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JP3899966B2 - ディジタル信号受信装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
ベースバンドディジタル変調信号を復調する装置にあって、シンボル速度のM倍(M:2以上の偶数)でオーバーサンプリングした後に、ディジタルフィルタリングを行う有限インパルスレスポンス(以後、FIR)フィルタを有するディジタル信号受信装置、特に無線通信用受信装置のベースバンド信号処理部分に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図15に示すように、ベースバンドディジタル変調信号を復調するディジタル信号受信装置としてシンボル速度のM倍でオーバーサンプリングするA/D変換部1501、ディジタルフィルタリングを行うFIRフィルタ部1502、フィルタリングした信号から最適な位相を判定する最適判定位相決定部1503、信号の判定を行う判定部1504から構成が用いられていた。図15では、最適判定位相決定部1503での判定位相が最適な位相からずれている場合には受信性能が劣化してしまうため、通常、この劣化を小さくするためにオーバーサンプリング数を大きくすることで対応していた。
【0003】
図16には16QAMを復調する場合の劣化の様子をシミュレーション結果として示している。図16から明らかなようにオーバーサンプリング数が8の場合にはBER=において約1.5dB程度劣化してしまうが、オーバーサンプリング数を16とすれば約0.5dB程度に抑えることが可能となることがわかる。しかしながら、このように受信性能の劣化を防ぐためにオーバーサンプリング数を上げると高速シンボル速度の信号に対してはデバイスに要求される動作速度が非常に高速となってしまうため、A/D変換器やディジタル信号処理デバイス等が高価になってしまう。
【0004】
そこで、特開昭60−77542号公報に記載されているように、フィルタを並列に構成し、異なる位相に対応するタップ係数同士を分離して演算しておき、演算結果を多重化する構成を用いて要求される動作速度を低減する方法も公知である。一方、回路規模という点に着目すると、両方の技術とも同様の規模となる。すなわち、受信性能の劣化を抑えるためにオーバーサンプリング数またはフィルタの並列数を増加させると、その分回路規模が増大してしまう。
【0005】
この回路規模縮小のための技術としては特許第1725413号公報のようにインパルス応答列の対称性を利用し、半分のインパルス列に対応する係数のみを記憶しておき、読み出す順番を変更することで回路規模を縮小する技術が知られている。この技術は積和演算器を一つだけ用いて演算する場合に限られる。すなわち、係数可変の乗算演算を行う必要があるため、係数固定の乗算演算の場合よりは高速に演算することができない。また、入力信号が帯域制限されていない信号であることを利用して回路規模を縮小する特許第2100608号公報のような技術も公知である。この技術は帯域制限され熱雑音が加わった受信信号をフィルタリングすることには応用できない。このため、ディジタル受信装置のFIRフィルタを高速に演算可能な係数固定の乗算器によって構成すると同時に、回路規模の大きな乗算器の数を少なくして受信装置の回路規模を縮小させることができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ベースバンドディジタル変調信号をM倍オーバーサンプリングする部と、前記オーバーサンプリングされた信号を入力としタップ係数が偶対称である2Nタップ(N:自然数)の有限インパルスレスポンス列との畳み込み演算を行うFIRフィルタと、前記FIRフィルタ出力から最適な判定位相で判定する判定部と、前記最適な判定位相を決定する最適判定位相決定部とを有するディジタル信号受信装置であって、FIRフィルタを高速に演算可能な係数固定の乗算器によって構成すると同時に、回路規模の大きな乗算器の数を少なくして受信装置の回路規模を縮小するという課題がある。
【0007】
本発明は以上のような問題を解決することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、ディジタル信号受信装置のFIRフィルタの出力後段の判定部では、オーバーサンプリングした位相の中で最も受信性能の劣化の少ない位相のみを選択して判定するという性質を利用し、必要とされるオーバーサンプリング数の半分で受信信号をA/D変換して、後段のFIRフィルタに入力する。FIRフィルタのタップ係数は、タップの中心で偶対象となるよう必要とされるオーバーサンプリング数でサンプルしたサンプル列から、一つおきに抜出したサンプル値とする。すなわち、予め決められたオーバーサンプリング数を実現するために必要なタップ係数の半分でフィルタを構成する。このフィルタは信号の遅延方向が可変となるように構成する。まず、順方向の遅延信号からディジタルフィルタリングした信号において受信性能の劣化が最も少ない最適識別位相P1および、その信頼度A1を記憶し、次に逆方向の遅延信号からディジタルフィルタリングした信号から、同様に最適識別位相P2および、その信頼度A2を求め、先に求めたA1とA2とを比較して信頼度の高い方の位相(A1>A2ならばP1,A1<A2ならばP2)を選択すると同時に、この位相を得ることのできる遅延方向で信号を判定部に入力し、最適な位相で信号を判定する。このような構成とすることで、最適識別位相を決定するために要する時間が従来の倍となるものの、同じ受信性能劣化に抑えるために要求されるA/D変換速度を半減し、さらに、必要とされる回路規模の大きな乗算器の数も半減させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、ベースバンドディジタル変調信号をM倍(M:2以上の偶数)オーバーサンプリングするA/D変換部と、前記A/D変換部の出力信号を入力し、タップ係数が偶対称である2Nタップ(N:自然数)の有限インパルスレスポンス列との畳み込み演算を入力信号の方向を切替えて行う遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部と、前記遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の出力信号から最適な位相を示す信号と前記遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の信号方向を切替える信号を出力する最適判定位相決定部と、前記遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の出力信号と前記最適判定位相決定部の最適な位相を示す出力信号から信号を判定する判定部とを有するディジタル信号受信装置に関するものであり、要求されるA/D変換器のサンプリング速度が従来方法の半分に低減し、高速かつ回路規模の小さいディジタル信号受信装置を実現できるという作用を有する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、最適判定位相決定部は、位相判定を行う信号を遅延検波する遅延検波部と、前記遅延検波部から前記位相判定を行う信号の変調成分を除去する変調成分除去部と、前記変調成分除去部の出力信号を位相毎に累積する各位相累積部と、前記各位相累積部で前記各位相の累積値が最大値となる位相と累積値を求める最大値および最適位相検出部と、累積値の最大値を記憶する最大累積値記憶部と、前記最大累積値記憶部に記憶されている累積値と前記最大値および最適位相検出部から出力される累積値を比較する比較部と、前記比較部により最適と判定された位相を記憶する最適位相記憶部と、前記最適位相記憶部に記憶されている最適位相と前記最大値および最適位相検出部から出力される位相を前記比較部の出力により切り替え、判定部と前記最適位相記憶部に信号を出力する最適位相切替部とを有する請求項1記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、簡易な構成で短い系列の同期用信号から精度良く最適な判定位相を決定することができ、受信性能が向上するという作用を有する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、最適判定位相決定部は、位相判定を行う信号を遅延検波する遅延検波部と、前記遅延検波部から前記位相判定を行う信号の変調成分を除去する変調成分除去部と、前記変調成分除去部の出力信号を位相毎に累積する各位相累積部と、前記各位相累積部で前記各位相の累積値が最大値となる位相と累積値を求める最大値および最適位相検出部と、遅延検波後に変調成分を除去した信号と最大値および最適位相検出部の出力信号のタイミングを調整する処理時間調整用遅延部と、前記処理時間調整用遅延部の出力信号を多重分離化する多重分離部と、前記多重分離部の出力信号と前記最大値および最適位相検出部の出力信号から累積値が最大となる位相の多重分離化された信号を選択する選択部と、前記選択部の出力信号を予め記憶した3つの位相を係数とする3個の乗算部と、前記乗算部からの出力信号を累積し、最大値となる位相を検出する最大位相検出部と、前記最大位相検出部の出力信号と前記最大値および最適位相検出部の出力信号から最適な判定位相を行う判定位相決定部とを有する請求項1記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、順方向信号と逆方向信号の最大値を比較する必要がないため、より短い系列長の同期用信号で最適な判定位相を決定することができ、伝送効率の低下を抑えることができるという作用を有する。
【0012】
請求項4に記載の発明は、最適判定位相決定部は、最大位相検出部の出力信号が信号を判定する最適な位相の隣り合う位相である場合は、遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の信号の入力方向を切替える請求項3記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、最適な判定位相を抽出できるフィルタ構成になるため、情報信号の判定は劣化が少なく、高性能な受信ができるという作用を有する。
【0013】
請求項5に記載の発明は、最適判定位相決定部は、位相判定を行う信号が既知の変調信号の系列である場合に、遅延検波部の出力信号を各位相累積部に入力する請求項2ないし4のいずれか記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、遅延検波後の信号が同じ信号点になるため、変調成分を除去する回路部が省略可能となり、周波数誤差に対する許容範囲も拡大し、受信性能が向上するという作用を有する。
【0014】
請求項6に記載の発明は、ベースバンドディジタル変調信号をM/L倍オーバーサンプリングするA/D変換部と、前記A/D変換部の出力信号をL個に分岐するL分岐部と、前記L分岐部の出力信号を入力としタップ係数が偶対称である2Nタップ(N:自然数)の有限インパルスレスポンス列との畳み込み演算を入力信号の方向を切替えて行うL個並列配置のNタップの遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部と、前記遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部のL個の出力信号から最適な判定位相を決定する多入力最適判定位相決定部と、前記遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部のL個の出力信号と前記多入力最適判定位相決定部の出力信号から最適な判定位相の信号を選択する多入力選択部と、前記多入力選択部から信号を判定する判定部とを有する記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、FIRフィルタへの入力をL分岐することで、A/D変換器に要求されるサンプリング速度を1/Lに低減することができ、高速な入力信号に対しても処理が可能となるという作用を有する。
【0015】
請求項7に記載の発明は、ベースバンドディジタル変調信号をM/L倍オーバーサンプリングするA/D変換部と、前記A/D変換部の出力信号を2つの信号に多重分離化する1:2多重分離部と、前記1:2多重分離部の出力信号をそれぞれ2L個に分岐する4L分岐部と、前記4L分岐部の4L個の出力信号からL個の信号を前記A/D変換部のサンプリング周期の2周期分遅延させるL個の遅延部と、前記4L分岐部と前記遅延部の出力信号を入力するタップ係数が2L種類であるN/2タップの遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部を4L個並列に配置したタップ係数が偶対称であるNタップ(N:自然数かつ偶数)の有限インパルスレスポンス列との畳み込み演算を入力信号の方向を切替えて行う4L並列配置のN/2タップの遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部と、前記遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の出力信号を加算する2L個の加算部と、前記加算部の2L個の出力信号から最適な位相判定を決定する多入力最適位相判定決定部と、前記多入力最適位相判定決定部の出力信号と、2L個の前記加算部の出力信号から最適な位相の信号を選択する多入力選択部と前記多入力選択部から信号を判定する判定部とを有するディジタル信号受信装置に関するものであり、A/D変換器のサンプリング速度をシンボル速度の2倍とすれば、後段の回路の動作速度をシンボル速度にまで低減することも可能となるうえ、2L倍でオーバーサンプリングした場合と同じ判定精度を得ることができ、高速な演算処理を小さい回路規模で実現することが可能となるという作用を有する。
【0016】
請求項8に記載の発明は、多入力最適判定位相決定部は、L個若しくは2L個の位相判定を行う信号を遅延検波するL個若しくは2L個の遅延検波部と、前記遅延検波部の出力信号から変調成分を除去するL個若しくは2L個の変調成分除去部と、前記変調成分除去部のL個若しくは2L個の出力信号を位相毎に累積する各位相累積部と、前記各位相累積部で前記各位相の累積値が最大値となる位相と累積値を求める最大値および最適位相検出部と、累積値の最大値を記憶する最大累積値記憶部と、前記最大累積値記憶部に記憶されている累積値と前記最大値および最適位相検出部から出力される累積値を比較する比較部と、前記比較部により最適と判定された最適位相を記憶する最適位相記憶部と、前記最適位相記憶部に記憶されている最適位相と前記最大値および最適位相検出部から出力される最適位相を前記比較部の出力により切り替え、判定部と前記最適位相記憶部に信号を出力する最適位相切替部とを有する請求項6又は7記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、複数の入力に対応した簡易な構成で短い系列の同期用信号から精度良く最適な判定位相を決定することができ、受信性能が向上するという作用を有する。
【0017】
請求項9に記載の発明は、多入力最適判定位相決定部は、L個若しくは2L個の位相判定を行う信号を遅延検波するL個若しくは2L個の遅延検波部と、前記遅延検波部の出力信号から変調成分を除去するL個若しくは2L個の変調成分除去部と、前記変調成分除去部のL個若しくは2L個の出力信号を位相毎に累積する各位相累積部と、前記各位相累積部で前記各位相の累積値が最大値となる位相と累積値を求める最大値および最適位相検出部と、遅延検波後に変調成分を除去した信号と最大値および最適位相検出部の出力信号のタイミングを調整する処理時間調整用遅延部と、前記処理時間調整用遅延部の出力信号を多重分離化する多重分離部と、前記多重分離部の出力信号と前記最大値および最適位相検出部の出力信号から累積値が最大となる位相の多重分離化された信号を選択する選択部と、前記選択部の出力信号を予め記憶した3つの位相を係数とする3個の乗算部と、前記乗算部からの出力信号を累積し、最大値となる位相を検出する最大位相検出部と、前記最大位相検出部の出力信号と前記最大値および最適位相検出部の出力信号から最適な判定位相を行う判定位相決定部とを有する請求項6又は7記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、複数の入力に対応し、順方向信号と逆方向信号の最大値を比較する必要がないため、より短い系列長の同期用信号で最適な判定位相を決定することができ、伝送効率の低下を抑えることができるという作用を有する。
【0018】
請求項10に記載の発明は、多入力最適判定位相決定部は、最大位相検出部の出力信号が信号を判定する最適な位相に隣り合う位相である場合は、遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の信号の入力方向を切替える請求項9記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、複数の入力に対応し、最適な判定位相を抽出できるフィルタ構成になるため、情報信号の判定は劣化が少なく、高性能な受信ができるという作用を有する。
【0019】
請求項11に記載の発明は、多入力最適判定位相決定部は、L個若しくは2L個の位相判定を行う信号が既知の変調信号の系列である場合に、遅延検波部の出力信号を各位相累積部に入力する請求項8ないし10のいずれか記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、複数の入力に対応し、遅延検波後の信号が同じ信号点になるため、変調成分を除去する回路部が省略可能となり、周波数誤差に対する許容範囲も拡大し、受信性能が向上するという作用を有する。
【0020】
請求項12に記載の発明は、入力信号が同相成分と直交成分であり、2つのA/D変換部と、前記A/D変換部の出力信号を入力し、タップ係数が偶対称である2Nタップ(N:自然数)の有限インパルスレスポンス列との畳み込み演算を入力信号の方向を切替えて行う2系統の遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部と、前記遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の2つの出力信号を入力し、最適な位相判定を行う2系統入力最適判定位相決定部と、前記遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の出力信号と前記2系統入力最適判定位相決定部の出力信号から信号を判定する2系統入力判定部とを有するディジタル信号受信装置に関するものであり、QPSK変調信号やQAM変調信号のような直交変調信号に対しても、高性能な受信性能を実現できるという作用を有する。
【0021】
請求項13に記載の発明は、入力信号がIF(中間周波数帯)信号であり、前記IF信号を入力するA/D変換部と、前記A/D変換部の出力信号を入力し、直行検波を行なうディジタル直交検波部と、前記ディジタル直交検波部の出力信号を入力し、タップ係数が偶対称である2Nタップ(N:自然数)の有限インパルスレスポンス列との畳み込み演算を入力信号の方向を切替えて行い、同相および直交成分をフィルタリングする2系統の遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部と、前記遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の出力信号から最適な位相判定を行う2系統入力最適判定位相決定部と、前記有限インパルスレスポンスフィルタ部の出力信号と前記2系統入力最適判定位相決定部の出力信号から信号判定を行う2系統入力判定部とを有するディジタル信号受信装置に関するものであり、QPSK変調信号やQAM変調信号のような直交変調信号に対して、ディジタル直交復調により直流オフセット成分や、直交誤差の少ない高性能な受信性能を実現できるという作用を有する。
【0022】
請求項14に記載の発明は、2系統入力最適判定位相決定部は、直交成分信号と同相成分信号を個別に遅延検波する2系統入力遅延検波部と、前記2系統入力遅延検波部の2つの出力信号から変調成分を除去する2系統入力変調成分除去部と、前記2系統入力変調成分除去部の出力信号を位相毎に累積する各位相累積部と、前記各位相累積部で前記各位相の累積値が最大値となる位相と累積値を求める最大値および最適位相検出部と、累積値の最大値を記憶する最大累積値記憶部と、前記最大累積値記憶部に記憶されている累積値と前記最大値および最適位相検出部から出力される累積値を比較する比較部と、前記比較部により最適と判定された最適位相を記憶する最適位相記憶部と、前記最適位相記憶部に記憶されている最適位相と前記最大値および最適位相検出部から出力される最適位相を前記比較部の出力により切り替え、判定部と前記最適位相記憶部に信号を出力する最適位相切替部とを有する請求項12又は13記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、QPSK変調信号やQAM変調信号のような直交変調信号に対しても、簡易な構成で短い系列の同期用信号から精度良く最適な判定位相を決定することができ、受信性能が向上するという作用を有する。
【0023】
請求項15に記載の発明は、2系統入力最適判定位相決定部は、直交成分信号と同相成分信号を個別に遅延検波する2系統入力遅延検波部と、前記2系統入力遅延検波部の出力信号から変調成分を除去する2系統入力変調成分除去部と、前記2系統入力変調成分除去部の2つの出力信号を位相毎に累積する各位相累積部と、前記各位相累積部で前記各位相の累積値が最大値となる位相と累積値を求める最大値および最適位相検出部と、遅延検波後に変調成分を除去した信号と最大値および最適位相検出部の出力信号のタイミングを調整する処理時間調整用遅延部と、前記処理時間調整用遅延部の出力信号を多重分離化する多重分離部と、前記多重分離部の出力信号と前記最大値および最適位相検出部の出力信号から累積値が最大となる位相の多重分離化された信号を選択する選択部と、前記選択部の出力信号を予め記憶した3つの位相を係数とする3個の乗算部と、前記乗算部からの出力信号を累積し、最大値となる位相を検出する最大位相検出部と、前記最大位相検出部の出力信号と前記最大値および最適位相検出部の出力信号から最適な判定位相を行う判定位相決定部とを有する請求項12又は13記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、QPSK変調信号やQAM変調信号のような直交変調信号に対しても、順方向信号と逆方向信号の最大値を比較する必要がないため、より短い系列長の同期用信号で最適な判定位相を決定することができ、伝送効率の低下を抑えることができるという作用を有する。
【0024】
請求項16に記載の発明は、2系統入力最適判定位相決定部は、最大位相検出部の出力信号が信号を判定する最適な位相の隣り合う位相である場合は、遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の信号の遅延方向を切替える請求項15記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、QPSK変調信号やQAM変調信号のような直交変調信号に対しても、最適な判定位相を抽出できるフィルタ構成になるため、情報信号の判定は劣化が少なく、高性能な受信ができるという作用を有する。
【0025】
請求項17に記載の発明は、2系統入力最適判定位相決定部は、直交成分信号と同相成分信号が既知の変調信号の系列である場合に、2系統入力遅延検波部の出力信号を各位相累積部に入力する請求項14ないし16のいずれか記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、QPSK変調信号やQAM変調信号のような直交変調信号に対しても、遅延検波後の信号が同じ信号点になるため、変調成分を除去する回路部が省略可能となり、周波数誤差に対する許容範囲も拡大し、受信性能が向上するという作用を有する。
【0026】
請求項18に記載の発明は、遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部は、A/D変換部の出力信号を入力し、前記A/D変換部の出力信号を順方向に遅延する(N−1)個の遅延素子から構成される順方向遅延部と、逆方向に遅延する(N−1)個の遅延素子から構成される逆方向遅延部と、前記順方向遅延部と前記逆方向遅延部の出力信号を最適判定位相決定部の出力により切り替えを行う切替部と、前記切替部からの出力信号にタップ係数を乗ずるN個のタップ係数乗算部と、前記タップ係数乗算部からの出力を全て加算する加算部とから構成される請求項1ないし6、8ないし17のいずれか記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、回路規模の大きい乗算部も従来の半分のN個であるため、高速かつ回路規模の小さいディジタル信号受信装置を実現できるという作用を有する。
【0027】
請求項19に記載の発明は、遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部は、逆方向遅延部に入力するA/D変換部の出力信号を予め決められた時間遅延する信号遅延部と、前記信号遅延部の出力信号と前記A/D変換部の出力信号を切替える遅延信号切替部とを有する請求項18記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、最適判定位相決定のための同期用信号として全く同じものを使用するため、多少回路規模が増大するものの、より高精度に最適判定位相を決定でき、受信性能が向上するという作用を有する。
【0028】
請求項20に記載の発明は、遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部は、A/D変換部の出力信号にタップ係数を乗ずるN個のタップ係数乗算部と、前記タップ係数乗算部の出力信号とN個の切替部の出力信号を加算するN個の加算部と、順方向遅延部の出力信号と逆方向遅延部の出力信号を最適判定位相決定部の出力信号により切替える切替部と、前記加算部の出力信号を順方向に遅延する(N−1)個の遅延素子から構成される順方向遅延部と、前記加算部の出力信号を逆方向に遅延する(N−1)個の遅延素子から構成される逆方向遅延部と、先頭のタップ係数に対応する前記加算部の出力信号と最後尾のタップ係数に対応する前記加算部の出力信号を前記最適判定位相決定部の出力信号により切替える信号方向切替部とを有する請求項1ないし6、8ないし17のいずれか記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、FIRフィルタを転置構成とすることができるため、直接型構成の場合に比べて高速な演算処理を小さい回路規模で実現することができるという作用を有する。
【0029】
請求項21に記載の発明は、遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の切替部は、予め決められた信号が繰り返す毎に信号の入力方向を切替える請求項18又は20記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、情報信号の前に最適な位相を抽出できるフィルタ構成に切替えるため、情報信号の判定は劣化が少なく、高性能な受信ができるという作用を有する。
【0030】
請求項22に記載の発明は、A/D変換部に入力される信号フォーマットは、情報信号と最適な位相決定に用いる同期用信号を交互に配置する請求項1ないし21のいずれか記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、最適判定位相決定に同期用信号を利用することで、高速に最適判定位相を決定することができるため、送受のクロック周波数誤差が大きい場合には定期的かつ、頻繁に挿入する必要のある同期用信号による伝送効率の低下を最低限に留めることができるという作用を有する。
【0031】
請求項23に記載の発明は、A/D変換部に入力される信号フォーマットは、同期用信号をH回(H:自然数)繰り返す請求項22記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、同じ系列の同期用信号によって最適判定位相を決定するため高精度に最適判定位相を決定できるため、受信性能が向上するという作用を有する。
【0032】
請求項24に記載の発明は、A/D変換部に入力される信号フォーマットは、同期用信号の送信後に前記同期用信号と同一時間経過後に情報信号とする請求項22又は23記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、切替部により選択される信号を生成する回路部の動作を休止することが可能となり、消費電力の低下という作用を有する。
【0033】
請求項25に記載の発明は、A/D変換部に入力される信号フォーマットは、切替部が信号を切替える間はヌル信号とする請求項22ないし24のいずれか記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、フィルタの構成が変化することによる劣化を防ぐことができ、受信性能の向上につながるという作用を有する。
【0034】
請求項26に記載の発明は、A/D変換部に入力される信号フォーマットは、同期用信号が既知の変調信号であって、信号間距離が最大となる点である請求項22ないし25のいずれか記載のディジタル信号受信装置に関するものであり、本発明の前段に設けられる無線復調部で生じる熱雑音や周波数誤差の影響を受けにくく、最適な判定位相を精度良く決定することができ、高性能な受信が可能になるという作用を有する。
【0035】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図14を用いて説明する。
【0036】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係るディジタル信号受信装置の構成を示すブロック図であり、A/D変換部101、遅延方向可変FIRフィルタ部102、最適判定位相決定部103、判定部104から構成される。以下に詳細を述べる。
【0037】
A/D変換部101は、ベースバンドディジタル変調信号をM倍オーバーサンプリングし、遅延方向可変FIRフィルタ部102に入力する。遅延方向可変FIRフィルタ部102は、入力信号の遅延方向を順方向と逆方向に変更することが可能な有限インパルスレスポンス列との畳み込み演算を行い、フィルタリングされた信号を最適判定位相決定部103と判定部104に出力する。最適判定位相決定部103は、フィルタリングされた順方向に遅延した信号と逆方向に遅延した信号を交互に入力し、オーバーサンプリングした位相の中で最も受信性能の劣化の少ない位相のみを比較選択し、位相情報信号を判定部104に出力し、選択した遅延方向の情報を方向切替信号として遅延方向可変FIRフィルタ部102に出力する。判定部104は、遅延方向可変FIRフィルタ部102のフィルタリングされた信号と最適判定位相決定部103の最適な位相情報を入力し、信号を判定する。
【0038】
以上のような構成とすることで、回路規模の大きなタップ係数乗算は固定係数とすることができ、A/D変換部101がMサンプリング速度で、2M倍オーバーサンプリングに相当する高速な演算動作を低消費電力で実行することが可能となる。
【0039】
次に、遅延方向可変FIRフィルタ部102の詳細な説明を、図2を用いて述べる。
【0040】
遅延方向可変FIRフィルタ部102は、順方向遅延部201、逆方向遅延部202、切替部203、タップ係数乗算部204、加算部205から構成される。以下に詳細を述べる。
【0041】
順方向遅延部は、A/D変換部101の出力信号を順方向に0回から(N−1)回まで遅延し、遅延素子毎に切替部203に出力する。逆方向遅延部202は、A/D変換部101の出力信号を逆方向に0回から(N−1)回まで遅延し、遅延素子毎に切替部203に出力する。切替部203は、順方向遅延部201の信号と逆方向遅延部202の信号を最適判定位相決定部103の方向切替信号により、全信号を同時に切り替え、タップ係数乗算部204に出力する。タップ係数乗算部204は、予め決められたタップ係数をそれぞれ乗算し、加算部205に出力する。加算部205は、タップ係数乗算部204の全ての出力信号を加算し、判定部104と最適判定位相決定部103に出力する。
【0042】
ここで、タップ係数乗算部204のタップ係数の決定方法について述べる。図3に線形位相のフィルタのタップ係数を示す。無線通信等で一般的に用いられるナイキストフィルタのように、偶対称の32タップ係数で設定した場合は、16倍オーバーサンプリングした信号を一つおきに抜出した系列(黒丸:c0、c1、c2、・・・、c14、c15)とその隣の系列(白丸:c15、c14、・・・、c2、c1、c0)とは系列の順番が逆順となることから、オーバーサンプリングしたサンプルの半分でタップ係数を構成する。
【0043】
以上のように構成することで、オーバーサンプリングしたサンプルの半分でタップ係数を構成することが可能となる。
【0044】
なお、図3においてはタップ係数の数が32個の場合を示したが、他の場合にも同様に構成できる。
【0045】
次に、最適判定位相決定部103の詳細な説明を、図4を用いて述べる。
【0046】
最適判定位相決定部103は、遅延検波部401、変調成分除去部402、各位相累積部403、最大値および最適位相検出部404、比較部405、最大累積値記憶部406、最適位相切替部407、最適位相記憶部408から構成される。以下に詳細を述べる。
【0047】
遅延検波部401は、遅延方向可変FIRフィルタ部102からの信号を遅延検波により初期位相成分を除去し、変調成分除去部402に出力する。変調成分除去部402は、遅延検波部401の出力信号から変調成分を除去する信号を各位相累積部403に出力する。各位相累積部403は、変調成分除去部402の出力信号を必要な位相精度に対応する位相数分の累積を行い、各位相の累積結果を最大値および最適位相検出部404に出力する。最大値および最適位相検出部404は、各位相累積部403から入力された累積結果から最大値を示す最大累積値信号および最大値の位相を示す位相信号を求め、最大累積値信号は比較部405に出力し、位相信号は最適位相切替部407に出力する。比較部405は、最大累積値信号と最大累積値記憶部406の出力信号を比較し、最大累積値記憶部406の信号が大きければ、遅延方向可変FIRフィルタ部102の信号の遅延方向を切替える方向切替信号はLow信号を出力し、最大累積値信号が大きい場合は、方向切替信号はHigh信号を出力し、さらに、最大累積値記憶部406に最大累積値信号を入力する。最大累積値記憶部406は、最大累積値信号が比較部405に入力される毎に記憶されている最大累積値信号を比較部405に出力し、また、方向切替信号がHigh信号である場合は、最大累積値記憶部406の内容を比較部405に入力された最大累積値信号により更新し、方向切替信号がLow信号である場合は、最大累積値記憶部406の内容は更新しない。最適位相切替部407は、位相信号と最適位相記憶部408の出力信号が入力され、比較部405の方向切替信号により切替える。例えば、方向切替信号がHigh信号である場合は、最大値および最適位相検出部から出力される位相信号を選択し、方向切替信号がLow信号である場合は、最適位相記憶部408の出力信号を選択する。また、最適位相切替部407の出力は最適位相記憶部408に入力される。最適位相記憶部408は、最適位相切替部407の出力信号により内容を更新し、最適位相切替部407に位相信号が入力される度に、記憶している信号を出力する。
【0048】
以上のように構成することで、最適な位相を抽出できるフィルタ構成に切替えるため、信号の判定は劣化が少なく、高性能な受信が可能となる。
【0049】
次に、本発明のディジタル信号受信装置に用いる送信信号フォーマットについて、図5を用いて説明する。
【0050】
本発明のA/D変換部に入力される信号のフォーマットは、図5に示すように位相判定に用いる同期用信号と情報信号が時間的に区切られている。無線通信等では送信側と受信側のクロック周波数誤差が存在するため、受信側では送信側に追従するよう、常に最適な判定位相を決定し続ける必要があり、本発明のようにフレーム構成を採用し、フレームの先頭に既知の同期用信号を設け、定期的に最適な判定位相を決定し続けると好適である。
【0051】
また、同期用信号を複数回繰り返すことで、位相判定の精度向上が図れる。
【0052】
また、図4に示した各位相累積部403は同期用信号が送信されている時間のみ行うことも好適である。
【0053】
また、同期用信号と情報信号との間にはフィルタの遷移状態を考慮した時間を空けておくと、切替部203を切替えた際のフィルタの遷移状態が定常状態に落着いた後に情報信号を判定できるため、誤りが発生しにくくなり好適である。
【0054】
また、同期信号が既知の変調信号であって、信号間距離が最大となる点である場合は、本発明の前段に設けられる無線復調部で生じる熱雑音や周波数誤差の影響を受けにくく、最適な判定位相を精度良く決定することができ、高性能な受信が可能になる。例えば、遅延検波により初期位相成分が除去され、さらに、変調成分を除去することで、周波数誤差および熱雑音などがない場合には理想的な信号点のうちの一つとなる。例えば、BPSK変調信号の場合には同相軸上の一点となる。周波数誤差がある場合には、直交軸方向に回転したところの一点となる。また熱雑音がある場合には理想的な点を中心に分散している。
【0055】
また、同期用信号が既知の変調信号の系列である場合に、図6に示すように、最適判定位相決定部103は、遅延検波部401の出力信号を各位相累積部403に入力することが可能となる。例えば、同期用信号がBPSK変調信号、信号系列が1,0の繰り返し系列である場合に、遅延検波により初期位相成分と、変調成分が除去されるため、周波数誤差および熱雑音などがない場合には理想的な信号点のうちの一つとなる。BPSK変調信号の場合には同相軸上の一点となる。
【0056】
以上のように構成することで、消費電力が小さく、また、高速なシンボル速度の信号を復調する場合にも安価なデバイスで実現でき好適である。
【0057】
なお、変調成分除去部402としては、仮判定した信号から逆変調する方法、2乗する方法、既知信号との共役演算を行う方法などがある。
【0058】
なお、同期信号はBPSK変調信号について説明したが、QPSK変調信号、QAM変調信号であっても同様な効果を得ることが可能である。
【0059】
(実施の形態2)
図7は本発明の実施の形態2に係るディジタル信号受信装置の転置型遅延方向可変FIRフィルタ部701の構成を示すブロック図であり、N個のタップ係数乗算部204、N個の転置型用加算部702、N個の切替部203、(N−1)個の遅延素子から構成される順方向遅延部201、(N−1)個の遅延素子から構成される逆方向遅延部202、出力信号切替部703から構成される。以下に詳細を述べる。
【0060】
タップ係数乗算部204は、A/D変換部101の出力信号を入力し、実施の形態1で定めたタップ係数を乗算し、転置型用加算部702に出力する。転置型用加算部702は、タップ係数乗算部204の出力信号と切替部203の出力信号を加算し、順方向遅延部201および逆方向遅延部202に出力する。切替部203は、順方向遅延部201および逆方向遅延部202の出力信号を最適判定位相決定部103の出力信号でN−2個の切替部203を切り替え、転置型用加算部702に加算信号を出力する。ただし、図7に示すタップ係数c0とc15に対応する2個の切替部203は遅延信号と0信号を切替える。順方向遅延部201および逆方向遅延部202は転置型用加算部702の加算信号を遅延し、切替部203に出力する。出力信号切替部703は、図7に示すc0およびc15に対応する転置型用加算部702の加算信号を最適判定位相決定部103の出力信号により切り替え、判定部104および最適判定位相決定部103に出力する。
【0061】
以上のように構成することで、実施の形態1の図2で示した直接型構成の遅延方向可変FIRフィルタを転置型構成にすることによって転置型用加算部702における高速な演算処理を小さい回路規模で実現することができる。
【0062】
なお、図7においてはタップ係数の数が32個の場合を示したが、他の場合にも同様に構成できる。
【0063】
(実施の形態3)
図8は本発明の実施の形態3に係るディジタル信号受信装置の構成を示すブロック図であり、信号遅延部801と遅延信号切替部802から構成され、順方向遅延部201と逆方向遅延部202以降の処理は実施の形態1と同様である。ここでは、図2と異なる点について主に説明する。
【0064】
信号遅延部801は、A/D変換部101の出力信号を同期用信号のシンボル数がK、A/D変換部101のオーバーサンプリング数がMである場合にシンボルレートのKM倍の時間遅延され、遅延信号切替部802に出力する。遅延信号切替部802は、A/D変換部101の出力信号と信号遅延部801の出力信号を、同期信号が入力されている間はシンボルレートのKM倍の時間毎に切り替え、逆方向遅延部202に出力する。
【0065】
以上のように構成することで、A/D変換部101に入力する信号のフォーマットが図9で示す様に、同期用信号と情報信号で構成され、同期信号と情報信号の間にヌル信号をシンボルレートのKM倍の時間挿入する場合に、遅延されていない同期用信号で順方向のフィルタ処理を行い、続いて信号遅延部でシンボルレートのKM倍の時間遅延した同期用信号で逆方向のフィルタ処理を行い、両者を比較して最適位相を決定することが可能となる。ここで、逆方向のフィルタ処理による位相が最適である場合は、遅延信号切替部802はA/D変換部101の出力信号を出力することで、情報信号を遅延なくフィルタ処理することが可能となり、同期信号を重複することなく順方向と逆方向を考慮した高精度な最適判定位相を決定でき、受信性能が向上する。
【0066】
また、実施の形態1に記載したように、同期用信号と情報信号との間にはフィルタの遷移状態を考慮した時間を空けておくと、切替部203を切替えた際のフィルタの遷移状態が定常状態に落着いた後に情報信号を判定できるため、誤り発生を抑制し、好適である。
【0067】
なお、タップ係数の数が32個の場合を示したが、他の場合にも同様に構成できる。
【0068】
また、同期用信号が複数回送信することで、同じ系列の同期用信号によって最適判定位相を決定するため高精度に最適判定位相を決定できるため、受信性能が向上する。
【0069】
(実施の形態4)
図10は本発明の実施の形態4に係るディジタル信号受信装置の最適判定位相決定部103の構成を示すブロック図であり、一方の遅延方向のみ、例えば順方向のフィルタ出力から順方向のフィルタと逆方向のフィルタを考慮した最適な判定位相の推定を行う。また、最大値および最適位相検出部404までの出力信号は実施の形態1と同様であり、処理時間調整用遅延部1001、多重分離部1002、選択部1003、予め決められた係数a(−1)、係数a(0)、係数a(1)の乗算部1004、最大位相検出部1005、判定位相決定部1006から構成される。以下に詳細に述べる。
【0070】
処理時間調整用遅延部1001は、遅延検波部401の出力信号を入力し、最大値および最適位相検出部404までの処理時間分の遅延を行う。多重分離部1002は、処理時間調整用遅延部1001の出力信号から各位相成分に多重分離化し、選択部1003に出力する。選択部1003は、多重分離部1002の出力信号を最大値および最適位相検出部404の最大累積値信号を用いて選択し、乗算部1004に入力する。乗算部1004は、選択部1003の出力信号に予め決められた係数を乗算し、最大位相検出部1005に入力する。
【0071】
ここで、乗算部1004に用いる係数は、最適位相における遅延検波後に変調成分を除去した理想的な値(a(0))および、最適位相と隣あう2つの位相における遅延検波後に変調成分を除去した理想的な値(a(−1)、a(1))とする。これより乗算部1004の処理は、理想的な値との相関を求めることと等しく、選択された位相の信号が最適であれば係数a(0)の出力が最大となり、逆に係数a(−1)またはa(1)の出力が最大であれば、前段の遅延方向可変FIRフィルタ部102の遅延方向を切替える最適判定位相を検出できるということを示している。最大位相検出部1005は、乗算部1004の出力信号から最大値となる信号を検出し、検出結果がa(0)であれば、遅延方向は不変とし、a(1)または、a(−1)であれば、遅延方向を切替える信号を出力し、切替部203と判定位相決定部1006に出力する。判定位相決定部1006は、最大位相検出部1005と最大値および最適位相検出部404の位相信号から現在のFIRフィルタへの信号入力方向を判定し、判定部104に方向判定信号を出力する。また、判定位相決定部1006は、最大値および最適位相検出部404の最適位相信号と最大位相検出部1005の出力信号が、係数a(−1)であるか係数a(1)であるかによって、入力方向を逆にした場合のフィルタにおける最適判定位相も一意に決定することができる。すなわち、最大位相検出部1005で係数a(0)が検出されると、最大値および最適位相検出部404で検出された最適位相信号が判定位相となり、係数a(−1)が検出されると、フィルタの入力方向を変える切替部203を切替え、最大値および最適位相検出部404で検出された最適位相を負の方向にシフトさせた位相が判定位相となり、係数a(1)が最大であれば、フィルタの入力方向を変える切替部203を切替え、更に、最大値および最適位相検出部404で検出された最適位相を正の方向にシフトさせた位相を判定位相とする。
【0072】
以上のような構成により、フィルタの入力方向を切替えることなく、最適な判定位相を決定することが出来るため、より短い系列長の同期用信号とすることができ、伝送効率の低下を抑えることができる。
【0073】
(実施の形態5)
図11は本発明の実施の形態5に係るディジタル信号受信装置の構成を示すブロック図であり、A/D変換部101の出力信号をL個に分岐するL分岐部1101と、L個並列に配置された遅延方向可変FIRフィルタ部102と、多入力最適判定位相決定部1102と、多入力選択部1103から構成される。ここでは主に、実施の形態1と異なる点について説明する。
【0074】
L分岐部1101は、A/D変換部101の出力信号をL個に分岐し、L個の並列配置された遅延方向可変FIRフィルタ部102に入力する。遅延方向可変FIRフィルタ部102は、L分岐部1101の出力信号から図11に示したタップ係数毎にフィルタリングした信号を出力する。
【0075】
多入力最適判定位相決定部1102は、L個のフィルタリング信号をL個の遅延検波部に入力して遅延検波を行い、遅延検波部の出力信号をL個の変調成分除去部に入力し、変調成分を除去する信号を位相ごとに各位相累積部に入力する。各位相累積部以降の処理は、実施の形態1および実施の形態4の記載と同様であり、最適な位相信号を多入力選択部1103に出力し、方向切替信号はL個の遅延方向可変FIRフィルタ部102の切替部203に出力する。
【0076】
多入力選択部1103は、L個のフィルタリング信号と多入力最適判定位相決定部1102の位相信号に該当するフィルタリング信号を選択し、最適な位相となるフィルタリング信号として判定部に出力する。
【0077】
以上のような構成とすることで、回路規模の大きな乗算部1004は固定係数のままとすることができ、A/D変換部101がM/L倍のサンプリング速度で、2M倍オーバーサンプリングに相当する高速な演算動作を低消費電力および低コストで実行することが可能となる。
【0078】
また、図12に示すディジタル信号受信装置の構成を用いることで、2M倍のオーバーサンプリングに相当し、更に、A/D変換部101以降のフィルタ処理速度をシンボル速度のM/(2L)倍で処理することが可能となる。以下に図11と異なる点を主に説明する。
【0079】
図12は、1:2多重分離部1201、4L分岐部1201、A/D変換部101のサンプリングレートの2M倍の時間遅延させるL個の遅延部1203、2L個の加算部1204、多入力選択部1103、多入力最適判定位相決定部1102、4L個並列に配置したN/2タップの遅延方向可変タップFIRフィルタ部102から構成される。以下に詳細を述べる。
【0080】
1:2多重分離部1201は、A/D変換部101の出力信号を1:2に多重分離化し、4L分岐部1201に出力する。4L分岐部1201は、2系統に多重分離された信号をそれぞれ2L個、合計で4L個に分岐し、L個の信号は遅延部1203に出力し、3L個の信号は遅延方向可変FIRフィルタ部102に出力する。遅延部1203は、図12に示すタップ係数に対応する4L分岐部1201のL個の信号をA/D変換部101のサンプリングレートの2M倍の時間遅延し、4L分岐部1201から直接出力されていない遅延方向可変FIRフィルタ部102に出力する。遅延方向可変FIRフィルタ部102は、タップ係数が図12に示すように、{c(0)、c(2L)、・・・c(NL−2L)}となり、フィルタ内では2L毎増加し、先頭のタップ係数はc(0)から1毎増加し、c(2L−1)までとなる2L種類のフィルタが存在し、更に、同一タップ係数のフィルタが存在するように決定し、加算部1204にフィルタリング信号を出力する。加算部1204は、遅延方向可変FIRフィルタ部102の4L個の出力信号を、図12に示すように{c(0)、c(2L)、・・・c(NL−2L)}のタップ係数と{c(L)、c(3L)、・・・c(NL−L)}のタップ係数となるフィルタ信号を加算し、多入力最適判定位相決定部1102と、多入力選択部1103に出力する。多入力最適判定位相決定部1102は、2L個のフィルタリング信号を2L個の遅延検波部に入力して遅延検波を行い、遅延検波部の出力信号を2L個の変調成分除去部に入力し、変調成分を除去する信号を各位相累積部に入力する。各位相累積部以降の処理は、実施の形態1および実施の形態4の記載と同様であり、最適な位相信号を多入力選択部1103に出力し、方向切替信号は4L個の遅延方向可変FIRフィルタ部102の切替部203に出力する。多入力選択部1103は、2L個のフィルタリング信号と多入力最適判定位相決定部1102の位相信号に該当するフィルタリング信号を選択し、最適な位相となるフィルタリング信号として判定部に出力する。
【0081】
以上ように構成することで、回路規模は増大するが、フィルタ部の処理速度をシンボルレートのM/(2L)倍に低減し、且つ2M倍のオーバーサンプリングに相当する処理が可能となる。
【0082】
なお、フィルタ構成自体は省略したが実施の形態1ないし実施の形態3に示したフィルタを用いても同様の効果を得ることが可能である。
【0083】
なお、最適判定位相決定部の構成は、実施の形態1および実施の形態4に示した構成を用いても、同様の効果を得ることは可能である。
【0084】
(実施の形態6)
図13は本発明の実施の形態6に係るディジタル信号受信装置の構成を示すブロック図であり、直交検波部から出力された同相成分信号と直交成分信号に対応した2個のA/D変換部101と、2個の遅延方向可変FIRフィルタ部102と、2系統入力最適判定位相決定部1301と、2系統入力判定部1302から構成される。以下に、実施の形態1ないし実施の形態5と異なる点について説明する。
【0085】
2系統入力最適判定位相決定部1301は、同相成分信号をフィルタリングした信号および直交成分信号をフィルタリングした信号を用いて初期位相誤差および周波数誤差を除去した後に、遅延検波部に入力する。以後の処理は実施の形態1および実施の形態4と同様であり、遅延方向可変FIRフィルタ部の切替部に入力される方向切替信号および2系統入力判定部1302に入力される位相信号は同相成分と直交成分で同一の信号となる。
【0086】
2系統入力判定部1302は、入力される同相成分信号をフィルタリングした信号および直交成分信号をフィルタリングした信号を2系統入力最適判定位相決定部1301から出力される同相成分と直交成分に共通な位相信号により判定する。
【0087】
以上のような構成とすることで、QPSK変調信号やQAM変調信号のような直交変調信号に対する復調に好適であるうえ、実施の形態1に記載のBPSK変調信号に対しても周波数オフセットがある場合に有効である。
【0088】
また、図14に示すディジタル信号受信装置の構成を用いることで、直流オフセット成分や、直交誤差の少ない高性能な受信性能を実現することが可能となる。ここでは、図13と異なる点を主に説明する。
【0089】
図14はA/D変換部101、ディジタル直交検波部1401から構成され、遅延方向可変FIRフィルタ部102以後の処理は図13と同じである。
【0090】
以上のような構成をとことで、直交検波をディジタル信号処理で実現しているため、アナログの場合と異なり、直流オフセット成分や、直交誤差の少ない高性能な受信性能を実現することができる。
【0091】
なお、遅延方向可変FIRフィルタ部の構成は、実施の形態1ないし実施の形態3の構成を用いても同様な効果を得ることは可能である。
【0092】
なお、2系統入力判定部1302の構成は、実施の形態5に示す構成を用いても同様な効果を得ることは可能である。
【0093】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、オーバーサンプリングした位相の中で最も受信性能の劣化の少ない位相のみを選択して判定するという性質を利用し、必要とされるオーバーサンプリング数の半分で受信信号をA/D変換し、FIRフィルタのタップ係数は必要とされるタップ係数を一つおきに選んだサンプル列としておいてフィルタ演算を行った後、フィルタへの入力信号方向を逆にすることで、別の位相のフィルタ出力を得て、どちらの入力信号方向とすれば最適な判定位相が得られるかを調べた後、フィルタへの入力信号方向を確定させてフィルタ出力信号を判定するように構成することで、フィルタにおける乗算器を高速に演算可能な固定係数とすることができるうえ、回路規模の大きな乗算器の数を少なくして受信装置の回路規模を縮小することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるディジタル信号受信装置の構成を示す図
【図2】本発明の一実施の形態によるFIRフィルタの構成を示す図
【図3】本発明の一実施の形態によるディジタル信号受信装置のタップ係数とインパルス応答のサンプルとの対応を示す図
【図4】本発明の一実施の形態による最適判定位相決定部の構成を示す図
【図5】本発明の一実施の形態による信号フォーマットを示す図
【図6】本発明の一実施の形態による最適判定位相決定部の構成を示す図
【図7】本発明の一実施の形態によるFIRフィルタの構成を示す図
【図8】本発明の一実施の形態によるディジタル信号受信装置の構成を示す図
【図9】本発明の一実施の形態による信号フォーマットを示す図
【図10】本発明の一実施の形態による最適判定位相決定部の構成を示す図
【図11】本発明の一実施の形態によるディジタル信号受信装置の構成を示す図
【図12】本発明の一実施の形態によるディジタル信号受信装置の構成を示す図
【図13】本発明の一実施の形態によるディジタル信号受信装置の構成を示す図
【図14】本発明の一実施の形態によるディジタル信号受信装置の構成を示す図
【図15】従来のディジタル信号受信装置の構成を示す図
【図16】従来技術でのオーバーサンプリング数の違いによる受信性能の違いを示す図
【符号の説明】
101 A/D変換部
102 遅延方向可変FIRフィルタ部
103 最適判定位相決定部
104 判定部
201 順方向遅延部
202 逆方向遅延部
203 切替部
204 タップ係数乗算部
205 加算部
401 遅延検波部
402 変調成分除去部
403 各位相累積部
404 最大値および最適位相検出部
405 比較部
406 最大累積値記憶部
407 最適位相切替部
408 最適位相記憶部
701 転置型遅延方向可変FIRフィルタ部
702 転置型用加算部
703 出力信号切替部
801 信号遅延部
802 遅延信号切替部
1001 処理時間調整用遅延部
1002 多重分離部
1003 選択部
1004 乗算部
1005 最大位相検出部
1006 判定位相決定部
1101 L分岐部
1102 多入力最適判定位相決定部
1103 多入力選択部
1201 1:2多重分離部
1202 4L分岐部
1203 遅延部
1204 加算部
1301 2系統入力最適判定位相決定部
1302 2系統入力判定部
1401 ディジタル直交検波部

Claims (26)

  1. ベースバンドディジタル変調信号をM倍(M:2以上の偶数)オーバーサンプリングするA/D変換部と、前記A/D変換部の出力信号を入力し、タップ係数が偶対称である2Nタップ(N:自然数)の有限インパルスレスポンス列との畳み込み演算を入力信号の方向を切替えて行う遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部と、前記遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の出力信号から最適な位相を示す信号と前記遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の信号方向を切替える信号を出力する最適判定位相決定部と、前記遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の出力信号と前記最適判定位相決定部の最適な位相を示す出力信号から信号を判定する判定部とを有するディジタル信号受信装置。
  2. 最適判定位相決定部は、位相判定を行う信号を遅延検波する遅延検波部と、前記遅延検波部から前記位相判定を行う信号の変調成分を除去する変調成分除去部と、前記変調成分除去部の出力信号を位相毎に累積する各位相累積部と、前記各位相累積部で前記各位相の累積値が最大値となる位相と累積値を求める最大値および最適位相検出部と、累積値の最大値を記憶する最大累積値記憶部と、前記最大累積値記憶部に記憶されている累積値と前記最大値および最適位相検出部から出力される累積値を比較する比較部と、前記比較部により最適と判定された位相を記憶する最適位相記憶部と、前記最適位相記憶部に記憶されている最適位相と前記最大値および最適位相検出部から出力される位相を前記比較部の出力により切り替え、判定部と前記最適位相記憶部に信号を出力する最適位相切替部とを有する請求項1記載のディジタル信号受信装置。
  3. 最適判定位相決定部は、位相判定を行う信号を遅延検波する遅延検波部と、前記遅延検波部から前記位相判定を行う信号の変調成分を除去する変調成分除去部と、前記変調成分除去部の出力信号を位相毎に累積する各位相累積部と、前記各位相累積部で前記各位相の累積値が最大値となる位相と累積値を求める最大値および最適位相検出部と、遅延検波後に変調成分を除去した信号と最大値および最適位相検出部の出力信号のタイミングを調整する処理時間調整用遅延部と、前記処理時間調整用遅延部の出力信号を多重分離化する多重分離部と、前記多重分離部の出力信号と前記最大値および最適位相検出部の出力信号から累積値が最大となる位相の多重分離化された信号を選択する選択部と、前記選択部の出力信号を予め記憶した3つの位相を係数とする3個の乗算部と、前記乗算部からの出力信号を累積し、最大値となる位相を検出する最大位相検出部と、前記最大位相検出部の出力信号と前記最大値および最適位相検出部の出力信号から最適な判定位相を行う判定位相決定部とを有する請求項1記載のディジタル信号受信装置。
  4. 最適判定位相決定部は、最大位相検出部の出力信号が信号を判定する最適な位相の隣り合う位相である場合は、遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の信号の入力方向を切替える請求項3記載のディジタル信号受信装置。
  5. 最適判定位相決定部は、位相判定を行う信号が既知の変調信号の系列である場合に、遅延検波部の出力信号を各位相累積部に入力する請求項2ないし4のいずれか記載のディジタル信号受信装置。
  6. ベースバンドディジタル変調信号をM/L倍オーバーサンプリングするA/D変換部と、前記A/D変換部の出力信号をL個に分岐するL分岐部と、前記L分岐部の出力信号を入力としタップ係数が偶対称である2Nタップ(N:自然数)の有限インパルスレスポンス列との畳み込み演算を入力信号の方向を切替えて行うL個並列配置のNタップの遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部と、前記遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部のL個の出力信号から最適な判定位相を決定する多入力最適判定位相決定部と、前記遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部のL個の出力信号と前記多入力最適判定位相決定部の出力信号から最適な判定位相の信号を選択する多入力選択部と、前記多入力選択部から信号を判定する判定部とを有するディジタル信号受信装置。
  7. ベースバンドディジタル変調信号をM/L倍オーバーサンプリングするA/D変換部と、前記A/D変換部の出力信号を2つの信号に多重分離化する1:2多重分離部と、前記1:2多重分離部の出力信号をそれぞれ2L個に分岐する4L分岐部と、前記4L分岐部の4L個の出力信号からL個の信号を前記A/D変換部のサンプリング周期の2周期分遅延させるL個の遅延部と、前記4L分岐部と前記遅延部の出力信号を入力するタップ係数が2L種類であるN/2タップの遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部を4L個並列に配置したタップ係数が偶対称であるNタップ(N:自然数かつ偶数)の有限インパルスレスポンス列との畳み込み演算を入力信号の方向を切替えて行う4L並列配置のN/2タップの遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部と、前記遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の出力信号を加算する2L個の加算部と、前記加算部の2L個の出力信号から最適な位相判定を決定する多入力最適位相判定決定部と、前記多入力最適位相判定決定部の出力信号と、2L個の前記加算部の出力信号から最適な位相の信号を選択する多入力選択部と前記多入力選択部から信号を判定する判定部とを有するディジタル信号受信装置。
  8. 多入力最適判定位相決定部は、L個若しくは2L個の位相判定を行う信号を遅延検波するL個若しくは2L個の遅延検波部と、前記遅延検波部の出力信号から変調成分を除去するL個若しくは2L個の変調成分除去部と、前記変調成分除去部のL個若しくは2L個の出力信号を位相毎に累積する各位相累積部と、前記各位相累積部で前記各位相の累積値が最大値となる位相と累積値を求める最大値および最適位相検出部と、累積値の最大値を記憶する最大累積値記憶部と、前記最大累積値記憶部に記憶されている累積値と前記最大値および最適位相検出部から出力される累積値を比較する比較部と、前記比較部により最適と判定された最適位相を記憶する最適位相記憶部と、前記最適位相記憶部に記憶されている最適位相と前記最大値および最適位相検出部から出力される最適位相を前記比較部の出力により切り替え、判定部と前記最適位相記憶部に信号を出力する最適位相切替部とを有する請求項6又は7記載のディジタル信号受信装置。
  9. 多入力最適判定位相決定部は、L個若しくは2L個の位相判定を行う信号を遅延検波するL個若しくは2L個の遅延検波部と、前記遅延検波部の出力信号から変調成分を除去するL個若しくは2L個の変調成分除去部と、前記変調成分除去部のL個若しくは2L個の出力信号を位相毎に累積する各位相累積部と、前記各位相累積部で前記各位相の累積値が最大値となる位相と累積値を求める最大値および最適位相検出部と、遅延検波後に変調成分を除去した信号と最大値および最適位相検出部の出力信号のタイミングを調整する処理時間調整用遅延部と、前記処理時間調整用遅延部の出力信号を多重分離化する多重分離部と、前記多重分離部の出力信号と前記最大値および最適位相検出部の出力信号から累積値が最大となる位相の多重分離化された信号を選択する選択部と、前記選択部の出力信号を予め記憶した3つの位相を係数とする3個の乗算部と、前記乗算部からの出力信号を累積し、最大値となる位相を検出する最大位相検出部と、前記最大位相検出部の出力信号と前記最大値および最適位相検出部の出力信号から最適な判定位相を行う判定位相決定部とを有する請求項6又は7記載のディジタル信号受信装置。
  10. 多入力最適判定位相決定部は、最大位相検出部の出力信号が信号を判定する最適な位相に隣り合う位相である場合は、遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の信号の入力方向を切替える請求項9記載のディジタル信号受信装置。
  11. 多入力最適判定位相決定部は、L個若しくは2L個の位相判定を行う信号が既知の変調信号の系列である場合に、遅延検波部の出力信号を各位相累積部に入力する請求項8ないし10のいずれか記載のディジタル信号受信装置。
  12. 入力信号が同相成分と直交成分であり、2つのA/D変換部と、前記A/D変換部の出力信号を入力し、タップ係数が偶対称である2Nタップ(N:自然数)の有限インパルスレスポンス列との畳み込み演算を入力信号の方向を切替えて行う2系統の遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部と、前記遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の2つの出力信号を入力し、最適な位相判定を行う2系統入力最適判定位相決定部と、前記遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の出力信号と前記2系統入力最適判定位相決定部の出力信号から信号を判定する2系統入力判定部とを有するディジタル信号受信装置。
  13. 入力信号がIF(中間周波数帯)信号であり、前記IF信号を入力するA/D変換部と、前記A/D変換部の出力信号を入力し、直行検波を行なうディジタル直交検波部と、前記ディジタル直交検波部の出力信号を入力し、タップ係数が偶対称である2Nタップ(N:自然数)の有限インパルスレスポンス列との畳み込み演算を入力信号の方向を切替えて行い、同相および直交成分をフィルタリングする2系統の遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部と、前記遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の出力信号から最適な位相判定を行う2系統入力最適判定位相決定部と、前記有限インパルスレスポンスフィルタ部の出力信号と前記2系統入力最適判定位相決定部の出力信号から信号判定を行う2系統入力判定部とを有するディジタル信号受信装置。
  14. 2系統入力最適判定位相決定部は、直交成分信号と同相成分信号を個別に遅延検波する2系統入力遅延検波部と、前記2系統入力遅延検波部の2つの出力信号から変調成分を除去する2系統入力変調成分除去部と、前記2系統入力変調成分除去部の出力信号を位相毎に累積する各位相累積部と、前記各位相累積部で前記各位相の累積値が最大値となる位相と累積値を求める最大値および最適位相検出部と、累積値の最大値を記憶する最大累積値記憶部と、前記最大累積値記憶部に記憶されている累積値と前記最大値および最適位相検出部から出力される累積値を比較する比較部と、前記比較部により最適と判定された最適位相を記憶する最適位相記憶部と、前記最適位相記憶部に記憶されている最適位相と前記最大値および最適位相検出部から出力される最適位相を前記比較部の出力により切り替え、判定部と前記最適位相記憶部に信号を出力する最適位相切替部とを有する請求項12又は13記載のディジタル信号受信装置。
  15. 2系統入力最適判定位相決定部は、直交成分信号と同相成分信号を個別に遅延検波する2系統入力遅延検波部と、前記2系統入力遅延検波部の出力信号から変調成分を除去する2系統入力変調成分除去部と、前記2系統入力変調成分除去部の2つの出力信号を位相毎に累積する各位相累積部と、前記各位相累積部で前記各位相の累積値が最大値となる位相と累積値を求める最大値および最適位相検出部と、遅延検波後に変調成分を除去した信号と最大値および最適位相検出部の出力信号のタイミングを調整する処理時間調整用遅延部と、前記処理時間調整用遅延部の出力信号を多重分離化する多重分離部と、前記多重分離部の出力信号と前記最大値および最適位相検出部の出力信号から累積値が最大となる位相の多重分離化された信号を選択する選択部と、前記選択部の出力信号を予め記憶した3つの位相を係数とする3個の乗算部と、前記乗算部からの出力信号を累積し、最大値となる位相を検出する最大位相検出部と、前記最大位相検出部の出力信号と前記最大値および最適位相検出部の出力信号から最適な判定位相を行う判定位相決定部とを有する請求項12又は13記載のディジタル信号受信装置。
  16. 2系統入力最適判定位相決定部は、最大位相検出部の出力信号が信号を判定する最適な位相の隣り合う位相である場合は、遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の信号の遅延方向を切替える請求項15記載のディジタル信号受信装置。
  17. 2系統入力最適判定位相決定部は、直交成分信号と同相成分信号が既知の変調信号の系列である場合に、2系統入力遅延検波部の出力信号を各位相累積部に入力する請求項14ないし16のいずれか記載のディジタル信号受信装置。
  18. 遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部は、A/D変換部の出力信号を入力し、前記A/D変換部の出力信号を順方向に遅延する(N−1)個の遅延素子から構成される順方向遅延部と、逆方向に遅延する(N−1)個の遅延素子から構成される逆方向遅延部と、前記順方向遅延部と前記逆方向遅延部の出力信号を最適判定位相決定部の出力により切り替えを行う切替部と、前記切替部からの出力信号にタップ係数を乗ずるN個のタップ係数乗算部と、前記タップ係数乗算部からの出力を全て加算する加算部とから構成される請求項1ないし6,8ないし17のいずれか記載のディジタル信号受信装置。
  19. 遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部は、逆方向遅延部に入力するA/D変換部の出力信号を予め決められた時間遅延する信号遅延部と、前記信号遅延部の出力信号と前記A/D変換部の出力信号を切替える遅延信号切替部とを有する請求項18記載のディジタル信号受信装置。
  20. 遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部は、A/D変換部の出力信号にタップ係数を乗ずるN個のタップ係数乗算部と、前記タップ係数乗算部の出力信号とN個の切替部の出力信号を加算するN個の加算部と、順方向遅延部の出力信号と逆方向遅延部の出力信号を最適判定位相決定部の出力信号により切替える切替部と、前記加算部の出力信号を順方向に遅延する(N−1)個の遅延素子から構成される順方向遅延部と、前記加算部の出力信号を逆方向に遅延する(N−1)個の遅延素子から構成される逆方向遅延部と、先頭のタップ係数に対応する前記加算部の出力信号と最後尾のタップ係数に対応する前記加算部の出力信号を前記最適判定位相決定部の出力信号により切替える信号方向切替部とを有する請求項1ないし6、8ないし17のいずれか記載のディジタル信号受信装置。
  21. 遅延方向可変有限インパルスレスポンスフィルタ部の切替部は、予め決められた信号が繰り返す毎に信号の入力方向を切替える請求項18又は20記載のディジタル信号受信装置。
  22. A/D変換部に入力される信号フォーマットは、情報信号と最適な位相決定に用いる同期用信号を交互に配置する請求項1ないし21のいずれか記載のディジタル信号受信装置。
  23. A/D変換部に入力される信号フォーマットは、同期用信号をH回(H:自然数)繰り返す請求項22記載のディジタル信号受信装置。
  24. A/D変換部に入力される信号フォーマットは、同期用信号の送信後に前記同期用信号と同一時間経過後に情報信号とする請求項22又は23記載のディジタル信号受信装置。
  25. A/D変換部に入力される信号フォーマットは、切替部が信号を切替える間はヌル信号とする請求項22ないし24のいずれか記載のディジタル信号受信装置。
  26. A/D変換部に入力される信号フォーマットは、同期用信号が既知の変調信号であって、信号間距離が最大となる点である請求項22ないし25のいずれか記載のディジタル信号受信装置。
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