JP3895131B2 - ステアリングホイール - Google Patents
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Description
【産業上の技術分野】
本発明はステアリングホイールに係わり、特に、ステアリングホイール本体の表面の美観を向上させるフィニッシャー部を備えたステアリングホイールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ステアリングホイール本体のパッド部には、車両の衝突などの衝撃に対して運転者を保護するためのエアバッグ装置が内蔵されている。この種のステアリングホイールの一例が、例えば特開平6−144241号公報に開示されている。同公報に開示されたステアリングホイールは、円環状のリム部の中央部に、4本のスポーク芯金の一部を被包するスポーク部を介して、ステアリングシャフトの先端に嵌合固定される円筒状のボスを備えている。
【0003】
このボスの上部には、エアバッグ装置を内蔵した平面略四角板形状をなすパッド部が、その4つの隅角部をスポーク部と突き合わせた状態で配される。同パッド部はパッド取付用ブラケットを介して、中央の前記ボスの外周に設けられたボスプレートに取付ボルトにて締付固定され、ステアリングホイール本体の上部に不動状態に取り付けられる。
【0004】
このパッド部の裏面には、溝部を薄肉に形成した破断予定部(テアライン)が設けられている。エアバッグ装置は、車両が大きな衝撃を受けると、その衝撃を感知してインフレータからの高圧ガスをエアバッグの内部に導入し、同エアバッグを瞬時に膨張させる。その膨張圧により前記パッド部のテアラインを破断して同パッド部を所定の形態に大きく展開させる。このため、エアバッグの膨張展開時の妨げにならないように、前記パッド部側の左右に延びる一対のスポーク部にはホーン機構が上下動可能に取り付けられる。
【0005】
しかしながら、この従来のステアリングホイールはスポーク部の上面部にホーンボタンを上下動可能に取り付けているため、スポーク部の個数、配置や幅等により設計上の制約を受けてホーンボタンの設置箇所が狭くなりやすい。その制約に伴いホーンボタンを押動操作できる操作面が小さくなると、同ホーンボタンの操作感が悪化して、同ホーンボタンの押動操作が行いづらいという不具合などが生じる。
【0006】
かかる不具合を解消するため、パッド部に内蔵されたエアバッグ装置の下部側にホーンスイッチ機構が備えられ、同パッド部の全体を、ホーンスイッチの操作部としてステアリングホイール本体に対して上下動可能に配したステアリングホイールがある。この種のステアリングホイールの構造例が、例えば特開平10−44907号公報に開示されている。同公報に開示されたステアリングホイールは、円環状のリム部及びボスを互いに連結する3本のスポーク芯金の一部をそれぞれ被包するスポーク部の中間部に、前記エアバッグ装置を内蔵したパッド部を付勢手段の付勢力に抗して上下動可能に装着している。
【0007】
ところで、この従来のステアリングホイールは、パッド部のスポーク側の端部と、パッド部側に延びるスポーク部の端縁部との重ね合わせ部分が表面に現れる取付構造であり、その重ね合わせ部分の凹溝状の隙間は目立ちやすく明瞭に出現するため、目障りな凹溝状の間隙がステアリングホイール本体の外観を低下させる場合もある。ステアリングホイール本体の美観の低下を回避するため、前記パッド部側に延びるスポーク部の端部に装飾部材を装着させることが要望されることもあり、前記スポーク部にはステアリングホイール本体の外観意匠性を向上させるためのフィニッシャー部が配される。同フィニッシャー部はスポーク部と独立した単一の合成樹脂製品により構成される。
【0008】
図9にフィニッシャー部の構造例を示す。このフィニッシャー部1は、周囲に枠状のフランジ部2aが一体に形成された全体形状が平面略台形板状の表面板2と、 同表面板2の裏面から一体に突設された先細り状の長尺円筒体からなる一対の取付部材3,3とを有している。前記フィニッシャー部1は、例えばパッド部側に延びる図示せぬスポーク部の端部を切り欠いて形成される空間内に挿入されて、同じく図示を省略したパッド部のスポーク側の端部と前記スポーク部の端縁部との間に前記フランジ部2aを合わせ、前記取付部材3の筒部内に形成されたネジ部3aに、図示せぬスポーク芯金に形成されたボルト用通孔を介して取付ボルトを螺合して締付固定される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特開平10−44907号公報に開示されたステアリングホイールのフィニッシャー部は、表面板と、その表面板の裏面から一体に突出された長尺円筒体からなる取付部材とにより構成されており、同取付部材の筒部に形成されたネジ部にスポーク芯金のボルト用通孔を介して取付ボルトを螺合して締付固定している。このため、強い衝撃が前記フィニッシャー部の表面に局部的に加わったとき、その取付部材が前記スポーク芯金の上面に強く突張るような状態となりやすい。従って、衝撃荷重が急激に上昇してしまい、有効な衝撃荷重ストロークが得られず衝撃吸収効率が悪くなり、例えば運転者の頭部がフィニッシャー部との衝突により強い反発力を受けやすいという問題がある。
【0010】
また、前記表面板の裏面に長い円筒体からなる取付部材を一体成形しているため、同取付部材の筒部及び前記表面板の肉厚を加えた総肉厚が局部的に大きくなり、図9に示すごとく成形時に前記表面板の上面に局部的なヒケによるくぼみ等が生じやすい。表面板の外部に生じたヒケによるくぼみ等が車室内に露出されると、そのくぼみ等が視覚に入り、外観的に商品価値を低下させるという不具合がある。
【0011】
また、前記取付部材を排除して、フィニッシャー部とは独立した取付部品、例えばクランク状に折り曲げて形成された平板材からなる取付ブラケット等を介して前記フィニッシャー部の表面板の裏面を前記スポーク芯金に固定しようとすると、取付ブラケット等の部品点数が増加すると共に組立工数が増大し、それに伴い部品費や製造費等が高くなるという問題が発生する。
【0012】
本発明は、かかる従来の課題を解消すべくなされたものであり、その具体的な目的は、衝撃吸収効率を向上させることを可能にし、パッド部とスポーク部との中間の重ね合わせ部分の美観を向上させることができるフィニッシャー部を備えたステアリングホイールを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
本件請求項1に係る発明は、中央のボスと、同ボスの上部に取り付けられるパッド部と、環状のリム部と、同リム部及び前記ボスを連結するスポーク芯金の一部を被包するスポーク部と、前記パッド部とスポーク部との間に配されたフィニッシャー部とを備え、前記フィニッシャー部が前記パッド部及びスポーク部の少なくとも一方に独立して取り付けられてなるステアリングホイールであって、前記フィニッシャー部が、表面板と、同表面板の下面に一体に設けられ内部空間を形成する側壁である垂直板を有するとともに前記内部空間を上下に仕切る水平中間板を有する、前記パッド部側に開口する箱状枠を含む衝撃吸収部を備えてなることを特徴とするステアリングホイールにある。
【0014】
かかる構成を備えた本発明のステアリングホイールは、例えば前記パッド部側に延びるスポーク部の端部を切り欠いて形成された空間内に、単一の合成樹脂製品であるフィニッシャー部を配してステアリングホイール本体の外観意匠性を向上させている。このフィニッシャー部は前記スポーク部の端縁部と前記パッド部のスポーク側の端部とに嵌挿係合されており、前記フィニッシャー部の下面から下方向に向けて突出した取付部材を前記スポーク芯金に係合固定する。
【0015】
本発明によれば、衝撃が前記フィニッシャー部の表面に加わったときでも、その衝撃を吸収緩和する衝撃吸収部が前記フィニッシャー部に設けられている。同衝撃吸収部は、例えば前記フィニッシャー部の裏面に内部空間を構成する側壁である垂直板を一体成形することにより得られるものであり、衝撃時に上昇荷重を受けると、所定の荷重までは変形量が少なく、したがって初期の衝撃力の吸収は少ないが、同荷重を越えると前記垂直板がその荷重を維持するように大きく変形を続けて、前記荷重以上の荷重を十分に吸収して衝撃を緩和する。従って、前記フィニッシャー部は、有効に衝撃を吸収して運転者の安全を充分に確保できるようになる。
【0016】
更に本発明は、前記フィニッシャー部の前記箱状枠は、前記内部空間を上下に仕切る水平中間板を有するとともに、前記箱状枠の側面又は下面から突出し、前記パッド部及びスポーク部の少なくとも一方に取り付けられる取付部材を有していることが必要である。
【0017】
前記箱状枠は、その内部空間を上下に仕切る水平中間板を有しており、少なくとも内部空間を上下に2層に形成している。このように、前記箱状枠の左右側壁を構成する一対の垂直板を前記水平中間板をもって一体的に連結することにより、前記箱状枠の垂直板の肉厚を小さくしても、水平中間板が設けられていない前記フィニッシャー部の衝撃吸収部と同等の強度が確保できる。このため、前記垂直板に対応する表面板部分にヒケが発生しにくくなり、外観上の見栄えも良くなる。
【0018】
いま、前記フィニッシャー部の表面に衝撃が加わり、初期には前記表面板及び前記水平中間板が衝撃方向に向けて微小変形するとき、前記箱状枠の底部を構成する水平基板が前記スポーク芯金の上面で強く支持される。続いて、前記上側内部空間及び下側内部空間の各垂直板が衝突の衝撃を吸収しながら順次湾曲して変形する。更に一層大きな衝撃力が加わり、前記垂直板に変形荷重が加わると、各垂直板が潰れて前記衝撃力を吸収する。
【0019】
このように、前記箱状枠の垂直板に前記水平中間板を一体に連結することにより、衝撃時の初期荷重に対しては僅かに吸収させ、所定の荷重を越えるとその荷重を維持しながら所定の変形量を確保しながら変形を進ませ、所望の衝撃エネルギー吸収特性を得ている。この場合に、前記表面板及び前記水平中間板などの隔壁の各強度はその肉厚により決まる。
【0020】
更に、この発明によれば、従来のごとく表面板の下面に直接突出させずに、前記フィニッシャー部の箱状枠の下面に取付部材を突出しているため、成形時に前記フィニッシャー部の表面に局部的なヒケが生じることなく良好な外観意匠性を確保した高品質の製品が得られる。
【0021】
請求項2に係る発明は、前記箱状枠の前記水平中間板により区画される上下空間の少なくとも一部が、更に左右方向に仕切られる垂直中間板を有していることを特徴としている。
この発明によれば、上記フィニッシャー部の箱状枠の内部空間を上下に仕切る水平中間板により区画される上下空間の少なくとも一部には、それぞれ左右方向に仕切られる少なくとも1以上の垂直中間板が一体に形成されている。
【0022】
この発明の衝撃吸収部によれば、衝突時に箱状枠を一気に変形させずに、初期の衝撃荷重を僅かな変形量で受ける。衝撃荷重が所定の荷重を越えると前記垂直中間板が大きく変形してその荷重を吸収する。更に、荷重が増加すると左右の側壁である上記垂直板が湾曲して変形して、以降に加わる衝撃荷重を大きく吸収して略一定の衝撃荷重に抑制される。このように、衝撃時の急激で大きな荷重を段階的に吸収して、衝撃力を緩和する。
【0023】
従って、この発明によれば、前記垂直板及び前記垂直中間板が塑性変形するまでに急速に所定の荷重に上昇させ、続いて、前記垂直板及び前記垂直中間板が塑性変形するとき、衝撃荷重を安定的に維持して、所定の変形量を確保することができるようになる。従って、衝撃時に所定の荷重に上昇した荷重を維持しながら、所定の変形量を確保することができるため、有効に衝撃を吸収して運転者の安全を充分に確保することができる。
【0024】
ここで、上下内部空間を構成する各箱状枠の強度を異ならせれば、衝撃初期に前記箱状枠の表面板及び水平中間板を微小変形させたのち、衝撃荷重が増加すると、各箱状枠が強度の低い順で段階的に変形させることができるため、更に衝撃特性が改善される。
【0025】
このように、この発明は、前記垂直中間板の配置、個数、幅や肉厚等を適切に設定することにより、衝撃時の初期荷重を所定の衝撃値に上昇させることができると共に、この衝撃値を維持した状態で有効な衝撃吸収ストロークを確保することができるようになる。
【0026】
請求項3に係る発明は、前記パッド部にエアバッグモジュールが内蔵されていることを特徴としている。この発明によれば、車両に所定以上の大きな衝撃を受けたとき、エアバッグモジュールが作動して運転者の上半身を緩衝支持し、人体に加わる衝撃力を大幅に緩和する。エアバッグモジュールが作動しない程度の小さい衝撃により、例えば運転者の頭部が上記フィニッシャー部の表面に衝突したときには、その衝撃力を上記フィニッシャー部の衝撃吸収部により吸収緩和して、運転者の安全を充分に確保することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。 図1は本発明の代表的な第1実施形態であるフィニッシャー部を備えたステアリングホイールの平面図、図2は図1のII−II線の矢視要部拡大断面図、図3〜図6は同ステアリングホイールに適用されるフィニッシャー部を示しており、図3は同フィニッシャー部の正面図、図4は同平面図、図5は同裏面図であり、図6は同斜視図である。なお、本実施形態では3本のスポーク部を有するステアリングホイールを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば2本又は4本のスポーク部を有するステアリングホイールにも適用される。
【0028】
図1及び図2において、符号10は第1実施形態であるフィニッシャー部を備えたステアリングホイールを示している。このステアリングホイール10は、中央の円筒状をなすボス11と、同ボス11の上部に取り付けられるパッド部12と、リム芯金13aを被包する円環状のリム部13と、同リム部13のリム芯金13a及び前記ボス11を互いに連結するスポーク芯金14aの一部を被包するスポーク部14とを備えている。前記パッド部12側のスポーク部14の端部には、ステアリングホイール本体の外観意匠性を向上させる合成樹脂製の内装部品であるフィニッシャー部16が取り付けられている。
【0029】
前記ボス11は図示せぬステアリングシャフトの先端に嵌着固定される。このボス11の上端外周にはボスプレート11aが一体に形成されている。同ボスプレート11aには所定の間隔をおいて3本のスポーク芯金14a,…,14aが鋳造により前記ボスプレートを鋳くるんで形成されており、それぞれ放射状に延出されている。各スポーク芯金14aの他端部には前記リム芯金13aが一体に形成されている。リム芯金13aの外周部とリム芯金13a側の前記スポーク芯金14aの一部の外周部とには、例えば軟質の発砲ウレタン等からなる表皮部が被覆されている。前記ボス11のボスプレート11aの下部には、同ボス11及びステアリングシャフトの先端を挿通する開口を有する合成樹脂製の下部カバー15が取り付けられている。
【0030】
前記ボス11のボスプレート11aの左右に延びる一対のスポーク芯金14aの中間部には、図2に示すように、それぞれ前記ボス11に向かう階段状の取付段部14bが折曲げ形成されている。前記スポーク芯金14aの一部を被包するスポーク部14のパッド部側の端縁部には、前記取付段部14bに対応する部位に切欠部14cが形成されている。フィニッシャー部16は前記切欠部14cに挿入係合され、前記取付段部14bにボルト締めにより締付固定される。
【0031】
前記パッド部12は、前記スポーク部14と突き合わされて係合する係合部及び側壁を有する全体が平面略平板状のカバー本体と、同カバー本体の中央部裏面に突設される図示せぬ略正方形の枠部とを有している。同カバー本体の裏面には、図示せぬ溝部を薄肉に形成した脆弱なテアラインが設けられている。カバー本体と枠部との間に形成される収容空間内に、同じく図示を省略したインフレータ及び折り畳まれたエアバッグを有するエアバッグモジュール(エアバッグ装置)が常法に従って収容固定される。
【0032】
前記エアバッグモジュールは、車両に所定以上の大きな衝撃を受けたとき、その衝撃を感知してインフレータが起動し、折り畳まれていたエアバッグの内部に高圧ガスが導入され、同エアバッグを適正な形態で瞬時に膨張展開させ、カバー本体の裏面に形成されるテアラインが開裂し、カバー本体が開き、エアバッグがステアリングホイールの外方に所定の形態で膨張展開する。こうして運転者の上半身を緩衝支持して人体に加わる衝撃力を大幅に緩和する。
【0033】
上記のごとく構成されたステアリングホイールは、従来から広く知られた周知の構造を有しているため、ここではその詳しい説明は省略する。本発明は、上記構成に限定されるものではなく、その特徴とするところは、前記パッド部12側のスポーク部14に独立して取り付けられるフィニッシャー部16の衝撃吸収構造、及びその構成部材にある。
【0034】
この第1実施形態によれば、前記フィニッシャー部16は合成樹脂材料を射出成形することにより一体に形成される。同フィニッシャー部16は、図2、及び図3〜図6に示すように周囲に枠状のフランジ部17aが一体に形成された全体形状が平面略台形板状の表面板17と、 同表面板17の裏面に一体形成された箱状枠18と、同箱状枠18の下面に一体形成された略逆台錐形の筒体からなる一対の取付部材19,19とを有している。
【0035】
前記箱状枠18は、所望の間隔をおいて前記表面板17の裏面から突出した左右側壁である垂直板18a,18aと、各垂直板18aの下端部に直交して連結された底部である水平基板18bと、これらの垂直板18a及び水平基板18bの一側縁部に連結された補強板20とを有しており、パッド部側に開口する箱形状をなしている。前記垂直板18aの補強板20と反対側の上部端面は、それぞれ前記表面板17のパッド部側のフランジ部17aの後端縁に連結されている。
【0036】
前記垂直板18a及び水平基板18bは前記表面板17の肉厚よりも薄い寸法に設定されると共に、垂直板18aの肉厚は水平基板18bよりも薄い寸法に設定されている。前記補強板20の前記表面板17側の肉厚は前記水平基板18b側の肉厚よりも薄く設定されている。この補強板20を一体に連結することにより前記フィニッシャー部16としての強度を高めることができるようになり、前記垂直板18aの肉厚を増やすこともないため、前記フィニッシャー部16の表面にヒケが生じることを防止できる。
【0037】
更に、図示例によれば、前記垂直板18a及び補強板20の中間部には、前記箱状枠18の内部空間を上部空間及び下部空間の2つに仕切る水平中間板21が前記箱状枠18の開口端から突出した状態で一体に形成されている。この水平中間板21は前記水平基板18bと略同一の板厚寸法に設定されている。水平中間板21の露呈端部は、前記表面板17のパッド部側のフランジ部17aの下縁に沿って延びており、パッド部12の係合部と合致する外形形状をなしている。同パッド部12は前記水平中間板21の露呈端部に係合される。
【0038】
このフィニッシャー部16は、図2に示すように前記パッド部12側に延びるスポーク部14の切欠部14c内に挿入されて、そのスポーク部14の端縁部と同パッド部12のスポーク側端部とに係合され、前記フィニッシャー部16の前記水平基板18bの下面から下方に向けて突出した一対の取付部材19,19を上記スポーク芯金14aの取付段部14bに形成された通孔に嵌挿係合される。取付部材19の筒部内に形成されたネジ部19aに図示せぬ取付ボルトを螺合して締付固定される。
【0039】
この第1実施形態にあっては、上部空間側の一対の垂直板18aは、それぞれ前記表面板17、そのフランジ部17a、前記水平中間板21、及び前記補強板20により一体に連結されている。かかる構成によれば、上部空間側の各垂直板18aは下部空間側の各垂直板18aよりも強度を高めている。垂直板18aに前記水平中間板21を一体に連結することにより、垂直板18aの肉厚を小さくしても、前記水平中間板21が設けられていないフィニッシャー部16の衝撃吸収部と同等の強度が確保できる。このため、前記垂直板18aに対応する表面板17の表面部分にヒケが発生しにくくなり、外観上の見栄えもよく商品価値を高めることができる。
【0040】
上記のごとく構成された衝撃吸収部は、前記フィニッシャー部16の表面に加わる衝撃時の初期荷重に対して前記表面板17及び前記水平中間板21を衝撃方向に微小変形させ、その初期荷重を僅かに吸収させる。続いて、所定の荷重を越えると、2つの内部空間を区画する上下方向に延びる垂直板18aが、その荷重を維持しながら順次湾曲して、所定の変形量を確保しながら変形を進ませ、所望の衝撃エネルギー吸収特性を得ている。
【0041】
なお、この実施形態では、フィニッシャー部16は箱状枠18の内部空間を2つの上部及び下部空間に区画しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば箱状枠18を単一の内部空間に形成し、或いは箱状枠18を所望数の水平中間板21により2層以上の内部空間に区画してもよい。いずれの場合にも前記表面板17及び前記水平中間板21等の各強度は、その肉厚により決まる。
【0042】
更に、前記箱状枠18には、前記水平中間板21により区画される上下の内部空間をそれぞれ左右方向に仕切る垂直中間板22,22が、前記水平中間板21の中央部であって、前記垂直板18aと平行に一体形成されており、前記箱状枠18が同一の大きさの上下及び左右の4つの内部空間に仕切られている。前記垂直中間板22は、図2、図4及び図6に示すように略四角形をなしており、前記水平基板18bのスポーク方向幅寸法よりも短い寸法に設定されると共に、前記垂直板18aの板厚よりも薄い寸法に設定されている。
【0043】
図7にフィニッシャー部16の箱状枠18に水平中間板21と垂直中間板22とを有する衝撃吸収部に衝撃力が作用したときの状態を示す。
いま、衝突時の衝撃力Fがフィニッシャー部16の表面に加わり、その表面板17及び水平中間板21が衝撃方向に向けて微小変形すると、前記箱状枠18の底部を構成する水平基板18bがスポーク芯金14aの上面に強く支持される。次に前記垂直中間板22が衝突の衝撃を吸収しながら湾曲して変形を開始し、続いて前記箱状枠18の垂直板18aが湾曲して変形する。
【0044】
このとき、上述のように上部空間側の前記箱状枠18の左右側壁を構成する各垂直板18aは下部空間側の各垂直板18aよりも強度を高めているため、衝撃初期に前記箱状枠18の表面板17及び水平中間板21を微小変形させたのち、衝撃荷重が増加すると、各箱状枠18が強度の低い順で段階的に変形される。更に一層大きな衝撃力Fが加わると、下部空間側の各垂直板18a及び垂直中間板22の双方は、図7に示すように殆どの衝撃荷重を受ける。その衝撃荷重を大きく吸収して、略一定の衝撃荷重に抑制する。
【0045】
このように、衝突の衝撃時に前記箱状枠18が上記スポーク芯金14aの上面に即座に底当たりすることなく、初期の衝撃荷重を僅かな変形量で受け、衝撃荷重が所定の荷重を越えると前記垂直中間板21が大きく変形してその荷重を吸収する。更に、荷重が増加すると、前記垂直板18aが湾曲して変形して、以降に加わる衝撃荷重を大きく吸収して略一定の衝撃荷重に抑制される。こうして、衝撃時の大きな荷重を段階的に吸収して、衝撃力を緩和する。
【0046】
従って、前記垂直板18a及び垂直中間板22が塑性変形するまでに急速に所定の荷重に上昇させ、続いて、前記垂直板18a及び垂直中間板22が塑性変形するとき、衝撃荷重を安定的に維持して、所定の変形量を確保することができるようになる。このため、有効に衝撃を吸収して運転者の安全を充分に確保することができる。なお、前記垂直中間板21の配置、個数、幅や肉厚等を適切に設定することにより、衝撃時の初期荷重を所定の衝撃値に上昇させることができると共に、この衝撃値を維持した状態で有効な衝撃吸収ストロークを確保することができるようになる。
【0047】
図8にフィニッシャー部16の衝撃吸収部の第2実施形態を示している。この第2実施形態では、フィニッシャー部16の箱状枠18の内部空間を上下に仕切る水平中間板21により区画される上下の内部空間をそれぞれ3室に区画する2本の垂直中間板22、22を有している。なお、図8において上記第1実施形態と実質的に同じ部材には同一の符号を付している。
【0048】
同図において、箱状枠18の上下の内部空間の一部には、それぞれ2本の垂直中間板22,22が一対の前記取付部材19,19の間であって、垂直板18a寄りに一体に形成されている。上下の垂直中間板22は同一垂直面上に配されている。同垂直中間板22は上記第1実施形態と同様に、前記水平基板18bのスポーク方向幅寸法よりも短い寸法に設定されると共に、前記垂直板18aの肉厚よりも薄い寸法に設定されている。
【0049】
この箱状枠18もまた、上記第1実施形態と同様に、前記垂直板18a及び垂直中間板22が塑性変形するまでに急速に所定の荷重に上昇させ、続いて、前記垂直板18a及び垂直中間板22が塑性変形するとき、衝撃荷重を安定的に維持して、前記スポーク芯金14aに即座に底当たりすることなく所定の変形量を確保することができる。従って、衝撃時に所定の荷重に上昇した荷重を維持しながら、所定の変形量を確保することができるため、有効に衝撃を吸収して、運転者の安全を充分に確保することができる。
【0050】
なお、上記各実施形態では、略四角形状をなす垂直中間板22の三辺を前記箱状枠18の内部に固着して立設させているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば垂直中間板22の上下方向に向かう端部のいずれか一方を前記箱状枠18の内部に離間して設けてもよく、或いは垂直中間板22の表面に上下方向と交差して所望数の溝部を薄肉に形成してもよく、当業者が容易に変更可能な技術的な範囲をも当然に包含するものである。前記垂直中間板22の配置、個数、高さ、幅や肉厚等を適切に設定することにより、衝撃時の初期荷重を所定の衝撃値に上昇させることができると共に、この衝撃値を維持した状態で有効な衝撃吸収ストロークを確保することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な第1実施形態であるフィニッシャー部を備えたステアリングホイールの平面図である。
【図2】図1のII−II線の矢視要部拡大断面図である。
【図3】同ステアリングホイールに適用されるフィニッシャー部を示す正面図である。
【図4】同平面図である。
【図5】同裏面図である。
【図6】同斜視図である。
【図7】同フィニッシャー部の衝撃吸収部の作用説明図である。
【図8】本発明の第2実施形態によるフィニッシャー部構造を示す正面図である。
【図9】従来のフィニッシャー部の構造例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,16 フィニッシャー部
2,17 表面板
2a,17a フランジ部
3,19 取付部材
3a,19a ネジ部
10 ステアリングホイール
11 ボス
11a ボスプレート
12 パッド部
13 リム部
13a リム芯金
14 スポーク部
14a スポーク芯金
14b 取付段部
14c 切欠部
15 下部カバー
18 箱状枠
18a 垂直板
18b 水平基板
20 補強板
21 水平中間板
22 垂直中間板
Claims (3)
- 中央のボスと、同ボスの上部に取り付けられるパッド部と、環状のリム部と、同リム部及び前記ボスを連結するスポーク芯金の一部を被包するスポーク部と、前記パッド部とスポーク部との間に配されたフィニッシャー部とを備え、前記フィニッシャー部が前記パッド部及びスポーク部の少なくとも一方に独立して取り付けられてなるステアリングホイールであって、
前記フィニッシャー部が、表面板と、同表面板の下面に一体に設けられ内部空間を形成する側壁である垂直板を有するとともに前記内部空間を上下に仕切る水平中間板を有する、前記パッド部側に開口する箱状枠を含む衝撃吸収部を備えてなることを特徴とするステアリングホイール。 - 前記箱状枠の前記水平中間板により区画される上下空間の少なくとも一部が、更に左右方向に仕切られる垂直中間板を有してなることを特徴とする請求項1記載のステアリングホイール。
- 前記パッド部にエアバッグモジュールが内蔵されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のステアリングホイール。
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