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JP3895950B2 - 合わせガラス用中間膜 - Google Patents
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JP3895950B2 - 合わせガラス用中間膜 - Google Patents

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  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細な凹部と凸部とからなるエンボスが形成された合わせガラス用中間膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス板の間に、可塑化ポリビニルブチラール樹脂のような熱可塑性樹脂を製膜してなる合わせガラス用中間膜を介在させ、接着させて一体化した合わせガラスは、自動車、航空機、建築物等の窓ガラスとして広く使用されている。
【0003】
この種の合わせガラスは、通常、少なくとも2枚のガラス板の間に中間膜を挟み、これをニップロールに通して扱くか又はゴムバックに入れて減圧吸引し、ガラス板と中間膜との間に残留する空気を脱気しながら予備圧着し、次いで、例えばオートクレーブ内で加熱加圧して本圧着を行うことにより製造される。
【0004】
上記中間膜には、透明性、接着性、耐貫通性、耐候性等の基本性能が良好であることの他に、保管中に中間膜同士がブロッキングしないこと、ガラス板の間に中間膜を挟む際の取扱い作業性が良好であること、更に空気の巻き込みによる気泡の発生をなくすために、予備圧着工程での脱気性が良好であること等が要求される。
【0005】
上記のような要求を満たすために、通常、中間膜の両面には微細な凹部と凸部とからなる多数のエンボスが形成されている。凹部と凸部の形態としては、例えば、多数の凸部とこれらの凸部に対する多数の凹部とからなる各種の凹凸模様や、多数の凸条とこれらの凸条に対する多数の凹溝とからなる各種の凹凸模様、粗さ、配置、大きさ等の種々の形状因子に関し多様な値を有するエンボス形状が開示されている。しかし、中間膜の両面に規則的なエンボスが形成されると、互いの回折面の干渉により、一般的にモアレ現象と呼称される縞状の回折像が出現する。
【0006】
上記モアレ現象は、外観の面から好ましくないばかりか、中間膜の裁断時や合わせ加工の作業時に、キラキラと目につく干渉縞の変化等により、作業者の目を疲れさせたり、乗物酔いのような症状を生じさせ、その結果、作業性の低下をもたらすという問題点がある。又、規則的に配置されたエンボスが片面のみに付与された中間膜の場合であっても、それを複数枚重ね合わせて作業する際には、やはりモアレ現象は出現し、同様に作業性の低下を来すという問題点がある。
【0007】
このため、例えば、特表平9−508078号公報等には、凹凸形状において溝形状を規則的に配置し、そのパターンを各面で交差角度25度以上に、より好ましくは交差角度90度にすることによってモアレ現象を解消する中間膜が開示されている。
【0008】
上述の方法において、モアレ現象を解消するために交差角度90度の刻線を付与した形状は、刻線角度45度のロールを用いて熱転写されることが公知である。しかし、ロールの刻線角度が大きくなるほど転写が容易でなくなる。一般には、転写流れに対して平行な縦刻線形状が最も容易に形成することができ、横刻線形状は転写の際に温度制御と高い圧力とを必要とする。
【0009】
又、上述の方法では、予備圧着工程における脱気開始時の温度を厳密に制御しないと、合わせガラス構成体(例えば、ガラス/中間膜/ガラス)の周縁部が先にシールされる周縁部シール先行現象が発生し、構成体内部の脱気が更に不充分になるという問題点がある。
【0010】
上記周縁部シール先行現象の発生を防止する手段として、溝形状の凹凸形状の大きさにより、脱気を開始するときの温度を管理し、脱気開始時の構成体圧着時にシール先行現象を防止したり、又、エンボスの粗さを大きくする方法もあるが、この場合、構成体の周縁部のシールを確実に行うためには予備圧着工程における予備圧着温度を大幅に高める必要が生じるという問題点がある。又、中間膜両面の刻線形状を成形性の観点から平行にすると、膜取扱い性、特に自着力においてその自着性が高くなるという問題点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、凹凸形状が表面に付与された中間膜において、予備圧着工程時に脱気開始温度の制御を厳密に行わなくとも周縁部シール先行現象が発生することがなく、優れた脱気性を発揮し、又、構成体の周縁部シールのために加熱温度を上げる必要がなく、更に、過酷な条件下においても気泡の発生による品質不良を殆ど生じることがない高品質の合わせガラスを得ることができる合わせガラス用中間膜を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、熱可塑性樹脂シートの両面に主凹部及び主凸部からなる多数のエンボスが形成された合わせガラス用中間膜であって、上記主凹部は、溝形状を有し、上記主凸部は、頭頂に上記主凹部及び主凸部より微細な副凹部及び副凸部が形成された平面部を有し、上記主凹部の溝深さ(Rzg)が10〜30μmであり、かつ主凸部頭頂の平面部に形成された副凹凸部の形状が0<Rvk/Rz≦0.35の関係を満たす合わせガラス用中間膜である。
以下に、本発明を詳述する。
【0013】
本発明の合わせガラス用中間膜は、熱可塑性樹脂シートの両面に主凹部及び主凸部からなる多数のエンボスが形成されている。
【0014】
上記熱可塑性樹脂シートとしては特に限定されず、例えば、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂シート、ポリウレタン系樹脂シート、エチレン−酢酸ビニル系樹脂シート、エチレン−エチルアクリレート系樹脂シート、可塑化塩化ビニル系樹脂シート等の従来から中間膜用として用いられている熱可塑性樹脂シートが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂シートは、接着性、耐候性、耐貫通性、透明性等の中間膜として必要な基本性能に優れており好適に用いられるが、なかでも可塑化ポリビニルブチラール樹脂シートに代表される可塑化ポリビニルアセタール系樹脂シートがより好適に用いられる。
【0015】
上記熱可塑性樹脂シートの膜厚は、合わせガラスとして必要な耐貫通性等を考慮して設定されれば良く、特に限定されるものではないが、従来の中間膜と同様に、0.2〜2mm程度であることが好ましい。
【0016】
本発明の合わせガラス用中間膜においては、熱可塑性樹脂シートの両面に主凹部及び主凸部からなる多数のエンボスが形成され、上記主凹部は、溝形状を有し、上記主凸部は、頭頂に主凹部及び主凸部より微細な副凹部及び副凸部が形成された平面部を有する。
【0017】
本発明の合わせガラス用中間膜における上記主凹部は溝形状を有し、上記主凹部の底辺は連続している。ガラス/中間膜/ガラス等の組み合わせからなる合わせガラス構成体(積層体)を予備圧着工程において脱気する際の空気の抜け易さは、主凹部の底辺の連続性及び平滑性と密接な関係があり、主凸部の間隔や配置には殆ど影響を受けない。従って、中間膜の主凹部の底辺を連続したものとすることにより、予備圧着工程における脱気性を効果的に向上させることが可能となる。
【0018】
一方、上記のエンボス形状において、予備圧着時のエンボスの潰れ易さ(潰れ性)には、エンボスの体積が大きく影響する。上記エンボスの体積は、主凸部の間隔や配置、主凸部頭頂の平面部の面積、及び、主凹部の溝深さによって決定される。
【0019】
即ち、エンボスを構成する主凸部の頭頂の平面部の面積が広いほどエンボスの体積は大きくなる。本発明の合わせガラス用中間膜は、溝形状を有している主凹部に対する主凸部の頭頂が平面形状を有しているので、換言すれば、主凸部の延長方向に対し直交する断面が台形状を有しているので、主凸部頭頂の平面部の面積は大きくなり、それに伴いエンボスの体積も大きくなり、予備圧着工程におけるガラス構成体の周縁部シール先行現象の発生を効果的に抑えることができる。従って、予備圧着工程において合わせガラス構成体の中央部近傍に存在する空気も効果的に脱気され得る。又、エンボスの体積を大きくすることにより、エンボスの平均表面粗さを相対的に小さくすることができる。予備圧着工程における周縁部シールに必要な温度では、合わせガラス用中間膜は充分に流動状態となり、エンボスの表面粗さがある一定の範囲にあれば、通常の温度で充分に周縁部シールを行うことが可能となる。
【0020】
本発明の合わせガラス用中間膜は、エンボスを構成する主凹部の溝深さ(Rzg)が10〜30μmであり、好ましくは15〜25μmである。主凹部の溝深さ(Rzg)が10μm未満であると、エンボスの体積が小さくなって、予備圧着工程におけるガラス構成体の周縁部シール先行現象が発生し、逆に主凹部の溝深さ(Rzg)が30μmを超えると、エンボスの体積が必要以上に大きくなり過ぎて、予備圧着工程においてガラス構成体の周縁部シールを行うために、より高い温度が必要となる。主凹部の溝深さ(Rzg)を10〜30μmとすることにより、エンボスの体積は適正な大きさとなり、ガラス構成体の周縁部シール先行現象を発生することなく、比較的低い予備圧着温度でガラス構成体の周縁部をシールすることができる。
【0021】
上記主凹部の溝深さ(Rzg)は、汎用の表面粗さ計を用いて測定されるデジタル信号をデータ処理することによって容易に得ることができるが、本発明においては、JIS B−0601「表面粗さ−定義及び表示」に規定される、粗さ曲線の平均線(粗さ曲線までの偏差の2乗和が最小になるように設定した線)を基準とする溝深さを算出し、測定した溝数の溝深さの平均値を主凹部の溝深さ(Rzg)とした。
【0022】
又、本発明の合わせガラス用中間膜では、主凸部頭頂の平面部には、主凹部及び主凸部より微細な副凹部及び副凸部が形成されている。主凸部の頭頂を平面形状にすることにより、中間膜の自着性が高くなることがあるが、平面部に主凹部及び主凸部より微細な副凹部及び副凸部が形成されていることにより、得られる中間膜の自着性を抑えることができ、膜取扱い性が良好となる。
【0023】
図1は、後述する実施例1及び実施例2で得られた中間膜のエンボスの模様(凹凸部の模様)を示す模式図であるが、図1において、aは主凸部の配置間隔(ピッチ)を表し、bは主凸部頭頂の平面部の幅を表す。
【0024】
本発明の合わせガラス用中間膜においては、主凸部の配置間隔{ピッチ(a)}に対する主凸部頭頂の平面部の幅(b)の比率(b/a)が20%以上であることが好ましい。
【0025】
上記b/aが20%未満であると、エンボスの体積向上効果及びそれに伴う周縁部シール先行現象の発生防止効果が充分に得られないことがある。上記b/aが100%になると実質的に主凹部がなくなるため、b/aは100%未満であることが好ましく、より好ましくは90%以下である。又、主凸部頭頂の平面部の幅(b)は、中間膜全域にわたって一定の幅であっても良いし、部分的に異なる幅、即ち、ランダムな幅であっても良い。
【0026】
又、本発明の合わせガラス用中間膜においては、その一方の面の主凹凸形状の間隔に対して他方の面の主凹凸形状の間隔が同一でないことが好ましい。上記両方の面の主凹凸形状の間隔が同一であると、モアレ現象が生じ易くなる。
【0027】
本発明の合わせガラス用中間膜においては、上記主凸部頭頂の平面部の平均表面粗さ(Ra)が2.5μm以上であることが好ましく、より好ましくは、上記Raが3.0μm以上である。上記Raが2.5μm以上であれば、中間膜同士を合わせて常法により保管しても、中間膜同士の接触面積を小さくすることができるので、自着性が問題のないレベルとなる。
【0028】
しかし、単に平面部の面積及び表面粗さを大きくすると、平面部に形成された副凹凸形状内の副凹部に空気溜まりを造ることになり、予備脱気時に微量な空気が残存し、その微量な残存空気により透過率の低下即ち透明性の低下が起こり得る。中間膜は充分な空気の溶解能力を有するので、透過率の低下自体は大きな問題にはならないが、予備圧着工程の管理という面からは透明性は高いほど好ましい。予備圧着時の透明性を充分に確保するためには、主凸部頭頂の平面部に無用な副凹部を設けないことが好ましい。
【0029】
本発明の合わせガラス用中間膜においては、主凹部の平均表面粗さ(Ra:B)と主凸部の平均表面粗さ(Ra:A)との関係がB/A=0.5〜2.0を満たすことが好ましい。尚、上記Ra:A及びRa:Bは、JIS B−0601に規定される、粗さ曲線の平均線を基準とする表面粗さであり、例えば、デジタル型触針電気式表面粗さ計(例えば、商品名「Perthometer S3P」、Feinpuf Perthen GMBH社製)や、デジタル型触針電気式表面粗さ測定器(例えば、商品名「SE−2000」、小坂研究所社製)等を用いて測定することができる。本発明においては、上記デジタル型触針電気式表面粗さ計「Perthometer S3P」を用いて、Ra:Aの場合は、触針の先端幅200μm、対面角90°の条件で、又、Ra:Bの場合は、触針の先端幅5μm、対面角90°の条件で、触針を先端幅に対して直交する方向に移動させて測定した。
【0030】
上記B/Aが0.5未満であると、予備圧着時に脱気開始温度の制御を厳密に行う必要が生じることがあり、換言すれば、予備圧着時にシール条件を緩和することが困難となることがあり、逆に上記B/Aが2.0を超えると、予備圧着時の脱気性が不充分となることがある。
【0031】
本発明の合わせガラス用中間膜においては、主凸部頭頂の平面部に形成された副凹凸部の形状が0<Rvk/Rz≦0.35の関係を満たすことが好ましい。ここで、Rvkは副凹凸部の中心領域から落ち込んでいる谷部分の平均粗さを意味し、Rzは副凹凸部の平均深さを意味する。
【0032】
上記Rvk/Rzが0.35を超えると、予備圧着工程で予備圧着した後の合わせガラス積層体の透明性が低下する現象が発生し易くなる。
【0033】
本発明において、合わせガラス用中間膜の両面に上記のような多数のエンボスを形成する方法としては特に限定されず、例えば、エンボスロール法、カレンダーロール法、異形押出法等が挙げられ、なかでも定量的に一定の微細な凹部及び凸部からなるエンボスを形成することができるエンボスロール法が好ましい。
【0034】
上記エンボスロール法で用いられるエンボスロールとしては特に限定されず、、例えば、金属ロール表面に酸化アルミニウムや酸化珪素等の研削材を用いてブラスト処理を行い、次いで表面の過大ピークを減少させるためにバーチカル研削等を用いてラッピングを行うことにより、ロール表面に微細なエンボス模様(凹凸模様)を形成したもの、彫刻ミル(マザーミル)を用い、この彫刻ミルの凹凸模様を金属ロール表面に転写することにより、ロール表面に微細な凹凸模様を形成したもの、エッチング(蝕刻)によりロール表面に微細な凹凸模様を形成したもの等が挙げられる。
【0035】
本発明の合わせガラス用中間膜における上記エンボス模様(主凹凸部の模様)としては特に限定されず、例えば、刻線状、格子状、放射状、半球状等が挙げられる。
【0036】
上記主凹部及び主凸部の配置(分布)としては特に限定されず、規則的に分布していても良いし、不規則的に分布していても良いが、規則的に分布していることが好ましい。
【0037】
上記主凸部の高さは、全て同じであっても良いし、異なっていても良い。又、主凸部に対する主凹部の溝深さ(Rzg)も10〜30μmの範囲のなかで、全て同じであっても良いし、異なっていても良い。
【0038】
上記主凸部の本来の形状(頭頂に平面部が設けられる前の形状)としては特に限定されず、例えば、三角錐、四角錐、円錐などの錐体、截頭三角錐、截頭四角錐、截頭円錐などの截頭錐体、頭部が山型や半球状となった擬錐体等が挙げられる。又、上記主凹部の形状としては、主凸部に対応した形状等が挙げられる。
【0039】
上記主凸部の寸法としては特に限定されず、主凸部の配置間隔(ピッチ)は10〜2000μmであることが好ましく、より好ましくは50〜1000μmである。又、主凸部の底辺の長さは30〜1000μmであることが好ましい。
【0040】
本発明の合わせガラス用中間膜の製造に際し、主凸部頭頂の平面部に副凹凸部を形成する温度より低い温度で主凹凸部を形成することが好ましい。
【0041】
本発明の合わせガラス用中間膜を得るために、熱可塑性樹脂シートの両面に主凹凸部を形成する方法としては特に限定されず、例えば、主凹凸部に対応する刻線を有するエンボスロールを用いて、予め副凹凸部が形成されている熱可塑性樹脂シートに転写すれば良いが、主凹凸部の転写条件(温度や圧力)が高すぎると、副凹凸部が主凹凸部の転写時に消滅することがある。しかし、主凹凸部の形成温度(転写温度)を副凹凸部の形成温度(転写温度)より低くすることにより、主凹凸部の形成(転写)後でも主凸部頭頂の平面部に主凹凸部より微細な副凹凸部を残存させることができる。
【0042】
本発明の合わせガラス用中間膜は、合わせガラスに好適に用いられる。上記合わせガラスの構成としては、本発明の合わせガラス用中間膜が少なくとも一対のガラス板の間に挟まれていれば特に限定されず、ガラス板/中間膜/ガラス板からなる通常の三層構造のみならず、ガラス板/中間膜/ガラス板/中間膜/ガラス板等よりなる多層構造でも良い。
【0043】
合わせガラスに用いられるガラス板としては特に限定されず、例えば、通常の無機ガラス板や、ポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレート板等の有機ガラス板等が挙げられる。
【0044】
本発明の合わせガラス用中間膜を用いて合わせガラスを製造する方法としては特に限定されず、通常の合わせガラスの製造方法の場合と同様に、少なくとも一対のガラス板間に中間膜を挟み、まず予備圧着を行って脱気及び仮接着をした後、例えばオートクレーブ内で本圧着を行うことにより、所望の合わせガラスを得ることができる。
【0045】
例えば、合わせガラス用中間膜として、可塑化ポリビニルブチラール樹脂シートからなる中間膜を用いて合わせガラスを製造する場合は、具体的には、次のように予備圧着と本圧着とを行えば良い。
【0046】
予備圧着は、2枚の透明な無機ガラス板の間に本発明の合わせガラス用中間膜を挟み、この積層体をニップロールに通し、例えば、圧力約196〜980kPa、温度約50〜100℃の条件で扱いて脱気しながら予備圧着する方法(扱き脱気法)、又は、上記積層体をゴムバッグに入れ、ゴムバッグを排気系に接続して約−53〜−100kPaの減圧度(絶対圧力48〜1kPa)となるように吸引減圧しながら温度を上げ、温度約60〜100℃で予備圧着する方法(減圧脱気法)等により行われる。
【0047】
次いで、予備圧着された積層体は、常法によりオートクレーブを用いるか、又は、プレスを用いて、例えば、温度約120〜150℃、圧力約196〜1470kPaの条件で本圧着され、合わせガラスが製造される。
【0048】
【作用】
本発明の合わせガラス用中間膜は、上述のような構成からなるので、予備圧着工程において優れた脱気性を発揮する。又、予備圧着工程における合わせガラス構成体の周縁部シール先行現象の発生は効果的に抑制される。従って、合わせガラス構成体の中央部近傍に存在する空気も効果的に脱気される。
【0049】
【発明の実施の形態】
本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0050】
(実施例1〜実施例3)並びに(比較例1及び比較例2)
(1)合わせガラス用中間膜の作製
種々のエンボス形状が付与できるように、種々のエンボスロールを用意した。熱可塑性樹脂シートとして、主凸部頭頂に種々の形状の副凹凸部が形成された平面部を有するRZN膜(可塑化ポリビニルブチラール樹脂シート、積水化学工業社製)を用意した。エンボスロールとゴムロールとからなる一対のロールを凹凸形状転写装置として用い、上記RZN膜をこの凹凸形状転写装置に下記転写条件で通し、両面にエンボス形状を有する合わせガラス用中間膜を作製した。
〔転写条件〕
RZN膜の温度:常温、RZN膜の副凹凸部の転写温度:130℃、エンボスロール温度:130℃、線速:10m/分、プレス線圧:500kPa
【0051】
実施例1〜実施例3、並びに、比較例1及び比較例2で得られた合わせガラス用中間膜のエンボスの形状(凹凸部の形状)を表1に示した。又、図1に、実施例1及び実施例2で得られた合わせガラス用中間膜のエンボスの模様(凹凸部の模様)を模式的に示し、図2に、実施例3で得られた合わせガラス用中間膜のエンボスの模様(凹凸部の模様)を模式的に示した。
【0052】
実施例1〜実施例3、並びに、比較例1及び比較例2で得られた合わせガラス用中間膜について、下記の方法でRz及びRvkを測定した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0053】
〔Rz及びRvkの測定方法〕
前記デジタル型触針電気式表面粗さ計「Perthometer S3P」及び上記表面粗さ計仕様の表面形状解析装置(商品名「SAS−2010」、名伸工機社製)を用い、JIS B−0601に準拠して、触針の先端幅200μm、対面角90°の条件でRz及びRvkを測定した。
【0054】
(2)合わせガラスの作製
実施例1〜実施例3、並びに、比較例1及び比較例2で得られた合わせガラス用中間膜を使用して、以下に示すように、減圧脱気法により予備圧着を行い、次いで本圧着を行って、合わせガラスを作製した。
【0055】
〔減圧脱気法〕
合わせガラス用中間膜を2枚の透明なフロートガラス板(縦30cm×横30cm×厚さ30cm)の間に挟み、はみ出た部分を切取り、合わせガラス積層体を作製した。得られた合わせガラス積層体をゴムバッグに移した。ゴムバッグを吸引減圧系に接続し、外気加熱温度で加熱すると同時に−60kPa(絶対圧力41kPa)の減圧下で10分間保持し、合わせガラス積層体の温度(予備圧着温度)が70℃となるように加熱した後、大気圧に戻して、予備圧着を終了した合わせガラス積層体を作製した。尚、予備圧着時の脱気開始温度は、40℃、50℃及び60℃の3条件で行った。
【0056】
〔本圧着〕
上記方法で予備圧着された合わせガラス積層体をオートクレーブ内に入れ、温度140℃、圧力1300kPaの条件下で10分間保持した後、50℃まで温度を下げ、大気圧に戻すことにより本圧着を終了して、合わせガラスを作製した。
【0057】
(3)評価
上記で得られた合わせガラスについてベークテストを下記の方法で行って、予備圧着工程での脱気性を評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0058】
〔合わせガラスのベークテスト〕
合わせガラスを140℃のオーブン内で2時間加熱した。次いで、オーブンから取り出して3時間放冷した後、合わせガラスの外観を目視で観察し、合わせガラスに発泡(気泡)が生じた枚数を調べて、脱気性を評価した。尚、テスト枚数は、各100枚とした。
【0059】
【表1】
Figure 0003895950
【0060】
表1から明らかなように、実施例1〜実施例3の合わせガラス用中間膜を用いて作製した実施例1〜実施例3の合わせガラスは、いずれも減圧脱気法による予備圧着時の脱気開始温度が40℃、50℃及び60℃のいずれの場合でもベークテスト時の気泡による発泡枚数(不良枚数)が極めて少なかった。これは、予備圧着工程において、脱気開始温度を厳密に制御しなくても、又、予備圧着温度を特に高めることなく通常の予備圧着温度(70℃)でも、優れた脱気性を発揮したことを示している。
【0061】
これに対し、主凹部の溝深さ(Rzg)が10μm未満(9.5μm)であった比較例1の合わせガラス用中間膜を用いて作製した比較例1の合わせガラス及び主凹部の溝深さ(Rzg)が30μmを超えていた(31.6μm)比較例2の合わせガラス用中間膜を用いて作製した比較例2の合わせガラスは、実施例11〜実施例3の合わせガラスに比較して、いずれもベークテスト時の気泡による発泡枚数(不良枚数)が多かった。これは、予備圧着工程において、合わせガラス積層体の周縁部シール先行現象が発生し、合わせガラス積層体の中央部近傍に存在する空気が充分に脱気され難かったことを示している。
【0062】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の合わせガラス用中間膜は、予備圧着工程において脱気開始温度を厳密に制御する必要がないにもかかわらず、周縁部シール先行現象を発生することがなく、優れた脱気性を発揮する。従って、合わせガラス作製時の作業性に優れると共に、過酷な条件下においても気泡の発生による品質不良を殆ど生じない高品質の合わせガラスを得ることができる。
【0063】
又、上記本発明の合わせガラス用中間膜を用いて作製された合わせガラスは、過酷な条件下においても気泡の発生による品質不良を殆ど生じない高品質のものであり、自動車、車輌、航空機、建築物等の窓ガラス用として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び実施例2で得られた合わせガラス用中間膜のエンボスの模様(凹凸部の模様)を示す模式図である。
【図2】実施例3で得られた合わせガラス用中間膜のエンボスの模様(凹凸部の模様)を示す模式図である。
【符号の説明】
a 主凸部の配置間隔(ピッチ)
b 主凸部頭頂の平面部の幅
c 主凹部の幅

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂シートの両面に主凹部及び主凸部からなる多数のエンボスが形成された合わせガラス用中間膜であって、上記主凹部は、溝形状を有し、上記主凸部は、頭頂に上記主凹部及び主凸部より微細な副凹部及び副凸部が形成された平面部を有し、上記主凹部の溝深さ(Rzg)が10〜30μmであり、かつ主凸部頭頂の平面部に形成された副凹凸部の形状が0<Rvk/Rz≦0.35の関係を満たすことを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  2. 主凸部の配置間隔(ピッチ)に対する主凸部頭頂の平面部の幅の比率が20%以上であることを特徴とする請求項1に記載の合わせガラス用中間膜。
  3. 上記合わせガラス用中間膜の製造に際し、主凸部頭頂の平面部に副凹凸部を形成する温度より低い温度で主凹凸部を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の合わせガラス用中間膜。
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