JP3887038B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性ポリウレタン、末端に水酸基を有する重合体およびポリオレフィン系樹脂からなる樹脂組成物、並びに該樹脂組成物からなる成形品に関する。本発明の樹脂組成物は、力学的強度、耐衝撃性、耐摩耗性、成形加工性に優れており、各種成形品の素材として有用である。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性ポリウレタンは、力学的強度、高弾性、耐摩耗性および耐油性に優れるなど多くの特徴を有するため、ゴムやプラスチックスの代替材料として注目されており、通常のプラスチックス成形加工法が適用できる成形材料として、広範囲な用途で使用されている。しかしながら、従来の熱可塑性ポリウレタンは、他の樹脂に比べて粘着性(タック性)が非常に強く、成形加工性に劣っている。例えば、押出成形においては、フィルム、シート、チューブなどの巻き返しが困難な状況が生じやすい。また、射出成形においては、金型からの離型性が悪く、成形サイクルが長くなる。一方、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系樹脂は、成形加工性、機械的物性、耐水性、耐薬品性などに優れているものの、柔軟性、接着性、印刷性、低温衝撃性などに劣っている。そこで、熱可塑性ポリウレタンとポリオレフィン系樹脂のそれぞれの欠点を改善するために、これらの樹脂を配合する試みがなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、熱可塑性ポリウレタンとポリオレフィン系樹脂の相溶性は非常に乏しいため、例えば、これらを単に溶融混練しても力学的強度や成形性に優れたものは得られない。さらに、この樹脂組成物を射出成形する場合には、得られる成形品の表面剥離や層間剥離が生じやすい。また、押出成形する場合には、ダイスに目脂が発生しやすい。さらに、フィルムに成形する場合には、フィルムに穴あきが生じやすい。
【0004】
本発明の目的は、構成成分である熱可塑性ポリウレタンとポリオレフィン系樹脂の相溶性が良好で、優れた力学的強度、耐衝撃性、耐摩耗性を有しているのみならず、成形加工性にも優れた樹脂組成物を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、上記した樹脂組成物からなる成形品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するべく本発明者らが検討を重ねた結果、熱可塑性ポリウレタンとポリオレフィン系樹脂からなる樹脂組成物に、末端に水酸基を有する特定の重合体を配合することにより、これらの樹脂の相溶性が著しく改善され、力学的強度、耐衝撃性、耐摩耗性、成形加工性などに優れた樹脂組成物が得られることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、(i)熱可塑性ポリウレタン(A)、末端に水酸基を有する重合体(B)およびポリオレフィン系樹脂(C)からなる樹脂組成物であって;
(ii)(A)〜(C)の合計重量に基づいて、熱可塑性ポリウレタン(A)を3〜90重量%、末端に水酸基を有する重合体(B)を3〜30重量%およびポリオレフィン系樹脂(C)を5〜90重量%の割合で含有し;そして、
(iii)末端に水酸基を有する重合体(B)が、水素添加した共役ジエン化合物単位(I)単独からなるか、または水素添加した共役ジエン化合物単位(I)と芳香族ビニル化合物単位(II)からなり、構造単位(I)/構造単位(II)のモル比が10/90〜100/0であり、数平均分子量が10,000〜150,000であることを特徴とする樹脂組成物に関する。
【0007】
そして、本発明は、熱可塑性ポリウレタン(A)、末端に水酸基を有する重合体(B)およびポリオレフィン系樹脂(C)の合計重量に基づいて、更に高級脂肪酸ビスアミド(D)を0.3〜5重量%の割合で含有する上記した樹脂組成物に関する。さらに、本発明は、上記の樹脂組成物からなる成形品に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる熱可塑性ポリウレタン(A)は、実質的に、高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を反応させて得られたものである。
【0009】
高分子ジオールとしては、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエステルポリカーボネートジオールなどのエステル系高分子ジオール;ポリエーテルジオールなどのエーテル系高分子ジオールが好ましい。高分子ジオールの数平均分子量は、900〜6,000であるのが好ましく、1,000〜6,000であるのがより好ましい。なお、本明細書でいう高分子ジオールの数平均分子量は、いずれもJIS K 1577に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量である。
【0010】
上記ポリエステルジオールは、例えば、常法に従って、ジカルボン酸またはそのエステル、無水物などのエステル形成性誘導体と低分子ジオールとを直接エステル化反応もしくはエステル交換反応に付すことにより得られる。
【0011】
ポリエステルジオールの製造原料として用いられるジカルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸などの炭素数5〜12の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸などの芳香族ジカルボン酸などを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。これらのなかでも、炭素数が5〜12の脂肪族ジカルボン酸を使用するのが好ましく、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸を使用するのがより好ましい。
【0012】
ポリエステルジオールの製造原料として用いられる低分子ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどの脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなどの脂環式ジオールなどを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。これなのなかでも、炭素数4〜12の脂肪族ジオールを使用するのが好ましく、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールを使用するのがより好ましい。
【0013】
上記したポリカーボネートジオールは、例えば、低分子ジオールとジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネートなどのカーボネート化合物との反応により得られる。ポリカーボネートジオールの製造原料である低分子ジオールとしては、ポリエステルジオールの製造原料として先に例示した低分子ジオールを用いることができる。また、ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどを、アルキレンカーボネートとしてはエチレンカーボネートなどを、ジアリールカーボネートとしてはジフェニルカーボネートなどを挙げることができる。
【0014】
上記したポリエステルポリカーボネートジオールは、例えば、低分子ジオール、ジカルボン酸およびカーボネート化合物を同時に反応させることにより得られる。あるいは、予め上記した方法によりポリエステルジオールおよびポリカーボネートジオールをそれぞれ合成し、次いでそれらをカーボネート化合物と反応させるか、またはジオールおよびジカルボン酸と反応させることによって得られる。
【0015】
ポリエーテルジオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。これらのなかでも、ポリテトラメチレングリコールを用いるのが好ましい。
【0016】
熱可塑性ポリウレタン(A)の製造に用いられる有機ジイソシアネートの種類は特に制限されず、通常の熱可塑性ポリウレタンの製造に従来から用いられている有機ジイソシアネートのいずれもが使用できるが、分子量500以下の芳香族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートのうちの1種または2種以上が好ましく使用される。有機ジイソシアネートの例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。これらのなかでも4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いるのが好ましい。また、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの3官能以上のポリイソシアネートを、必要に応じて少量用いることもできる。
【0017】
熱可塑性ポリウレタン(A)の製造に用いられる鎖伸長剤の種類は特に制限されず、通常の熱可塑性ポリウレタンの製造に従来から用いられている鎖伸長剤のいずれもが使用できるが、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量300以下の低分子化合物を使用することが好ましい。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス−(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、キシリレングリコールなどのジオール類;ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジンおよびその誘導体、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなどのジアミン類;アミノエチルアルコール、アミノプロピルアルコールなどのアミノアルコール類などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。これらの中でも、炭素数2〜10の脂肪族ジオールを使用することが好ましく、1,4−ブタンジオールを使用することがより好ましい。
【0018】
鎖伸長剤の使用量は特に制限されず、ポリウレタンに付与すべき硬度などに応じて適宜選択することができるが、通常は、高分子ジオール1モル当たり、0.1〜10モルの割合で使用するのが好ましく、0.3〜7モルの割合で使用するのがより好ましい。
【0019】
熱可塑性ポリウレタン(A)の製造に当たっては、上記の高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を、下記の数式(1);
1.00≦b/(a+c)≦1.10 (1)
(式中、aは高分子ジオールのモル数、bは有機ジイソシアネートのモル数、cは鎖伸長剤のモル数を示す)
を満足する割合で反応させることが好ましい。高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を、上記の範囲内で反応させた熱可塑性ポリウレタンを用いることにより、力学的性能、耐衝撃性、耐摩耗性、成形加工性がより優れた樹脂組成物が得られる。
【0020】
上記の高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を用いて熱可塑性ポリウレタン(A)を製造するに当たって、ウレタン化反応に対して触媒活性を有するスズ系ウレタン化触媒を使用するのが好ましい。スズ系ウレタン化触媒を使用すると、ポリウレタンの分子量が速やかに増大し、各種物性がより良好なポリウレタンが得られる。スズ系ウレタン化触媒としては、例えば、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレートなどのジアルキルスズジアシレート、ジブチルスズビス(3−メルカプトプロピオン酸エトキシブチルエステル)塩などのジアルキルスズビスメルカプトカルボン酸エステル塩などを挙げることができる。これらのスズ系ウレタン化触媒の使用量は、ポリウレタン(即ち、ポリウレタンの製造に用いる高分子ジオール、有機ジイソシアネート、鎖伸長剤などの反応性原料化合物の全重量)に対して、スズ原子換算で0.5〜15ppmであるのが好ましい。
【0021】
熱可塑性ポリウレタン(A)の製造方法は特に制限されず、上記した高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を使用して、公知のウレタン化反応技術を利用して、プレポリマー法またはワンショット法のいずれで製造してもよい。そのうちでも、実質的に溶剤の不存在下に溶融重合することが好ましく、特に多軸スクリュー型押出機を用いて連続溶融重合することが好ましい。
【0022】
熱可塑性ポリウレタン(A)の対数粘度は、n−ブチルアミンを0.05モル/リットル含有するN,N−ジメチルホルムアミド溶液に、熱可塑性ポリウレタンを濃度0.5g/dlになるように溶解し、30℃で測定したときに、0.5〜2.0dl/gであることが好ましく、0.8〜1.9dl/gであることがより好ましい。対数粘度が0.5〜2.0dl/gの範囲の熱可塑性ポリウレタンを使用すると、力学的性能、耐摩耗性、非粘着性などが良好な樹脂組成物が得られるので好ましい。
【0023】
本発明に用いられる末端に水酸基を有する重合体(B)は、水素添加した共役ジエン化合物単位(I)単独からなるか、または水素添加した共役ジエン化合物単位(I)および芳香族ビニル化合物単位(II)からなり、構造単位(I)/構造単位(II)のモル比は10/90〜100/0であり、20/80〜95/5であるのが好ましい。構造単位(I)と構造単位(II)の含有割合が上記の範囲の重合体(B)を用いることにより、相溶性が良好で、力学的性能、耐摩耗性などに優れた樹脂組成物が得られる。
【0024】
重合体(B)を構成する共役ジエン化合物単位(I)としては、例えば、イソプレン、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどから誘導される単位を挙げることができ、これらを1種または2種以上含ませることができる。これらのなかでもイソプレン、1,3−ブタジエンから誘導される単位が好ましい。イソプレンから誘導される単位としては、具体的には、2−メチル−2−ブテン−1,4−ジイル基〔−CH2−C(CH3)=CH−CH2−;1,4−結合のイソプレン単位〕、イソプロペニルエチレン基〔−CH{C(CH3)=CH2}−CH2−;3,4−結合のイソプレン単位〕、1−メチル−1−ビニルエチレン基〔−C(CH3)(CH=CH2)−CH2−;1,2−結合のイソプレン単位〕を挙げることができる。1,3−ブタジエンから誘導される単位としては、具体的には、ビニルエチレン基〔−CH(CH=CH2)−CH2−;1,2−結合のブタジエン単位〕、2−ブテン1,4−ジイル基〔−CH2−CH=CH−CH2−;1,4−結合のブタジエン単位〕を挙げることができる。
【0025】
重合体(B)を構成する芳香族ビニル化合物単位(II)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどから誘導される単位を挙げることができ、これらを1種または2種以上含ませることができる。これらのなかでもスチレンから誘導される単位が好ましい。
【0026】
重合体(B)は、水素添加した共役ジエン化合物単位(I)のみから構成される重合体、または水素添加した共役ジエン化合物単位(I)と芳香族ビニル化合物単位(II)とから構成される重合体である。重合体(B)が、水素添加した共役ジエン化合物単位(I)と芳香族ビニル化合物単位(II)とから構成される場合には、構成単位(I)と構成単位(II)の配置は、ランダム状、ブロック状、テーパーブロック状のいずれの形態になっていてもよいが、得られる樹脂組成物の相溶性、成形加工性などがより優れているという点において、各構成単位がそれぞれブロック状に配置されているのが好ましい。すなわち、水素添加した共役ジエン化合物単位(I)からなる重合体ブロックと、芳香族ビニル化合物単位(II)からなる重合体ブロックとをそれぞれ少なくとも1個含有しているブロック共重合体が好ましい。
【0027】
水素添加した共役ジエン化合物単位(I)からなる重合体ブロックとしては、水素添加したポリイソプレンブロック、水素添加したポリブタジエンブロックおよび水素添加したイソプレン/ブタジエン共重合体ブロックから選ばれる少なくとも1種を用いるのが好ましい。
【0028】
水素添加したポリイソプレンブロックは、イソプレンに由来する単位から主としてなるポリイソプレンの不飽和結合の一部または全部が、水素添加されて飽和結合になっている重合体ブロックである。水素添加したポリイソプレンブロックでは、その水素添加前には、前記した1,4−結合のイソプレン単位、3,4−結合のイソプレン単位および1,2−結合のイソプレン単位から選ばれる少なくとも1種からなっており、各単位の割合は特に限定されないが、1,4−結合のイソプレン単位の割合が40モル%以上であることが、得られる樹脂組成物の力学的性能、耐衝撃性、耐摩耗性が優れることから好ましい。そして、水素添加したポリイソプレンブロックは、その数平均分子量が8,000〜100,000であるのが、得られる樹脂組成物の力学的性能、成形加工性などが優れることから好ましく、10,000〜80,000であるのがより好ましい。
【0029】
水素添加したポリブタジエンブロックは、ブタジエンに由来する単位から主としてなるポリブタジエンの不飽和結合の一部または全部が、水素添加によって飽和結合になっている重合体ブロックである。水素添加したポリブタジエンブロックでは、その水素添加前には、好ましくは30〜80モル%、より好ましくは35〜60モル%が前記した1,2−結合のブタジエン単位であり、好ましくは70〜20モル%、より好ましくは65〜40モル%が前記した1,4−結合のブタジエン単位である。水素添加したポリブタジエンブロックにおける1,2−結合のブタジエン単位の割合が30〜80モル%の範囲から外れると、得られる樹脂組成物の耐衝撃性が不良となる。そして、水素添加したポリブタジエンブロックは、その数平均分子量が8,000〜100,000であるのが、得られる樹脂組成物の力学的性能、成形加工性などが優れることから好ましく、10,000〜80,000であるのがより好ましい。
【0030】
水素添加したイソプレン/ブタジエン共重合体ブロックは、イソプレンに由来する単位およびブタジエンに由来する単位から主としてなるイソプレン/ブタジエン共重合体の不飽和結合の一部または全部が、水素添加によって飽和結合になっている重合体ブロックである。水素添加したイソプレン/ブタジエン共重合体ブロックでは、その水素添加前には、イソプレンに由来する単位は、前記した1,4−結合のイソプレン単位、3,4−結合のイソプレン単位および1,2−結合のイソプレン単位から選ばれる少なくとも1種の単位であり、ブタジエンに由来する単位は、前記した1,2−結合のブタジエン単位および/または1,4−結合のブタジエン単位である。水素添加前におけるイソプレン/ブタジエン共重合体ブロックにおけるこれらの単位の割合は特に制限されず、さらに、ランダム状、ブロック状、テーパーブロック状のいずれの形態になっていてもよい。そして、水素添加したイソプレン/ブタジエン共重合体ブロックは、その数平均分子量が8,000〜100,000であるのが、得られる樹脂組成物の力学的性能、耐衝撃性、耐摩耗性などが優れることから好ましく、10,000〜80,000であるのがより好ましい。
【0031】
本発明においては、樹脂組成物の耐衝撃性の改善効果の点から、重合体(B)を構成する水素添加した共役ジエン化合物単位(I)からなる重合体ブロックは、水素添加したポリイソプレンブロックおよび水素添加したイソプレン/ブタジエン共重合体ブロックの少なくとも一方からなっているのが好ましく、イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックからなっているのがより好ましい。イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックの場合、(イソプレンに由来する単位):(ブタジエンに由来する単位)のモル比が1:9〜9:1の範囲内であるのが耐衝撃性の改善の点から好ましく、3:7〜7:3の範囲内であるのがより好ましい。
【0032】
重合体(B)を構成する芳香族ビニル化合物単位(II)からなる重合体ブロックは、その数平均分子量が2,000〜50,000であるのが、得られる樹脂組成物の力学的性能、成形加工性などが優れることから好ましく、数平均分子量が2,500〜40,000であるのがより好ましい。
【0033】
本発明に用いられる好ましい重合体(B)としては、例えば下記の式▲1▼〜▲4▼で示されるブロック共重合体を挙げることができる。
【0034】
〔式中、AおよびA’はそれぞれ独立して芳香族ビニル化合物単位からなる重合体ブロックを、BおよびB’はそれぞれ独立して水素添加した共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロックを、k、l、m、nはそれぞれ独立して1以上の整数を表し、−OHは水酸基を表す。〕
【0035】
上記式▲1▼〜▲4▼で示されるブロック共重合体において、k、l、m、nが1〜5の範囲内の整数であるのが好ましく、芳香族ビニル化合物単位からなる重合体ブロックを2個以上有しているブロック共重合体が、得られる樹脂組成物の耐衝撃性を一層向上させる点においてさらに好ましい。特に、下記の式▲5▼で示されるトリブロック共重合体が好ましい。
【0036】
A−B−A’−OH …… ▲5▼
〔式中、AおよびA’はそれぞれ独立して芳香族ビニル化合物単位からなる重合体ブロックを、Bは水素添加した共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロックを表し、−OHは水酸基を表す。〕
【0037】
重合体(B)は、末端に水酸基を含有している必要がある。重合体(B)の水酸基含有量は、1分子当たり0.5個以上であるのが好ましく、0.7〜2.0個であるのがより好ましい。末端に水酸基を全く有していないものは、熱可塑性ポリウレタン(A)とポリオレフィン系樹脂(C)の相溶性を十分に改善することができず、力学的強度、耐衝撃性、耐摩耗性などに優れた樹脂組成物は得られない。
【0038】
重合体(B)の数平均分子量は、10,000〜150,000であり、12,500〜120,000であるのが好ましい。数平均分子量がこの範囲の重合体(B)を用いることにより、熱可塑性ポリウレタン(A)とポリオレフィン系樹脂(C)との相溶性がより向上し、力学的物性、耐摩耗性がより優れた樹脂組成物が得られる。
【0039】
重合体(B)は、例えば、ブチルリチウムなどの有機アルカリ金属触媒を用いるアニオンリビング重合などにより、上記した単量体単位からなるリビングポリマーを得、その重合活性末端をエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドなどで処理して末端に水酸基を導入した後、さらに公知の方法を用いて共役ジエン化合物単位を水素添加することにより得られる。
【0040】
重合体(B)を構成する共役ジエン化合物単位(I)における炭素−炭素二重結合の水素添加の状態は、部分水添であっても、または完全水添であってもよい。耐熱劣化性および耐候性などがより優れた樹脂組成物が得られる点において、炭素−炭素二重結合の50%以上が水素添加されている(すなわち、不飽和度が50%以下である)のが好ましく、80%以上が水素添加されている(すなわち、不飽和度が20%以下である)のがより好ましい。
【0041】
共役ジエン化合物単位の水素添加反応には、触媒として均一系触媒または不均一系触媒を用いることができる。均一系触媒としては、例えば、有機遷移金属触媒(ニッケルアセチルアセトナート、コバルトアセチルアセトナート、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト等)とアルミニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属などの金属のアルキル化合物との組み合わせによるチーグラー触媒などを挙げることができる。これらの触媒は、共役ジエン化合物単位中に含まれる炭素−炭素二重結合に対して0.01〜0.1モル%の割合で用いられるのが好ましい。水素添加反応は、通常、常温〜160℃、常圧〜50kg/cm2の水素圧下で行われ、約1〜50時間で終了する。
【0042】
本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂(C)としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、エチレン/α−オレフィン共重合体などが挙げられる。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デカン、1−オクタデカンなどを挙げることができ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのポリオレフィン系樹脂(C)のメルトフローレート(MI;190℃、2.16kg荷重)は、0.02〜30g/10分であるのが好ましい。
【0043】
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性ポリウレタン(A)、末端に水酸基を有する重合体(B)およびポリオレフィン系樹脂(C)の合計重量に基づいて、熱可塑性ポリウレタン(A)を3〜90重量%、末端に水酸基を有する重合体(B)を3〜30重量%およびポリオレフィン系樹脂(C)を5〜90重量%の割合で含有していることが必要であり、熱可塑性ポリウレタン(A)を15〜90重量%、末端に水酸基を有する高分子(B)を5〜25重量%、およびポリオレフィン系樹脂(C)を5〜80重量%の割合で含有しているのが好ましい。
【0044】
熱可塑性ポリウレタン(A)の含有量が3重量%未満の場合には、得られる樹脂組成物の柔軟性、力学的強度、耐衝撃性、耐摩耗性などの性能が低下する。熱可塑性ポリウレタン(A)の含有量が90重量%を超える場合には、得られる樹脂組成物が粘着性、ブロッキング性を有するようになるため、フィルムに成形する際に、巻き取り、巻き戻しなどが困難になる。また、射出成形する際には成形サイクルが長くなる傾向がある。重合体(B)の含有量が3重量%未満の場合には、熱可塑性ポリウレタン(A)とポリオレフィン系樹脂(C)との相溶性が劣るため、射出成形する際に、成形品の表面で樹脂の剥離現象が生じやすい。また、押出成形する際には、ダイスに目脂が発生しやすくなる。重合体(B)の含有量が30重量%を超える場合には、熱可塑性ポリウレタン(A)と重合体(B)の相溶性が低下したり、得られる樹脂組成物が粘着性を有するようになる。ポリオレフィン系樹脂(C)の含有量が5重量%未満の場合には、得られる樹脂組成物の非粘着性が十分に改善されない。ポリオレフィン系樹脂(C)の含有量が90重量%を超える場合には、熱可塑性ポリウレタン(A)とポリオレフィン系樹脂(C)の相溶性が低下し、各種物性が低下する傾向がある。
【0045】
また、本発明の樹脂組成物は、熱可塑性ポリウレタン(A)、末端に水酸基を有する重合体(B)およびポリオレフィン系樹脂(C)の合計重量に基づいて、更に高級脂肪酸ビスアミド(D)を0.3〜5重量%の割合で含有することが好ましい。高級脂肪酸ビスアミド(D)を前記の割合で含有することによって、得られる樹脂組成物の非粘着性、相溶性などがより一層向上し、力学的特性がより優れたものが得られる。
【0046】
本発明に用いることができる高級脂肪酸ビスアミド(D)としては、炭素数14〜35の高級脂肪酸と炭素数が1〜10の脂肪族ジアミンから製造されるものが好ましい。高級脂肪酸としては、例えば、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セチン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸などが挙げられる。脂肪族ジアミンとしては、例えば、メチレンジアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカンなどが挙げられる。前記高級脂肪酸と脂肪族ジアミンから製造される高級脂肪酸ビスアミドの中でも、エチレンビスステアリン酸アミド、テトラメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサンメチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスモンタン酸アミド、テトラメチレンビスモンタン酸アミド、ヘキサメチレンビスモンタン酸アミドなどが好ましい。これらの高級脂肪酸ビスアミドは単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
【0047】
さらに、所望により、本発明の効果に悪影響を及ぼさない範囲内の量において、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、加水分解防止剤等の添加剤を併用することができる。
【0048】
本発明の樹脂組成物は、上記の熱可塑性ポリウレタン(A)、末端に水酸基を有する重合体(B)、ポリオレフィン系樹脂(C)、および必要に応じて高級脂肪酸ビスアミド(D)などの添加剤を、所望の方法で混合することにより製造することができる。例えば、樹脂材料の混合に通常用いられるような縦型または水平型の混合機を用いて、上記各成分を所定の割合で予備混合した後、一軸または二軸の押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサーなどを用いて、回分式または連続式で加熱下に溶融混練することにより製造することができる。
【0049】
本発明の樹脂組成物は、熱溶融成形、加熱加工が可能であり、押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形、注型などの任意の成形方法によって、種々の成形品を円滑に成形することができる。
【0050】
本発明の樹脂組成物は、自動車部品、機械部品、靴底、時計バンド、パッキン材、フィルム、シート、ベルト、ホース、チューブなどの広範囲な各種用途の素材などとして有用である。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例において、熱可塑性ポリウレタンの硬度、対数粘度;樹脂組成物の引張強伸度、耐衝撃性、耐摩耗性、成形品の表面剥離、非粘着性および相溶性は以下の方法により測定または評価した。
【0052】
[硬度]
熱可塑性ポリウレタンを射出成形(シリンダー温度:180〜200℃、金型温度:30℃)することにより得られた直径120mm、厚さ2mmの円板状物を2枚重ね合わせたものを用いて、JIS K 6301に準拠してショアー硬度Aを求めた。
【0053】
[対数粘度]
n−ブチルアミンを0.05モル/リットル含有するN,N−ジメチルホルムアミド溶液に、熱可塑性ポリウレタンを濃度0.5g/dlになるように溶解し、ウベローデ型粘度計を用いて、その熱可塑性ポリウレタン溶液の30℃における流下時間を測定し、下式により対数粘度を測定した。
対数粘度={ln(t/t0)}/c
〔式中、tは熱可塑性ポリウレタン溶液の流下時間(秒)を、toは溶媒の流下時間(秒)を、cは熱可塑性ポリウレタン溶液の濃度(g/dl)を表す。〕
【0054】
[引張強伸度]
樹脂組成物を射出成形(シリンダー温度:180〜200℃、金型温度:30℃)することにより得られた直径120mm、厚さ2mmの円板状物からダンベル3号で打ち抜き試験片を作成し、JIS K 7311に準拠して引張強度および引張伸度を測定した。
【0055】
[耐衝撃性]
樹脂組成物を200℃で熱プレスすることにより得られた厚さ120μのシートについて、フィルムインパクトテスターを用いて耐衝撃性を測定した。
【0056】
[耐摩耗性]
樹脂組成物を射出成形(シリンダー温度:180〜200℃、金型温度:30℃)することにより得られた直径120mm、厚さ2mmの円板状物を使用し、JIS K 7311(荷重1kg、1000回、摩耗輪H−22)に準拠して摩耗量を測定した。
【0057】
[成形品の表面剥離]
樹脂組成物を射出成形(シリンダー温度:180〜200℃、金型温度:30℃)することにより得られた直径120mm、厚さ2mmの円板状物の表面を肉眼で観察し、表面に剥離が生じているがどうかを調べた。
【0058】
[非粘着性]
Tダイ型押出成形機(25mmφ、シリンダー温度:190〜200℃、ダイス温度:200℃)を使用して厚さ約38μのフィルムを製膜する際に、離型紙を用いずに巻き取ったフィルムについて、巻き戻して、フィルム間の耐ブロッキング性の程度を観察し、下記の評価基準で判定した。
(記号) (評価基準)
◎: 巻き戻しが容易にできる。
○: 巻き戻し可能だが、巻き戻しに少し引張力を要する。
×: 巻き戻し可能だが、巻き戻しにかなりの引張力を要する。
【0059】
[相溶性]
Tダイ型押出成形機(25mmφ、シリンダー温度:190〜200℃、ダイス温度:200℃)を用いて押出成形した厚さ35μのフィルムを引き伸ばしたものを肉眼で観察し、白化現象を起こしているものを×,白化現象を起こしていないものを○とした。
【0060】
以下、実施例および比較例で用いた化合物および重合体に関する略号を下記に示す。
【0061】
BD: 1,4−ブタンジオール
【0062】
MDI: 4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
【0063】
PNOA:
1,9−ノナンジオール(ND)、2−メチル−1,8−オクタンジオール(MOD)(ND:MODのモル比65:35)およびアジピン酸からなる数平均分子量2,000のポリエステルジオール
【0064】
PMPA:
3−メチル−1,5−ペンタンジオールおよびアジピン酸からなる数平均分子量3,500のポリエステルジオール
【0065】
PBA:
1,4−ブタンジオールおよびアジピン酸からなる数平均分子量2,000のポリエステルジオール
【0066】
PTG:
数平均分子量1,000のポリテトラメチレングリコール
【0067】
IP−OH:
末端に水酸基を有するポリイソプレンの水添物;
〔数平均分子量:20,000、水酸基含有量:1分子当たり0.93個、水素添加率:98%、水素添加前のポリイソプレンブロックにおける1,4−結合:91モル%〕
【0068】
SEP−OH:
末端に水酸基を有する、ポリスチレンブロック(数平均分子量:10,000)/ポリイソプレンブロック(数平均分子量:20,000)からなるジブロック共重合体の水添物;
〔数平均分子量:30,000、スチレン単位/イソプレン単位のモル比:25/75、水酸基含有量:1分子当たり0.89個、水素添加率:97%、水素添加前のポリイソプレンブロックにおける1,4−結合:90モル%〕
【0069】
SEPS−OH:
末端基に水酸基を有する、ポリスチレンブロック(数平均分子量:6,000)/ポリイソプレンブロック(数平均分子量:28,000)/ポリスチレンブロック(数平均分子量:6,000)からなるトリブロック共重合体の水添物;
〔数平均分子量:40,000、スチレン単位/イソプレン単位のモル比:22/78、水酸基含有量:1分子当たり0.89個、水素添加率:98%、水素添加前のポリイソプレンブロックにおける1,4−結合量:92モル%〕
【0070】
SEEPS−OH:
末端に水酸基を有する、ポリスチレンブロック(数平均分子量:6,000)/1,3−ブタジエンとポリイソプレンとの共重合体ブロック(数平均分子量:30,000)/ポリスチレンブロック(数平均分子量:6,000)からなるトリブロック共重合体の水添物;
〔数平均分子量:42,000、スチレン単位/1,3−ブタジエン単位およびイソプレン単位のモル比:19/81、1,3−ブタジエン単位/イソプレン単位のモル比:50/50、水酸基含有量:1分子当たり0.80個、水素添加率:98%、水素添加前の1,3−ブタジエン単位における1,4−結合:55モル%、水素添加前のイソプレン単位における1,4−結合:95モル%〕
【0071】
SIS−OH:
末端に水酸基を有する、ポリスチレンブロック(数平均分子量:6,000)/ポリイソプレンブロック(数平均分子量:40,000)/ポリスチレンブロック(数平均分子量:6,000)からなるトリブロック共重合体の水添物;
〔数平均分子量:52,000、スチレン単位/イソプレン単位のモル比:17/83、水酸基含有量:1分子当たり0.89個、水素添加率:85%、水素添加前のポリイソプレンブロックにおける1,4−結合量:55モル%〕
【0072】
SEP:
末端に水酸基を有しない、ポリスチレンブロック(数平均分子量:11,000)−ポリイソプレンブロック(数平均分子量:20,000)からなるジブロック共重合体の水添物;
〔数平均分子量:31,000、スチレン単位/イソプレン単位のモル比:27/73、水素添加率:98%、ポリイソプレンブロックにおける1,4−結合:93モル%〕
【0073】
PP: ポリプロピレン(MI:5g/10分)
【0074】
PE: 高密度ポリエチレン(MI:0.05g/10分)
【0075】
EPR: エチレン−プロピレン共重合体(プロピレン含量:22重量%、MI:0.9g/10分)
【0076】
EBSA: エチレンビスステアリン酸アミド
【0077】
実施例1
PMPA、BDおよび50℃で加熱溶融したMDIを、PMPA:BD:MDIのモル比が1:4.17:5.32となる割合で、かつこれらの総量が300g/minになるように、定量ポンプにより、同軸で回転する二軸押出機(30mmφ、L/D=36、シリンダー温度:75〜260℃)に連続的に供給して、連続溶融重合を行った。生成したポリウレタンの溶融物をストランド状で水中に連続的に押し出し、次いでペレタイザーでペレットに切断し、このペレットを80℃で20時間除湿乾燥することにより、下記の表1に示す硬度および対数粘度を有する熱可塑性ポリウレタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン20重量部、ポリプロピレン(MI:5g/10分)60重量部、およびSEP−OH20重量部を、単軸押出機(25mmφ、シリンダー温度:170〜200℃、ダイス温度:190℃)で溶融混練した後、ペレット化し、このペレットを80℃で5時間以上除湿乾燥させた。この乾燥ペレットを使用して、上記の方法で各種物性値を測定または評価した結果を下記の表2に示す。
【0078】
実施例2〜9、比較例1〜3
下記の表1に示すポリウレタン原料を所定の割合で使用する以外は、実施例1と同様にして連続溶融重合反応を行い、表1に示す硬度および対数粘度を有する熱可塑性ポリウレタンを得た。さらに表1に示す配合割合で樹脂組成物を製造し、上記の方法で各種物性値を測定または評価した結果を下記の表2に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
実施例10〜20、比較例4、5
下記の表3に示すポリウレタン原料を所定の割合で使用する以外は、実施例1と同様にして連続溶融重合反応を行い、表3に示す硬度および対数粘度を有する熱可塑性ポリウレタンを得た。さらに表3に示す配合割合で樹脂組成物を製造し、上記の方法で各種物性値を測定または評価した結果を下記の表4に示す。
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、構成成分である熱可塑性ポリウレタンとポリオレフィン系樹脂の相溶性が良好なため、引張強伸度、耐衝撃性、耐摩耗性、成形加工性に優れており、各種成形品の素材として有用である。
Claims (11)
- (i)熱可塑性ポリウレタン(A)、末端に水酸基を有する重合体(B)およびポリオレフィン系樹脂(C)からなる樹脂組成物であって;
(ii)(A)〜(C)の合計重量に基づいて、熱可塑性ポリウレタン(A)を3〜90重量%、末端に水酸基を有する重合体(B)を3〜30重量%およびポリオレフィン系樹脂(C)を5〜90重量%の割合で含有し;そして、
(iii)末端に水酸基を有する重合体(B)が、水素添加した共役ジエン化合物単位(I)単独からなるか、または水素添加した共役ジエン化合物単位(I)と芳香族ビニル化合物単位(II)からなり、構造単位(I)/構造単位(II)のモル比が10/90〜100/0であり、数平均分子量が10,000〜150,000であることを特徴とする樹脂組成物。 - 末端に水酸基を有する重合体(B)が、水素添加した共役ジエン化合物単位(I)単独からなる重合体であるか、または水素添加した共役ジエン化合物単位(I)からなる重合体ブロックと、芳香族ビニル化合物単位(II)からなる重合体ブロックとからなるブロック共重合体であり、且つ構造単位(I)/構造単位(II)のモル比が10/90〜100/0で、数平均分子量が10,000〜150,000である請求項1記載の樹脂組成物。
- 末端に水酸基を有する重合体(B)の水酸基含有量が、1分子当たり0.5個以上である請求項1または2記載の樹脂組成物。
- 熱可塑性ポリウレタン(A)が、数平均分子量900〜6,000の高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を、下記の数式(1);
1.00≦b/(a+c)≦1.10 (1)
(式中、aは高分子ジオールのモル数、bは有機ジイソシアネートのモル数、cは鎖伸長剤のモル数を示す)
を満足する割合で反応させて得られた熱可塑性ポリウレタンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。 - 熱可塑性ポリウレタン(A)、末端に水酸基を有する重合体(B)およびポリオレフィン系樹脂(C)の合計重量に基づいて、更に高級脂肪酸ビスアミド(D)を0.3〜5重量%の割合で含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなる成形品。
- (i)熱可塑性ポリウレタン(A)、末端に水酸基を有する重合体(B)およびポリオレフィン系樹脂(C)を溶融混練することからなる樹脂組成物の製造方法であって;
(ii)(A)〜(C)の合計重量に基づいて、熱可塑性ポリウレタン(A)を3〜90重量%、末端に水酸基を有する重合体(B)を3〜30重量%およびポリオレフィン系樹脂(C)を5〜90重量%の割合で使用し;そして、
(iii)末端に水酸基を有する重合体(B)が、水素添加した共役ジエン化合物単位(I)単独からなるか、または水素添加した共役ジエン化合物単位(I)と芳香族ビニル化合物単位(II)からなり、構造単位(I)/構造単位(II)のモル比が10/90〜100/0であり、数平均分子量が10,000〜150,000であることを特徴とする樹脂組成物の製造方法。 - 末端に水酸基を有する重合体(B)が、水素添加した共役ジエン化合物単位(I)単独からなる重合体であるか、または水素添加した共役ジエン化合物単位(I)からなる重合体ブロックと、芳香族ビニル化合物単位(II)からなる重合体ブロックとからなるブロック共重合体であり、且つ構造単位(I)/構造単位(II)のモル比が10/90〜100/0で、数平均分子量が10,000〜150,000である請求項7記載の樹脂組成物の製造方法。
- 末端に水酸基を有する重合体(B)の水酸基含有量が、1分子当たり0.5個以上である請求項7または8記載の樹脂組成物の製造方法。
- 熱可塑性ポリウレタン(A)が、数平均分子量900〜6,000の高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を、下記の数式(1);
1.00≦b/(a+c)≦1.10 (1)
(式中、aは高分子ジオールのモル数、bは有機ジイソシアネートのモル数、cは鎖伸長剤のモル数を示す)
を満足する割合で反応させて得られた熱可塑性ポリウレタンである請求項7〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。 - 熱可塑性ポリウレタン(A)、末端に水酸基を有する重合体(B)およびポリオレフィン系樹脂(C)の合計重量に基づいて、更に高級脂肪酸ビスアミド(D)を0.3〜5重量%の割合で含有させることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
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