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JP3889986B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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JP3889986B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断装置に関し、特に、超音波を被検体内に照射し、被検体内から反射された超音波を受信して受信信号を得て、その受信信号に基づいて被検体内の断層像を得る超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療分野においては、超音波振動子から生体組織内に超音波パルスを繰り返し送信し、生体組織から反射される超音波パルスのエコー信号を受信して、生体内の情報を可視像の超音波断層画像として表示する超音波内視鏡等の超音波診断装置が種々提案されている。超音波診断装置は、生体組織の音響インピーダンスの境界面で超音波が反射する特性を利用し、体内の生体組織の断層画像を得る装置である。
【0003】
一般に、超音波診断装置では、距離分解能及び深達度が重要視されている。距離分解能及び深達度は、周波数に依存し、かつ相反する関係があり、双方を両立させることは困難であった。
【0004】
しかしながら、近年特開平10−308994号公報に示される様に複数の柱状圧電体の圧電体間に樹脂を充填した複合圧電体(CPM:Composit Piezo-Electric Material。以下、CPMと略す)が開発されてきた。このCPMを用いた振動子は、広帯域振動子であるため、信号周波数帯域が非常に広帯域であり、深達度があり、その結果分解能も高い。
【0005】
CPM振動子に対して、DFS(Dynamic Frequency Scanning)回路を利用することにより、画像の中心近傍は分解能が高く、遠方では深達度良く、画像を描出可能となった。DFS回路は、受信周波数を時間的に変化させる機能を有する回路である。
【0006】
また、被検体内の近傍から反射される超音波信号は、被検体内での吸収減衰の影響が少ないので強く、遠方からの反射信号は途中での吸収減衰の為に弱くなる。
【0007】
このような深度方向に対して、超音波信号が減衰すると、表示画像は近傍がギラツキ、遠方が描出不可能な不鮮明な画像となる。
【0008】
従って、この深度方向に対する受信信号を補正する為、受信信号の増幅度を時間的に制御するSTC(Sensitivity Time Control)回路が設けられている。STC回路は、受信信号のゲインを、超音波信号を送信した時刻から受信信号が得られた時刻までの時間間隔に応じて制御する。
【0009】
また、従来から使用されている狭帯域振動子であるチタン酸ジルコン酸鉛(以下、PZTと略す)振動子と、CPM振動子とは、同一の観測装置、すなわち超音波診断装置に接続され、同一のSTC回路で調整されている。
【0010】
PZT振動子の場合、周波数帯域は狭帯域であり、周波数としては単一周波数と考えられる。また、CPM振動子は広帯域振動子であり、またDFS回路を使用することによって、時間に応じて受信周波数が変化する。一般に体内の超音波の減衰率は次の式によって示される。
【0011】
X(減衰率)=0.3dB/cm/MHz…(1)
この式(1)によれば、超音波の減衰率は、距離すなわち時間と、周波数とに反比例する。PZT振動子の場合は、上述したように単一周波数であるので、周波数による超音波減衰率は一定である。CPM振動子の場合は、上述したように、DFS回路によって、受信周波数が時間とともに低下する。よって、PZT振動子と異なり、周波数が低下するので、減衰率は小さくなる。
【0012】
また、特公平6−40873号公報には、超音波診断装置において、探触子の種類に応じたSTCカーブの設定を行う技術が開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
超音波振動子としてPZT振動子とCPM振動子のいずれも、超音波診断装置に接続可能にしようとすると、次のような問題が生じる。
【0014】
PZT振動子を使用する場合、減衰率が比較的高いので、深いところまで均一な画像を描出するためには、STC回路におけるゲインの可変幅を広くする必要がある。
【0015】
CPM振動子を使用した場合、PZT振動子に比較して、減衰率が低いので、PZT振動子に要求される程のゲインの可変幅は必要ないが、可変幅の1ステップの量は細かくしたいという要求がある。また、上述した特公平6−40873号公報には、探触子の種類に応じたSTCカーブの設定を行うものがあるが、広帯域振動子の使用を考慮したものではない。従って、従来の超音波診断装置では、狭帯域振動子と広帯域振動子の両者に、最適なSTC回路の設定をすることはできなかった。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は従来のかかる問題点に鑑みてなされたものであって、使用される複数の探触子の中に、広帯域の探触子がある場合であっても、最適な超音波断層画像を表示することができる超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0017】
本発明の超音波診断装置は、狭帯域振動子又は広帯域振動子の接続が可能な超音波診断装置において、前記狭帯域振動子および前記広帯域振動子を識別するための識別信号に基づいて接続された振動子を識別する振動子識別手段と、前記狭帯域振動子の時間制御のための第1のゲインデータと、該第1のゲインデータにおけるゲインの変化率よりも小さいゲインの変化率を有するように、前記広帯域振動子の時間制御のための第2のゲインデータとを記憶するゲインデータ記憶手段と、前記振動子識別手段により前記狭帯域振動子が接続されていると識別されたときは、受信周波数を時間的に変化させる回路を使用しないで前記ゲインデータ記憶手段から読み出された前記第1のゲインデータに基づいてゲインの時間制御を行い、前記振動子識別手段により前記広帯域振動子が接続されていると識別されたときは、前記受信周波数を時間的に変化させる回路を使用し、かつ前記ゲインデータ記憶手段から読み出された前記第2のゲインデータに基づいてゲインの時間制御を行う制御手段とを有する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
まず図1に基づき、本実施の形態に係わる超音波診断システムの構成を説明する。図1は、本実施の形態に係わる超音波診断装置の構成を示す構成図である。
【0020】
図1において、1は、超音波プローブを有する超音波スコープであり、2は、超音波診断装置としての超音波観測装置である。超音波スコープ1は、超音波振動子である探触子3と、コード発生回路4を含む。探触子3は、PZT振動子またはCPM振動子である。コード発生回路4は、探触子3の発生する周波数等に応じて、超音波スコープ1自体に予め設定されているコード信号を発生する回路である。すなわち、使用周波数等の種類に応じてスコープ自体に予めコードが割り当てられており、超音波スコープ1のコード発生回路4は、使用する探触子3の種類に応じたコード信号を発生する。そして、そのコード信号を超音波観測装置2が読み込んで、超音波スコープ1の種類を認識する。
【0021】
超音波観測装置2は、制御部5及び受信回路6を含む。制御部3は、制御回路7と、第1のSTCテーブル8と、第2のSTCテーブル9と、DFSテーブル10と、第1のメモリ11と、第2のメモリ12と、2つのディジタルアナログ(D/A)変換器13、14を含む。第1のSTCテーブル8は、PZT振動子用のテーブルであり、第2のSTCテーブル9は、CPM振動子用のテーブルである。第1のメモリ11は、STC用のメモリであり、第2のメモリ12は、DFS用のメモリである。
【0022】
制御回路7は、中央処理装置(CPU)を含むディジタル処理回路である。制御回路7には、第1及び第2のSTCテーブル8、9と、DFSテーブル10からのデータが入力される。第1及び第2のメモリ11、12には、制御回路7からの出力データが入力される。第1のメモリ11は、D/A変換器13に接続され、第2のメモリ12は、D/A変換器14に接続される。
【0023】
受信回路6は、増幅回路15と、切替回路16と、STC回路17と、信号処理回路18と、DFS回路19を含む。探触子3からの信号は、増幅回路15に入力され、増幅回路15の出力は、切替回路16に入力される。STC回路17には、第1のD/A変換器13からの出力と、DFS回路19からの出力が入力される。STC回路17の出力は、信号処理回路18に入力される。第2のD/A変換器14の出力及び切替回路16の出力は、DFS回路19へ入力され、DFS回路19は、STC回路17へ入力される。言い換えると、切替回路16とSTC回路17の間にDFS回路19が接続されている。
【0024】
STC回路17は、生体に対する超音波信号の減衰を補正する目的で、受信信号の増幅度を時間的に制御する機能を有する回路である。DFS回路19は、生体から反射してくる超音波受信信号をS/N比が良く、かつ分解能も良く受信する目的で、受信周波数を時間的に変化させる機能を有する回路である。
【0025】
次に、上述した構成の動作を説明する。
【0026】
超音波診断を行う者が、目的に応じた超音波スコープ1を、超音波観測装置2に接続する。超音波スコープ1は、その探触子3の種類に応じて、コード発生回路4によってその種類に応じた識別信号であるコード信号を発生する。
【0027】
発生したそのコード信号は、超音波観測装置2に入力される。超音波観測装置2は、PZT用のSTCテーブル8とCPM用のSTCテーブル9を有しているので、制御回路7は、入力されたコード信号に基づいて、PZT用のSTCテーブル8とCPM用のSTCテーブル9のいずれかを選択し、時間制御のために使用するゲインデータを決定する。すなわち、制御回路7は、コード信号に基づいて、STC回路のゲインのステップ状変化の変化率を制御する。
【0028】
さらに、制御回路7は、コード信号に基づいて、CPM振動子が接続されていると判断された場合は、DFS回路をON状態にし、PZT振動子が接続されていると判断された場合は、DFS回路をOFF状態にする。
【0029】
例えば、探触子3としてPZT振動子が接続された場合は、STCテーブル8が選択され、STCテーブル8のデータが読み出され、メモリ11に書き込まれる。探触子3としてCPM振動子が接続された場合は、STCテーブル9が選択されるように切替られ、STCテーブル9のデータが読み出され、メモリ11に書き込まれる。メモリ11に書き込まれたデータは、D/A変換器13によりアナログ信号に変換され、受信回路6のSTC回路17に与えられる。STC回路17は、STCテーブル8及び9のデータをゲイン設定信号として、入力信号を時間制御する。すなわち、STC回路は、STCテーブルのゲインデータに基づき、超音波信号の送信から受信までの時間間隔に応じて、入力信号をゲイン調整し、そのゲイン調整された信号を出力する。
【0030】
さらに、CPM振動子の探触子3が接続された場合、DFSテーブル10のデータが、制御回路7によって読み出され、メモリ12に書き込まれる。メモリ12に書き込まれたデータは、D/A変換器14によりアナログ信号に変換され、受信回路6のDFS回路19に与えられる。
【0031】
また、制御回路7と切替回路16は制御線で接続され、CPM振動子の探触子3が接続されている場合には、DFS回路をオン、オフすなわちDFS回路を使用するか否かを選択するための制御信号が切替回路16へ供給される。その制御信号を受信すると、切替回路16は、増幅回路15の出力を、DFS回路19へ供給するように切り替え、DFS回路の出力が、STC回路17へ入力される。
【0032】
また、超音波スコープ1の探触子3の出力信号は、増幅回路15に供給される。増幅回路15は、探触子3から受信した超音波信号を増幅する。
【0033】
探触子3としてPZT振動子が接続されている場合は、増幅回路15で増幅された受信信号は、切替回路16を介して、STC回路17へ供給される。STC回路17へ入力された信号は、STC回路17によって、STCテーブル8のデータに基づいて時間的にゲインが制御されながら増幅される。
【0034】
探触子3としてCPM振動子が接続されている場合は、増幅回路15で増幅された受信信号は、切替回路16を介して、DFS回路19へ供給され、DFS回路19でフィルタリングされ、所望の周波数帯域だけが抽出される。DFS回路19によりフィルタリングされた信号は、STC回路17によって、STCテーブル9のデータに基づいて時間的にゲインが制御されながら増幅される。
【0035】
STC回路17で増幅された信号は、信号処理回路18に供給され、スキャンコンバートされて、図示しない表示装置に出力される。
【0036】
次に、図2及び図3を用いて、DFS回路19の機能を説明する。
【0037】
図2はDFS回路の機能を説明するための図である。図2において、横軸は、周波数、縦軸は出力のパワーを示す。実線は、CPM振動子の周波数帯域を示す。実線で示した部分の周波数成分すべてを用いて、信号処理をしていくと、不都合が生じる。
【0038】
例えば、CPM振動子から近い距離の領域、すなわち深度の浅い領域を分解能良く診断したい場合に、低域の周波数成分を含んでいると、方位方向の分解能が劣化するため、全体としての空間分解能が劣化する。また、CPM振動子から遠い距離の領域、すなわち深度の深い領域を深達度よく診断したい場合、周波数帯域を広くとると、S/N比が悪くなり、思ったように深達度が伸びなくなる。
【0039】
そこで、CPM振動子から近い距離の領域を分解能良く診断したい場合は、図2の点線で示すt1の高周波数成分だけを利用し、方位分解能を向上させる。また、CPM振動子から遠い距離の領域を深達度よく診断したい場合は、点線で示すt3のように、低周波数成分だけを利用し、S/N比を良くして深達度を向上させる。要するに、時間とともに、周波数帯域をt1からt3へシフト、すなわち変化させながら信号処理をする。従って、図2に示すように、時間とともに、周波数帯域を、t1とt3の間で変化させながら信号処理が行われる。
【0040】
図3は、DFSテーブル10のデータを説明するための図である。図3において、横軸は、時間に対応する深さを示し、縦軸は、中心周波数を示している。
【0041】
図3は、CPM振動子からの距離が、0(ゼロ)から12cm強までの間で、中心周波数がどのように変化するかを示している。近傍すなわちCPM振動子から近い距離に対しては、中心周波数は、15.9MHzだが、遠方すなわちCPM振動子から遠い距離に対しては、5.2MHzまで遷移させている。より詳細に説明すれば、中心周波数は、0(ゼロ)から1cmまでは15.9MHzで、1cmから5.5cmまでは、15.9MHzから5.2MHzまで線形に減少、すなわち一定の傾きを持って減少し、5.5cmから12cm強までは5.2MHzとなっている。
【0042】
DFS回路19は、図3に示すように、時間と共に周波数を変化させることによって、遠方でも深達度良く、画像描出を可能とする。
【0043】
次に図4及び図5を用いて、PZT振動子とCPM振動子の受信信号の状態を示す。図4は、PZT振動子の場合の受信信号の減衰状態を説明するための図である。図5は、CPM振動子の場合の受信信号の減衰状態を説明するための図である。図4及び図5において、縦軸は信号の強度であり、横軸は、時間を示す。
【0044】
超音波受信信号の生体での減衰率は次の式で示される。なお、減衰率は、代表値、臓器、血液等で異なる。
【0045】
X(減衰率)=0.3dB/cm/MHz…(1)
この式(1)は、距離に応じて、すなわち超音波信号を送信してから受信するまでの時間に応じて、超音波の受信信号は減衰することを示す。Vp1は、近傍領域からの受信信号であり、Vp2は、中間領域からの受信信号であり、Vp3は、遠方領域からの受信信号である。よって、図4に示すように、PZTの受信信号は、超音波信号Vp0が送信された場合、距離が遠くなるにつれて、Vp1、Vp2、Vp3の順に減衰量が大きくなる。PZT振動子は狭帯域の単一の周波数特性を有しているので、減衰率は距離によって決まる。
【0046】
次に図5を用いて、CPM振動子の場合の受信特性を説明する。CPM振動子の場合、受信信号は、DFS回路19により、距離に応じて中心周波数が高周波数から低周波数へとシフトする。
【0047】
図5において、Vc1は、近傍領域からの受信信号であり、Vc2は、中間領域からの受信信号であり、Vc3は、遠方領域からの受信信号である。Vc1からVc3はDFS回路19を通過後のレベルである。よって、図5に示すように、CPM振動子の場合、超音波信号Vc0が送信された場合、式(1)により示される減衰率特性より、単一の周波数のPZT振動子の場合に比べて、Vc1、Vc2、Vc3の信号間において受信信号の強度レベルの差は、小さくなる。理由は、CPM振動子の受信周波数Vc2が図1のPZT振動子の受信周波数と同一とし、帰ってくる超音波受信信号VP1とVP0のレベルを同一とした場合、Vc1の中心周波数は、Vc2の周波数より高い為、減衰率は高くなり、Vp1とVc1を比較した場合、Vc1の方がVp1よりも信号の強度レベルが小さくなるからである。
【0048】
次に、Vc3の信号は、受信周波数がVc2より低くなっている為、減衰率は低くなり、Vp3とVc3を比較した場合、Vc3の方がVp3よりも信号の強度レベルが大きくなる。
【0049】
上記をまとめると、
Vp1−Vp3>Vc1−Vc3…(2)
となる。式(2)が意味することは、PZT振動子とCPM振動子を比較した場合、PZT振動子の受信信号は、時間に対して受信信号の強度レベルが大きく変化するため、STC回路17において、CPM振動子を用いている場合より、大きな可変範囲が必要となることを意味する。また逆に、CPM振動子の受信信号は、STC回路17においてPZT振動子ほどの可変幅は必要なく、同じ可変段数であれば、より細かな可変設定が可能であることを意味する。
【0050】
次に図6及び図7を用いて、STCテーブルのゲインデータ、すなわちSTCカーブについて説明する。なお、ここでは、簡単のため、STC回路におけるゲインの可変幅は、0を中心として、±3ステップの範囲で可変な場合で説明する。
【0051】
図6は、PZT振動子用のSTCテーブル8にストアされたSTC回路17におけるゲインの設定状況を示す図である。図6は、図4におけるVp1からVp3を同一レベルにする為の、深さ方向すなわち時間に対する、ゲインの設定を示す。PZT振動子からの距離が0cmから1cmでは、ゲインは最小の−3レベルに設定され、PZT振動子からの距離が3cm以上では、ゲインは0レベルになるように、0cmから予め決められた深さまで単調に増加するようにゲインが設定される。これにより、PZT振動子の場合に、均一な画像が生成できる。
【0052】
図7は、CPM振動子用のSTCテーブル9にストアされたSTC回路17におけるゲインの設定状況を示す図である。図7は、図5におけるVc1からVc3を同一レベルにする為の、深さ方向すなわち時間に対する、ゲインの設定を示す。PZT振動子と同様に、CPM振動子からの距離が0cmから1cmでは、最小の−3レベルに設定され、CPM振動子からの距離が3cm以上では、ゲインは0レベルになるように、0cmから予め決められた深さまで単調に増加するように、ゲインが設定される。これにより、CPM振動子の場合に、均一な画像が生成できる。
【0053】
しかしながら、図6と図7に示すように、PZT振動子用のSTC回路17用のゲイン設定値とCPM振動子用のSTC回路17用のゲイン設定値では、1ステップあたりの変化幅が異なる。すなわち、図6及び図7の2つのゲインデータのステップ状変化の変化率は異なっている。図6における1ステップあたりの変化幅の方が、図7における1ステップあたりの変化幅よりも大きい。すなわち、PZT振動子の場合とCPM振動子の場合とにおいて、1ステップあたりの変化率を異ならせることにより、PZT振動子の場合には大きな可変幅に対応可能であり、CPM振動子の場合には細かいゲインの調整が可能となる。
【0054】
以上説明したように、使用される複数の探触子の中に、広帯域の探触子がある場合であっても、使用するSTCテーブルを変更し、かつ必要なDFS回路を使用することによって、超音波診断装置は、常に最適な超音波断層画像を表示することができる。
【0055】
(第2の実施の形態)
次に、図8を用いて、第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態と同一の構成要素については、同一の符号を付して、説明は省略し、異なる部分のみを主として説明する。
【0056】
図8は、本発明の第2の実施の形態に係わる超音波診断装置の構成を示す構成図である。図1と異なる部分は、超音波スコープ1内に周波数切替スイッチ20を有し、さらにSTCテーブル9及びDFSテーブル10は、周波数に応じた複数のSTCテーブルデータと、周波数に応じた複数のDFSテーブルデータを有している点である。
【0057】
CPM振動子は広帯域振動子であり、図2に示すように、広い範囲の周波数帯域を有することが可能となっている。この広い周波数帯域を利用し、ユーザが診断目的、診断対象等に応じて、使用する周波数の範囲を選定可能となっている。
【0058】
その切替は、図8の超音波スコープ1に設けられた周波数切替スイッチ20を切り替えることによって行う。なお、切替は、図示しない操作卓等からも切替可能である。
【0059】
CPM振動子における使用周波数が異なれば、使用する周波数帯域も異なり、DFSテーブル10も異なってくる。さらに、使用周波数が異なれば、使用するSTCテーブルも変更される。理由は、超音波受信信号は、式(1)に示したような減衰特性を有するからである。
【0060】
CPM振動子における使用周波数に応じて、複数のSTCテーブル及び複数のDFSテーブルを予め用意しておき、選択された使用周波数に応じて、複数のSTCテーブルから最適なSTCテーブルが選択され、かつ複数のDFSテーブルから最適なDFSテーブルが選択される。周波数切替スイッチ20が切替えられると、その切替えられた周波数に応じて最適なSTCテーブルとDFSテーブルが選択されて、STC回路17及びDFS回路19においてその選択されたSTCテーブルとDFSテーブルのデータに基づいて処理が行われる。
【0061】
よって、CPM振動子における使用周波数帯域に応じた、STCテーブルを利用することにより、STCステップ幅を最適に設定することが可能となる。
【0062】
以上説明したように、本実施の形態に係る超音波診断装置は、使用される複数の探触子の中に、広帯域の探触子がある場合であっても、使用するSTCテーブルを変更し、かつ必要なDFS回路を使用し、さらに、CPM振動子の使用周波数に応じて選択された最適なSTCテーブルとDFSテーブルのデータに基づいて処理を行うので、常に最適な超音波断層画像を表示することができる。
【0063】
以上説明したように、上述した本発明の実施の形態に係る超音波診断装置によれば、使用される複数の探触子の中に、広帯域の探触子がある場合であっても、ユーザが最適なSTCテーブルの設定をすることなく、最適な超音波断層画像を表示することができる。そして、本実施の形態によれば、接続される振動子に応じて最適なSTCカーブを予め設定したテーブルを用意しておくことによって、近傍から遠方まで均一な超音波画像を生成することが可能となり、微妙な調整が可能となる超音波診断装置を実現することができる。
【0064】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【0065】
なお、上述した実施の形態から、次の付記項に記載の構成に特徴がある。
【0066】
[付記項]
(1)狭帯域振動子および広帯域振動子の接続が可能な超音波診断装置において、
前記狭帯域振動子および前記広帯域振動子を識別するための識別信号に基づいて接続された振動子を識別する振動子識別手段と、
前記振動子識別手段の識別結果に基づいて時間制御のためのゲインデータを決定すると共に、受信周波数を時間的に変化させる回路を使用するか否かを選択する制御手段と、
を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
【0067】
(2)前記ゲインデータは、ステップ状に変化するデータであり、
前記制御手段は、前記振動子識別手段の識別結果に基づいて前記ゲインデータのステップ状変化の変化率を変更することを特徴とする付記項(1)に記載の超音波診断装置。
【0068】
(3)さらに、前記ゲインデータを有するテーブルを複数有し、前記テーブルの夫々は、時間に応じて前記ゲインデータがステップ状の変化するデータを有することを特徴とする付記項(1)に記載の超音波診断装置。
【0069】
(4)前記振動子識別手段は、さらに、接続された振動子の周波数特性を識別する周波数識別信号に基づいて周波数特性を識別することを特徴とする付記項(1)から付記項(3)のいずれかに記載の超音波診断装置。
【0070】
(5)前記制御手段は、識別された周波数特性に基づいて、前記ゲインデータを変更するために前記テーブルを切り替えることを特徴とする付記項(4)に記載の超音波診断装置。
【0071】
(6)前記狭帯域振動子は、PZT振動子であり、前記広帯域振動子は、CPM振動子であることを特徴とする付記項(1)から付記項(5)のいずれかに記載の超音波診断装置。
【0072】
(7)PZT振動子およびCPM振動子の接続が可能な超音波診断装置において、
前記PZT振動子および前記CPM振動子を識別する識別信号に基づいて接続された振動子を識別する振動子識別手段と、
前記振動子識別手段の識別結果に基づいて所定のSTCテーブルを選択すると共に、DFS回路を使用するか否かを選択する制御手段と、
を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
【0073】
(8)狭帯域振動子および広帯域振動子が接続可能な超音波診断装置において、
狭帯域振動子と広帯域振動子を識別する識別回路と、
該識別回路により、STCテーブルを切り替える切替回路と、
前記識別回路によりDFS回路をオン及びオフを行う切替回路と、
を備え、前記振動子の種類に応じて、STCステップ幅の変化率を制御することを特徴とする超音波診断装置。
【0074】
(9)前記STCテーブルは、狭帯域振動子を接続時のSTCステップ幅の変化率を、広帯域振動子が接続された時よりも、大きくしたことを特徴とする付記項(7)または付記項(8)に記載の超音波診断装置。
【0075】
(10)前記識別回路は、狭帯域振動子と広帯域振動子の種類を識別する他に、振動子周波数を識別し、その識別結果に基づいてSTCテーブルを切り替えることを特徴とする付記項(7)、付記項(8)または付記項(9)に記載の超音波診断装置。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、使用される複数の探触子の中に、広帯域の探触子がある場合であっても、最適な超音波断層画像を表示することができる超音波診断装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる超音波診断装置の構成を示す構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係わるDFS回路の機能を説明するための図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係わるDFSテーブルのデータを説明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係わるPZT振動子の場合の受信信号の減衰状態を説明するための図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係わるCPM振動子の場合の受信信号の減衰状態を説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係わるPZT振動子用のSTCテーブルにストアされたSTC回路におけるゲインの設定状況を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係わるCPM振動子用のSTCテーブルにストアされたSTC回路におけるゲインの設定状況を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係わる超音波診断装置の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
1・・・超音波スコープ
2・・・超音波観測装置
5・・・制御部
6・・・受信回路
15・・・増幅器
17・・・STC回路

Claims (3)

  1. 狭帯域振動子又は広帯域振動子の接続が可能な超音波診断装置において、
    前記狭帯域振動子および前記広帯域振動子を識別するための識別信号に基づいて接続された振動子を識別する振動子識別手段と、
    前記狭帯域振動子の時間制御のための第1のゲインデータと、該第1のゲインデータにおけるゲインの変化率よりも小さいゲインの変化率を有するように、前記広帯域振動子の時間制御のための第2のゲインデータとを記憶するゲインデータ記憶手段と、
    前記振動子識別手段により前記狭帯域振動子が接続されていると識別されたときは、受信周波数を時間的に変化させる回路を使用しないで前記ゲインデータ記憶手段から読み出された前記第1のゲインデータに基づいてゲインの時間制御を行い、前記振動子識別手段により前記広帯域振動子が接続されていると識別されたときは、前記受信周波数を時間的に変化させる回路を使用し、かつ前記ゲインデータ記憶手段から読み出された前記第2のゲインデータに基づいてゲインの時間制御を行う制御手段と、
    を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記第1及び前記第2のゲインデータは、それぞれステップ状に変化するデータであることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記振動子識別手段は、さらに、接続された振動子の周波数特性を識別する周波数識別信号に基づいて周波数特性を識別することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波診断装置。
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