JP3900632B2 - 高分子固体電解質 - Google Patents
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子固体電解質に関し、この高分子固体電解質は二次電池や燃料電池等の電解質など広範な用途に使用される。
【0002】
【従来の技術】
電気化学デバイス材料、その中でも特に電池に関して、固体電解質を使用すると、液漏れが無くなり、電池の信頼性が向上するとともに、電池の薄型化、積層化が可能となる。そこで、固体電解質として種々の化合物が提案されている。無機材料からなる固体電解質は、比較的イオン導電性は高いが、結晶体であるため、機械強度が乏しく、可撓性に欠ける。一方、有機電解質は可撓性のある膜に成形する事が可能であるため、特に薄型電池の固体電解質材料として有望視されている。例えばポリエチレンオキサイドとLi,Na塩の複合体が高いアルカリ金属イオン導電性を示すことが知られている。しかし、この複合体は結晶性であるため、60℃以下の低温では導電率が低下するため、室温における電池の材料としては不十分である。
【0003】
室温で高い導電性を示す材料系としては、AlCl4 - を対イオンとするイミダゾリウム塩やピリジニウム塩が室温溶融塩を形成することは古くから知られているが、この対イオンがBF4 - や(CF3 SO2 )2 N- 、さらに(CF3 SO2 )3 C- などでも室温溶融塩を形成することが見いだされている(J.Electrochem.Soc.,142,L116(1995), J.Electrochem.Soc.,141,L73(1994)及びJ.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1992,965)。これらの室温溶融塩はリチウム二次電池に用いられるようなリチウム塩に対する溶解性も高く、例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロモレート(ImBF4 )は、LiBF4 及びLiPF6 などのリチウム塩を高濃度まで溶解し、30℃での導電度が2×10-2Scm-1と高いことが知られている(電気化学会第64回大会講演要旨集、横浜、p.13(1997))。
【0004】
しかし、これは溶融塩であるため、先に記した様に、電池の液漏れ防止には不十分であり、電気化学素子を形成する材料を劣化させるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の様に、従来提案されてきた電解質は、固体電解質の場合は、液漏れを防止できるが、イオン導電性が不十分であり、溶融塩電解質の場合は、イオン導電性は高いが、液漏れを抑制することができなかった。そのため電気化学素子の薄型化、積層化が可能な液漏れのない固体で、高いイオン導電性を有する固体電解質の開発が望まれていた。
【0006】
本願発明は、高いイオン導電性を有すると共に、電気化学素子を形成する材料を劣化させず、電気化学素子の薄型化、積層化が可能な液漏れのない固体電解質を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、固体電解質について鋭意検討した結果、ポリビニルイミダゾリニウム化合物及び金属塩が高いイオン導電性を示す固体電解質であるという新規な事実を見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、ポリビニルイミダゾリニウム化合物及び金属塩からなることを特徴とする高分子固体電解質である。
【0009】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0010】
本発明の高分子固体電解質において使用されるポリビニルイミダゾリニウム化合物は、以下の化式2で示される化合物である
【0011】
【化2】
【0012】
(nは2以上の整数を、R1 、R2 は炭素数1〜4のアルキル基を、R3 は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)。
【0013】
アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、セカンダリーブチル、ターシャリーブチル基が例示される。
【0014】
ポリビニルイミダゾリニウム化合物は架橋していても良いし、架橋していなくても良い。またポリビニルイミダゾリニウム化合物は他のモノマーとの共重合体でも良い。
【0015】
本発明の高分子固体電解質に用いるポリビニルイミダゾリニウムの対イオンの例としては、カルボン酸イオン、リン酸、ホウ酸、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物、ホウフッ酸、過塩素酸、フッ化リン酸イオンなどが挙げられるが、これらの中で特に好ましいのは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンである。
【0016】
本発明の高分子固体電解質に用いる金属塩としては、リチウム二次電池用には、LiClO4 、LiPF6 及びLiBF4 などのリチウム塩、その他の金属を使用する電池用には、例えば、AlCl3 ,AlBr3 又はAlI3 などが好ましい。
【0017】
金属塩の量は、ポリビニルイミダゾリニウム化合物の種類及び使用する金属塩により異なるため、規定することは困難であるが、イミダゾリニウム塩1に対し、0.3〜0.9とする事が好ましい。この範囲外だとイオン導電性、成膜性が低下する。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を実施例にて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】
実施例1
ポリアクリロニトリル(平均分子量8万6千)240g,エチレンジアミン1200g,酢酸144gを2Lのフラスコに入れ、窒素置換した後、昇温を開始した。90℃で12時間加熱した後、これを冷却し、粘調な赤色溶液を取り出し、アセトン中に注ぐと、淡黄色の固体となった。これを乾燥すると一部が架橋した575gの淡黄色のポリビニルイミダゾリン粉末が得られた。これを塩化メチルと反応させ、塩化ポリビニルジメチルイミダゾリニウムを得た。この塩化ポリビニルジメチルイミダゾリニウム16gをエタノールに溶かし、これに塩化アルミニウム13gを少しずつ加えた。この溶液からエタノールを除去して、塩化ポリビニルジメチルイミダゾリニウム−AlCl3 膜を得ることができた。この膜は淡黄色で柔軟性のある膜であった。このイオン導電率を測定したところ、30℃で0.2mS/cmとなった。
【0020】
実施例2
実施例1の塩化アルミニウムの代わりにLiPF6 13gを使用する以外は、実施例1と同様の操作を実施したところ、塩化ポリビニルジメチルイミダゾリニウム−LiPF6 膜を得ることができた。この膜は淡黄色で柔軟性のある膜であった。このイオン導電率を測定したところ、30℃で0.3mS/cmとなった。
【0021】
【発明の効果】
本発明は高分子固体電解質は、液漏れがなく、高い導電率を示し、電気化学素子を形成する材料を劣化させず、電気化学素子の薄型化、積層化が可能な液漏れのない固体電解質であり、今後薄膜型Li二次電池用等の固体電解質として使用されることが期待される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子固体電解質に関し、この高分子固体電解質は二次電池や燃料電池等の電解質など広範な用途に使用される。
【0002】
【従来の技術】
電気化学デバイス材料、その中でも特に電池に関して、固体電解質を使用すると、液漏れが無くなり、電池の信頼性が向上するとともに、電池の薄型化、積層化が可能となる。そこで、固体電解質として種々の化合物が提案されている。無機材料からなる固体電解質は、比較的イオン導電性は高いが、結晶体であるため、機械強度が乏しく、可撓性に欠ける。一方、有機電解質は可撓性のある膜に成形する事が可能であるため、特に薄型電池の固体電解質材料として有望視されている。例えばポリエチレンオキサイドとLi,Na塩の複合体が高いアルカリ金属イオン導電性を示すことが知られている。しかし、この複合体は結晶性であるため、60℃以下の低温では導電率が低下するため、室温における電池の材料としては不十分である。
【0003】
室温で高い導電性を示す材料系としては、AlCl4 - を対イオンとするイミダゾリウム塩やピリジニウム塩が室温溶融塩を形成することは古くから知られているが、この対イオンがBF4 - や(CF3 SO2 )2 N- 、さらに(CF3 SO2 )3 C- などでも室温溶融塩を形成することが見いだされている(J.Electrochem.Soc.,142,L116(1995), J.Electrochem.Soc.,141,L73(1994)及びJ.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1992,965)。これらの室温溶融塩はリチウム二次電池に用いられるようなリチウム塩に対する溶解性も高く、例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロモレート(ImBF4 )は、LiBF4 及びLiPF6 などのリチウム塩を高濃度まで溶解し、30℃での導電度が2×10-2Scm-1と高いことが知られている(電気化学会第64回大会講演要旨集、横浜、p.13(1997))。
【0004】
しかし、これは溶融塩であるため、先に記した様に、電池の液漏れ防止には不十分であり、電気化学素子を形成する材料を劣化させるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の様に、従来提案されてきた電解質は、固体電解質の場合は、液漏れを防止できるが、イオン導電性が不十分であり、溶融塩電解質の場合は、イオン導電性は高いが、液漏れを抑制することができなかった。そのため電気化学素子の薄型化、積層化が可能な液漏れのない固体で、高いイオン導電性を有する固体電解質の開発が望まれていた。
【0006】
本願発明は、高いイオン導電性を有すると共に、電気化学素子を形成する材料を劣化させず、電気化学素子の薄型化、積層化が可能な液漏れのない固体電解質を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、固体電解質について鋭意検討した結果、ポリビニルイミダゾリニウム化合物及び金属塩が高いイオン導電性を示す固体電解質であるという新規な事実を見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、ポリビニルイミダゾリニウム化合物及び金属塩からなることを特徴とする高分子固体電解質である。
【0009】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0010】
本発明の高分子固体電解質において使用されるポリビニルイミダゾリニウム化合物は、以下の化式2で示される化合物である
【0011】
【化2】
【0012】
(nは2以上の整数を、R1 、R2 は炭素数1〜4のアルキル基を、R3 は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)。
【0013】
アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、セカンダリーブチル、ターシャリーブチル基が例示される。
【0014】
ポリビニルイミダゾリニウム化合物は架橋していても良いし、架橋していなくても良い。またポリビニルイミダゾリニウム化合物は他のモノマーとの共重合体でも良い。
【0015】
本発明の高分子固体電解質に用いるポリビニルイミダゾリニウムの対イオンの例としては、カルボン酸イオン、リン酸、ホウ酸、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物、ホウフッ酸、過塩素酸、フッ化リン酸イオンなどが挙げられるが、これらの中で特に好ましいのは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンである。
【0016】
本発明の高分子固体電解質に用いる金属塩としては、リチウム二次電池用には、LiClO4 、LiPF6 及びLiBF4 などのリチウム塩、その他の金属を使用する電池用には、例えば、AlCl3 ,AlBr3 又はAlI3 などが好ましい。
【0017】
金属塩の量は、ポリビニルイミダゾリニウム化合物の種類及び使用する金属塩により異なるため、規定することは困難であるが、イミダゾリニウム塩1に対し、0.3〜0.9とする事が好ましい。この範囲外だとイオン導電性、成膜性が低下する。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を実施例にて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】
実施例1
ポリアクリロニトリル(平均分子量8万6千)240g,エチレンジアミン1200g,酢酸144gを2Lのフラスコに入れ、窒素置換した後、昇温を開始した。90℃で12時間加熱した後、これを冷却し、粘調な赤色溶液を取り出し、アセトン中に注ぐと、淡黄色の固体となった。これを乾燥すると一部が架橋した575gの淡黄色のポリビニルイミダゾリン粉末が得られた。これを塩化メチルと反応させ、塩化ポリビニルジメチルイミダゾリニウムを得た。この塩化ポリビニルジメチルイミダゾリニウム16gをエタノールに溶かし、これに塩化アルミニウム13gを少しずつ加えた。この溶液からエタノールを除去して、塩化ポリビニルジメチルイミダゾリニウム−AlCl3 膜を得ることができた。この膜は淡黄色で柔軟性のある膜であった。このイオン導電率を測定したところ、30℃で0.2mS/cmとなった。
【0020】
実施例2
実施例1の塩化アルミニウムの代わりにLiPF6 13gを使用する以外は、実施例1と同様の操作を実施したところ、塩化ポリビニルジメチルイミダゾリニウム−LiPF6 膜を得ることができた。この膜は淡黄色で柔軟性のある膜であった。このイオン導電率を測定したところ、30℃で0.3mS/cmとなった。
【0021】
【発明の効果】
本発明は高分子固体電解質は、液漏れがなく、高い導電率を示し、電気化学素子を形成する材料を劣化させず、電気化学素子の薄型化、積層化が可能な液漏れのない固体電解質であり、今後薄膜型Li二次電池用等の固体電解質として使用されることが期待される。
Claims (4)
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33976897A JP3900632B2 (ja) | 1997-12-10 | 1997-12-10 | 高分子固体電解質 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33976897A JP3900632B2 (ja) | 1997-12-10 | 1997-12-10 | 高分子固体電解質 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11176237A JPH11176237A (ja) | 1999-07-02 |
| JP3900632B2 true JP3900632B2 (ja) | 2007-04-04 |
Family
ID=18330630
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33976897A Expired - Fee Related JP3900632B2 (ja) | 1997-12-10 | 1997-12-10 | 高分子固体電解質 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3900632B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE10214873A1 (de) * | 2002-04-04 | 2003-10-16 | Creavis Tech & Innovation Gmbh | Neue kationische Polymere mit Amidinium-Gruppen und deren Verwendung |
| DE10214872A1 (de) * | 2002-04-04 | 2003-10-16 | Creavis Tech & Innovation Gmbh | Zusammensetzungen aus kationischen Polymeren mit Amidinium-Gruppen und ionischen Flüssigkeiten |
| JP4273803B2 (ja) * | 2003-03-28 | 2009-06-03 | 住友ベークライト株式会社 | 高分子固体電解質 |
| CN112239515B (zh) * | 2019-07-16 | 2022-01-28 | 天津大学 | 一种含烷基链的咪唑类磁性离子液体及其制备方法和应用 |
| CN112239516B (zh) * | 2019-07-16 | 2022-03-01 | 天津大学 | 一种含烷基链的咪唑类磁性聚合物及其制备方法和在电磁材料中的应用 |
-
1997
- 1997-12-10 JP JP33976897A patent/JP3900632B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH11176237A (ja) | 1999-07-02 |
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