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JP3898064B2 - 既存トンネルの断面拡幅工法と断面拡幅装置 - Google Patents
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JP3898064B2 - 既存トンネルの断面拡幅工法と断面拡幅装置 - Google Patents

既存トンネルの断面拡幅工法と断面拡幅装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既存トンネルの断面拡幅工法と断面拡幅装置に関し、特に、既存トンネルの断面拡幅を活線工事として安全かつ容易に施工できる既存トンネルの断面拡幅工法と断面拡幅装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、老朽化した既存のトンネルを改築するか交通量の増大に伴って高規格化させるべく既存トンネルの断面拡幅工事が行われており、この際の工事は、従来の交通量を制限することなく工事を並行に実施して完成させるように求められることが多くなっている。
【0003】
この種の断面拡幅工事では、既存トンネルの覆工を破砕し、さらに覆工の周辺地盤を新トンネルの断面まで掘削するものであるが、振動が規制されている市街地や近接構造物、重要構造物に近接している場合や寒冷地においては工期に制約のある場合が多く、作業空間は一般的に規制された狭い空間に限定されることになり、取扱の容易な機械掘削を採用することが常道である。
【0004】
しかるに、機械掘削は、規制された狭い空間故に大型施工機械の搬入の困難さと輻輳問題、作業の安全性の問題及びコストと施工速度の確保が困難である問題等から、爆薬工法の採用も要望される傾向になっていた。
【0005】
しかして、爆薬工法の場合には、爆破時に飛散する飛石から通行体や施工機械を防護すると同時に発生粉塵、発生ガスを作業空間から確実に除去する必要があるという、新規の問題も包含している。
【0006】
図7は、以上の要望を満たした従来の爆薬工法の例である。本例では、旧トンネルの断面を拡幅して新トンネルの掘削を行うために、爆薬防護構造31が設けられており、既設の旧トンネル32とすでに拡幅された新トンネル33との境となる断面拡幅部34での一般的な爆薬によって、覆工コンクリート35とその周囲の地山36を部分的に破砕している。
【0007】
工事対象のトンネル32、33は、活線工事が行われているためにトンネル内を通過する車両の通過断面を確保しながら、トンネル縦断方向に、断面拡幅部34を挟んで旧トンネル32側と新トンネル33側の所定範囲にわたり、プロテクター41が設置されている。
【0008】
プロテクター41の断面形状は、図8のように通過車両の建築限界を確保した門型形状からなり、トンネル縦断方向に所定間隔をあけて門型フレーム42が立設されて、各門型フレーム42の外面を覆うように鋼板製の面板43が貼り付けられており、プロテクター41全体剛性が保持されている。
【0009】
又、トンネルの縦断方向には、所定距離だけ離れた前後位置にそれぞれ前力防護隔壁47と後方防護隔壁48とを設けており、爆薬の影響をこれらの防護隔壁47、48で区画された範囲外に及ばないように、防護隔壁47は、異なった構成の可動部をそれぞれ備えている。そして、プロテクター41がトンネル方向に移動する時には、その隔壁の1部が変形あるいは折り畳まれて縮小し、覆工との間所定の隙間が設けられ、断面拡幅部34で爆薬作業が行われる際には、その外周縁をトンネル覆工表面に密着させて、区画された空間に爆薬包囲部45を画成している。
【0010】
前方防護隔壁47は、図9に見られるように、2枚の隔壁板50、60から構成されており、トンネル縦断方向に所定間隔をあけてプロテクター41の長手方向の軸線に対して、直角なトンネルの断面方向に壁面を構成するように図7プロテクター41の面板43に取り付けられている。隔壁板50、60は、門型形状のプロテクター41とトンネル上半ア一チから側壁にかけてのトンネル覆工形状に倣った断面形状からなり、常持には覆工コンクリート35の表面との間に所定量の隙間が確保された寸法形状になっている。そして、隔壁板50、60の外周縁には、この隙間を閉鎖するように可動縁部が組み込まれている。
【0011】
エアチユーブ収容部52は、トンネル上半ア一チの中心点から放射状に配設された複数本の支持フレーム51の先端を結ぶように、溝形鋼の溝側を外方に向けてが取り付けられて、トンネル上半アーチ及ぴ鉛直側壁部を一体化した略馬蹄形状をなしており、エアチューブ収容部52内には、合成ゴム製のエアチューブ53が収容されている。そして、エアチューブ53の断面は、外部の圧源ポンプから圧縮エアが供給きれると、側部への膨張変形が抑えられた長円あるいは楕円の断面形状に膨張変形するので、隔壁板50、60は、これに追従してスライドしながらトンネル覆工コンクリート側にせり出してトンネル覆工コンクリート35の表面に密着させることになる。
【0012】
従って、上記の爆薬防護構造は、取扱の容易な機械掘削との互換性が無く爆薬工法の専用であり、複数の防護隔壁は、製造面で嵩高のコストを必要し、施工時にもプロテクターの移動や施工機械の盛り替えのために防護隔壁の操作等から施工効率の向上を望めないという問題点を抱えていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の現状に鑑みて提案するものであり、機械掘削、爆薬工法のいずれにおいても適宜に対応できるように、爆薬工法とプロテクター及び防護構造についてその関連機構を改良することによって、既存トンネルの断面拡幅を活線工事として安全かつ容易に施工できる既存トンネルの断面拡幅工法と断面拡幅装置を提供している。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明である既存トンネルの断面拡幅工法は、既存トンネルの内空断面に倣わせると共に通行体が通れる形状に構成して後端部に防爆隔壁を設置したプロテクターを形成し、プロテクターの前端部を既存トンネルの内空断面に挿入させて配置し、しかる後にプロテクターの外周面に沿って移動可能に構成される削岩施工台車と支保工施工台車とを、プロテクターの外周面に可倒式に設置した防爆隔壁を倒すことで当該防爆隔壁の内外に適宜に移動させて既存トンネルの断面を拡幅施工しており、既存トンネルの断面拡幅を活線工事として安全かつ容易に施工している。
【0015】
請求項2に記載の発明である既存トンネルの断面拡幅工法は、請求項1に記載の既存トンネルの断面拡幅工法において、削岩施工台車が、拡幅予定切羽の外周に溝を穿孔すると共に該溝の内側切羽を機械掘削させることを特徴としており、上記機能に加えて、拡幅を低コストで施工している。
【0016】
請求項3に記載の発明である既存トンネルの断面拡幅工法は、請求項1に記載の既存トンネルの断面拡幅工法において、削岩施工台車が、拡幅予定切羽の外周に溝を穿孔すると共に該溝の内側切羽に爆薬挿入孔を穿孔して爆薬を装薬し、しかる後に防爆隔壁の外側に移動して、防爆隔壁の閉鎖後に爆薬を炸裂させることを特徴としており、上記機能に加えて、爆薬工法にによる拡幅を低コストで施工している。
【0017】
請求項4に記載の発明である既存トンネルの断面拡幅装置は、上記断面拡幅工法に用いる断面拡幅装置であって、既存トンネルの内空断面に倣わせると共に通行体が通れる形状に構成したプロテクター、プロテクターの外周面に沿って移動可能に構成される削岩施工台車、削岩施工台車に継続させて、該削岩施工台車と同様に該プロテクターの外周面に沿って移動可能に構成される支保工施工台車及びプロテクターの外周面に可倒式に設置され、拡幅されたトンネルの内周面とプロテクターの外周面との間を閉鎖する防爆隔壁から構成しており、プロテクター及び防爆隔壁を簡素に構成してコストの低減を図っている。
【0018】
請求項5に記載の発明である既存トンネルの断面拡幅装置は、上記断面拡幅装置において、削岩施工台車の外周面に、スロット削孔機及び削孔機を移動可能に搭載し、支保工施工台車の外周面に、ロックボルト用穿孔機及び吹付け機を移動可能に搭載して構成することを特徴としており、上記機能に加えて、機械掘削、爆薬工法のいずれにおいても適宜に対応できる。
【0019】
請求項6に記載の発明である既存トンネルの断面拡幅装置は、上記断面拡幅装置において、防爆隔壁が、切羽爆薬用の防爆型に構成されることを特徴としており、上記機能に加えて、爆薬工法に廉価に対処している。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明による既存トンネルの断面拡幅工法は、基本的に、既存トンネルの内空断面に倣わせると共に通行体が通れる形状に構成して後端部に防爆隔壁を設置したプロテクターを形成し、プロテクターの前端部を既存トンネルの内空断面に挿入させて配置し、しかる後にプロテクターの外周面に沿って移動可能に構成される削岩施工台車と支保工施工台車とを、該プロテクターの外周面に可倒式に設置した防爆隔壁を倒すことで当該防爆隔壁の内 外に適宜に移動させて既存トンネルの断面を拡幅施工しており、具体的には、削岩施工台車が、拡幅予定切羽の外周に溝を穿孔すると共に該溝の内側切羽に爆薬挿入孔を穿孔して爆薬を装薬し、しかる後に防爆隔壁の外側に移動して、防爆隔壁の閉鎖後に爆薬を炸裂させることを特徴としている。
【0021】
又、本発明による既存トンネルの断面拡幅装置は、既存トンネルの内空断面に倣わせると共に通行体が通れる形状に構成したプロテクター、プロテクターの外周面に沿って移動可能に構成される削岩施工台車、削岩施工台車に継続させて、該削岩施工台車と同様に該プロテクターの外周面に沿って移動可能に構成される支保工施工台車及びプロテクターの外周面に可倒式に設置され、拡幅されたトンネルの内周面とプロテクターの外周面との間を閉鎖する防爆隔壁から構成しており、プロテクター及び防護隔壁を簡素に構成してコストの低減を図っている。
【0022】
以下に、本発明による既存トンネルの断面拡幅工法と断面拡幅装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1は、本実施の形態における既存トンネルの断面拡幅工法と断面拡幅装置の平面図(a)と縦断面図(b)であり、プロテクター、削岩施工台車、支保工施工台車及び防護隔壁等の配置状態を示している。
【0024】
図において、10は、既存トンネル、11は、拡幅された後のトンネルであり、既存トンネルの断面拡幅装置1は、プロテクター2、削岩施工台車3、支保工施工台車4及び防護隔壁5から構成されている。
【0025】
本実施の形態でのプロテクター2は、既存トンネル10の内空断面12に倣わせると共に通行体6が通れる形状に構成されており、既存トンネルの断面拡幅が活線状態のままで作業できるように形成されている。又、プロテクター2は、移動し易いように複数に分割されているが、先端部に位置するプロテクター2は、既存トンネル10の内空断面12に所定の長さに亘って挿入されており、後端部に位置するプロテクター2には、防護隔壁5の防爆隔壁22がその外周面に設置されている。
【0026】
しかして、プロテクター2の先端部は、プロテクター2と既存トンネル10の内空断面12とに所望の間隙を形成しながら所定の長さに挿入されると共に、プロテクター2の後端部では、防爆隔壁22が拡幅されたトンネルの内周面13とプロテクターの外周面との間を閉鎖していることで、切羽の掘削や爆薬の爆破時において、爆風を通しながらも飛散する飛石は、プロテクター2の閉鎖範囲内に阻止されることになり、プロテクター2の先端部や後端部から落下して通行体6に障害を与えることがない。
【0027】
尚、図1における7は、掘削ズリをクラッシャーに投入するバックホウ、8は、自走式のクラッシャーであり、連続ベルコン9に粉砕された掘削ズリを移送して坑外に搬出している。
【0028】
削岩施工台車3と支保工施工台車4とは、図2の各横断面図(a)、(b)に示されており、図2(a)の横断面図は、図1の(a)−(a)矢視図、図2(b)の横断面図は、図1の(b)−(b)矢視図である。
【0029】
本実施の形態における削岩施工台車3と支保工施工台車4には、台車の上をアーチ状に移動する自由度を持ったアームが必要個数だけ装備されており、掘削機械や設備等を適宜に着脱できるように構成されている。
【0030】
しかして、削岩施工台車3と支保工施工台車4とは、別体に構成することを必須にするものでなく、1台の台車に全ての機械や設備を適宜に装備し直して適用することも可能である。
【0031】
そして、削岩施工台車3は、図2(a)に見られるようにプロテクター2の外周面に沿って別個に移動可能に構成されており、削岩施工台車3の外周面には、スロット削孔機14、削孔機15が移動可能に搭載されている。
【0032】
スロット削孔機14は、既設トンネル10の内空断面12を新規に拡幅するトンネル11のために配備されており、本実施の形態ではその内周面13に相当する拡幅断面切羽外周16に沿った溝を形成している。
【0033】
尚、削岩施工台車3には、この他にも削岩機や自由断面掘削機及びブレーカー、バケット等が、必要に応じて適宜に配置されるものである。
【0034】
支保工施工台車4は、図2(b)に見られるようにプロテクター2の外周面に沿って別個に移動可能に構成されており、削岩施工台車3に継続させてその後方に位置させている。
【0035】
支保工施工台車4の外周面には、ロックボルト用穿孔機17、吹付け機18及びバケット19を移動可能に搭載している。
【0036】
支保工施工台車4は、掘削されて新規に拡幅されたトンネル11の拡幅断面切羽外周16に沿ってその内周面13にコンクリートを吹き付けると共にロックボルトを打設しており、これに次いで拡幅断面坑壁は、プロテクター2の外に出る前に移動式セントルあるいはプレキャスト覆工版による施工で二次覆工されている。
【0037】
尚、支保工施工台車4には、この他にもロックボルト用穿孔機17のロックボルト打設設備やマンケージ等が、必要に応じて適宜に配置されるものであり、拡幅された新規トンネル11には、プロテクター2の後端部に沿って共用車線保護用フェンス20を設けることで、作業の安全性を確保している。
【0038】
さらに、防護隔壁5について説明する。防護隔壁5は、プロテクター2の切羽に近い側に配置される防護シート21と後端部に設けられている防爆隔壁22とから構成されており、その実施の形態は図3、4に示している。
【0039】
図3は、防護シート21の正面図(a)と側断面図(b)であり、本実施の形態では、防護シート21を構成している防護シート用架台23はアーチ状に形成されており、その両側下端には、回転ロール24を備えている。防護シート用架台23には、防護シート群25がプロテクター2の外表面に達するまでカーテン状に垂れ下がっている。
【0040】
以上のように、防護シート21は、プロテクター2や削岩施工台車3、支保工施工台車4と離間しており、別体に移動できるように構成されているので、既存トンネルに対する断面拡幅作業の施工条件に合わせてプロテクター2の最適位置に配置することを可能にして、掘削もしくは爆薬による飛石の飛散を所望の形態で防止している。
【0041】
又、図4は、防爆隔壁22を切羽側に見た正面図(a)と側断面図(b)であり、本実施の形態では、防爆隔壁22は、プロテクター2の後端部に装備されている。
【0042】
防護隔壁5を構成する防爆隔壁22の構成について説明すると、防爆隔壁22は、図4 に示すように、プロテクター2の前後方向前側に配置される壁板群26および後側に配置される壁板群26’の、2列の壁板群26,26’から構成される。後側の壁板群26’の構成について説明すると、この後側の壁板群26’は、複数の壁板がプロテクター2の周方向に沿って順次互いに隣接配置されて構成される。後側の壁板群26’を構成する各壁板は、拡幅されたトンネルの内周面13からプロテクター2の外表面に達する長さ寸法で形成される。また、これら後側の壁板群26’の各壁板は、拡幅されたトンネル内周面13側からプロテクター2の外表面側に向かうに従って次第に幅狭となる台形状に形成され、これによりトンネル内周面13位置において隣接する壁板同士が互いに接し、かつプロテクター2外周面側で隣接する壁板同士の間には隙間が形成される。他方、前側の壁板群26の構成について説明すると、この前側の壁板群26は、後側の壁板群26’と同様に、複数の壁板がプロテクター2の周方向に沿って順次互いに隣接配置されて構成される。前側の壁板群26を構成する各壁板も、拡幅されたトンネルの内周面13からプロテクター2の外表面に達する長さ寸法で形成される。また、これら前側の壁板群26の各壁板は、プロテクター2外周面側から拡幅されたトンネル内周面13側に向かうに従って次第に幅狭となる台形状に形成され、これによりプロテクター2外周面位置において隣接する壁板同士が互いに接し、かつトンネル内周面13側で隣接する壁板同士の間に隙間が形成される。そして特に、前側の壁板群26の各壁板が、後側の壁板群26’の壁板相互の隙間を塞ぐ位置に、言い換えれば、後側の壁板群26’の各壁板が、前側の壁板群26の壁板相互の隙間を塞ぐ位置に、プロテクター2の前後方向に互いに重ね合わせて配置される。このようにして、前側および後側の2列の壁板群26,26’がプロテクター2の前後方向に互いに重ね合わされることにより、プロテクター2外周面と拡幅されたトンネル内周面13との間が閉鎖状態とされる。これら壁板群26,26’の各壁板はそれぞれ、必要に応じて側断面図(b)の閉鎖状態からプロテクター2の外表面側に当該プロテクター2の外表面に重なり合うように倒すことができるように、可倒式に構成されている。
【0043】
防爆隔壁22と削岩施工台車3、支保工施工台車4の関係は、壁板群26、26’がプロテクター2の外表面側に倒されている状態において、削岩施工台車3及び支保工施工台車4がその上を通過してその前後に移動できるものである。
【0044】
これによって、爆薬工法を採用する場合には、新規に拡幅するトンネル11のために、後述するようにその内周面13に相当する拡幅断面16に沿った溝を形成すると共に、溝の内側切羽に爆薬の挿入孔を穿孔して爆薬を装薬した後には、図5に示しているように削岩施工台車3及び支保工施工台車4を防爆隔壁22の外側に退避させることができる。
【0045】
次に、本発明による既存トンネルの断面拡幅工法について説明する。本発明による既存トンネルの断面拡幅工法は、基本的に、既存トンネルの内空断面に倣わせると共に通行体が通れる形状に構成して後端部に防爆隔壁を設置したプロテクターを形成し、プロテクターの前端部を既存トンネルの内空断面に挿入させて配置し、しかる後にプロテクターの外周面に沿って移動可能に構成される削岩施工台車と支保工施工台車とを、該プロテクターの外周面に可倒式に設置した防爆隔壁を倒すことで当該防爆隔壁の内外に適宜に移動させて既存トンネルの断面を拡幅施工しており、具体的には、削岩施工台車が、拡幅予定切羽の外周に溝を穿孔すると共に該溝の内側切羽を機械掘削させたり、拡幅予定切羽の外周に溝を穿孔すると共に該溝の内側切羽に爆薬挿入孔を穿孔して爆薬を装薬し、しかる後に防爆隔壁の外側に移動して、防爆隔壁の閉鎖後に爆薬を炸裂させることを特徴としている。
【0046】
即ち、本発明による既存トンネルの断面拡幅工法における実施の形態では、以下の工程によって施工される。
(1) 既存トンネル10内に、上記プロテクター2の先端部を挿入して配置する。
(2) 削岩施工台車3にスロット削孔機14、削孔機15等を装備し、支保工施工台車4にロックボルト用穿孔機17、吹付け機18及びバケット19その他を装備する。
(3) スロット削孔機14によって、図6(a)に示すように拡幅断面切羽外周16にスロット27を削孔して溝28を形成する。
(4) 機械掘削の場合は溝28を自由空間にしながら削孔機15によって掘削し、爆薬工法の場合には、図6(b)に示すように爆薬挿入孔29を穿孔して装薬し、爆薬時には溝28を自由空間にすることで円滑に掘削して既存トンネル10を拡幅掘削する。
(5) 拡幅されたトンネル11の内周面13に吹付け機18により、吹付けコンクリートを施工する。
(6) ロックボルト用穿孔機17のロックボルト打設設備により、ロックボルトを打設する。
(7) 掘削ズリは、バックホウ7によって自走式クラッシャー8に投入されて粉砕され、連続ベルコン9に移行されて坑外に搬出される。
【0047】
以上のように、本発明による既存トンネルの断面拡幅工法では、拡幅断面切羽外周にスロットを削孔して溝を形成することで切羽に自由空間を形成することを特長にしており、これによって、既存トンネル10の内空断面12にプロテクター2の先端部を近接させて防護隔壁の設置を省略しながら円滑な全断面掘削を可能にすると共に、振動低減が図られて坑壁を痛めることなく余堀も低減できる。
【0048】
さらに、ズリ搬出においても、ダンプ、ズリトロッコ等を用いることがないので連続的なズリ出しが可能であることから、従来の断面拡幅方法に比べて掘削サイクルの短縮を図ることができる。
【0049】
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による既存トンネルの断面拡幅工法と断面拡幅装置は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、掘削機械の種類や設備、防護隔壁の具体的な形状や構造等に関して、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、出願時において既に公知のものを適用することで種々の変更が可能であることは、当然のことである。
【0050】
【発明の効果】
請求項1に記載の既存トンネルの断面拡幅工法は、既存トンネルの内空断面に倣わせると共に通行体が通れる形状に構成して後端部に防爆隔壁を設置したプロテクターを形成し、プロテクターの前端部を既存トンネルの内空断面に挿入させて配置し、しかる後にプロテクターの外周面に沿って移動可能に構成される削岩施工台車と支保工施工台車とを、該プロテクターの外周面に可倒式に設置した防爆隔壁を倒すことで当該防爆隔壁の内外に適宜に移動させて既存トンネルの断面を拡幅施工しているので、既存トンネルの断面拡幅を活線工事として安全かつ容易に施工できることに加えて、以下の効果を奏している。
(1)施工台車への搭載機械は、トンネルの施工条件等に合わせて最適なものを選択できるので汎用性が高い。
(2)掘削機械を施工台車に搭載しているので、重機の入れ替えなどの輻較が無くなり安全性が向上する。
(3)施工台車、プロテクター、バックホウ、クラッシャーを自走式にできるので、連続べルコンとの組合せで連続的な断面拡幅掘削が可能となって掘削サイクルの短縮でコストダウンが図れる。
(4)ダンプを使用せずに排ガスを低減して環境対策を確立できる。
【0051】
請求項2、3に記載の既存トンネルの断面拡幅工法は、請求項1に記載の既存トンネルの断面拡幅工法において、削岩施工台車で、拡幅予定切羽の外周に溝を穿孔すると共に該溝の内側切羽を機械掘削させたり、溝の内側切羽に爆薬挿入孔を穿孔して爆薬を装薬することを特徴としているので、上記効果に加えて、低振動な掘削と振動を低減した円滑な爆薬ができ、同時に余堀の低減と坑壁を痛めない施工が可能になって、品質と施工精度の向上が図れる効果を奏している。
【0052】
請求項4に記載の既存トンネルの断面拡幅装置は、上記断面拡幅工法に用いる断面拡幅装置であって、既存トンネルの内空断面に倣わせると共に通行体が通れる形状に構成したプロテクター、プロテクターの外周面に沿って移動可能に構成される削岩施工台車、削岩施工台車に継続させて、該削岩施工台車と同様に該プロテクターの外周面に沿って移動可能に構成される支保工施工台車及びプロテクターの外周面に可倒式に設置され、拡幅されたトンネルの内周面とプロテクターの外周面との間を閉鎖する防爆隔壁から構成しているので、上記効果に加えて、プロテクター及び防爆隔壁を簡素に構成してコストの低減を図れる効果を奏している。
【0053】
請求項5に記載の既存トンネルの断面拡幅装置は、上記断面拡幅装置において、削岩施工台車の外周面に、スロット削孔機及び削孔機を移動可能に搭載し、支保工施工台車の外周面に、ロックボルト用穿孔機及び吹付け機を移動可能に搭載して構成することを特徴としているので、上記効果に加えて、機械掘削、爆薬工法のいずれにおいても適宜に対応できる効果を奏している。
【0054】
請求項6に記載の既存トンネルの断面拡幅装置は、上記断面拡幅装置において、防爆隔壁を切羽爆薬用の防爆型に構成することを特徴としているので、上記効果に加えて、爆薬工法に廉価に対処できる効果を奏している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による既存トンネルの断面拡幅工法と断面拡幅装置の実施の形態図
【図2】本発明における削岩施工台車と支保工施工台車の横断面図
【図3】本発明における防護シートの実施の形態図
【図4】本発明における防爆隔壁の実施の形態図
【図5】本発明における削岩施工台車と支保工施工台車の避難状態図
【図6】本発明における拡幅断面切羽外周への溝と爆薬挿入口の施工図
【図7】従来における既存トンネルの断面拡幅工法図
【図8】従来の断面拡幅工法におけるプロテクターの横断面図
【図9】従来の断面拡幅工法における前方防護隔壁の斜視断面図
【符号の説明】
1 断面拡幅装置、 2 プロテクター、 3 削岩施工台車、 4 支保工施工台車、 5 防護隔壁、 6 通行体、 7 バックホウ、 8 クラッシャー、 9 連続ベルコン、 10 既存トンネル、 11 拡幅されたトンネル、 12 内空断面、 13 内周面、 14 スロット削孔機、 15 削孔機、 16 拡幅断面切羽外周、 17 ロックボルト用穿孔機、 18 吹付け機、 19 バケット、 20 共用車線保護用フェンス、 21 防護シート、 22 防爆隔壁、 23 防護シート用架台、 24 回転ロール、 25 防護シート群、 26、26’ 壁板群、 27 スロット、 28 溝、 29 爆薬挿入孔、 31 爆薬防護構造、 32 旧トンネル、 33 新トンネル、 34 断面拡幅部、 35 覆工コンクリート、 36 地山、 41 プロテクター、 42 門型フレーム、 43 面板、 45 爆薬包囲部、 47 前方防護隔壁、 48 後方防護隔壁、 50、60 隔壁板、 51 支持フレーム、 52 エアチューブ収容部、 53 エアチューブ、

Claims (6)

  1. 既存トンネルの内空断面に倣わせると共に通行体が通れる形状に構成して後端部に防爆隔壁を設置したプロテクターを形成し、該プロテクターの前端部を既存トンネルの内空断面に挿入させて配置し、しかる後に該プロテクターの外周面に沿って移動可能に構成される削岩施工台車と支保工施工台車とを、該プロテクターの外周面に可倒式に設置した防爆隔壁を倒すことで当該防爆隔壁の内外に適宜に移動させて既存トンネルの断面を拡幅施工することを特徴とする既存トンネルの断面拡幅工法。
  2. 削岩施工台車が、拡幅予定切羽の外周に溝を穿孔すると共に該溝の内側切羽を機械掘削させることを特徴とする請求項1に記載の既存トンネルの断面拡幅工法。
  3. 削岩施工台車が、拡幅予定切羽の外周に溝を穿孔すると共に該溝の内側切羽に爆薬挿入孔を穿孔して爆薬を装薬し、しかる後に防爆隔壁の外側に移動して、防爆隔壁の閉鎖後に爆薬を炸裂させることを特徴とする請求項1に記載の既存トンネルの断面拡幅工法。
  4. 既存トンネルの内空断面に倣わせると共に通行体が通れる形状に構成したプロテクター、該プロテクターの外周面に沿って移動可能に構成される削岩施工台車、該削岩施工台車に継続させて、該削岩施工台車と同様に該プロテクターの外周面に沿って移動可能に構成される支保工施工台車及びプロテクターの外周面に可倒式に設置され、拡幅されたトンネルの内周面とプロテクターの外周面との間を閉鎖する防爆隔壁から構成することを特徴とする既存トンネルの断面拡幅装置。
  5. 削岩施工台車の外周面に、スロット削孔機及び削孔機を移動可能に搭載し、支保工施工台車の外周面に、ロックボルト用穿孔機及び吹付け機を移動可能に搭載して構成されることを特徴とする請求項4に記載の既存トンネルの断面拡幅装置。
  6. 防爆隔壁が、切羽爆薬用の防爆型に構成されることを特徴とする請求項4又は5に記載の既存トンネルの断面拡幅装置。
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