ
54、74 係合部
60 ポンプ部

Claims (4)

  1. 内燃機関の駆動軸から吸気弁または排気弁を開閉駆動するカムシャフトの前記駆動軸に対する位相を変更する連続位相制御手段を備える内燃機関において、前記カムシャフトのうち前記連続位相制御手段が装着されている可変カムシャフトに設けられ、前記連続位相制御手段を介して前記可変カムシャフトへ伝達される前記駆動軸の駆動力により駆動される高圧サプライポンプであって、
    吸入した流体を加圧して吐出するポンプ部と、
    前記可変カムシャフトに対し回転方向に自由な状態で設置され、前記可変カムシャフトを駆動する駆動力前記駆動軸から前記連続位相制御手段に伝達するプーリと、
    を備え、
    前記プーリは、
    円筒形状のプーリ本体と、
    前記プーリ本体の外周面から外周側に突出して設けられ、前記駆動力が前記駆動軸から伝達されるスプロケットホイールと、
    前記プーリ本体の外周面から外周側に突出して設けられ、前記スプロケットホイールおよび前記プーリ本体とともに一体的に回転し、前記スプロケットホイールの回転力を前記ポンプ部へ伝達するポンプカムと、
    を備えることを特徴とする高圧サプライポンプ。
  2. 前記ポンプカムは、前記スプロケットホイールおよび前記プーリ本体と一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の高圧サプライポンプ。
  3. 前記ポンプカムは、前記スプロケットホイールと別体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の高圧サプライポンプ。
  4. 前記ポンプカムは、前記可変カムシャフトの軸受と前記駆動軸から前記スプロケットホイールへ駆動力を伝達する伝達手段が係合される係合部との間に設置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の高圧サプライポンプ。
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