JP3891282B2 - ボンディングワイヤー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置の組立に用いられるボンディングワイヤーに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置を組み立てるに際してリードフレーム等のダイ部にICチップを搭載し、ICチップの電極とリードフレーム等の電極とをボンディングワイヤーにより結線し、樹脂封止している。用いられるボンディングワイヤーは、電気特性、加工性などから純度99.99%の金を所望径になるまで伸線加工して作成されている。
【0003】
近年、経済環境や環境問題から省資源化が強く要求されている。また、半導体装置の実装密度の高密度化に伴い線径の細いボンディングワイヤーが求められ、検討されている。線径を細くするとボンディングワイヤーの強度が低下する。このため、ICチップとリードフレーム等とを結線した後の封止工程で、流し込まれる封止樹脂でボンディングワイヤーが封止樹脂の流れ方向に流されて隣に張られた金線と接触することが起きる。こうした不良をショート不良率というが、細線化が進めば進むほどショート不良率が高くなる(特許文献1 段落0003 上から6〜8行目参照)。
【0004】
こうした問題を解消するために、ボンディングワイヤー材料である金に不純物を添加し、得られるボンディングワイヤーの強度や硬度を高くすることが行われている(特許文献1 段落0006〜0007参照)。
【0005】
しかし、強度や硬度が高くなると、ボンディング作業性の低下、ボンディングワイヤーの電気特性が使用目的の限界に近づくと行った問題が起きる。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−293514
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこうした問題を回避しうる細線化されたボンディングワイヤーの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本第一の発明は、所望径の金極細線を二本並列して接合させたことを特徴とするボンディングワイヤーであり、その最長径が50μm以下のものである。
【0009】
また、本第二の発明は、所望径の金極細線と金合金極細線とを並列して接合させたことを特徴とするボンディングワイヤーであり、その最長径が50μm以下のものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明では、図1に示したようにボンディングワイヤーの断面形状を二連球とし、最長径1の方向と樹脂封止時の樹脂の流入方向2とを一致させることによりボンディングワイヤーの強度を維持しつつ、必要とされる金量を削減する。持って、省資源化、低コスト化を可能とする。
【0012】
上記細線化に伴う問題点は断面が円形のボンディングワイヤーの場合、その直径が30μmを切ると顕著化する。直径が30μmの極細線を二本並列して接合させた場合、その最長径は60μmとなる。よって、その最長径が50μm以下のボンディングワイヤー、すなわち一本のボンディングワイヤーの直径が25μm以下のものを二本並列して接合したものに対して本発明は好適である。
【0013】
本第一および第二の発明は、所望径の金極細線を二本、あるいは金極細線と金合金極細線とを並列して相互に接合させたものである。そして、得られたボンディングワイヤーの最長径を50μm以下とする。こうした略二連玉型の断面を有するボンディングワイヤーを用いるに際して、最長径の方向と封止樹脂の流れ込み方向とを略一致させることにより、ボンディングワイヤーが流入する封止樹脂により受ける圧力に対抗する力を、最長径を直径とする断面が円形のボンディングワイヤーの2倍程度に高めることが可能である。
【0014】
本第一及び第二の発明のボンディングワイヤーを製造するに際して、まず所望径の1/2径の金極細線や金合金極細線を伸線加工により得る。この伸線加工では、通常ダイヤモンドダイスを連続的に通すことにより行う。その後、得られた所望の極細線を二本接触させた状態で熱処理炉を通す。こうすることにより二本の極細線は容易に接合し本発明のボンディングワイヤーとなる。
【0015】
なお、熱処理温度は通常の選択基準で選択すれば良く、特に接合させるために温度を選定する必要はない。
【0017】
【実施例】
次に実施例を用いて本発明をさらに説明する。
(実施例1)
純度99.99%の金を溶解して棒状のインゴットを作成した。このインゴットを伸線加工して線径20μmの金極細線を得た。次に、この金極細線を二本並べて接触させつつ450℃の熱処理炉内を線速度50m/minで通過させて熱処理した。このようにして本発明の二連玉型の断面を有する本第一の発明のボンディングワイヤーを得た。なお、本ボンディングワイヤーの最長径は40μmとなっていた。
【0018】
次に、400ピンのリードフレームのダイ部にICチップを半田付けして搭載し、リードフレームのリード部電極部とICチップ表面電極部とを上記ボンディングワイヤーを用いて接続した。この際、ボンディングワイヤーの最長径の方向と後工程の樹脂封止時に樹脂が流れ込む方向とが一致するようにボンディングした。
【0019】
次いで、ICチップ及びボンディング部を覆う型を取り付け、内部に封止樹脂(住友ベークライト社製 商品名 EME−7752A)を流し込み、封止した。その後、得られた100個の半導体装置それぞれのワイヤーボンディング部にX線を当てて透過写真を撮り、ワイヤーの流れ状況を観察した。更に、導通試験を行いショート欠陥の有無を求めた。
【0020】
本例ではいずれの半導体装置のワイヤー湾曲部においても、僅かに封止樹脂の圧力で流された部分が確認できたものの、ショート欠陥は検出されなかった。
【0021】
(実施例2)
純度99.99%の金と下記組成の金合金とを、それぞれ溶解して棒状のインゴットを作成した。このインゴットを伸線加工して線径20μmの金極細線と金合金極細線とを得た。次に、金極細線と金合金極細線とを二本並べて接触させつつ450℃の熱処理炉内を線速度50m/minで通過させて熱処理した。このようにして本第二の発明の二連玉型断面を有するボンディングワイヤーを得た。なお、本ボンディングワイヤーの最長径は40μmとなっていた。
【0022】
表 1 金合金の組成(wt%)
Au Pt その他不純物
99.59 0.4 100ppm
次に、400ピンのリードフレームのダイ部にICチップを半田付けして搭載し、リードフレームのリード部電極部とICチップ表面電極部とを上記ボンディングワイヤーを用いて接続した。この際、ボンディングワイヤーの最長径の方向と後工程の樹脂封止時に樹脂が流れ込む方向とが一致するようにボンディングした。
【0023】
次いで、ICチップ及びボンディング部を覆う型を取り付け、内部に封止樹脂(住友ベークライト社製 商品名 EME−7752A)を流し込み、封止した。その後、得られた100個の半導体装置それぞれのワイヤーボンディング部にX線を当てて透過写真を撮り、ワイヤーの流れ状況を観察した。更に、導通試験を行いショート欠陥の有無を求めた。
【0024】
本例では、いずれの半導体装置でもワイヤー湾曲部のワイヤー流れも無視でき、ショート欠陥も検出されなかった。
【0029】
(実施例3)
純度99.99%の金を溶解して棒状のインゴットを作成した。このインゴットを伸線加工して線径21μmの断面が円形の金極細線を得た(実施例1,2の
ボンディングワイヤーと同断面積のものです)。次に、この金極細線を二本並べて接触させつつ450℃の熱処理炉内を線速度50m/minで通過させて熱処
理した。このようにして本第二の発明の二連玉型断面を有するボンディングワイヤーを得た。
【0030】
次に、400ピンのリードフレームのダイ部にICチップを半田付けして搭載し、リードフレームのリード部電極部とICチップ表面電極部とを上記ボンディングワイヤーを用いて接続した。この際、ボンディングワイヤーの最長径の方向と後工程の樹脂封止時に樹脂が流れ込む方向とが一致するようにボンディングした。
【0031】
次いで、ICチップ及びボンディング部を覆う型を取り付け、内部に封止樹脂(住友ベークライト社製 商品名 EME−7752A)を流し込み、封止した。その後、得られた100個の半導体装置それぞれのワイヤーボンディング部にX線を当てて透過写真を撮り、ワイヤーの流れ状況を観察した。更に、導通試験を行いショート欠陥の有無を求めた。
【0032】
本例ではいずれの半導体装置でもワイヤー湾曲部においても僅かに封止樹脂の圧力で流された部分が見られたものの、ショート欠陥は見られなかった。
【0033】
(比較例1)
純度99.99%の金を溶解して棒状のインゴットを作成した。このインゴットを伸線加工して線径30μmの断面が円形の金極細線を得た。次に、この伸線を450℃の熱処理炉内を線速度50m/minで通過させて熱処理した。このようにして従来のボンディングワイヤーを得た。
【0034】
次に、400ピンのリードフレームのダイ部にICチップを半田付けして搭載し、リードフレームのリード部電極部とICチップ表面電極部とを上記ボンディングワイヤーを用いて接続した。
【0035】
次いで、ICチップ及びボンディング部を覆う型を取り付け、内部に封止樹脂(住友ベークライト社製 商品名 EME−7752A)を流し込み、封止した。その後、得られた100個の半導体装置それぞれのワイヤーボンディング部にX線を当てて透過写真を撮り、ワイヤーの流れ状況を観察した。更に、導通試験を行いショート欠陥の有無を求めた。
【0036】
本例ではいずれの半導体装置でもワイヤー湾曲部がかなり流れ、ショート欠陥は8個検出された。
【0037】
【発明の効果】
本第一および第二の発明は、1/2の径の金極細線を二本、あるいは金極細線と金合金極細線とを並列して相互に接合させて、所望最長径の略二連玉型の断面を有するボンディングワイヤーである。これを用いるに際して、最長径の方向と封止樹脂の流れ込み方向とを略一致させることにより、流入する封止樹脂に対抗する力を、最長径を直径とし、断面形状が円形のボンディングワイヤーより大きく高めることができる。
【0039】
以上のことから分かるとおり、本発明では、ボンディングワイヤーの断面形状を二連球とし、最長径の方向と樹脂封止時の樹脂の流入方向とを一致させることにより封止樹脂の流入圧力に対抗する強度を維持しつつ、必要とされる金量の削減を可能とする。即ち、省資源化、低コスト化を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のボンディングワイヤーの断面図と封止樹脂の流れとを示した図である。
【符号の説明】
1――――最長径
2――――樹脂の流入方向
Claims (2)
- 所望径の金極細線を二本並列して接合させたボンディングワイヤーであり、その最長径が50μm以下であることを特徴とするボンディングワイヤー。
- 所望径の金極細線と金合金極細線とを並列して接合させたボンディングワイヤーであり、その最長径が50μm以下であることを特徴とするボンディングワイヤー。
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-
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