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JP3884882B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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JP3884882B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子写真方式或は静電記録方式を用い、現像剤により記録材上に未定着のトナー像を形成し、その後該未定着トナー像を加熱、加圧することにより記録材上に定着する、例えば複写機、プリンタなどとされる画像形成装置に関し、特に定着装置への記録材の通過検出に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば電子写真複写機などとされる、電子写真方式を用いた画像形成装置が知られている。図14は、電子写真方式を用いた従来の画像形成装置の概略構成を示す。
【0003】
画像形成装置は、矢印方向に回転可能に支持された像担持体としての、例えばドラム状とされる電子写真感光体(以下、「感光ドラム」と呼ぶ。)10を有し、画像形成動作が開始すると、該感光ドラム10の表面を一次帯電手段としての、例えば一次帯電器11が一様に帯電する。その後画像情報に応じた、例えばレーザ光Bにより感光ドラム10の表面は露光されて、該表面に静電潜像が形成する。この静電潜像は、感光ドラム10の回転に伴い、現像器12と対向する現像位置にて、現像器12が有する現像剤(トナーを含む。)によって可視化され、感光ドラム10上にトナー像が形成する。
【0004】
一方、給紙カセット17に収容された記録材Pが、感光ドラム10上のトナー像の形成に同期するようにして、感光ドラム10と転写手段としての例えば転写帯電器13とが対向する転写位置まで搬送され、感光ドラム10上のトナー像がこの記録材P上に転写される。
【0005】
その後、転写により未定着のトナー像を担持した記録材Pは定着装置30まで搬送され、この定着装置30が記録材Pを加熱、加圧することによって、未定着トナー像は記録材P上に定着し、永久画像となる。
【0006】
こうして画像形成がなされた記録材Pはその後画像形成装置外に排出される。又、転写が終了した後に感光ドラム10上に残留する転写残トナーなどは、クリーニング装置14が除去し、画像形成装置は繰り返し画像形成を行うことができる。
【0007】
上記従来の画像形成装置にて用いられる定着装置30は、定着回転体として、例えば内部に加熱手段を有する一対の定着回転体、即ち、加熱定着回転体及び加圧定着回転体を互いに押圧するように設けて構成される。定着回転体としては、ローラ状とされる定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bがある。
【0008】
定着ローラ31a及び加圧ローラ31bは同じ形状、構成とすることもできるし、又異なる形状、構成とすることもできる。
【0009】
従来、上述の画像形成動作中に、画像形成装置内にて、例えば定着ローラ31aに記録材Pが巻き付いて滞留する、所謂、滞留ジャムがしばしば発生していた。
【0010】
そこで、記録材Pの通過タイミングを検出するために、記録材Pの通過経路中の複数個所に通過検出センサ25を設け、記録材Pの滞留ジャムなどの検知、及び報知を行っていた。
【0011】
従来、この通過検出センサ25は、LED、及びフォトセンサを有するフォトインタラプタと、このフォトインタラプタの光路を遮蔽するための可動とされるレバー或は遮蔽板とによって構成されるものが知られている。
【0012】
上記従来の通過検出センサ25において、特に、加熱加圧処理を施す定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bを記録材Pが通過したことを検知するために備えられる通過検出センサ25は、センサ自身の使用温度環境を考慮して、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bから或る程度離間する位置、即ち、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bから記録材Pの搬送方向に或る程度下流側に設けていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の通過検出センサ25は、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bから或る程度離間する位置に配設されていたために、未定着トナー像の定着を受けた後の記録材Pの通過の遅延、或は滞留ジャムを速やかに検出することが困難であった。
【0014】
その結果、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bへの記録材Pの巻き付きや、記録材Pの不正な挙動による画像形成装置の一部破損などが発生する問題があった。
【0015】
又、通過検出センサ25はフォトインタラプタ及びフォトインタラプタの検知光の光路を遮蔽するために可動とされるレバー或は遮蔽板によって構成されているため、可動とされるレバー或は遮蔽板が検知光を遮蔽する位置、或は透過させる位置に固定されたり、或はこれらの可動力が変化するなどの動作不良が発生する。その結果、正確な記録材Pの通過検知ができず、ジャムの検知に異常が生じて、最悪の場合には、ジャムが発生しているにも拘わらずそれを検知できないといった問題が生じる。
【0016】
従って、本発明の目的は、定着回転体への記録材の通過及び/又は通過枚数を速やかに検知することができ、又、動作不良が生じ難く、定着回転体への記録材の通過及び/又は通過枚数を正確に検知することが可能な画像形成装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、未定着のトナー像を担持した記録材を、加熱手段を有する定着回転体を通過させることにより永久画像を得る画像形成装置において、前記定着回転体の表面温度に応じた温度信号を出力する表面温度検出手段であって、前記定着回転体の表面温度に応じた前記定着回転体からの赤外線放射量を検出する赤外線検出手段を有し、前記定着回転体の表面とは離間して前記定着回転体の表面温度を検出する表面温度検出手段と、前記表面温度検出手段が出力する前記温度信号に基づき、前記定着回転体の表面温度が予め設定され温度となるように前記加熱手段による前記定着回転体の加熱を制御する温度調整手段と、を有し、複数の前記記録材が連続して前記定着回転体を通過する際に、前記記録材が前記定着回転体を通過する毎の前記表面温度検出手段が出力する前記定着回転体の表面温度に応じた前記温度信号の変化に基づき、前記定着回転体への前記記録材の通過を検出することを特徴とする画像形成装置である。本発明の一実施態様によると、複数の前記記録材が連続して前記定着回転体を通過する際に前記定着回転体への前記記録材の通過を検出することにより、前記記録材の画像形成装置内部での滞留を検出する。又、好ましくは、前記表面温度検出手段が出力する前記温度信号の変化として、前記記録材によって熱を奪われない間の前記定着回転体の表面温度と、前記定着回転体を通過する前記記録材により熱を奪われる間の前記定着回転体表面の温度との差に基づく変化を検出する。
【0018】
本発明の一実施態様によると、前記表面温度検出手段が出力する前記温度信号に対して、微分処理及び/又は積分演算処理を施し、この演算結果に基づき複数の前記記録材が連続して前記定着回転体を通過する際に前記定着回転体への前記記録材の通過を検出する。又、その一実施態様によると、前記微分及び/又は積分演算処理の演算結果における変化に基づいて、複数の前記記録材が連続して前記定着回転体を通過する際に前記定着回転体への前記記録材の通過を検出し、好ましくは、前記微分及び/又は積分演算処理の演算結果における変化として、前記記録材によって熱を奪われない間の前記定着回転体の表面温度と、前記定着回転体を通過する前記記録材により熱を奪われる間の前記定着回転体表面の温度との差に基づく変化を検出する。
【0019】
本発明の他の実施態様によると、複数の前記記録材が連続して前記定着回転体を通過する際に前記定着回転体への各前記記録材の通過を検出することにより、前記定着回転体への前記記録材の通過枚数を検出する。又、本発明の他の実施態様によると、前記表面温度検出手段は前記赤外線検出手段の出力する前記温度信号の補償を行うためのサーミスタを有する。
【0020】
本発明の他の実施態様によると、前記温度信号は、前記温度信号に対して、A/D変換、温度算出のための演算処理など所望の処理を施した前記定着回転体の表面温度データを含む。
【0021】
本発明の他の実施態様によると、前記定着回転体は、加熱定着回転体又は加圧定着回転体であり、又その一実施態様によると前記定着回転体は、ローラ形状とされる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0023】
実施例1
図1に、本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成を示す。本実施例によると、本発明は、電子写真方式のデジタル複写機にて具現化されるが、本発明は、これに限定されるものではなく、アナログ式複写機、カラー複写機、プリンタなど、電子写真方式を用いた任意の画像形成装置、又、静電記録方式の画像形成装置に適用可能である。
【0024】
図1の画像形成装置は、リーダ部Rとプリンタ部Gとに大別される。リーダ部Rは、原稿を載置する原稿台2、該原稿台2に載置された原稿を原稿台2に押圧する原稿圧板1、原稿の画像面に光を照射する光源3、原稿の画像面からの反射光をCCDにより光電変換し、得られた電気信号に対して種々の画像処理を行う画像処理部6、及び斯かる画像処理部6に反射光を導くミラー群4及びレンズ5を主要な構成部材としている。
【0025】
画像処理部6は、CCDによる光電変換の他、A/D変換、S/H、シェーディング補正、マスキング補正、変倍、LOG変換などの画像処理機能を有している。
【0026】
リーダ部Rは、次のように動作する。即ち、原稿台2に原稿を、画像面が原稿台2側に向くようにして載置し、これを原稿圧板1で押さえる。光源3は、光を照射しながら矢印A方向に移動し、原稿の画像面に光を走査させる。画像面からの反射光像は、ミラー群4及びレンズ5を介して画像処理部6が有するCCD上に結像し、ここで電気信号に光電変換される。電気信号となった画像信号は、画像処理部6において、種々の画像処理が施された後、後述するプリンタ部Gに送出される。
【0027】
プリンタ部Gは、図1に示すように、像担持体としてのドラム状の電子写真感光体、即ち、感光ドラム10を矢印方向に回転可能に支持している。感光ドラム10の円周に沿って、一次帯電器11が備えられており、該感光ドラム10の表面を一様に帯電する。
【0028】
次に、リーダ部Rからの電気信号化された画像信号は、レーザ駆動回路7によって、露光手段としてのレーザ素子8を駆動する信号に変換され、レーザ素子8が該信号に従って発光するレーザ光Bをポリゴンスキャナ9が感光ドラム10上を走査することによって該表面を露光し、感光ドラム10の表面に静電潜像が形成する。
【0029】
この静電潜像は、感光ドラム10の回転に伴って現像器12と対向する現像位置に至り、現像器12が備える現像ローラ12aが静電潜像まで担持搬送する現像剤(トナーを含む。)によって可視化され、感光ドラム10上にトナー像が形成する。
【0030】
又、プリンタ部Gには、記録材Pを給送するために、搬送路24、給紙カセット17、給紙ローラ18、搬送ローラ19などが備えられており、給紙カセット17に収容された記録材Pが、感光ドラム10上のトナー像の形成に同期するようにして、感光ドラム10と転写帯電器13とが対向する転写位置まで搬送される。プリンタ部Gには、更にマルチ用紙送り装置21が設けられており、このマルチ用紙送り装置21からは、紙送り経路が概略直線であることから、材料、大きさなどの性状の異なる種々の記録材Pを画像形成装置内に供給することができる。
【0031】
このようにして転写位置まで搬送されてきた記録材P上に、感光ドラム10上のトナー像が転写帯電器13の作用により静電的に転写される。
【0032】
その後、転写により未定着のトナー像を担持した記録材Pは、定着前ベルト20によって定着装置30まで搬送され、詳しくは後述するが、定着装置30が備える、定着回転体としての定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bがそれぞれ矢印方向に当接回転することにより記録材Pを加熱、加圧し、未定着トナー像は記録材P上に定着し、永久画像となる。
【0033】
こうして画像形成がなされた記録材Pはその後画像形成装置外に排出される。又、転写が終了した後に感光ドラム10上に残留する転写残トナーなどは、クリーニング装置14が除去し、補助帯電器15が感光ドラム10の表面を除電して、更に前露光ランプ16が感光ドラム10上の残留電荷を除去する。こうして画像形成装置は繰り返し画像形成を行うことができる。
【0034】
次に、図2をも参照して、本実施例の画像形成装置の動作を更に説明する。図2は、本発明に係る画像形成装置の画像形成動作に関する主要構成部材を模式的に示す。
【0035】
本実施例の画像形成装置の、画像形成動作及び記録材Pの搬送を含む種々の動作は、CPU(中央演算処理装置)を内包するシステムコントローラ50によって統括的に制御する。システムコントローラ50は、図2に示すように、リーダ部Rの一部構成し、CCDによって読み取られた画像信号を画像処理部6にA/D変換された画像データとして送出する画像入力部51、画像処理部6、及びレーザ駆動回路7を制御することでレーザ素子8を駆動し、感光ドラム10上に静電潜像を形成する。ここで、レーザ駆動回路7は、画像処理部6を介して入力された画像情報に基づき、半導体レーザ(レーザ素子)8を変調駆動する。
【0036】
従来、画像形成装置において、記録材P上に転写されたトナー像が定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bに加熱及び加圧されると、未定着のトナーが融解し、その粘性によって、特に、直接トナー像に接する、本実施例では上側に位置する定着ローラ31aに記録材Pが巻き付く問題がしばしば発生する。又、記録材Pと感光ドラム10の静電気力により、記録材Pが感光ドラム10の表面に吸着し、定着装置30まで到達することができずに、感光ドラム10に巻き付く問題もしばしば発生する。
【0037】
そこで、従来、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31b及び感光ドラム10近傍に、記録材Pをそれぞれの表面から分離するために分離爪(図示せず)を設け、定着ローラ31a、加圧ローラ31b、及び感光ドラム10への記録材Pの巻き付きを防止している。
【0038】
本実施例の画像形成装置は、後述して詳しく説明するが、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bの近傍に、それぞれの表面温度を検出するために、表面温度検出手段としての赤外線温度センサ40a、40bを備えており、これらは定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bの温度制御に供されると同時に、これらが検出する定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bの表面の微小な温度変化に基づき、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bへの記録材Pの通過及び/又はその枚数を検出する。
【0039】
又、後述して説明するが、本実施例の画像形成装置は、定着ローラ31a、及び感光ドラム10の近傍に、それぞれ微小変位センサ60a、60bをも有している。微小変位センサ60a、60bは、それぞれ定着ローラ31a、感光ドラム10との間の距離を検出し、記録材Pの巻き付きによる斯かる距離の変位を検出することで、それぞれへの記録材Pの巻き付きを検知し、記録材Pの搬送不良を的確に検知する。
【0040】
次に、図3〜図5を参照して、本実施例の画像形成装置の定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bの表面温度検出について説明する。図3は、本実施例の定着装置30及びその表面温度検出手段を模式的に示す。
【0041】
図3に示すように、定着装置30は、定着回転体として、内部に加熱手段であるハロゲンヒータ3a、32bを備える一対の定着回転体、即ち、加熱定着回転体及び加圧定着回転体を互いに押圧するように設けて構成される。本実施例では定着回転体はローラ形状の定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bとされる。
【0042】
本実施例の画像形成装置は、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bの外表面の温度を検出するための表面温度検出手段として、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bが放射する赤外線を検出し、赤外線量を温度に変換して測定する非接触型の表面温度検出手段である赤外線温度センサ(以下、単に「赤外線センサ」と呼ぶ。)40a、40bを有する。赤外線センサ40a、40bは、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bの長手方向、即ち、記録材Pの搬送方向に直交する方向の長さの中央部表面の温度を検出する位置に、該表面から離間して対向配置される。
【0043】
ここで、従来の画像形成装置では、サーミスタなどの温度センサを、定着ローラに接触させるか、或は定着ローラの極近傍に配置して、定着ローラの表面温度を検出していた。しかし、このような表面温度検知手段では、温度センサを定着ローラに接触させたり、或はそれに近い状態にするため、定着ローラの摩耗するなどの問題が生じていた。本実施例では、赤外線センサ40a、40bは、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bの表面には非接触であるので、上述の問題は発生しない。
【0044】
図4は、本実施例の赤外線センサ40aの構造をより詳しく示す。赤外線センサ40bも同一構造であるので、赤外線センサ40aを例に挙げて説明する。
【0045】
図4に示すように、赤外線センサ40aは、定着ローラ31aからの放射熱に対応する赤外線だけを赤外線センサ40a内部に照射させ、その赤外線量を検出して温度に変換するために、サーモパイル41aにより形成される赤外線検出手段を有しており、サーモパイル41aに入射される赤外線量に応じた電圧を出力することができる。
【0046】
定着ローラ31aからサーモパイル41aに至る赤外線の入射路のサーモパイル41aの手前には、赤外通過フィルタ及び集光レンズ43aが設けられており、定着ローラ31aの表面の決められた領域のみから放射される赤外線を検出し、且つ決められた波長領域の光、即ち、赤外線のみを検出することができる。
【0047】
又、サーモパイル41aは熱電対にて構成されおり、この熱電対の赤外線が照射されて発熱する側をホットジャンクション、発熱させない側をコールドジャンクションとして、その温度差を電圧として出力するものである。従って、コールドジャンクション側の温度、即ち、赤外線センサ40a自身の温度を検出する必要があり、そのためにサーミスタ42aが備えられる。
【0048】
ここで、サーモパイル41aの出力電圧に対する、被測定体温度(本実施例では、定着ローラ31a表面温度)、及び赤外線センサ40a自身の温度の関係は次式にて表わされる。
【0049】
E=A(Tx4−Ta4) ・・・(1)
E :出力電圧
Tx:被測定体の温度(K)
Ta:赤外線センサ自身の温度(K)
A :定数
上式を用い、E及びTaを測定することによって被測定体、即ち、定着ローラ31aの温度を算出することができる。
【0050】
更に、赤外線センサ40aは、図4に示す素子に加えて、図5に示すアンプ回路などを有し、一体的に形成される。
【0051】
即ち、サーモパイル41aからの出力電圧は極めて低い(8mV/200℃)ので、これをA/D変換レベルまで増幅する必要があり、サーモパイル出力端子44aからのサーモパイル出力Piに対して、アンプ回路47aによって約1000倍のゲインをかけた出力Poとする。
【0052】
又、赤外線センサ40a自体の温度を測定するサーミスタ42aは、温度に従って、その抵抗値を変化するのみであるので、この抵抗値変化を電圧変化に変換するために、サーミスタ出力端子45aからのサーミスタ出力Miは、回路49aにおいて直流5V電源に接続された抵抗によって、電圧としての出力Moとされる。
【0053】
これらサーモパイル41a、サーミスタ42aからの出力電圧、即ち、定着ローラ31aの表面温度に応じた温度信号は、図3に示すA/D変換器48aによってA/D変換され、その後その信号はシステムコントローラ50に入力される。システムコントローラ50は、この信号から、上述の式(1)に基づく演算を行い、定着ローラ31aの温度を算出する。
【0054】
図3より理解されるように、以上のようにして得られた定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bの温度データに基づき、それぞれの定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bが所望の温度となるように、CPUを内包するシステムコントローラ50が統括的にハロゲンヒータ32a、32bのON/OFF制御を行う。即ち、ハロゲンヒータ32a、32bは、システムコントローラ50からの制御指令により、ヒータ制御部33を介してON/OFF制御される。本実施例では、ハロゲンヒータ32a、32bがAC駆動であるので、ヒータ制御部33の内部にはSSRを内蔵し、システムコントローラ50からの制御指令に基づいて、ヒータ供給用のAC電源のON/OFFを行う。
【0055】
即ち、本実施例では、システムコントローラ50及びヒータ制御部33は加熱手段であるハロゲンヒータ32a、32bの制御して定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bの表面温度を調整する温度調整手段として作用する。
【0056】
次に、表面温度検出手段(赤外線センサ)40a、40bの表面温度検出値に基づく、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bへの記録材Pの通過及び/又は通過枚数検出について詳しく説明する。ここでは、定着ローラ31a、即ち、記録材P上に担持された未定着トナー像に接する側の定着ローラ31aについて説明する。加圧ローラ31bについても同様である。
【0057】
図6(a)は、本実施例の画像形成動作に伴って赤外線センサ40aが検出し、定着ローラ31aの表面温度データとして演算された温度データを示し、横軸は画像形成に伴う時間経過、縦軸は検出温度をを示す。
【0058】
前述のように、本実施例の定着ローラ31aは、内部のハロゲンヒータ32aのON/OFF制御により、その表面温度が所望の目標温度(以下、「Tcon」と呼ぶ。)に一定になるように、規定の幅を持って制御されている。
【0059】
従って、赤外線センサ40aの温度検出値は、定着ローラ31aが停止しており、温度制御されている間は、図6(a)の時間軸初期のように、定着ローラ31aの表面温度の検出値は、ほぼTconとなる。
【0060】
しかし、画像形成動作が開始し、記録材P上が定着装置30に搬送されて定着動作が開始すると、同図の時間軸中ほどのように、定着ローラ31aの表面温度検出値には振幅が発生する。これは、記録材Pが、規定の間隔を開けて順次定着装置30に搬送されてくるためである。
【0061】
つまり、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bが記録材Pを挟持し、記録材Pを加熱して未定着トナー像を定着している状態では、定着ローラ31aの表面温度が一時的に下がり、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bが記録材Pを挟持せず、記録材Pを加熱していない間、即ち、記録材Pと続く記録材Pの間隔に相当する状態では、定着ローラ31aの温度はもとの温度Tconに戻ろうとするためである。
【0062】
更に、記録材Pが順次定着装置30に到達して、定着動作を連続して実施すると、定着ローラ31aの内部のハロゲンヒータ32aは連続点灯状態となり、その際、定着ローラ31aの表面温度は、飽和温度(Tx)近傍における振幅に安定するようになる。
【0063】
このように、定着ローラ31aを記録材Pが通過することによる定着ローラ31aの表面温度の変化を非接触型の表面温度検出手段である赤外線センサ40aによって検出することにより、記録材Pの定着ローラ31a及び加圧ローラ31bの通過及び/又は通過枚数を検出することが可能となる。
【0064】
尚、本実施例では、表面温度検出手段として、赤外線センサ40aを備えるので、上述のような微小な温度変化、即ち、定着ローラ31aを記録材Pが通過することによる温度検出値の振幅が検出できるが、従来のサーミスタによる接触型の温度センサでは、このような温度変化を認識するのは困難である。
【0065】
本実施例によると、図6(a)に示した定着ローラ31aの表面温度検出データに対して以下のような信号処理を施し、定着ローラ31aの通過及び/又は通過枚数を検出する。
【0066】
赤外線センサ40aによって検出された、定着ローラ31aの表面温度として演算された温度データは、図6(a)に示すように、記録材Pの通過による温度変化に対して、赤外線センサ40aに進入する電気ノイズ、及び定着ローラ31aの表面温度分布の乱れが重畳され、記録材Pの通過による温度変化を検出し難い波形として検出される。尚、本実施例では、画像形成速度がA4サイズの記録材Pで50枚/分であることに鑑み、定着ローラ31aの表面温度の検出は2mS(ミリ秒)毎としている。
【0067】
そこで、本実施例では、図6(a)の温度データに対して、赤外線センサ40aに進入する電気ノイズ、及び定着ローラ31aの表面温度分布の乱れの成分を除去するために、逐次積分演算(ローパス処理)を施す。その結果を図6(b)に示す。
【0068】
積分演算は、サーモパイル41a及びサーミスタ42aの出力電圧をA/D変換部48aがA/D変換した後、システムコントローラ50が定着ローラ31aの表面温度として算出した図6(a)のデータを、システムコントローラ50が逐次演算することで行う。又、その積分係数は、
(1 1 1 2 1 1 1)/8
d−3 d−2 d−1 d d+1 d+2 d+3
を用いる。尚、dは、積分対象データ、d+1、d−1はそれぞれ1つ後、1つ前のデータを表わしている(d+2、d+3及びd−2、d−3も同様に2つ後、3つ後などを表わす。)。
【0069】
上記の積分係数は、記録材Pの材料、厚さ、或は環境温度などを考慮して変更、或は係数の追加などを行うことが可能である。
【0070】
更に、本実施例では、図6(b)に示す上述の逐次積分の結果における、変化点を強調するために、逐次微分演算を施す。その結果を図6(c)に示す。逐次微分演算も、前述の逐次積分演算と同様に、システムコントローラ50にて逐次演算する。又、その微分係数は、
(−1 −1 −1 6 −1 −1 −1)
d−3 d−2 d−1 d d+1 d+2 d+3
を用いる。尚、dは、微分対象データ、d+1、d−1はそれぞれ1つ後、1つ前のデータを表わしている(d+2、d+3及びd−2、d−3も同様に2つ後、3つ後などを表わす。)。
【0071】
上記の微分係数も、記録材Pの材料、厚さ、或は環境温度などを考慮して変更、或は係数の追加などを行うことが可能である。
【0072】
本実施例では、このように赤外線センサ40aを用いて検出した定着ローラ31aの表面温度検出値を、逐次積分演算、更に逐次微分演算することにより、赤外線センサ40aへの電気的ノイズ、及び定着ローラ31aの表面温度分布の乱れ成分を除去することができる。
【0073】
次に、本実施例の画像形成装置における定着ローラ31aの表面温度検出、及び表面温度検出値に基づく定着ローラ31aへの記録材Pの通過及び/又は通過枚数の検出のアルゴリズムについて説明する。
【0074】
定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bの温度制御は、画像形成シーケンス中、スタンバイ中を問わず、割り込みシーケンスによって、規定時間毎(本実施例では2mS毎)に行われ、一方、表面温度検出値に基づく定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bへの記録材Pの通過及び/又は通過枚数検出は、画像形成シーケンス中に実施される。又、表面温度検出値に基づく定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bへの記録材Pの通過及び/又は通過枚数検出は、システムコントローラ50が内包するCPUが演算処理することで行い、画像形成装置の動作を統括的に制御する。
【0075】
先ず、図7を参照し、割り込みシーケンスにて行われる定着ローラ31aの温度制御のアルゴリズムの一実施例を説明する。
【0076】
第1に、温度制御が開始される(ステップ1)。定着ローラ31aの表面温度を赤外線センサ40aの検出値から算出する(ステップ2)。この時の定着ローラ31aの温度データをTとする。次に、上述の積分係数に従って、各温度データTを逐次積分演算して、定着ローラ31aの表面温度積分値T′を算出する(ステップ3)。更に、上述の微分係数に従って、各温度積分値T′を逐次微分演算して、温度微分値T′′を算出する(ステップ4)。
【0077】
この微分データは、後述して詳しく説明する、記録材Pの通過及び/又は通過枚数検出のために使用するために、システムコントローラ50中のCPUに接続されているRAM(図示せず)に逐次格納及び更新する。
【0078】
次に、定着ローラ31aの温度積分値T′が、ハロゲンヒータ32aをONとする必要がある温度Tonまで低下しているか否かを判断し(ステップ5)、Tonまで低下している場合には、定着ローラ31a内のハロゲンヒータ32aをONとし(ステップ6)、再び定着ローラ31aの表面温度測定に戻る(ステップ2)。
【0079】
又、T′がハロゲンヒータ32aをONとする必要がある温度Tonよりも高い温度である場合(ステップ5)、ハロゲンヒータ32aをOFFとする必要がある温度Toff以上であるか否かを判断し(ステップ7)、Toff以上である場合にはハロゲンヒータ32aをOFFとし(ステップ8)、再び定着ローラ31aの表面温度測定に戻る(ステップ2)。
【0080】
更に、T′がTon、Toffの間の温度であった場合は(ステップ7)、定着ローラ31aの温度調整するハロゲンヒータ32aの過剰なON/OFFを避けるために、ハロゲンヒータ32aのON/OFF切り替えは行わず、定着ローラ31aの表面温度測定に戻る(ステップ2)。即ち、Ton、Toffの間の温度は、温度調整の不感帯領域である。以上のようにして、定着ローラ31aの温度制御が行われる。
【0081】
次に、図8を参照し、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bへの記録材Pの通過及び/又は通過枚数検出のアルゴリズムの一実施例について説明する。
【0082】
先ず、画像形成シーケンスが開始される(ステップ1)。本実施例では、その際に画像形成装置の操作部(図示せず)からユーザがコピー枚数を任意に設定する(ステップ2)。次に、上記操作部にて、ユーザが画像形成動作開始キーを押すことにより、画像形成動作の開始が指示されたか否かの判定を行い(ステップ3)、画像形成動作の開始が指示された場合、記録材Pが画像形成装置内に供給され(ステップ4)、記録材P上への画像形成が開始される(ステップ5)。
【0083】
こうして、記録材P上に現像剤による未定着トナー像が形成し、その後定着装置30内の定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bにて記録材P上の未定着トナー像が加熱加圧により定着される。
【0084】
その際、図7に示すアルゴリズムに従って割り込みシーケンスにより実施されている定着ローラ31aの温度制御シーケンス中にて演算され、且つ、逐次システムコントローラ50のCPUに接続されたRAM(図示せず)に格納及び更新されている温度データの微分値T′′が、記録材Pの通過検知の閾値であるスレッシュ値Tsを超えたか否かを判別する(ステップ6)。定着ローラ31aの温度微分値T′′が、記録材P通過検知スレッシュ値Tsを越えていない場合は、記録材Pが定着ローラ31aを通過していないか、何処かで滞留している可能性があるため、規定時間(本実施例では、画像形成装置内への記録材Pの供給から、画像形成装置からの排出までの理論的な時間とされる。)が経過したか否かの判別を繰り返す(ステップ8)。
【0085】
規定時間判別を繰り返している間に、定着ローラ31aの温度微分値T′′が、記録材P通過検知スレッシュ値Tsを越えた場合は(ステップ6)、記録材Pが定着ローラ31aを通過したものと判断し、その回数、即ち、本実施例ではコピー枚数をカウントする。
【0086】
こうしてカウントされたコピー枚数が、ステップ2にて設定したコピー枚数設定値に達したか否かを判定し(ステップ7)、設定コピー枚数に達した場合には、画像形成シーケンスを終了させる(ステップ11)。
【0087】
又、規定時間以内にT′′が、記録材P通過検知スレッシュ値Tsを越えなかった場合(ステップ8)、ハロゲンヒータ32aを即座にOFFさせ(ステップ9)、それと同時に、画像形成装置の操作部(図示せず)上に、画像形成装置における記録材Pの滞留、即ちジャム情報を表示させ(ステップ10)、その後画像形成シーケンスを終了させる。
【0088】
尚、本実施例では、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bへの記録材Pの通過を検出し、更にその回数(即ち通過枚数)を検知して、ユーザが設定したコピー枚数と比較する。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、通過検知のみでの使用も可能であり、又、例えばプリンタに本発明を適用する場合など、ユーザ自身が画像形成枚数を設定せずに、通過及び通過枚数を検知する構成とすることも可能である。
【0089】
又、このように、本実施例では電気的ノイズ、或は定着ローラ31aの表面温度分布の乱れを除去するために、赤外線センサ40aによる温度検出データに対して逐次積分演算及び微分演算処理を施すが、本発明はこれに限定されるものではないことを理解されたい。即ち、本発明を実施する画像形成装置の状況に応じて、赤外線センサ40aによる温度検出データを直接用いて記録材Pの定着ローラ31a及び加圧ローラ31bへの通過及び/又は通過枚数を検出することも可能であり、又、微分演算、積分演算の一方のみを行うことが可能であり、更に、その演算の次数も一次に限定されるものではない。
【0090】
以上のように、本発明によれば、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bへの記録材Pの通過及び/又は通過枚数を速やかに検知することができ、又、動作不良が生じ難く、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bへの記録材Pの通過及び/又は通過枚数を正確に検知することが可能となる。
【0091】
更に、本実施例の画像形成装置は上述したように、定着ローラ31a及び感光ドラム10の近傍にそれぞれ微小変位センサ60a、60bを有しており、定着ローラ31a及び感光ドラム10に対する記録材Pの巻き付きを検出する。次に、この微小変位センサについて説明する。
【0092】
図9は、本実施例の画像形成装置が備える微小変位センサ60a、60b、及びこれらを制御する回路を模式的に示す。
【0093】
本実施例では、微小変位センサ60aは、定着ローラ31a、即ち、記録材P上に転写されたトナー像が直に接する側の定着ローラ31aへの記録材Pの巻き付きを検出する。これは、トナー像が直に接しない加圧ローラ31bに比べて、トナーの粘着性のために、定着ローラ31aへの記録材Pが巻き付きく確立が非常に大きいためであり、当然、以下に説明するのと同様にして、加圧ローラ31bへの巻き付きを検出する構成とすることも可能である。
【0094】
微小変位センサ60aは、被検出表面、即ち、定着ローラ31aの表面に光を照射するための赤外発光LED(以下、単に「LED」と呼ぶ。)61a、変位量検出センサ62aを含み構成される。
【0095】
ここで、変位量検出センサ62aはPSD素子にて構成される。又、LEDは制御線101を介して、センサLED制御部70aに接続され、その発光光量を一定に保つと同時に、その明滅が制御される。
【0096】
変位量検出センサ62aからの出力信号102は、信号電圧が微小であり、且つアナログ信号であるので、この信号102を増幅するアンプを有し、又その信号をデジタル量に変換するA/D変換器71aに入力される。
【0097】
センサLED制御部70a及びA/D変換器71aを制御する制御信号100は、システムコントローラ50のCPUにより統括的にコントロールされる。
【0098】
又、A/D変換器71aからの変位データ信号103は、システムコントローラ50に入力され、システムコントローラ50のCPUが変位量を演算処理する。
【0099】
変位量の算出は以下のように行う。即ち、LED61aから被測定表面である定着ローラ31aに光Liを照射し、その反射光LrがPSD素子である変位量検出センサ62aに照射され、PSD素子62aのどの位置に反射光Lrが照射されたかによってPSD素子62aからの出力信号が変化する。つまり、微小変位センサ60aと定着ローラ31aとの位置の差が出力信号として出力され、その信号変化分を変位量として検知することができる。
【0100】
ここで、図10及び図11を参照して、PSD素子による変位量測定の構成及び信号処理について説明する。
【0101】
図10は、PSD素子の概略構造を示す。同図の入力端子Zに電源電圧(本実施例では、+5V)を印加すると、PSD素子の受光面に入射する入射光の位置に対して、2つの出力I1、I2の電流量の比が変化する。その関係は、同図のI1端子側から入射光の位置までをX、受光面長をLとすると、
I1:I2=(L−X):X
にて表わされる。この関係を利用して電流電圧変換を微小変位センサ60a内部で行い、電圧信号(PSD1、PSD2)となった出力信号102を、A/D変換機71aによって変位電圧をデジタル化し、システムコントローラ71によって変位量を算出する。信号103は上述したように2つの変位量信号が含まれる。
【0102】
又、図11は変位量を算出するためのLED61aの明滅制御及びデータサンプルのタイミングを示したものである。図11に示されるように、LED61aを発光している間のI1、I2の出力信号PSD1、PSD2のデータ(V1on、V2on)をサンプリングし、その後LEDの消灯している間のデータ(V1off、V2off)をサンプリングし、計4つのデータから変位量を算出する。変位量算出周期は1mS毎に実施され、同様にLEDの発光はその1mSのうちの0.1mS、信号出力サンプリングは、LED61a発光後500μS及び0.5mS後に行われる。
【0103】
V1on、V2on、V1off、V2offのA/D変換されたデジタル値をそれぞれD1on、D2on、D1off、D2offとし、
D1on−D1off=D1
D2on−D2off=D2
とすると、変位量Dは、
D=D2/(D1+D2)
で得られる。この変位量Dをもとに、定着ローラ31aへの記録材Pの巻き付きを検出する。
【0104】
図12(a)は、微小変位センサ60aにより、定着ローラ31aの変位量を測定した結果であり、横軸は経過時間(定着ローラ31aの1回転分の周期)、縦軸は変位量(D:単位 μm)を示す。
【0105】
一般に、ローラには、その偏芯成分及び真円でないための歪みが少なからず存在する。そのため、微小変位センサ60aにより定着ローラ31aの表面までの距離を測定すると、図12(a)の実線で示すように、定着ローラ31aの1回転に対応した周期性のある変化を示すことになる。
【0106】
ここで、定着ローラ31aに記録材Pが巻き付いた場合、上記の周期性の或る変化曲線に対して、記録材Pが巻き付いた時点から、記録材Pの厚さ分だけのオフセット分の厚さが加算された、図12(a)の点線で示すような変化曲線を示すようになる。このような周期性のあるデータの変化を検出することで、定着ローラ31aへの記録材Pの巻き付きを確認することができる。
【0107】
尚、図12(b)は、図12(a)に示す変位量の変化曲線を微分演算し、記録材Pが巻き付いた時点を強調した曲線である。
【0108】
図13は、定着ローラ31aへの記録材Pの巻き付きを検出するアルゴリズムを示す。巻き付きつき検出は、システムコントローラ50のCPUによって演算処理され、画像形成装置の制御を統括的にコントロールする。又、定着ローラ31aへの記録材Pの巻き付き検出は、通常の画像形成シーケンス中に実施される。
【0109】
先ず、画像形成シーケンスが開始され(ステップ1)、システムコントローラ50は、画像形成装置内の各手段に対して画像形成動作の開始指令を発する(ステップ2)。続いて、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bの回転が開始され(ステップ3)、基準となる定着ローラ31aの偏芯成分などを含む変位量変化のリファレンスデータの収集を開始する(ステップ4)。この時のデータが図12(a)の実線に相当する。このリファレンスデータは、システムコントローラ50内のメモリに、定着ローラ31aの1回転分のデータとして格納される。こうして定着ローラ31aの1回転分のリファレンスデータの格納が終了するまで変位データの収集が実施される(ステップ5)。
【0110】
本実施例では、定着ローラ31aへの記録材Pの巻き付きを精度良く検出する目的で、1回転分のデータとして2048個のデータを収集する。又、データは、定着ローラ31aの1回転中にすべて収集することで、データ収集による画像形成シーケンスの延長を極力低減させている。このようにして、リファレンスデータ収集が完了した後、システムコントローラ50の指令により、実際に画像形成動作が開始される(ステップ6)。
【0111】
続いて、画像形成動作が開始されると、記録材Pが給紙カセット17より供給され、感光ドラム10上に形成されたトナー像が記録材P上に転写された後、この記録材Pは定着装置30まで搬送されてくる。定着装置30に記録材Pが搬送されてくる少し前のタイミングから定着ローラ31aの変位データの収集及び確認を開始する(ステップ7)。定着ローラ31aには、回転角度検出装置(図示せず)が備えられており、前述のようにCPUに保存したリファレンスデータと、ここで新たに収集された変位データとの比較を、定着ローラ31の回転角度に応じて実施する(ステップ8)。
【0112】
即ち、回転角度検出装置は、前述の2048個の保存データに対応すべく、2048ステップの回転角度が検出可能である。
【0113】
このように、保存されたリファレンスデータと新たに収集したデータとの比較を、画像形成動作が終了するまで実施し、ここで、比較値が規定値を上回って、且つ、規定ステップ(回転角度)以上続いた場合(ステップ9)、即ち、図12(a)の点線で示すデータが確認された場合、定着ローラ31aへの記録材Pの巻き付きが発生したものと判断して、画像形成装置に設けられた操作部上の表示部(図示せず)にその旨を表示する(ステップ10)。又、比較値が規定値を上回ることがなく、画像形成動作が終了した場合には、定着ローラ31aへの記録材Pの巻き付きは発生しなかったものと判断し(ステップ9)、画像形成動作を終了し(ステップ11)、全ての画像形成シーケンスを終了する(ステップ12)。
【0114】
感光ドラム10への記録材Pの巻き付き検出についても、上述と同様にして、微小変位センサ60bを用いて行う。
【0115】
感光ドラム10への記録材Pの巻き付き検出用の微小変位センサ60bは、被測定表面である感光ドラム10の表面に光を照射するための赤外発光LED(LED)61b、変位量検出センサ62bを含み構成される。
【0116】
ここで、変位量検出センサ62bはPSD素子にて構成される。又、LEDは制御線104を介して、センサLED制御部70bに接続され、その発光光量を一定に保つと同時に、その明滅が制御される。
【0117】
変位量検出センサ62bからの出力信号105は、信号電圧が微小であり、且つアナログ信号であるので、この信号105を増幅するアンプを有し、又その信号をデジタル量に変換するA/D変換器71bに入力される。
【0118】
センサLED制御部70b及びA/D変換器71bを制御する制御信号100は、システムコントローラ50のCPUにより統括的にコントロールされる。
【0119】
又、A/D変換器71bからの変位データ信号106は、システムコントローラ50に入力され、CPUが変位量を演算処理する。
【0120】
変位量の算出も、上述の定着ローラ31aへの記録材Pの巻き付き検出の場合と同様に行う。即ち、LED61bから被測定表面である感光ドラム10に光Liを照射し、その反射光LrがPSD素子である変位量検出センサ62bに照射され、PSD素子62bのどの位置に反射光Lrが照射されたかによってPSD素子62bからの出力信号が変化する。即ち、微小変位センサ60bと感光ドラム10との位置の差が出力信号として出力され、その信号変化分を変位量として検知することができる。
【0121】
感光ドラム10の記録材Pの巻き付き検出のアルゴリズムも、上述の定着ローラ31aへの記録材Pの巻き付き検出のアルゴリズムと同様である。即ち、感光ドラム10に記録材Pが到達する前に、感光ドラム30の1回転分のリファレンスデータを収集及び保存し、次に、画像形成シーケンス時に保存したリファレンスデータと新たに収集したデータとの比較をすることによって、感光ドラム10への記録材Pの巻き付きを検出する。
【0122】
上述の微小変位センサ60a、60bによる定着ローラ31a、及び感光ドラム10への記録材Pの巻き付き検出を、画像形成シーケンス中に同時行うことが可能であるが、各々別々に検出することも当然可能である。
【0123】
以上説明したように、本実施例では、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bの微小な温度変化を赤外線センサ40a、40bにて検出することにより、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bへの記録材Pの通過及び/又は通過枚数を検出し、更に微小変位センサ60aにより定着ローラ31aへの記録材Pの巻き付きを検出することにより、更に高精度に記録材Pの挙動を検出することが可能である。しかし、本発明の実施の形態はこれに限定されるものではなく、勿論、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bの微小な温度変化を検出することによる記録材Pの通過及び/又は枚数検出は、単独でも好適に作用する。
【0124】
実施例2
本実施例の画像形成装置は、基本的には実施例1の画像形成装置と同様とされ、赤外線温度センサ(赤外線センサ)の配設方法のみが異なる。
【0125】
実施例1では、赤外線センサ40a、40bは、定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bの、長手方向長さの中心の表面温度を検出する位置、つまり、記録材Pの搬送方向に対して直交する方向の長さの中心位置に対向するように配置した。
【0126】
即ち、実施例1では、記録材Pがそのサイズに拘わらず、搬送路の搬送方向に直交する方向の中心を基準に搬送される構成の画像形成装置について説明した。
【0127】
しかし、記録材Pの搬送路の、搬送方向に直交する方向の一方側を基準に記録材Pを搬送する画像形成装置の場合、赤外線センサ40a、40bが定着ローラ31a、加圧ローラ31bの長手方向長さの中心に配置されていると、記録材Pのサイズによっては記録材Pの通過及び/又はその枚数を検出できない可能性がある。
【0128】
そこで、そのような構成の画像形成装置の場合、画像を形成する記録材Pのサイズに応じて、赤外線センサの配置位置を任意のアクチュエータにより変更することが可能である。
【0129】
尚、上記2つの実施例において、定着回転体はローラ形状の定着ローラ31a、及び加圧ローラ31bであるとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばベルト形状とされる定着回転体にも適用可能である。又、加熱手段は定着ローラ31a及び加圧ローラ31bの双方に配設されるものとして説明したが、何れか一方のローラに配設することもできる。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置は、未定着のトナー像を担持した記録材を、加熱手段を有する定着回転体を通過させることにより永久画像を得る画像形成装置において、定着回転体の表面温度に応じた温度信号を出力する表面温度検出手段であって、定着回転体の表面温度に応じた定着回転体からの赤外線放射量を検出する赤外線検出手段を有し、定着回転体の表面とは離間して定着回転体の表面温度を検出する表面温度検出手段と、表面温度検出手段が出力する温度信号に基づき、定着回転体の表面温度が予め設定され温度となるように加熱手段による定着回転体の加熱を制御する温度調整手段と、を有し、複数の前記記録材が連続して前記定着回転体を通過する際に、記録材が定着回転体を通過する毎の表面温度検出手段が出力する定着回転体の表面温度に応じた温度信号の変化に基づき、定着回転体への記録材の通過を検出する構成とされるので、定着回転体への記録材の通過及び/又は通過枚数を速やかに検知することができ、又、動作不良が生じ難く、正確に定着回転体への記録材の通過及び/又は通過枚数を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の画像形成動作の主要部を模式的に示す概略構成図である。
【図3】本発明に従う定着回転体と、定着回転体の表面温度検出手段の一実施例を示す概略構成図である。
【図4】本発明に従う表面温度検出手段の部分断面図である。
【図5】本発明に従う表面温度検出手段が備える増幅回路などの概略回路図である。
【図6】本発明に従う表面温度検出手段の検出した定着回転体の(a)表面温度信号、(b)斯かる表面温度信号に積分処理を施したもの、(c)更に微分処理を施したものを示すグラフ図である。
【図7】本発明に従う定着回転体の温度制御を示すフロー図である。
【図8】本発明に従う、定着回転体の表面温度に基づいた定着回転体への記録材の通過及び/又は通過枚数の検出を示すフロー図である。
【図9】微小変位センサを用いた定着回転体及び感光ドラムへの記録材の巻き付き検出を模式的に示す概略構成図である。
【図10】微小変位センサのPSD素子の概略構成図である。
【図11】PSD素子の信号処理方法を説明するための図である。
【図12】定着回転体及び感光ドラム表面に記録材が巻き付いた場合の微小変位センサの検出結果を説明するためのグラフ図である。
【図13】微小変位センサによる定着回転体への記録材の巻き付き検出を示すフロー図である。
【図14】従来の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 感光ドラム
11 一次帯電器
12 現像器
13 転写帯電器
14 クリーニング装置
30 定着装置
31a 定着ローラ(定着回転体、加熱定着回転体)
31b 加圧ローラ(定着回転体、加圧定着回転体)
40a、40b 赤外線温度センサ(表面温度検出手段)

Claims (11)

  1. 未定着のトナー像を担持した記録材を、加熱手段を有する定着回転体を通過させることにより永久画像を得る画像形成装置において、
    前記定着回転体の表面温度に応じた温度信号を出力する表面温度検出手段であって、前記定着回転体の表面温度に応じた前記定着回転体からの赤外線放射量を検出する赤外線検出手段を有し、前記定着回転体の表面とは離間して前記定着回転体の表面温度を検出する表面温度検出手段と、
    前記表面温度検出手段が出力する前記温度信号に基づき、前記定着回転体の表面温度が予め設定され温度となるように前記加熱手段による前記定着回転体の加熱を制御する温度調整手段と
    を有し、
    複数の前記記録材が連続して前記定着回転体を通過する際に、前記記録材が前記定着回転体を通過する毎の前記表面温度検出手段が出力する前記定着回転体の表面温度に応じた前記温度信号の変化に基づき、前記定着回転体への前記記録材の通過を検出することを特徴とする画像形成装置。
  2. 複数の前記記録材が連続して前記定着回転体を通過する際に前記定着回転体への前記記録材の通過を検出することにより、前記記録材の画像形成装置内部での滞留を検出することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  3. 前記表面温度検出手段が出力する前記温度信号の変化として、前記記録材によって熱を奪われない間の前記定着回転体の表面温度と、前記定着回転体を通過する前記記録材により熱を奪われる間の前記定着回転体表面の温度との差に基づく変化を検出することを特徴とする請求項1又は2の画像形成装置。
  4. 前記表面温度検出手段が出力する前記温度信号に対して、微分処理及び/又は積分演算処理を施し、この演算結果に基づき複数の前記記録材が連続して前記定着回転体を通過する際に前記定着回転体への前記記録材の通過を検出することを特徴とする請求項1又は2の画像形成装置。
  5. 前記微分及び/又は積分演算処理の演算結果における変化に基づいて、複数の前記記録材が連続して前記定着回転体を通過する際に前記定着回転体への前記記録材の通過を検出することを特徴とする請求項4の画像形成装置。
  6. 前記微分及び/又は積分演算処理の演算結果における変化として、前記記録材によって熱を奪われない間の前記定着回転体の表面温度と、前記定着回転体を通過する前記記録材により熱を奪われる間の前記定着回転体表面の温度との差に基づく変化を検出することを特徴とする請求項5の画像形成装置。
  7. 複数の前記記録材が連続して前記定着回転体を通過する際に前記定着回転体への各前記記録材の通過を検出することにより、前記定着回転体への前記記録材の通過枚数を検出することを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  8. 前記表面温度検出手段は前記赤外線検出手段の出力する前記温度信号の補償を行うためのサーミスタを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  9. 前記温度信号は、前記温度信号に対して、A/D変換、温度算出のための演算処理など所望の処理を施した前記定着回転体の表面温度データを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  10. 前記定着回転体は、加熱定着回転体又は加圧定着回転体であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  11. 前記定着回転体は、ローラ形状とされることを特徴とする請求項1〜10のいずれかの項に記載の画像形成装置。
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