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JP3884282B2 - Mri装置 - Google Patents
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JP3884282B2 - Mri装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の中心周波数および送信強度を有する電磁波を所定核種の原子に対して送信し、前記電磁波に起因して前記原子から放出されるNMR信号に基づいて被検体内部の構造を撮像する技術に関し、特に、送信する電磁波のパラメータの決定を迅速におこなうことのできるMRI装置、MRイメージング方法、およびこの方法をコンピュータ上で実行させるプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、物体の内部構造を画像化することができ、医療現場で脳腫瘍の診断などに用いられるMRI装置が知られている。MRI装置による内部構造の撮影は、具体的には以下のメカニズムによりおこなう。
【0003】
MRI装置は、特定の核種(主に水素原子)に対して核磁気共鳴現象を利用することで、撮影対象物の任意の断層面を任意の厚さで画像化することができる。核磁気共鳴現象とは、対象物体に一様な静磁場を印加すると、対象物体を構成する原子の原子核においてスピンの方向がそろい、静磁場の強度に比例した周波数(以下「共鳴周波数」と言う)の電磁波を吸収、放出するようになる現象のことである。
【0004】
ここで、被検体の形状、含有水分量等が相違すると、MRI装置内部の電磁波送信およびNMR信号受信をおこなう部分において、インピーダンスに変化が生じる。したがって、良質な画像を得るためには、被検体の特性に対応したパラメータを有する電磁波を送信する必要がある。
【0005】
そのため、撮像の前段階として、送信する電磁波の周波数および電磁波の強度等を含むパラメータの決定をおこなう必要がある。このため、従来のMRI装置では、実際に被検体の内部構造を撮像する前に、あらかじめ被検体をMRI装置内部に搬入した状態で試験的に電磁波の送信およびNMR信号の受信をおこなう。これにより、鮮明な画像を得るために最適な中心周波数および信号強度を決定する。
【0006】
また、静磁場は時間的に変動している可能性がある。したがって、静磁場の均一性を確保するため、新たな撮像をおこなう前には、被検体をMRI装置内部に配置した状態でいわゆるグラーディエント・シム(Gradient shim)法を用いて、電磁波を送信する領域における静磁場の均一化をおこなう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のようなメカニズムで被検体の内部構造を撮像するため、MRI装置では、撮像に一定の時間を要するという問題がある。特に、被検体が人間であった場合には、MRI装置による撮像に長時間を要することは望ましくない。これは、長時間静止した状態を維持することは患者にとって苦痛であることの他に、長時間に渡って磁場雰囲気中にさらされることは人体に対して好ましいとはいえないためである。
【0008】
したがって、実際の撮像に関しては撮像時間をなるべく短くするための改良がおこなわれている。たとえば、FSE(Fast Spin Echo)法や、EPI(Echo-Planar Imaging)法を用いた場合には、送信する電磁波のパラメータの決定に要する時間を除くと、1〜5秒程度の時間で所望の映像を得ることができる。
【0009】
しかし、電磁波のパラメータの決定には一般に30秒程度の時間がかかることが知られている。このため、FSE法や、EPI法のような超高速撮像方法を用いて撮像をおこなう場合には、全撮像時間の大部分を送信する電磁波のパラメータの決定に要することとなり、効率的とはいえない。
【0010】
また、実際の臨床撮像では、同一の被検体の同一部位について、複数回の撮像をおこなうことが多い。これは、送信する電磁波のパラメータシーケンスを様々に変化させることで撮像された映像のコントラストを変化させ、この様々なコントラストの画像から総合的に疾患等を判断する必要があるためである。このような場合は、過去の撮像と新たにおこなう撮像との間では、上述したような磁場の強度や、被検体を構成する原子の共鳴周波数等の物理的な条件は変化しない。
【0011】
同様のことが、静磁場の均一化についてもいえる。当然のことながら、物理的な構成が同一の場合であれば、MRI装置内部の磁場分布は同一となる。したがって、被検体が同一で、撮像領域も同一であるような場合には、静磁場の均一度は変化しないか、変化したとしても撮像に影響を与えない程度である。このような場合であってもグラーディエント・シム法を用いて静磁場の均一化をおこなうことは、撮像時間の短縮化の観点からは有効とはいえない。
【0012】
しかし、従来のMRI装置は、このような場合でもそれぞれの撮像をおこなう前に一律にパラメータの決定をおこなう。この場合、本来ならば物理的条件によって決定されるパラメータは同一となるべきであるのに、試験的なスキャンにおける測定誤差に起因して、各撮像において異なるパラメータが決定されてしまうことがある。このように、異なるパラメータで撮像がおこなわれた場合、同一条件で撮像されたとはいえず、各撮像によって得られた画像について単純比較をおこなうことができなくなるという問題が生じてしまう。
【0013】
本発明は、上記従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、過去に送信した電磁波に関する情報を有効に利用し、新たに送信する電磁波のパラメータを短時間で決定することのできるMRI装置、MRイメージング方法、およびMRイメージング方法をコンピュータ上で実行できるプログラムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、第1の観点にかかる発明は、被検体を載置する空間に静磁場を発生させる静磁場発生部と、勾配磁場を印加する勾配磁場発生部と、前記被検体の所定の撮像領域に対して電磁波を送信する送信部と、前記撮像領域からのNMR信号を受信する受信部とを備えたMRI装置であって、過去におこなった撮像の際に送信した電磁波の中心周波数を記憶する記憶手段と、該記憶した中心周波数に基づいて送信する電磁波の中心周波数を算出する第1の算出手段と、該算出した中心周波数を有する電磁波を送信するように前記送信部を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
この第1の観点にかかる発明によれば、過去の撮像において送信した電磁波の中心周波数を記憶手段が記憶しておくことによって、この中心周波数に基づいて、これからおこなう撮像において送信する電磁波の中心周波数を算出することとしたため、中心周波数の決定に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0016】
また、第2の観点にかかる発明は、第1の観点にかかる発明において、前記記憶手段は、前記過去におこなった撮像の際に送信した電磁波のパラメータについての情報であるパラメータ情報を記憶し、前記パラメータ情報に基づいて送信する電磁波の強度を算出する第2の算出手段をさらに有し、前記制御手段が、該算出した送信強度および前記算出した中心周波数を有する電磁波を送信するように前記送信部を制御することを特徴とする。
【0017】
この第2の観点にかかる発明によれば、記憶手段が記憶している過去におこなった撮像において送信した電磁波のパラメータ情報に基づいて、これからおこなう撮像において送信する電磁波の強度を算出することとしたため、電磁波の送信強度の決定に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0018】
また、第3の観点にかかる発明は、第1または第2の観点にかかる発明において、前記パラメータ情報は、前記過去におこなった撮像において送信した電磁波の中心周波数、送信した電磁波の強度および電磁波を送信した時間である送信時間についての情報を含むことを特徴とする。
【0019】
この第3の観点にかかる発明によれば、パラメータ情報が、過去におこなった撮像において送信した電磁波の中心周波数、送信した電磁波の強度を含むこととしたため、パラメータ情報を活用して中心周波数および電磁波の強度を算出することができる。
【0020】
また、第4の観点にかかる発明は、第3の観点にかかる発明において、前記第1の算出手段は、前記パラメータ情報に含まれる中心周波数を抽出して、該中心周波数に対して所定数値を加算もしくは減算することによって前記算出した中心周波数を得ることを特徴とする。
【0021】
この第4の観点にかかる発明によれば、第1の算出手段における算出を具体的に規定することで中心周波数の算出をおこなうことができる。
【0022】
また、第5の観点にかかる発明は、第4の観点にかかる発明において、前記所定数値は、脂肪分子に含まれる水素原子の共鳴周波数と、水分子に含まれる水素原子の共鳴周波数との差分値に基づいて得られる値であることを特徴とする。
【0023】
この第5の観点にかかる発明によれば、脂肪分子に含まれる水素原子の共鳴周波数と、水分子に含まれる水素原子の共鳴周波数は異なるが、その差分値は一定であるため、過去の撮像の際に送信した電磁波の中心周波数に対して差分値を演算することで送信する電磁波の中心周波数を算出することができる。
【0024】
また、第6の観点にかかる発明は、第1〜5のいずれか一つの観点にかかる発明において、前記算出した送信強度は、前記過去におこなった撮像の際に送信した電磁波における波形の時間変数に関する積分値に比例した値であることを特徴とする。
【0025】
この第6の観点にかかる発明によれば、前記送信強度を過去に送信した電磁波の波形に関する積分値に比例した値とすることで、過去の撮像において送信した電磁波のパラメータ情報を有効に活用して送信強度を算出することができる。
【0026】
また、第7の観点にかかる発明は、第6の観点にかかる発明において、前記記憶手段は、所定強度を有し所定の送信時間を有する電磁波の波形の積分値である形状係数をさらに記憶し、前記積分値は、前記過去におこなった撮像において送信した電磁波の送信強度と、送信時間と、前記形状係数との乗算値から得られる値であることを特徴とする。
【0027】
この第7の観点にかかる発明によれば、積分値を過去に送信した電磁波の送信強度と、送信時間と、形状係数を乗算して求めることとしたため、実際に積分計算をおこなうよりも、信号強度の演算を迅速におこなうことができる。
【0028】
また、第8の観点にかかる発明は、第1〜7のいずれか一つの観点にかかる発明において、前記記憶手段は前記過去におこなった撮像におけるフリップ角をさらに記憶し、前記第2の算出手段は、前記積分値を電磁波の送信時間、形状係数、および前記過去におこなった撮像におけるフリップ角によって除算し、さらにこれからおこなう撮像におけるフリップ角を乗算することで前記算出した送信強度を得ることを特徴とする。
【0029】
この第8の観点にかかる発明によれば、送信強度を求める演算を具体的に規定することとしたため、第2の算出手段が送信強度を算出することができる。
【0030】
また、第9の観点にかかる発明は、第1〜8のいずれか一つの観点にかかる発明において、前記撮像領域が前記過去におこなった撮像における撮像領域と同一であるか否かを判断する同一性判断手段と、前記撮像領域が同一の場合に前記過去におこなった撮像時からの前記撮像領域の温度変化量を検知する温度測定手段と、をさらに備え、前記撮像領域が同一であると判断され、前記温度変化量が所定値以下であると判断された場合に、前記第1の算出手段が送信する電磁波の中心周波数を算出することを特徴とする。
【0031】
この第9の観点にかかる発明によれば、過去の撮像と、これからおこなう撮像とが同一撮像領域に関するものかを同一性判断手段が判断することとしたため、過去の複数の撮像に関するパラメータ情報から有益なものを選択することができる。
【0032】
また、第10の観点にかかる発明は、第9の観点にかかる発明において、前記同一性判断手段は、被検体の同一性と該被検体における撮像領域の同一性とによって前記撮像領域の同一性を判断することを特徴とする。
【0033】
この第10の観点にかかる発明によれば、撮像領域の同一性を被検体の同一性と、同一被検体における撮像領域の同一性によって判断することとしたため、撮像領域の同一性をより厳密に判断することができる。
【0034】
また、第11の観点にかかる発明は、第9または第10の観点にかかる発明において、前記同一性判断手段は、電磁波を送信する前記送信部の同一性と前記送信部に対する前記被検体の移動量とに基づいて前記被検体における撮像領域の同一性を判断することを特徴とする。ここで、送信部の同一性とは、たとえば、複数の送信部を有するMRI装置において、同一の送信部を使用している状態をいう。
【0035】
この第11の観点にかかる発明によれば、被検体における撮像領域の同一性を、送信部の同一性と、送信部に対する被検体の相対的な移動量とによって判断することとしたため、同一被検体における撮像領域の同一性を迅速に判断することができる。
【0036】
また、第12の観点にかかる発明は、第11の観点にかかる発明において、前記同一性判断手段は、前記送信部が同一であって前記移動量が5cm以下である場合に前記被検体における撮像領域が同一であると判断することを特徴とする。
【0037】
この第12の観点にかかる発明によれば、具体的に判断基準を規定することで、画一的に、同一被検体における撮像領域の同一性を判断することができる。
【0038】
また、第13の観点にかかる発明は、第9〜12のいずれか一つの観点にかかる発明において、前記温度測定手段は、前記過去におこなった撮像から経過した時間に基づいて温度変化量を推定することを特徴とする。
【0039】
この第13の観点にかかる発明によれば、一定時間経過した場合には所定の温度変化をしたものと推定することで、温度変化量の検知を容易におこなうことができる。
【0040】
また、第14の観点にかかる発明は、第13の観点にかかる発明において、前記温度測定手段は、前記過去におこなった撮像から経過した時間が5分以下である場合に前記温度変化量が所定値以下であると判断することを特徴とする。
【0041】
この第14の観点にかかる発明によれば、温度変化量の判断基準を具体的に規定したため、画一的で、迅速な温度変化量の検知をおこなうことができる。
【0042】
また、第15の観点にかかる発明は、所定の中心周波数および送信強度を有する電磁波を送信部によって被検体の所定の撮像領域に送信し、前記電磁波に起因して前記撮像領域から放出されるNMR信号に基づいて被検体内部の構造を撮像するMRイメージング方法であって、過去におこなった撮像の際に送信した電磁波の中心周波数に基づいて送信する電磁波の中心周波数を算出する中心周波数算出工程と、該算出した中心周波数を有する電磁波を被検体に対して送信する送信工程とを含むことを特徴とする。
【0043】
この第15の観点にかかる発明によれば、過去におこなった撮像の際に送信した電磁波の中心周波数に基づいて中心周波数を算出することとしたため、従来の試験的スキャンによって中心周波数を決定するよりも、迅速に中心周波数を決定することができる。
【0044】
また、第16の観点にかかる発明は、第15の観点にかかる発明において、前記過去におこなった撮像の際に送信した電磁波のパラメータについての情報であるパラメータ情報に基づいて送信する電磁波の強度を算出する送信強度算出工程をさらに備え、前記送信工程において、該算出した送信強度および前記算出した中心周波数を有する電磁波を送信することを特徴とする。
【0045】
この第16の観点にかかる発明によれば、前記過去に送信した電磁波に関する情報であるパラメータ情報を用いて送信強度を算出することとしたため、従来の試験的スキャンによって送信強度を決定するよりも、迅速に送信強度を決定することができる。
【0046】
また、第17の観点にかかる発明は、第15または第16の観点にかかる発明において、前記パラメータ情報は、前記過去におこなった撮像の際に送信した電磁波の中心周波数、送信した電磁波の強度および電磁波を印加した時間である送信時間についての情報を含むことを特徴とする。
【0047】
この第17の観点にかかる発明によれば、パラメータ情報を、前記過去に送信した電磁波の中心周波数、送信強度を含むこととしたため、パラメータ情報を活用して中心周波数および電磁波の送信強度を算出することができる。
【0048】
また、第18の観点にかかる発明は、第17の観点にかかる発明において、前記中心周波数算出工程は、前記パラメータ情報に含まれる中心周波数を抽出して、該中心周波数に対して所定数値を加算もしくは減算することによっておこなわれることを特徴とする。
【0049】
この第18の観点にかかる発明によれば、中心周波数の算出を具体的に規定することで中心周波数算出工程を容易におこなうことができる。
【0050】
また、第19の観点にかかる発明は、第18の観点にかかる発明において、前記中心周波数算出工程において、前記所定数値は、脂肪分子に含まれる水素原子の共鳴周波数と、水分子に含まれる水素原子の共鳴周波数との差分値に基づいて得られることを特徴とする。
【0051】
この第19の観点にかかる発明によれば、脂肪分子に含まれる水素原子の共鳴周波数と、水分子に含まれる水素原子の共鳴周波数は異なるが、その差分値は一定であるため、過去の撮像の際に送信した電磁波の中心周波数に対して差分値を演算することで送信する電磁波の中心周波数を算出することができる。
【0052】
また、第20の観点にかかる発明は、第15〜19のいずれか一つの観点にかかる発明において、前記送信強度算出工程において、前記算出した送信強度は、前記過去におこなった撮像において送信した電磁波の波形の時間変数に関する積分値に基づいて得られることを特徴とする。
【0053】
この第20の観点にかかる発明によれば、前記送信強度を過去に送信した電磁波の波形に関する積分値に比例した値とすることで、過去の撮像において送信した電磁波のパラメータ情報を有効に活用して送信強度を算出することができる。
【0054】
また、第21の観点にかかる発明は、第20の観点にかかる発明において、前記送信強度算出工程において、前記積分値は、前記パラメータ情報から抽出した送信強度と、送信時間と、所定強度を有し所定時間送信される電磁波の波形の積分値である形状係数とを乗算することにより得られることを特徴とする。
【0055】
この第21の観点にかかる発明によれば、積分値を過去に送信した電磁波の送信強度と、送信時間と、形状係数を乗算して求めることとしたため、実際に積分計算をおこなうよりも、信号強度の演算を迅速におこなうことができる。
【0056】
また、第22の観点にかかる発明は、第15〜21のいずれか一つの観点にかかる発明において、前記送信強度算出工程において、前記算出した送信強度は、前記積分値を電磁波の送信時間、形状係数、および前記過去におこなった撮像におけるフリップ角によって除算し、さらにこれからおこなう撮像におけるフリップ角を乗算することにより得られることを特徴とする。
【0057】
この第22の観点にかかる発明によれば、送信強度を求める演算を具体的に規定することとしたため、第2の算出手段が送信強度を算出することができる。
【0058】
また、第23の観点にかかる発明は、第15〜22のいずれか一つの観点にかかる発明において、前記撮像領域が前記過去におこなった撮像における撮像領域と同一であるか否かを判断する同一性判断工程と、前記撮像領域が同一の場合に前記過去におこなった撮像時からの前記撮像領域の温度変化量を検知する温度測定工程とをさらに含み、前記撮像領域が同一であると判断され、前記温度変化量が所定値以下であると判断された場合に前記中心周波数算出工程をおこなうことを特徴とする。
【0059】
この第23の観点にかかる発明によれば、過去の撮像と、これからおこなう撮像とが同一撮像領域に関するものかを同一性判断工程において判断し、温度変化量についても判断することとしたため、過去の複数の撮像に関するパラメータ情報から有益なものを選択することができる。
【0060】
また、第24の観点にかかる発明は、第23の観点にかかる発明において、前記同一性判断工程において、被検体の同一性と該被検体における撮像領域の同一性とによって前記撮像領域の同一性を判断することを特徴とする。
【0061】
この第24の観点にかかる発明によれば、撮像領域の同一性を被検体の同一性と、その被検体における撮像領域の同一性によって判断することとしたため、撮像領域の同一性をより厳密に判断することができる。
【0062】
また、第25の観点にかかる発明は、第23または第24の観点にかかる発明において、前記同一性判断工程において、電磁波を送信する前記送信部の同一性と前記送信部に対する前記被検体の移動量に基づいて前記被検体における撮像領域の同一性を判断することを特徴とする。
【0063】
この第25の観点にかかる発明によれば、同一被検体における撮像領域の同一性を、送信部の同一性と、送信部に対する被検体の相対的な移動量によって判断することとしたため、同一被検体における撮像領域の同一性を迅速に判断することができる。
【0064】
また、第26の観点にかかる発明は、第25の観点にかかる発明において、前記同一性判断工程において、前記送信部が同一であって前記移動量が5cm以下である場合に前記被検体における撮像領域が同一であると判断することを特徴とする。
【0065】
この第26の観点にかかる発明によれば、温度変化量の判断基準を具体的に規定したため、画一的で、迅速な温度変化量の検知をおこなうことができる。
【0066】
また、第27の観点にかかる発明は、第23〜26のいずれか一つの観点にかかる発明において、前記温度測定工程において、前記過去におこなった撮像から経過した時間に基づいて温度変化量を推定することを特徴とする。
【0067】
この第27の観点にかかる発明によれば、一定時間経過した場合には所定の温度変化をしたものと推定することで、温度変化量の検知を容易におこなうことができる。
【0068】
また、第28の観点にかかる発明は、第27の観点にかかる発明において、前記温度測定工程において、前記過去におこなった撮像から経過した時間が5分以下である場合に前記温度変化量が所定値以下であると判断することを特徴とする。
【0069】
この第28の観点にかかる発明によれば、温度変化量の判断基準を具体的に規定したため、画一的で、迅速な温度変化量の検知をおこなうことができる。
【0070】
また、第29の観点にかかる発明は、第15〜28のいずれか一つの観点にかかる発明に記載のMRイメージング方法をコンピュータ上で実行するプログラムであることを特徴とする。
【0071】
この第29の観点にかかる発明によれば、上記のMRイメージング方法をコンピュータ上で実行するプログラムとすることで、上記したMRイメージング方法をコンピュータ上で自動的におこなうことができるため、迅速に中心周波数の算出および送信強度の算出をおこなうことができる。
【0072】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明にかかるMRI装置、MRイメージング方法およびこの方法をコンピュータ上で実行するプログラムの好適な実施の形態について説明する。図面の記載において同一または類似部分には同一あるいは類似な符号を付している。ただし、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0073】
まず、実施の形態にかかるMRI装置の構造について説明する。図1は、本実施の形態にかかるMRI装置の構成を示すブロック図である。実施の形態にかかるMRI装置は、静磁場発生部1と、勾配磁場を印加する勾配コイル部2と、電磁波の送信およびNMR信号の受信をおこなうRFコイル部3とを有する。勾配コイル部2は、勾配駆動部4に接続されており、勾配駆動部4から所定値の電流を印加されることにより動作する。RFコイル部3は、送信部5に接続されており、送信部5から電流を印加されることによって電磁波を送信する。また、RFコイル部3は、アナログ・ディジタル変換部7を介して記憶部13に接続されている。記憶部13は、操作部10からデータを受け取り、演算部14とデータのやりとりをおこない、表示部11および制御部9に対してデータを出力するよう各部と接続されている。さらに、制御部9は、送信部5、勾配駆動部4、受信部6、アナログ・ディジタル変換部7、記憶部13、演算部14の動作を制御するようそれぞれと接続されている。以下、実施の形態にかかるMRI装置を構成する各部分について、説明する。
【0074】
静磁場発生部1は、被検体12が配置された空間に時間的および空間的に均一な磁場を印加するためのものである。静磁場発生部1は、永久磁石または超電導磁石などからなり、1.0T程度の強磁場を発生する機能を有する。
【0075】
勾配コイル部2は、勾配磁場を発生するためのものである。上述のように、MRI装置は、被検体12を構成する特定の核種(主に水素原子)に対して核磁気共鳴現象を利用するが、位置情報を調べるために静磁場とは別に空間的および時間的に変動する勾配磁場を被検体12に対して印加する必要があるためである。
【0076】
RFコイル部3は、被検体12に対して電磁波を照射する電磁波送信手段としての機能と、核磁気共鳴現象によって被検体12を構成する原子から放出されるNMR信号を受信するNMR信号受信手段としての機能を有する。なお、RFコイル部3によって照射される電磁波の周波数は、静磁場発生部1により印加される磁場の強度が1.0Tの場合には、数MHz〜数十MHzとなる。また、RFコイル部3の形状は、被検体12の形状および被検体12のうち、実際に撮像をおこなう部分の形状に応じて異なるものとする。たとえば、図1では被検体12は人体であり、撮像する部分はその頭部としているが、腹部を撮像する場合のRFコイル部3の形状はこれと異なるものでなくてはならない。これは、RFコイル部3を撮像領域に対応した形状とすることで、撮像におけるS/N比を向上させるためである。本実施の形態においては、MRI装置は撮像部分に応じた複数のRFコイル部3を有するものとし、撮像部分に応じて適宜適切な形状のRFコイル部3を使用するものとする。
【0077】
勾配駆動部4は、勾配コイル部2に電流を印加することにより、勾配コイル部2から勾配磁場を発生させるためのものである。勾配コイル部2によって印加される勾配磁場について、大きさを空間的および時間的に変動させる必要があるため、勾配駆動部4は制御部9からの指令に応じて勾配コイル部2に対して電流を供給する。
【0078】
送信部5は、RFコイル部3に対して電流を印加するためのものである。送信部5は、制御部9からの制御を受けて所定の電流をRFコイル部3に対して供給し、RFコイル部3から電磁波を送信させる。
【0079】
受信部6は、RFコイル部3が受信したNMR信号を受け取り、アナログ・ディジタル変換部7に受信した観測データを伝送する。受信部6は、制御部9による制御を受けており、送信した電磁波に起因して、被検体12からNMR信号が放出されるタイミングに合わせて、RFコイル部3が受信したNMR信号を受け取る。
【0080】
アナログ・ディジタル変換部7は、RFコイル部3が受信したNMR信号に関するアナログデータをディジタルデータに変換するためのものである。被検体12から放出されたNMR信号についてスペクトル解析をし、画像を形成するためには、観測データをディジタルデータの形式に変換しておく必要があるためである。
【0081】
表示部11は、コンピュータ8で形成された磁気共鳴映像を表示するためのものである。表示部11は、主としてCRTディスプレイや、TFT液晶画面のように直接映像を表示するものからなるが、プリンタのように映像を他の媒体に出力するものでもよい。
【0082】
記憶部13は、アナログ・ディジタル変換部7を介して伝送されたNMR信号や、このNMR信号に基づいて演算部14で算出された磁気共鳴映像を構成する情報を記憶する。また、記憶部13は、操作部10から入力された情報についても記憶し、磁気共鳴映像を構成する情報を表示部11に対して出力する機能を有する。
【0083】
さらに、記憶部13は、過去におこなった撮像において、RFコイル部3から送信した電磁波のパラメータについてのパラメータ情報を記憶する機能も有する。ここで、電磁波のパラメータとは、送信した電磁波の強度、中心周波数などを含むものとする。
【0084】
演算部14は、記憶部13に記憶されたパラメータ情報と、操作部10から入力された値に基づいて所定の演算をおこなうためのものである。演算部14は、制御部9からの指示を受けて記憶部13からパラメータ情報を抽出し、操作部10に入力された情報とあわせて演算をおこなう。具体的には、記憶部13に記憶された、受信したNMR信号を、周波数を変数とするスペクトル情報に変換し、画像形成をおこなう。
【0085】
また、演算部14は、記憶部13に記憶されている、過去の撮像において送信した電磁波のパラメータについてのパラメータ情報から、新たに撮像をおこなう際に送信する電磁波のパラメータを算出する機能も有する。制御部9の制御に基づいて記憶部13から情報を読み出して、後述する所定の演算をおこなう。この演算により、RFコイル部3から送信する電磁波のパラメータを決定し、記憶部13を介してパラメータを制御部9に対して出力する。そして、制御部9は、演算部14で算出されたパラメータを有する電磁波を発生するように送信部5を制御する。
【0086】
次に、本実施の形態にかかるMRI装置において、RFコイル部3から送信する電磁波のパラメータ決定について、説明する。上述したように、MRI装置は、撮像に先だって、送信する電磁波のパラメータ決定をおこなう必要がある。これは、被検体12の形状や、含有水分量は対象ごとに異なり、また同一対象であっても、撮像部分や使用するRFコイル部3によって電磁波のパラメータを変更する必要があるためである。本実施の形態にかかるMRI装置は、このパラメータ決定に要する時間を短縮することによって、迅速な撮像処理を実現している。以下、送信する電磁波について、具体的なパラメータ決定の方法を説明する前に、パラメータ決定に関係する事項について概説する。
【0087】
まず、撮像する際に送信する電磁波は、その中心周波数が被検体12を構成する原子のうち、所定の条件を満たす原子の共鳴周波数と一致するように設定する必要がある。たとえば、同じ水素原子についてNMR信号を得る場合、水分子中の水素原子と、脂肪分子中の水素原子とでは、共鳴周波数が異なるものとなる。
【0088】
したがって、水分子中の水素原子に起因したNMR信号を得ることにより撮像する場合と、脂肪分子中の水素原子に起因したNMR信号を得ることにより撮像する場合とでは、送信する電磁波の中心周波数を変化させる必要がある。通常、送信する電磁波は、中心周波数においてもっとも高い強度を有し、周波数が中心周波数からシフトするにしたがって強度は低下する。
【0089】
そのため、中心周波数付近の値で共鳴周波数を有する原子はNMR信号における強度も高くなり、中心周波数からシフトした値で共鳴周波数となる原子のピークは小さくなる。図2に、中心周波数の設定位置によるスペクトル強度の違いについて、模式的に表す。図2(a)は、脂肪分子中の水素原子の共鳴周波数ωfに中心周波数を設定した場合で、(b)は、水分子中の水素原子の共鳴周波数ωwに中心周波数を設定した場合のスペクトルを示す。また、(c)は、共鳴周波数ωf、ωwの平均値ωcに中心周波数を設定した場合のスペクトルを示す。このように、中心周波数の設定する位置によって、得られるスペクトルの形状は異なり、中心周波数付近のスペクトルは大きなものとなる。したがって、電磁波の中心周波数は、関心のある原子の共鳴周波数に対応した値に設定する必要がある。本実施の形態においては、水分子中の水素原子および脂肪分子中の水素原子に注目するものとし、それぞれの水素原子の共鳴周波数と、それらの中間の値に電磁波の中心周波数を設定するものとする。
【0090】
一方で、それぞれの共鳴周波数間の差分値は、被検体12の種類や、撮像部位の相違に関わらず、ほぼ一定の値を取る。そのため、記憶部13は、あらかじめ脂肪分子中に存在する水素原子の共鳴周波数と水分子中に存在する水素原子の共鳴周波数との差分値Δωを記憶している。したがって、たとえば、過去の撮像で水分子中に存在する水素原子の共鳴周波数に中心周波数を設定していて、新たな撮像で脂肪分子中に存在する水素原子の共鳴周波数に中心周波数を設定するような場合ならば、過去の中心周波数にΔωを加えることで、中心周波数の設定をおこなえる。具体的には、演算部14は、記憶部13から差分値Δωを抽出して、この差分値Δωに対して所定の比例定数を乗算する。そして、この乗算結果を過去のパラメータ情報に含まれる中心周波数に対して加算もしくは減算する。ここで、共鳴周波数ωw、ωf、ωcの間には、
ωw=ωf−Δω・・・・・・(1)
ωc=(ωw+ωf)/2・・・・(2)
の関係が成立する。Δωは、既に記憶部13から抽出されており、過去の撮像において中心周波数ωw、ωf、およびωcのいずれか一つの値を記憶部13に記憶されたパラメータ情報から抽出し、式(1)、(2)を計算することでRFコイル部3から送信する電磁波の中心周波数を算出することができる。なお、記憶部13で記憶する差分値Δωは、学術的に知られている値をあらかじめ記憶するものとしても良いし、本実施の形態にかかるMRI装置で過去に測定した結果から統計的に平均を取った値を記憶しても良い。特に、後者の場合には、装置の特性に応じた正確な差分値Δωを得ることができるという利点を有する。
【0091】
次に、送信する電磁波の強度および送信時間について、説明する。以下、電磁波の一例として、SINC関数を具体例として説明をおこなう。図3の曲線は、SINC関数の概形を示す。なお、SINC関数g(t)は、
g(t)=sin(t)/t・・・・・(3)
の形式で表現される関数である。このSINC関数の場合、信号の強度は図3における高さL1で表され、送信時間は幅L2で表される。なお、SINC関数は、磁気共鳴映像の撮像で広く用いられる電磁波の波形である。これ以外にも、たとえば、送信する電磁波の波形をガウス関数形としても良い。
【0092】
次に、フリップ角について、説明する。フリップ角とは、図4に示すように、RFコイル部3から送信された電磁波によって、被検体12を構成する原子のスピンが傾斜する角度のことである。図4において、中心に配置された球体は被検体12内部の原子を模式的に示し、球体を貫く矢印は、その原子のスピンの方向を示す。また、静磁場発生部1から原子に印加される静磁場の方向は図4におけるz方向とし、RFコイル部3から印加される電磁波の方向はy方向とする。最初、原子には静磁場のみが印加されているため、原子のスピンはz方向を向いている。これに対して、y方向に共鳴周波数を有する電磁波が送信されることで原子のスピンはy方向に角度θだけ傾く。この角度θのことをフリップ角という。核磁気共鳴現象は、送信された電磁波によって傾斜したスピンが元の方向に戻ろうとする際に放出されるNMR信号に基づいて画像を形成するものであるため、フリップ角の大きさは画像の形成に対して重要な機能を果たす。たとえば、通常の撮像方法では、フリップ角は90度に設定するが、撮像の高速化を目的としたグラーディエントエコー法によって撮像する場合には、フリップ角を小さな値に設定する必要がある。このように、フリップ角は、撮像方法等に対応して所定の値に設定する必要がある。
【0093】
送信する電磁波の強度の算出は、次のようにおこなわれる。すなわち、電磁波の強度は過去の撮像において送信した電磁波について、その波形を時間を変数として積分した値に比例する。したがって、積分値に対して比例定数を掛け合わせることにより、電磁波の強度は算出される。しかし、演算部14においてパラメータ決定のたびに積分計算をおこなうのは煩雑であるため、本実施の形態ではあらかじめ形状係数を記憶部13に記憶しておき、この形状係数を利用して、電磁波強度を算出する。
【0094】
形状係数とは、送信する電磁波の波形について、時間に対する積分値を、電磁波の強度および送信時間で除算した値である。たとえば、SINC関数を例に説明すると、形状係数αは、図3における信号強度である高さL1と送信時間である幅L2との積に対する積分値の比で定義され、図3に示す領域Bの面積SBから、領域D、Eの面積SD、SEを引いた値を領域A、B、Cの面積SA、SB、SCの和であるL1とL2との乗算値で割ったものである。具体的に形状係数αは次の式で表される。
α=(SB−SD−SE)/(L1*L2)・・・・(4)
【0095】
本実施の形態において、記憶部13にはあらかじめ様々な送信波形に対する形状係数が記憶されており、送信する電磁波の波形を選択することにより、その波形に対する形状係数を読み出すことができるものとする。
【0096】
形状係数を利用して、本実施の形態では演算部14において、具体的には以下に示す演算をおこなうことで送信電磁波の強度の算出をおこなう。電磁波のパラメータの決定をおこなう際に、撮像者は、操作部10を介して撮像条件を入力する。この入力した値と、過去の撮像におけるパラメータ情報を基に、
I=(I00α0)/(tα)*(θ/θ0)・・・(5)
の演算をおこなう。ここで、これからおこなう撮像における電磁波の強度をI、送信時間をt、フリップ角をθ、形状係数をαとし、過去の撮像における電磁波の強度をI0、送信時間をt0、フリップ角をθ0、形状係数をα0とする。過去の撮像における電磁波のパラメータ情報は記憶部13から抽出され、また、こらからおこなうt、θ、αについては、操作部10を介して撮像者が入力するものとするが、MRI装置が自動的に決定するものとしても良い。
【0097】
次に、本実施の形態にかかるMRI装置を用いて磁気共鳴映像を撮像する方法について説明する。磁気共鳴映像を撮像する方法は、大きく分けて、撮像に用いる送信電磁波のパラメータを決定する工程と、決定されたパラメータを有する電磁波を送信して磁気共鳴映像を撮像する工程とからなる。
【0098】
まず、送信電磁波のパラメータ決定の方法について説明する。図5は、本実施の形態にかかるMRI装置において、RFコイル部3から送信する電磁波のパラメータの決定方法を示すフローチャートである。以下、図5を参照してパラメータの決定方法について、説明する。
【0099】
最初に、被検体12に対する最初の撮像か否かの判定をおこなう(ステップS101)。同一の対象について、MRI装置による撮像を過去におこなっている場合には記憶部13に記憶されたパラメータ情報を有効活用することができるため、次のステップS103へと移行する。一方、被検体12に対して最初の撮像である場合は、被検体12の撮像において、パラメータ情報を利用することができないため、従来通りの方法によりパラメータの決定をおこなう(ステップS102)。
【0100】
そして、被検体12について、過去の撮像の際と同一の送信用コイルを用いているか否かを判定する(ステップS103)。過去の撮像の際と同一の送信用コイルを用いていた場合、記憶部13に記憶されたパラメータ情報を有効に活用できるため、次のステップS104へと移行する。一方、送信用コイルが異なっている場合、コイルの特性などを考慮して送信する電磁波のパラメータを決定する必要があり、従来の方法でパラメータの決定をおこなうために、ステップS102に移行する。
【0101】
そして、被検体12を積載しているテーブルの移動量が規定値を超えているか否かを判定する(ステップS104)。テーブルの移動量が数cm程度の移動であれば、被検体12のうち、実際に電磁波が照射される領域は同一と見なすことができるため、過去の撮像に関するパラメータ情報を有効活用することができるためである。規定値は、MRI装置および被検体12の特性に応じて決定する必要があるが、本実施の形態においては5cmであるとする。一方、テーブルの移動量が大きい場合には、送信部5から送信する電磁波が照射される領域が変更されてしまうため、過去のパラメータ情報を用いることができない。したがって、テーブルの移動量が規定値を超えた場合には、ステップS102に移行する。
【0102】
その後、被検体12について、過去に撮像した時刻からの経過時間が規定時間を超えているか否かを判定する(ステップS105)。一般に、温度が変化した場合には原子の共鳴周波数も変化することから電磁波のパラメータも変化させる必要があるのに対して、短い時間の間であれば、特に被検体12の温度が変化することもなく、過去のパラメータ情報を活用できるためである。一方、過去の撮像終了から長時間が経過した場合、特に被検体12が人体である場合には、被検体12の温度が変化する可能性が高く、改めて従来の方法で中心周波数の決定をやり直す必要がある(ステップS111)。
【0103】
以後、本ステップS105までの条件を満たした過去の撮像におけるパラメータ情報を、以後のステップにおいて基準の情報として用いる。したがって、以下の説明において特に断らない限り、パラメータ情報とは本ステップまでの条件を満たした過去の撮像に関する情報とする。
【0104】
そして、水成分における水素原子の共鳴周波数ωw、脂肪成分における水素原子の共鳴周波数ωfもしくはそれらの平均値ωcのうち、いずれの位置に対して中心周波数を設定するかを決定する(ステップS106)。撮像の目的によって中心周波数を設定する位置を変化させる必要があるためである。なお、本ステップにおける中心周波数設定の位置の決定は、MRI装置で自動的におこなうこととしても良く、また、どの位置に設定するかを撮像者が操作部10を介してMRI装置に入力するものであっても良い。
【0105】
その後、中心周波数を設定する位置に応じて、演算部14は、中心周波数を算出する(ステップS107)。上述したように、記憶部13は共鳴周波数における差分値を記憶している。したがって、演算部14は、差分値を抽出し、中心周波数を設定する位置の情報に応じて式(1)、(2)を用いて中心周波数を算出する。
【0106】
そして、演算部14は、送信する電磁波の強度Iを算出する(ステップS108)。上述のように、パラメータ情報から、t0、θ0、α0を抽出し、操作部10を介してI、t、θ、αを入力した上で、演算部14で式(5)に示す演算をおこなうことで、送信する電磁波の強度Iを算出する。なお、操作部10を介した入力は、上記の値を直接入力しても良いが、あらかじめ何通りかのパターンを記憶部13に記憶しておき、撮像者が、その中の任意のパターンを選択することで直接入力に変えても良い。
【0107】
その後、受信ゲインの変更を行う(ステップS109)。なお、本ステップはあらゆる撮像においておこなうというものではなく、後述するスライス厚や、時間TR、TE、マトリックスもしくはスキャン方法が過去の撮像から変更された場合についてのみおこなえばよい。したがって、中心周波数の変更のみが過去の撮像と異なるような場合では、本ステップによって受信ゲインを変更する必要はない。
【0108】
そして、必要に応じて位相の補正をおこなう(ステップS110)。なお、本ステップについても、あらゆる撮像についておこなうというものではなく、たとえば、FSE法や、EPI法のような特殊な撮像方法が選択され、電磁波のパラメータが完全に同一でない場合におこなう必要がある。したがって、電磁波のパラメータが完全に一致する場合などでは、本ステップにおける位相補正をおこなう必要はない。
【0109】
以上で、RFコイル部3から被検体12に対して送信する電磁波のパラメータの決定は終了する。なお、決定されたパラメータの値は、記憶部13に記憶され、実際の磁気共鳴画像の撮像に用いられるとともに、次回以降の撮像におけるパラメータ決定をするためのパラメータ情報として活用される。
【0110】
次に、上記のパラメータ決定方法によって決定されたパラメータを有する電磁波を送信して磁気共鳴映像を撮像する方法について、説明する。図6は、本実施の形態において、磁気共鳴映像の撮像方法を示すフローチャートである。
【0111】
まず、勾配コイル部2がスライス方向に勾配磁場を印加するとともに、RFコイル部3は被検体12に対して電磁波を照射する(ステップS201)。スライス方向に勾配磁場を印加することにより、被検体12は、共鳴周波数が異なり、法線がスライス方向と一致する多数のスライスに分割される。そして、任意のスライスについての共鳴周波数と同一周波数の高周波パルスからなる電磁波を被検体12に送信することで、所望のスライスに含まれる原子のスピンのみを励起することができ、原子の位置に関して、スライス方向の座標について特定することができる。
【0112】
そして、勾配コイル部2は、被検体12に対して位相勾配磁場を印加する(ステップS202)。位相勾配磁場を印加することにより、ステップS201において選択されたスライス中に存在する原子から放出される電磁波の位相が、位相勾配磁場の分布にしたがって異なるものとなる。具体的には、スライスは、位相方向を短手方向とした複数の短冊に分割され、異なる短冊に属する原子からは、異なる位相の電磁波が放出される。したがって、本ステップ終了時点において電磁波を放出する原子の位置は、スライス方向の座標および位相方向の座標について特定できることとなる。
【0113】
そして、勾配コイル部2によって周波数勾配磁場を印加しながら、被検体12を構成する原子から放出されるNMR信号を、RFコイル部3によって受信する(ステップS203)。周波数方向に勾配磁場を印加することにより、RFコイル部3は、周波数方向に沿って異なる周波数のNMR信号を受信することができる。したがって、NMR信号を放出する原子に関して、周波数方向の座標を特定することができ、ステップS201〜S202とあわせて、NMR信号を放出する原子の位置が完全に特定される。そして、ステップS201〜S203の走査を位相方向のマトリックス数だけ繰り返し実施し、2次元のデータセットを得る。
【0114】
その後、2次元データセットについて2次元高速フーリエ変換をおこない、周波数に関するデータを得る(ステップS204)。被検体12を構成する原子から放出された電磁波の周波数は、原子の位置によって異なるため、周波数のデータから特定の原子の分布を知ることができる。
【0115】
そして、ステップS105で得たデータの強度を輝度値に変換し(ステップS205)、画像として出力する(ステップS206)。出力の態様は、スライスごとに2次元的に表示するものであっても、撮影対象物8について内部構造が分かるように、各部を半透明な構造で3次元的に表示するものであっても良い。また、出力の方法に関しても、モニタに出力するものであっても、プリントアウトされるものであっても良い。以上で本実施の形態にかかるMRI装置による撮像は終了する。
【0116】
本実施の形態におけるパラメータ決定の方法によれば、過去の撮像において送信した電磁波の情報を有効に活用することで、あらゆる撮像において最初から従来の方法でスキャンをやり直すことなく、所定の演算をおこなうことでパラメータの決定が終了する。しかも、おこなう演算の内容も、上述の式の通り、単純であるため、迅速にパラメータを決定することができる。
【0117】
また、静磁場の均一化に関して、上述のステップS101、S103〜S105の要件を満たした場合には静磁場の均一化のための作業は一切必要ない。同一被検体12の同一部位に対して、同一温度であるような場合には、静磁場の均一性の乱れは存在しないか、あるいは存在しても撮像に関してほとんど影響を与えないためである。したがって、撮像に要する時間を大幅に削減することが可能となる。
【0118】
また、本実施の形態におけるパラメータ決定の方法によれば、同一被検体12の同一部位に対して、異なる撮像方法で撮影する場合には、送信する電磁波のパラメータは、特殊な撮像方法でない限り同一の値となる。撮像方法以外の条件はすべて同一であるため、撮像方法の違いによって取得される画像がどのように異なるのかを客観的に調べることが可能となる。
【0119】
以上、本発明を上述の実施の形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述および図面は、この発明を限定するものではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかである。たとえば、本実施の形態においては、パラメータの決定をすべて上記の方法でおこなうものとしたが、送信する電磁波のパラメータ決定に際して、通常の方法と上記の方法のいずれかを選択できるようにしても良い。たとえば、同一被検体12を撮像する場合であっても、過去の撮像で良好な画像を得ることができなかった場合がある。その際に、過去の撮像におけるパラメータと異なる値で撮像する目的で、改めて従来通りの方法でパラメータの決定をおこなうという選択ができる。
【0120】
また、本実施の形態におけるステップS104は、撮像部位の変更がなされたか否かを判断することを本質とする。したがって、撮像部位の変更を検知する手段が別途存在する場合は、ステップS104の工程を変更して撮像部位の変更を検知しても良い。たとえば、MRI装置が、被検体12を移動させる構造ではなく、RFコイル部3を移動させることによって撮像部位の変更を行う構造としているのであれば、RFコイル部3の移動量を検知することで本ステップを代替することができる。また、ステップS103についても、RFコイル部3が単一のコイルのみを使用する場合には、コイルの変更をおこなう場合があり得ないため、省略することが可能である。
【0121】
さらに、ステップS105についても、その趣旨は温度変化による共鳴周波数の変動がパラメータ決定に影響を及ぼすことを避ける趣旨であるため、同様の趣旨の工程に置き換えることは可能である。ステップS105は、経過時間により温度変化を推定するメカニズムであるのに対し、たとえば、直接に撮像部位の内部温度を測定することができれば、より信頼性の高い判定が可能である。また、表面温度等から内部温度を推定することが可能であれば、表面温度の変化を測定し、温度変化が所定範囲内に収まっているか否かの判定によって本ステップに変えることができる。
【0122】
また、パラメータ決定の各ステップにおける判定においては、撮像者が判断をおこなって、判断の結果を操作部10を介して入力する仕組みとしてもよいし、MRI装置が自動的に判定する仕組みとしても良い。たとえば、ステップS105においては、撮像者が目視でテーブルの移動量を検知しても良いし、MRI装置に移動量検知手段をあらかじめ具備させて自動的に検出するものとしても良い。
【0123】
また、ステップS104における移動量や、ステップS105における経過時間についての規定値は、上述の値に限定されるものではない。この規定値は、MRI装置および被検体12の特性に応じて決定されるものであり、装置ごともしくは被検体12の種類ごとに異なったものとしても良い。さらに、たとえば、ステップS104において、移動量が4cm未満ならステップS105に移行し、移動量が4cm以上6cm以下なら警告メッセージを表示部11に出力して、ステップS105へ移行するか、ステップS102へ移行するか選択できるようにしても良い。この場合、撮像者の経験に基づいた判断も可能となるため、さらに適切なパラメータ決定をおこなうことができる。
【0124】
さらに、本実施の形態では中心周波数を水分子中の水素原子、脂肪分子中の水素原子、およびこれらの平均値に対して設定するものとしているが、これら以外の水素原子について中心周波数を設定するものについても、同様のメカニズムでパラメータ決定が可能である。また、本実施の形態は水素原子に注目しているが、別に水素原子に限定せずに、他の核種の原子の共鳴周波数に基づいて中心周波数の設定をおこなっても良い。
【0125】
さらに、図1において、制御部9、操作部10、表示部11、記憶部13、演算部14をそれぞれ別個の構成要素として表現しているが、これらの機能をすべて具備するコンピュータで代用することとしても良いし、コンピュータからMRI装置内部に設けられた制御部に対して指令を送る構造としても良い。
【0126】
また、上記のパラメータ決定方法について、操作部10を通じて撮像者が手動でおこなうこととしても良いが、より望ましい形態としては、上記のパラメータ決定をおこなうプログラムを記憶部13に格納しておき、プログラムを実行することで自動的にパラメータ決定をおこなうこととしても良い。プログラムで自動的にパラメータ決定をおこなう場合、撮像者の負担を軽減することができ、またパラメータ決定に要する時間をさらに軽減することができる。
【0127】
さらに、被検体12は、図1では人体として示されているが、必ずしもこれに限定されない。それと対応して、本実施の形態にかかるMRI装置は、医療目的に限定されず、たとえば、物質の内部構造を調べるための非破壊検査を目的としてもよい。その他、本実施の形態にかかるMRI装置は、内部の構造を示す磁気共鳴映像を撮像する行為全般に使用することが可能である。
【0128】
【発明の効果】
上述してきたように、第1の観点にかかる発明によれば、記憶手段が過去の撮像において送信した電磁波の中心周波数を記憶しておくことによって、この中心周波数に基づいて、これからおこなう撮像において送信する電磁波の中心周波数を算出することとしたため、中心周波数の決定に要する時間を大幅に短縮することができるという効果を奏する。
【0129】
また、第2の観点にかかる発明によれば、記憶手段が記憶している過去におこなった撮像において送信した電磁波のパラメータ情報に基づいて、これからおこなう撮像において送信する電磁波の強度を算出することとしたため、電磁波の送信強度の決定に要する時間を大幅に短縮することができるという効果を奏する。
【0130】
また、第3の観点にかかる発明によれば、パラメータ情報が、過去におこなった撮像において送信した電磁波の中心周波数、送信した電磁波の強度を含むこととしたため、パラメータ情報を活用して中心周波数および電磁波の強度を算出することができるという効果を奏する。
【0131】
また、第4の観点にかかる発明によれば、第1の算出手段における算出を具体的に規定することで中心周波数の算出をおこなうことができるという効果を奏する。
【0132】
また、第5の観点にかかる発明によれば、脂肪分子に含まれる水素原子の共鳴周波数と、水分子に含まれる水素原子の共鳴周波数は異なるが、その差分値は一定であるため、過去の撮像の際に送信した電磁波の中心周波数に対して差分値を演算することで送信する電磁波の中心周波数を算出することができるという効果を奏する。
【0133】
また、第6の観点にかかる発明によれば、前記送信強度を過去に送信した電磁波の波形に関する積分値に比例した値とすることで、過去の撮像において送信した電磁波のパラメータ情報を有効に活用して送信強度を算出することができるという効果を奏する。
【0134】
また、第7の観点にかかる発明によれば、積分値を過去に送信した電磁波の送信強度と、送信時間と、形状係数を乗算して求めることとしたため、実際に積分計算をおこなうよりも、信号強度の演算を迅速におこなうことができるという効果を奏する。
【0135】
また、第8の観点にかかる発明によれば、送信強度を求める演算を具体的に規定することとしたため、第2の算出手段が送信強度を算出することができるという効果を奏する。
【0136】
また、第9の観点にかかる発明によれば、過去の撮像と、これからおこなう撮像とが同一撮像領域に関するものかを同一性判断手段が判断することとしたため、過去の複数の撮像に関するパラメータ情報から有益なものを選択することができるという効果を奏する。
【0137】
また、第10の観点にかかる発明によれば、撮像領域の同一性を被検体の同一性と、同一被検体における撮像領域の同一性によって判断することとしたため、撮像領域の同一性をより厳密に判断することができるという効果を奏する。
【0138】
また、第11の観点にかかる発明によれば、被検体における撮像領域の同一性を、送信部の同一性と、送信部に対する被検体の相対的な移動量によって判断することとしたため、同一被検体における撮像領域の同一性を迅速に判断することができるという効果を奏する。
【0139】
また、第12の観点にかかる発明によれば、具体的に判断基準を規定することで、画一的に、同一被検体における撮像領域の同一性を判断することができるという効果を奏する。
【0140】
また、第13の観点にかかる発明によれば、一定時間経過した場合には所定の温度変化をしたものと推定することで、温度変化量の測定を容易におこなうことができるという効果を奏する。
【0141】
また、第14の観点にかかる発明によれば、温度変化量の判断基準を具体的に規定したため、画一的で、迅速な温度変化量の検知をおこなうことができるという効果を奏する。
【0142】
また、第15の観点にかかる発明によれば、過去におこなった撮像の際の電磁波の中心周波数に基づいて中心周波数を算出することとしたため、従来の試験的スキャンによって中心周波数を決定するよりも、迅速に中心周波数を決定することができるという効果を奏する。
【0143】
また、第16の観点にかかる発明によれば、過去に送信した電磁波に関する情報であるパラメータ情報を用いて送信強度を算出することとしたため、従来の試験的スキャンによって送信強度を決定するよりも、迅速に送信強度を決定することができるという効果を奏する。
【0144】
また、第17の観点にかかる発明によれば、パラメータ情報を、過去に送信した電磁波の中心周波数、送信強度を含むこととしたため、パラメータ情報を活用して中心周波数および電磁波の送信強度を算出することができるという効果を奏する。
【0145】
また、第18の観点にかかる発明によれば、中心周波数の算出を具体的に規定することで中心周波数算出工程を容易におこなうことができるという効果を奏する。
【0146】
また、第19の観点にかかる発明によれば、脂肪分子に含まれる水素原子の共鳴周波数と、水分子に含まれる水素原子の共鳴周波数は異なるが、その差分値は一定であるため、過去の撮像の際に送信した電磁波の中心周波数に対して差分値を演算することで送信する電磁波の中心周波数を算出することができるという効果を奏する。
【0147】
また、第20の観点にかかる発明によれば、前記送信強度を過去に送信した電磁波の波形に関する積分値に比例した値とすることで、過去の撮像において送信した電磁波のパラメータ情報を有効に活用して送信強度を算出することができるという効果を奏する。
【0148】
また、第21の観点にかかる発明によれば、積分値を過去に送信した電磁波の送信強度と、送信時間と、形状係数を乗算して求めることとしたため、実際に積分計算をおこなうよりも、信号強度の演算を迅速におこなうことができるという効果を奏する。
【0149】
また、第22の観点にかかる発明によれば、送信強度を求める演算を具体的に規定することとしたため、第2の算出手段が送信強度を算出することができるという効果を奏する。
【0150】
また、第22の観点にかかる発明によれば、過去の撮像と、これからおこなう撮像とが同一撮像領域に関するものかを同一性判断工程において判断することとしたため、過去の複数の撮像に関するパラメータ情報から有益なものを選択することができるという効果を奏する。
【0151】
また、第23の観点にかかる発明によれば、過去の撮像と、これからおこなう撮像とが同一撮像領域に関するものかを同一性判断工程において判断し、温度変化量についても判断することとしたため、過去の複数の撮像に関するパラメータ情報から有益なものを選択することができるという効果を奏する。
【0152】
また、第24の観点にかかる発明によれば、撮像領域の同一性を被検体の同一性と、その被検体における撮像部位の同一性によって判断することとしたため、撮像箇所の同一性をより厳密に判断することができるという効果を奏する。
【0153】
また、第25の観点にかかる発明によれば、同一被検体における撮像領域の同一性を、送信部の同一性と、送信部に対する被検体の相対的な移動量によって判断することとしたため、同一被検体における撮像領域の同一性を迅速に判断することができるという効果を奏する。
【0154】
また、第26の観点にかかる発明によれば、温度変化量の判断基準を具体的に規定したため、画一的で、迅速な温度変化量の検知をおこなうことができるという効果を奏する。
【0155】
また、第27の観点にかかる発明によれば、一定時間経過した場合には所定の温度変化をしたものと推定することで、温度変化量の検知を容易におこなうことができるという効果を奏する。
【0156】
また、第28の観点にかかる発明によれば、温度変化量の判断基準を具体的に規定したため、画一的で、迅速な温度変化量の検知をおこなうことができるという効果を奏する。
【0157】
また、第29の観点にかかる発明によれば、上記のMRイメージング方法をコンピュータ上で実行するプログラムとすることで、上記したMRイメージング方法をコンピュータ上で自動的におこなうことができるため、迅速に中心周波数の算出および送信強度の算出をおこなうことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態にかかるMRI装置の構成を示すブロック図である。
【図2】中心周波数の設定の違いによって得られるスペクトルの相違について示すグラフであり、(a)は、中心周波数をωfに設定した場合であり、(b)は、ωwに設定した場合であり、(c)は、中間に設定した場合のグラフである。
【図3】送信する電磁波の一例であるSINC関数の波形を示すグラフである。
【図4】フリップ角について説明するための図である。
【図5】送信する電磁波のパラメータの決定方法を示すフローチャートである。
【図6】磁気共鳴映像を撮像する方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 静磁場発生部
2 勾配コイル部
3 RFコイル部
4 勾配駆動部
5 送信部
6 受信部
7 アナログ・ディジタル変換部
9 制御部
10 操作部
11 表示部
13 記憶部
14 演算部

Claims (12)

  1. 被検体を載置する空間に静磁場を発生させる静磁場発生部と、勾配磁場を印加する勾配磁場発生部と、前記被検体の所定の撮像領域に対して電磁波を送信する送信部と、前記撮像領域からのNMR信号を受信する受信部とを備えたMRI装置であって、
    過去におこなった撮像の際に送信した電磁波の中心周波数、電磁波の強度および電磁波を送信した時間である送信時間についての情報を含む電磁波のパラメータについての情報であるパラメータ情報を記憶する記憶手段と、
    前記記憶した中心周波数に基づいて送信する電磁波の中心周波数を算出する第1の算出手段と、
    前記記憶したパラメータ情報に基づいて送信する電磁波の強度を算出する第2の算出手段と、
    前記算出した中心周波数および送信強度を有する電磁波を送信するように前記送信部を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とするMRI装置。
  2. 前記第1の算出手段は、前記パラメータ情報に含まれる中心周波数を抽出して、該中心周波数に対して所定数値を加算または減算することによって前記算出した中心周波数を得ることを特徴とする請求項1に記載のMRI装置。
  3. 前記所定数値は、脂肪分子に含まれる水素原子の共鳴周波数と、水分子に含まれる水素原子の共鳴周波数との差分値に基づいて得られる値であることを特徴とする請求項2に記載のMRI装置。
  4. 前記算出した送信強度は、前記過去におこなった撮像の際に送信した電磁波における波形の時間変数に関する積分値に比例した値であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のMRI装置。
  5. 前記記憶手段は、所定強度を有し所定の送信時間を有する電磁波の波形の積分値である形状係数をさらに記憶し、
    前記積分値は、前記過去におこなった撮像において送信した電磁波の送信強度と、送信時間と、前記形状係数との乗算値から得られる値であることを特徴とする請求項4に記載のMRI装置。
  6. 前記記憶手段は、前記過去におこなった撮像におけるフリップ角をさらに記憶し、
    前記第2の算出手段は、前記積分値を電磁波の送信時間、形状係数および前記過去におこなった撮像におけるフリップ角によって除算し、さらにこれからおこなう撮像におけるフリップ角を乗算することで前記算出した送信強度を得ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のMRI装置。
  7. 前記撮像領域が前記過去におこなった撮像における撮像領域と同一であるか否かを判断する同一性判断手段と、
    前記撮像領域が同一の場合に前記過去におこなった撮像時からの前記撮像領域の温度変化量を検知する温度測定手段と、をさらに備え、
    前記撮像領域が同一であると判断され、前記温度変化量が所定値以下であると判断された場合に、前記第1の算出手段が送信する電磁波の中心周波数を算出することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のMRI装置。
  8. 前記同一性判断手段は、被検体の同一性と該被検体における撮像領域の同一性とによって前記撮像領域の同一性を判断することを特徴とする請求項7に記載のMRI装置。
  9. 前記同一性判断手段は、電磁波を送信する前記送信部の同一性と前記送信部に対する前記被検体の移動量とに基づいて前記被検体における撮像領域の同一性を判断することを特徴とする請求項7または8に記載のMRI装置。
  10. 前記同一性判断手段は、前記送信部が同一であって前記移動量が5cm以下である場合に前記被検体における撮像領域が同一であると判断することを特徴とする請求項9に記載のMRI装置。
  11. 前記温度測定手段は、前記過去におこなった撮像から経過した時間に基づいて温度変化量を推定することを特徴とする請求項7〜10のいずれか一つに記載のMRI装置。
  12. 前記温度測定手段は、前記過去におこなった撮像から経過した時間が5分以下である場合に前記温度変化量が所定値以下であると判断することを特徴とする請求項11に記載のMRI装置。
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