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JP3909647B2 - オートクルーズ装置 - Google Patents
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JP3909647B2 - オートクルーズ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、定速走行を行うクルーズコントロール走行と、先行車との車間距離を制御する車間制御機能付きクルーズコントロール走行を切り換えることのできるシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、設定された車速を維持する定車速走行を行うシステムとして、クルーズコントロールシステム(以下、CCシステムと呼ぶ)が実用化されている。このシステムによると、運転者がアクセルペダルを加減して希望の車速になった時に所定のスイッチを押すことにより、該スイッチを押した時の車速が設定され、その後、車両は該設定された車速で定速走行を行う。この「定速制御モード」においては、運転者はアクセルペダルを踏まなくても車速を維持することができるので、特に高速道路を走行する際には運転者の負担が軽減される。
【0003】
一方、最近では、車間制御機能付きクルーズコントロールシステム(以下、ACCシステムと呼ぶ)が提案され、実用化されてきている。ACCシステムは、レーダーやカメラ等を使用して先行車を検知し、先行車が検知されない場合には、設定された車速を維持する「定車速走行」を行い、先行車が検知された場合は、設定された車間距離を維持するよう車速が調整される「定車間走行」を行う。このような先行車の有無に従って車間距離および車速が調整される走行モードを、以下「車間制御モード」と呼ぶ。
【0004】
特開平11−42957号公報には、車間制御モードを実現するクルーズコントロールシステムの例が開示されている。このシステムでは、車間距離を3段階切り替えて設定することができ、現在いずれの車間距離が設定されているのかが運転者に一目でわかるように表示される。
【0005】
また、上記特開平11−42957号公報には、クルーズコントロールスイッチとして、図17の(a)に示されるようなレバー状のスイッチが開示されている。側部に設けられたメインスイッチ400を押すと、クルーズコントロールシステムが起動される。運転者は、希望の車速まで加速または減速した後、レバーを下げて手を離すことにより(すなわち、SET/COASTスイッチをオンにする)、その時の車速を設定車速としてセットすることができる。レバーを手前に押すと(すなわち、CANCELスイッチをオンにする)、システムが解除される。また、ブレーキペダルを踏んだりしてシステムを解除した後、レバーを上に上げて手を離すことにより(すなわち、RES/ACCスイッチをオンにする)、再びシステムによる車間制御を再開させることができる。
【0006】
ACCシステムにCCシステムを付加するのは容易であり、現在、ACCシステムとCCシステムとを切り替えて使用するシステムが提案されている。図17の(b)は、現在実用化されている、この切り替えを実現するスイッチの一例である。図17の(b)のスイッチは、図17の(a)のスイッチにMODEという新たな接点410を設けたものである。ACCシステムによる車間制御が行われていない状態から、レバーを所定時間以上前方に押すと(すなわちMODEスイッチをオンにする)、車間制御モードから定速制御モードへの切り替えが行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、比較的混雑している道路では、車間制御モードで走行すると周囲の道路状況に応じて車間調整および車速調整が行われるので、運転者の負担が軽減され、非常に便利である。これに対し、空いている道路において車間制御モードで走行すると不所望の減速が行われることがあるので、このような状況では定速制御モードで走行する方が、より快適に走行することができる。
【0008】
しかしながら、上記の図17の(b)に示されるように、従来のクルーズコントロールスイッチに新たな接点を設けると、コストが高くなるという問題点がある。したがって、コストが高くならないよう、車間制御モードおよび定速制御モードを切り替えることのできるシステムが必要とされている。
【0009】
一方、設定車速で走行中に自車よりも車速の遅い先行車が現れた場合、定速制御モードによる走行ではそのままの速度で先行車に接近するが、車間制御モードによる走行では、設定車間を維持するよう自動的に減速が行われる。したがって、運転者が定速制御モードで走行しているつもりで、実際には車間制御モードによる走行が行われていても問題にはならないが、車間制御モードで走行しているつもりで、実際には定速制御モードによる走行が行われていると、上記のような車速の遅い先行車が現れた状況が発生した場合、運転者が期待する減速が行われず、運転者に動揺をもたらすことがある。
【0010】
したがって、車間制御モードから定速制御モードへの切り替えは、運転者が確実に切り替えを意図した場合に限って切り替えが行われるようにし、誤操作や不注意で安易に切り替わらないようにするのが望ましい。逆に、定速制御モードから車間制御モードへの切り替えは、利便性を向上させるために簡単に切り替えることができるようにするのが望ましい。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1のオートクルーズ装置は、先行車と自車の車間距離が、予め設定された設定車間距離になるよう、予め設定された設定車速を上限として車速を制御し、先行車無しと判断されたときは、前記設定車速になるよう車速を制御する車間制御手段、および該車間制御手段による車間制御に関して運転者が操作することのできる入力手段を有し、前記設定車間距離および設定車速が、該入力手段を介して運転者によって設定されることができるオートクルーズ装置において、先行車の有無にかかわらず、前記設定車速になるよう車速を制御する定速制御手段と、前記入力手段に対する所定の操作に従って、前記車間制御手段によって走行制御される車間制御モード、または前記定速制御手段によって走行制御される定速制御モードを選択するモード選択手段とを備え、前記モード選択手段によって選択された走行モードに従って、前記車間制御手段または前記定速制御手段による走行制御が実行されるという構成をとる。
【0012】
この発明によると、車間制御を操作する既存の入力手段を利用して車間制御モードおよび定速制御モードの切り替えを行うことができるので、コスト高を招くことなく、走行制御の切り替えを行うことができる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明のオートクルーズ装置において、モード選択手段は、入力手段に対する所定の操作が、所定時間未満の操作時間を有する操作であるときは車間制御モードを選択し、所定時間以上の操作時間を有する操作であるときは定速制御モードを選択するという構成をとる。
【0014】
この発明によると、操作時間が所定時間以上であるときは定速制御モードが、操作時間が所定未満であるときは車間制御モードが選択されるので、定速制御モードが誤操作および不注意で安易に選択されることを回避することができる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2のいずれかの発明のオートクルーズ装置において、入力手段は、前記車間制御手段による車間制御または前記定速制御手段による定速制御が実行される制御状態と、前記車間制御および前記定速制御が共に停止される非制御状態とを切り替えるクルーズスイッチをさらに備えており、モード選択手段は、前記クルーズスイッチに対する所定の操作に従って、車間制御モードまたは定速制御モードを選択するという構成をとる。
【0016】
この発明によると、車間制御機能をオン/オフする既存のスイッチを利用して車間制御モードおよび定速制御モードの切り替えを行うことができるので、コスト高をもたらすことなく、モードの切り替えを実現することができる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項3の発明のオートクルーズ装置において、モード選択手段は、自車が前記非制御状態にあるときに前記クルーズスイッチに対する所定の操作が行われたならば、該所定の操作に従って、車間制御モードまたは定速制御モードを選択するという構成をとる。
【0018】
この発明によると、車間制御および定速制御が共にオフ状態であるときに限ってモードの切り替えが行われるので、誤操作および不注意によってモードの切り替えが行われることを回避することができる。
【0019】
請求項5の発明は、請求項1または請求項2の発明のオートクルーズ装置において、モード選択手段は、自車が車間制御モードにあるならば、入力手段に対する所定の操作に応答して車間制御モードから前記定速制御モードへの切り替えを行い、自車が定速制御モードにあるならば、入力手段に対する所定の操作に応答して定速制御モードから前記車間制御モードへの切り替えを行うという構成をとる。
【0020】
この発明によると、車間制御モードと定速制御モードの間で直接モードを切り替えることができるので、モード切り替えの利便性を向上させることができる。
【0021】
請求項6の発明は、請求項5の発明のオートクルーズ装置において、モード選択手段は、自車が車間制御モードまたは定速制御モードのいずれかにあるときに、入力手段に対する所定の操作が行われたならば、前記非制御状態に切り替えるという構成をとる。
【0022】
この発明によると、所定の操作に従って、車間制御モード、定速制御モード、および非制御状態を自在に切り替えることができるので、モード切替の利便性を向上させることができる。
【0023】
請求項7の発明は、請求項1の発明のオートクルーズ装置において、入力手段は、前記設定車間距離を設定する車間距離設定手段をさらに備えており、モード選択手段は、自車が定速制御モードにあるときに、該車間距離設定手段に対して車間距離を短くする操作が行われたならば、該操作に応答して、定速制御モードから車間制御モードへの切り替えを行うという構成をとる。
【0024】
この発明によると、車間距離を設定する既存の車間距離設定手段を利用して車間制御モードおよび定速制御モードを切り替えることができるので、コスト高を招くことなくモード切り替えを実現することができる。
【0025】
請求項8の発明は、請求項1の発明のオートクルーズ装置において、入力手段は、前記設定車間距離を設定する車間距離設定手段をさらに備えており、モード選択手段は、自車が車間制御モードにあるときに、該車間距離設定手段に対して車間距離を長くする操作が所定時間以上行われたならば、該操作に応答して、車間制御モードから定速制御モードへの切り替えを行うという構成をとる。
【0026】
この発明によると、車間距離設定手段に対する操作が所定時間以上行われたときに定速制御モードへ切り替えられるので、誤操作および不注意による定速制御モードへの安易な切り替えを回避することができる。
【0027】
請求項9の発明は、請求項8の発明のオートクルーズ装置において、車間距離設定手段は、車間距離を少なくとも長、中および短に設定することができ、モード選択手段は、車間距離が長に設定されているときに、車間距離設定手段に対して車間距離を長くする操作が所定時間以上行われたならば、該操作に応答して、車間制御モードから前記定速制御モードへの切り替えを行うという構成をとる。
【0028】
この発明によると、車間距離が長に設定され、かつ所定時間以上の操作が行われたときに定速制御モードへ切り替えられるので、誤操作および不注意による定速制御モードへの安易な切り替えを回避することができる。
【0029】
請求項10の発明は、請求項7から請求項9のいずれかの発明のオートクルーズ装置において、入力手段は、車間制御手段による車間制御または定速制御手段による定速制御が実行される制御状態と、車間制御および定速制御が共に停止される非制御状態とを切り替えるクルーズスイッチをさらに備えており、非制御状態から車間制御モードに切り替えられたとき、前記設定車間が中に設定されるという構成をとる。
【0030】
この発明によると、車間制御機能が起動されたときは設定車間が中に設定されるので、車間制御機能が起動されたときの誤操作および不注意による定速制御モードへの切り替えを回避することができる。
【0031】
請求項11の発明は、請求項1から請求項10のいずれかの発明のオートクルーズ装置において、車間制御モードから定速制御モードに切り替えられるとき、前記設定車速として現在の車速を設定するという構成をとる。
【0032】
この発明によると、現在の車速が設定車速としてセットされるので、定速制御モードに切り替えられたときの予期せぬ加速を回避することができる。
【0033】
請求項12の発明は、請求項1から請求項10のいずれかの発明のオートクルーズ装置において、自車が追従すべき先行車を決定する先行車決定手段をさらに備え、該先行車決定手段によって先行車無しと判断された時にのみ、前記モード選択手段による車間制御モードから定速制御モードへの切り替えが許可されるという構成をとる。
【0034】
この発明によると、先行車無しと判断された場合にのみ定速制御モードへの切り替えが許可されるので、先行車が存在するにもかかわらず定速制御モードへ切り替わったために加速が開始されてしまう事態を回避することができる。
【0035】
請求項13の発明は、請求項1から請求項10のいずれかの発明のオートクルーズ装置において、車間制御モードから定速制御モードに切り替えられるとき、前記設定車速として設定された車速をリセットするという構成をとる。
【0036】
この発明によると、設定車速がリセットされるので、定速制御モードに切り替えられたときの予期せぬ加速を回避することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の実施形態に従う物体検知装置の構成をブロック図で示したものである。
【0038】
物体検知装置1は、送光部2、送光走査部3、受光部4および距離計測処理部5を備え、自車の前方にある物体の距離、方向および相対速度を検出する。送光部1は、レーザーダイオード10と、レーザーダイオード10から送出されたレーザ光を集光する送光レンズ11と、レーザーダイオード10を駆動するレーザーダイオード駆動回路12とを備える。送光走査部3は、レーザーダイオード10から送光レンズ11を介して出力されたレーザーを反射して、前方に光を照射する送光ミラー13と、送光ミラー13を上下軸を中心に往復回動させるモータ15と、該モータ15の駆動を制御するモータ駆動回路16とを備える。受光部4は、受光レンズ17と、受光レンズ17で収束された反射波を受けて電気信号に変換するフォトダイオード18と、フォトダイオード18の出力信号を増幅する受光アンプ回路19とを備える。
【0039】
距離計測処理部5は、レーザーダイオード駆動回路12およびモータ駆動回路16を制御する制御回路24と、ACCシステム30との間で通信を行う通信回路26と、レーザーの送光から受光までの時間をカウントするカウンタ回路27と、物体までの距離、物体の方向および相対速度を算出する中央演算処理装置(CPU)28とを備える。
【0040】
図1を参照して、物体検知装置1の動作を説明する。制御回路24は、LD駆動回路12に発光指令を出し、レーザーダイオード10をパルス発光(レーザー光の波長は、たとえば870nmである)させる。それと同時に、制御回路24は、発光タイミングをカウンタ回路27に送り、カウンタを起動する。レーザーダイオード10によって送出されたレーザー光は送光レンズ11で集光され、送光ミラー13に送られる。送光ミラー13はモーター15によって左右に駆動されており、こうしてレーザ光は、送光ミラー13によって左右に走査される。送光ミラー13によってレーザ光が送出された時の送光ミラー13の角度は、制御回路24を通ってCPU28に送られる。
【0041】
送出されたレーザ光は、前方にある物体のリフレクタ(先行車の場合、テールランプにリフレクタが埋め込まれている)で反射される。受光レンズ17は、反射されたレーザ光を受光し、受光された光はフォトダイオード18によって電気信号に変換され、さらに受光アンプ回路19によって増幅される。増幅された信号はカウンタ回路27に送られ、これによって、上記の送光タイミングで回り始めたカウンタが停止する。カウンタ値はCPU28に送られる。CPU28は、上記の送光ミラーの角度およびカウンタ値から、前方の物体の方向および物体までの距離を算出する。具体的には、以下の式によって物体までの距離が算出される。こうして、物体の位置が特定される。
【0042】
【数1】
距離=
光の速度(約30万キロメートル/秒)×発光から受光までの経過時間/2
【0043】
図2は、物体検知装置1から照射されるレーザ光が走査する範囲を示す。図に示されるように、物体検知装置1は、先行車の巻き上げの影響や汚れを受けにくく、左右の車両を均等に検知することのできる自車のフロントグリル中央に設けられるのが好ましい。物体検知装置1から送出されたレーザ光は、左右方向に狭く、上下方向に58mrad(ミリラジアン、58mradは約3.3度に対応する)の大きさを有する扇形のビームであり、所定の周期(たとえば、0.1秒)で左右方向に280mrad(約16度)の往復移動を行い、自車前方を走査する。
【0044】
図3は、物体検知装置によって実行される、物体を検知して物体の位置および相対速度を算出する方法を示すフローチャートである。物体検知は、所定のサイクル(たとえば、100ミリ秒)で繰り返し実行される。
【0045】
ステップ101において、検知エリア内のすべての反射物を検出して反射物メモリに記憶し、所定の範囲内(たとえば、左右方向および前後方向ともに±1.5m以内)に存在する反射物データに同じ仮ナンバーを付ける(102)。次に、同じ仮ナンバーが付与された反射物データを1つのターゲットとし、ターゲットごとに、反射物データの距離の平均値、左右位置の平均値、および左右幅(左右両端に位置する2個の反射物データ間の距離)を算出し、ターゲットメモリに保存する(103)。
【0046】
ステップ104において、移動物ターゲットの引継を行う。具体的にいうと、前回のサイクルのターゲットメモリから移動物ターゲットを読み出し、その位置と相対速度とから、該移動物ターゲットの今回のサイクルにおける位置を予測する。今回のサイクルで検知されたターゲットのうち、予測した位置に最も近いターゲットを、前回検知された移動物ターゲットと同一と判定し、前回の位置と今回の位置との差分に基づいて相対速度を算出する。
【0047】
次に、ステップ105において、停止物ターゲットの引継を行う。具体的にいうと、前回のサイクルのターゲットメモリから停止物ターゲットを読み出し、その位置と相対速度とから、該停止物ターゲットの今回のサイクルにおける位置を予測する。今回検知されたターゲットのうち、予測した位置に最も近いターゲットを、前回検知された停止物ターゲットと同一と判定し、前回の位置と今回の位置との差分に基づいて相対速度を算出する。
【0048】
ステップ106において、新規ターゲットの引継を行う。具体的にいうと、前回のサイクルのターゲットメモリから新規ターゲットを読み出し、今回検知されたターゲットのうち、前回検知された新規ターゲットの位置に最も近いターゲットを同一とする。前回検知された新規ターゲットと、今回検知され同一と判定されたターゲットとから、相対速度を算出する。
【0049】
ステップ107において、今回検知されたターゲットにおいて、前回のサイクルから引き継ぐべきターゲットが存在しない(すなわち、前回のサイクルでは検知されたが、今回のサイクルでは、対応するターゲットが検知されなかった)とき、前回検知されたターゲットについて補間処理を行う。補間処理は、過去の相対速度に基づいて今回サイクルのターゲットの位置を予測することによって行うことができる。
【0050】
一方、ステップ108では、今回検知されたターゲットのうち、前回のサイクルで存在しないターゲット(すなわち、今回のサイクルで新たに検知されたターゲット)に対して、新しいターゲットナンバーを付与する。
【0051】
ステップ109において、ターゲットのそれぞれについて自車速と相対速度とを比較し、自車速の負の値に近い相対速度を有するターゲットを停止物ターゲットとし、自車速の負の値から離れた相対速度を有するターゲットを移動物ターゲットとする(属性の判定)。
【0052】
こうして、物体検知装置1によって、レーザーダイオードの検知エリア内にある物体のそれぞれについて引継処理が行われ、求められた物体の位置、相対速度および属性は、ACCシステム30に転送される。
【0053】
物体検知は、他の任意の方法によって実現することができる。たとえば、レーザーレーダの代わりにミリ波レーダを使用することができる。または、CCDカメラのような撮像装置を使用して、物体の位置および相対速度を求めることもできる。または、レーダー装置と撮像装置を組合せることにより、自車前方にある物体を認識することもできる。
【0054】
図4は、図1に示されるACCシステム30の機能ブロック図である。ACCシステム30は、先行車を検知しない場合は設定車速を維持する定車速走行を行い、先行車を検知した場合は設定車間距離を維持する定車間走行を行う車間制御モード、および先行車の有無に関わらず設定車速で走行を行う定速制御モードを実現するシステムである。ACCシステム30は、実際には、中央演算処理装置(CPU)、制御プログラムおよび制御データを格納する読み出し専用メモリ(ROM)、CPUの演算作業領域を提供し様々なデータを一時記憶することができるランダムアクセスメモリ(RAM)を備える電子制御ユニット(ECU)によって実現される。
【0055】
ACCシステム30の入力には、物体検知装置1、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ41、および各車輪の回転速度を検出する車輪速センサ42が接続されている。さらに、ACCシステム30の入力には、車間制御に関して運転者が操作することができるクルーズコントロールスイッチ43が接続されている。クルーズコントロールスイッチ43は、クルーズスイッチ61、ディスタンススイッチ62およびセット・リジューム・キャンセルスイッチ63から構成される。
【0056】
クルーズスイッチ61は、車間制御機能のオン/オフ状態を切り替える従来の機能に、車間制御モードと定速制御モードを切り替える機能が付加されたスイッチである。すなわち、クルーズスイッチ61は、車間制御機能または定速制御機能が動作する制御状態と、車間制御機能および定速制御機能が共に停止する非制御状態を切り替えることができる。ディスタンススイッチ62は、運転者が車間距離を設定する時に操作するスイッチである。セット・リジューム・キャンセルスイッチ63は、運転者が、設定車速の設定、車間制御機能の一時的解除、および車間制御機能の再開を行う時に操作するスイッチである。
【0057】
この発明の他の実施形態では、上記のようにクルーズスイッチ61にモード切り替え機能を付加する代わりに、ディスタンススイッチ62にモード切り替え機能が付加される。この場合、クルーズスイッチ61は、ACCシステム30のオン/オフ状態を切り替える従来の機能を有する。
【0058】
ACCシステム30の出力には、車速制御部55からの指示に従ってエンジンスロットルを制御するスロットルアクチュエータ46、およびブレーキを作動させるブレーキアクチュエータ47が接続されている。さらに、ACCシステム30の出力には、車間制御部52および定速制御部53からの指示に従って車間制御および定速制御の作動状態および設定状態を表示するディスプレイ48、および車間制御部52からの指示に従ってブザーを発する警告ブザー49が接続されている。
【0059】
ACCシステム30は、先行車決定部51、車間制御部52、定速制御部53、モード選択部54および車速制御部55を備える。先行車決定部51は、ヨーレートセンサ41および車輪速センサ42から受け取ったヨーレートおよび車速に基づいて、自車の走行軌跡を推定する。一方、先行車決定部51は、物体検知装置1によって検知された移動物体のそれぞれの位置および相対速度を受け取る。先行車決定部51は、物体検知装置1から受け取ったそれぞれの物体のうち、推定した自車の走行軌跡上に存在する移動物体の中で自車に最も近い物体を先行車と決定する。
【0060】
車間制御部52は、モード選択部54によって車間制御モードが選択されたことに応答して、車間制御を開始する。車間制御に従って走行する車間制御モードは、典型的には以下の4つの走行モードから構成される。
1)先行車が存在しないとき、設定車速を維持するよう走行する(定速走行モード)。
2)先行車の車速が自車の車速よりも遅いとき、先行車に接近しすぎないよう減速する(減速走行モード)。
3)設定車速を上限として、先行車との車間距離が設定車間距離を維持するよう、先行車を追従する(追従走行モード)。
4)設定車速よりも遅い車速で先行車に追従していた状況において先行車がいなくなったとき、設定車速まで緩やかに加速する(加速走行モード)。
【0061】
上記の走行モードを実現するため、車間制御部52は、以下のようにして目標車速を算出する。
1)定速走行モード:車間制御部52は、先行車決定部51による先行車無しの判定に応答して、目標車速として設定車速を出力する。
2)減速走行モード:車間制御部52は、先行車決定部51から受け取った先行車の相対速度から、先行車が自車よりも遅い車速で走行していると判断したときには、現在の車速が先行車の車速に減速するよう目標車速を調整する。
3)追従走行モード:車間制御部52は、先行車決定部51から受け取った車間距離と、ディスタンススイッチ62を介して受け取った設定車間距離との差を算出し、該差がゼロになるよう目標車速を算出する。
4)加速走行モード:車間制御部52は、設定車速より遅い車速で追従走行を行っていたときに先行車が検知されなくなったことに応答して、現在の車速が設定車速に加速するよう目標車速を調整する。
【0062】
車間制御部52は、現在のACCシステムの設定および作動状況をディスプレイ48に表示する。また、車間制御部52は、先行車に近づきすぎた場合など運転者に注意を促す必要がある場合には、警告ブザー49を駆動する。
【0063】
定速制御部53は、モード選択部54によって定速制御モードが選択されたことに応答して、目標車速として設定車速を出力し、定速制御を開始する。こうして、先行車の有無にかかわらず設定車速を維持する定速制御(定速制御モードという)が実行される。定速制御部53は、定速制御を開始すると同時に、ディスプレイ48上に、現在定速制御が行われていることを示すインジケータを表示する。
【0064】
モード選択部54は、クルーズスイッチ61に対する所定の操作に従って、車間制御部52による車間制御または定速制御部53による定速制御のいずれかを選択する。また、モード選択部54は、クルーズスイッチ61に対する所定の操作に応答して、車間制御部52による車間制御および定速制御部53による定速制御の両方を非制御状態にする。
【0065】
モード切り替え機能を、クルーズスイッチ61ではなくディスタンススイッチ62に持たせた場合には、モード選択部54は、ディスタンススイッチ62に対する所定の操作に従って、車間制御部52による車間制御または定速制御部53による定速制御を切り替える。この場合、車間制御および定速制御の非制御状態への切り替えは、クルーズスイッチ61を介して行われる。
【0066】
車速制御部55は、車間制御モードにおいては、車間制御部52から受け取った目標車速になるよう、スロットルアクチュエータ46を制御する。また、定速制御モードにおいては、定速制御部53から受け取った目標車速(すなわち、設定車速)になるようスロットルアクチュエータ46を制御する。減速をする場合に、スロットル制御による減速でも減速度が足りないときは、車速制御部55はブレーキアクチュエータ47を駆動してブレーキを作動させる。
【0067】
次に、クルーズコントロールスイッチ43およびディスプレイ48について説明する。図5は、車内のステアリングホイール近傍を示す。図に示されるように、クルーズスイッチ61およびディスタンススイッチ62は、ステアリングホイールの右下に配置されており、セット・リジューム・キャンセルスイッチ63は、ステアリングホイール上に配置されている。ディスプレイ48は、コンビネーション・メーター71の手前に配置されており、ACCシステムの設定状態および作動状態が表示される。
【0068】
図6は、第1のスイッチ形態を示す図である。図6の(a)はON/OFFトグル型のクルーズスイッチであり、押すたびにON/OFFが切り替わる。また、図6の(b)は、ディスタンススイッチと一体化されたON/OFFトグル型のクルーズスイッチであり、ON側を押すたびにON/OFFが切り替わり、DISTANCE側を押すたびに、「長」−>「中」−>「短」−>「長」...と設定車間距離が切り替わる。スイッチがON状態にされると、「ON」の横にある表示灯66が点灯する。
【0069】
図6の(c)は、図6の(a)または(b)のON/OFFトグル型スイッチにモード切り替え機能を持たせた場合における、スイッチに対する操作に従ってACCシステムの制御状態が遷移することを示す図である。スイッチがOFF状態にあるとき、ACCシステムはOFF状態(すなわち、ACCシステムによる走行制御が行われていない状態)にある。スイッチを押す時間に従って、ACCシステムは、OFF状態から車間制御モード(以下、ACCモードともいう)または定速制御モード(以下、CCモードともいう)に遷移する。すなわち、押す時間が所定時間未満の場合はACCモードに遷移し、押す時間が所定時間以上の場合はCCモードに遷移する。ACCモードまたはCCモードに遷移した後にスイッチを押すと、ACCシステムはOFF状態に戻る。
【0070】
このスイッチの場合、ACCモードとCCモードの間を直接遷移する経路は存在せず、必ずOFF状態を経由してどちらかのモードに遷移するので、ACCモードからCCモードへの安易な切り替えを防止することができる。また、スイッチを所定時間以上押した場合にCCモードへ遷移するので、運転者の明らかな意図に基づいてCCモードへの遷移が行われ、よって不注意や誤操作によるCCモードへの切り替えを防ぐことができる。上記所定時間は、たとえば0.6秒〜3.0秒程度の任意の時間を設定することができ、以下の実施例においてはこれを1秒に設定する。
【0071】
図7は、第2のスイッチ形態を示す図である。図7の(a)は、ON/OFFシーソー型のクルーズスイッチであり、ON側を押すと、スイッチはON状態になって表示灯66が点灯し、OFF側を押すとOFF状態になる。図7の(b)は、図7の(a)のON/OFFシーソー型スイッチにモード切り替え機能を持たせた場合における、スイッチに対する操作に従ってACCシステムの制御状態が遷移することを示す図である。図7の(b)において、図6の(c)と異なるのは、ACCモードとCCモードの間を直接遷移する経路がある点である。すなわち、ACCモードにあるときに、ON側を押す時間が所定時間以上ならばCCモードに遷移し、CCモードにあるときに、ON側を押す時間が所定時間未満ならばACCモードに遷移する。このように、CCモードへ遷移するにはON側を長く押すことが必要となり、よって安易なCCモードへの遷移を防ぐことができる。反対に、ON側を短時間押すだけでCCモードからACCモードに遷移するので、ACCモードへの切り替えを簡単に行うことができる。さらに、OFF状態、ACCモードおよびCCモードの間の切り替えを自在に行うことができるので、モード切り替えの利便性が向上する。
【0072】
図8は、第3のスイッチ形態を示す図である。図8の(a)は、車間距離を設定するためのディスタンススイッチ62を示す。設定車間距離は、長・中・短の3段階に切り替えて設定することができる。車間距離は、車頭時間(自車が現在の車速で走行した場合に現在の先行車の位置に達するまでの時間)で表され、「長」は2.5秒に対応し、「中」は2.1秒に対応し、「短」は1.7秒に対応する。たとえば、自車の車速を80km/hとすると、「長」は約56mに対応し、「中」は約47mに対応し、「短」は約38mに対応する。ディスタンススイッチのLONG(ロング)側を押すと、設定車間距離は1段階だけ長くなり、SHORT(ショート)側を押すと、設定車間距離は1段階だけ短くなる。
【0073】
車間距離をどのように設定するかは任意である。上記と異なる数の段階数を設定できるようにしてもよく、また上記の車頭時間も任意に設定することができる。
【0074】
図8の(b)は、図8の(a)のディスタンススイッチにモード切り替え機能を持たせた場合における、スイッチに対する操作に従ってACCシステムの制御状態が遷移することを示す図である。設定車間距離が「長」になるまでLONG側を押し、その後LONG側を所定時間以上押すことによってCCモードに遷移する。このように、設定車間距離を「長」にし、さらに所定時間以上押さなければCCモードには遷移しないので、安易なCCモードへの遷移を防ぐことができる。反対に、CCモードにあるときにSHORT側を押すことにより、CCモードからACCモードに遷移する。このように、CCモードからACCモードへの遷移は比較的簡単に行われ、よって利便性が向上する。
【0075】
ACCシステムが起動されたとき、設定車間距離は「中」に設定されるのが好ましい。これは、「長」の状態でLONG側を1秒以上押すとCCモードに入ってしまうので、ACCシステム起動時の誤操作によって安易にCCモードに遷移してしまうことを防ぐためである。
【0076】
図8の(a)に示されるようなディスタンススイッチには、図6の(a)または図7の(a)に示されるクルーズスイッチが組み合わせて使用される。この場合、いずれのスイッチにモード切り替え機能を持たせるかは任意である。また、図6の(b)に示されるような一体型スイッチにおいても、ON側にモード切り替え機能を付加する代わりに、DISTANCE側に付加することもできる。クルーズスイッチにモード切り替え機能を持たせた場合は、ディスタンススイッチは設定車間距離をセットする機能のみを有する。反対に、ディスタンススイッチにモード切り替え機能を持たせた場合は、クルーズスイッチは、ACCシステムのオン/オフ状態を切り替える機能のみを有する。
【0077】
図9は、SET/DECELスイッチ、CANCELスイッチおよびRES/ACCELスイッチから構成されるセット・リジューム・キャンセルスイッチ63を示す。SET/DECELスイッチは車速を設定するためのスイッチであり、アクセルペダルを加減して所望の車速になったときにSET/DECELスイッチを押して離すと、離したときの車速が設定車速としてセットされる。車速を設定した後、RES/ACCELスイッチを1回押すたびに、所定量(たとえば、2km/h)だけ設定車速を上げることができ、反対にSET/DECELスイッチを1回押すたびに、所定量(たとえば、2km/h)だけ設定車速を下げることができる。CANCELスイッチは、ACCシステムによる車間制御を一時的に解除するためのスイッチである。解除した後も、設定車速がディスプレイ48(図10)に表示されている場合は、RES/ACCELスイッチを押すことにより、車間制御を再開することができる。
【0078】
図6〜9に示されるクルーズコントロールスイッチの形態は例示であり、ACCシステムを操作するのに他の任意の形態の入力手段を用いることができる。たとえば、レバー状の操作スイッチや、タッチパネル形式のスイッチを用いることができる。
【0079】
図10の(a)は、ディスプレイ48の表示の例を示す。参照番号75で示されるRADER/OFF表示は、ACCシステムが自動で解除されたときに所定時間(たとえば、5秒間)だけ表示される。参照番号76の領域には、設定車速が表示される。設定車速まで加速している間は、車速が点滅表示される。参照番号77で示される「NO TARGET」表示は、先行車決定部51によって先行車が決定されなかったときに表示される。
【0080】
参照番号78の車の表示は先行車を示し、先行車が検知されている場合に表示される。参照番号80の車の表示は、自車を示す。先行車78と自車80の間の参照番号79で示される領域には、設定車間距離が表示される。設定車間距離は、3段階(長、中および短)のバーで表示される(図10の(b)を参照)。すなわち、バーが3本のときは設定車間距離が長に設定されていることを示し、2本のときは中に、1本のときは短に設定されていることを示す。運転者は、この表示によって、現在どの車間距離が設定されているかを一目で把握することができる。参照番号81で示される「BRAKE」表示は、たとえば、先行車に接近しすぎたときなど運転者によるブレーキ操作が必要なときに点滅表示する。
【0081】
ディスプレイに示される表示が切り替わるときは、運転者の注意を促すよう警告ブザーが発せられる。たとえば、「NO TARGET」が表示されると同時に警告ブザーが発せられるので、運転者は、先行車が何らかの原因で検知されなくなったということを、ディスプレイの表示および警告ブザーの両方で認識することができる。
【0082】
図11は、先行車決定部51によって実行される先行車決定方法を説明するための図である。三角形の領域92は、自車90に搭載された物体検知装置によって検知されることのできる検知エリアを示す。一方、先行車決定部51は、ヨーレートセンサ41および車輪速センサ42によって検出されたヨーレートおよび車速から等速円運動を仮定することにより、自車の走行軌跡(推定自車軌跡と呼ぶ)93を算出する。先行車決定部51は、推定自車軌跡93を中心に所定幅を持たせた領域(たとえば、推定自車軌跡93を中心に±2mの領域)を、推定自車線94として算出する(すなわち、2本の曲線95で挟まれた領域)。先行車決定部51は、物体検知装置によって検知された移動物体のうち、推定自車線94と検知エリア92とが重なり合う領域に存在する物体の中で最も自車に近い物体を先行車91と決定する。なお、道路の曲率が変化する場合は、先行車が推定自車線上から外れてしまうので、ある条件の下に補間を行うのが好ましい。
【0083】
図12は、車間制御部52によって実行される車間制御方法のフローチャートである。ステップ152において、先行車決定部によって先行車が決定されたかどうか判断する。先行車無し(すなわち、先行車が決定されなかった)と判定されれば、クルーズコントロールスイッチ43を介して設定された車速になるよう目標車速を調整し(153)、該目標車速になるようスロットルアクチュエータ46を制御する(157)。こうして、先行車が検知されないときは、設定車速を維持する定速走行が行われる。
【0084】
ステップ152において先行車が決定されたならば、先行車決定部から先行車の相対速度および車間距離を受け取る(154)。ステップ155において、受け取った車間距離と、ディスタンススイッチ62を介して設定された設定車間距離を比較し、その差を算出する。ステップ156において、相対速度および自車の車速に基づいて、算出された車間距離の差をゼロにするよう目標車速を算出し、該目標車速になるようスロットルアクチュエータ46またはブレーキアクチュエータ47を制御する(158)。減速を行うとき、スロットルアクチュエータ46の制御による減速度では足りない場合は、ブレーキアクチュエータ47が駆動される。
【0085】
図13は、モード選択部54によって実行される、CCモードとACCモードの第1の切り替え方法を示すフローチャートである。このフローチャートにおいて、切り替えはディスタンススイッチ62を使用して行うと仮定する(図8)。また、クルーズスイッチ61をON状態にしてACCシステムを起動したとき、設定車間距離は「中」にセットされ、車間制御が開始されると仮定する。
【0086】
ステップ201において設定車間距離が「中」に設定され、車間制御が開始された後、ステップ202において、ディスタンススイッチが押されたかどうか判断する。押されたならば、LONG側およびSHORT側のどちらが押されたかを判断する(203)。SHORT側が押されたならば、現在の設定車間距離を1段階短くする(204)。すなわち、現在の設定車間距離が「中」ならば、これを「短」に変更し(205)、現在の設定車間距離が「長」ならば、これを「中」に変更し(206)、現在の設定車間距離が「短」ならば、ステップ202に戻る。また、現在設定車間距離が設定されておらずCCモードにあるならば、設定車間距離を「長」に設定し、これによってCCモードからACCモードに移行する(207)。
【0087】
ステップ203においてLONG側が押されたならば、ステップ208に進み、現在の状態に従って設定車間距離を1段階長くする。すなわち、現在の設定車間距離が「短」ならば、これを「中」に変更し(209)、現在の設定車間距離が「中」ならば、これを「長」に変更する(210)。現在の設定車間距離が「長」ならば、LONG側が押された時間を判断し、押された時間が1秒以上ならばCCモードに遷移し(211、212)、1秒未満ならばステップ202に戻る。また、現在設定車間距離が設定されておらずCCモードにあるならば、ステップ202に戻る。
【0088】
図14に、ACCモードおよびCCモードのディスプレイの表示例を示す。図14の(a)の表示は、ACCモードで走行中の表示例を示す。この表示は、設定車速が90km/hであり、設定車間距離が「長」であり、先行車に追従して走行している状態を示している。図14の(b)は、CCモードで走行中の表示例を示す。CCモードでは先行車検知が実行されないので、先行車および設定車間距離は表示されない。また、スピードメーターの実車速が設定車速を示すこととなるので、設定車速も表示されず、代わりにCCモードであることを示す「CC」の文字が表示される。図14の(c)は、CCモードで走行中の他の表示例を示す。図14の(b)と異なり、先行車を検知していないことを示す「NO TARGET」が追加で表示されている。こうして運転者は、現在ACCモードで走行中なのかCCモードで走行中なのかを一目で認識することができる。
【0089】
図15は、CCモードとACCモードの第2の切り替え方法を示すフローチャートである。第2の切り替え方法は、ACCモードで走行中に先行車を検知している間はACCモードからCCモードへ切り替わらないようにする点で、第1の切り替え方法と異なる。自車の車速より遅い先行車を追従している間にCCモードに切り替えると、設定車速に復帰しようとして加速を開始してしまい、運転者に動揺をもたらすこととなる。したがって、第2の切り替え方法では、このような予期せぬ加速が行われることを回避する。
【0090】
ステップ231〜241は、図13に示されるステップ201〜211と同じである。ステップ242において、先行車を検知しているかどうか判断する。先行車を検知していなければCCモードに遷移し(243)、先行車を検知しているならば、CCモードへの遷移を行うことなくステップ232に戻る。
【0091】
図16は、CCモードとACCモードの第3の切り替え方法を示すフローチャートである。第3の切り替え方法は、ACCモードからCCモードに遷移するとき、現在の車速を設定車速にセットする点で、第1の切り替え方法と異なる。図15の場合と同様に、自車の車速より遅い先行車を追従している間にCCモードに切り替えると、設定車速に復帰しようとして加速を始めてしまい、運転者に動揺をもたらすことがある。したがって、第3の切り替え方法では、このような予期せぬ加速が行われることを回避する。
【0092】
ステップ251〜261は、図13に示されるステップ201〜211と同じである。ステップ262において、現在ACCモードで走行中かどうか判断される。ACCモードで走行していたならば、設定車速に現在の車速をセットした後に、CCモードに遷移する(263)。したがって、設定車速よりも遅い車速で走行していた状態でCCモードに遷移したときは、該遅い車速で定速走行が開始されるので、加速がいきなり開始されるという事態を回避することができる。一方、ステップ262においてACCモードで走行していなければ、設定車速をクリアにした後、CCモードに遷移する(264)。この場合、CCモードに遷移した後、運転者は新たに設定車速をセットし直す必要がある。ステップ262においてACCモードで走行中でない場合(すなわち、ステップ262の判断結果が「No」の場合)として、たとえばクルーズコントロールスイッチのキャンセルスイッチが押されたことによって一時的にACCシステムが解除された場合が考えられる。この場合、一時的に車間制御は実行されなくなるが、設定車速は残っていることがある(この場合、ディスプレイに設定車速が表示される)。この状態でCCモードに移行すると、設定車速に復帰しようとして加速が開始される。したがって、ステップ264において設定車速をクリアにし、加速が急に開始されるのを回避する。
【0093】
以上のように、この発明に従うACCシステムにおける車間制御モードと定速制御モードの切り替え方法について説明した。この発明によれば、ACCシステムによる車間制御を操作するための既存のスイッチを利用して、車間制御モードと定速制御モードを切り替えることができる。
【0094】
【発明の効果】
請求項1の発明によると、車間制御を操作する既存の入力手段を利用して車間制御モードおよび定速制御モードの切り替えを行うことができるので、コスト高を招くことなく、走行制御の切り替えを行うことができる。
【0095】
請求項2の発明によると、操作時間が所定時間以上であるときは定速制御モードが、操作時間が所定未満であるときは車間制御モードが選択されるので、定速制御モードが誤操作および不注意で安易に選択されることを回避することができる。
【0096】
請求項3の発明によると、車間制御機能をオン/オフする既存のスイッチを利用して車間制御モードおよび定速制御モードの切り替えを行うことができるので、コスト高をもたらすことなく、モードの切り替えを実現することができる。
【0097】
請求項4の発明によると、車間制御および定速制御が共にオフ状態であるときに限ってモードの切り替えが行われるので、誤操作および不注意によってモードの切り替えが行われることを回避することができる。
【0098】
請求項5の発明によると、車間制御モードと定速制御モードの間で直接モードを切り替えることができるので、モード切り替えの利便性を向上させることができる。
【0099】
請求項6の発明によると、所定の操作に従って、車間制御モード、定速制御モード、および非制御状態を自在に切り替えることができるので、モード切替の利便性を向上させることができる。
【0100】
請求項7の発明によると、車間距離を設定する既存の車間距離設定手段を利用して車間制御モードおよび定速制御モードを切り替えることができるので、コスト高を招くことなくモード切り替えを実現することができる。
【0101】
請求項8の発明によると、車間距離設定手段に対する操作が所定時間以上行われたときに定速制御モードへ切り替えられるので、誤操作および不注意による定速制御モードへの安易な切り替えを回避することができる。
【0102】
請求項9の発明によると、車間距離が長に設定され、かつ所定時間以上の操作が行われたときに定速制御モードへ切り替えられるので、誤操作および不注意による定速制御モードへの安易な切り替えを回避することができる。
【0103】
請求項10の発明によると、車間制御機能が起動されたときは設定車間が中に設定されるので、車間制御機能が起動されたときの誤操作および不注意による定速制御モードへの切り替えを回避することができる。
【0104】
請求項11の発明によると、現在の車速が設定車速としてセットされるので、定速制御モードに切り替えられたときの予期せぬ加速を回避することができる。
【0105】
請求項12の発明によると、先行車無しと判断された場合にのみ定速制御モードへの切り替えが許可されるので、先行車が存在するにもかかわらず定速制御モードへ切り替わったために加速が開始されてしまう事態を回避することができる。
【0106】
請求項13の発明によると、設定車速がリセットされるので、定速制御モードに切り替えられたときの予期せぬ加速を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例における物体検知装置を示すブロック図。
【図2】この発明の一実施例における、物体検知装置によって検知されるエリアを示す図。
【図3】この発明の一実施例における物体を検知する方法を示すフローチャート。
【図4】この発明の一実施例におけるACCシステムの機能ブロック図
【図5】この発明の一実施例における、ACCシステムを操作するためのスイッチおよびACCシステムについての情報を表示するディスプレイの配置を示す図。
【図6】この発明の一実施例における、(a)(b)クルーズスイッチの第1の形態を示す図、および(c)該クルーズスイッチに対する操作に従って制御状態が遷移することを示す遷移図。
【図7】この発明の一実施例における、(a)クルーズスイッチの第2の形態を示す図、および(b)該クルーズスイッチに対する操作に従って制御状態が遷移することを示す遷移図。
【図8】この発明の一実施例における、(a)ディスタンススイッチの形態を示す図、および(b)該ディスタンススイッチに対する操作に従って制御状態が遷移することを示す遷移図。
【図9】この発明の一実施例におけるセット・リジューム・キャンセルスイッチの形態を示す図。
【図10】この発明の一実施例におけるディスプレイの表示例を示す図。
【図11】この発明の一実施例における先行車決定方法を説明するための図。
【図12】この発明の一実施例における車間制御方法を示すフローチャート。
【図13】この発明の第1の実施例における、ACCモードおよびCCモードの切り替え方法を示すフローチャート。
【図14】この発明の一実施例における、(a)ACCモードにおけるディスプレイの表示例、(b)CCモードにおけるディスプレイの表示例、および(c)CCモードにおけるディスプレイの他の表示例を示す図。
【図15】この発明の第2の実施例における、ACCモードおよびCCモードの切り替え方法を示すフローチャート。
【図16】この発明の第3の実施例における、ACCモードおよびCCモードの切り替え方法を示すフローチャート。
【図17】従来の技術に従う、(a)車間制御機能が付加されたクルーズコントロールシステムの操作スイッチ、および(b)車間制御モードおよび定速制御モードのモード切り替えのための接点が付加されたスイッチ。
【符号の説明】
1 物体検知装置 51 先行車決定部
52 車間制御部 53 定速制御部
54 モード切り替え部 55 車速制御部
61 クルーズスイッチ 62 ディスタンススイッチ

Claims (12)

  1. 先行車と自車の車間距離が、予め設定された設定車間距離になるよう、予め設定された設定車速を上限として車速を制御し、先行車無しと判断されたときは、前記設定車速になるよう車速を制御する車間制御手段、および該車間制御手段による車間制御に関して運転者が操作することのできる入力手段を有し、前記設定車間距離および設定車速が、該入力手段を介して運転者によって設定されることができるオートクルーズ装置において、
    先行車の有無にかかわらず、前記設定車速になるよう車速を制御する定速制御手段と、
    前記入力手段に対する所定の操作に従って、前記車間制御手段によって走行制御される車間制御モード、または前記定速制御手段によって走行制御される定速制御モードを選択するモード選択手段とを備え、
    前記モード選択手段によって選択された走行モードに従って、前記車間制御手段または前記定速制御手段による走行制御が実行され、
    前記入力手段は、前記設定車間距離を設定する車間距離設定手段をさらに備えており、
    前記モード選択手段は、自車が前記定速制御モードにあるときに、前記車間距離設定手段に対して車間距離を短くする操作が行われたならば、該操作に応答して、前記定速制御モードから前記車間制御モードへの切り替えを行う、
    オートクルーズ装置。
  2. 先行車と自車の車間距離が、予め設定された設定車間距離になるよう、予め設定された設定車速を上限として車速を制御し、先行車無しと判断されたときは、前記設定車速になるよう車速を制御する車間制御手段、および該車間制御手段による車間制御に関して運転者が操作することのできる入力手段を有し、前記設定車間距離および設定車速が、該入力手段を介して運転者によって設定されることができるオートクルーズ装置において、
    先行車の有無にかかわらず、前記設定車速になるよう車速を制御する定速制御手段と、
    前記入力手段に対する所定の操作に従って、前記車間制御手段によって走行制御される車間制御モード、または前記定速制御手段によって走行制御される定速制御モードを選択するモード選択手段とを備え、
    前記モード選択手段によって選択された走行モードに従って、前記車間制御手段または前記定速制御手段による走行制御が実行され、
    前記入力手段は、前記設定車間距離を設定する車間距離設定手段をさらに備えており、
    前記モード選択手段は、自車が前記車間制御モードにあるときに、前記車間距離設定手段に対して車間距離を長くする操作が所定時間以上行われたならば、該操作に応答して、前記車間制御モードから前記定速制御モードへの切り替えを行う、
    オートクルーズ装置。
  3. 先行車と自車の車間距離が、予め設定された設定車間距離になるよう、予め設定された設定車速を上限として車速を制御し、先行車無しと判断されたときは、前記設定車速になるよう車速を制御する車間制御手段、および該車間制御手段による車間制御に関して運転者が操作することのできる入力手段を有し、前記設定車間距離および設定車速が、該入力手段を介して運転者によって設定されることができるオートクルーズ装置において、
    先行車の有無にかかわらず、前記設定車速になるよう車速を制御する定速制御手段と、
    前記入力手段に対する所定の操作に従って、前記車間制御手段によって走行制御される車間制御モード、または前記定速制御手段によって走行制御される定速制御モードを選択するモード選択手段とを備え、
    前記モード選択手段によって選択された走行モードに従って、前記車間制御手段または前記定速制御手段による走行制御が実行され、
    前記入力手段は、前記設定車間距離を設定する車間距離設定手段をさらに備えており、
    前記車間距離設定手段は、車間距離を少なくとも長、中および短に設定することができ、
    前記モード選択手段は、車間距離が長に設定されているときに、前記車間距離設定手段に対して車間距離を長くする操作が所定時間以上行われたならば、該操作に応答して、前記車間制御モードから前記定速制御モードへの切り替えを行う、
    オートクルーズ装置。
  4. 前記入力手段は、前記車間制御手段による車間制御または前記定速制御手段による定速制御が実行される制御状態と、前記車間制御および前記定速制御が共に停止される非制御状態とを切り替えるクルーズスイッチをさらに備えており、
    前記モード選択手段は、前記クルーズスイッチに対する所定の操作に従って、前記車間制御モードまたは定速制御モードを選択する、
    請求項1からのいずれかに記載のオートクルーズ装置。
  5. 前記モード選択手段は、自車が前記非制御状態にあるときに前記クルーズスイッチに対する所定の操作が行われたならば、該所定の操作に従って、前記車間制御モードまたは前記定速制御モードを選択する、
    請求項に記載のオートクルーズ装置。
  6. 前記モード選択手段は、前記クルーズスイッチに対する所定の操作が、所定時間未満の操作時間を有する操作であるときは前記車間制御モードを選択し、所定時間以上の操作時間を有する操作であるときは前記定速制御モードを選択する請求項に記載のオートクルーズ装置。
  7. 前記モード選択手段は、自車が前記車間制御モードにあるならば、前記入力手段に対する所定の操作に応答して前記車間制御モードから前記定速制御モードへの切り替えを行い、自車が前記定速制御モードにあるならば、前記入力手段に対する所定の操作に応答して前記定速制御モードから前記車間制御モードへの切り替えを行う、
    請求項1からのいずれかに記載のオートクルーズ装置。
  8. 前記入力手段は、前記車間制御手段による車間制御または前記定速制御手段による定速制御が実行される制御状態と、前記車間制御および前記定速制御が共に停止される非制御状態とを切り替えるクルーズスイッチをさらに備えており、
    前記モード選択手段は、自車が前記車間制御モードまたは前記定速制御モードのいずれかにあるときに、前記クルーズスイッチに対する所定の操作が行われたならば、前記非制御状態に切り替える、
    請求項7に記載のオートクルーズ装置。
  9. 前記入力手段は、前記車間制御手段による車間制御または前記定速制御手段による定速制御が実行される制御状態と、前記車間制御および前記定速制御が共に停止される非制御状態とを切り替えるクルーズスイッチをさらに備えており、
    前記非制御状態から前記車間制御モードに切り替えられたとき、前記設定車間距離が中に設定される、
    請求項3に記載のオートクルーズ装置。
  10. 前記車間制御モードから前記定速制御モードに切り替えられるとき、前記設定車速として現在の車速を設定する、
    請求項1から請求項9のいずれかに記載のオートクルーズ装置。
  11. 自車が追従すべき先行車を決定する先行車決定手段をさらに備え、
    前記先行車決定手段によって先行車無しと判断された時にのみ、前記モード選択手段による前記車間制御モードから前記定速制御モードへの切り替えが許可される、
    請求項1から請求項9のいずれかに記載のオートクルーズ装置。
  12. 前記車間制御モードから前記定速制御モードに切り替えられるとき、前記設定車速として設定された車速をリセットする請求項1から請求項9のいずれかに記載のオートクルーズ装置。
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