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JP3901599B2 - ポリオレフィン組成物、架橋体、架橋用材料、架橋体の製造方法 - Google Patents
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JP3901599B2 - ポリオレフィン組成物、架橋体、架橋用材料、架橋体の製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン組成物、架橋体、架橋用材料、架橋体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、ポリオレフィン組成物、その用途、架橋用材料およびポリオレフィン架橋体の製造方法に関し、さらに詳しくは、架橋速度が速く生産性に優れ、LIM(Liquid Injection Molding)成形、射出成形、トランスファー成形などが可能であり、機械的物性などの特性に優れる、ポリオレフィン組成物、架橋体、架橋体の用途、架橋用材料およびポリオレフィン架橋体の製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
近年、LIM(Liquid Injection Molding)、すなわち液状ゴムの射出成形が広く普及している。特に最近においては、短時間自動成形やプラスチックスとの複合成形(インサート成形)が可能になるというメリットから注目される成形加工法となっている。LIM成形に用いられる原料ゴムとしては、付加硬化型の液状シリコーンゴムが一般的であり、LIM成形は、その液状シリコーンゴムをポンプ移送で射出成形機へ導き、金型内で硬化させることにより成形するシステムである。LIM成形の特徴としては、(1)材料移送、計量、混合、射出等の工程の連続自動化や所用動力の低減が可能であること、(2)高速硬化により、成形サイクルの短縮化が図れること、(3)反応副生成物がないこと、(4)異物の混入がないこと、(5)材料の流動性低圧成形、硬化温度範囲が広いため、インサート成形ほか複合成型が可能であること、等が挙げられる。しかしLIM成形に用いられているシリコーンゴムは、耐熱性、高速成形性には優れているものの、耐酸性、耐気体透過性、耐加水分解性および耐動的疲労性に劣っている。
そこで、本願発明者らは、鋭意研究し、下記式(1)で求められるDB値が1.00以上であることを特徴とするポリオレフィン[A]、架橋剤[B]を含んでなるゴム組成物が、LIM成形あるいは他の幅広い成形方法に適用が可能であり、更には耐酸性、耐気体透過性、耐加水分解性および耐動的疲労性に優れ、かつ架橋体の機械的強度にも優れた材料であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0003】
DB=M×N/14000 …(1)
DB:1分子鎖中の末端二重結合数
N:NMRより求められた炭素原子数1000個当たりの末端二重結合数
M:GPCで得られた数平均分子量
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、耐酸性、耐気体透過性、耐加水分解性および耐動的疲労性に優れるとともに機械的強度にも優れ、更には、射出成形、トランスファー成形、圧縮成形が可能で、またLIM成形も可能なポリオレフィン組成物、およびその組成物を架橋して得られる架橋体、架橋用材料、ポリオレフィン架橋体の製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【発明の概要】
本発明にかかるポリオレフィン組成物は、
下記式(1)で求められるDB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]と、架橋剤[B]を含有してなることを特徴としている。
DB=M×N/14000 …(1)
DB:1分子鎖中の末端二重結合数
N:NMRより求められた炭素原子数1000個当たりの末端二重結合数
M:GPCで得られた数平均分子量
【0006】
本発明にかかるポリオレフィン組成物は、DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]が、エチレン由来の構成単位(a)および/または炭素数3以上のα―オレフィン由来の構成単位(b)を含んでなり、(a)と(b)の存在割合の比率(a)/(b)が0/100〜100/0(モル比)の範囲にあることが好ましい。
【0007】
また、本発明にかかるポリオレフィン組成物は、DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]が、非共役ポリエンに由来する構成単位(c)を、エチレン由来の構成単位(a)および炭素数3以上のα―オレフィン由来の構成単位(b)と、該非共役ポリエンに由来する構成単位(c)の合計100モル%に対して、0.1モル%〜30モル%有していることが1つの態様である。
【0008】
また、本発明にかかるポリオレフィン組成物は、架橋剤[B]が、SiH基を1分子中に少なくとも2個以上有する化合物(B1)または有機過酸化物(B2)から選ばれる少なくとも1つ以上であることが好ましい。
本発明にかかる架橋体は上記のポリオレフィン組成物を架橋して得られることを特徴としている。
【0009】
成形方法としては、従来の射出成形、トランスファー成形、圧縮成形の他、LIM成形も適用可能であるが、特に架橋体がLIM成形により得られることが好ましい態様である。
【0010】
本発明の架橋体は、電気、電子部品のシール材料であることが好ましい。
本発明にかかる架橋用材料は、DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]を含んでなることを特徴としている。
本発明にかかるポリオレフィン架橋体の製造方法は、DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]を含んでなる材料を架橋することを特徴としている。
【0011】
【発明の具体的説明】
以下、本発明にかかるポリオレフィン組成物およびその用途について具体的に説明する。
[ポリオレフィン組成物]
本発明に係るポリオレフィン組成物は、DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]と、
架橋剤[B]を含有することを特徴としている。本発明にかかるポリオレフィン組成物においては、必要に応じて触媒[C]、さらには反応抑制剤[D]を含有していてもよい。
また、このポリオレフィン組成物は、架橋可能な組成物であることが好ましい。
【0012】
[DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]]
本発明で用いられるDB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]は、DB値が1.00以上であるのであれば、構成単位の種類などに特に制限はないが、中でも、エチレン由来の構成単位(a)および/または炭素数3以上のα―オレフィン由来の構成単位(b)を含んでなり、(a)と(b)の存在割合の比率(a)/(b)が0/100〜100/0(モル比)の範囲にあることが好ましい。α―オレフィンとしては、炭素原子数3〜20のα―オレフィンであることが好ましく、具体的には、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1- ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、9-メチル-1- デセン、11- メチル-1- ドデセン、12- エチル-1- テトラデセンなどが挙げられる。中でも、炭素原子数3〜10のα- オレフィンが好ましく、特にプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどが好ましく用いられる。これらのα- オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
【0013】
エチレンとα―オレフィンのモル比は、(a)エチレンから導かれる単位と、(b)α―オレフィンから導かれる単位の割合[(a)/(b)]が、[(a)/(b)]=0/100〜100/0モル比の範囲にあることが好ましく、更には[(a)/(b)]=0/100〜95/5モル比の範囲にあることが好ましい。
【0014】
本発明で用いられるポリオレフィン[A]は、非共役ポリエンを含有しても良い。非共役ポリエンとしては、具体的には、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-1,5- ヘキサジエン、6-メチル-1,5- ヘプタジエン、7-メチル-1,6- オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5-ビニルノルボルネン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2- ノルボルネン、6-クロロメチル-5- イソプロペニル-2- ノルボルネン等の環状非共役ジエン;2,3-ジイソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-エチリデン-3- イソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-プロペニル-2,2- ノルボルナジエン、1,3,7-オクタトリエン、1,4,9-デカトリエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン等のトリエンが挙げられる。中でも、環状非共役ジエンが好ましく用いられる。
【0015】
中でも、下記の一般式[I]または[II]で表わされるノルボルネン化合物が好ましい。
【0016】
【化1】
Figure 0003901599
【0017】
一般式[I]において、nは0ないし10の整数であり、
1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、
1の炭素原子数1〜10のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、t-ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる
2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。
【0018】
2の炭素原子数1〜5のアルキル基の具体例としては、上記R1の具体例のうち、炭素原子数1〜5のアルキル基が挙げられる。
【0019】
【化2】
Figure 0003901599
【0020】
一般式[II]において、R3は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基である。
3のアルキル基の具体例としては、上記R1のアルキル基の具体例と同じアルキル基を挙げることができる。
【0021】
上記一般式[I]または[II]で表わされるノルボルネン化合物としては、具体的には、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネン、5-(2-プロペニル)-2- ノルボルネン、5-(3-ブテニル)-2- ノルボルネン、5-(1-メチル-2- プロペニル)-2- ノルボルネン、5-(4-ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(1-メチル-3- ブテニル)-2- ノルボルネン、5-(5-ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(1-メチル-4- ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(2,3-ジメチル-3- ブテニル)-2- ノルボルネン、5-(2-エチル-3- ブテニル)-2- ノルボルネン、5-(6-ヘプテニル)-2- ノルボルネン、5-(3-メチル-5- ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(3,4-ジメチル-4- ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(3-エチル-4- ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(7-オクテニル)-2- ノルボルネン、5-(2-メチル-6- ヘプテニル)-2- ノルボルネン、5-(1,2-ジメチル-5- ヘキセシル)-2- ノルボルネン、5-(5-エチル-5- ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(1,2,3-トリメチル-4- ペンテニル)-2- ノルボルネンなど挙げられる。このなかでも、5-ビニル-2- ノルボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-(2-プロペニル)-2- ノルボルネン、5-(3-ブテニル)-2- ノルボルネン、5-(4-ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(5-ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(6-ヘプテニル)-2- ノルボルネン、5-(7-オクテニル)-2- ノルボルネンが好ましい。これらの中でも、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネン、5-(2-プロペニル)-2- ノルボルネンが特に好ましい。これらのノルボルネン化合物は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記ノルボルネン化合物たとえば5-ビニル-2- ノルボルネンの他に、本発明の目的とする物性を損なわない範囲で、それ以外の非共役ポリエンを併用することもできる。
【0022】
また、本発明にかかるポリオレフィン組成物は、DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]が、非共役ポリエンに由来する構成単位(c)を、エチレン由来の構成単位(a)および炭素数3以上のα―オレフィン由来の構成単位(b)と、該非共役ポリエンに由来する構成単位(c)の合計100モル%に対して、0.1モル%〜30モル%有していることが1つの態様である。下限は好ましくは0.25モル%、より好ましくは0.5モル%であり、上限は好ましくは20モル%、より好ましくは15モル%である。
【0023】
本発明において用いられるDB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]としては、より具体的には、エチレンあるいは炭素数3以上のα―オレフィンの単独重合体あるいは、エチレンと炭素数3以上のα―オレフィンの共重合体、エチレンと上記ポリエンとの共重合体、少なくとも1種の炭素数3以上のα−オレフィンと、ポリエンとの共重合体、エチレンと少なくとも1種の炭素数3以上のαオレフィンと、ポリエンとの共重合体などが挙げられる。
【0024】
本発明においては、DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]としてはエチレンおよび/または炭素数3以上のα−オレフィンを含有するが、ポリエンを含有しない重合体でもよいし、エチレンおよび/または炭素数3以上のα−オレフィンを含有し、さらにポリエンを含有する重合体であってもよい。
【0025】
本発明において用いられるDB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]は、デカリン中、135℃にて測定される極限粘度[η]には特に制限は無いのであるが、例えば下限は0.05dl/g以上、好ましくは0.10dl/g以上であり、上限は例えば2.00dl/g以下、好ましくは1.50dl/g以下である。たとえば0.05〜2.00dl/gの範囲にあることが好ましく、更には、[η]が0.10〜1.50dl/gの範囲にあることが好ましい。
また、本発明にかかるDB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]のX線解析で求められる結晶化度χcは20%以下が好ましく、10%以下が更に好ましい。この範囲にあると、ゴム的性質を示すようになる。
【0026】
本発明において用いられるポリオレフィン[A]は、DB値が1.00以上であることを特徴としている。DB値とは下記式(1)で求められる値のことである。
【0027】
DB=M×N/14000 … (1)
DB:1分子鎖中の末端二重結合数
N:NMRより求められた炭素原子数1000個当たりの末端二重結合数
M:GPCで得られた数平均分子量
DB値が1.00以上であることは、末端二重結合を多く有していることを意味しており、その二重結合としては、ビニル基、ビニリデン基、エチリデン基が挙げられる。この様な末端二重結合は、NMRにより分析することができる。より具体的には、Macromolecules, 28, p437-443 (1995年)などに記載されている。また、たとえばポリエンを共重合している場合には、使用したポリエンをモデル化合物として、生成ポリオレフィンと比較することにより、ポリオレフィンの末端二重結合を特定することができる。なおここでいう末端二重結合とは、ポリエン由来の二重結合とは異なるものをさす。上記のような末端二重結合は、通常ポリオレフィンの主鎖の末端に位置している。
【0028】
ポリオレフィン[A]のDB値としては、1.00以上であることが好ましく、さらに好ましい態様としては、1.5以上であることが好ましく、1.75以上であることが更に好ましい。DB値の上限に特に制限はないが、通常10.0以下、好ましくは5.0以下である。なお、ポリオレフィン[A]は、2種以上のポリオレフィンのブレンドであってもよく、上記DB値が本願範囲を満たすものどうしのブレンドでもよく、本願範囲を満たすものと満たさないもののブレンドであってもよい。
【0029】
DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]の製造方法としては、公知の触媒を利用した重合による方法、不活性ガス雰囲気下で、熱により分子鎖を切断する方法、放射線、電子線により分子鎖を切断することによる方法、あるいは有機過酸化物などにより分子鎖を切断する方法等が挙げられる。
【0030】
公知の触媒とは、三塩化チタン触媒、塩化マグネシウム担持型四塩化チタン触媒、シリカ担持型酸化クロム触媒、塩素もしくは酸素原子を含有するバナジウム触媒、メタロセン触媒、ポストメタロセン触媒などのオレフィンを重合することが公知である触媒である。これらの触媒は、必要に応じて、トリアルキルアルミニウム、トリアルケニル化合物やメチルアルミノキサンなどの有機アルミニウム化合物、トリフェニルボロンやトリス(ペンタフルオロフェニル)ボロンなどの有機ホウ素化合物、ジアルキル亜鉛、ジアルケニル亜鉛などの有機亜鉛化合物などから選ばれる少なくとも1種の共触媒や、アルコキシシラン化合物やジエーテル化合物などの少なくとも1種の電子供与体等と組み合わせて使用される。なかでも、アルケニル基を有するアルミニウム化合物もしくは亜鉛化合物を公知の触媒と組み合わせて使用することが好ましい。以下にアルケニル基を有するアルミニウム化合物もしくは亜鉛化合物を三塩化チタン触媒と組み合わせた例を文献A)および文献B)として示す。アルケニル基を有するアルミニウム化合物もしくは亜鉛化合物は、三塩化チタン触媒の代わりに三塩化チタン触媒以外の公知触媒を使用した場合でも好ましく組み合わせて使用される。
文献A) H.Kurosawa, T.Shiono, K.Soga, Macromol. Chem. Phys. 195, 3303 (1994).
文献B) T.Shiono, H.Kurosawa, K.Soga, Macromolecules 28, 437 (1995).
不活性ガス雰囲気下で、熱により分子鎖を切断する方法としては、例えばエチレン・α―オレフィン共重合体を窒素などの不活性ガス雰囲気下で反応温度400〜450℃、反応時間0.5〜5時間熱分解することにより得ることができる。
【0031】
架橋剤[B]
本発明で用いられる架橋剤[B]は、前記特徴を有するポリオレフィン[A]と反応し、架橋剤として作用する。この架橋剤[B]は、一般的にゴムに用いられている架橋剤を用いても良く、例えばSiH基を1分子中に少なくとも2個以上持つことを特徴とする化合物(B1)(以下SiH含有化合物と呼ぶことがある)を用いることも出来るし、有機過酸化物(B2)を用いることもできる。架橋剤[B]がSiH基を1分子中に少なくとも2個以上持つことを特徴とする化合物(B1)である場合、前記特徴を有するポリオレフィン[A]100重量部に対して、0.1〜100重量部の量で含有していることが好ましい。また、(B1)としては、その分子構造に特に制限はなく、従来製造されている例えば線状、環状、分岐状構造あるいは三次元網目状構造の樹脂状物などでも使用可能であるが、1分子中に少なくとも2個以上のケイ素原子に直結した水素原子、すなわちSiH基を含んでいることが必要である。
【0032】
このようなSiH基含有化合物(B1)としては、通常、下記の一般組成式
4 SiO( - - )/
で表わされる化合物を使用することができる。
【0033】
上記一般組成式において、R4は、脂肪族不飽和結合を除く、炭素原子数1〜10、特に炭素原子数1〜8の置換または非置換の1価炭化水素基であり、このような1価炭化水素基としては、前記一般式[I]のR1に例示したアルキル基の他に、フェニル基、ハロゲン置換のアルキル基たとえばトリフロロプロピル基を例示することができる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基が好ましく、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
【0034】
また、bは、0≦b<3、好ましくは0.6<b<2.2、特に好ましくは1.5≦b≦2であり、cは、0<c≦3、好ましくは0.002≦c<2、特に好ましくは0.01≦c≦1であり、かつ、b+cは、0<b+c≦3、好ましくは1.5<b+c≦2.7である。
【0035】
このSiH基含有化合物(B1)は、1分子中のケイ素原子数が好ましくは2〜1000個、特に好ましくは2〜300個、最も好ましくは4〜200個のオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、具体的には、
1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7-テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8-ペンタメチルペンタシクロシロキサン等のシロキサンオリゴマー;
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、R4 2(H)SiO1/2 単位とSiO4/2 単位とからなり、任意にR4 3SiO1/2 単位、R4 2SiO2/2 単位、R4(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2またはR4SiO3/2単位を含み得るシリコーンレジンなどを挙げることができる。
【0036】
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
(CH3)3SiO-(-SiH(CH3)-O-)d-Si(CH3)3
[式中のdは2以上の整数である。]
【0037】
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
(CH3)3SiO-(-Si(CH3)2-O-)e-(-SiH(CH3)-O-)f-Si(CH3)3
[式中のeは1以上の整数であり、fは2以上の整数である。]
【0038】
分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
HOSi(CH3)2O-(-SiH(CH3)-O-)2-Si(CH3)2OH
【0039】
分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
HOSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)e-(-SiH(CH3)-O-)f
-Si(CH3)2OH
[式中のeは1以上の整数であり、fは2以上の整数である。]
【0040】
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンとしては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
HSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)e-Si(CH3)2
[式中のeは1以上の整数である。]
【0041】
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
HSi(CH3)2O-(-SiH(CH3)-O-)e-Si(CH3)2
[式中のeは1以上の整数である。]
【0042】
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
HSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)e-(-SiH(CH3)-O-)h
-Si(CH3)2
[式中のeおよびhは、それぞれ1以上の整数である。]
【0043】
このような化合物は、公知の方法により製造することができ、たとえばオクタメチルシクロテトラシロキサンおよび/またはテトラメチルシクロテトラシロキサンと、末端基となり得るヘキサメチルジシロキサンあるいは1,3-ジハイドロ-1,1,3,3- テトラメチルジシロキサンなどの、トリオルガノシリル基あるいはジオルガノハイドロジェンシロキシ基を含む化合物とを、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在下に、−10℃〜+40℃程度の温度で平衡化させることによって容易に得ることができる。
【0044】
SiH基含有化合物(B1)は、前記特徴を有するポリオレフィン[A]100重量部に対して、0.1〜100重量部、好ましくは0.1〜75重量部、より好ましくは0.1〜50重量部、さらに好ましくは0.2〜30重量部、さらにより好ましくは0.2〜20重量部、特に好ましくは0.5〜10重量部、最も好ましくは0.5〜5重量部の割合で用いられる。上記範囲内の割合でSiH基含有化合物(B1)を用いると、耐圧縮永久歪み性に優れるとともに、架橋密度が適度で強度特性および伸び特性に優れた架橋ゴム成形体を形成できるゴム組成物が得られる。
【0045】
また、SiH基含有化合物(B1)が、ポリオレフィン[A]([A]成分)に含まれる脂肪族不飽和結合(アルケニル基及びジエン基など)1個に対し、ケイ素原子に結合した水素原子(≡SiH基)の割合が0.2〜10の範囲が適当であり、好ましくは0.7〜5となるような範囲が適当である。0.2以上であれば架橋が十分であり、十分な機械的強度が得られやすく、また、10以下であれば硬化後の物理特性が低下することもなく、特に耐熱性と圧縮永久歪みの劣化も少ない。
【0046】
本発明で架橋剤として用いられる有機過酸化物(B2)は、ジクミルパーオキサイドなど、従来公知のものを特に限定無く用いることができる。この場合、前記特徴を有するポリオレフィン[A]100重量部に対し、0.1〜10重量部程度の割合で用いられる。有機過酸化物としては、ゴムの架橋の際に通常使用されている従来公知の有機過酸化物を使用することができる。
【0047】
また、有機過酸化物を使用するときは、架橋助剤を併用することが好ましい。架橋助剤としては、具体的には、イオウ;p- キノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメタクリレート等のメタクリレート系化合物;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等のアリル系化合物;マレイミド系化合物;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。このような架橋助剤は、使用する有機過酸化物1モルに対して0.5〜2モル、好ましくは約等モルの量で用いられる。
【0048】
本発明の架橋剤[B]としては、このほかにも従来公知の架橋剤が用いられる。
【0049】
本発明の架橋剤[B]としては、特に上述のSiH含有化合物(B1)または有機過酸化物(B2)であることが好ましい。また本発明の架橋剤(B)としては2種以上の架橋剤を併用してもよく、例えば(B1)と(B2)を併用してもよい。
【0050】
触媒[C]
本発明では、架橋剤[B]が、SiH基を少なくとも2個以上有する化合物(B1)である場合には、任意成分として触媒[C]が用いられることがある。この触媒[C]は、付加反応触媒であり、上記ポリオレフィン[A]成分のアルケニル基などと、SiH基を少なくとも2個以上有する化合物[B]のSiH基との付加反応(アルケンのヒドロシリル化反応など)を促進するものである。
【0051】
該触媒[C]としては、通常、たとえば白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の白金族元素よりなる付加反応用触媒が用いられるが、本発明においては、白金系触媒が好ましい。白金系触媒を含めて、触媒[C]としては、周期律表8族元素金属、特に好ましくは白金と、ビニル基および/またはカルボニル基を含む化合物との錯体を用いることが望ましい。
【0052】
カルボニル基を含む化合物としては、カルボニル、オクタナル等が好ましい。これらと白金との錯体としては、具体的には、白金−カルボニル錯体、白金−オクタナル錯体、白金−カルボニルブチル環状シロキサン錯体、白金−カルボニルフェニル環状シロキサン錯体などが挙げられる。
【0053】
ビニル基を含む化合物としては、ビニル基含有オルガノシロキサンが好ましい。これらと白金との錯体としては、具体的には、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金−ジビニルテトラエチルジシロキサン錯体、白金−ジビニルテトラプロピルジシロキサン錯体、白金−ジビニルテトラブチルジシロキサン錯体、白金−ジビニルテトラフェニルジシロキサン錯体が挙げられる。
【0054】
ビニル基含有オルガノシロキサンの中でも、ビニル基含有環状オルガノシロキサンが好ましい。これらと白金との錯体としては、白金−ビニルメチル環状シロキサン錯体、白金−ビニルエチル環状シロキサン錯体、白金−ビニルプロピル環状シロキサン錯体が挙げられる。
【0055】
ビニル基含有オルガノシロキサンは、それ自体を金属に対する配位子としてもよいが、他の配位子を配位させる際の溶媒として用いてもよい。ビニル基含有オルガノシロキサンを溶媒として用い、前述のカルボニル基を含む化合物を配位子とする錯体は、本発明の触媒[C]として、特に好ましい。
【0056】
このような錯体としては、具体的には、白金−カルボニル錯体のビニルメチル環状シロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のビニルエチル環状シロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のビニルプロピル環状シロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のジビニルテトラエチルジシロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のジビニルテトラプロピルジシロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のジビニルテトラブチルジシロキサン溶液、白金−カルボニル錯体のジビニルテトラフェニルジシロキサン溶液が挙げられる。
【0057】
これらの錯体からなる触媒は、ビニル基および/またはカルボニル基を含む化合物以外の成分を更に含んでいてもよい。たとえばビニル基および/またはカルボニル基を含む化合物以外の溶媒を含んでいてもよい。これらの溶媒としては、各種アルコールや、キシレン等を挙げることができるが、これらに制限されるものではない。
【0058】
アルコールとしては、具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert- ブチルアルコール、n-アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコシルアルコール等の脂肪族飽和アルコール類;
アリルアルコール、クロチルアルコール等の脂肪族不飽和アルコール類;
シクロペンタノール、シクロヘキサノール等の脂環式アルコール類;
ベンジルアルコール、シンナミルアルコール等の芳香族アルコール類;
フルフリルアルコール等の複素環式アルコール類などが挙げられる。
【0059】
アルコールを溶媒として用いた例として、白金−オクタナル/オクタノール錯体が挙げられる。これらの溶媒を含むことにより、触媒の取扱いや、ゴム組成物への混合が容易になる等の利点が生ずる。
【0060】
以上に挙げた各種触媒のうちで、白金−カルボニル錯体のビニルメチル環状シロキサン溶液(中でも下記化学式1で示される錯体が好ましい)、白金−ビニルメチル環状シロキサン錯体(中でも化学式2で示される錯体が好ましい)、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(中でも化学式3で示される錯体が好ましい)、白金−オクタナル/オクタノール錯体等が実用上好ましく、その中でも、白金−カルボニルビニルメチル環状シロキサン錯体が特に好ましい。
【0061】
化学式1: Pt0・CO・(CH2=CH(Me)SiO)4
化学式2: Pt0・(CH2=CH(Me)SiO)4
化学式3: Pt0-1.5[(CH2=CH(Me)2Si)2O]
これらの触媒に含まれる周期律表8族元素金属(好ましくは白金)の割合は、通常0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%、さらに好ましくは2〜4重量%、特に好ましくは2.5〜3.5重量%である。
【0062】
触媒[C]は、ポリオレフィン[A]100重量部に対して、0.1〜100,000重量ppm、好ましくは0.1〜10,000重量ppm、さらに好ましくは1〜5,000重量ppm、特に好ましくは5〜1,000重量ppmの割合で用いられる。
【0063】
上記範囲内の割合で触媒[C]を用いると、架橋密度が適度で、強度特性および伸び特性に優れる架橋ゴム成形体を形成できるゴム組成物が得られる。
【0064】
なお、本発明においては、上記触媒[C]を含まないゴム組成物の未架橋ゴム成形体に、光、γ線、電子線等を照射して架橋ゴム成形体を得ることもできる。
【0065】
反応抑制剤[D]
本発明では、架橋剤[B]が、SiH基含有化合物(B1)である場合には、任意成分として触媒[C]が用いられることがあるが、この触媒[C]を用いる際に、任意成分として触媒[C]と共に用いられることがある反応抑制剤[D]としては、ベンゾトリアゾール、エチニル基含有アルコール(たとえばエチニルシクロヘキサノール等)、アクリロニトリル、アミド化合物(たとえばN,N-ジアリルアセトアミド、N,N-ジアリルベンズアミド、N,N,N',N'-テトラアリル-o-フタル酸ジアミド、N,N,N',N'-テトラアリル-m-フタル酸ジアミド、N,N,N',N'-テトラアリル-p-フタル酸ジアミドなど)、イオウ、リン、窒素、アミン化合物、イオウ化合物、リン化合物、スズ、スズ化合物、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、ハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物などが挙げられる。
【0066】
反応抑制剤[D]を添加する場合には、前記特徴を有するポリオレフィン[A]100重量部に対して、通常0.0001〜50重量部、好ましくは0.0001〜30重量部、より好ましくは0.0001〜20重量部、さらに好ましくは0.0001〜10重量部、特に好ましくは0.0001〜5重量部の割合で用いられる。
【0067】
50重量部以下の割合で反応抑制剤[D]を用いると、架橋スピードが速く、架橋ゴム成形体の生産性に優れたゴム組成物が得られる。
【0068】
[その他の成分]
本発明に係るポリオレフィン組成物は、架橋ゴム成形体あるいは架橋ゴム発泡成形体のような架橋物として用いた場合に最もその特性を発揮することができる。
【0069】
本発明に係るポリオレフィン組成物中に、意図する架橋物の用途等に応じて、従来公知のゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、加硫促進剤、有機過酸化物、架橋助剤、発泡剤、発泡助剤、着色剤、分散剤、難燃剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
【0070】
上記ゴム補強剤は、架橋(加硫)ゴムの引張強度、引き裂き強度、耐摩耗性などの機械的性質を高める効果がある。このようなゴム補強剤としては、具体的には、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等のカーボンブラック、シランカップリング剤などにより表面処理が施されているこれらのカーボンブラック、微粉ケイ酸、シリカなどが挙げられる。
【0071】
シリカの具体例としては、煙霧質シリカ、沈降性シリカなどが挙げられる。これらのシリカは、ヘキサメチルジシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等の反応性シランあるいは低分子量のシロキサン等で表面処理されていてもよい。また、これらシリカの比表面積(BET法)は、好ましくは10m2/g以上、より好ましくは30〜500m2/gである。
【0072】
これらのゴム補強剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、ゴム補強剤の配合量は通常、ポリオレフィン[A]100重量部に対して、最大300重量部、好ましくは最大200重量部である。
【0073】
上記無機充填剤としては、具体的には、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどが挙げられる。
【0074】
これらの無機充填剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、無機充填剤の配合量は通常、ポリオレフィン[A]100重量部に対して、最大300重量部、好ましくは最大200重量部である。
【0075】
上記軟化剤としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができる。
【0076】
具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;
コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;
トール油;
サブ;
蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;
石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質を挙げることができる。中でも石油系軟化剤が好ましく用いられ、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。
【0077】
これらの軟化剤の配合量は、架橋物の用途により適宜選択される。
上記老化防止剤としては、たとえばアミン系、ヒンダードフェノール系、またはイオウ系老化防止剤などが挙げられるが、これらの老化防止剤は、上述したように、本発明の目的を損なわない範囲で用いられる。
【0078】
本発明で用いられるアミン系老化防止剤としては、ジフェニルアミン類、フェニレンジアミン類などが挙げられる。
【0079】
ジフェニルアミン類としては、具体的には、p- (p- トルエン・スルホニルアミド)- ジフェニルアミン、4,4'- (α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、4,4'- ジオクチル・ジフェニルアミン、ジフェニルアミンとアセトンとの高温反応生成物、ジフェニルアミンとアセトンとの低温反応生成物、ジフェニルアミンとアニリンとアセトンとの低温反応物、ジフェニルアミンとジイソブチレンとの反応生成物、オクチル化ジフェニルアミン、ジオクチル化ジフェニルアミン、p,p’- ジオクチル・ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミンなどが挙げられる。
【0080】
フェニレンジアミン類としては、具体的には、N,N'- ジフェニル-p-フェニレンジアミン、n- イソプロピル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N'- ジ-2- ナフチル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N'-(3-メタクリロイルオキシ-2- ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、N,N'- ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'- ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'- ビス(1-エチル-3- メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、フェニルヘキシル-p-フェニレンジアミン、フェニルオクチル-p-フェニレンジアミン等のp- フェニレンジアミン類などが挙げられる。
【0081】
これらの中でも、特に4,4'- (α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N'- ジ-2- ナフチル-p-フェニレンジアミンが好ましい。
【0082】
これらの化合物は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0083】
本発明で用いられるヒンダードフェノール系老化防止剤としては、具体的には、
(1)1,1,3-トリス-(2-メチル-4- ヒドロキシ-5-t- ブチルフェニル)ブタン、
(2)4,4'- ブチリデンビス-(3-メチル-6-t- ブチルフェノール)、
(3)2,2-チオビス(4-メチル-6-t- ブチルフェノール)、
(4)7-オクタデシル-3-(4'-ヒドロキシ-3',5'- ジ-t- ブチルフェニル)プロピオネート、
(5)テトラキス-[メチレン-3-(3',5'- ジ-t- ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン、
(6)ペンタエリスリトール- テトラキス[3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
(7)トリエチレングリコール- ビス[3-(3-t-ブチル-5- メチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
(8)1,6-ヘキサンジオール- ビス[3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
(9)2,4-ビス(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5- ジ-t- ブチルアニリノ)-1,3,5- トリアジン、
(10)トリス- (3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンジル)- イソシアヌレート、
(11)2,2-チオ- ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
(12)N,N'- ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシ)- ヒドロシンナアミド、
(13)2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]- o-クレゾール、
(14)3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンジル- ホスホネート- ジエチルエステル、
(15)テトラキス[メチレン(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシヒドロシンナメイト)]メタン、
(16)オクタデシル-3- (3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エステル、
(17)3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4- ヒドロキシ-5- メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1- ジメチルエチル]-2,4-8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン
などを挙げることができる。中でも、特に(5)、(17)のフェノール化合物が好ましい。
【0084】
本発明で用いられるイオウ系老化防止剤としては、通常ゴムに使用されるイオウ系老化防止剤が用いられる。
【0085】
具体的には、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2-メルカプトメチルイミダゾールの亜鉛塩等のイミダゾール系老化防止剤;
ジミリスチルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール- テトラキス- (β- ラウリル- チオプロピオネート)等の脂肪族チオエーテル系老化防止剤などを挙げることができる。これらの中でも、特に2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ペンタエリスリトール- テトラキス- (β- ラウリル- チオプロピオネート)が好ましい。
【0086】
上記の加工助剤としては、通常のゴムの加工に使用される化合物を使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸の塩;リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸のエステル類などが挙げられる。
【0087】
このような加工助剤は、通常、ポリオレフィン[A]100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは5重量部以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
【0088】
また、本発明に係るポリオレフィン組成物中に、本発明の目的を損なわない範囲で、公知の他のゴムをブレンドして用いることができる。
【0089】
このような他のゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)などのイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)などの共役ジエン系ゴムを挙げることができる。
さらに従来公知のエチレン・α- オレフィン系共重合体ゴムを用いることもでき、たとえばエチレン・プロピレンランダム共重合体(EPR)、前記ポリオレフィン[A]以外のエチレン・α- オレフィン・ポリエン共重合体(たとえばEPDMなど)を用いることができる。
【0090】
ポリオレフィン組成物およびその架橋ゴム成形体の調製
上述したように、本発明に係るポリオレフィン組成物は、未架橋のままでも用いることもできるが、架橋ゴム成形体あるいは架橋ゴム発泡成形体のような架橋物として用いた場合に最もその特性を発揮することができる。
本発明に係るポリオレフィン組成物から架橋物を製造するには、たとえばポリオレフィン[A]が低結晶化度である場合、通常一般のゴムを加硫(架橋)するときと同様に、未架橋の配合ゴムを一度調製し、次いで、この配合ゴムを意図する形状に成形した後に架橋を行なえばよい。
【0091】
架橋方法としては、架橋剤[B]を使用して加熱する方法を採用してもよい。まず、本発明に係るポリオレフィン組成物は、たとえば次のような方法で調製される。
【0092】
すなわち、本発明に係るポリオレフィン組成物は、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー(密閉式混合機)類により、1分子鎖中に末端二重結合を少なくとも1個以上有するポリオレフィン[A]および必要に応じてゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤などの添加剤を好ましくは80〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、オープンロールのようなロール類、あるいはニーダーを使用して、架橋剤[B]必要に応じて触媒[C]、反応抑制剤[D]、加硫促進剤、架橋助剤、発泡剤、発泡助剤を追加混合し、好ましくはロール温度80℃以下で1〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。
【0093】
また、本発明にかかるポリオレフィン組成物をLIM成形に適用する場合について、特に前記特徴を有するポリオレフィン[A]、架橋剤[B]および触媒[C]を用いる場合について例にとって調製法を説明すると、材料の粘度により適宜使い分けるが、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー(密閉式混合機)類やプラネタリミキサーのような攪拌機により、ポリオレフィン[A]、ゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤などの添加剤および架橋剤[B]を3〜10分間混練し、液状ポリオレフィン組成物(1)を調製する。さらに、ポリオレフィン[A]、ゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤などの添加剤および触媒[C]、必要に応じて反応抑制剤[D]を3〜10分混練し、液状ポリオレフィン組成物(2)を調製する。続いて、これら液状ポリオレフィン組成物(1)と液状ポリオレフィン組成物(2)とをLIM成形装置に直接接続可能な専用のペール缶または直接接続可能なカートリッジに入れ、計量、混合装置を経てLIM成形を施すことにより、目的とする架橋体を得ることができる。
【0094】
本発明においては、DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]とゴム補強剤、無機充填剤等とは高温で混練りすることができるが、架橋剤[B]と触媒[C]とは同時に高温で混練りすると、架橋(スコーチ)してしまうことがあるため、架橋剤[B]と触媒[C]とを同時に添加する場合は、80℃以下で混練りすることが好ましい。架橋剤[B]と触媒[C]のうち、一方の成分を添加する場合は80℃を超える高温でも混練りすることができる。なお、混練りによる発熱に対して、冷却水を使用することも場合によっては好ましい。
【0095】
また、インターナルミキサー類での混練温度が低い場合には、DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]、架橋剤[B]、ゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤などとともに、老化防止剤、着色剤、分散剤、難燃剤、発泡剤などを同時に混練してもよい。
【0096】
上記のようにして調製された、本発明に係るポリオレフィン組成物は、押出成形機、カレンダーロール、プレス、インジェクション成形機、トランスファー成形機、LIM成形機などを用いる種々の成形法より、意図する形状に成形され、成形と同時にまたは成型物を加硫槽内に導入し、架橋することができる。90〜270℃の温度で1〜30分間加熱するか、あるいは光、γ線、電子線を照射することにより架橋物が得られる。この架橋の段階は金型を用いてもよいし、また金型を用いないで架橋を実施してもよい。金型を用いない場合は成形、架橋の工程は通常連続的に実施される。加硫槽における加熱方法としては、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチームなどの加熱槽を用いることができる。
【0097】
意図する形状に成形してから架橋を行なういわゆる非動的架橋の場合、酸素の存在下で架橋が可能であること、特に上記熱空気等により架橋できることは、特に有益である。酸素の存在下で架橋を行なうことが可能であれば、架橋槽を密閉状態とし、かつ酸素を排除する必要が無く、装置の簡略化、工程の短縮化が可能となるからである。このような利点は、押出成形された架橋成形体を生産する場合に特に顕著となる。
【0098】
また、分子量の低いDB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]を用いる場合には、[A]が液体状態にあるため、液体の状態で架橋剤[B]を混合し、必要に応じて触媒[C]、反応抑制剤[D]、発泡剤、発泡助剤を混合し、意図する形状の金型に流し室温で架橋させることができる。
【0099】
また本発明の架橋用材料は、DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]を含んでいればよい。上記のように架橋剤[B]、触媒[C]、反応抑制剤[D]のうちの1種以上をを含んでいても良いし、さらには前述の各種添加剤を含んでいても良い。もちろんDB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]のみからなっていてもよい。DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]を含んでいることで、架橋速度に優れ、しかも架橋時の機械的特性などに優れた架橋体が得られる。
【0100】
また、本発明のポリオレフィン架橋体の製造方法は、DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]を架橋する工程を含んでいればよい。上記のように架橋剤[B]、触媒[C]、反応抑制剤[D]のうちの1種以上をを含む材料を架橋しても良いし、さらには前述の各種添加剤を含んだ材料を架橋しても良い。もちろんDB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]のみを架橋しても良い。架橋方法も、架橋剤によるものには限られず、電子線によるもの、ガンマ線によるもの、などでもよい。DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]を含んでいることで、架橋速度に優れ、しかも架橋時の機械的特性などに優れた架橋体が得られる。
【0101】
本発明の好ましい態様としては以下のような態様が挙げられる。
(1)DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]と、架橋剤[B]を含有してなるポリオレフィン組成物。
(2)DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]が、
エチレン由来の構成単位(a)および/または炭素数3以上のα―オレフィン由来の構成単位(b)を含んでなり、(a)と(b)の存在割合の比率(a)/(b)が0/100〜100/0(モル比)の範囲にあることを特徴とする、上記(1)記載ののポリオレフィン組成物。
(3)DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]が、非共役ポリエンに由来する構成単位(c)を、エチレン由来の構成単位(a)および炭素数3以上のα―オレフィン由来の構成単位(b)と、該非共役ポリエンに由来する構成単位(c)の合計100モル%に対して、0.1モル%〜30モル%有していることを特徴とする、上記(1)または(2)記載のポリオレフィン組成物。
(4)架橋剤[B]が、SiH基を1分子中に少なくとも2個以上有する化合物(B1)または有機過酸化物(B2)から選ばれる少なくとも1つ以上であることを特徴とする上記(1)−(3)のいずれかに記載のポリオレフィン組成物。
(5)架橋剤[B]が、SiH基を1分子中に少なくとも2個以上有する化合物(B1)であることを特徴とする上記(4)記載のポリオレフィン組成物。
(6)DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]100重量部に対して、SiH基を1分子中に少なくとも2個以上有する化合物(B1)を0.1〜100重量部の量で含有していることを特徴する上記(5)記載のポリオレフィン組成物。
(7)架橋剤[B]が、有機過酸化物(B2)であることを特徴とする上記(4)記載のポリオレフィン組成物。
(8)DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]100重量部に対して、有機過酸化物(B2)を0.1〜10重量部の量で含有していることを特徴する上記(7)記載のポリオレフィン組成物。
(9)前記SiH基を1分子中に少なくとも2個以上有する化合物(B1)が、前記DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]が有する不飽和結合1個当たり、珪素原子に結合した水素原子を0.2〜10個与える量で含まれていることを特徴とする、上記(5)記載のポリオレフィン組成物。
(10)さらに触媒[C]を含有してなることを特徴とする上記(4),(5),(6),(9)のいずれかに記載のポリオレフィン組成物。
(11)さらに反応抑制剤[D]を含有してなることを特徴とする上記(10)記載のポリオレフィン組成物。
(12)上記(1)〜(11)のいずれかに記載のポリオレフィン組成物を架橋して得られることを特徴とする架橋体。
(13)架橋体がLIM成形により得られることを特徴とする上記(12)に記載の架橋体。
(14)電気、電子部品のシール材料であることを特徴とする上記(13)に記載の架橋体。
(15)DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]を含んでなる架橋用材料。
(16)DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]を含んでなる材料を架橋することを特徴とする、ポリオレフィン架橋体の製造方法。
【0102】
本発明のポリオレフィン組成物は、架橋速度が速く、架橋体の生産性に優れ、HAV,UHFなどの熱空気架橋、さらにはLIM成形が可能であり、しかも、耐圧縮永久歪み性、耐傷つき性、耐熱性、耐候性および耐摩耗性などの特性に優れ、かつ機械的特性にも優れた架橋体を提供することができる。
【0103】
本発明の架橋用材料は、DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]を含んでなるため、機械的特性に特に優れる架橋体を得ることができる。
【0104】
本発明のポリオレフィン架橋体の製造方法は、DB値が1.00以上であるポリオレフィン[A]を架橋することにより、機械的特性に特に優れる架橋体を得ることができる。
【0105】
本発明に係るポリオレフィン組成物は、上記のような効果を有するので、自動車用ウェザーストリップ;自動車用ホース、送水用ホース、ガス用ホース等のホース;自動車用防振ゴム、鉄道用防振ゴム、産業機械用防振ゴム、建築用免震ゴム等の防振ゴム;伝動ベルト、搬送用ベルト等のベルト;自動車用カップ・シール材、産業機械用シール材等のシール材;自動車用ウェザーストリップスポンジ、建築用シールスポンジ、その他ホース保護用スポンジ、クッション用スポンジ、断熱スポンジ、インシュレーションパイプ等の発泡体;電気・電子部品のシール材料、被覆電線、電線ジョイント、電気絶縁部品、半導電ゴム部品;OA機器用ロール、工業用ロール;雨具、輪ゴム、靴、ゴム手袋、ラテックス製品、ゴルフボール等の家庭用品;プラスチック改質用、熱可塑性エラストマー用、エンジニアリングプラスチック改質用などの用途に広く用いられる。
【0106】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例に何ら限定されるものではない。
【0107】
なお、実施例、比較例で用いたポリオレフィン[A]の組成、極限粘度[η]などは、次のような方法で測定ないし計算により求めた。
(1)ポリオレフィン[A]のエチレン含量
ポリオレフィン[A]のエチレン含量は13C−NMR法で測定した。
(2)ポリオレフィン[A]の末端二重結合含量
ポリオレフィン[A]の末端二重結合含量は13C−NMRおよびH−NMR法で測定した。
(3)極限粘度[η]
ポリオレフィン[A]の極限粘度[η]は、135℃デカリン中で測定した。
(4)数平均分子量M
ポリオレフィン[A]の数平均分子量Mは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた。GPCには、カラムに東ソー(株)製のGMH−HT、GMH−HTLを用い、溶媒にはオルソジクロロベンゼンを用いた。
(5)結晶化度χc
ポリオレフィン[A]の結晶化度χcは、X線回折により求めた。
【0108】
[製造例1]
[塩化マグネシウム担持型四塩化チタン触媒(A)の調製]
無水塩化マグネシウム7.14g(75mmol)、デカン37.5ml及び2−エチルヘキシルアルコール35.1ml(225mmol)を130℃で2時間加熱反応を行い均一溶液とした後、この溶液に無水フタル酸1.67g(11.3mmol)を添加し、130℃にてさらに1時間攪拌混合を行い、無水フタル酸を該均一溶液に溶解させた。この様にして得られた均一溶液を室温に冷却した後、−20℃に保持された四塩化チタン200ml(1.8mol)中に1時間にわたって全量滴下装入した。装入終了後、この混合液の温度を4時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところでジイソブチルフタレート(DIBP)5.03ml(18.8mmol)を添加し、これより2時間同温度にて攪拌保持した。次いで熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を275mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、110℃で2時間、加熱反応を行った。反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、110℃デカン及び室温ヘキサンにて、洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄した。以上の方法にて合成された固体状チタン触媒成分(A)はヘキサンスラリーとして保存したが、このうち一部を触媒組成を調べる目的で乾燥した。この様にして得られた固体状チタン触媒成分(A)の組成は、Ti 2.1wt%、Cl 58wt%、Mg 18wt%、DIBP 10.9wt%であった。
【0109】
[ポリオレフィン(A−1)の製造]
充分に窒素置換した内容積2Lのガラス製重合器に精製デカン1.5Lを加えて、エチレンを90L/h、プロピレンを600L/hの流量で20分間流通させた。次いで60℃に昇温し、ビス(7−オクテニル)ジンク144ミリモルと上記の塩化マグネシウム担持型四塩化チタン触媒(A)をチタン原子換算で2.4ミリモル−Tiとジフェニルジメトキシシランを72ミリモルとを加えた後、エチレンおよびプロピレンを前記の流量で30分間攪拌下に流通させることによって重合を行った。重合の所定時間が経過したところでN−メチルイミダゾールを64mLとアリルブロマイド72mLとを加えて130℃に昇温し、3時間同温度で攪拌下に保持した。次いで、全量をメタノール5L中に投入した。これに少量の塩酸を加えて一夜間静置した後、濾過した。濾別したポリマーは5Lのメタノールで洗浄した後、60℃で12時間減圧乾燥した。このようにして得たポリオレフィン(A−1)の収量は60gであり、[η]は0.2dl/g、エチレン含量は40モル%、末端二重結合量は炭素原子数1000個当たり14個であった。
【0110】
[製造例2]
[ポリオレフィン(A−2)の製造]
5−ビニル−2−ノルボルネンを40g加えた後にビス(7−オクテニル)ジンク144ミリモルと上記の塩化マグネシウム担持型四塩化チタン触媒(A)をチタン原子換算で2.4ミリモル−Tiとジフェニルジメトキシシランを72ミリモルとを加えたこと以外は製造例1と同様にポリオレフィン(A−2)を製造した。このようにして得たポリオレフィン(A−2)の収量は47gであり、[η]は0.2dl/g、エチレン含量は40モル%、5−ビニル−2−ノルボルネン含量は1モル%、末端二重結合量は炭素原子数1000個当たり12個であった。
【0111】
[実施例1]
まず、製造例1で得られたポリオレフィン(A−1)100重量部と、カーボンブラック[東海カーボン(株)製、商品名 シーストG−116]30重量部を容量2リットルのプラネタリーミキサー[(株)井上製作所製、商品名:PLM−2型]で混練し、配合物(I−1)を得た。
【0112】
次に、この配合物(I−1)130重量部に、C65−Si(OSi(CH3)2H)3で示されるSiH基含有化合物[B](架橋剤)4重量部、反応抑制剤[D]としてエチニルシクロヘキサノール0.1重量部、触媒[C]として塩化白金酸濃度2重量%のイソプロピルアルコール溶液0.1重量部を加えて、3インチφの3本ロ−ル[(株)小平製作所製、商品名3本ロールミル]で3回混練したのちに、50トンプレス成形機を用いて120℃で6分間加圧し、厚み2mmの架橋ゴムシートを調製した。
【0113】
上記のようにして得られたシートを用い、引張試験を下記の方法に従って行なった。
(1)引張試験
JIS K6251に従って、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行ない、架橋シートの破断時の引張強度TB と伸びEB を測定した。
【0114】
[実施例2]
実施例1において、実施例1で用いたカーボンブラック30重量部の代わりに、表2に示すようにシリカ[商品名 ニプシルVN3、日本シリカ工業(株)製]を30重量部用いた以外は、実施例1と同様にして、架橋ゴムシートを得た。
【0115】
得られた架橋ゴムシートについて、引張試験を行なった。その結果を表2に示す。
【0116】
[実施例3]
実施例1において、実施例1で用いたポリオレフィン(A−1)の代わりに、製造例2で得られたポリオレフィン(A−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、架橋ゴムシートを得た。
【0117】
得られた架橋ゴムシートについて、引張試験を行なった。その結果を表2に示す。
【0118】
[製造例3]
[エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−3)の製造]
撹拌羽根を備えた実質内容積100リットルのステンレス製重合器(撹拌回転数=250rpm)を用いて、連続的にエチレンとプロピレンと5-ビニル-2- ノルボルネンとの三元共重合を行なった。重合器側部より液相へ毎時ヘキサンを60リットル、エチレンを3.0kg、プロピレンを9.0kg、5-ビニル-2- ノルボルネンを550gの速度で、また、水素を50リットル、触媒としてVOCl3 を95ミリモル、Al(Et)2Clを443ミリモル、Al(Et)1.5Cl1.5 を127ミリモルの速度で連続的に供給した。
【0119】
以上に述べたような条件で共重合反応を行なうと、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−3)が均一な溶液状態で得られた。
その後、重合器下部から連続的に抜き出した重合溶液中に少量のメタノールを添加して重合反応を停止させ、スチームストリッピング処理にて重合体を溶媒から分離したのち、55℃で48時間真空乾燥を行なった。
このようにして得られたエチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−3)の[η]は0.2dl/g、エチレン含量は40モル%、5−ビニル−2−ノルボルネン含量は2モル%、末端二重結合量は炭素原子数1000個当たり0個であった。
【0120】
[比較例1]
実施例1において、実施例1で用いたポリオレフィン(A−1)の代わりに、製造例3で得られたエチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、架橋ゴムシートを得た。
【0121】
得られた架橋ゴムシートについて、引張試験を行なった。その結果を表2に示す。
【0122】
【表1】
Figure 0003901599
【0123】
【表2】
Figure 0003901599
【0124】
【発明の効果】
本発明に係るポリオレフィン組成物は、架橋速度が速く、架橋ゴム成形体の生産性に優れ、HAV、UHFなどの熱空気架橋、更にはLIM成形が可能であり、しかも、耐圧縮永久歪み性、耐熱性、耐候性および耐摩耗性などの特性に優れるとともに、機械的特性にも優れる架橋体を提供することができる。
【0125】
本発明の架橋用材料は、機械的特性に特に優れる架橋体を得ることができる。本発明のポリオレフィン架橋体の製造方法は、機械的特性に特に優れる架橋体を得ることができる。

Claims (5)

  1. 下記式(1)で求められるDB値が1.00以上であり、エチレン由来の構成単位(a)および/または炭素数3以上のα―オレフィン由来の構成単位(b)を含んでなり、(a)と(b)の存在割合の比率(a)/(b)が0/100〜100/0(モル比)の範囲にあり、非共役ポリエンに由来する構成単位(c)を、エチレン由来の構成単位(a)および炭素数3以上のα―オレフィン由来の構成単位(b)と、該非共役ポリエンに由来する構成単位(c)の合計100モル%に対して、0.1モル%〜30モル%有しており、該非共役ポリエンが下記の一般式[I]または[II]で表わされるノルボルネン化合物であるポリオレフィン[A]と、架橋剤[B]を含有してなるポリオレフィン組成物。
    DB=M×N/14000 …(1)
    DB:1分子鎖中の末端二重結合数
    N:NMRより求められた炭素原子数1000個当たりの末端二重結合数
    M:GPCで得られた数平均分子量
    Figure 0003901599
    (一般式[I]において、nは0ないし10の整数であり、Rは水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、Rは水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。)
    Figure 0003901599
    (一般式[II]において、Rは水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基である。)
  2. 架橋剤[B]が、SiH基を1分子中に少なくとも2個以上有する化合物(B1)または有機過酸化物(B2)から選ばれる少なくとも1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン組成物。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載のポリオレフィン組成物を架橋して得られることを特徴とする架橋体。
  4. 架橋体がLIM成形により得られることを特徴とする請求項3に記載の架橋体。
  5. 電気、電子部品のシール材料であることを特徴とする請求項4に記載の架橋体。
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