JP3905966B2 - 光ヘッド装置の調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、記録媒体としての光ディスクから情報を読み出し、光ディスクに情報を記録する光ディスク装置に適用される光ヘッド装置に係り、特に、光ヘッド装置の光源から放射される光ビームの放射角を調整する調整機構及び調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク装置は、対物レンズとフォトディテクタとを有する光ヘッド装置を含み、記録媒体すなわち光ディスクの記録面に半導体レーザ素子からの光ビームを照射することで光ディスクに記録されている情報に対応する反射光を取り出して情報を読み出す一方で、光ディスクに情報を記録するために利用される。
【0003】
上述した光ヘッド装置は、光ビームを発生する光源としての半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子から放射された光ビームを記録媒体としての光ディスクの記録面に集束させるとともに記録面で反射された反射光ビームを取り出す対物レンズと、対物レンズにより取り出された反射光ビームを検出して光電変換し、光ディスクに記録されている情報に対応する再生信号を出力する複数の光検出器すなわちフォトディテクタと、それぞれの要素の間で光ビームの光路を構成する複数の光学部材等により形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光源として利用される半導体レーザ素子は、ビーム断面が楕円形状の光ビームを放射する。すなわち、半導体レーザ素子からの光ビームは、ビーム断面において、長軸方向に例えば25°の放射角をもって放射され、短軸方向に例えば10°の放射角をもって放射される。
【0005】
また、半導体レーザ素子は、必ずしも素子のリファレンス面に対して垂直な方向に光ビームを放射できるとは限らない。すなわち、半導体レーザ素子からの光ビームは、ビーム断面において、長軸方向及び短軸方向に例えば±2°の公差をもって出射される。
【0006】
このため、半導体レーザ素子から出射される光ビームの輝度中心は、光軸に対してずれが生じることがある。
この光軸に対する放射角のずれすなわち輝度中心のわずかなずれは、光源から光ディスクの記録面までの光路が長くなるほど増大される。これにより、光ディスクからの情報を正確に読み出すことが困難となったり、光ディスクに対して情報を正確に記録することが困難となったりする問題が生じる。
【0007】
そこで、光源から光ディスクの記録面までの光路中に、光軸に対して傾くようにガラス板を配置して光ビームの放射角のずれを補正することが提案されているが、この場合、部品点数が増大してコストの増大を招く問題が生じるとともに、ガラス板を配置するための領域を確保する必要があり、装置の小型化に対して不利である。
【0008】
この発明は、部品点数を増大することなく光源から放射される光ビームの放射角のずれを補正できるとともに、記録媒体に記録されている情報を正確に再生し、記録媒体に対して情報を正確に記録することが可能な光ヘッド装置及び光ヘッド装置の調整方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上述した問題点に基づきなされたもので、
この発明の態様に係る光ヘッド装置の光量調整方法は、
楕円形状のビーム断面を有する光ビームを放射する光源を、前記光源が光ビームを放射する方向に凸状の所定の曲率半径の円筒面を有する支持部材によって支持し、
前記支持部材の凸状の円筒面と同一の曲率半径の凹状の円筒面を有する固定部材に対して、前記光源のリファレンス面が光軸に対して垂直となるように、前記固定部材の凹状の円筒面に前記支持部材の凸状の円筒面を当接し、
前記光源から放射された光ビームの輝度中心が光軸に対してθのずれ角を持つ場合に、前記支持部材の凸状の円筒面を前記固定部材の凹状の円筒面に沿って前記ビーム断面における短軸方向に摺動させて、前記支持部材をθ/2だけ回転させることにより、前記光源から放射される光ビームのビーム断面における短軸方向の放射角を調整し、
前記光源から放射される光ビームの輝度中心が光軸に一致する状態で前記支持部材を前記固定部材に固定する、
ことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の光ヘッド装置に係る実施の形態を詳細に説明する。
図1に示されるように、光ディスク装置100は、記録媒体としての光ディスクDの図示しない記録面に平行に、かつ記録面に設けられている図示しないトラックと直交する方向に移動可能なアクチェータ4と、アクチェータ4に向けて所定の波長のレーザビームを送出するともにアクチェータ4から戻されたレーザビームを受光するレーザビーム送出/受光部6と、を含む光ヘッド装置2を有している。
【0019】
アクチェータ4は、制御部8からの駆動信号に基づいて、光ディスクDの図示しない記録面の図示しないトラックと直交する方向すなわち光ディスクDの半径方向に移動される。
【0020】
レーザビーム送出/受光部6は、制御部8からの駆動信号に基づいて、情報の書き込みすなわち記録時には記録用レーザビームを、情報を読み出すすなわち再生時には再生用レーザビームを、それぞれ出射する。
【0021】
制御部8は、信号処理部10を経由して入力される図示しない外部装置からの読み出しあるいは書き込み命令(コマンド)に基づいて、制御部8に所定の制御信号を供給するとともにレーザビーム送出/受光部6により受光され、光電変換された情報信号を復号して、再生信号として、外部装置に出力する。
【0022】
また、アクチェータ4は、レーザビーム送出/受光部6の後述する光源からの記録用または再生用のレーザビームを光ディスクDの図示しない記録面の所定の位置に結像させるとともに光ディスクDの記録面で反射された反射レーザビームLrを取り出す集光手段としての対物レンズ12、対物レンズ12を光ディスクDの記録面と直交する方向ならびに記録面に記録されている情報であるピット列からなるトラック(情報を記録可能な光ディスクにおいて情報が記録されていない領域については、案内溝すなわちグルーブ)を横切る方向かつ記録面に沿って移動可能に保持するピックアップ14、ピックアップ14を一対のガイドレール16に沿って光ディスクDの半径方向に移動可能に支持するキャリッジ18を有する。
【0023】
ピックアップ14は、図2に示すように、キャリッジ18上の所定位置に載置されたベース14aから光ディスクDの記録面と直交する方向に延出された中心軸14bを回動中心として回動可能に形成された円筒状のレンズホルダ14cを含み、レンズホルダ14cの一端部に設けられているレンズ保持面14dに対物レンズ12を保持する。なお、ピックアップ14またはキャリッジ18のいづれか一方には、レーザビーム送出/受光部6からのレーザビームLfを対物レンズ12に向けて案内するミラー20が、設けられている。
【0024】
レンズホルダ14cの外周面の所定位置には、対物レンズ12(レンズホルダ14c)を光ディスクDの記録面と直交する方向、すなわち中心軸14bに沿って移動するための推力を発生するフォーカシングコイル14eと、対物レンズ12(レンズホルダ14c)を光ディスクDの記録面のトラックを横切る方向に移動させるための推力を発生するトラッキングコイル14fが、外周面の曲面に沿って設けられている。
【0025】
中心軸14bを中心としてレンズホルダ14cの外周面を取り巻く領域には、レンズホルダ14cの外周面の各コイル14eおよび14fに向けて所定方向の磁界を提供する2組の固定磁石14gおよび14hと、それぞれの固定磁石14g,14hを保持するとともに各磁石と共働して磁気回路を構成するヨーク14iが設けられている。なお、ヨーク14iは、中心軸14bから概ね等しい半径に設定される円周に沿ってあるいはその近傍に、分割してもしくは円環状に配列されている。
【0026】
レーザビーム送出/受光部6は、図3に示すように、ハウジング6a、ハウジング6a内の所定の位置に配置され、振動の方向が概ね一方向に揃えられた直線偏光の光ビームを出射する光源30、ハウジング6a内の所定の位置に配置され、光源30からの光ビームをアクチェータ4に向けて送出するとともに光ディスクDの記録面で反射されて戻された反射光ビームを光ディスクDに向かう光ビームから分離する偏光ビームスプリッタ32、ハウジング6a内の所定の位置に配置され、偏光ビームスプリッタ32とミラー20との間に配置され、アクチェータ4のミラー20に向かう光ビームをコリメートするコリメートレンズ34、ハウジング6a内の所定の位置に配置され、コリメートレンズ34を通った光ビームの偏光の方向を直線偏光から円偏光に変換するリターダ(λ/4板)36、およびλ/4板36を通った光ビームのアスペクト比を概ね円形に補正する楕円補正プリズム38を有している。
【0027】
また、レーザビーム送出/受光部6は、光ディスクDの記録面で反射され、アクチェータ4を経由して戻された反射レーザビームLrが偏光ビームスプリッタ32によりミラー20に向かうレーザビームLfから分離された反射レーザビームLrをさらに2つのレーザビームに分離するビームスプリッタ(ハーフミラー)40、ハーフミラー40により分割された2つのレーザビームのそれぞれを検出して光電変換し、それぞれのレーザビーム光強度に対応する電気信号に変換する光電変換手段としての第1のフォトディテクタ42および第2のフォトディテクタ46を有している。
【0028】
なお、第2のフォトディテクタ46とハーフミラー40との間には、ハーフミラー40で分割されたレーザビームの一方に、フォーカスずれの検出のための所定の光学特性を与えるホログラムプレート(回折素子)48が配置されている。
【0029】
光源30は、例えば波長が650nm(ナノメートル)のレーザビームLfを出射する半導体レーザ素子であって、出射したレーザビームLfの直線偏光の方向が偏光ビームスプリッタ32の図示しない偏光面により反射される方向となるように、固定されている。この半導体レーザ素子30から出射されるレーザビームは、略楕円形のビーム断面形状を有している。すなわち、半導体レーザ素子30は、ビーム断面において、一方の軸方向のビーム断面長が他方の軸方向より長くなるようなレーザビームを出射する。
【0030】
偏光ビームスプリッタ32は、半導体レーザ素子30により放射されたレーザビームLfの直線偏光の方向と直交するよう偏光の方向が設定された図示しない偏光面(ビームスプリット面)を有し、半導体レーザ素子30からのレーザビームLfを90°折り曲げるとともに、光ディスクDで反射された反射レーザビームLrを通過させる。
【0031】
λ/4板36は、偏光ビームスプリッタ32により反射されたレーザビームLfの偏光の方向を直線偏光から円偏光に変換し、また光ディスクDで反射された反射レーザビームLrの偏光の方向を円偏光から、再び直線偏光に変換する。このとき、偏光ビームスプリッタ32から光ディスクDに向かうレーザビームLfの偏光の方向と光ディスクDから戻されたLrの偏光の方向との間には、λ/4板36により、90°の位相差が与えられる。これにより、光ディスクDにより反射されたLrは、今度は、偏光ビームスプリッタ32の偏光面を通過し、ハーフミラー40に向けられる。
【0032】
楕円補正プリズム38の偏光ビームスプリッタ32側の面は、後述するAPC(オートパワーコントロール)に関連して半導体レーザ素子30から光ディスクDに向かうレーザビームLfの一部を偏光ビームスプリッタ32に側に戻すために、半導体レーザ素子30から放射されるレーザビームLfの中心と対物レンズ12の中心との間に規定される光軸Oすなわち偏光ビームスプリッタ32におけるレーザビームLfの反射点(反射中心)とミラー20における反射点(反射中心)とを結ぶ軸線に対して、所定の角度だけ傾けられている。また、楕円補正プリズム38の入射面38aは、半導体レーザ素子30側から入射されるレーザビームLfの概ね5ないし50%を反射するミラー面に形成されている。
【0033】
第1のフォトディテクタ42は、トラックずれの検出に利用されるもので、4つに分割された受光領域を有している。
また、第1のフォトディテクタ42には、4分割フォトディテクタとは独立に、楕円補正プリズム38の入射面38aで反射され、光ディスクDの記録面からの反射レーザビームLrに比較して短い光路で短時間で戻されるパワーコントロール向けのレーザビーム(Lf)を受光して光電変換するモニタフォトディテクタ44が一体に組み込まれている。
【0034】
モニタフォトディテクタ44は、半導体レーザ素子30から放射されるレーザビームLfの光強度を一定に維持するためのオート・パワー・コントロール(以下、APCと示す)に利用されるレーザビーム(Lf)の光強度の変化をモニタして、光強度の変動に対応する出力電流を出力する。
【0035】
第2のフォトディテクタ46は、対物レンズ12と光ディスクDの記録面とのフォーカシングを整合するための、後述するフォーカスずれ信号の検出に利用される。なお、第2のフォトディテクタ46は、4つに分割された受光領域を有し、ホログラム回折パターンを有するホログラムプレート48により複数のビームに分割されたレーザビームを受光して、各受光領域に対応する大きさの電流を出力する。
【0036】
制御部8は、主制御装置としてのCPU50、CPU50に接続され、CPU50を動作させるためのイニシャルデータが記憶されている読みだし専用メモリ(リード・オンリ・メモリ、以下ROMと示す)52、図示しない外部装置から供給される記録すべき情報あるいは光ディスクDから読み出されたデータなどを保持するランダム・アクセス・メモリ(以下、RAMと示す)54およびRAM54に入出力されるデータを一時的に記憶するバッファメモリ56を有している。
【0037】
CPU50には、半導体レーザ素子30に所定の駆動電流を供給して所定の光強度のレーザビームLfを出力させるレーザ駆動回路62、RAM54に記憶された記録すべき情報に対応して半導体レーザ素子30から出射されるレーザビームLfの強度を変化させる記録レーザビーム発生回路64が接続されている。なお、記録レーザビーム発生回路64は、光ディスクDから情報を読み出す際には、記録用のレーザビームの1/5程度の一定強度の再生用レーザビームを出射させる。
【0038】
また、CPU50には、モニタフォトディテクタ44に接続され、楕円補正プリズム38の入射面38aで反射されたレーザビーム(Lf)の強度に基づいて半導体レーザ素子30から出射されるレーザビームLfの強度を一定に維持するための制御量を規定するAPC(オート・パワー・コントロール)回路66が接続されている。なお、APC回路66の出力は、レーザ駆動回路62にフィードバックされることはいうまでもない。
【0039】
CPU50にはまた、第1のフォトディテクタ42に接続され、光ディスクDで反射された反射レーザビームLrを受光して光電変換して得られた電流値から求められるトラックずれ量に基づいてレンズホルダ14cのトラッキングコイル14fに供給する電流値を設定するトラック制御回路70が接続されている。
【0040】
CPU50にはさらに、第2のフォトディテクタ46に接続され、光ディスクDで反射された反射レーザビームLrを受光して光電変換して得られた電流値から求められるフォーカスずれ量に基づいて対物レンズ12すなわちレンズホルダ14cの位置を制御するためのフォーカスコイル14eへの駆動電流の大きさを規定するフォーカス制御回路74が接続されている。
【0041】
ところで、光源としての半導体レーザ素子30は、調整手段としての調整機構100を介してレーザビーム送光/受光部6のハウジング6aに取り付けられている。この調整機構100は、半導体レーザ素子100が取り付けられた支持部材102と、ハウジング6a側に固定されているとともに支持部材102を受け入れる固定部材104とを有している。
【0042】
半導体レーザ素子30は、図3に示した例では、X−Y平面においてビーム断面を形成し、Z軸方向にレーザビームを放射するものとし、半導体レーザ素子30から放射されるレーザビームは、X軸方向を長軸とするとともにY軸方向を短軸とする楕円形状であるものとする。すなわち、半導体レーザ素子30から放射されるレーザビームのX軸方向の放射角は、例えば25°であり、Y軸方向の放射角は、例えば10°である。
【0043】
このような半導体レーザ素子30においては、必ずしも素子のリファレンス面に対して垂直な方向に光ビームを放射できるとは限らない。すなわち、半導体レーザ素子からのレーザビームは、ビーム断面において、長軸方向及び短軸方向に例えば±2°の公差をもって出射される。このため、半導体レーザ素子から出射されるレーザビームの輝度中心は、Z軸に平行な光軸に対してずれが生じることがある。
【0044】
このように、X軸方向及びY軸方向に±2°の公差を有するような場合、ビーム断面における短軸方向すなわちY軸方向の放射角が長軸方向すなわちX軸方向より小さいため、相対的にY軸方向の放射角のずれが大きくなる。
【0045】
このため、半導体レーザ素子30に適用される調整機構100は、半導体レーザ素子30が放射するレーザビームのビーム断面において、短軸方向、すなわちこの実施の形態では、Y軸方向の放射角を調整する。すなわち、この調整機構100は、Y−Z平面内において、回転可能に形成され、光軸すなわちZ軸に対するY軸方向のずれを補正することを可能とするものである。
【0046】
図4は、調整機構100を構成する支持部材102及び固定部材104をZ軸方向に分解した斜視図である。
図4に示すように、支持部材102は、Z軸方向に凸状の円筒面102aを有している。この円筒面102aのY−Z平面における断面形状は、円弧状であり、円筒面102aを規定する軸線は、X軸方向に平行である。つまり、円筒面102aの曲率中心Cは、軸線上に位置している。この円筒面102aの曲率半径、すなわち軸線上の曲率中心Cから円筒面102aまでの距離r1は、例えば10mmである。
【0047】
この支持部材102は、円筒面102aをZ軸方向に貫通する円形の開口部102bを有しており、この開口部102bに半導体レーザ素子30が取り付けられている。この時、半導体レーザ素子30は、凸状の円筒面側にレーザビームを放射するように開口部102bに装填されている。また、半導体レーザ素子30は、放射するレーザビームのビーム断面において、長軸方向がX軸方向と一致するように支持部材102に取り付けられている。
【0048】
このような構造の支持部材102を軸線を中心として回転させることにより、実質的に半導体レーザ素子30をビーム断面における短軸方向すなわちY軸方向に沿って回転移動させることが可能となり、放射されるレーザビームのビーム断面における短軸方向の放射角を調整するすることが可能となる。
【0049】
この支持部材102を受ける固定部材104は、レーザビーム送光/受光部6のハウジング6aに固定されている。また、この固定部材104は、Z軸方向に凹状の円筒面104aを有している。この円筒面104aのY−Z平面における断面形状は、円弧状であり、円筒面104aを規定する軸線は、X軸方向に平行である。つまり、円筒面104aの曲率中心Cは、軸線上に位置している。この円筒面104aの曲率半径、すなわち軸線上の曲率中心Cから円筒面104aまでの距離は、支持部材102の円筒面102aの曲率半径と同一のr1であり、この実施の形態では10mmである。
【0050】
この固定部材104は、円筒面104aをZ軸方向に貫通する円形の開口部104bを有している。この開口部104bは、支持部材102に取り付けられている半導体レーザ素子30から放射されるレーザビームをビームスプリッタ32などの後段の光学系に案内するために設けられ、支持部材102に形成された開口部102bより大きな直径を有する。
【0051】
このような構造の固定部材104の凹状の円筒面104aに支持部材102の凸状の円筒面102aを当接し、円筒面102aを円筒面104aに沿って摺動させることにより、支持部材102を円筒面102aの軸線を中心として回転させることが可能となる。これにより、実質的に半導体レーザ素子30をビーム断面における短軸方向すなわちY軸方向に沿って回転移動させることが可能となり、放射されるレーザビームのビーム断面における短軸方向の放射角を調整するすることが可能となる。したがって、半導体レーザ素子30から放射されるレーザビームの短軸方向の放射角を補正することが可能となり、レーザビームの輝度中心を短軸方向において光軸すなわちZ軸と平行にすることが可能となる。
【0052】
図5の(a)及び(b)は、調整機構において、支持部材の円筒面が固定部材の円筒面に当接された状態を示す図であり、(a)は、Y−Z平面における断面図であり、(b)は、X−Y平面における背面図である。
【0053】
図5の(b)に示したように、調整機構100の固定部材104は、ネジ106により図示しないレーザビーム送光/受光部のハウジングに固定されている。このとき、支持部材102を受け入れる凹状の円筒面は、ハウジングに対して解放されている。
【0054】
そして、図5の(a)に示したように、支持部材102に取り付けられている半導体レーザ素子30のリファレンス面が光軸Oに対して垂直となるように、固定部材104の凹状の円筒面104aに支持部材102の円筒面102aを当接する。
【0055】
この時、図5の(a)に示したように、半導体レーザ素子30から放射されたレーザビームの輝度中心が仮に光軸Oに対してθのずれ角を持っていたとする。
この場合、図6の(a)に示すように、支持部材102の凸状の円筒面102a及び固定部材104の凹状の円筒面104aの曲率中心Cを中心として、支持部材102の凸状の円筒面102aを固定部材104の凹状の円筒面104aに沿って摺動させ、支持部材102をθ/2だけ回転させることにより、ビーム断面における短軸方向の成分について、レーザビームの放射角を調整することが可能となり、レーザビームの輝度中心と光軸Oとを一致させることが可能となる。
【0056】
このような光源の光軸調整は、例えば、半導体レーザ素子30からレーザビームを放射させ、この放射されたレーザビームをCCDカメラで撮像しながら、輝度中心を光軸Oに一致させるように支持部材102を移動させることによって達成される。
【0057】
そして、このように光軸Oが調整された状態で支持部材102が固定部材104に対して接着されることにより、図6の(a)及び(b)に示したように固定される。
【0058】
また、図7の(a)及び(b)に示すように、光軸Oが調整された状態で支持部材102が固定部材104に対してネジ止めされることにより固定されてもよい。すなわち、固定部材104に、あらかじめ一対のネジ穴104cを形成しておく。また、支持部材102における、固定部材104のネジ穴104cの位置に略対応する位置にネジ穴104cの径より大きい貫通穴102cをあらかじめ形成しておく。そして、光軸が調整された状態で支持部材102の貫通穴102cを介して固定部材104のネジ穴104cにネジ110でネジ止めすることにより、支持部材102が固定部材104に固定される。
【0059】
上述した実施の形態では、光ヘッド装置は、光源30をレーザビーム送光/受光部6のハウジング6aにマウントするために、図4に示したように、光源30を支持するとともに単一の曲率半径r1の凸状の円筒面102aを有する支持部材102と、ハウジング6aに取り付けられているとともに支持部材102の曲率半径r1と同一の曲率半径の凹状の円筒面104aを有する固定部材104と、を備えている。
【0060】
光源30は、ビーム断面において、楕円状のレーザビームを放射するとともに、この光源30は、ビーム断面における長軸方向と凸状の円筒面102aを規定する軸線方向とが略平行となるように支持部材102に取り付けられている。そして、光源30が取り付けられた支持部材102の円筒面102aを固定部材104の円筒面104aに当接し、軸線を中心軸として支持部材102を回転させることにより、光源30から放射されるレーザビームのビーム断面における短軸方向の放射角を調整することが可能となる。
【0061】
すなわち、光源30をハウジング6aにマウントする機構を、光源30から放射されるレーザビームの短軸方向の放射角を調整する調整機構100として適用することが可能となる。
【0062】
このため、部品点数を増大することなく光源から放射されるレーザビームの放射角のずれを補正することが可能となり、レーザビームの輝度中心を光軸に略一致させることが可能となる。
【0063】
これにより、光源から放射されるレーザビームにおける光ディスクに向かうビーム断面の形状を適正化することが可能となり、光ディスクに記録されている情報を正確に再生し、また光ディスクに対して情報を正確に記録することが可能となる。
【0064】
なお、上述した実施の形態では、図4に示したように、支持部材102は、単一の曲率半径r1の単一の円筒面102aを有するように形成されたが、支持部材102を固定部材104の凹状の円筒面104aに対して、摺動自在に設けることが可能であれば、単一の円筒面のみで形成する必要はない。
【0065】
すなわち、図8に示すように、支持部材120は、固定部材104の凹状の円筒面104aに接触する第1の曲率半径r1の第1円筒面120aと、第1の曲率半径r1より小さい第2の曲率半径r2の第2円筒面120cとを有するように形成されてもよい。第2円筒面120cは、第1円筒面120aと同一の曲率中心Cを有している。
【0066】
そして、第2円筒面120cは、図9に示すように、第1円筒面120aが固定部材104の凹状の円筒面104aに接触した際に、円筒面104aから所定の間隙Dを形成するように、設けられている。
【0067】
この間隙Dは、光源30で発生された熱を支持部材120を介して固定部材104側に放熱するために、0.3mm以下であることが望ましい。
なお、この第2円筒面120cは、必ずしも円筒面である必要はない。すなわち、支持部材120の第1円筒面120aが固定部材104の凹状の円筒面104aに接触した際に、円筒面104aから所定の間隙Dを形成できれば、平面であってもよい。
【0068】
このような構造とすることにより、支持部材120の第1円筒面120aにおける、固定部材104の凹状の円筒面104aとの接触面積を小さくすることが可能となる。これにより、支持部材120の第1円筒面120aの加工が容易となるとともに、支持部材120自体の加工が容易となる。
【0069】
このような構造の支持部材120を適用した場合であっても、先に述べた実施の形態と同様に、部品点数を増大することなく光源から放射されるレーザビームの放射角のずれを補正することが可能となり、レーザビームの輝度中心を光軸に略一致させることが可能となる。
【0070】
これにより、光源から放射されるレーザビームにおける光ディスクに向かうビーム断面の形状を適正化することが可能となり、光ディスクに記録されている情報を正確に再生し、また光ディスクに対して情報を正確に記録することが可能となる。
【0071】
なお、支持部材及び固定部材の円筒面の曲率半径は、調整精度に依存して決定される。すなわち、曲率半径を大きくすることにより、より精密なずれ角を調整することが可能となる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、部品点数を増大することなく光源から放射される光ビームの放射角のずれを補正できるとともに、記録媒体に記録されている情報を正確に再生し、記録媒体に対して情報を正確に記録することが可能な光ヘッド装置及び光ヘッド装置の調整方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の光ヘッド装置が利用される光ディスク装置を示す概略図である。
【図2】図2は、図1に示した光ヘッド装置のアクチェータのピックアップを説明する概略図である。
【図3】図3は、図1に示した光ディスク装置のレーザビーム送出/受光部を説明する概略図である。
【図4】図4は、光ヘッド装置に適用される光源から放射されるレーザビームの放射角の調整機構の構造を概略的に示す斜視図である。
【図5】図5の(a)は、図4に示した調整機構の固定部材に支持部材を当接した状態を示す断面図であり、図5の(b)は、図5の(a)に示した状態における調整機構の背面図である。
【図6】図6の(a)は、図5の(a)に示した調整機構において放射角を調整した状態を示す断面図であり、図6の(b)は、図6の(a)に示した状態における調整機構の背面図である。
【図7】図7の(a)は、調整機構において放射角を調整した状態で固定部材と支持部材とを固定した状態を示す断面図であり、図7の(b)は、図7の(a)に示した状態における調整機構の背面図である。
【図8】図8は、図4に示した調整機構を構成する他の支持部材の構造を概略的に示す斜視図である。
【図9】図9は、図8に示した支持部材を調整機構として適用した場合の放射角を調整した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
2 …光ディスク装置
4 …アクチェータ
6 …レーザビーム送出/受光部
6a…ハウジング
12 …対物レンズ
14 …ピックアップ
16 …ガイドレール
18 …キャリッジ
20 …ミラー
30 …半導体レーザ素子(光源)
100…調整機構
102…支持部材
102a…凸状円筒面
104…固定部材
104a…凹状円筒面
120…支持部材
120a…第1円筒面
120c…第2円筒面
Claims (1)
- 楕円形状のビーム断面を有する光ビームを放射する光源を、前記光源が光ビームを放射する方向に凸状の所定の曲率半径の円筒面を有する支持部材によって支持し、
前記支持部材の凸状の円筒面と同一の曲率半径の凹状の円筒面を有する固定部材に対して、前記光源のリファレンス面が光軸に対して垂直となるように、前記固定部材の凹状の円筒面に前記支持部材の凸状の円筒面を当接し、
前記光源から放射された光ビームの輝度中心が光軸に対してθのずれ角を持つ場合に、前記支持部材の凸状の円筒面を前記固定部材の凹状の円筒面に沿って前記ビーム断面における短軸方向に摺動させて、前記支持部材をθ/2だけ回転させることにより、前記光源から放射される光ビームのビーム断面における短軸方向の放射角を調整し、
前記光源から放射される光ビームの輝度中心が光軸に一致する状態で前記支持部材を前記固定部材に固定する、
ことを特徴とする光ヘッド装置の調整方法。
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|---|---|---|---|
| JP34940997A JP3905966B2 (ja) | 1997-12-18 | 1997-12-18 | 光ヘッド装置の調整方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP34940997A JP3905966B2 (ja) | 1997-12-18 | 1997-12-18 | 光ヘッド装置の調整方法 |
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|---|---|
| JPH11185281A JPH11185281A (ja) | 1999-07-09 |
| JP3905966B2 true JP3905966B2 (ja) | 2007-04-18 |
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ID=18403561
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| JP34940997A Expired - Fee Related JP3905966B2 (ja) | 1997-12-18 | 1997-12-18 | 光ヘッド装置の調整方法 |
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| JP (1) | JP3905966B2 (ja) |
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-
1997
- 1997-12-18 JP JP34940997A patent/JP3905966B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPH11185281A (ja) | 1999-07-09 |
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