JP3884565B2 - 非接触icカード用リーダ/ライタ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触ICカード用リーダ/ライタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
非接触ICカードは、ICカード内に電源を持たず、リーダ/ライタ装置から電磁結合により電力が供給され、その電力で動作する。また、データ通信も同じ電磁結合により非接触で行われる。図8は、リーダ/ライタ装置側の電力供給部と、非接触ICカード側の受電系統を示したもので、発振器1から出力された周波数fcの高周波が増幅器2で増幅され、整合回路3を介して自己インダクタンスL1のアンテナコイルへ供給される。このアンテナコイルには、伝送効率を上げるため、容量C1の同調コンデンサが直接接続されている。図中R1はこのアンテナコイルの損失抵抗を表している。
【0003】
非接触ICカード側のアンテナコイルにも同調コンデンサC2が並列接続されており、自己インダクタンスL2と共振して伝送効率を高めるようにしている。この非接触ICカード側のアンテナコイルがリーダ/ライタ装置側のアンテナコイルと電磁結合すると誘起電圧が発生し、これがダイオード回路4で整流され、レギュレータ5で所定の電圧に調整され、IC回路6へ供給される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
非接触ICカードでは、リーダ/ライタ装置のアンテナコイルからICカードが動作可能な距離の範囲が決められており、その動作範囲の中では電力を最も多く受電する位置と最も少ない電力を受電する位置があり、この動作範囲内で受電する電力に差がある。そして非接触ICカードが動作範囲内で安定するためには、最も少ない電力を受電する位置で非接触ICカードが動作するために必要な電力を受電できるように、リーダ/ライタ装置の出力が設定されている。従って最小の電力を受電する位置以外では、非接触ICカード内のIC回路が必要とする電力以外のエネルギーは余分となり、レギュレータはこの余分の電力を熱放散して所定の出力電圧が得られるようにしている。このために非接触ICカードの動作範囲内であっても、その位置によってはレギュレータから発生する熱量が大きくなり、電力を最も多く受電する位置で最大になる。この際、レギュレータで発生する熱により直接ICを破損したり、その熱によりICカードの形成材である合成樹脂等が変形することによってICを破損する恐れがある、また、レギュレータが許容する入力電圧より大きい電圧がかかると、レギュレータを破損してしまう恐れがある。特に非接触ICカードがリーダ/ライタ装置の動作範囲内に長時間放置された場合にはこうした問題が発生しやすくなる。
【0005】
本発明の目的は、非接触ICカードへの過電力伝送による発熱でICを破損したり、またはレギュレータの過電圧による破損が生じないようにした非接触ICカード用リーダ/ライタ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、非接触ICカードのアンテナと自装置のアンテナの電磁結合によって非接触ICカードへ電力を供給する機能を有したリーダ/ライタ装置であって、
自装置のアンテナへ供給する高周波供給電力を制御するための電力制御手段と、
自装置のアンテナへの入力高周波電圧又は電流を検出するための検出手段と、
該手段により検出された入力高周波電圧又は電流と前記電力制御手段の出力電圧とから非接触ICカードのアンテナと自装置のアンテナの結合係数を求めるための結合係数算出手段と、
該手段により求められた結合係数から非接触ICカードの受電電力が予め定められた値となるように前記電力制御手段の出力電圧を制御するための制御手段と、
を備えると共に、
前記検出手段で検出した高周波電圧又は電流が予め定めた時間以上変化がないことを条件に、前記電力制御手段の出力電圧を低下させる第2の制御手段を設けたことを特徴とする非接触ICカード用リーダ/ライタ装置を開示する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明になるリーダ/ライタ装置の構成例を示すブロック図で、電力伝送に関係する部分のみを図示している。従来の図8と同一回路は同一符号で示されており、それら同一符号で示された回路の他に、増幅器2の出力高周波の電圧V(実効値)を検知するための電圧検知回路11と、出力電力を可変制御するための電力制御回路13とが付加されている。リーダ/ライタ装置用IC12は、従来からリーダ/ライタ装置の動作制御を行うために設けられているものであるが、前記の電圧検知回路11の出力信号もこのIC12へ入力される。
【0010】
図2は、図1の電力伝送系統の等価回路である。この等価回路で、電源20は図2の発振器1及び電力制御回路13からなる回路で、その出力電圧をVsとする。周波数fc=13.56MHz、増幅器2の出力インピーダンスRS=50Ω、リーダ/ライタ装置のアンテナの自己インダクタンスL1=6.8μH、カードアンテナの自己インダクタンスL2=1.5μH、リーダ/ライタ装置のアンテナの損失R1=12.5Ωとし、C1はL1と、C2はL2とそれぞれ周波数fcに共振がとれており、整合回路3はリーダ/ライタ装置のアンテナと発信機の出力インピーダンスRsとの整合を取っているものとし、さらにカードICの疑似負荷であるRL=2.56kΩとする。両アンテナの相互インダクタンスをMとすると両アンテナの結合係数kは
【数1】
k=M/(L1・L2)1/2
であるから、この結合係数kを与えればMが決まる。そこで電源20の出力電圧Vsをパラメータとし、結合係数kを0〜0.1まで、0.01間隔で変化させた場合の出力電圧Vを図2の等価回路を用いてシミュレートすると、図3のような結果が得られる。即ち、結合係数kが増大するにつれて増幅器2の出力電圧Vは増大する。但しこのような電圧Vは、増幅器2の出力インピーダンスRsがあまり小さいと変化が殆ど現れないが、通常はRs=50Ωあるいは75Ωのものが用いられるので、電圧Vが結合係数kの変化に伴って変化する。
【0011】
図3の結果から、電源20の出力電圧、即ち電力制御回路13の出力電圧Vsと増幅器2の出力Vが与えられと、そのときの結合係数kの値が一意に決まることがわかる。電力制御回路13の出力電圧VsはIC12により制御されるので、IC12にはVsの値はわかっており、また電圧検知回路11の出力信号から増幅器2の出力電圧VもIC12にはわかっている。従って図3のような回路特性が与えられれば、IC12は各時点に於ける結合係数kの値を知ることができる。
【0012】
その具体的な方法として例えば次のものがある。まず図3からも容易にわかるが、Vsとkの関数である電圧VはVsの値に比例している。従って
【数2】
V=Vs・f(k)
とかける。従って例えば図3の任意のVsに対して各kの値にたいするf(k)をV/Vsから求めておけば、この関数f(k)はVsに依存しない曲線である。そこでこの関数f(k)とV/Vsの関数を予め等価回路を用いて計算により求めておくか、あるいは実験的に求めて第1テーブルとし、IC12内のROMに格納しておく。そうすれば各時点のVとVsの値から結合係数kの値をそのテーブルを参照して容易に求めることができる。またf(k)の逆関数
【数3】
k=f-1(V/Vs)
をテーブルではなく、理論式あるいは近似式として求め、IC12内のプログラムに持たせておいてもよい。
【0013】
リーダ/ライタ用IC12にはもう一つのテーブルもしくは数式を用意する。非接触ICカードの受信電力として、カードが安定に動作し、かつ余分な熱を放出しなくてよいような受信電力をP0とする。非接触ICカードの受信電力Pは、リーダ/ライタ装置の増幅器2の出力電圧Vと結合係数kで決まるが、(数2)の関係を考えるとある関数gがあって
【数4】
P=g(Vs,k)
とかける。従って
【数5】
P0=g(Vs,k)
となるVsとkの関係を予め求めて第2テーブルとしてIC12内のROMに格納しておく。それもテーブルではなく近似関数で表しておいてもよい。
【0014】
リーダ/ライタ用IC12は、以上の第1及び第2テーブルを利用して図4に示したフローに従って送信電力の制御を行う。同図において、まず電力制御回路13の出力電圧Vsの設定値を初期化する(ステップ41)。このときの初期値は適当に定めればよく、例えば(数4)でk=0.05のときのVs値とする。次に電力制御回路13へ制御信号を出力してその出力電圧が初期化した設定値Vsとなるようにし(ステップ42)、制御タイミングを待つ(ステップ43)。制御タイミングになると電圧検知回路11の出力信号を取り込んで増幅器2の出力電圧Vを求め(ステップ44)、次いで前記した第1テーブルからV/Vsに対する結合係数kを求める(ステップ45)。そしてその求めた結合係数kに対するVsの値を第2テーブルから求め(ステップ46)、ステップ42へ戻って電力制御回路13出力電圧が今求めたVsとなるように制御する。
【0015】
以上のサイクルを繰り返すことで、非接触ICカードの受電電力は常にほぼ設定値P0となるように制御されるので、発熱や過電圧による非接触ICカード回路の損傷を確実に防止でき、安定な動作を実現できる。なお図4の制御サイクルの周期としては、非接触ICカードが人に所持されて移動したときの結合係数の変化に追従できればよいから、例えば20msec程度に設定しておけばよく、IC12のCPUへのオーバーヘッドとしてはわずかなものでよく、他の動作の妨害となることはない。
【0016】
図5は、本発明になるリーダ/ライタ装置の別の構成例を示すブロック図で、図1の構成と異なるのは、図1の電圧検知回路11に変わって電流検知回路14を設けていることである。この構成例では増幅器2の出力電流Iを電流検知回路14で検出して電流信号を出力するが、2つのアンテナの結合度kと増幅器2の出力電流Iとの間の関係は、電力制御回路13出力電圧Vsをパラメータとして求めると図6のようになる。この関係はやはり図2の等価回路を用いて図3のときと同じ回路定数を与えてシミュレートした結果である。
【0017】
図5にみられるように、両アンテナの結合係数kの増大とともに出力電流Iは単調に減少していて、電力制御回路出力電圧Vsと出力電流Iがわかれば結合係数kが一意に定まる。そして出力電流Iが電圧Vsに比例するのも図3の場合と同様である。
【数6】
I=Vs・h(k)
従ってこの場合は図1の場合と違ってI/Vsとh(k)の関係を前述の第1テーブルに代わるテーブル(第3テーブルという)として用意しておけば、VsとIの検出値から結合係数kが求められる。そうすると求めたkに対して適切な受電電力P0を非接触ICカードに与える電圧Vsが前述の第2テーブル(数4)の関係から求められので、やはり図1と同様な制御が可能となる。このときのIC12における制御フローを図7に示す。これはステップ74で電圧Vに変わって電流Iを求め、ステップ75で参照するテーブルを前述の第3テーブルとしたものであって、他の部分は図4と同じである。なお、図4、図7のいずれにおいても、テーブルに代わって近似関数を用いてもよいことはいうまでもない。
【0018】
以上のようにして、非接触ICカードでの過剰な発熱や過電圧による損傷を防止することができるが、そのための出力電力の制御にあたっては、非接触ICカードでの所要電力に多少の余裕を持たせて制御誤差があっても確実に非接触ICカードの動作を保証するようにする。従ってレギュレータ4に於ける多少の余分な発熱は避けられず、正規動作による各回路からの発熱もある。このため、非接触ICカードを動作範囲内に長時間放置したときには、電圧検知回路11または電流検知回路14の出力信号をIC12で監視し、その変化分ΔVまたはΔIが所定値をこえたときにタイマーを起動し、その後そのタイマーの設定時間をオーバーして検出値VまたはIが所定値以上の変化しないときは、非接触ICカードが動作範囲内に放置されたものと判断して電力制御回路13の出力電圧Vsを0かあるいは大幅に低下させるようにする。上記のタイマーとしてはIC12の内臓タイマーあるいはソフトで実現すればよく、またタイマー設定時間としては通常の非接触ICカードの処理に要する時間の例えば10倍程度の値にして於けばよい。このような機構を組み込めば、非接触ICカードが動作範囲に放置されたときでも、不要な電力消費を防止し、また発熱等による破損をより確実に防止できる。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、非接触ICカードが動作範囲のどこにあっても、また動作範囲の中に長時間放置されても、発熱や過電圧のために損傷を受けるのを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるリーダ/ライタ装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】非接触ICカードへの電力伝送系統の等価回路である。
【図3】リーダ/ライタ装置のアンテナと非接触ICカードのアンテナの結合係数kに対する増幅器出力電圧Vの関係を示す図である。
【図4】 図1のIC12による電力制御のフローである。
【図5】本発明になるリーダ/ライタ装置の別の構成例を示すブロック図である。
【図6】リーダ/ライタ装置のアンテナと非接触ICカードのアンテナの結合係数kに対する増幅器出力電流Iの関係を示す図である。
【図7】図4のIC12による電力制御のフローである。
【図8】従来のリーダ/ライタ装置の構成説明図である。
【符号の説明】
2 増幅器
11 電圧検知回路
12 リーダ/ライタ用IC
13 電力制御回路
14 電流検知回路
Claims (1)
- 非接触ICカードのアンテナと自装置のアンテナの電磁結合によって非接触ICカードへ電力を供給する機能を有したリーダ/ライタ装置であって、
自装置のアンテナへ供給する高周波供給電力を制御するための電力制御手段と、
自装置のアンテナへの入力高周波電圧又は電流を検出するための検出手段と、
該手段により検出された入力高周波電圧又は電流と前記電力制御手段の出力電圧とから非接触ICカードのアンテナと自装置のアンテナの結合係数を求めるための結合係数算出手段と、
該手段により求められた結合係数から非接触ICカードの受電電力が予め定められた値となるように前記電力制御手段の出力電圧を制御するための制御手段と、
を備えると共に、
前記検出手段で検出した高周波電圧又は電流が予め定めた時間以上変化がないことを条件に、前記電力制御手段の出力電圧を低下させる第2の制御手段を設けたことを特徴とする非接触ICカード用リーダ/ライタ装置。
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| JP13983398A JP3884565B2 (ja) | 1998-05-21 | 1998-05-21 | 非接触icカード用リーダ/ライタ装置 |
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| JP13983398A Expired - Fee Related JP3884565B2 (ja) | 1998-05-21 | 1998-05-21 | 非接触icカード用リーダ/ライタ装置 |
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