JP3889263B2 - 草刈機における操縦部の水平維持機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、傾斜地の走行が可能な草刈機における操縦部の水平維持機構に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来機体が左右のクローラ式の走行装置に支持され、機体の前方に草刈り用の刈取装置を備え、機体の後方に操縦者が立ち乗りするためのステップと、操向レバーや把持部等を有する操縦操作部とを備えた操縦部を設けた草刈機が知られており、該草刈機は左右の走行装置によって傾斜面を走行して草刈作業を行うことができる。
【0003】
そして上記のように傾斜面において作業を行うと操縦者が水平面に対して傾斜して操作することとなり操縦が困難となるため、上記草刈機の中には傾斜面での作業時に操縦者が水平面に対して略垂直に立って操縦することができるように、ステップが常に水平を保つようにスイングするもの,走行装置に対して機体全体が水平を保つようにスイングするもの,あらかじめ想定されている傾斜面に合わせてステップが屈曲せしめられたものがあった。
【0004】
しかし上記ステップのみが水平を維持する機種の場合、操縦操作部は傾斜するため操縦操作が困難であるという欠点があり、また機体全体がスイングする機種の場合、水平な機体が谷側の視界を妨げる他、傾斜時に重心位置が高くなり走行安定性が低下するという欠点があり、さらにステップが屈曲している機種の場合、対応可能な傾斜角度が限定されるという欠点があった。
【0005】
なお前方視界の悪化は機体前方の地面の窪み等の発見が遅れ、機体を窪みに落としてしまう等の不都合が発生し、特に谷側の前方視界が悪化すると刈り残し等が発生することもある。このため前方視界が良好で、傾斜地での走行時にも重心位置が高くなることなく、機体を容易に操縦することができる草刈機における操縦部の水平維持機構が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の草刈機における操縦部の水平維持機構は、走行装置1に支持された機体2の前方に草刈り用の刈取装置3を取り付け、前記機体2の後方にステップ22と操縦操作部17とを備えた操縦部4を設けた草刈機において、操縦操作部17とステップ22とを操縦部フレーム78に一体的に取り付け、該操縦部フレーム78を機体フレーム8に左右揺動自在に支持せしめ、操縦部フレーム78と機体フレーム8との間に、操縦部フレーム78の揺動角度を調節する調節装置83を設け、該調節装置83が操縦操作部17及びステップ22の水平を維持することを特徴としている。
【0007】
また操縦操作部17に走行装置1の駆動速度を制御して機体2の走行を操作する操向レバー18を設け、機体2側に走行装置1の駆動を制御する駆動制御部16を設け、操向レバー(18)側と駆動制御部(16)側との連結機構内に自在継ぎ手(124)を備えたロッド(118),(119)を設け、該自在継ぎ手(124)の回動軸心と操縦部フレーム(78)の揺動軸心とを一致させた請求項1の草刈機における操縦部の水平維持機構。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1,図2,図3は本発明の草刈機の側面図,平面図及び後面図、図4,図5は側面透視図及び平面透視図であり、本草刈機は、左右のクローラ式の走行装置1に支持されて機体2が設けられ、該機体2の前方に草刈り用の作業機(刈取装置)3が上下昇降自在に支持され、さらに機体2の後方に操縦部4が設けられて構成されている。
【0009】
そして機体2における操縦部4の前方がエンジンルーム6として形成され、該エンジンルーム6がボンネット7によって覆われており、該ボンネット7内の機体2の左右方向の略中央に機体フレーム8側に取り付けられてエンジン9が搭載されている。
【0010】
また上記エンジン9の前方にはカウンタギヤケース11が機体フレーム8側に取り付けられて設けられており、該ギヤケース11の入力軸とエンジン9の駆動軸とがジョイント12を介して連結されて、ギヤケース11にエンジン9から駆動力が入力されている。
【0011】
このときギヤケース11は中央に入力軸を備えて左右方向に突出しており、左右両端側から駆動力を取り出すことができるように構成されている。そして右側に刈取装置の駆動用の油圧無段変速装置(刈取HST)を構成する油圧ポンプ(刈取油圧ポンプ)14が、左側に左右の走行装置1の駆動用の左右の油圧無段変速装置(走行HST)を構成する油圧ポンプ(走行油圧ポンプ)16が取り付けられ、両油圧ポンプ14,16がギヤケースからの出力によって駆動されるように構成されている。
【0012】
すなわち本草刈機は、エンジン9を駆動源としてHSTを介して走行装置1及び刈取装置3を作動させるように構成されており、左右の走行装置1が左右別々の走行HSTによって駆動されるとともに、刈取装置3が刈取HSTによって駆動される。
【0013】
なお上記刈取HST及び左右の走行HSTは、分離配置された油圧ポンプと油圧モータとを油圧ホースによってパイピングした構造となっており、刈取HSTの油圧モータ(刈取油圧モータ)20が刈取装置3側に、左右の走行HSTの油圧モータ(走行油圧モータ)25が左右各走行装置1に取り付けられ、それぞれ刈取ポンプ14又は走行ポンプ16とパイピング接続されている。
【0014】
そして刈取装置3が刈取油圧モータ20の回転により、左右の走行装置1がそれぞれ対応する走行油圧モータ25の回転により各駆動される。なお左右の走行油圧ポンプ16は一体的にパッケージングされている。
【0015】
そして前述の操縦部4に設けられる操作用のパネル(操作パネル)17には、図6に示されるように左右及び前後揺動自在に走行用の操作レバー(操向レバー)18が設けられ、該操向レバー18によって左右の走行HSTを操作して機体2の前後進及び旋回を操作することが可能となっている。すなわち左右の走行HSTを独立して操作する機構が、本草刈機の走行機構となる。
【0016】
また上記操作パネル17には刈取HST(刈取油圧モータ20)を正転又は逆転駆動させる刈取スイッチ10F,10Rが設けられており、正転側の刈取スイッチ10Fを押すことによって刈取油圧モータ20を正回転方向に駆動して刈取装置3の後述する爪を正回転させて刈取り作業を行わせ、逆転側の刈取スイッチ10Rを押すことによって刈取油圧モータ20を逆回転方向に駆動して上記爪を逆回転させて刈取り作業を行わせることができる。
【0017】
加えて上記操作パネル17には刈取装置3の下限高さを設定する刈高さ下限設定レバー19と、エンジン9の回転数を調節するエンジンコントロールレバー21も設けられており、さらに刈取装置3を機体2の旋回が可能な高さに上昇させる上昇スイッチ18aと、刈高さ下限設定レバー19によって設定される下限高さに下降させる下降スイッチ18bとが操向レバー18のグリップに設けられている。
【0018】
そして上記操縦部4には、上記操作パネル17の他、立乗り用のステップ22と把持部23とが備えられている。またエンジン9の左右両側方には、燃料タンク30とHSTを含む油圧機構用のオイルタンク35とが振り分け配置されている。
【0019】
本草刈機は以上のように構成されており、河川敷やスキー場,インターチェンジ付近の雑草地等の草刈り作業場で、オペレータがステップ22に立ち乗りし、下降スイッチ18bにより刈高さ下限設定レバー19によって設定した高さに刈取装置3を下降させ、該刈取装置3を刈取スイッチ10F又は10Rを押して作動させるとともに、操向レバー18によって機体2を前後進及び左右旋回させることによって上記草刈り作業場の草刈り作業を行うことができる。なお操向レバー18による操縦構造及び刈取装置3の昇降機構は後述する。
【0020】
このとき上記のようにエンジン9とカウンタギヤケース11が機体2の中央に、刈取油圧ポンプ14と走行油圧ポンプ16、及び上記燃料タンク30とオイルタンク35とが左右に振り分け配置されているため、機体の左右及び前後バランスに優れ、走行性能が高く、傾斜地等においても安定して走行することができる。
【0021】
また上記のような比較的大型のパーツが機体フレーム8上にバランス良く配置されているため、機体2内のスペースが有効に利用され、特にエンジン9の後方に比較的大きなスペースを設けることができ、該スペースに後述するようにエンジン9やHST(HST用のオイル)の冷却系の部品等を容易に配置することができ、メンテナンスを容易に行うこともできる。
【0022】
一方本実施形態の刈取装置3は刈取フレーム24に回転駆動自在に軸支された爪軸(モア軸)26に刈取り用の爪27を複数取り付けた構造となっており、モア軸26を回転させることによって爪27を回転させて草を刈り取る構造となっている。
【0023】
このとき図7に示されるように、モア軸26には対向する2枚のプレート28からなるモア取付金具29が周面上に複数取り付けられており、モア取付金具29のプレート28の間に左右反対向きに2つの爪27が挿入され、該爪27がピン31を介してモア取付金具29に回動自在に軸支されている。
【0024】
そして上記ピン31の下方に設けられ、爪27の回動を規制するピン32に捩りバネ33が外嵌して取り付けられているとともに、該捩りバネ33の一端が上記ピン31に、他端がモア取付金具29に係止されており、上記捩りバネ33によってピンの抜け止めが行われている。
【0025】
爪27は以上のようにモア軸26に支持されており、モア軸26の回転によってピン31を中心に回動自在である状態で回転駆動されて草を刈り取る。このとき爪27は石等との当接時にはピン31を中心に回動して逃げ、爪27の破損等が防止される。なお爪27の着脱は捩りバネ33のピン31との係止を解除することによって容易に行うことができる。また両ピン31,32の端部にCリングやピン等の抜け止めを施してもよい。
【0026】
一方上記走行装置1は、アイドラ34とイコライザ式の可動転輪36と駆動用のスプロケット37と上部転輪38にクローラ39が巻き掛けられて構成されており、スプロケット37を回転駆動することによってクローラ39を回転させる構造となっている。なお可動転輪36側にはクローラ外れを防止するためのクローラガイド41が突設されており、該クローラガイド41は可動転輪36と一体にスイングして、クローラ39の外れを防止する。
【0027】
また前述の左右の走行油圧モータ25は、走行装置1のスプロケット37を直接駆動するように左右の走行装置1にそれぞれ取り付けられ、各走行油圧モータ25に対応する走行油圧ポンプ16にパイピングされている。
【0028】
次に刈取装置3の昇降構造について説明する。図4,図8に示されるように、上記機体フレーム8の前部の下方及び下方側には、上下昇降自在にロアリンク42とトップリンク43が軸支されており、また機体フレーム8におけるロアリンク42とトップリンク43との間にはリフトアーム44が軸支されている。そして該リフトアーム44と一体回動するアーム46と機体フレーム8側との間には油圧シリンダ45が介設されている。
【0029】
このときリフトアーム44とロアリンク42とが連結アーム47によって連結されており、上記油圧シリンダ45の伸縮によりアーム46を介してリフトアーム44が上下揺動せしめられ、このリフトアーム44の揺動によって連結アーム47を介してロアリンク42が昇降せしめられる。
【0030】
そして刈取フレーム24を介して上記刈取装置3を支持するリフトフレーム48が上記ロアリンク42とトップリンク43とによって支持されており、上記構造により油圧シリンダ45の伸縮駆動によって図8に示されるように刈取装置3が機体2に対して昇降せしめられる。
【0031】
なお前述の刈高さ下限設定レバー19は前後揺動自在に設けられており、下降する刈取装置3と当接して刈取装置3の高さを検知するセンサ(図示しない)の高さを変更することができるように構成されている。そして上記下降スイッチ18bのONによって油圧シリンダ45の油圧バルブが下降側に作動せしめられ、その後上記センサが刈取装置3を検知することによって油圧バルブの下降側の作動を停止させることで、刈取装置3が所定の高さに下降せしめられる。
【0032】
なお上記上昇スイッチ18aのONによって油圧シリンダ45のバルブを上昇側に作動せしめ、刈取装置3をオペレータの任意の高さに上昇させることもできる。以上のように油圧シリンダ45のバルブを制御することによって油圧シリンダ45の伸縮をコントロールして刈取装置3の高さを調節することが可能となっている。
【0033】
一方上記リフトフレーム48は、図9,図10に示されるように、刈取装置3の刈取フレーム24を支持するために、上方側に支持ボックス49が、下方側に支持具51がそれぞれ設けられている。そして上記支持ボックス49は、内部に上下対向する1組の回転体(ローラ)52が左右方向に複数組設けられており、刈取フレーム24に一体的に取り付けられた左右方向のスライド杆(スライドロッド)53を上下のローラ52によって左右スライド自在に挟持して支持している。
【0034】
また上記支持具51は、側面視で略L字状をなす本体51aの上方から軸51bを突出せしめ、該軸51bに平面方向に回転するようにベアリング51cを軸支した構成となっており、リフトフレーム48の左右両側に設けられている。そして刈取フレーム24には、上記スライドロッド53の下方位置に左右方向の支持レール54が一体的に取り付けられており、上記ベアリング51cを支持レール54の上下面に左右方向に延びて穿設された開口部54aの内部に収容することによって、支持具51が支持レール54を左右スライド自在に支持している。
【0035】
そして上記支持ボックス49には、刈取フレーム24に左右方向に設けられたネジ56を螺合して収容する受具57が設けられている。このとき前記ネジ56は刈取フレーム24側に設けられたモータ58によって回転駆動せしめられ、すなわちこのネジ56の回転駆動によって刈取フレーム24が左右にスライド移動せしめられる。
【0036】
以上に示されるように刈取装置3は、リフトフレーム48側の支持ボックス49と支持具51及び、刈取フレーム24側のスライドロッド53と支持レール54とからなるスライド機構によって機体2側に左右スライド自在に支持され、モータ58の駆動によって左右の位置調節が行われる。
【0037】
なお前述の操作パネル17には、左右方向に操作することによって上記モータ58を正転又は逆転させ、刈取装置3を左右にスライドさせるスライドスイッチ15が設けられている。このため該スライドスイッチ15の左又は右への傾動操作によって、図11,図12に示されるように、刈取装置3の端部を機体2の左又は右の外側方に大きく突出させることができ、機体2に対する刈取作業可能範囲を左右方向に大きくオフセットさせることができる。
【0038】
これにより草刈り作業範囲の際(きわ)の刈取作業を行う場合、刈取装置3を左又は右にオフセットすることによって、機体2を草刈り作業範囲の際(きわ)で走行させる必要が無く、機体2を作業範囲の比較的内側で走行させて草刈り作業範囲の際(きわ)の刈取作業を行うことができ、際が脱輪の可能性があるような作業範囲であっても、本草刈機によって容易に草刈り作業を行うことができ、草刈り作業の作業効率を向上させることができる。
【0039】
なお前述の刈取油圧モータ20は、刈取フレーム24に設けられており、刈取油圧モータ20の駆動軸とモア軸26との間をプーリ59とベルト61を介して連結することによって、刈取油圧モータ20からモア軸26に駆動力を伝動せしめ刈取装置3(爪27)を駆動する。
【0040】
このときリフトフレーム48上にはパイピング用のホースの中継用の中継ブロック62が配置されており、刈取ポンプ14と刈取油圧モータ20とのパイピングは、刈取ポンプ14から中継ブロック62までの第1ホース63によるパイピングと、中継ブロック62から刈取油圧モータ20までの第2ホース64によるパイピングとによる分割構造となっている。
【0041】
そして刈取ポンプ14と中継ブロック62との間のパイピングは、第1ホース63がリフトフレーム48の昇降を許容する程度の比較的大きな径でU字状に湾曲せしめられており、また中継ブロック62と刈取油圧モータ20との間のパイピングは、第2ホース64が刈取フレーム24の左右スライドを許容する程度の比較的大きな径でU字状に湾曲せしめられている。
【0042】
このとき第2ホース64の中継ブロック62側は配管の回り継ぎ手であるスイベルジョイント66を介して連結されている。これにより刈取装置3の上下昇降を第1ホース63によるパイピングが許容し、左右スライドを第2ホース64によるパイピングが許容するため、必要以上に長いホースを使用することなく、刈取装置3の左右スライド及び上下昇降を妨げることが無いパイピング(配管)を行うことができる。
【0043】
また第2ホース64が、中継ブロック62側においてスイベルジョイント66を介して連結されることによって、スイベルジョイント66の回転により刈取装置3の左右スライド時のホース64のねじれを吸収し、パイピングが左右スライドを妨げることがなく、刈取装置3の左右スライドは円滑に行われる。
【0044】
一方図13に示されるように、機体フレーム8の後端側には左右方向の横フレーム71が設けられており、該横フレーム71の端部からは上方に向かって縦フレーム72が突設されている。また該縦フレーム72には左右方向の支持フレーム73が機体2の内側に向かって突設されている。
【0045】
そして図13,図14に示されるように、上記支持フレーム73には、ベアリングホルダ74が取り付けられており、該ベアリングホルダ74からは内装されたベアリング76を介して支持軸77が後方に向かって回転自在に突設されている。そして該支持軸77には操縦部4のフレーム(操縦フレーム)78を構成する上下方向の操縦縦フレーム79が取り付けられており、これにより該操縦縦フレーム79は機体フレーム8に支持軸77を中心に回動自在に軸支されている。
【0046】
なお上記操縦フレーム78は、前述の操縦縦フレーム79の他、該操縦縦フレーム79の上下両端に取り付けられた横方向の操縦横フレーム81,82とを備えており、上方側の操縦横フレーム(上操縦横フレーム)81に、前述の操作パネル17と把持部23が、下方側の操縦横フレーム(下操縦横フレーム)82にステップ22が各取り付けられ、カバー85によって覆われている。
【0047】
すなわち上記のように操縦フレーム78をベースに操縦部4が構成されており、上記操縦縦フレーム79が機体フレーム8側に回動自在に軸支されることによって、操縦部4自体が機体フレーム8側に回動自在に支持されている。そして機体フレーム8の縦フレーム72と操縦フレーム78の操縦縦フレーム79との間には油圧シリンダ83が介設されており、図13と図15に示されるように、油圧シリンダ83の伸縮によって機体2に対して操縦部4を左右揺動駆動できるように構成されている。
【0048】
このとき支持フレーム73にはポテンショメータ84が取り付けられており、該ポテンショメータ84の回転軸と操縦縦フレーム79とがリンク86を介して連結されていることによって、操縦縦フレーム79(操縦部4)の揺動角度をポテンショメータ84によって計測することが可能となっている。また機体フレーム8の横フレーム71には傾斜センサ87が取り付けられており、機体フレーム8の角度、すなわち本草刈機が接地している地面の角度を計測することが可能となっている。
【0049】
そして上記ポテンショメータ84と傾斜センサ87の出力は、油圧シリンダ83の作動をコントロールするマイコンユニット(図示せず)に入力されており、該マイコンユニットに備えられている水平自動制御機能によって、マイコンユニットが両センサ84,87からの情報に基づき、操縦部4が水平を維持する(両操縦横フレーム81,82が水平を維持する)ように調節装置である油圧シリンダ83を伸縮せしめるように構成されている。
【0050】
これにより図16に示されるように傾斜地Eでの作業に際して操縦部4が水平を維持するため、操縦フレーム78に取り付けられている把持部23や操向レバー18の操作角度が、水平地での作業時に対して変化せず、またステップ22の角度も水平を維持し、傾斜地での作業時にオペレータが水平面に対して略垂直に立って操縦することができ、水平地での作業と同様の作業性で草刈機の操縦を行い、草刈り作業を容易に行うことができる。
【0051】
このとき操縦部4の前方に位置する機体2は傾斜地Eに沿って傾斜するため、傾斜地Eにおいてもオペレータの前方視界を機体2が妨げることがなく、特に傾斜地Eにおける谷側の視界が悪化せず、傾斜地における谷側の視界が良好となるため、刈り残し等を防止することができる。
【0052】
なお上記操作パネル17には、水平自動制御機能の入り切りを操作する水平自動スイッチ88が設けられており、オペレータは該水平自動スイッチ88によって上記水平自動機能の入り切りを操作することができる。これによって整備時等においては水平自動機能を切ることで整備性を向上させることができる。
【0053】
また前述のステップ22は後方からオペレータをガードする後部ガード89を着脱自在に備え、下操縦横フレーム82にピン91を介して回動自在に支持されており、図4の仮想線に示される起立する収容姿勢Aと、後方に突出する使用姿勢Bとに姿勢切換自在となっている。
【0054】
これにより後部ガード89をステップ22から取り外し、ステップ22を収容姿勢Aに切換えることによって、草刈機の全長を短くして輸送等を容易に行うことができる。なおステップ22にはストッパピン92が設けられており、該ストッパピン92によってを収容姿勢Aに維持することができる。
【0055】
またステップ22の前面側にはゴム製のストッパ93が取り付けられており、ステップ22を倒伏させ、該ストッパ93を下操縦横フレーム82の後面に当接させることによって、ステップ22を使用姿勢Bに位置決めすることができる。この際ストッパ93はステップ22と操縦部フレーム78側との間に介在してステップ22の位置決めと共に防振も行う。
【0056】
次に前述の操向レバー18による走行装置1(走行HST)の操縦構造について詳細に説明する。図13,図17,図18(a),(b)に示されるように、上操縦横フレーム81には、レバーブラケット94がボルト96により固定されており、該レバーブラケット94には前後回動支点軸97がボルト98によって左右方向に取り付けられている。
【0057】
そして前後回動支点軸97の左右略中央には、操向レバー18を左右揺動自在に軸支する支持軸99が後方に突設された支持具101のボス102が回動自在に外嵌せしめられている。また上記前後回動支点軸97における支持具101のボス102の左右には、左側の走行HSTの走行ポンプ(左走行ポンプ)16Lを操作する左操作具103のボス104と、右側の走行HSTの走行ポンプ(右走行ポンプ)16Rを操作する右操作具106のボス107が回動自在に外嵌せしめられている。
【0058】
このとき両操作具103,106には走行ポンプ16L,16Rの操作用のアーム108,109がボス104,107に一体的に設けられており、図14,図19に示されるように、左操作具103のアーム108が左走行ポンプ16Lのトラニオンアーム110に、右操作具106のアーム109が右走行ポンプ16Rのトラニオンアーム111に、左右の操作具103,106の前後回動支点軸97を軸芯とした回動によってトラニオンアーム110,111が操作されるように連結されている。
【0059】
これにより左右の操作具103,106の各々の回動によって左右の走行ポンプ16L,16Rのトラニオンアーム110,111を操作し、左右の走行油圧モータ25の出力回転を変速して左右の走行装置1の駆動を独立して変速することができる。なお支持具101のボス102と左右の両操作具103,106のボス104,107との間には、ワッシャ112が設けられている。
【0060】
操作具103,106とトラニオンアーム110,111との連結をさらに詳細に説明すると、図14,図15,図17,図19,図20等に示されるように、左右の操作具103,106のアーム108,109と左右のトラニオンアーム110,111とは、トラニオンアーム110,111に連結されている操作ワイヤ113,114と、アーム108,109に連結されている操作ロッド116,117と、操作ワイヤ113,114と操作ロッド116,117とを連結する中継ロッド118,119とによって連結されている。
【0061】
このとき上記中継ロッド118,119は、機体フレーム8の後部側から前方に向かって突出せしめたブラケット120に軸心方向に回転自在にボールジョイント121を介して支持せしめられる機体側ロッド122と、一端側が操縦フレーム78側に軸心方向に回転自在にボールジョイント123を介して支持せしめられ、他端側が機体側ロッド122の一端側にユニバーサルジョイント124を介して連結された操縦部側ロッド126とから構成されている。
【0062】
そして機体側ロッド122のユニバーサルジョイント124の反対側の端部側にはアーム127が設けられており、該アーム127とトラニオンアーム110,111とが上記ワイヤ113,114を介して連結されている。また操縦部側ロッド126のユニバーサルジョイント124の反対側の端部側にもアーム128が設けられており、該アーム128と操作具103,106のアーム108,109とが上記操作ロッド116,117を介して連結されている。
【0063】
操作具103,106とトラニオンアーム110,111とは以上のように連結されており、操作具103,106を回動させると、アーム108,109が上下方向に揺動され、該アーム108,109の上下揺動によって操縦部側ロッド126のアーム128が上下に揺動されて操縦部側ロッド126が軸心方向に回転せしめられる。
【0064】
そしてこの操縦部側ロッド126の回転がユニバーサルジョイント124を介して機体側ロッド122に伝動されて機体側ロッド122が軸心方向に回転せしめられ、この機体側ロッド122の回転によって機体側ロッド122のアーム127が揺動され、ワイヤ113,114を介してトラニオンアーム110,111が揺動操作され走行HST(走行油圧ポンプ16L,16R)を操作するように構成されている。
【0065】
なお操作具103,106とトラニオンアーム110,111とは、アーム108,109の下方への揺動によって走行油圧モータ25が機体2を前進せしめる正方向の回転を出力し、アーム108,109の上方への揺動によって走行油圧モータ25が機体2を後進せしめる逆方向の回転を出力するように設定されている。
【0066】
また2つの中継ロッド118,119は前後方向に配置されており、両中継ロッド118,119のユニバーサルジョイント124は、ユニバーサルジョイント124の中心が操縦フレーム78の回動中心の延長線上に位置するように配置されている。これにより操縦部4を前述のように揺動させてもユニバーサルジョイント124を介して中継ロッド118,119は、操縦フレーム78の回動軸心の延長線上において屈曲して操縦部4の揺動を許容する。
【0067】
これにより操縦部4の揺動時に、トラニオンアーム110,111の揺動角度が変化することなく、操縦部4の揺動に伴う機体2の走行速度変化がなく、アーム108,109の作動が安定してトラニオンアーム110,111に伝動され、機体2の走行速度の制御を容易に行うことができる。
【0068】
なお両操作具103,106には、走行油圧ポンプ16L,16Rのニュートラル時に、左右の走行油圧モータ25の駐車ブレーキを作動させるブレーキスイッチ131を入作動させるスイッチアーム132が設けられている。これにより走行油圧ポンプ16L,16Rのニュートラル時には、走行油圧モータ25に駐車ブレーキがかけられ、走行油圧ポンプ16L,16Rの作動中は上記駐車ブレーキが解除されるように構成されている。
【0069】
このとき上記駐車ブレーキは駐車ブレーキバルブの作動によって入り切りが制御され、駐車ブレーキバルブの切り作動状態でスプリングがディスクを押してブレーキが作動せしめられ、駐車ブレーキバルブの入り作動によって油圧によりスプリングを戻しブレーキを解除するように構成されている。
【0070】
また上記ブレーキスイッチ131はノーマルクローズ(ON)であり、油圧ポンプ16L,16Rのニュートラル時にスイッチアーム132がブレーキスイッチ131を入作動させるとリリース(OFF)され、駐車ブレーキバルブが切り作動せしめられブレーキが作動せしめられる。なお駐車ブレーキは、少なくとも一方のブレーキスイッチ131が解除されると、両駐車ブレーキがともに解除されるように構成されている。
【0071】
一方上記操向レバー18の基端部にはボス134が設けられており、該ボス134が上記支持軸99に回動自在に外嵌されている。これにより操向レバー18は支持軸99を中心に左右に、前後回動支点軸97を中心に前後に揺動自在に支持されている。
【0072】
このときボス134には、上下対角に係合用の爪部136a,136bが突設された2枚の係合プレート136と捩りバネ137が外嵌されCリング138によって抜止めがなされている。また両係合プレート136は、左右対称に取り付けられており、上方側に両係号プレート136の上方側の爪部136aによる上部係合部139が、下方側に両係号プレート136の下方側の爪部136bによる下部係合部141が形成されている。
【0073】
そして上部係合部139に、操向レバー18側から突出せしめられたレバーピン142が、下部係合部141に、支持具101側から突出せしめられた支持具ピン143がそれぞれ係合されているとともに、上記捻りバネ137の両端はそれぞれ別々の係合プレート136に係止されている。
【0074】
これによって操向レバー18を左右方向に揺動操作すると、レバーピン142といずれか一方の係合プレート136の上方側の爪部136aとの係合によって、操向レバー18は捻りバネ137の付勢力に抗して揺動せしめられ、このため揺動の操作力を解除する(操向レバー18から手を離す)ことにより、操向レバー18は捻りバネの付勢力によって戻され左右の中立位置に位置する。
【0075】
一方操向レバー18の基端部側には、上記ボス134を左右方向から囲み、正面視で下方に開口したゲート上の断面を有するプレート144が設けられており、該プレート144の左右両側面からはシャフト146が突設され、該シャフト146の端部にカムローラ147が回動自在に軸支されている。
【0076】
そして左右の両HST操作具103,106のボス104,107には、カム穴148が穿設されたプレート149が一体的に固定されており、左側のプレート149のカム穴148に左側のシャフト146のカムローラ147が、右側のプレート149のカム穴148に右側のシャフト146のカムローラ147が挿入されている。
【0077】
上記構成により、操向レバー18を前後に揺動せしめ、カム穴148の縁部の所定部分がカムローラ147と当接すると、カムローラ147がカム穴148の当接部分を押し、操作具103,106が回動せしめられる。これにより前述のように左右の走行油圧ポンプ16L,16Rのトラニオンアーム110,111が操作されて走行HSTの操作が行われ、走行装置1が駆動されて、機体2が走行せしめられる。
【0078】
なお上記カム穴148は上下方向に形成されており、操向レバー18の左右揺動に伴って、カムローラ147との当接部分が変化する。これにより後述するように左右のトラニオンアーム110,111の操作量に差を生じさせ、左右の走行装置1の駆動速度に差を持たせて機体2を左右に旋回せしめる。すなわち操向レバー18の左右及び前後揺動によって機体2の前後進及び左右旋回を操作することができる。
【0079】
このとき操向レバー18側と操作具103,106側とは、操向レバー18の左右及び前後方向の中立位置において左右の両走行油圧ポンプ16L,16Rがニュートラルとなるように、カムローラ147とカム穴148とを介して連結されている
【0080】
次に操向レバー18による操作具103,106の操作について具体的に説明する。上記カム穴148には、操向レバー18の左右及び前後の中立位置において、操向レバー18の前後揺動の遊びに相当する隙間を介してカムローラ147と当接する直進案内部151を上下方向に所定長さ(操向レバー18の左右揺動の遊びに相当する長さ)備えている。
【0081】
これにより操向レバー18を上記中立位置から前後に揺動させると、操向レバー18の前後揺動が、前後の遊び角度以上の角度の揺動となると、左右のカム穴148の直進案内部151と左右のカムローラ147が当接し、左右の操作具103,106が操向レバー18の揺動に比例して同じ角度回動せしめられ、操作具103,106の回動角度に応じてアーム108,109が走行油圧ポンプ16L,16Rをニュートラルとする中立位置から上下に揺動せしめられる。
【0082】
これによって左右の走行油圧ポンプ16L,16Rのトラニオンアーム110,111がニュートラル(出力0)から同方向に同角度揺動され、左右の走行油圧モータ25からは同方向に同回転が出力され、左右の走行装置1が同方向に同速度で駆動され、機体2が前方または後方に直進せしめられる。
【0083】
一方上記カム穴148には、上記直進案内部151の下方に、操向レバー18を左右の遊び角度以上に中立位置から揺動させることによってカムローラ147と当接する減速案内部152が設けられており、該減速案内部152は直進案内部151とカムローラ147とが当接する揺動角度以上に操向レバー18を中立位置から前後に揺動することによってカムローラ147と当接する。
【0084】
すなわち減速案内部152を介して操作具103,106を回動させる場合、直進案内部151を介して操作具103,106を回動させる場合に比較して、操向レバー18の前後方向への揺動時のカム穴148とカムローラ147との当接が遅れる。上記構成により操向レバー18の左右の遊び角度以上の左又は右への揺動時には、左または右側のカムローラ147が、左又は右側のカム穴148の減速案内部152との当接によって操作具103,106を、直進案内部151とカムローラ147との当接よりも小さな角度回動させる。
【0085】
これにより例えば図21に示されるように、前方への直進状態(操向レバー18を所定角度前方に揺動している状態)から操向レバー18を左側に揺動させると、左側のカムローラ147とカム穴148との当接は減速案内部152で行われることとなり、すなわち左側の操作具103は左側の走行油圧ポンプ16Lのトラニオンアーム110の戻しスプリングと走行抵抗によって中立側に戻り回動し、左側の操作具103の中立位置からの回動角度が、右側の操作具106の回動角度以下となり、左側の走行油圧モータ25の出力回転が右側の走行油圧モータ25の出力回転より小さくなるため、左側の走行装置1が右側の走行装置1に比較して低速となり、機体2は左に旋回する。
【0086】
なお減速案内部152は、上記直進案内部151の前方に直進案内部151と略並行に形成される停止部152bと、該停止部152bと直進案内部151とを繋ぐ傾斜部152aとからなり、停止部152bとカムローラ147との当接では操作具103,106を回動させない(中立位置に位置決めする)ように設定されている。
【0087】
すなわち傾斜部152aとカムローラ147との当接時は、カムローラ147との当接部分が停止部152bに近づくに従って操作具103,106の回動角度が中立に近づき、走行油圧モータ25の出力が徐々に低下し、停止部152bとカムローラ147とが当接すると操作具103,106が中立位置に戻り、走行油圧モータ25の出力が0となる。
【0088】
このためカムローラ147と傾斜部152aとが当接する範囲においては、操向レバー18の左右方向の揺動角度に比例して旋回内側の走行装置1の駆動速度が低下して、機体2の旋回半径が徐々に小さくなり、操向レバー18の左右揺動角度がカムローラ147と停止部152bとが当接する範囲となると旋回内側の走行装置1が停止し、機体2は信地旋回する。すなわち図21は信地旋回時の操向レバー18の揺動状態を示している。
【0089】
またカム穴148には、減速案内部152の下端に連続して、操向レバー18を前後方向の中立位置から左又は右に所定角度以上揺動させるとカムローラ147と当接し、さらに操向レバー18を揺動させることによって、操向レバー18の揺動方向の操作具103又は106を、操向レバー18の揺動角度に比例して、アーム108又は109が上方に揺動するように回動させる逆転案内部153が設けられている。
【0090】
そしてカム穴148には、直進案内部151の上端に連続して、操向レバー18を前後方向の中立位置から左又は右に所定角度以上揺動させるとカムローラ147と当接し、さらに操向レバー18を揺動させることによって、操向レバー18の揺動方向の反対側の操作具106又は103を、操向レバー18の揺動角度に比例して、操作アーム108又は109が下方に揺動するように回動させる正転案内部154が設けられている。
【0091】
なお上記逆転案内部153と正転案内部154は、操向レバー18の揺動時に、揺動方向のカムローラ147と逆転案内部153との当接と、揺動方向の逆側のカムローラ147と正転案内部154との当接とが同時に開始され、操向レバー18の揺動角度に比例して、揺動方向側の操作具103又は106と揺動方向の逆側の操作具106又は103とが、方向が逆で絶対値が同じ角度回動するように角度及び長さが設定されている。
【0092】
これにより図22に示されるように、操向レバー18を前後方向の中立状態から左側に所定角度(左側のカムローラ147と逆転案内部153とが当接する角度)以上揺動させると、左側の走行装置1が後進方向に駆動されるとともに、右側の走行装置1が左側の走行装置1と同速度で前進方向に駆動され、機体2は超信地旋回を行う。
【0093】
なお上記操向レバー18は図23に示されるようなレバーガイド156のガイド孔156aを介して突出せしめられており、操向レバー18の前後及び左右の揺動範囲はレバーガイド156によって規制されている。そしてレバーガイド156は、前述の超信地旋回の操作を前後方向の中立位置からの左右揺動のみで行うことができ、且つ前進速度が高速になるに従って左右揺動可能な範囲が小さくなり、旋回可能な旋回半径が徐々に大きくなるように設定されている。
【0094】
以上に示される構造によって、オペレータは一本の操向レバー18を前後及び左右に揺動させることによって、機体の前後進及び左右旋回を操作することができ、機体の操作性が高く、走行及び操向を容易に操作することができる。特に旋回半径が操向レバー18の左右の揺動角度に比例するため、旋回操作を自然な操作感で容易に操作することができる。
【0095】
このとき操向レバー18の前後又は左右揺動が上記のように左右独立したカム穴148,カムローラ147等からなるカム機構によってトラニオンアーム110,110側に伝動されるため、操向レバー18の操作を伝動する操作機構の部品点数が少なく、また組み付け誤差が少なくなるため、操向レバー18の揺動操作をより正確に伝動することができる。また部品点数の少なさや、調節個所の少なさ等により故障も少なく、安定した操作機構を構成することができる。
【0096】
そして特に旋回半径が、走行速度が高速になるに従って大きくなり、超信地旋回は機体2の停止時(走行速度0)からのみ可能であるため、オペレータの予期しない高速走行中の信地旋回や超信地旋回の発生が防止され、旋回操作を容易に行うことができる。
【0097】
また上記構造により旋回時旋回外側の走行装置は直進時と同速であるため、旋回時のエンジン9側の負荷が増大することが防止され、旋回中のエンスト等を防止することができとともに、旋回速度が直進時に比較して変化しないため、旋回を円滑に行うことができる。
【0098】
次に前述のエンジン9の冷却系及び吸気系と、油圧回路のオイルの冷却系について説明する。図24,図25に示されるように、エンジン9の後方スペースには、機体フレーム8側に取り付けられてラジエータ161が設けられており、該ラジエータ161の後方にはエアダクト162が設けられている。
【0099】
このときエアダクト162は後方に向かって開口し、開口部(吸気窓)163を介してエアダクト162内にエアを取り入れ、ラジエータ161の冷却等を行うように構成されている。そして吸気窓163には、図26〜図28に示されるように、金網状のエアフィルタ164が取り付けられ、さらにエアフィルタ164の外側にはエアダクト162側に取り付けられてカバー166が設けられ、該カバー166にも金網状のエアフィルタ167が取り付けられている。
【0100】
すなわちエアダクト162とカバー166によって、ラジエータ161へのエアの導入部が構成され、エアダクト162内にはエアフィルタ164及び167を介してエアが取り入れられる。このときカバー166のエアフィルタ167は側方へのスライドによって着脱ができるようにカバー166に取り付けられている。またカバー166の側方にはエアフィルタ164を取り外すための取外し孔168が穿設されており、両エアフィルタ164,167は同方向に取外すことができる。
【0101】
なおエアフィルタ164は端面に折曲部169を備えたフレームに金網が取り付けられた構造となっており、カバー166の取外し孔168はエアフィルタ164を挿入すると、エアフィルタ164の折曲部169によって蓋される。またエアフィルタ164及びエアフィルタ167はカバー166の側面においてノブボルト171及びノブボルト172によって取り付けられる。
【0102】
以上に示される構造によって、エアフィルタ164,167の着脱が容易に行われ、エアフィルタ164,167の清掃や交換等を容易に行うことができる。しかも前述のようにエンジン9の後方に形成された比較的大きなスペース内にラジエータ161やエアダクト162,エアフィルタ164,167等が配置されるため、交換等のメンテナンス作業は容易である。
【0103】
特にエアフィルタを前後に複数(2枚)配置されているため、フィルタ効果が高くエンジン9側にゴミ等の少ないエアを供給することができる他、エンジン9側を保護することもできる。なおエアフィルタ164,167は上記のように側方に容易に引き出すことができるため、エアフィルタ164,167のメンテナンス性は高い。
【0104】
そしてカバー166の下部は所定の空間からなるダストポット173が形成され、カバー166の背面に設けられた透明の点検窓174からダストポット173内の状態を確認することができ、ゴミ等が溜まった場合は、蝶番176とトランク金具177によって開閉可能に取り付けられたカバー166の底板178を介して、上記ゴミ等を排出させることができる。
【0105】
なお図2,図4,図26等に示されるように、ボンネット7にも吸気口179が設けられており、該吸気口179に近接した金網状のエアフィルタ181を介したラジエータ161側へのエアの取込みも可能となっている。そしてエアフィルタ181の吸気口182からラジエータ161の前方は仕切り板183によってエンジン9及びマフラ184と仕切られており、防塵及びマフラ184やエンジン9の熱を遮断するように構成されている。
【0106】
一方前述のエアダクト162内には、本草刈機の油圧回路内のオイル(圧油)の冷却を行うオイルクーラ186が設けられており、ラジエータ161への取り込みエアによって上記オイルの冷却を行っている。このとき上記オイルクーラ186は、オイルクーラ186の底面側に突出されたピン187をエアダクト162の底面側のブラケット188に挿入することによって底面側が支持されている。
【0107】
またオイルクーラ186の上方側はエアダクト162の上方のステー195にナット189を介して固定される。そして油圧パイプ190とオイルクーラ186との配管は、油圧パイプ190が下方側からエアダクト162内に引き回され、オイルクーラ186の上方側で連結され、配管の最上部でジョイント192により分割されて構成されている。
【0108】
このためオイルクーラ186の取り外しは、エアフィルタ164,167を引き出し、エアフィルタ181を取り外し、ジョイント192のボルト193を外し、ナット189を外し、上方に引き上げることによって容易に行うことができる。これにより油圧回路内のオイルの冷却をラジエータ161の冷却系内で行うことができる。なおオイルクーラ186の着脱は上記のように容易でメンテナンス性も高く、またエンジン9の後方のスペースが上記のように大きいため、ラジエータ161のメンテナンス等も容易に行うことができる。
【0109】
最後に本草刈機の油圧回路について簡単に説明する。図29に示されるように、エンジン9の出力がカウンタギヤケース11に出力され、カウンタギヤケース11の出力ギヤ11a,11bによって刈取り油圧ポンプ14と走行油圧ポンプ16の駆動軸14a,16aが回転駆動されている。また刈取油圧ポンプ14の後端には油圧シリンダ45と油圧シリンダ83への圧油の供給を行うポンプ193が設けられ、刈取油圧ポンプ14の駆動軸14aによって、刈取り油圧ポンプ14と一体的に駆動されている。
【0110】
そして刈取油圧ポンプ14と刈取油圧モータ20とがパイピングされて刈取HSTを構成しているとともに、各走行油圧ポンプ16L,16Rと走行油圧モータ25とがパイピングされて左右の走行HSTを構成している。また上記ポンプ193からの出力は、油圧シリンダ45の制御用のバルブ194と、油圧シリンダ83の制御用のバルブ196が一体的に設けられたバルブユニット197に出力され、このバルブユニット197によって両油圧シリンダ45,83が作動せしめられる。
【0111】
そして刈取油圧ポンプ14と走行油圧ポンプ16とからの排油経路内にオイルクーラ186が配置されており、これによって油圧経路内の圧油の冷却を行うように構成されている。
【0112】
【発明の効果】
以上のように構成される本発明の構造によると、操縦部における操縦操作部及びステップが調節装置によって水平に保たれるため、傾斜地での作業時に操縦者は水平面に対して略垂直に立って操縦することができ、水平地での作業と同様の作業性で草刈機の操縦を行うことができるという効果がある。
【0113】
このとき操縦部前方の機体は傾斜地に沿って傾斜するため、傾斜地においても操縦者の前方視界を機体が妨げることなく、特に傾斜地における谷側の視界が悪化しないため、刈り残し等を防止することができる。
【0114】
また操向レバーと機体の走行機構側との連結機構内に、回動軸心を操縦部フレームの揺動軸心とを一致させた自在継ぎ手を設けることによって、操縦部を揺動させても自在継ぎ手が操縦フレームの回動軸心の延長線上において屈曲して操縦部の揺動を許容するため、操縦部の揺動に起因して走行速度が変化する等の不都合が防止され、機体の走行速度の制御等を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】草刈機の左側面図である。
【図2】草刈機の平面図である。
【図3】草刈機の背面図である。
【図4】草刈機の左側面透視図である。
【図5】草刈機の平面透視図である。
【図6】草刈機の操作パネル部分の平面図である。
【図7】(a),(b)は、モア軸部分の側面図及び正面図である。
【図8】刈取装置を上昇させた状態を示す草刈機の左側面透視図である。
【図9】刈取装置部分の左側面透視図である。
【図10】刈取装置部分の平面透視図である。
【図11】刈取装置を左側にスライドさせた状態の草刈機の平面図である。
【図12】刈取装置を右側にスライドさせた状態の草刈機の平面図である。
【図13】操縦フレームの支持状態を示すフレームの背面図である。
【図14】操縦フレームの支持状態を示すフレームの平面図である。
【図15】操縦部を傾斜させた状態の操縦フレームの背面図である。
【図16】傾斜地での作業状態を示す草刈機の背面図である。
【図17】操作レバー部分の左側面断面図である。
【図18】(a),(b)は、操作レバーの支持状態を示す操作レバーの側面図及び背面透視図である。
【図19】操作レバーと走行油圧ポンプとの連結状態を示す左側面要部断面図である。
【図20】操作レバーと走行油圧ポンプとの連結状態を示す平面面要部断面図である。
【図21】(a),(b)は、機体を左方向に信地旋回させた状態の操作レバーの支持状態を示す操作レバーの側面図及び背面透視図である。
【図22】(a),(b)は、機体を左方向に超信地旋回させた状態の操作レバーの支持状態を示す操作レバーの側面図及び背面透視図である。
【図23】レバーガイドの平面図である。
【図24】エンジン及びオイルの冷却部分の要部平面図である。
【図25】エンジン及びオイルの冷却部分の要部左側面図である。
【図26】エンジン及びオイルの冷却部分を示す背面断面図である。
【図27】エンジン及びオイルの冷却部分の要部背面図である。
【図28】エアフィルタを引き出した状態のエンジン及びオイルの冷却部分の要部背面図である。
【図29】草刈機の油圧回路である。
【符号の説明】
1 走行装置
2 機体
3 刈取装置
4 操縦部
17 操作パネル(操縦操作部)
18 操向レバー
22 ステップ
78 操縦部フレーム
83 油圧シリンダ(調節装置)
118 中継ロッド(ロッド)
119 中継ロッド(ロッド)
124 ユニバーサルジョイント(自在継ぎ手)
Claims (2)
- 走行装置(1)に支持された機体(2)の前方に草刈り用の刈取装置(3)を取り付け、前記機体(2)の後方にステップ(22)と操縦操作部(17)とを備えた操縦部(4)を設けた草刈機において、操縦操作部(17)とステップ(22)とを操縦部フレーム(78)に一体的に取り付け、該操縦部フレーム(78)を機体フレーム(8)に左右揺動自在に支持せしめ、操縦部フレーム(78)と機体フレーム(8)との間に、操縦部フレーム(78)の揺動角度を調節する調節装置(83)を設け、該調節装置(83)が操縦操作部(17)及びステップ(22)の水平を維持する草刈機における操縦部の水平維持機構。
- 操縦操作部(17)に機体(2)の走行を操作する操向レバー(18)を設け、該操向レバー(18)と機体(2)側の走行機構側との連結機構内に自在継ぎ手(124)を備えたロッド(118),(119)を設け、該自在継ぎ手(124)の回動軸心と操縦部フレーム(78)の揺動軸心とを一致させた請求項1の草刈機における操縦部の水平維持機構。
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| JP2001319937A JP3889263B2 (ja) | 2001-10-17 | 2001-10-17 | 草刈機における操縦部の水平維持機構 |
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