JP3902570B2 - 刺繍・染色システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、刺繍・染色システムに関し、染色前若しくは染色後のワークに刺繍を施すようにしてなる、刺繍・染色システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
縫製業界においては、ワーク(主として布地)に刺繍を施すことが出来ると共に、このワークに染色をも行えるようにした刺繍・染色システムが渇望されていた。この渇望を満たすべく、特許文献1は、染色装置を備える刺繍機を提供している。この刺繍機においては、内蔵メモリに記憶された情報に依拠して、枠に展張・保持された布地に、所定模様が、刺繍及び/または染色が施されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−272046号公報 (第1〜4頁、図1〜10)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
たしかに、染色装置と刺繍機を一体化して、縫製業界の要望に対して技術的に応えた点は高く評価されるべきが、実用上、問題がある。すなわち、固定情報に依拠して刺繍・染色が行われるので、刺繍模様及び染色模様の模様(形状・色彩)並びに操作順序(刺繍を先行させるか染色を先行させるか)の変更が容易になし得ず、融通性に欠ける。
【0005】
それ故に、本発明は、かような不具合が惹起されない刺繍・染色システムを提供することを、その技術的課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、請求項1において講じた技術的手段は、
「刺繍データに依拠して刺繍模様を形成する刺繍機と、染色データに依拠して染色模様を形成する染色装置と、前記刺繍データ及び前記染色データを変更でき、前記刺繍機及び前記染色装置の作動順序を管理データに依拠して行い、更には、前記刺繍模様や前記染色模様を形成順に画面表示する制御装置とを備えた、刺繍・染色システム」
を構成したことである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に依拠して、本発明にかかる刺繍・染色システムの実施形態について説明する。
【0008】
[刺繍・染色システムEBSの概要]
図1に示すように、刺繍・染色システムEBSは、制御装置100と、制御装置100と別体をなすも制御装置100の統制下にある刺繍機200と、制御装置100と別体をなすも制御装置100の統制下にある染色装置300とを備える。
【0009】
制御装置100としては、この実施形態では、市販のパソコンを採用している。(パソコンに代えて、専用のマイクロコンピュータを用いても良いことは、勿論である)。
【0010】
図1に示されるように、制御装置100の中枢要素たるCPU122は、表示装置たるディスプレー134を載置するケーシング130内に収容されている。CPU122にはキーボード132及びマウス133を含む入力手段131が接続されている。ケーシング130の前面には、フレキシブルディスク136から各種データを読み込むためのディスクドライブ129が設けられている。このドライブ129も、CPU122と接続されており、CPU122に読み込まれたデータは、内部メモリに記憶される。
【0011】
図示されない起動スイッチがオンされると、制御装置100が作動状態になる。同時に、ディスプレー134の画面137には、初期画面が現れ、複数の刺繍模様が整列して表示される。しかして、模様は、(A)ワークたる布地Wに刺繍機200で刺繍を施した後、染色装置300で染色を施すことによって得られるものと、(B)ワークたる布地Wに染色装置300で染色を施した後、刺繍機200で刺繍を施すことによって得られるもの、(C)ワークたる布地Wに刺繍機200で刺繍を施すだけで得られるものと、(D)ワークたる布地Wに染色装置300で染色を施すだけで得られるものとに、大別される。
【0012】
ここで、所望の模様を、マウス133を用いてクリックすれば、後述するような次画面が現れるが、その内容は、選択された模様が、上記(A)〜(B)の何れかによって異なる。しかして、いずれかの模様が選択されると、対応する模様データがメモリ228・229・230・231から読み出されて、刺繍機200及び/染色装置300が、後で詳しく述べる態様で作動して、ワークたる布地Wに、選択された模様が形成されるようになっている。
【0013】
この刺繍・染色システムEBSは、制御装置100と刺繍機200とから構成される従前の刺繍・染色システムに、染色装置300を付加し、制御装置100に新たにロードされるソフトをして、刺繍機200及び染色装置300を制御せしめるようにしたものである。
【0014】
以下においては、刺繍機200の構成、刺繍機200の動作、染色装置300の構成及び染色装置300の動作を順次、個々的に説明し、その後、刺繍・染色システムEBSの全体動作を説明することにする。
【0015】
[刺繍機200の構成]
図2及び図3に示すように、刺繍機200は、ミシン201と、このミシン201下側に設置されたX−Yテーブル205とを備える。X−Yテーブル205には、Xモータ226A・Yモータ226Bによって作動する刺繍枠駆動部が設けられ、この刺繍枠駆動部には、刺繍枠装置FRが装着されるようになっている。刺繍枠駆動部によって移動される刺繍枠装置FRの移動量及び方向は刺繍データにより演算される。
【0016】
また、ミシン201の針は、上軸モータ227によって上下動されるようになっている。これにより、刺繍機200は、刺繍枠FRに布Wをセットされた後、選択された模様の模様データに従ったパターンの刺繍を布Wに施す。すなわち、刺繍機200は、Xモータ226A・Yモータ226Bによって刺繍枠FRを水平面上で二次元(X方向およびY方向)駆動する刺繍枠駆動部,針通し穴60の真上にある刺繍針281〜289を上下駆動する公知の縫い機構201、および、例えば特公昭53−43336号公報および特公昭55−8626号公報に開示された如きの、選針装置216を備える。しかして、選針装置216は、9本の針581〜589の1つを選択的に針通し穴260の真上に設定するので、針通し穴260の真上にある針に糸掛けされている糸の刺繍縫いが行なわれる。
【0017】
ミシンアームには、ビン台255が装着されている。ボビン台255には10個のボビンを常置載置しておくことができ、このうち9個のボビンの各糸が、糸調子261、糸案内板62及び図示されない天ビンの穴を通して針581〜589に糸掛けされる。
【0018】
前述した模様データは、固有名(ファイル名)で指定される。各模様の固有名(ファイル名)の刺繍縫い情報は、少数の管理データと多数のステッチデータで構成され、管理データの中に、所要糸色Ciと糸色選択順を示すデータが含まれている。ステッチデータは2種類であり、1種は制御データであって、これに、糸換え指示データ,エンド(刺繍終了)指示データ等が含まれる。もう1種は、前回の刺繍枠位置(スタート時では枠中心が通し穴60の真上にある位置)からの所要駆動量(X軸移動量とY軸移動量)を示す枠駆動量データである。ステッチデータは、糸換えがなくしかも刺繍終了でない間は、1針縫いの単位で、枠駆動量データが順番に並んでおり、糸換えのタイミングの所に、糸換え指示データが介挿されている。刺繍が終わるタイミングの所、すなわちステッチデータの末尾が、エンド指示データである。上に述べた糸色はRGBコードが採用されている。
【0019】
また、パーソナルコンピュータ100の記憶装置には、刺繍機200の9本の針281〜286に付与された針番号N1〜N9及び9本の針281〜286に供給されている糸の色が、対の形式[Nj,Cj](j=1〜9)で、キーボード、マウスその他の入力装置から、事前に記憶される。
【0020】
刺繍機システム10を作動させて、刺繍機EMをして、所望の複数色の縫製模様を作成せしめる場合は、次の手順による。
【0021】
(1)この所望の複数色の縫製模様の画像がカラーで、ディスプレー(図示略)に表示される。画面上の模様は、各糸が、対応する色で、線画で表示される。
【0022】
(2)各糸について、現在表示されている色を別の色に変更する場合は、当該線画をクリックしたときに画面に表示される色データの表から、好みの色を選択する。すると、選択された色に対応すべく、管理データの所要糸色Ciの内容が補正されると共に針番号Niが付加される。この選択された色がいずれの針に供給されていない場合は、これらの糸の色のうちから最も近い色を選択したものとみなされる。
【0023】
(3)刺繍データがパーソナルコンピュータから刺繍機のCPUに送信される。
【0024】
(4)刺繍データを受信した刺繍機は、駆動され、刺繍データで規定される複数色の縫製模様を作成する。
【0025】
制御装置200内のCPU122は、刺繍データを時間に換算する刺繍時間演算手段、所要時間演算手段及び残り時間演算手段として作用するように、構成されている。すなわち、CPU122には、上記各演算のプログラムが書き込まれたプログラムメモリと、作業用RAMとを包含するとともに、前記した構成要素以外に、複数の模様データが書き込まれたメモリ228・229・230・232と、上軸モータ227を駆動する駆動手段231と、Xモータ226A・Yモータ226Bの双方を駆動するパルス分配回路224とが接続されている。
【0026】
入力手段131のキーボード132及びマウス133の何れかが操作されることによってメモリ228・229・230・232のいずれかを読出状態とし、指定した模様データを読み出すことができる。模様データは、刺繍枠装置FRに対し平面座標系で針落点を指示する。連続した二つの模様データによる針落点間のX方向長及びY方向長の比は、Xモータ226A・Yモータ226Bのパルス分配割合を指令するようになっている。また、前記X方向長及びY方向長によって決まる直角三角形の斜辺長は、連続した針落点間のピッチ長を決定し、上軸モータ227は、このピッチ長に応じて回転速度が可変されるようになっている。上軸モータ227にはエンコーダ227aが取付けられており、このエンコーダ227aのパルス出力は、CPU122にフィードバックされてXモータ226A・Yモータ226Bを駆動する基準駆動信号となる。
【0027】
ここで、作業者は、上軸モータ227の最高回転速度を指定することができる。この最高回転速度は、刺繍速度に相当し刺繍精度を設定するものであり、ピッチ長に応じて決定される上軸モータ227の回転速度を調整している。
【0028】
[刺繍機200の動作]
刺繍機30の動作を図4及び図5に従って説明する。図4のフローチャートは、模様データ入力時に刺繍開始から終了までの所要時間の演算を示すものである。本フローチャートに入る前に、まず、作業者により布Wが刺繍枠装置FRにセットされる。布セットの後、ステップS1では、CPU122は、指定された刺繍速度でのピッチ長に対応した刺繍時間tmin を演算する。このとき、刺繍時間の総計レジスタの値を「0」にセットする。
【0029】
次のステップS2では、連続した二つの刺繍データ毎より各ピッチ長を演算し、1針当たりの刺繍時間を求める。これは、ピッチ長から決まる上軸モータ227の回転速度に基づいて求めることができる。そして、ステップS2で得られた1針当たりの刺繍時間tが、ステップS3の判定で刺繍速度で決まる刺繍時間tmin より大きい場合は、tをそのまま総計レジスタに加算し、刺繍時間tminより小さいか等しい場合は、ステップS4でt=tmin としてステップS5に進む。ステップS5では、連続した二つの刺繍データ毎の刺繍時間tを総計する。続くステップS6では、残り刺繍データの有無を判断する。
【0030】
ステップS2〜S6のルーチンは、模様データが無くなるまで行われ、ステップS6の判定が、データ無し(Yes)を示すと、刺繍開始から終了までの所要時間Tが求められることになる。所要時間Tはディスプレー134の画面137に表示される。上記所要時間Tの表示の後、刺繍動作が開始される。この刺繍機では、上記刺繍動作の間でも、割込み処理により、図5に示す残り刺繍時間の表示を行う。図5のフローチャートの演算は、図4と基本的に同じであり、刺繍動作中に読出される連続した二つの刺繍データより、その1針当たりの刺繍時間を求めて、所要時間Tから順次減算するものである。
【0031】
すなわち、ステップS7で所要時間Tが表示されている状態で、刺繍動作が開始されると、刺繍データが順次読出される。CPU122は、この刺繍進行中の連続した二つの刺繍データによる針落点間毎のピッチ長を演算し、ステップS2と同様の演算により、各連続刺繍データ毎の刺繍時間t′を求める。この時間t′は、ステップS9によってtmin ′と比較され、t′>tmin ′の場合は、ステップS11に進み、t′≦tmin ′の場合は、ステップS10によりt′=tmin ′として、ステップS11に進む。ステップS11は、ステップ5に相当し、現在までに刺繍動作に要した合計刺繍時間をT′を演算する。ステップS12では、所要時間Tより前記合計刺繍時間T′を減算する。そして、ステップS13で残り刺繍時間T″を表示する。ステップS13の表示の後、ステップ14で更なる模様データがある場合は、ステップS8に戻る。ステップS8からS14のループは、ステップS14でデータ無となるまで繰り返される。
【0032】
かように、刺繍動作に先立ち、模様データにより一針当たりの刺繍時間を求め、これらの総計した所要時間を演算し表示するようにしたので、刺繍開始から終了までの所要時間が判り、刺繍機からどれくらいの時間離れて他の作業を行い得るかの正確な時間の目安となり、生産能率を向上するとともに、単位時間当たりの生産量を予測することが容易となる。
【0033】
また、刺繍動作中に、刺繍進行中の連続刺繍データ毎の刺繍時間t′を求めて総計し、所要時間Tより減算しているので、刺繍終了までの残り時間T″も表示することができる。更に、刺繍動作中に、刺繍進行中の連続刺繍データ毎の刺繍時間t′を求めて総計しているので、画面137への表示形態として、所要時間を表示したまま、刺繍動作の進行に応じた経過時間を表示することもできる。
【0034】
[染色装置300の構成]
図6〜図7に示すように、染色装置300は、それ自身のMPU(中央処理装置)305を有しており、染色情報は、制御装置100のCPU105から、順次、または一括してインターフェース304及びMPU105を介して、RAM306に取り込まれるようになっている。
【0035】
図6において明瞭に示されるように、染色装置300の機枠307は逆U字状をなし、中央部にはテーブル308が上下動可能に配設されている。また、機枠307の上面には、MPU305に対して、CPU105からの染色情報とは独立して、入力を行う操作パネル329が配設されており、機枠307の端部にはヒーター335a、フアン335bを備え、布Wの上面に向かつて温風を吹き出す温風機335が配設されている。機枠307の両側面にはそれぞれ溝307a(片方のみ図示)が形成されており、この溝307aには溝307aに沿つてY方向に移動するY移動バー309の端部がかけられている。Y移動バー309の側面にも溝309aが形成されており、この溝309aには先端に印刷部311を備えたX移動腕310が、X方向に移動可能に配設されている。MPU305よりXYモータドライブ330(図7)に駆動の指示が入ると、Xモータ310b、Yモータ309bが移動距離に合わせて回転し、X移動腕310及びY移動バー309が移動して印刷部310を平面的に移動させることができるようになっている。
【0036】
布地Wを保持する保持枠装置FRは、円形の枠本体FRa(図9)と、枠本体FRaの内周に係合し枠本体FRaとの間で布地Wを保持する係合枠装置FRbと、枠本体FRaの両端部より機枠307に向かつて延在するよう固着された取付け部FRcより構成されている。機枠307の上面には一対の段部307cが形成されており、保持枠装置FRはその取付け部FRcが段部307cにネジ止めされることによって固定される。図9に示すように、機枠307の上面で一方の取付け部FRcの真下にあたる部分には、センサー314が配設されている。センサー314はMPU305に接続されており、機枠307と取付け部FRcとの間の距離を検知してMPU305に伝えるようになつている。
【0037】
機枠307の内側面にはピニオン315が形成されている。また、テーブル308の両側面にはピニオン315と噛合する一対のラツク316が軸支されており、ラツク316にはベルト317が巻回されている。テーブル308内には、回転軸319が軸着されたステツピングモータ318が配設されており、回転軸319にはベルト317が噛合している。こうして、MPU305よりモータドライブ320を介してステツピングモータモータ318に駆動の指示が入ると、ベルト317及びラツク316を回転させる。このとき、ベルト317は一方のラツク316にねじれて巻回されているため、ステツピングモータ318の回転によつて、ラツク316はそれぞれ相反する方向に回動する。従つて、ステツピングモータ318が図9にて時計方向に回転すればテーブル308は上昇し、反時計方向に回転すれば下降するようになっている
次に、X移動腕310の先端に備えられた染色部311について説明する。図に示すように、印刷部311は、それぞれ青、赤、緑の3原色のインクを蓄えた3本のインクヘツド321を備えている。インクヘツド321はインクヘツド保持部材322に固定されており、MPU305よりヘツドドライブ324(図7)に染色の指示が入ると、指定された色をもつインクヘツド321がインクヘツド保持部材322より下降して、布地W上に染色を行うようになつている。インクヘツド保持部材322には、センサー328が各インクヘツド321に対応して配設されている。センサー328は布地Wとの距離を検知してMPU305に送るようになっている。またインクヘツド保持部材322の両端は、X移動腕310内に配設された一対のガイドバー323に通されている。X移動腕310の内壁には、ガイドバー323に隣接してプーリー325a、325bが上下に並んで配設されており、プーリー325aにはインクヘツドモータ327が配設されている。また、プーリー325a、325bにはベルト326が巻回され、ベルト326にはインクヘツド保持部材322の端部が取付けられている。こうして、インクヘツドモータ327が作動してプーリー325a、325bが回動すると、ベルト326が回転しインクヘツド保持部材322をガイドバー323に沿って上下に駆動させるようになっている。
【0038】
染色装置300が、それ自身のMPU(中央処理装置)305を有しているのは、染色装置300を単体で、つまり制御装置100とは独立させて使用できることを可能とするためである。すなわち、インターフェース304に図示されないスキャナーを接続し、このスキャナーから読み込んだ図形をデジタル情報としてRAM306に記憶させれば、この図形を、他の布に染色することが可能となる。
【0039】
[染色装置300の動作]
初めに、保持枠装置FRを機枠307上に固定するネジ313を緩めた状態で、布地Wを保持枠装置FRにセットする。このとき、テーブル308は最も高い位置まで上昇させてあり、布地Wを保持枠装置FRにセツトすることで布地Wの厚み分△dだけ保持枠装置FRの取付け部FRcは上昇する(図10)。ここで、操作パネル329よりテーブル308の高さ補正の指示をすると、センサー314が機枠307と取付け部312cとの間の距離を測定してMPU305に送る。MPU305はこれを受けて、モータドライブ320に指示してステツピングモータ318を回転させ、△dだけテーブル308を下げる。こうして、機枠307と取付け部FRcはその距離がdとなるよう調整され、同時にインクヘツド321と布地Wとの距離が調整される(図11)。次に、染色スタートの指示が入ると、MPU305はRAM306に入力されている染色情報に基づいて、X移動腕310とY移動バー309を1ラインまたは複ラインごとにスキヤンさせるとともに、3色のインクヘツド321を染色情報に従って上下動させて布地Wに染色を行う。
【0040】
こうして、布地Wとインクヘツド321との間が所望の距離に保たれたまま染色が行われるが、図12に示すように布地31Wにアツプリケ等の部分的な別布332の重ね合わせがあつた場合には、次にようにしてインクヘツド321と別布332との間の高さ調節が行われる。インクヘツド321に隣接して配設されるセンサー328は、インクヘツド321の先端と布地W及び別布332との間の距離を常に検知してMPU305に送っているが、この距離が所定の距離を越えるとMPU305はモータドライブ320に指示してインクヘツドモータ327を駆動させ、インクヘツド保持部材322を上方に移動させる。また、布地W上に段差がなくなれば、再びこれを検知してインクヘツド保持部322を下方に移動させる。
【0041】
また、染色時において、操作パネル329で温風の指示をすれば、MPU105がヒーター335a及びフアン335bに通電を指示し温風機335より布地W上に温風が送風されるようになっており、これによりインクの即乾が図られる。
【0042】
[刺繍・染色システムEBSの全体動作]
まず、図示されない起動スイッチがオンされると、制御装置100が作動状態になる。同時に、ディスプレー103の画面137には、初期画面が現れ、複数の模様が整列して表示される。しかして、模様は、(A)ワークたる布地Wに刺繍機200で刺繍を施した後、染色装置300で染色を施すことによって得られるものと、(B)ワークたる布地Wに染色装置300で染色を施した後、刺繍機200で刺繍を施すことによって得られるもの、(C)ワークたる布地Wに刺繍機200で刺繍を施すだけで得られるものと、(D)ワークたる布地Wに染色装置300で染色を施すだけで得られるものとに、大別される。所望の模様を、マウス133を用いてクリックすれば、次画面において、選択された模様の他、選択された模様に応じた指示が表示される。以下においては、刺繍・染色システムEBSの動作を、選択された模様毎に説明する。
【0043】
(1)選択された模様が(A)の場合(ワークたる布地Wに刺繍機200で刺繍を施した後、染色装置300で染色を施すことによって得られる模様が選択された場合)、画面137には、当該模様の画像がカラーで、表示される。画面上の模様は、各糸が、対応する色で、線画で表示される。しかして、各糸について、現在表示されている色を別の色に変更する場合は、当該線画をクリックしたときに画面に表示される色データの表から、好みの色を選択する。すると、選択された色に対応すべく、管理データの所要糸色Ciの内容が補正されると共に針番号Niが付加される。この選択された色がいずれの針に供給されていない場合は、これらの糸により刺繍される模様は、染色されるものとみなして、染色データが自動的に補正される。
【0044】
次いで、「枠番号を入力し、布地をセットした枠を刺繍機に装填しなさい」旨の指示が表示される。この指示に従って、布地Wをセットした枠装置FRの大きさを示す番号を画面137から入力した後、この布地Wをセットした枠装置FRを刺繍機200に装填し、刺繍機200を作動させれば、枠装置FRは、その大きさに応じた刺繍開始点まで移動させられ、布地Wに所定の刺繍が施される。刺繍作業がなされている間、作業完了までの時間が画面137に表示される。刺繍作業が完了すると、ブザーが鳴ると共に、「枠から布地を外さずに染色装置に装填しなさい」旨の表示がなされる。この指示に従って、布地Wをセットした枠装置FRを染色装置300に装填すると、染色装置300を作動させれば、枠装置FRは、その大きさ(画面137に入力された時点で、制御装置100にとっては既知となっている)に応じた染色開始点まで移動させられ、刺繍が施された布地Wの指定された部位に染色が施される。染色作業が完了してインキ乾燥が完了すると、ブザーが鳴ると共に、「枠を外しなさい」旨の表示がなされる。これで、刺繍及びその後に染色が施された布地Wを得ることが出来る。尚、刺繍作業中、染色装置300の使用モードを切り換えておけば、単独に、他の布地に染色を行うことが出来る。
【0045】
(2)選択された模様が(B)の場合(ワークたる布地Wに染色装置300で染色を施した後、刺繍機200で刺繍を施すことによって得られる模様が選択された場合)、画面137には、当該模様の画像がカラーで、表示される。画面上の模様は、各糸が、対応する色で、線画で表示される。しかして、各糸について、現在表示されている色を別の色に変更する場合は、当該線画をクリックしたときに画面に表示される色データの表から、好みの色を選択する。すると、選択された色に対応すべく、管理データの所要糸色Ciの内容が補正されると共に針番号Niが付加される。この選択された色がいずれの針に供給されていない場合は、これらの糸により刺繍される模様は、染色されるものとみなして、染色データが自動的に補正される。
【0046】
次いで、「枠番号を入力し、布地をセットした枠を染色装置に装填しなさい」旨の指示が表示される。この指示に従って、布地Wをセットした枠装置FRの大きさを示す番号を画面137から入力した後、この布地Wをセットした枠装置FRを染色装置300に装填し、染色装置300を作動させれば、枠装置FRは、その大きさに応じた染色始点まで移動させられ、布地Wに所定の染色が施される。染色作業が完了してインキ乾燥が完了すると、ブザーが鳴ると共に、「枠から布地を外さずに刺繍機に装填しなさい」旨の表示がなされる。この指示に従って、染色が済んだ布地Wをセットした枠装置FRを刺繍機200に装填し、刺繍機200を作動させれば、枠装置FRは、その大きさ(画面137に入力された時点で、制御装置100にとっては既知となっている)に応じた刺繍開始点まで移動させられ、布地Wに所定の刺繍が施される。刺繍作業がなされている間、作業完了までの時間が画面137に表示される。刺繍作業が完了すると、ブザーが鳴ると共に、「枠を外しなさい」旨の表示がなされる。これで、染色の後に刺繍が施された布地Wを得ることが出来る。尚、刺繍作業中、染色装置300の使用モードを切り換えておけば、単独に、他の布地に染色を行うことが出来る。
【0047】
(3)選択された模様が(C)の場合(ワークたる布地Wに刺繍機200で刺繍のみを施した模様が選択された場合)、画面137には、当該模様の他、「枠の番号を入力し、布地をセットした枠を刺繍機に装填しなさい」旨の指示が表示される。この指示に従って、布地Wをセットした枠装置FRの大きさを示す番号を画面137から入力した後、この布地Wをセットした枠装置FRを刺繍機200に装填し、刺繍機200を作動させれば、枠装置FRは、その大きさに応じた刺繍開始点まで移動させられ、布地Wに所定の刺繍が施される。刺繍作業がなされている間、作業完了までの時間が画面137に表示される。刺繍作業が完了すると、ブザーが鳴ると共に、「枠を外しなさい」旨の表示がなされる。これで、刺繍のみが施された布地Wを得ることが出来る。尚、刺繍作業中、染色装置300の使用モードを切り換えておけば、単独に、他の布地に染色を行うことが出来る。
【0048】
(4)選択された模様が(D)の場合(ワークたる布地Wに染色装置300で染色を施したのみの模様が選択された場合)、画面137には、当該模様の他、「枠の番号を入力し、布地をセットした枠を染色装置に装填しなさい」旨の指示が表示される。この指示に従って、布地Wをセットした枠装置FRの大きさを示す番号を画面137から入力した後、布地Wをセットした枠装置FRを染色装置300に装填し、染色装置300を作動させれば、布地Wに所定の染色が施される。染色作業が完了してインキ乾燥が完了すると、ブザーが鳴ると共に、「枠を外しなさい」旨の表示がなされる。これで、染色のみが施された布地Wを得ることが出来る。尚、この場合は、染色装置300を単独で作動させても、同じような模様を得ることが出来る。
【0049】
[画面の表示内容]
ディスプレー103の画面137には、上記したように、メッセーが表示され、オペレータに適切な指示がなされるようになっている。これに加えて、画面137には、終局的に形成される模様、この模様を構成するために遂行される作業工程の内容及び現在遂行されている作業内容の指摘が、画面137でなされるようになっている。
【0050】
すなわち、図13に示されるような模様が、この刺繍・染色システム100により、終局的に形成されるとしよう。この模様は、「〇」図形と、「A」文字と「黒塗り星」図形とから構成されるが、「〇」図形は、刺繍で形成した後、金色で染色するものとし、「A」文字は刺繍のみで形成するものとし、「黒塗り星」図形は染色のみで形成するとしよう。しかして、刺繍機200の作動を染色機300の作動に先行させるとすれば、図13に示される模様は、次の4つの作業工程からなる。
【0051】
作業工程1:「〇」図形を刺繍で形成
作業工程2:「A」文字を刺繍で形成
作業工程3:刺繍で形成された「〇」図形を染色
作業工程4:「黒塗り星」図形を染色で形成
刺繍・染色システムEBSを制御すべく制御装置100に内蔵される制御プログラムは、刺繍・染色システムEBSの稼動中、図14に示されるような表示を画面137にて行い、作業者に必要かつ充分な情報を与え、刺繍・染色作業の効率化を図れるようになっている。すなわち、図14においては、上段には終局模様が表示され、中段には作業の種類が表示され、下段には中段で表示された作業の種類により形成される単位模様が表示されている。中段のいずれかの枠は、作作業中、点灯されている。
【0052】
[管理データ・刺繍データ・染色データ]
上記したように、この刺繍・染色システムEBSにおいては、図示されない起動スイッチがオンされると、制御装置100が作動状態になる。同時に、ディスプレー134の画面137には、初期画面が現れ、複数の刺繍模様が整列して表示される。しかして、模様は、(A)ワークたる布地Wに刺繍機200で刺繍を施した後、染色装置300で染色を施すことによって得られるものと、(B)ワークたる布地Wに染色装置300で染色を施した後、刺繍機200で刺繍を施すことによって得られるもの、(C)ワークたる布地Wに刺繍機200で刺繍を施すだけで得られるものと、(D)ワークたる布地Wに染色装置300で染色を施すだけで得られるものとに、大別される。
【0053】
ここで、所望の模様を、マウス133を用いてクリックすれば、後述するような次画面が現れるが、その内容は、選択された模様が、上記(A)〜(D)の何れかによって異なる。しかして、いずれかの模様が選択されると、対応する管理データ、刺繍データ及び染色データが、夫々、メモリ228・229・230・231から読み出される。但し、上記(C)の場合及び上記(D)の場合、夫々、染色データ及び刺繍データは、読み出されない。
【0054】
管理データは、糸の色や工程順序(刺繍機200・染色装置300の作動順序)を含み、刺繍データは一連の針落ち点のX−Y座標を含み、染色データは一連のインク噴射されるべき点のX−Y座標(事実上はビットマップ情報)を含む。しかして、上記したように、図14に示されるディスプレー134の画面137の下段に表示される、終局模様の単位模様は、画面上で修正が可能となっている。また、上記X−Y座標の原点も、画面上で変更が可能となっている。
【0055】
【発明の効果】
上に述べたところ明らかなように、本発明は、刺繍データに依拠して刺繍模様を形成する刺繍機と、染色データに依拠して染色模様を形成する染色装置と、前記刺繍データ及び前記染色データを変更でき、前記刺繍機及び前記染色装置の作動順序を管理データに依拠して行い、更には、前記刺繍模様や前記染色模様を形成順に画面表示する制御装置とを備えた、刺繍・染色システムを構成したので、ユーザの好むような刺繍・染色模様を形成でき、実用上、多大な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる刺繍・染色システムの構成を示す概観図である。
【図2】図1に示す刺繍・染色システムの構成要素たる刺繍機の外観斜視図である。
【図3】図1に示す刺繍・染色システムにおける刺繍機の制御系を示すブロック図である。
【図4】図2に示す刺繍機における、模様データ入力時の刺繍時間の演算を示すフローチャートである。
【図5】図2に示す刺繍機における、刺繍作動時の刺繍時間の演算を示すフローチャートである。
【図6】図1に示す刺繍・染色システムの構成要素たる染色装置の外観斜視図である。
【図7】図6に示す染色装置の制御系を示すブロック図である。
【図8】図6に示す染色装置のX方向の断面図である。
【図9】図6に示す染色装置の、厚布が保持されたときの断面図である。
【図10】図9の布地の厚みに合わせてテーブルの高さを調整した後の、プリンタの断面図である。
【図11】図6に示す染色装置のインク出力部の断面図である。
【図12】図6に示す染色装置の、別布が保持されたときの断面図である。
【図13】終局的に形成される模様の例示の全体図である。
【図14】図13に示される模様形成中に画面に表示される内容の例示を示す図である。
【符号の説明】
100・・・制御装置
200・・・刺繍機
300・・・染色装置
Claims (1)
- 刺繍データに依拠して刺繍模様を形成する刺繍機と、染色データに依拠して染色模様を形成する染色装置と、前記刺繍データ及び前記染色データを変更でき、前記刺繍機及び前記染色装置の作動順序を管理データに依拠して行い、更には、前記刺繍模様や前記染色模様を形成順に画面表示する制御装置とを備えた、刺繍・染色システム。
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| JP2005040160A (ja) | 2005-02-17 |
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