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JP3901380B2 - 帯電部材及び帯電装置 - Google Patents
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JP3901380B2 - 帯電部材及び帯電装置 - Google Patents

帯電部材及び帯電装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター等における静電潜像プロセスで、感光体等の被帯電体を帯電させる場合に好適に用いられる帯電部材及び帯電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンター等の電子写真装置では、まず、感光体の表面を一様に帯電させ、この感光体に光学系から映像を投射して、光の当たった部分の帯電を消去することによって潜像を形成する静電潜像プロセスにより静電潜像を得、次いで、トナーの付着によるトナー像の形成、紙等の記録媒体へのトナー像の転写により、プリントする方法がとられている。
【0003】
この場合、最初の感光体を帯電させる操作は、コロナ放電方式が一般的に採用されてきた。しかしながら、このコロナ放電方式は6〜10kVもの高電圧印加が必要とされるため、機械の安全保守の観点から好ましくないものである。また、コロナ放電中にオゾン、NOx等の有害物質が発生するため、環境上の問題もある。
【0004】
このため、コロナ放電に比べて低い印加電圧で帯電を行うことができ、かつ、オゾン等の有害物質の発生を抑制することができる帯電方式への取り組みがなされており、新たな帯電方式として、電圧を印加した帯電用部材を感光体等の被帯電体に所定の圧力で接触させることにより、被帯電体を帯電させる接触方式による方法が提案されている。
【0005】
この場合、この接触帯電方式で使用される帯電部材としては、例えば、ゴムやウレタンフォーム等の弾性層の表面に、アクリル、ウレタン、ナイロン等の樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液をディッピング法やスプレー法などにより塗布して、表面に塗膜層を形成したものが知られているが、最近の帯電部材では、感光体等の被帯電体との摩擦が少なく(以下、単に「低摩擦性」という)、かつ残留トナーが付着しにくいこと(以下、単に「トナー付着性」という)が重要な特性として要求されるようになってきており、このような特性を得るために被帯電体と接触する表面層を、フッ素系樹脂を添加した樹脂で形成することが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、表面層を、フッ素樹脂を添加した樹脂で形成した場合、上記低摩擦性及びトナー付着性に優れるものの、被帯電体に当接させた際に表面層が割れてしまったり、1箇所が被帯電体に長期間当接したままの状態になった場合、その当接箇所が変形してしまうなど、その耐久性に劣るという欠点がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、低摩擦性及びトナー付着性に優れ、しかも表面層の割れや変形といった不都合の発生を可及的に防止して、優れた耐久性を発揮することができる帯電部材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、帯電部材を被帯電体に当接させ、帯電部材と被帯電体との間に電圧を印加することにより、被帯電体を所望の帯電電位に帯電させる場合に、上記帯電部材の表面層を、フッ素系又はシリコン系の第1ブロックとフッ素及びシリコンのいずれをも含まない第2ブロックとを有するフッ素系ブロック共重合体又はシリコン系ブロック共重合体からなる添加剤をウレタン変性アクリル樹脂からなるバインダーに添加して形成することにより、表面層の割れや変形といった不都合の発生を可及的に防止して優れた耐久性を達成し得ると共に、優れた低摩擦性及びトナー付着性をも得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0009】
従って、本発明は、被帯電体に当接させて、この被帯電体との間に電圧を印加することにより、被帯電体を帯電させる帯電部材において、少なくとも上記被帯電体と接触する部材表面が、フッ素系又はシリコン系の第1ブロックとフッ素及びシリコンのいずれをも含まない第2ブロックとを有するフッ素系ブロック共重合体又はシリコン系ブロック共重合体からなる添加剤をウレタン変性アクリル樹脂からなるバインダーに添加してなる表面層で形成されていることを特徴とする帯電部材、及び、
被帯電体に当接し、該被帯電体を帯電させる帯電部材と、被帯電体と帯電部材との間に電圧を印加する電圧印加手段とを具備してなる帯電装置において、帯電部材として上記本発明の帯電部材を用いたことを特徴とする帯電装置を提供するものである。
【0010】
ここで、フッ素系又はシリコン系の第1ブロックとフッ素及びシリコンのいずれをも含まない第2ブロックとを有するフッ素系ブロック共重合体又はシリコン系ブロック共重合体からなる添加剤を添加することにより、良好な低摩擦性及びトナー付着性に加えて優れた耐久性をも得られる詳細な機構については必ずしも明らかではないが、フッ素及びシリコンのいずれをも含まない上記第2ブロック部分によりゴムや樹脂等のバインダーとの相溶性及び分散性が著しく向上して良好な耐久性が達成され、かつ上記第1ブロック中のフッ素やシリコンにより良好な低摩擦性及びトナー付着性が得られるものと推察される。
【0011】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の帯電部材は、上述のように、バインダーにフッ素系又はシリコン系の第1ブロックとフッ素及びシリコンのいずれをも含まない第2ブロックとを有するフッ素系ブロック共重合体又はシリコン系ブロック共重合体からなる添加剤を添加して表面層を形成したものである。
【0012】
上記表面層を形成するバインダー成分としては、上記添加剤との相溶性の観点からウレタン変性アクリル樹脂が用いられる。
【0013】
このバインダー樹脂に添加される上記添加剤は、上述のように、フッ素系又はシリコン系の第1ブロックとフッ素及びシリコンのいずれをも含まない第2ブロックとを有するフッ素系ブロック共重合体又はシリコン系ブロック共重合体である。
【0014】
上記第1ブロックのフッ素系又はシリコン系ブロックとは、フッ素又はシリコンを含む単量体の1種又は2種以上の重合体からなるブロックであり、フッ素を含む単量体としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、
CF3CH2CH2OCOCH=CH2
CF3(CF25CH2CH2OCOCH=CH2
CF3(CF2)7CH2CH2OCOCH=CH2
(CF32CF(CF26(CH23OCOCH=CH2
CF3(CF23CH2CH2OCOC(CH3)=CH2
CF3(CF24C(CH3)HOCOC(CH3)=CH2
CF3(CF27CH2CH2OCOC(CH3)=CH2
(CF32CF(CF210(CH23OCOC(CH3)=CH2
H(CF28CH2OCOCH=CH2
H(CF24CH2OCOCH=CH2
H(CF22OCH2CH2OCOCH=CH2
H(CF26C(C25)OCOC(CH3)=CH2
H (CF26CH2OCOC(CH3)=CH2
CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOCH=CH2
CF3(CF27SO2N(CH3)(CH24OCOCH=CH2
CF3(CH2)OCH2CH2OCOCH=CH2
CF3(CH2)OCOCH=CH2
CF3(CF24CH2CH2OCOC(CH3)=CH2
25SO2N(C37)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2
25(CH2CH2O)2CH2OCOCH=CH2
(CF32CFO(CH25OCOCH=CH2
CF3(CF24OCH2CH2OCOC(CH3)=CH2
25CON(C25)CH2OCOCH=CH2
25SO2N(C25)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2
H(CF28CH2OCOCH=CH2
25SO2N(C25)C(C25)HCH2OCOCH=CH2
CF3(CF27SO2N(CH3)(CH210OCOCH=CH2
CF3(CF22SO2N(C25)C(CH2CH3)HCH2OCOCH=CH2
CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2
CF3(CF22SO2N(C25)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2
CF3(CF22SO2N(C37)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2
CF3(CF27SO2N(CH3)(CH24OCOCH=CH2
CF3(CF27SO2N(CH3)(CH210OCOCH=CH2
25CON(C25)CH2OCOCH=CH2
CF3(CF22CON(CH3)CH(CH3)CH2OCOCH=CH2
CF3(CF27CON(CH2CH2CH3)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2
715CON(C25)CH2OCOC(CH3)=CH2
(CF32CF(CH28CH2CH(OH)CH2COCH=CH2
(CF32CF(CH28CH2CH(OH)CH2COC(CH3)=CH2
(CF33CF(CH26CH2CH(OCOCH3)CH2COCH=CH2
(CF32CF(CF26CH2CH(OCOCH3)CH2COC(CH3)=CH2
【化1】
Figure 0003901380
等が挙げられる。
【0015】
また、シリコンを含む単量体としては、(CH33SiCl、(CH32SiCl2、(CH3)SiCl3、(CH3)HSiCl2、(C652SiCl2、C65Si(CH3)Cl2、C65SiCl3、(CH3)(CH2=CH)SiCl2等が挙げられる。
【0016】
この第1ブロックとして具体的には、下記式(1)で示される化合物などのビニル型単量体から得られる含フッ素ビニルエーテル共重合体、又は下記式(2),(3)で示される化合物のようなアゾ結合、ペルオキシ結合を有するポリマーと下記式(1)で示されるビニル型単量体とを共重合して得られる含フッ素ブロック共重合体などが挙げられる。
【化2】
Figure 0003901380
【0017】
一方、第2ブロックは、フッ素及びシリコンのいずれも含まない単量体の1種又は2種以上の重合体からなるブロックであり、その単量体として具体的には、(メタ)アクリル酸〔「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸」と「メタクリル酸」との総称、以下同じ〕、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボン酸含有ビニル単量体;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール等の水酸基含有ビニル単量;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン等のアミド基含有ビニル単量体;(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコールエステル等の(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールのエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;(メタ)アクリル酸−N,N−ジメチルアミノエステル等の第三級アミノ基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルメチルアンモニウムクロライド等の(メタ)アクリル酸から誘導される第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0018】
この第2ブロックとして具体的には、アクリル−メタクリル共重合体や上記式(2),(3)で示される化合物のようなアゾ結合,ペルオキシ結合を有するポリマーとアクリル酸メチルとの共重合体などが挙げられる。
【0019】
上記第1ブロックと第2ブロックとの重量比率は、特に制限されるものではないが、第1/第2で5/95〜95/5、特に20/80〜80/20であることが好ましく、この比率を逸脱して第1ブロックの比率が少ないと十分なトナー付着性が得られない場合があり、一方第2ブロックが少ないと十分な耐久性が得られない場合がある。
【0020】
上記第1ブロックと第2ブロックとからなるフッ素系又はシリコン系ブロック共重合体として具体的には、日本油脂社製のモディパーFシリーズ(フッ素系)、モディパーFSシリーズ(シリコン系)などが挙げられる。
【0021】
このフッ素系ブロック共重合体又はシリコン系ブロック共重合体からなる添加剤の添加量は、その種類やバインダーの種類などに応じて適宜選定され、特に制限されるものではないが、通常バインダー100重量部に対して3〜100重量部、特に10〜50重量部とすることが好ましく、添加量が3重量部であると、十分な耐久性と低摩擦性及びトナー付着性とを得ることができない場合があり、一方100重量部を超えるとバインダー樹脂との相溶性が悪くなったり、コスト高となってしまう。
【0022】
この表面層は、上記バインダー及びフッ素系ブロック共重合体又はシリコン系ブロック共重合体からなる添加剤により良好な低摩擦性及びトナー付着性を有するが、更なる低摩擦性及びトナー付着性の向上を目的として、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフルオライド、ポリビニルフルオライド等のフッ素樹脂を添加してもよい。
【0023】
これらフッ素樹脂の添加量は、特に制限されるものではないが、上記バインダー樹脂100重量部に対して10〜150重量部、特に30〜90重量部とすることが好ましく、本発明における表面層では、上記フッ素系ブロック共重合体又はシリコン系ブロック共重合体からなる添加剤がすでに添加されているため、この程度の添加量で極めて優れた低摩擦性及びトナー付着性を得ることができ、かつ良好な耐久性をも得られるものである。
【0024】
また、この表面層には、本発明の目的を逸脱しない範囲であれば、平滑性、成膜性及び耐水性の向上等の目的で必要に応じて上記バインダー及びフッ素系ブロック共重合体又はシリコン系ブロック共重合体からなる添加剤、更に必要に応じて添加される上記フッ素樹脂に加えて、更に他の樹脂を本発明の目的を逸脱しない範囲で配合することもできる。他の樹脂としては、特に制限はないが、その一部を例示すれば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニリデン系共重合体等が挙げられる。
【0025】
また、この表面層には、必要に応じて導電剤を添加して導電性を付与又は調整することができる。導電剤としては、特に制限はなく、各種電子導電剤や各種イオン導電剤を用いることができるが、本発明では特にカーボンを用いることが好ましい。
【0026】
この場合、この表面層に用いられるカーボンとしては、特に制限されるものではないが、酸素含有率が5%以上、特に7%以上、更には9%以上であることが好ましく、かつpHが5以上、特に6以上、更には7以上であることが好ましい。即ち、通常のカーボンの酸素含有率は0.1〜3%程度であり、一部、酸化処理を施したカーボンも存在するが、この酸化処理を施したカーボンは、酸素含有率が若干増加するにつれてpHが酸性側へとシフトしてしまう傾向があり、カーボンが酸性になると水系樹脂(具体的には、水系フッ素樹脂)に添加した場合に安定性が低下するおそれがある。これに対して、本発明に好適に用いられる上記カーボンは、酸素含有率が多いにもかかわらず、中性ないしアルカリ性を維持したものであり、安定的に水系フッ素樹脂に添加し得るものである。このような酸素含有率及びpHを有するカーボンの詳細な構造は明らかではないが、カーボン表面にカルボキシル基、水酸基、ケトン基等の官能基を付け、しかもこれらの官能基が有する水素の一部をナトリウム等のアルカリ金属に置換させたものが好適に使用される。
【0027】
導電剤の添加量は、所望とする抵抗が得られるように適宜調整することができる。この場合、表面層の抵抗は、体積抵抗率103〜1012Ω・cm、特に105〜1010Ω・cmとすることが好ましく、このような体積抵抗率を達成するように導電剤の添加量を調整することができ、導電剤としてカーボンを用いた場合の添加量は、通常、表面層の0.01〜40重量%、特に5〜20重量%程度とされる。
【0028】
また、この表面層には、架橋剤、増粘剤、チクソトロピー性付与剤、構造粘性付与剤等を必要に応じて添加することができる。この場合、架橋剤としては、用いる樹脂に応じて所望の架橋効果を発現し得るものであればいずれのものでもよく、例えば、エポキシ系、オキサゾリン系、メラミン系、イソシアネート系、フェノール系の架橋剤が挙げられ、特にエポキシ系、オキサゾリン系の架橋剤が、架橋効果、低硬度の点から好適に用いられる。架橋剤の添加量は、通常、樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部程度とすることが好ましい。なお、増粘剤、チクソトロピー性付与剤、構造粘性付与剤等は、無機系、有機系を問わず適宜用いることができる。
【0029】
この表面層の厚さは、帯電部材の形態等に応じて設定され、特に制限されるものではないが、例えば後述するロール状の帯電ローラの表面層3であれば、通常1〜15μm、特に3〜5μmとすることができ、1μm未満であると、ローラの耐久性に劣る場合があり、一方15μmを超えると帯電特性に悪影響を与えたり、表面にしわを生じるなど、良好な表面性が得られない場合がある。
【0030】
本発明の帯電部材は、少なくとも上記被帯電体と接触する部材表面が上記表面層で形成されたものであり、その形態はロール状、プレート状、ブロック状、球状、ブラシ状などの適宜な形態とすることができ、特に制限されるものではないが、通常は部材表面に上記表面層を有するロール状の帯電ローラとすることが好ましく、例えば、図1(A)に示したように、シャフト1の外周に弾性層2を形成し、この弾性層2上に上述の表面層3を形成した帯電ローラや、更に図1(B)に示したように、弾性層2と表面層3との間に表面粗度調整層4を設けた帯電ローラとすることができる。
【0031】
上記シャフト1としては、金属或いはプラスチック製のシャフトを用いることができ、また部材の形態や帯電部材が用いられる帯電装置の機構などによってはこのシャフト1を省略することもできる。
【0032】
また、上記弾性層2を形成する弾性体も特に制限されず、被帯電体との良好な接触状態を得ることができる弾性体であればよく、公知のゴム或いは樹脂、又はこれらの発泡体(以下、「フォーム」という)で形成することができる。具体的には、ポリウレタン、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム等を基材ゴムとするゴム組成物が例示されるが、特にポリウレタンが好ましく、より好ましくは発泡倍率が1.5〜50倍のポリウレタンフォームが用いられる。なお、この場合のフォーム密度は、0.05〜0.9g/cm3程度が適当である。
【0033】
上記弾性層2には、導電剤を添加することにより、導電性を付与又は調整して所定の抵抗値とすることができる。その導電剤としては、特に限定されず、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、臭化ベンジル塩、塩化ベンジル塩等のハロゲン化ベンジル塩等の第四級アンモニウム塩などの陽イオン性界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩などの陰イオン界面活性剤、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤などの帯電防止剤、NaClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCN、NaCl等のLi+、Na+、K+等の周期律表第1族の金属塩、あるいはNH4 +の塩などの電解質、また、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等が挙げられる。この場合、これら導電剤の配合量は、組成物の種類に応じて適宜選定され、通常弾性層の体積抵抗率が100〜108Ω・cm、好ましくは102〜106Ω・cmとなるように調整される。
【0034】
なお、この弾性層2の厚さは、部材の形態や大きさ、層構成等に応じて適宜設定され、特に制限されるものではないが、図1(A),(B)に示したようなロール状の帯電部材の場合、通常1〜3.5mm、特に2〜2.9mm程度とすることが好ましい。
【0035】
次に、上記表面粗度調整層4は、発泡体等で形成される上記弾性層2の表面をある程度平滑にし、部材表面の平滑性を向上させるために任意に形成される層であり、有機溶剤系及び水系樹脂を用いて形成される塗膜であるが、特に成膜製、塗膜乾燥時のひび・割れ等の発生が少ない点、更に弾性層を膨潤させるなどの弾性層2への影響が少ない点などから水系樹脂を主材として用いることが好ましい。水系樹脂としては、上記弾性層2上に確実に塗膜を形成することができるものであればいずれのものでもよく特に制限されるものではないが、特にポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等が好適に用いられる。
【0036】
この表面粗度調整層2には、上記水系樹脂を架橋するための架橋剤を添加することができる。架橋剤は、用いられる上記水系樹脂の種類に応じて適宜選定され、所望の架橋効果が得られるものであればよいが、通常は、オキサゾリン系、エポキシ系、メラミン系、グアナミン系、イソシアネート系、フェノール系等の架橋剤が好適に用いられる。なお、架橋剤の添加量は、通常上記架橋対象樹脂100重量部に対して0.1〜50の範囲とされるが、表面粗度調整の目的を逸脱しない限り、50重量部を超えて架橋剤を添加しても差し支えない。
【0037】
また、この表面粗度調整層2には、導電剤を添加して導電性を付与又は調整することができ、通常は体積抵抗率が1×103〜1×1012Ω・cm、特に1×105〜1×1010Ω・cmとなるように抵抗値を調整することが好ましい。この場合、導電剤としては、上記表面層3及び弾性層2で例示したものと同様の導電剤を例示することができるが、中でもカーボンを用いることが好ましく、特に上記表面層3に用いられるカーボンとして示した特定の酸素含有率及びpHを有するカーボンが好ましく用いられる。導電剤の添加量は、導電剤の種類などに応じて上記体積抵抗率が得られるように適宜調節され、特に制限されるものではないが、導電剤としてカーボンを用いる場合には、通常0.01〜40重量%、特に5〜20重量%程度とされる。
【0038】
この表面粗度調整層4には、その目的を逸脱しない範囲で、造膜助剤、顔料分散剤、増粘剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤、構造粘性付与剤等の適宜な添加剤を必要に応じて適量添加することができる。
【0039】
なお、この表面粗度調整層4は、上述のように、水系樹脂を用いて形成することが好ましいが、この水系樹脂以外の樹脂を含有していても差し支えく、また必要に応じてこの表面粗度調整層4を複数層形成することもできる。更に、この表面粗度調整層4の厚さは、特に制限されるものではないが、通常1〜800μm、特に30〜300μm程度とすることが好ましく、1μm未満であると、十分な表面粗度の調製効果が得られない場合があり、一方600μmを超えると、相対的に弾性層の厚みが薄くなってローラ硬度が高くなったり、コスト高となる場合がある。
【0040】
上記表面層3及び上記表面粗度調整層4の形成方法は、特に制限はなく、公知のディピング法、スプレー法、押出成形法などを採用することができるが、通常、各成分を溶剤に溶解又は分散した塗料を調製してディピング法により塗膜を形成する方法が好ましく用いられる。
【0041】
本発明の帯電部材は、上記表面層3の表面、即ち帯電部材の表面に凹凸があると、この凹凸内にトナーが詰まって画像不良の原因となることがあるため、その表面はできるだけ平滑であることが好ましく、特に制限されるものではないが、表面層の表面粗さ、即ち帯電部材の表面粗さは、JIS10点平均粗さRzで4μm以下、特に3μm以下、さらには2μm以下であることが好ましい。この場合、上記表面粗度調整層4を設けることにより、このような良好な平滑性を容易に得ることができる。
【0042】
本発明の帯電部材は、感光ドラム等の被帯電体に当接した状態に配設され、被帯電体と本発明帯電部材との間に電圧を印加することにより、被帯電体を帯電させるものであるが、この場合、帯電部材と被帯電体との間に印加する電圧は、直流電圧であっても交流電圧であってもよく、特に制限されるものではないが、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加して帯電を行うようにすることが好ましく、これにより被帯電体をより均一に帯電させることができる。また、特に制限されるものではないが、本発明の帯電部材と被帯電体との接触圧力は、50〜2000g、特に100〜1000gとすることが好ましく、これにより良好な帯電を確実に得ることができる。
【0043】
本発明帯電部材を用いた帯電装置については、例えば、図2に示したように、本発明の帯電部材5を感光ドラム等の被帯電体6に所定の圧力で当接させ、電圧印加手段6から被帯電体5との間に電圧を印加するように構成した帯電装置を例示することができるが、これに限定されるものではなく、被帯電体6、帯電部材5の形態や電圧印加手段7による電圧印加方式等は適宜変更して差し支えない。
【0044】
【発明の効果】
本発明の帯電部材は、低摩擦性及びトナー付着性に優れ、しかも表面層の割れや変形といった不都合の発生を可及的に防止して、優れた耐久性を発揮することができるものである。
従って、本発明の帯電部材を用いた帯電装置によれば、良好な帯電操作を長期に亘って安定的に行うことができるものである。
【0045】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0046】
[実施例1]
金属性シャフト1の外周に、厚さ3000μmの下記弾性層2を形成し、該弾性層2上に下記組成の塗料Aを塗布して乾燥させることにより、厚さ300μmの表面層3を形成して、図1(A)に示した構造を有する帯電ローラを作成した。得られた帯電ローラの表面粗さはJIS10点平均粗さRzで0.5μmであった。なお、上記塗料Aによる表面層3は体積固有抵抗率を105〜1010Ω・cmに調整した。
【0047】
弾性層2
ポリエステル系ポリオール、イソシアネートにカーボンを添加して調製した密度0.55g/cm3のポリウレタンフォームである。
表面層用塗料Aの組成
ウレタン変性アクリル樹脂 100重量部
(亜細亜工業社製「EAU65B」)
フッ素系ブロック共重合体*1 30重量部
(日本油脂社製「モディパーF600」)
カーボン 40重量部
(御国色素社製「MHI220」)
メチルエチルケトン溶媒 1000重量部
*1:含フッ素ビニルエーテル共重合体の第1ブロックとアクリル−メタクリル共重合体の第2ブロックとからなるブロック共重合体
【0048】
得られた帯電ローラをプリンターに装着して25℃,55%RHの環境下で画像出ししたところ、良好な画像が得られ、更に連続3000枚の画像出しを行って、トナーの付着性を◎、○、○△、△、×、××の6段階で評価した。結果を表1に示す。
【0049】
また、上記表面層3の耐久性を下記方法により変形量及び残留伸びを測定することにより評価した。
変形量
シャフト1の両端にそれぞれ500gの加重をかけてローラー表面を30mmφのドラムに押し付け、この状態で40℃,90%RHの環境下に24時間放置した後、上記加重から解放して表面の変形量(μm)を測定した。
残留伸び
表面層形成用の塗料を用いて5mm×4mm×200μmの試験シートを作成し、この試験シートを40%引き伸ばした状態で40℃,90%RHの環境下に24時間放置した後、引き伸ばし状態から解放してシートの残留伸びを測定した。
【0050】
[実施例2]
弾性層2と表面層3との間に、下記組成の塗料Bを塗布、乾燥させることにより得られた厚さ300μm表面粗度調整層4を設けたこと以外は実施例1と同様にして、図1(B)に示した構造を有する帯電ローラを作成した。得られた帯電ローラの表面粗さはJIS10点平均粗さRzで0.5μmであった。なお、上記塗料Bによる表面粗度調整層4は体積固有抵抗率を1×105Ω・cmに調整した。
表面粗度調整層用塗料Bの組成
アクリルエマルジョン 60重量部
(JSR社製「AE336」)
アクリルエマルジョン 40重量部
(日本ゼオン社製「LX854」)
カーボン 20重量部
(御国色素社製「SA5540」)
架橋剤 15重量部
(日本触媒社製「2010R」)
【0051】
得られた帯電ローラ及びその表面層3につき、実施例1と同様にしてトナー付着性及び耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0052】
[実施例3]
表面層3を下記組成の塗料Cを用いて形成したこと以外は、実施例2と同様にして図1(B)に示した構造を有する帯電ローラを作成した。得られた帯電ローラの表面粗さはJIS10点平均粗さRzで0.3μmであった。なお、上記塗料Cによる表面層3は体積固有抵抗率を105〜1010Ω・cmに調整した。
表面層用塗料Cの組成
ウレタン変性アクリル樹脂 100重量部
(亜細亜工業社製「EAU65B」)
フッ素系ブロック共重合体*1 20重量部
(日本油脂社製「モディパーF600」)
カーボン 40重量部
(御国色素社製「MHI220」)
フッ素樹脂*2 40重量部
(ダイキン社製「L−2」)
メチルエチルケトン溶媒 1000重量部
*1:含フッ素ビニルエーテル共重合体の第1ブロックとアクリル−メタクリル共重合体の第2ブロックとからなるブロック共重合体
*2:4フッ化エチレン
【0053】
得られた帯電ローラ及びその表面層3につき、実施例1と同様にしてトナー付着性及び耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0054】
[比較例1]
表面層3を下記組成の塗料Dを用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして図1(A)に示した構造を有する帯電ローラを作成した。得られた帯電ローラの表面粗さはJIS10点平均粗さRzで0.6μmであった。なお、上記塗料Dによる表面層3は体積固有抵抗率を105〜1010Ω・cmに調整した。
表面層用塗料Dの組成
ウレタン変性アクリル樹脂 100重量部
(亜細亜工業社製「EAU65B」)
カーボン 40重量部
(御国色素社製「MHI220」)
メチルエチルケトン溶媒 1000重量部
【0055】
得られた帯電ローラ及びその表面層3につき、実施例1と同様にしてトナー付着性及び耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0056】
[比較例2]
表面層3を下記組成の塗料Eを用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして図1(A)に示した構造を有する帯電ローラを作成した。得られた帯電ローラの表面粗さはJIS10点平均粗さRzで3.72μmであった。なお、上記塗料Eによる表面層3は体積固有抵抗率を105〜1010Ω・cmに調整した。表面層用塗料Eの組成
ポリフッ化ビニリデン 100重量部
(エルフアトケムジャパン社製「カイナー2751」)
チタンブラック 80重量部
(石原産業社製「S−1」)
メチルエチルケトン溶媒 1000重量部
【0057】
得られた帯電ローラ及びその表面層3につき、実施例1と同様にしてトナー付着性及び耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0058】
[比較例3]
表面層3を下記組成の塗料Fを用いて形成したこと以外は、実施例2と同様にして図1(B)に示した構造を有する帯電ローラを作成した。得られた帯電ローラの表面粗さはJIS10点平均粗さRzで1.8μmであった。なお、上記塗料Fによる表面層3は体積固有抵抗率を105〜1010Ω・cmに調整した。
表面層用塗料Fの組成
ウレタン変性アクリル樹脂 100重量部
(亜細亜工業社製「EAU65B」)
カーボン 40重量部
(御国色素社製「MHI220」)
フッ素樹脂*1 40重量部
(ダイキン社製「LE−100」)
メチルエチルケトン溶媒 1000重量部
*1:4フッ化エチレン
【0059】
得られた帯電ローラ及びその表面層3につき、実施例1と同様にしてトナー付着性及び耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
Figure 0003901380
*1:JIS10点平均粗さRz(μm)
【0061】
表1に示されているように、フッ素系の第1ブロックとをも含まない第2ブロックとを有するフッ素系ブロック共重合体を添加した表面層を有する実施例1〜3の帯電ローラは、トナー付着性及び表面層の耐久性に優れることが確認された。
【0062】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる帯電部材を例示する概略断面図である。
【図2】本発明帯電装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 シャフト
2 弾性層
3 表面層
4 表面粗度調整層
5 帯電ローラ(帯電部材)
6 感光ドラム(被帯電体)
7 電圧印加手段

Claims (6)

  1. 被帯電体に当接させて、この被帯電体との間に電圧を印加することにより、被帯電体を帯電させる帯電部材において、
    少なくとも上記被帯電体と接触する部材表面が、フッ素系又はシリコン系の第1ブロックとフッ素及びシリコンのいずれをも含まない第2ブロックとを有するフッ素系ブロック共重合体又はシリコン系ブロック共重合体からなる添加剤をウレタン変性アクリル樹脂からなるバインダーに添加してなる表面層で形成されていることを特徴とする帯電部材。
  2. 上記表面層中に添加される添加剤の添加量が、バインダー100重量部に対して3〜100重量部である請求項1記載の帯電部材。
  3. 上記表面層が、上記添加剤以外の添加剤として、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフルオライド及びポリビニルフルオライドから選ばれる1種又は2種以上のフッ素樹脂を含有する請求項1又は2記載の帯電部材。
  4. 上記表面層が、有機溶剤系樹脂を主材としてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の帯電部材。
  5. 発泡体からなる弾性層と、該弾性層の外周に形成された表面粗度調整層とを具備し、かつ上記表面粗度調整層上に上記表面層が形成された請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯電部材。
  6. 被帯電体に当接し、該被帯電体を帯電させる帯電部材と、被帯電体と帯電部材との間に電圧を印加する電圧印加手段とを具備してなる帯電装置において、上記帯電部材として請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電部材を用いたことを特徴とする帯電装置。
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