JP3883265B2 - 携帯端末装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、着信振動、着信音、音声の拡声、受話音の再生、音声の集音の各機能を併せ持つ電気−機械−音響変換器を内蔵した携帯端末装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯電話機等の携帯端末装置において、着信を知らせる手段として、ベル音を発生する小型発音体や、振動を引き起こすマイクロモータなどあり、携帯端末装置の筺体に取り付けられている。また携帯電話機の基本機能である受話音の再生、留守録音等の拡声を行うために、マイクロスピーカが取り付けられ、音声を集音するためにマイクロホンが取り付けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のような各機能を携帯端末装置に持たせるため、個別の機能部品を用いると、携帯端末装置の小型化や軽量化が困難となる。現在の携帯端末装置の開発方向である小型、軽量化を実現するためには、個々に機能部品を小型、軽量化する必要がある。電気−機械変換器や電気−音響変換器のような夫々の機能部品の小型、軽量化には限界があり、小型化したとしても、振動力の低下や発音レベルの低下などの特性劣化につながる。このような状況により、電気−機械変換器や電気−音響変換器を小型及び軽量化することと、特性を維持することを両立させることは技術的に困難であった。
【0004】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、電気−機械変換器や電気−音響変換器等の複数の機能を、1つの機能部品で実現することで部品点数を減らし、小型及び軽量化を実現する携帯端末装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決する手段】
このような課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、復調部からの受信信号を着信信号と音声信号とに分離する信号切替手段と、前記信号切替手段から着信信号が与えられたとき、呼出振動を出力する呼出信号発生手段と、ボイスコイルが取り付けられた振動板、前記ボイスコイルに電磁駆動力を与える磁気回路部、前記磁気回路部に取り付けられた慣性質量体、前記磁気回路部及び前記慣性質量体を含み構成される可動部を振動可能に支持するサスペンション、前記振動板と前記サスペンションとを支持する支持部材、並びに前記ボイスコイルに駆動電流を与える駆動部を含み、前記呼出信号発生手段から呼出振動が入力されたときに前記磁気回路部を含む可動部の振動によりバイブレータとして動作し、前記信号切替部から音声信号が入力されたときに前記振動板の振動によりレシーバ又はスピーカとして動作する電気−機械−音響変換手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0006】
本願の請求項2記載の発明は、請求項1の携帯端末装置において、前記サスペンションは、前記支持部材に固定される固定部と、前記固定部から腕状に連結され、前記磁気回路部又は前記可動部の外形形状にほぼ沿った形状の弾性を有する腕部と、前記腕部に連結され、前記可動部を支持する支持部と、を具備することを特徴とするものである。
【0007】
本願の請求項3記載の発明は、請求項1の携帯端末装置において、前記サスペンションの腕部は、平面上の折り返しを有するU字状の板状部材であることを特徴とするものである。
【0008】
本願の請求項4記載の発明は、請求項1の携帯端末装置において、前記サスペンションの腕部は、前記可動部の振動方向に対し曲げられたU字状の部材であることを特徴とするものである。
【0009】
本願の請求項5記載の発明は、請求項1の携帯端末装置において、前記サスペンションの腕部は、長手方向に切欠きが形成された板状部材であることを特徴とするものである。
【0010】
本願の請求項6記載の発明は、請求項1の携帯端末装置において、前記サスペンションの腕部は、振動方向に対してアーチ状に形成された板状部材であることを特徴とするものである。
【0011】
本願の請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の携帯端末装置において、更に、前記信号切替部から出力された音声信号を記憶する留守録音手段を備え、前記電気−機械−音響変換手段は、前記信号切替手段又は前記留守録音手段から音声信号が入力されたときにレシーバ又はスピーカとして動作することを特徴とするものである。
【0012】
本願の請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の携帯端末装置において、前記電気―機械―音響変換手段は、更に、呼出音が入力されたときにサウンダとして動作することを特徴とするものである。
【0013】
本願の請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の携帯端末装置において、前記電気−機械−音響変換手段は、更に、送話者の音声が入力されたときマイクロホンとして動作することを特徴とするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における携帯端末装置について図面を用いて説明する。図1は本実施の形態の携帯端末装置である携帯電話器の概略構成を示すブロック図である。この携帯端末装置は、アンテナ50、送受信回路60、呼出信号発生回路61、電気−機械−音響変換器51、マイクロホン52を含んで構成される。また送受信回路60は復調部60a、変調部60b、信号切替部60c、留守録音部60dを有するものとする。
【0026】
アンテナ50は最寄りの基地局より出力された電波を受信するものである。復調部60aはアンテナ50から入力された変調波を復号して受信信号に変換し、受信信号を信号切替部60cに与える回路である。信号切替部60cは受信信号の内容に応じて信号処理を切り換える回路である。受信信号が呼出信号の場合は呼出信号発生回路61に与えられ、音声信号の場合は電気−機械−音響変換器51に与えられ、留守録音の音声信号の場合は留守録音部60dに与えられる。留守録音部60dは例えば半導体メモリで構成される。電源オン時の留守録音メッセージは留守録音部60dに記憶されるが、携帯端末装置がサービスエリア外にあるときや電源がオフ時には、留守録音メッセージは基地局の記憶装置に記憶される。
【0027】
呼出信号発生回路61は第1又は第2の呼出信号を生成し、電気−機械−音響変換器51に与える回路である。電気−機械−音響変換器51は、電気−機械変換器と電気−音響変換器の機能を併せもつもので、バイブレータ、サウンダ、レシーバ、スピーカの4機能を有している。バイブレータとは、機械振動を発生する機能を指し、サウンダとは、単純音又はそれらの組み合わせ音を発生する機能を指す。また、レシーバとは、電気信号を音声に変換する機能を指し、スピーカとは、電気信号を携帯端末装置の近くにいる使用者に聞こえるような音圧の音声に変換し出力する機能を指すものとする。
【0028】
電気−機械−音響変換器51は、第1の呼出信号が与えられたときはバイブレータとし動作し、第2の呼出信号が与えられたときはサウンダとして動作する。呼出信号発生回路61から第1の呼出信号を出力するか、第2の呼出信号を出力するかは、携帯端末装置の使用者が事前にプリセットするものとする。
【0029】
従来の携帯端末装置と同様に、音響−電気変換器として小型のマイクロホン52が設けられている。変調部60bは、ダイヤル信号や、マイクロホン52で変換された音声信号を変調し、アンテナ50に出力する回路である。
【0030】
このような構成の携帯端末装置の動作を説明する。基地局から出力された電波はアンテナ50で受信され、復調部60aでベースバンドの受信信号に復調される。信号切替回路60cは、着信信号から呼出信号を検出すると、着信を携帯端末装置の使用者に知らせるため、着信信号を呼出信号発生回路61に出力する。この着信信号には、使用者に対する呼び出しを、振動、音、振動と音の組み合わせのうち、どれで行うかの情報も含むものとする。
【0031】
呼出信号発生回路61は、このような着信信号を受けると、呼び出しの種類を判別し、第1又は第2の呼出信号を出力する。第1の呼出信号は電気−機械−音響変換器51の共振周波数となる信号であり、この信号が入力されると、電気−機械−音響変換器51はバイブレータとして動作する。こうして筺体に機械振動を発生し、使用者の身体を通して着信を伝える。第2の呼出信号は、可聴帯域の純音又はそれらの複合音の信号であり、この信号が電気−機械−音響変換器51に与えられと、電気−機械−音響変換器51はサウンダとして動作し、着信音を使用者に出力する。
【0032】
使用者が受話状態に入ると、信号切替部60cは受信信号をレベル調整をした後、音声信号を電気−機械−音響変換器51に直接に出力する。電気−機械−音響変換器51はレシーバ又はスピーカとして動作し、音声信号を再生する。この携帯端末装置が、例えば移動中の車両の運転手によって使用される場合、電気−機械−音響変換器51はスピーカとして動作することが望ましい。このとき音声信号は拡声音に変換される。
【0033】
また使用者の音声はマイクロホン52で収音され、電気信号に変換された変調部60bに入力される。そして音声信号は変調され、所定の搬送波に変換されてアンテナ50から出力される。この場合、電気−機械−音響変換器51とマイクロホン52は同時に動作する。
【0034】
また、携帯端末装置の使用者が電源をオンにして留守録音状態にセットした場合、送話内容は留守録音部60dに記憶される。また携帯端末装置の使用者が電源をオフにしている場合、送話内容は基地局に一時記憶される。そして使用者がキー操作による留守録音の再生依頼を行うと、信号切替部60cはこの依頼を受けて、留守録音部60dまたは基地局から録音メッセージを取得する。そしてその音声信号を拡声レベルに調整し、電気−機械−音響変換器51に出力する。このとき、電気−機械−音響変換器51はレシーバ又はスピーカとして動作し、メッセージを出力する。
【0035】
このような電気−機械−音響変換器51を設けることにより、従来、異なる機能部品で実現していた4機能を一体化することができ、携帯端末装置の小型化、軽量化、低コスト化が実現される。また従来例のように、マイクロモータ駆動による振動発生により着信を報知することに比べ、本実施の形態の電気−機械−音響変換器51の共振モードで着信を報知する方法では、機械振動に消費される電力はより小さくなり、電池の寿命が長くなる。
【0036】
なお、図1では電気−機械−音響変換器51として4機能一体化モデルで動作を説明したが、携帯端末装置の使用目的にあわせて4機能のなかから特定のものを選択し、3機能又は2機能を有するモデルとして使用しても構わない。
【0037】
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2における携帯端末装置について図2を用いて説明する。この携帯端末装置も実施の形態1と同様に携帯電話器であるとして、そのブロック図を示している。この携帯端末装置は、アンテナ50、送受信回路70、呼出信号発生回路61、電気−機械−音響変換器71を含んで構成される。また送受信回路70は復調部70a、変調部70b、信号切替部70c、留守録音部70dを有するものとする。電気−機械−音響変換器71を除き、図1と同一名称のブロックはその機能が実施の形態1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0038】
送受信回路70はアンテナ50から受信信号を受け、信号切替部70cで検出された着信信号を呼出信号発生回路61に与えると共に、送話者の音声信号を電気−機械−音響変換器71に与える。また、送受信回路70は、電気−機械−音響変換器71によって使用者の音声が電気信号に変換されると、復調部70bにより音声信号を変調して搬送波に変換し、アンテナ50を介して送信電波を出力する。
【0039】
本実施の形態の携帯端末装置には、マイクロホンが単独に設けられていない。本実施の形態の電気−機械−音響変換器71は、バイブレータ、サウンダ、レシーバ、スピーカの機能に加えて、マイクロホンの機能を有するものとする。スピーカの機能が、ボイスコイル、磁気回路、振動板を含む電気−音響変換器で実現される場合、この電気−音響変換器は音響−電気変換器、即ちマイクロホンとしても作用する。
【0040】
このように構成された携帯端末装置の動作を説明する。基地局から出力された電波はアンテナ50で受信され、受信信号が送受信回路70に入力される。信号切替部70cは、まず着信を使用者に知らせるため、着信信号を呼出信号発生回路61に出力する。この着信信号には、使用者に対する呼び出しを振動、音、振動と音の組み合わせのうち、どれで行うかの情報も含まれるものとする。
【0041】
呼出信号発生回路61は、第1又は第2の呼出信号の出力依頼を受けると、夫々に適合した周波数の信号を電気−機械−音響変換器71に出力する。実施の形態1の場合と同様に、電気−機械−音響変換器71は、入力された呼出信号の内容に応じて、サウンダ又はバイブレータとして動作し、呼出音を出力したり、機械振動を発生したりして、使用者に着信を伝える。
【0042】
使用者が受話状態に入ると、送受信回路70は受信信号をレベル調整をした後、音声信号をラインL1を通して電気−機械−音響変換器71に出力する。電気−機械−音響変換器71はレシーバ又はスピーカとして動作し、音声を出力する。
【0043】
また、この携帯端末装置の使用者が送話者に対して応答すると、その音声は電気−機械−音響変換器71に集音される。この音声は音声信号に変換され、ラインL2を介して変調部70bに入力される。変調部70bは入力された使用者の音声信号を変調して搬送波に変換し、アンテナ50から送信電波を出力する。その後、この送信電波は最寄りの基地局で受信される。この場合、電気−機械−音響変換器71において、同時に集音と再生が行われないように送受信回路70でラインL1とラインL2の切替を行う必要がある。例えば、通常のトランシーバで行われているように、集音時は特定のキーを押すことで切替を行ってもよい。
【0044】
また、携帯端末装置の使用者が不在又は電源がオフ又はサービスエリア外の場合、フック信号が出力されないので、送話内容は留守録音部70d又は基地局に留守録音される。この場合、後に使用者が、キーによる留守録音の再生依頼を行うと、送受信回路70はこの依頼を受けて録音内容を拡声レベルに調整し、電気−機械−音響変換器71に音声信号を出力する。このとき、電気−機械−音響変換器71がレシーバ又はスピーカとして動作し、メッセージを出力する。
【0045】
以上のような携帯端末装置によれば、従来、異なる機能部品で実現していた5機能を一体化することで、より小型化、軽量化、低コスト化が可能となる。なお、図2では5機能一体化のモデルで動作を説明したが、使用目的にあわせて5機能の中から選択し、2〜4機能モデルとして使用しても構わない。例えばレシーバ又はスピーカとして電気−音響変換器を新たに設け、電気−機械−音響変換器71をバイブレータ,サウンダ,マイクロホンとして使用することもできる。
【0046】
次に以上の携帯端末装置に内蔵された電気−機械−音響変換器の具体的な構成を、本発明の実施の形態3、4として図面を参照しつつ説明する。
【0047】
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3の携帯端末装置に用いられる電気−機械−音響変換器の平面図である。また図4は図3のA−A’線による電気−機械−音響変換器の断面図である。図5は電気−機械−音響変換器の構成部品の取り付け位置関係を示す分解斜視図である。
【0048】
図5(c)に示すように、振動板2は外形が円形のもので、図4に示すようにその外周部が支持部材3に取り付けられている。この振動板2は、例えば厚さ50μm程度のポリカーボネートで成形される。支持部材3は図5(b)に示すように、中央に円筒状の空洞を有し、外周部が矩形に形成されたフレームである。なお、図3〜図5に示すように、支持部材3の外周部の一部に入力端子11付きの接続ハウジングが設けられている。この支持部材3は、例えば耐衝撃性に優れたガラス繊維強化樹脂で成形される。
【0049】
図4に示すように、ヨーク4はカップ状の強磁性体であり、例えば軟鉄等で成形される。マグネット5は円板状の永久磁石であり、例えばフェライトで成形される。このマグネット5はヨーク4の内周面に取り付けられる。プレート6は軟鉄等の強磁性体が円板状に加工されたものである。このプレート6は、ヨーク4の内周面と間隔をあけてマグネット5に取り付けられ、図4に示す取り付け位置では振動板2と対向する。
【0050】
ヨーク4、マグネット5、及びプレート6は、磁気回路部12の一部を構成している。ヨーク4の内周面とマグネット5及びプレート6の外周面との間に形成された空隙を磁気ギャップと呼び、この磁気ギャップも磁気回路部12の一部である。ヨーク4の外周部に慣性質量体としておもり7が取り付けられる。おもり7はヨーク4と同心の環状体である。ヨーク4、マグネット5、プレート6、おもり7は、支持部材3に対する可動部13を構成している。おもり7の質量mは可動部13の共振周波数の設定に寄与する。おもり7は、振動時に後述するサスペンション8及び9と接触しないように、図3に示すサスペンション8の腕部8b、及びサスペンション9の腕部と対向する部分が削られている。
【0051】
サスペンション8は、図3及び図5(a)に示すように、弾性を有するステンレス(SUS)又は銅合金等の薄板材が渦巻き状に切り込み形成されたものである。サスペンション8は、夫々2つの支持部8a、腕部8b、固定部8cから成る。支持部8aはヨーク4を含む可動部13を振動自在に保持する枠状の部分である。腕部8bは円弧状になった部分を指し、支持部8aを介して可動部13を弾性的に保持する働きをする。固定部8cは支持部材3に対してサスペンション8を固定する略4角形の部分である。2つの固定部8cは180°対称の位置にある。
【0052】
サスペンション9はサスペンション8と同じ形状をした弾性体である。サスペンション8が、可動部13の上部に取り付けられるのに対し、サスペンション9は可動部13の下部に取り付けられる。サスペンション9も、夫々2つの支持部9a、腕部9b、固定部9cから成る。図3又は図5(a)に示すように、サスペンション9はサスペンション8に対して90°回転した向きで、固定部9cを介して支持部材3に固定される。
【0053】
このようなサスペンションの取り付け状態では、サスペンション9の腕9bとサスペンション8の腕8bとは互いに直交する。従って可動部13は支持部材3に対して90°間隔で4点で支持される。また図3に示すように、サスペンション8及び9は平面的に見て可動部13の面内に収まる。
【0054】
ボイスコイル10は、図5(c)に示すようにボイスコイルボビンに回巻きされ、ボイスコイルボビンのエッジが振動板2に接合される。そしてボイスコイル10は図4に示すように磁気回路部12の磁気ギャップに保持される。この状態で振動板2の外周部が図5(b)の支持部材3の底部に接合される。またボイスコイル10のリードの両端は入力端子11に接続される。
【0055】
以上のように構成された電気−機械−音響変換器について、その動作を述べる。ボイスコイル10に交流の駆動電流が入力されると、磁気ギャップ内の磁界がボイスコイル10に電磁力を及ぼし、ボイスコイルボビンを軸方向に振動させる。この振動により振動板2が振動し、音を発生する。
【0056】
一方、磁気回路部12を含む可動部13には駆動力に対する反力が働く。駆動力の繰り返し周波数が、電気−機械−音響変換器の共振周波数に等しいとき、慣性質量の大きな可動部13自身が振動する。この振動がサスペンション8及び9を介して支持部材3に伝わり、支持部材3を振動させる。
【0057】
以上のように、この電気−機械−音響変換器は、一つのユニットで振動と音を発生する電気−機械変換器と電気−音響変換器との機能を有することとなる。機械振動系の振動レベルは、可動部の駆動力に比例する。このため、可動部の質量が大きいほど、又は振動変位が大きいほど、携帯端末装置自身の振動は大きくなる。サスペンション8及び9は、可動部内に納まる形状という制約条件において、可動部13の外形に沿った形状にしたことで、腕部の長を長くすることができる。このためサスペンションの支持力の線形性が確保される。こうして効率的に大きな振動を取り出すことができる。
【0058】
また、サスペンション8及び9の腕部が長いので、前記に示した線形性向上と同時に、応力も軽減できる。従って、振動疲労の生じにくい電気−機械−音響変換器を実現できる。またサスペンション8及び9の腕部が互いに直交するように配置されているので、可動部13が振動するとき、振動に傾きが生じるというローリング現象が生じなくなる。
【0059】
(実施の形態4)
次に本発明の実施の形態4として、携帯端末装置に内蔵された電気−機械−音響変換器のサスペンションについて、図面を参照しつつ説明する。図6は、図3に示したサスペンションの特性図であり、図6(a)は、サスペンション長と最大応力との関係を示した図である。縦軸はサスペンション上に生じる最大応力値を示している。また図6(b)は、サスペンション長と非線形性との関係を示した図である。
【0060】
可動部13に生じる駆動力Fにより、可動部13は軸方向に変位する。それに伴い、サスペンションの腕部も駆動力Fに比例して変形する。サスペンションの腕部の振動による疲労破壊を防ぐため、最大応力を一定以下に抑える必要がある。このため図6(a)に示すようにサスペンション長(腕部の長さ)を長くする必要がある。本実施の形態では、サスペンションの腕部は、可動部13の外周縁に沿った形状であるために、スペースファクターが向上し、長くすることができる。その結果、振動変位を十分確保できるために、腕部に発生する応力を低く抑えることができる。また図6(b)に示すように非線形性も、腕部を長くすると小さくなる。
【0061】
図7はサスペンションのその他の形状(その1)を示す平面図である。このサスペンション15は、夫々2つの支持部15a、腕部15b、固定部15cを有し、腕部15bが同一平面内でU字状に折り返されているのが特徴である。この場合もサスペンションの専有範囲内において、より効率よく腕部15bを長くすることができ、図3のサスペンションと同様に、低応力、線形性のものが得られる。
【0062】
図8はサスペンションの形状(その2)を示す平面図である。このサスペンション16は、夫々2つの支持部16a、腕部16b、固定部16cを有し、腕部16bがU字形に折り畳まれているのが特徴である。弾性的効果は図7の場合と同様であるが、図7は厚みを薄くできるのに対し、図8は腕部16bの幅を狭くできる。
【0063】
図9はサスペンションの形状(その3)を示す平面図である。このサスペンション17は、夫々2つの支持部17a、腕部17b、固定部17cを有し、腕部17bに舟型の切欠き17dが形成されているのが特徴である。サスペンション17は、例えば厚さ122μmの銅合金で成形される。サスペンション17は例えばX1=8.5mm、X2=1.3mm、X3=0.8mm、X4=2.9mm、X5=2.7mmとして実施した。
【0064】
このサスペンションにおいて、固定部17cを固定し、Pの部分に駆動力Fがかかることで腕部17bが変形する。そのとき、中央部に切欠き17dが存在しているために、変形時にサスペンション上に生じる応力分布は切欠き17dの部分に拡散する。従って一定幅の腕部を有するサスペンションと比較し、最大応力値は小さくなる。このサスペンション17の場合では、応力値を約10%軽減できる。
【0065】
図10(a)はサスペンションの形状(その4)を示す斜視図であり、(b)はその平面図である。このサスペンション18は、夫々2つの支持部18a、腕部18b、固定部18cを有し、腕部18bが、支持部18aの面より上に凸状、即ちアーチ状になっているのが特徴である。このサスペンション18は、例えば厚さ160μmの銅合金で成形される。このサスペンション18は例えばX1=9.5mm、X2=1.3mmで、腕部18bの曲率半径=32.4mmとして実施した。
【0066】
このサスペンション18では、腕部18bがアーチ形状を有しているため、平板状の腕部と比較し、振動変位を十分に取れる。このため線形性、応力を共に改良できる。この場合も応力値は約10%軽減できる。また腕部の幅は実質的に変化がないために、可動部のローリングを起こしにくい。
【0067】
【発明の効果】
本発明による携帯端末装置によれば、音と振動における複数機能を実現する単一の電気−機械−音響変換手段を内蔵することで、振動による着信呼出機能、音による着信呼出機能、受話音の集音、再生機能及び留守録音の再生機能を実現することができる。このため、携帯端末装置を更に小型化、軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における携帯端末装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態2における携帯端末装置の基本構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態3の携帯端末装置に取り付けられる電気−機械−音響変換器の構造を示す平面図である。
【図4】実施の形態3の電気−機械−音響変換器の構造を示す断面図である。
【図5】実施の形態3の電気−機械−音響変換器の構造を示す分解斜視図である。
【図6】実施の形態3の電気−機械−音響変換器に用いられるサスペンションの弾性特性図である。
【図7】本発明の実施の形態4の携帯端末装置に取り付けられるサスペンション(その1)の構造図である。
【図8】本発明の実施の形態4の携帯端末装置に取り付けられるサスペンション(その2)の構造図である。
【図9】本発明の実施の形態4の携帯端末装置に取り付けられるサスペンション(その3)の構造図である。
【図10】本発明の実施の形態4の携帯端末装置に取り付けられるサスペンション(その4)の構造図である。
【符号の説明】
2 振動板
3 支持部材
4 ヨーク
5 マグネット
6 プレート
7 おもり
8, 9,15,16,17,18 サスペンション
8a,9a,15a,16a,17a,18a 支持部
8b,8b,9b,15b,16b,17b,18b 腕部
8c,9c,15c,16c,17c,18c 固定部
10 ボイスコイル
11 入力端子
12 磁気回路部
13 可動部
17d 切欠き
50 アンテナ
51,71 電気−機械−音響変換器
52 マイクロホン
60,70 送受信回路
60a,70a 復調部
60b,70b 変調部
60c,70c 信号切替部
60d,70d 留守録音部
61 呼出信号発生回路
Claims (9)
- 復調部からの受信信号を着信信号と音声信号とに分離する信号切替手段と、
前記信号切替手段から着信信号が与えられたとき、呼出振動を出力する呼出信号発生手段と、
ボイスコイルが取り付けられた振動板、前記ボイスコイルに電磁駆動力を与える磁気回路部、前記磁気回路部に取り付けられた慣性質量体、前記磁気回路部及び前記慣性質量体を含み構成される可動部を振動可能に支持するサスペンション、前記振動板と前記サスペンションとを支持する支持部材、並びに前記ボイスコイルに駆動電流を与える駆動部を含み、前記呼出信号発生手段から呼出振動が入力されたときに前記磁気回路部を含む可動部の振動によりバイブレータとして動作し、前記信号切替部から音声信号が入力されたときに前記振動板の振動によりレシーバ又はスピーカとして動作する電気−機械−音響変換手段と、を具備することを特徴とする携帯端末装置。 - 前記サスペンションは、
前記支持部材に固定される固定部と、
前記固定部から腕状に連結され、前記磁気回路部又は前記可動部の外形形状にほぼ沿った形状の弾性を有する腕部と、
前記腕部に連結され、前記可動部を支持する支持部と、を具備することを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。 - 前記サスペンションの腕部は、
平面上の折り返しを有するU字状の板状部材であることを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。 - 前記サスペンションの腕部は、
前記可動部の振動方向に対し曲げられたU字状の部材であることを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。 - 前記サスペンションの腕部は、
長手方向に切欠きが形成された板状部材であることを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。 - 前記サスペンションの腕部は、
振動方向に対してアーチ状に形成された板状部材であることを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。 - 更に、前記信号切替部から出力された音声信号を記憶する留守録音手段を備え、
前記電気−機械−音響変換手段は、前記信号切替手段又は前記留守録音手段から音声信号が入力されたときにレシーバ又はスピーカとして動作することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の携帯端末装置。 - 前記電気―機械―音響変換手段は、
更に、呼出音が入力されたときにサウンダとして動作することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の携帯端末装置。 - 前記電気−機械−音響変換手段は、
更に、送話者の音声が入力されたときマイクロホンとして動作することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24533197A JP3883265B2 (ja) | 1997-09-10 | 1997-09-10 | 携帯端末装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24533197A JP3883265B2 (ja) | 1997-09-10 | 1997-09-10 | 携帯端末装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1188479A JPH1188479A (ja) | 1999-03-30 |
| JP3883265B2 true JP3883265B2 (ja) | 2007-02-21 |
Family
ID=17132083
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24533197A Expired - Lifetime JP3883265B2 (ja) | 1997-09-10 | 1997-09-10 | 携帯端末装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3883265B2 (ja) |
-
1997
- 1997-09-10 JP JP24533197A patent/JP3883265B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH1188479A (ja) | 1999-03-30 |
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