JP3886586B2 - イオン性物質除去方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電気・電子部品、機器、コンクリート構造体、ケーブルトレイ等の構造体の表面に付着することにより腐食や絶縁低下を齎すイオン性物質を除去する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
種々の電気・電子部品、機器、コンクリート構造体、ケーブルトレイ等の構造体においては、それらの表面にイオン性物質が付着することがある。例えば、海岸に近い場所にそれらの構造体が設置されていると海塩粒子が、また室内においては塩を含んだ塵が、それぞれ付着する。海塩粒子や塵に含まれる塩が結露や潮解によって電解液を形成した場合、種々の不具合が生じる。
例えば、鋼板などの金属表面に塩が付着して電解液が生成されると、鋼板が腐食してしまう。また、サイリスタバルブに使用する絶縁管や絶縁支柱に塩が付着して電解液が生成されると、絶縁低下して短絡事故が発生してしまう。
これらの構造体の表面に付着したイオン性物質を除去する方法としては、従来多量の水で洗い流す、あるいは雑巾などによる水拭きが行われていた。
また、鋼材を内蔵するコンクリート面に水硬性セメントと陰イオン交換樹脂とを主成分とする塗材を塗布する方法が提案されている(特開平2−279851号公報)。この方法によれば、コンクリート面に付着した海塩粒子等の塩が結露や潮解によってイオン化されると、イオンを陰イオン交換樹脂で捕捉して、コンクリート内部への浸透が阻止され、鋼材の腐食が抑えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の多量の水でイオン性物質を洗い流す方法は、水が構造体内部に入り込み、絶縁不良や劣化を齎す恐れがあることから、適用が制限されてしまうという課題があった。
また、雑巾などによる水拭きによりイオン性物質を拭き取る方法は、イオン性物質を完全に除去できないという課題があった。
さらに、コンクリート面に水硬性セメントと陰イオン交換樹脂とを主成分とする塗材を塗布する方法では、陰イオン交換樹脂を水硬性セメントで固めてしまうので、陰イオン交換樹脂が劣化した場合には、塩分の捕捉が行われなくなり、塩分が外部から浸透して塗材が剥離したり、鋼材が腐食してしまうという課題があった。
【0004】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、絶縁不良や腐食の原因となるイオン性物質を構造体表面から簡便に、安価に、安全に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を該構造体表面に刷毛塗りして塗布するようにしたものである。
【0006】
この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を該構造体表面に噴霧して塗布するようにしたものである。
【0007】
また、この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を布体に含浸させて、該布体を該構造体表面に貼り付けるようにしたものである。
【0008】
また、この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、布体を該構造体表面に載置した後、該混合物を該布体上に噴霧して該布体に含浸させるようにしたものである。
【0009】
また、この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を布体のローラに含浸させて、該ローラにより該混合物を該構造体表面に転写して塗布するようにしたものである。
【0010】
また、この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物中に該構造体を浸漬して、該混合物を該構造体表面に塗布するようにしたものである。
【0011】
また、この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該イオン交換性材料からなるシートを該構造体表面に載置し、その後該シートに該極性溶媒を噴霧して該シートに該極性溶媒を含浸させるようにしたものである。
【0012】
また、この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該イオン交換性材料からなるシートに該極性溶媒を含浸させ、その後該シートを該構造体表面に貼り付けるようにしたものである。
【0013】
また、この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を加熱した後、該構造体表面に塗布するようにしたものである。
【0014】
また、この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該イオン交換性材料を回収する工程は、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を吸引して回収するようにしたものである。
【0015】
また、この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料の層上に凝固液を塗布し該イオン交換性材料を一体化する工程と、該凝固液で一体化された該イオン交換性材料を回収する工程とを備えたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明における電気・電子部品、機器、コンクリート構造体、ケーブルトレイ等の構造体の表面、即ち金属、セラミックス、コンクリートおよび樹脂・塗膜の表面に付着したイオン性物質除去方法は、イオン性物質を極性溶媒によりイオン化した後、そのイオンをイオン交換性材料に捕捉させて該イオン交換性材料とともに回収除去するものである。
【0017】
実施の形態1.
この実施の形態1では、本願発明のイオン性物質除去方法をNaOHが付着した構造体としてのケーブルトレイに適用したものである。
ここで、イオン性物質にNaOHを、極性溶媒に水を、イオン交換性材料に陽イオン交換樹脂を用いている。なお、ケーブルトレイは亜鉛メッキが施された鋼板で作製されている。そして、陽イオン交換樹脂は、ビジニルベンゼンで架橋したポリスチレン等の母体合成樹脂(R)に、酸性水酸基、カルボキシル基、スルホ基等の酸性基(AH)が結合した高分子酸である。
【0018】
まず、陽イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせ、ペースト状の混合物を得る。ついで、この混合物を刷毛を用いてケーブルトレイ表面に塗布する。
そこで、混合物中の水がケーブルトレイ表面に付着しているNaOHに接し、式(1)の反応により、NaOHが水に溶解し、イオン化する。
NaOH+H2O→Na++H++2OH- 式(1)
Na+は、式(2)の反応により、陽イオン交換樹脂に捕捉される。
RAH++Na+→RANa++H+ 式(2)
上記式(2)により、Na+が捕捉されて、H+が生成される。イオン交換による生成イオンおよび残留イオンは、H+,OH-、即ち水なので、乾燥して構造体の表面から消失する。その結果、ケーブルトレイの表面には、陽イオン交換樹脂が残留している。そこで、極性溶媒やイオン交換によって生成された水が存在しなくなった陽イオン交換樹脂を刷毛を用いてかき集めて回収する。
【0019】
この実施の形態1によれば、NaOHが付着したケーブルトレイ表面に水と陽イオン交換樹脂との混合物とを刷毛で塗布し、水によりNaOHをイオン化し、イオン化したNa+を陽イオン交換樹脂に捕捉させた後、Na+を捕捉した陽イオン交換樹脂を回収しているので、ケーブルトレイ表面からNaOHを簡便に、かつ、確実に除去できた。
また、極性溶媒としての水および生成された水が蒸発した後、Na+を捕捉した陽イオン交換樹脂を回収しているので、ケーブルトレイ表面に残留している陽イオン交換樹脂が剥離し易くなり、ケーブルトレイ表面に付着しているNaOHを簡易に、かつ、確実に除去できる。
また、NaOHを除去するために水と陽イオン交換樹脂とを練り合わせた混合物を用いているので、安価で、かつ、安全、無害である。
【0020】
実施の形態2.
この実施の形態2では、本願発明のイオン性物質除去方法をNaClが付着した構造体としての鋼材を内蔵したコンクリート構造体に適用したものである。
ここで、イオン性物質にNaClを、極性溶媒に水を、イオン交換性材料に陽および陰イオン交換樹脂を用いている。なお、陽イオン交換樹脂は、上記実施の形態1と同じ構成である。一方、陰イオン交換樹脂は、陽イオン交換樹脂と同じようなRに、アミノ基、イミノ基、アンモニウム基等の塩基性基(B)が結合した高分子塩基である。
【0021】
まず、陽および陰イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせ、ペースト状の混合物を得る。ついで、この混合物を噴霧器を用いてコンクリート構造体表面に噴霧塗布する。
そこで、混合物中の水がコンクリート構造体表面に付着しているNaClに接し、式(3)の反応により、NaClが水に溶解し、イオン化する。
NaCl+H2O→Na++Cl-+H++OH- 式(3)
これらのイオンは、式(4)および式(5)の反応により、陽イオン交換樹脂によってNa+が、陰イオン交換樹脂によってCl-がそれぞれ捕捉される。
RAH++Na+→RANa++H+ 式(4)
RBOH-+Cl-→RBCl-+OH- 式(5)
上記式(4)、(5)により、Na+,Cl-、即ちNaClがイオン交換樹脂に捕捉される。
一方、NaClが捕捉されるかわりにH+,OH-、即ち水が生成されるが、生成された水は極性溶媒と同様に乾燥して構造体の表面から消失する。その結果、構造体の表面には、NaClを捕捉したイオン交換樹脂が残留している。そこで、極性溶媒やイオン交換によって生成された水が存在しなくなった陽および陰イオン交換樹脂を掃除機を用いて吸引して回収する。
【0022】
この実施の形態2によれば、NaClが付着したコンクリート構造体表面に水と陽および陰イオン交換樹脂との混合物を噴霧器で噴霧しているので、大面積のコンクリート構造体表面にも混合物を短時間で塗布でき、作業性を向上させることができた。また、コンクリート構造体表面全面に混合物を均一に塗布でき、さらに凹凸部にも混合物を塗布でき、コンクリート構造体表面に付着しているNaClをむらなく除去できた。
また、掃除機を用いてNa+を捕捉した陽イオン交換樹脂を回収しているので、陽イオン交換樹脂を簡易に、確実に回収でき、コンクリート構造体表面に付着しているNaClを簡易に、かつ、確実に除去できた。
【0023】
実施の形態3.
この実施の形態3では、本願発明のイオン性物質除去方法をH2SO4が付着した構造体としてのセラミック基板に適用したものである。
ここで、イオン性物質にH2SO4を、極性溶媒に水を、イオン交換性材料に陰イオン交換樹脂を用いている。なお、陰イオン交換樹脂は上記実施の形態1と同じ構成とする。
【0024】
まず、陰イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせ、液状の混合物を得る。ついで、この混合物中にセラミック基板を浸漬し、セラミック基板表面に混合物を塗布する。
この場合、H2SO4は、式(6)の反応によりイオン化しているが、水と混合させることにより粘性が低くなりイオン交換し易くなる。
H2SO4+H2O→3H++SO4 2-+OH- 式(6)
SO4 2-は、式(7)の反応により、陰イオン交換樹脂に捕捉される。
RBOH-+SO4 2-→RBSO4 2-+OH- 式(7)
上記式(7)により、SO4 2-が捕捉されて、OH-が生成される。イオン交換による生成イオンおよび残留イオンは、H+,OH-、即ち水なので、乾燥して構造体の表面から消失する。その結果、セラミック基板表面には、陰イオン交換樹脂が残留している。そこで、極性溶媒やイオン交換によって生成された水が存在しなくなった陰イオン交換樹脂を掃除機を用いて吸引して回収する。
【0025】
従って、この実施の形態3においても、上記実施の形態1、2と同様の効果が得られる。
【0026】
実施の形態4.
この実施の形態4では、本願発明のイオン性物質除去方法をNa2CO3が付着したケーブルトレイに適用したものである。
ここで、イオン性物質にNa2CO3を、極性溶媒に水を、イオン交換性材料に陽および陰イオン交換樹脂を用いている。なお、陽および陰イオン交換樹脂は上記実施の形態1、2と同じ構成とする。
【0027】
まず、陽および陰イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせ、ペースト状の混合物を得る。ついで、この混合物を吸水性の布体に含浸させ、該布体をケーブルトレイ表面に貼り付ける。すると、布体に含浸している水がケーブルトレイ表面に付着しているNa2CO3に接し、式(8)の反応により、Na2CO3が水に溶解し、イオン化する。
Na2CO3+H2O→2Na++CO3 -+H++OH- 式(8)
これらのイオンは、水中を移動して陽および陰イオン交換樹脂に到達し、式(9)および式(10)の反応により、陽イオン交換樹脂によってNa+が、陰イオン交換樹脂によってC03 -がそれぞれ捕捉される。
RAH++Na+→RANa++H+ 式(9)
RBOH-+CO3 -→RBCO3 -+OH- 式(10)
上記式(9)、(10)により、Na+,CO3 -、即ちNa2CO3がイオン交換樹脂に捕捉される。
一方、Na2CO3が捕捉されるかわりにH+,OH-、即ち水が生成されるが、生成された水は極性溶媒としての水と同様に乾燥してケーブルトレイ表面から消失する。その結果、ケーブルトレイ表面に付着していたNa2CO3は、布体に含浸されているイオン交換樹脂に捕捉されている。そこで、布体をケーブルトレイ表面から剥がし、イオン交換樹脂を回収する。
【0028】
この実施の形態4によれば、水と陽および陰イオン交換樹脂との混合物を布体に含浸させているので、布体をケーブルトレイから剥がすだけでイオン交換樹脂の回収ができ、作業性を向上させることができる。さらに、イオン交換樹脂の飛散が防止されるので、イオン交換樹脂の粉末による作業環境の汚染を抑えることができる。
【0029】
実施の形態5.
上記実施の形態1では、陽イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせて得られたペースト状の混合物を刷毛を用いてケーブルトレイ表面に塗布するものとしているが、この実施の形態5では、該ペースト状の混合物を吸水性の布体からなるローラに含浸させ、該ローラにより混合物をケーブルトレイ表面に転写して塗布するものとしている。
従って、この実施の形態5によれば、上記実施の形態1に比べて、混合物の塗布作業が簡易となる。
【0030】
実施の形態6.
上記実施の形態1では、陽イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせて得られたペースト状の混合物をケーブルトレイ表面に塗布するものとしているが、この実施の形態6では、該ペースト状の混合物を加熱した後、ケーブルトレイ表面に塗布するものとしている。
従って、この実施の形態6によれば、混合物の温度が高温となり、その分イオン性物質のイオン化が促進されるとともに、陽イオン交換樹脂によるNa+の捕捉反応が促進され、Na+の除去を迅速に、確実に行うことができる。
【0031】
実施の形態7.
上記実施の形態1では、極性溶媒やイオン交換によって生成された水が存在しなくなった後、陽イオン交換樹脂を刷毛を用いてかき集めて回収するものとしているが、この実施の形態7では、極性溶媒やイオン交換によって生成された水が存在しなくなった後、ケーブルトレイ表面に残留しているイオン交換樹脂の層上に凝固液を噴霧器を用いて噴霧して塗布するものとしている。
この実施の形態7によれば、凝固液によりイオン交換樹脂の粉末同士が一体に連結されるので、イオン交換樹脂粉末をフィルム状にしてケーブルトレイ表面から剥がすことができ、イオン交換樹脂の飛散が防止され、イオン交換樹脂の粉末による作業環境の汚染を抑えることができる。
【0032】
実施の形態8.
上記実施の形態3では、陰イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせて得られたペースト状の混合物中にセラミック基板を浸漬して、該混合物をセラミック基板表面に塗布するものとしているが、この実施の形態8では、セラミック基板表面に水を噴霧し、その後陰イオン交換樹脂の粉末をふりかけて、セラミック基板表面に水と陰イオン交換樹脂との混合物を形成するものとし、同様の効果が得られる。
【0033】
実施の形態9.
上記実施の形態4では、陽および陰イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせ、ペースト状の混合物を作り、この混合物を吸水性の布体に含浸させた後、その布体をケーブルトレイ表面に貼り付けるものとしているが、この実施の形態9では、陽および陰イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせ、ペースト状の混合物を作り、ケーブルトレイ表面に吸水性の布体を載置し、その後水を噴霧して該布体に水を吸着させるものとし、同様の効果が得られる。
【0034】
実施の形態10.
上記実施の形態4では、陽および陰イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせ、ペースト状の混合物を作り、この混合物を吸水性の布体に含浸させた後、その布体をケーブルトレイ表面に貼り付けるものとしているが、この実施の形態10では、陽および陰イオン交換樹脂からなる多孔質のシートを成形し、このシートに水を含浸させた後、該シートをケーブルトレイ表面に貼り付けるものとし、同様の効果が得られる。
【0035】
実施の形態11.
上記実施の形態10では、陽および陰イオン交換樹脂からなる多孔質のシートを成形し、このシートに水を含浸させた後、該シートをケーブルトレイ表面に貼り付けるものとしているが、この実施の形態11では、陽および陰イオン交換樹脂からなる多孔質のシートを成形し、このシートをケーブルトレイ表面に載置し、その後水を噴霧して該シートに水を吸着させるものとし、同様の効果が得られる。
【0036】
ここで、イオン性物質をイオン化するために用いられる極性溶媒としては、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチレンセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトン等の1種以上があげられるが、これらに限定されるものではない。
また、イオン交換性材料としては、絶縁性低下、腐食さらには塗膜の密着性低下を引き起こすイオン性物質(極性溶媒により電解質イオンとなる)を捕捉し固定するものであればよい。大きく分けて、有機化合物であるイオン交換樹脂と無機のイオン交換性物質とがあり、いずれも単独で、または混合して使用することができる。イオン交換樹脂を用いる場合は比重が小さい点で有利であり、イオン交換性物質を用いる場合は耐熱性が良い点で有利である。
また、イオン交換性材料を別の観点から分類すると、陽イオン交換性材料と陰イオン交換性材料とに分けられる。陽イオン交換性材料は、腐食、絶縁性低下、塗膜の密着性低下の原因となる電解質イオンが陽イオン(例えば、Na,K,Li等のアルカリ金属イオン;Ag,Cu,Fe,Pb,Sn,Mg,Ca等の他の金属イオン;テトラメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン等のアンモニウムイオン)の場合に用いられる。また、陰イオン交換性材料は、腐食、絶縁性低下、塗膜の密着性低下の原因となる電解質イオンが陰イオン(例えば、Cl,Br,I等のハロゲンイオン;SO4,NO3,NO2等の酸化物イオン;蟻酸、酢酸、フタル酸等の有機酸イオン)の場合に用いられる。もちろん、両方のイオン交換性材料を併用してもよい。
また、イオン交換性材料と極性溶媒との割合や量は、除去するイオン性物質の成分、量によって決まるものであり、特に制限はないが、作業性の面からイオン交換性材料が10〜99重量%であることが好ましい。
また、イオン交換性材料は、粒状、繊維状、ペレット状等の形状で使用できるが、イオン性物質の捕捉を効果的に行うには、粒状であることが好ましい。その場合、粒径は特に制限されないが、イオン性物質の捕捉を効率的に行うには、平均粒径500μm以下、好ましくは1〜500μmがよい。
【0037】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0038】
この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を該構造体表面に刷毛塗りして塗布するようにしたので、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0039】
この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を該構造体表面に噴霧して塗布するようにしたので、大面積の塗布面にも、複雑な面形状の塗布面にも混合物を簡易に塗布でき、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0040】
また、この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を布体に含浸させて、該布体を該構造体表面に貼り付けるようにしたので、布体を構造体表面に貼り付けるだけで混合物の塗布ができるとともに、構造体表面から布体を剥がすことによりイオン交換性材料の飛散もなく簡易に回収でき、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0041】
また、この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、布体を該構造体表面に載置した後、該混合物を該布体上に噴霧して該布体に含浸させるようにしたので、構造体表面から布体を剥がすことによりイオン交換性材料の飛散もなく簡易に回収でき、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0042】
また、この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を布体のローラに含浸させて、該ローラにより該混合物を該構造体表面に転写して塗布するようにしたので、混合物を構造体表面に簡易に塗布でき、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0043】
また、この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物中に該構造体を浸漬して、該混合物を該構造体表面に塗布するようにしたので、小形の構造体表面にも、複雑な面形状の塗布面にも混合物を簡易に塗布でき、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0044】
また、この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該イオン交換性材料からなるシートを該構造体表面に載置し、その後該シートに該極性溶媒を噴霧して該シートに該極性溶媒を含浸させるようにしたので、構造体表面からシートを剥がすことによりイオン交換性材料の飛散もなく簡易に回収でき、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0045】
また、この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該イオン交換性材料からなるシートに該極性溶媒を含浸させ、その後該シートを該構造体表面に貼り付けるようにしたので、構造体表面からシートを剥がすことによりイオン交換性材料の飛散もなく簡易に回収でき、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0046】
また、この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を加熱した後、該構造体表面に塗布するようにしたので、イオン交換性材料によるイオン性物質の捕捉反応が促進され、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0047】
また、この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該イオン交換性材料を回収する工程は、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を吸引して回収するようにしたので、イオン性物質を捕捉したイオン交換性材料を速やかに回収でき、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0048】
また、この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料の層上に凝固液を塗布し該イオン交換性材料を一体化する工程と、該凝固液で一体化された該イオン交換性材料を回収する工程とを備えたので、構造体表面から一体化されたイオン交換性材料を剥がすことによりイオン交換性材料の飛散もなく簡易に回収でき、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【発明の属する技術分野】
この発明は、電気・電子部品、機器、コンクリート構造体、ケーブルトレイ等の構造体の表面に付着することにより腐食や絶縁低下を齎すイオン性物質を除去する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
種々の電気・電子部品、機器、コンクリート構造体、ケーブルトレイ等の構造体においては、それらの表面にイオン性物質が付着することがある。例えば、海岸に近い場所にそれらの構造体が設置されていると海塩粒子が、また室内においては塩を含んだ塵が、それぞれ付着する。海塩粒子や塵に含まれる塩が結露や潮解によって電解液を形成した場合、種々の不具合が生じる。
例えば、鋼板などの金属表面に塩が付着して電解液が生成されると、鋼板が腐食してしまう。また、サイリスタバルブに使用する絶縁管や絶縁支柱に塩が付着して電解液が生成されると、絶縁低下して短絡事故が発生してしまう。
これらの構造体の表面に付着したイオン性物質を除去する方法としては、従来多量の水で洗い流す、あるいは雑巾などによる水拭きが行われていた。
また、鋼材を内蔵するコンクリート面に水硬性セメントと陰イオン交換樹脂とを主成分とする塗材を塗布する方法が提案されている(特開平2−279851号公報)。この方法によれば、コンクリート面に付着した海塩粒子等の塩が結露や潮解によってイオン化されると、イオンを陰イオン交換樹脂で捕捉して、コンクリート内部への浸透が阻止され、鋼材の腐食が抑えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の多量の水でイオン性物質を洗い流す方法は、水が構造体内部に入り込み、絶縁不良や劣化を齎す恐れがあることから、適用が制限されてしまうという課題があった。
また、雑巾などによる水拭きによりイオン性物質を拭き取る方法は、イオン性物質を完全に除去できないという課題があった。
さらに、コンクリート面に水硬性セメントと陰イオン交換樹脂とを主成分とする塗材を塗布する方法では、陰イオン交換樹脂を水硬性セメントで固めてしまうので、陰イオン交換樹脂が劣化した場合には、塩分の捕捉が行われなくなり、塩分が外部から浸透して塗材が剥離したり、鋼材が腐食してしまうという課題があった。
【0004】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、絶縁不良や腐食の原因となるイオン性物質を構造体表面から簡便に、安価に、安全に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を該構造体表面に刷毛塗りして塗布するようにしたものである。
【0006】
この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を該構造体表面に噴霧して塗布するようにしたものである。
【0007】
また、この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を布体に含浸させて、該布体を該構造体表面に貼り付けるようにしたものである。
【0008】
また、この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、布体を該構造体表面に載置した後、該混合物を該布体上に噴霧して該布体に含浸させるようにしたものである。
【0009】
また、この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を布体のローラに含浸させて、該ローラにより該混合物を該構造体表面に転写して塗布するようにしたものである。
【0010】
また、この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物中に該構造体を浸漬して、該混合物を該構造体表面に塗布するようにしたものである。
【0011】
また、この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該イオン交換性材料からなるシートを該構造体表面に載置し、その後該シートに該極性溶媒を噴霧して該シートに該極性溶媒を含浸させるようにしたものである。
【0012】
また、この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該イオン交換性材料からなるシートに該極性溶媒を含浸させ、その後該シートを該構造体表面に貼り付けるようにしたものである。
【0013】
また、この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を加熱した後、該構造体表面に塗布するようにしたものである。
【0014】
また、この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該イオン交換性材料を回収する工程は、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を吸引して回収するようにしたものである。
【0015】
また、この発明に係るイオン性物質除去方法は、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料の層上に凝固液を塗布し該イオン交換性材料を一体化する工程と、該凝固液で一体化された該イオン交換性材料を回収する工程とを備えたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明における電気・電子部品、機器、コンクリート構造体、ケーブルトレイ等の構造体の表面、即ち金属、セラミックス、コンクリートおよび樹脂・塗膜の表面に付着したイオン性物質除去方法は、イオン性物質を極性溶媒によりイオン化した後、そのイオンをイオン交換性材料に捕捉させて該イオン交換性材料とともに回収除去するものである。
【0017】
実施の形態1.
この実施の形態1では、本願発明のイオン性物質除去方法をNaOHが付着した構造体としてのケーブルトレイに適用したものである。
ここで、イオン性物質にNaOHを、極性溶媒に水を、イオン交換性材料に陽イオン交換樹脂を用いている。なお、ケーブルトレイは亜鉛メッキが施された鋼板で作製されている。そして、陽イオン交換樹脂は、ビジニルベンゼンで架橋したポリスチレン等の母体合成樹脂(R)に、酸性水酸基、カルボキシル基、スルホ基等の酸性基(AH)が結合した高分子酸である。
【0018】
まず、陽イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせ、ペースト状の混合物を得る。ついで、この混合物を刷毛を用いてケーブルトレイ表面に塗布する。
そこで、混合物中の水がケーブルトレイ表面に付着しているNaOHに接し、式(1)の反応により、NaOHが水に溶解し、イオン化する。
NaOH+H2O→Na++H++2OH- 式(1)
Na+は、式(2)の反応により、陽イオン交換樹脂に捕捉される。
RAH++Na+→RANa++H+ 式(2)
上記式(2)により、Na+が捕捉されて、H+が生成される。イオン交換による生成イオンおよび残留イオンは、H+,OH-、即ち水なので、乾燥して構造体の表面から消失する。その結果、ケーブルトレイの表面には、陽イオン交換樹脂が残留している。そこで、極性溶媒やイオン交換によって生成された水が存在しなくなった陽イオン交換樹脂を刷毛を用いてかき集めて回収する。
【0019】
この実施の形態1によれば、NaOHが付着したケーブルトレイ表面に水と陽イオン交換樹脂との混合物とを刷毛で塗布し、水によりNaOHをイオン化し、イオン化したNa+を陽イオン交換樹脂に捕捉させた後、Na+を捕捉した陽イオン交換樹脂を回収しているので、ケーブルトレイ表面からNaOHを簡便に、かつ、確実に除去できた。
また、極性溶媒としての水および生成された水が蒸発した後、Na+を捕捉した陽イオン交換樹脂を回収しているので、ケーブルトレイ表面に残留している陽イオン交換樹脂が剥離し易くなり、ケーブルトレイ表面に付着しているNaOHを簡易に、かつ、確実に除去できる。
また、NaOHを除去するために水と陽イオン交換樹脂とを練り合わせた混合物を用いているので、安価で、かつ、安全、無害である。
【0020】
実施の形態2.
この実施の形態2では、本願発明のイオン性物質除去方法をNaClが付着した構造体としての鋼材を内蔵したコンクリート構造体に適用したものである。
ここで、イオン性物質にNaClを、極性溶媒に水を、イオン交換性材料に陽および陰イオン交換樹脂を用いている。なお、陽イオン交換樹脂は、上記実施の形態1と同じ構成である。一方、陰イオン交換樹脂は、陽イオン交換樹脂と同じようなRに、アミノ基、イミノ基、アンモニウム基等の塩基性基(B)が結合した高分子塩基である。
【0021】
まず、陽および陰イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせ、ペースト状の混合物を得る。ついで、この混合物を噴霧器を用いてコンクリート構造体表面に噴霧塗布する。
そこで、混合物中の水がコンクリート構造体表面に付着しているNaClに接し、式(3)の反応により、NaClが水に溶解し、イオン化する。
NaCl+H2O→Na++Cl-+H++OH- 式(3)
これらのイオンは、式(4)および式(5)の反応により、陽イオン交換樹脂によってNa+が、陰イオン交換樹脂によってCl-がそれぞれ捕捉される。
RAH++Na+→RANa++H+ 式(4)
RBOH-+Cl-→RBCl-+OH- 式(5)
上記式(4)、(5)により、Na+,Cl-、即ちNaClがイオン交換樹脂に捕捉される。
一方、NaClが捕捉されるかわりにH+,OH-、即ち水が生成されるが、生成された水は極性溶媒と同様に乾燥して構造体の表面から消失する。その結果、構造体の表面には、NaClを捕捉したイオン交換樹脂が残留している。そこで、極性溶媒やイオン交換によって生成された水が存在しなくなった陽および陰イオン交換樹脂を掃除機を用いて吸引して回収する。
【0022】
この実施の形態2によれば、NaClが付着したコンクリート構造体表面に水と陽および陰イオン交換樹脂との混合物を噴霧器で噴霧しているので、大面積のコンクリート構造体表面にも混合物を短時間で塗布でき、作業性を向上させることができた。また、コンクリート構造体表面全面に混合物を均一に塗布でき、さらに凹凸部にも混合物を塗布でき、コンクリート構造体表面に付着しているNaClをむらなく除去できた。
また、掃除機を用いてNa+を捕捉した陽イオン交換樹脂を回収しているので、陽イオン交換樹脂を簡易に、確実に回収でき、コンクリート構造体表面に付着しているNaClを簡易に、かつ、確実に除去できた。
【0023】
実施の形態3.
この実施の形態3では、本願発明のイオン性物質除去方法をH2SO4が付着した構造体としてのセラミック基板に適用したものである。
ここで、イオン性物質にH2SO4を、極性溶媒に水を、イオン交換性材料に陰イオン交換樹脂を用いている。なお、陰イオン交換樹脂は上記実施の形態1と同じ構成とする。
【0024】
まず、陰イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせ、液状の混合物を得る。ついで、この混合物中にセラミック基板を浸漬し、セラミック基板表面に混合物を塗布する。
この場合、H2SO4は、式(6)の反応によりイオン化しているが、水と混合させることにより粘性が低くなりイオン交換し易くなる。
H2SO4+H2O→3H++SO4 2-+OH- 式(6)
SO4 2-は、式(7)の反応により、陰イオン交換樹脂に捕捉される。
RBOH-+SO4 2-→RBSO4 2-+OH- 式(7)
上記式(7)により、SO4 2-が捕捉されて、OH-が生成される。イオン交換による生成イオンおよび残留イオンは、H+,OH-、即ち水なので、乾燥して構造体の表面から消失する。その結果、セラミック基板表面には、陰イオン交換樹脂が残留している。そこで、極性溶媒やイオン交換によって生成された水が存在しなくなった陰イオン交換樹脂を掃除機を用いて吸引して回収する。
【0025】
従って、この実施の形態3においても、上記実施の形態1、2と同様の効果が得られる。
【0026】
実施の形態4.
この実施の形態4では、本願発明のイオン性物質除去方法をNa2CO3が付着したケーブルトレイに適用したものである。
ここで、イオン性物質にNa2CO3を、極性溶媒に水を、イオン交換性材料に陽および陰イオン交換樹脂を用いている。なお、陽および陰イオン交換樹脂は上記実施の形態1、2と同じ構成とする。
【0027】
まず、陽および陰イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせ、ペースト状の混合物を得る。ついで、この混合物を吸水性の布体に含浸させ、該布体をケーブルトレイ表面に貼り付ける。すると、布体に含浸している水がケーブルトレイ表面に付着しているNa2CO3に接し、式(8)の反応により、Na2CO3が水に溶解し、イオン化する。
Na2CO3+H2O→2Na++CO3 -+H++OH- 式(8)
これらのイオンは、水中を移動して陽および陰イオン交換樹脂に到達し、式(9)および式(10)の反応により、陽イオン交換樹脂によってNa+が、陰イオン交換樹脂によってC03 -がそれぞれ捕捉される。
RAH++Na+→RANa++H+ 式(9)
RBOH-+CO3 -→RBCO3 -+OH- 式(10)
上記式(9)、(10)により、Na+,CO3 -、即ちNa2CO3がイオン交換樹脂に捕捉される。
一方、Na2CO3が捕捉されるかわりにH+,OH-、即ち水が生成されるが、生成された水は極性溶媒としての水と同様に乾燥してケーブルトレイ表面から消失する。その結果、ケーブルトレイ表面に付着していたNa2CO3は、布体に含浸されているイオン交換樹脂に捕捉されている。そこで、布体をケーブルトレイ表面から剥がし、イオン交換樹脂を回収する。
【0028】
この実施の形態4によれば、水と陽および陰イオン交換樹脂との混合物を布体に含浸させているので、布体をケーブルトレイから剥がすだけでイオン交換樹脂の回収ができ、作業性を向上させることができる。さらに、イオン交換樹脂の飛散が防止されるので、イオン交換樹脂の粉末による作業環境の汚染を抑えることができる。
【0029】
実施の形態5.
上記実施の形態1では、陽イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせて得られたペースト状の混合物を刷毛を用いてケーブルトレイ表面に塗布するものとしているが、この実施の形態5では、該ペースト状の混合物を吸水性の布体からなるローラに含浸させ、該ローラにより混合物をケーブルトレイ表面に転写して塗布するものとしている。
従って、この実施の形態5によれば、上記実施の形態1に比べて、混合物の塗布作業が簡易となる。
【0030】
実施の形態6.
上記実施の形態1では、陽イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせて得られたペースト状の混合物をケーブルトレイ表面に塗布するものとしているが、この実施の形態6では、該ペースト状の混合物を加熱した後、ケーブルトレイ表面に塗布するものとしている。
従って、この実施の形態6によれば、混合物の温度が高温となり、その分イオン性物質のイオン化が促進されるとともに、陽イオン交換樹脂によるNa+の捕捉反応が促進され、Na+の除去を迅速に、確実に行うことができる。
【0031】
実施の形態7.
上記実施の形態1では、極性溶媒やイオン交換によって生成された水が存在しなくなった後、陽イオン交換樹脂を刷毛を用いてかき集めて回収するものとしているが、この実施の形態7では、極性溶媒やイオン交換によって生成された水が存在しなくなった後、ケーブルトレイ表面に残留しているイオン交換樹脂の層上に凝固液を噴霧器を用いて噴霧して塗布するものとしている。
この実施の形態7によれば、凝固液によりイオン交換樹脂の粉末同士が一体に連結されるので、イオン交換樹脂粉末をフィルム状にしてケーブルトレイ表面から剥がすことができ、イオン交換樹脂の飛散が防止され、イオン交換樹脂の粉末による作業環境の汚染を抑えることができる。
【0032】
実施の形態8.
上記実施の形態3では、陰イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせて得られたペースト状の混合物中にセラミック基板を浸漬して、該混合物をセラミック基板表面に塗布するものとしているが、この実施の形態8では、セラミック基板表面に水を噴霧し、その後陰イオン交換樹脂の粉末をふりかけて、セラミック基板表面に水と陰イオン交換樹脂との混合物を形成するものとし、同様の効果が得られる。
【0033】
実施の形態9.
上記実施の形態4では、陽および陰イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせ、ペースト状の混合物を作り、この混合物を吸水性の布体に含浸させた後、その布体をケーブルトレイ表面に貼り付けるものとしているが、この実施の形態9では、陽および陰イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせ、ペースト状の混合物を作り、ケーブルトレイ表面に吸水性の布体を載置し、その後水を噴霧して該布体に水を吸着させるものとし、同様の効果が得られる。
【0034】
実施の形態10.
上記実施の形態4では、陽および陰イオン交換樹脂の粉末に水を加えて練り合わせ、ペースト状の混合物を作り、この混合物を吸水性の布体に含浸させた後、その布体をケーブルトレイ表面に貼り付けるものとしているが、この実施の形態10では、陽および陰イオン交換樹脂からなる多孔質のシートを成形し、このシートに水を含浸させた後、該シートをケーブルトレイ表面に貼り付けるものとし、同様の効果が得られる。
【0035】
実施の形態11.
上記実施の形態10では、陽および陰イオン交換樹脂からなる多孔質のシートを成形し、このシートに水を含浸させた後、該シートをケーブルトレイ表面に貼り付けるものとしているが、この実施の形態11では、陽および陰イオン交換樹脂からなる多孔質のシートを成形し、このシートをケーブルトレイ表面に載置し、その後水を噴霧して該シートに水を吸着させるものとし、同様の効果が得られる。
【0036】
ここで、イオン性物質をイオン化するために用いられる極性溶媒としては、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチレンセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトン等の1種以上があげられるが、これらに限定されるものではない。
また、イオン交換性材料としては、絶縁性低下、腐食さらには塗膜の密着性低下を引き起こすイオン性物質(極性溶媒により電解質イオンとなる)を捕捉し固定するものであればよい。大きく分けて、有機化合物であるイオン交換樹脂と無機のイオン交換性物質とがあり、いずれも単独で、または混合して使用することができる。イオン交換樹脂を用いる場合は比重が小さい点で有利であり、イオン交換性物質を用いる場合は耐熱性が良い点で有利である。
また、イオン交換性材料を別の観点から分類すると、陽イオン交換性材料と陰イオン交換性材料とに分けられる。陽イオン交換性材料は、腐食、絶縁性低下、塗膜の密着性低下の原因となる電解質イオンが陽イオン(例えば、Na,K,Li等のアルカリ金属イオン;Ag,Cu,Fe,Pb,Sn,Mg,Ca等の他の金属イオン;テトラメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン等のアンモニウムイオン)の場合に用いられる。また、陰イオン交換性材料は、腐食、絶縁性低下、塗膜の密着性低下の原因となる電解質イオンが陰イオン(例えば、Cl,Br,I等のハロゲンイオン;SO4,NO3,NO2等の酸化物イオン;蟻酸、酢酸、フタル酸等の有機酸イオン)の場合に用いられる。もちろん、両方のイオン交換性材料を併用してもよい。
また、イオン交換性材料と極性溶媒との割合や量は、除去するイオン性物質の成分、量によって決まるものであり、特に制限はないが、作業性の面からイオン交換性材料が10〜99重量%であることが好ましい。
また、イオン交換性材料は、粒状、繊維状、ペレット状等の形状で使用できるが、イオン性物質の捕捉を効果的に行うには、粒状であることが好ましい。その場合、粒径は特に制限されないが、イオン性物質の捕捉を効率的に行うには、平均粒径500μm以下、好ましくは1〜500μmがよい。
【0037】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0038】
この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を該構造体表面に刷毛塗りして塗布するようにしたので、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0039】
この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を該構造体表面に噴霧して塗布するようにしたので、大面積の塗布面にも、複雑な面形状の塗布面にも混合物を簡易に塗布でき、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0040】
また、この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を布体に含浸させて、該布体を該構造体表面に貼り付けるようにしたので、布体を構造体表面に貼り付けるだけで混合物の塗布ができるとともに、構造体表面から布体を剥がすことによりイオン交換性材料の飛散もなく簡易に回収でき、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0041】
また、この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、布体を該構造体表面に載置した後、該混合物を該布体上に噴霧して該布体に含浸させるようにしたので、構造体表面から布体を剥がすことによりイオン交換性材料の飛散もなく簡易に回収でき、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0042】
また、この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を布体のローラに含浸させて、該ローラにより該混合物を該構造体表面に転写して塗布するようにしたので、混合物を構造体表面に簡易に塗布でき、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0043】
また、この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物中に該構造体を浸漬して、該混合物を該構造体表面に塗布するようにしたので、小形の構造体表面にも、複雑な面形状の塗布面にも混合物を簡易に塗布でき、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0044】
また、この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該イオン交換性材料からなるシートを該構造体表面に載置し、その後該シートに該極性溶媒を噴霧して該シートに該極性溶媒を含浸させるようにしたので、構造体表面からシートを剥がすことによりイオン交換性材料の飛散もなく簡易に回収でき、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0045】
また、この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該イオン交換性材料からなるシートに該極性溶媒を含浸させ、その後該シートを該構造体表面に貼り付けるようにしたので、構造体表面からシートを剥がすことによりイオン交換性材料の飛散もなく簡易に回収でき、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0046】
また、この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、該極性溶媒と該イオン交換性材料とを混合し、該混合物を加熱した後、該構造体表面に塗布するようにしたので、イオン交換性材料によるイオン性物質の捕捉反応が促進され、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0047】
また、この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を回収する工程とを備え、該イオン交換性材料を回収する工程は、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料を吸引して回収するようにしたので、イオン性物質を捕捉したイオン交換性材料を速やかに回収でき、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
【0048】
また、この発明によれば、イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、該極性溶媒により該イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を該イオン交換性材料に捕捉させる工程と、該イオン性物質を捕捉した該イオン交換性材料の層上に凝固液を塗布し該イオン交換性材料を一体化する工程と、該凝固液で一体化された該イオン交換性材料を回収する工程とを備えたので、構造体表面から一体化されたイオン交換性材料を剥がすことによりイオン交換性材料の飛散もなく簡易に回収でき、構造体表面に付着しているイオン性物質を簡便に、安価に、かつ、確実に除去できるイオン性物質除去方法が得られる。
Claims (11)
- イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、前記極性溶媒により前記イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を前記イオン交換性材料に捕捉させる工程と、前記イオン性物質を捕捉した前記イオン交換性材料を回収する工程とを備え、前記極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、前記極性溶媒と前記イオン交換性材料とを混合し、該混合物を前記構造体表面に刷毛塗りして塗布するようにしたことを特徴とするイオン性物質除去方法。
- イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、前記極性溶媒により前記イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を前記イオン交換性材料に捕捉させる工程と、前記イオン性物質を捕捉した前記イオン交換性材料を回収する工程とを備え、前記極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、前記極性溶媒と前記イオン交換性材料とを混合し、該混合物を前記構造体表面に噴霧して塗布するようにしたことを特徴とするイオン性物質除去方法。
- イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、前記極性溶媒により前記イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を前記イオン交換性材料に捕捉させる工程と、前記イオン性物質を捕捉した前記イオン交換性材料を回収する工程とを備え、前記極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、前記極性溶媒と前記イオン交換性材料とを混合し、該混合物を布体に含浸させて、該布体を前記構造体表面に貼り付けるようにしたことを特徴とするイオン性物質除去方法。
- イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、前記極性溶媒により前記イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を前記イオン交換性材料に捕捉させる工程と、前記イオン性物質を捕捉した前記イオン交換性材料を回収する工程とを備え、前記極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、前記極性溶媒と前記イオン交換性材料とを混合し、布体を前記構造体表面に載置した後、該混合物を該布体上に噴霧して該布体に含浸させるようにしたことを特徴とするイオン性物質除去方法。
- イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、前記極性溶媒により前記イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を前記イオン交換性材料に捕捉させる工程と、前記イオン性物質を捕捉した前記イオン交換性材料を回収する工程とを備え、前記極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、前記極性溶媒と前記イオン交換性材料とを混合し、該混合物を布体のローラに含浸させて、該ローラにより該混合物を前記構造体表面に転写して塗布するようにしたことを特徴とするイオン性物質除去方法。
- イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、前記極性溶媒により前記イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を前記イオン交換性材料に捕捉させる工程と、前記イオン性物質を捕捉した前記イオン交換性材料を回収する工程とを備え、前記極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、前記極性溶媒と前記イオン交換性材料とを混合し、該混合物中に前記構造体を浸漬して、該混合物を該構造体表面に塗布するようにしたことを特徴とするイオン性物質除去方法。
- イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、前記極性溶媒により前記イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を前記イオン交換性材料に捕捉させる工程と、前記イオン性物質を捕捉した前記イオン交換性材料を回収する工程とを備え、前記極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、前記イオン交換性材料からなるシートを前記構造体表面に載置し、その後該シートに該極性溶媒を噴霧して該シートに該極性溶媒を含浸させるようにしたことを特徴とするイオン性物質除去方法。
- イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、前記極性溶媒により前記イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を前記イオン交換性材料に捕捉させる工程と、前記イオン性物質を捕捉した前記イオン交換性材料を回収する工程とを備え、前記極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、前記イオン交換性材料からなるシートに該極性溶媒を含浸させ、その後該シートを前記構造体表面に貼り付けるようにしたことを特徴とするイオン性物質除去方法。
- イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、前記極性溶媒により前記イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を前記イオン交換性材料に捕捉させる工程と、前記イオン性物質を捕捉した前記イオン交換性材料を回収する工程とを備え、前記極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程は、前記極性溶媒と前記イオン交換性材料とを混合し、該混合物を加熱した後、前記構造体表面に塗布するようにしたことを特徴とするイオン性物質除去方法。
- イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、前記極性溶媒により前記イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を前記イオン交換性材料に捕捉させる工程と、前記イオン性物質を捕捉した前記イオン交換性材料を回収する工程とを備え、前記イオン交換性材料を回収する工程は、前記イオン性物質を捕捉した前記イオン交換性材料を吸引して回収するようにしたことを特徴とするイオン性物質除去方法。
- イオン性物質が付着した構造体表面に極性溶媒とイオン交換性材料とを塗布する工程と、前記極性溶媒により前記イオン性物質をイオン化し、該イオン化されたイオン性物質を前記イオン交換性材料に捕捉させる工程と、前記イオン性物質を捕捉した前記イオン交換性材料の層上に凝固液を塗布し該イオン交換性材料を一体化する工程と、前記凝固液で一体化された前記イオン交換性材料を回収する工程とを備えたことを特徴とするイオン性物質除去方法。
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|---|---|---|---|
| JP02921197A JP3886586B2 (ja) | 1997-02-13 | 1997-02-13 | イオン性物質除去方法 |
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| JPH10216534A (ja) | 1998-08-18 |
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