《発明の第1の実施の形態》
図1に一実施の形態の構成を示す。図において、太い実線は機械力の伝達経路を示し、太い破線は電力線を示す。また、細い実線は制御線を示し、二重線は油圧系統を示す。このハイブリッド車両のパワートレインは、モーター1、エンジン2、クラッチ3、モーター4、無段変速機5、減速装置6、差動装置7および駆動輪8から構成される。エンジン2とモーター4との間にはクラッチ3が介装され、モーター1の出力軸、エンジン2の出力軸およびクラッチ3の入力軸が互いに連結されるとともに、クラッチ3の出力軸、モーター4の出力軸および無段変速機5の入力軸が互いに連結される。
クラッチ3締結時はエンジン2とモーター4が車両の推進源となり、クラッチ3解放時はモーター4のみが車両の推進源となる。エンジン2とモーター4のいずれか一方または両方の駆動力は、無段変速機5、減速装置6および差動装置7を介して駆動輪8へ伝達される。無段変速機5には油圧装置9から圧油が供給され、ベルトのクランプと潤滑がなされる。油圧装置9のオイルポンプ(不図示)はモーター10により駆動される。
モータ1、4、10は三相同期電動機または三相誘導電動機などの交流機であり、モーター1は主としてエンジン始動と発電に用いられ、モーター4は主として車両の推進と制動に用いられる。また、モーター10は油圧装置9のオイルポンプ駆動用である。なお、モーター1、4、10には交流機に限らず直流電動機を用いることもできる。また、クラッチ3締結時に、モーター1を車両の推進と制動に用いることもでき、モーター4をエンジン始動や発電に用いることもできる。
クラッチ3はパウダークラッチであり、伝達トルクを調節することができる。なお、このクラッチ3に乾式単板クラッチや湿式多板クラッチを用いることもできる。無段変速機5はベルト式やトロイダル式などの無段変速機であり、変速比を無段階に調節することができる。
モーター1、4、10はそれぞれ、インバーター11、12、13により駆動される。なお、モーター1、4、10に直流電動機を用いる場合には、インバーターの代わりにDC/DCコンバーターを用いる。インバーター11〜13は共通のDCリンク14を介してメインバッテリー15に接続されており、メインバッテリー15の直流充電電力を交流電力に変換してモーター1、4、10へ供給するとともに、モーター1、4の交流発電電力を直流電力に変換してメインバッテリー15を充電する。なお、インバーター11〜13は互いにDCリンク14を介して接続されているので、回生運転中のモーターにより発電された電力をメインバッテリー15を介さずに直接、力行運転中のモーターへ供給することができる。メインバッテリー15には、リチウム・イオン電池、ニッケル・水素電池、鉛電池などの各種電池や、電機二重層キャパシターいわゆるパワーキャパシターを用いることができる。
車両コントローラー16はマイクロコンピューターとメモリなどの周辺部品から構成され、モーター1、4、10の回転速度や出力トルク、エンジン2の回転速度や出力トルク、クラッチ3の締結と解放、無段変速機5の変速比など制御する。
車両コントローラー16には、図2に示すように、キースイッチ20、ブレーキスイッチ21、アクセルセンサー22、車速センサー23、バッテリー温度センサー24、バッテリーSOC検出装置25、エンジン回転センサー26、スロットルセンサー27などが接続される。
キースイッチ20は車両のキーがON位置またはSTART位置に設定されるとオン(閉路)する。ブレーキスイッチ21はブレーキペダル(不図示)の踏み込み状態を検出し、アクセルセンサー22はアクセルペダルの踏み込み量(以下、アクセル開度と呼ぶ)を検出する。車速センサー23は車両の走行速度を検出し、バッテリー温度センサー24はメインバッテリー15の温度を検出する。また、バッテリーSOC検出装置25はメインバッテリー15の充電状態(SOC)を検出し、エンジン回転センサー26はエンジン2の回転速度を検出する。さらに、スロットルセンサー27はエンジン2のスロットルバルブ開度を検出する。
車両コントローラー16にはまた、エンジン2の燃料噴射装置30、点火装置31、スロットルバルブ制御装置32、ナビゲーション装置33などが接続される。コントローラー16は燃料噴射装置30を制御してエンジン2への燃料の供給と停止および燃料噴射量を調節するとともに、点火装置31を制御してエンジン2の点火を行い、スロットルバルブ調整装置33を制御してエンジン2のトルクを調節する。
ナビゲーション装置33は、GPS受信機により現在地および走行経路を検出する衛星航法装置、ジャイロコンパスなどにより現在地および走行経路を検出する自立航法装置、VICSなどの交通情報や道路情報を受信する路車間通信装置、道路地図データベースなどを備え、目的地までの最適経路を探索し、最適経路に沿って乗員を誘導する。
ナビゲーション装置33はまた、マイクロコンピューターのソフトウエアにより実現される経路分割機能33a、道路環境検出機能33bおよび目標SOC決定機能33cを備えている。経路分割機能33aは目的地までの誘導経路を分割する。道路環境検出機能33bは、分割区間の道路曲率半径、道路勾配、交差点・トンネル・踏切などの有無、制限速度などの規制情報、市街路・山岳路などの地域情報などを検出する。また、目標SOC決定機能33cは、目的地におけるメインバッテリー15の目標SOC(t_SOC)を決定する。
車両コントローラー16には、マイクロコンピューターのソフトウエアにより実現される走行条件予測機能16a、SOC換算効率指標演算機能16bおよびエンジン/モーター運転点演算機能16cを備えている。走行条件予測機能16aは、各分割区間の道路環境に基づいて各分割区間の車速と制駆動力指令値を予測する。
SOC換算効率指標演算機能16bは、エンジン/モーター運転点を決定する際に使用する、燃料の利用効率を表す効率指標としてのSOC換算効率指標SOCcを演算する。また、エンジン/モーター運転点演算機能16cは、SOC換算効率指標SOCc、車速および制駆動力指令値に基づいてエンジン2およびモーター1、4の運転点を演算する。
《SOC換算効率指標SOCcの演算方法》
この実施の形態では、誘導経路における燃料消費量を最少限に抑制しながら、メインバッテリー15のSOCが目標値となるようにエンジン2とモーター1、4を制御する。
まず、目的地における目標SOC(t_SOC)を設定する。この目標SOC(t_SOC)は目的地におけるSOCの目標値であるが、目的地までの経路途中においては、メインバッテリー15のSOCが必ずしもこの目標SOC(t_SOC)となる必要はなく、走行中にこの目標SOC(t_SOC)に基づいてエンジン2とモーター1、4の運転点を決定するものではない。この目的地における目標SOC(t_SOC)の設定方法には、道路環境によらず単純に一定値、例えば70%とする方法や、目的地の標高に応じて決定する方法、例えば、標高が高いほど下りの際の走行エネルギーをメインバッテリー15に回収できることを期待して、小さい目標SOC(t_SOC)を設定する方法などがある。
つぎに、この実施の形態では、目的地までの経路途中における燃料消費量を最少限に抑制しながら、目的地におけるメインバッテリー15のSOCを目標SOC(t_SOC)とするために、目的地までの経路途中のエンジン2とモーター1、4の運転点を決定するSOC換算効率指標SOCcを演算により求める。
このSOC換算効率指標SOCcが大きいときは、バッテリー充電のための単位燃料増加量Δfuel当たりの充電電力増加量Δbatが多くなるような、つまりバッテリー充電時の燃料の利用効率が高くなるような場合にだけ充電を行うようにエンジン/モーター運転点を決定し、反対にSOC換算効率指標SOCcが小さいときにはバッテリー充電時の燃料の利用効率が低い場合でも充電を行うようにエンジン/モーター運転点を決定する。
図3により、SOC換算効率指標SOCcの演算方法を説明する。目的地までの走行パターンが図3aに示すようなパターンである場合を例に上げて説明する。図3aにおいて、目的地までの経路をn個の区間way(i)(i=1、2、・・、n)に区分し、各区間way(i)ごとの道路環境に基づいて車両速度p_vsp(i)と制駆動力指令値p_tTd(i)を予測する。これらの車速p_vsp(i)と制駆動力指令値p−tTd(i)の予測方法については後述する。また、図3b〜図3dはそれぞれ、SOC換算効率指標SOCcに3種類の固定値SOCc_h、SOCc_m、SOCc_l(ただしSOCc_h>SOCc_m>SOCc_l)を設定してエンジン2およびモーター1、4の運転点を決定した場合の、最少燃料消費量、充放電量およびSOC変化を示す。
上述したように、SOC換算効率指標SOCcは、バッテリー充電時の燃料の利用効率を表す指標である。このため、図3b〜図3dから明らかなように、目的地における最終的なSOCは、SOC換算効率指標SOCcに最大の値SOCc_hを設定した場合の値f_SOCc_hが最も小さく、SOC換算効率指標SOCcに最少の値SOCc_lを設定した場合の値f_SOCc_lが最も大きくなる。つまり、燃料利用効率の高い場合にだけ充電を行うようにエンジン/モーター運転点を設定するほど、目的地における実際のSOCは小さくなる。
SOC換算効率指標SOCcに何らかの値を設定し、各分割区間way(i)の予測車速p_vsp(i)と予測制駆動力指令値p−tTd(i)とに基づいて、後述するエンジン/モーター運転点決定方法によりエンジン2とモーター1、4の仮の運転点を決定する。そして、各分割区間way(i)の充放電電力Batの時間積分値p_bat(i)を求め、現在のSOC(d_SOC)を初期値として各分割区間way(i)の予測バッテリー充放電電力p_bat(i)を時間積分すれば、各分割区間way(i)での予測SOC(p_SOC(i))と目的地における予測SOC(p_SOC[n])を求めることができる。
上述したように、SOC換算効率指標SOCcを大きくすれば目的地における予測SOC(p_SOC(n))が小さくなるから、SOC換算効率指標SOCcに初期値SOCc_0を設定して(SOCc=SOCc_0)目的地における予測SOC(p_SOC(n))を計算したときに、目的地における予測SOC(p_SOC(n))が目的地における目標SOC(t_SOC)より大きい場合は、SOC換算効率指標SOCcを、
に低減して再計算する。逆に、目的地における予測SOC(p_SOC(n))が目的地における目標SOC(t_SOC))より小さい場合は、SOC換算効率指標SOCcを、
に増加して再計算する。
以上の演算を、目的地における予測SOC(p_SOC(n))が目的地における目標SOC(t_SOC)とほぼ一致するまで、つまり両者の差が所定値以下になるまで繰り返し、両者がほぼ一致した場合のSOCc_j(jは0以上の整数)を最終的なSOC換算効率指標SOCcに決定する。この演算は、目的地の新規入力または変更、誘導経路の逸脱、あるいは渋滞状況の変化があった際に行われる。
ここで、αは、繰り返し演算が発散しない程度の固定値とする。あるいは、SOCc_0としては、交通情報などに応じて決定してもよい。例えば、渋滞が激しい場合、現在のSOC(d_SOC)が小さい場合はSOCc_0を小さめの値とする。あるいは以前に走行したことがある経路の場合は、そのときのSOCcに基づいて現在のSOC(d_SOC)が小さいほど小さめに補正した値を初期値とする。
《エンジン/モーターの運転点決定方法》
次に、図4および図5により、クラッチ締結時のエンジン/モーター運転点の決定方法を説明する。なお、図4の運転点A、N、B、C、D、Eは図5の運転点A、N、B、C、D、Eにそれぞれ対応する。
SOC換算効率指標SOCcを決定するための演算を行っているときには、仮設定中のSOCcと、各分割区間way(i)ごとの予測車速p_vsp(i)および予測制駆動力指令値p_tTd(i)とに基づいて、エンジン2およびモーター1、4の仮の運転点を決定する。また一方、SOC換算効率指標SOCcの決定が終了し、実際に目的地へ向かって走行しているときには、決定したSOC換算効率指標SOCc(=SOCc_j)と、車速検出値d_vspと、制駆動力指令値の演算値d_tTdとに基づいて、エンジン2およびモーター1、4の走行時の正式な運転点を決定する。なお、制駆動力指令値の演算値d_tTdは、車速検出値d_vspとアクセル開度検出値とに基づいて予め設定した制駆動力指令値テーブルから表引き演算して求める。
いずれの運転点決定時においても、SOC換算効率指標SOCc_jまたはSOCcが大きいほどバッテリー充電時の燃料利用効率が高くなる場合にだけ充電を行うように運転点を決定する。
図4は車速50km/h、制駆動力指令値1000Nのときのエンジン/モーター運転点を示し、図5は同一の車速および制駆動力指令値におけるエンジン/モーター運転点とバッテリー充電量との関係を示す。図4において、太線は同一エンジン出力を得る場合に燃料消費量が最少となる運転点を結んでできる最適燃費線であり、エンジン2、モーター1、4、無段変速機5の効率を考慮したものとなっている。エンジン/モーター運転点は、必ずこの太線上に定められる。点Aは、できる限りモーター1、4で車両を駆動(例えばメインバッテリー15から取り出せる最大の電力をモーター1、4へ供給して車両を駆動)し、不足分をエンジン2の出力でまかなう場合の運転点である。一方、点Eは、バッテリー15の充電量を多くするためにエンジン2で車両を駆動するとともにモーター1、4を駆動して発電させる場合の運転点である。
今、メインバッテリー15が放電している運転点Aにおいて、エンジン2への燃料供給量を増加していくと点Nでメインバッテリー15の充放電量が0となり、さらに点B→C→D→Eの順にメインバッテリー15の充電量が増加していく。ちなみに、図5に示すように、点Bにおける充電量はc_b(kW)、点Cにおける充電量はc_c(kW)、点Dにおける充電量はc_d(kW)、点Eにおける充電量はc_e(kW)である。
点Aにおける燃料供給量を基準として、燃料増加量Δfuelに対する充電電力増加量Δbatと充電電力Batの関係を図5の曲線(1)に示す。また、曲線(1)から燃料増加量Δfuelに対する充電電力増加量Δbatの比(=Δbat/Δfuel)を求めたものが曲線(2)であり、この明細書ではこの比を感度Sと呼ぶ。なお、これらの曲線(1)、(2)は予め実験などにより車速と制駆動力の条件ごとに求めておく。
図5に示すように、SOC換算効率指標が大きいほど大きな感度Sに対応づける。この例では、SOC換算効率指標=70%に対して感度Sをs170に、SOC換算効率指標=50%に対して感度Sをs150に、SOC換算効率指標=30%に対して感度Sをs130にそれぞれ設定している。
そして、SOC換算効率指標に応じた感度Sの充電電力Batを実現するエンジン/モーター運転点を演算する。例えば、SOC換算効率指標が70%の場合には、感度曲線(2)上の感度S=s170を満たす点B1を求め、さらに感度s170を実現する燃料供給量の曲線(1)上の点Bを求め、この点Bに対応する図4の点Bをエンジン2およびモーター1、4の運転点とすればよい。なお、感度Sを満たす曲線(2)上の点が2個ある場合は、充電電力Batが多い点を採用する。また、感度Sを満たす点が曲線(2)上にない場合、すなわち感度Sで充電を行うことができる運転点が今現在の車速と制駆動力の条件下では存在しない場合、図4の点Aをエンジン2およびモーター1、4の運転点とする。曲線(1)、(2)は、車速と制駆動力の条件ごとに異なるので、感度Sの最高値も車速と制駆動力の条件ごとに異なる。よって、SOC換算効率指標が大きい場合は、限られた車速と制駆動力の条件下でのみ、感度Sを満たす運転点を取ることができる。反対にSOC換算効率指標が小さい場合は、広い範囲の車速と制駆動力の条件下で感度Sを満たす運転点を取ることができる。
これにより、SOC換算効率指標が大きいほど、バッテリーへの充電を行う機会が少なくなり、反対にSOC換算効率指標が小さいほど充電の機会は多くなる。また、SOC換算効率指標が大きいほど充電実行時の燃料利用効率が高くなり、反対にSOC換算効率指標が小さいほど充電実行時の燃料利用効率が低くなる。
なお、以上の説明では、SOC換算効率指標に応じた感度Sを求め、さらに感度Sを実現する充電電力Batを求め、充電電力Batに対応するエンジン/モーター運転点を求める例を示したが、SOC換算効率指標に対する充電電力Batおよびエンジン/モーター運転点を関連付けたデータを記憶しておき、そのデータを読み出して充電電力Batおよびエンジン/モーター運転点を求めるようにしてもよい。これにより、エンジン/モーター運転点の演算を容易にできる。
また、図5の特性曲線(1)については、電装品の消費電力を考慮した上で、点Nより左側の放電時についてはメインバッテリー15の放電効率を、点Nより右側の充電時についてはメインバッテリー15の充電効率を考慮して関連づけるとよい。
無段変速機5の変速比は、車速とエンジン/モーター運転点の回転速度を実現する変速比に調整する。さらに、モーター1と4のトルクは、予め設定した配分にし、モーター1、4とエンジン2により目標制駆動力指令値を実現できる値を演算する。
クラッチ3の動作点は予め図6に示すように関係づけておき、この関係にしたがって締結と解放を制御する。クラッチ解放時は、エンジン2とモーター1の回転速度が一致し、定常的にはエンジン2のトルクと、モーター1のトルクのエンジン軸回り換算値とが等しいという条件のもとに、図4および図5により説明した方法によりエンジン2およびモーター1、4の運転点を決定する。
この実施の形態では、SOC換算効率指標の演算には上述したエンジンとモーターの運転点決定方法を用いており、逆に、エンジンとモーターの運転点の決定には上述したSOC換算効率指標を用いるため、いずれか一方を先に決定しないとどちらも演算できないことになる。そこで上述したように、SOC換算効率指標SOCcの演算において、まずSOCcの値に何らかの値、上記例では初期値SOCc_0を設定してエンジンとモーターの仮の運転点を求め、さらに目的地におけるSOC(p_SOC(n))を予測する。そして、所定値αを用いて数式1と数式2により、目的地における予測SOC(p_SOC(n))が目標SOC(t_SOC)と一致するまでSOC換算効率指標SOCcの演算を繰り返し、演算が収束したときのSOCc_jを最終的なSOC換算効率指標SOCcに決定する。
そして、決定したSOC換算効率指標SOCcに基づいてエンジンとモーターの実際の運転点を決定する。まず、車速とアクセル開度とに基づいて予め設定した制駆動力指令値のテーブルから、検出車速d_vspと検出アクセル開度d_accに対応する制駆動力指令値d_tTdを表引き演算する。次に、SOC換算効率指標SOCcと、車速検出値d_vspと、制駆動力指令値の演算値d_tTdとに基づいて、エンジンとモーターの走行時の正式な運転点を決定する。そして、この運転点でエンジン2とモーター1、4を制御する。
これにより、目的地までの誘導経路において、SOC換算効率指標SOCcを用いてエンジン2とモーター1、4の運転点が決定されることになり、目的地までの誘導経路における燃料消費量を最少限に抑制しながら、目的地におけるメインバッテリー15のSOCをその目標値t_SOCにすることができる。
図7および図8は車両制御プログラムを示すフローチャートであり、これらのフローチャートにより第1の実施の形態の動作を説明する。車両コントローラー16は所定時間ごとにこの制御プログラムを実行する。ステップ1において現在地を検出する。なお、2回目以降の実行時には分割区間way(i)(i=1〜n)のどの位置にいるかも検出する。続くステップ2で、目的地の新規入力または変更、誘導経路の逸脱、あるいは渋滞状況の変化があったかどうかを確認し、いずれかがあったときはステップ3へ進み、何もなかったときはステップ11へ進む。なお、渋滞状況の変化はVICSなどの路車間通信装置により入手する。
目的地の新規入力または変更、誘導経路の逸脱、渋滞状況の変化のいずれかがあったときは、ステップ3で目的地までの誘導経路を探索する。続くステップ4で、目的地までの誘導経路をn区間way(i)(i=1〜n)に分割する。この経路分割方法には、勾配変化地点、交差点、道路種別変化地点、渋滞開始地点、渋滞終了地点、高速道路の料金所など、道路環境の内の特徴のある地点を区分点として区分する方法や、目的地までの距離をn等分して区分する方法などがある。なお、目的地までの距離が遠い場合には、目的地までの誘導経路上の通過点を仮の目的地として経路分割を行ってもよい。また、経路分割数の決定方法には、勾配変化度合い、交差点数、道路種別に応じて決定する方法や、目的地までの距離に比例した分割数を決定する方法などがある。
ステップ5では、各分割区間way(i)における平均勾配、交差点位置、曲率半径、標高などの道路環境を検出する。続くステップ6で、上述したように、各分割区間way(i)の道路環境などに基づいて目的地における目標SOC(t_SOC)を決定する。
ステップ7で、各分割区間way(i)の道路環境に基づいて現在地と目的地の間の各分割区間way(i)における車速p_vsp(i)と制駆動力指令値p_tTd(i)を予測する。車速p_vsp(i)の予測は、例えば次のようにする。誘導経路では道路の制限速度を予測値とする。右左折をする交差点では例えば減速度0.1Gで車速が0になり、3秒停止後に加速度0.1Gで巡航速度に戻るような車速p_vsp(i)を予測し、曲線路区間では道路の曲率に応じた加減速度と通過速度に基づいて車速p_vsp(i)を予測する。また、VICSなどの路車間通信装置から渋滞情報を得た場合は、渋滞区間の渋滞がひどいほど平均車速が低くなるような車速p_vsp(i)を予測する。各分割区間way(i)の制駆動力指令値p_tTd(i)には、車速p_vsp(i)に応じた走行抵抗分(空気抵抗分+転がり抵抗分)の駆動力と、前区間との速度差に応じた加減速度分の制駆動力と、道路勾配に応じた車両のポテンシャルエネルギー変化を吸収するための加減速分の制駆動力との和の制駆動力を設定する。
なお、後述するステップ14で車速と制駆動力指令値の予測のずれが大きいと判断されてステップ7を実行するときは、予測値と実際値とのずれの方向を検出し、ずれの方向を考慮して車速p_vsp(i)と制駆動力指令値p−tTd(i)を再予測する。例えば走行中の予測車速p_vsp(i)が実際の車速より高い傾向にあるときは予測車速p_vsp(i)を低めの値にし、走行中の予測制駆動力指令値p_tTd(i)が実際の制駆動力指令値よりも小さいときは予測制駆動力指令値p_tTd(i)を大きめの値にする。あるいは、誘導経路が以前に通ったことのある経路の場合には、以前に通ったときの経路区間の車速m_vsp(i)を予測車速p_vsp(i)としてもよいし、予測車速p_vsp(i)と以前の車速m_vsp(i)との内分値をとってもよい。ただし、その場合には少なくとも車両が以前に通った経路区間における車速m_vsp(i)を記憶しておく必要がある。
ステップ8において現在のSOC(d_SOC)を検出し、続くステップ9では上述した方法によりSOC換算効率指標SOCcを演算する。続くステップ101では、演算したSOCc値を第1効率指標値SOCc1に代入しておく。
ステップ101に続くステップ10で、算出したSOC換算効率指標SOCcと予測車速p_vsp(i)と予測制駆動力指令値p_tTd(i)とに基づいて、各分割区間way(i)のSOC(p_SOC(i))を予測する。まず、SOC換算効率指標SOCcと予測車速p_vsp(i)と予測制駆動力指令値p_tTd(i)とに基づいて、上述したように各分割区間way(i)におけるエンジン2およびモーター1、4の仮の運転点を求めると、各分割区間における予測バッテリー充放電電力p_bat(i)が求まる。したがって、現在のSOC(d_SOC)を初期値として各分割区間way(i)の予測バッテリー充放電電力p_bat(i)を時間積分すると、各分割区間way(i)のSOC(p_SOC(i))を予測することができる。
ステップ11で車速センサー23により車速d_vspを検出し、続くステップ12でアクセルセンサー22によりアクセル開度d_accを検出する。ステップ13では、車速とアクセル開度とに基づいて予め設定した制駆動力指令値のテーブルから、検出車速d_vspと検出アクセル開度d_accに対応する制駆動力指令値d_tTdを表引き演算する。
ステップ14では、各分割区間way(i)の終点において、各分割区間の例えば平均車速d_vsp(i)および平均制駆動力指令値d_tTd(i)と、予測車速p_vsp(i)および予測制駆動力指令値p_tTd(i)とのずれがそれぞれの所定値より大きいか否かを判断し、大きい場合にはステップ7へ戻り、所定値以下の場合はステップ15へ進む。
なお、ずれの指標としては、例えば、車速の二乗誤差と制駆動力指令値の二乗誤差の和ERR_1を指標とする方法がある。
上式において、K1は定数であり、Σは前回予測値を更新した時点から現時点までのiにおける総和を表す。
また、車両に及ぼす仕事率が、この実施の形態で注目する消費燃料と充放電電力に対する相関が高いとして、仕事率相当値(車速×制駆動力)の二乗誤差ERR_2を指標とする方法もある。
上式において、Σは前回予測値を更新した時点から現時点までのiにおける総和を表す。なお、車速と制駆動力指令値の予測が大きいと判断されてこのステップからステップ7へ進んだ場合には、予測値と実際値とのずれの方向を検出し、ずれの方向を考慮してステップ7で車速p_vsp(i)と制駆動力指令値p_tTd(i)を再予測する。例えば、走行中の予測車速p_vsp(i)が実際の車速より高い傾向にあるときは予測車速p_vsp(i)を低めの値にし、走行中の予測制駆動力指令値p_tTd(i)が実際の制駆動力指令値よりも小さいときは予測制駆動力指令値p_Td(i)を大きめの値にする。あるいは、誘導経路が以前に通ったことのある経路の場合には、以前に通ったときの経路区間の車速パターンm_vsp(i)を予測車速p_vsp(i)としてもよいし、予測車速p_vsp(i)と以前の車速m_vsp(i)との内分値をとってもよい。ただし、その場合には少なくとも車両が以前に通った経路区間における車速m_vsp(i)を記憶しておく必要がある。
ステップ15では、各分割区間way(i)の終点において、現在のSOC(d_SOC)と予測SOC(p_SOC(i))とのずれが所定値より大きいか否かを判断し、大きい場合はステップ9へ戻り、所定値以下の場合はステップ111へ進む。なお、ずれの指標としては例えば次式に示すようなものがある。
ステップ111では、検出したSOC値d_SOCを第2効率指標値SOCc2に代入する。
ステップ112では、SOC値がメインバッテリー15の保護のために予め設定されている上下限値付近にあるか否かを判断する。たとえば、上限値を80%、下限値を20%としたとき、SOCが78%以上もしくは、22%以下のときに上下限値近傍であると判断する。
SOC検出値が上下限値近傍であると判断された場合には、ステップ113に移行し、SOCc2を目標効率指標SOCctに代入し、それ以外の時にはステップ114で第1効率指標値SOCc1を目標効率指標SOCctに代入する。なお、ステップ112とステップ114とを省略して、SOC値d_SOCを目標効率指標SOCctとしてもよい。
ステップ115では、後段でエンジンやモータの運転点を決定する元となる最終的なSOC換算効率指標であるSOCcfを演算する。SOCcf演算は、SOCcf値を徐々にSOCctに一致させるように行なう。例えば、SOCctに一致するまで、1秒間に0.5%ずつSOCctに近づける処理を行う(SOCcfは、不図示の初期化ルーチンにてd_SOCに初期化しておくものとする)。
ステップ115に続くステップ16において、SOC換算効率指標SOCcの最終値SOCcfと、現在の車速検出値d_vspと、制駆動力指令値の演算値d_tTdとに基づいてエンジンとモーターの走行時の正式な運転点を演算する。このとき、検出SOC(d_SOC)がメインバッテリー15の保護のために予め設定されている上下限値付近にある場合には、バッテリー15の保護を優先させ、SOC換算効率指標SOCcの代わりに検出SOC(d_SOC)を用いて演算するものとする。
続くステップ17では、エンジン/モーター運転点を実現するように、エンジン2のトルク、モーター1および4のトルク、無段変速機5の変速比、クラッチ3の締結/解放を制御する。
なお、ナビゲーション装置33が動作していないとき、あるいは目的地が設定されていない場合は、図7および図8に示すフローチャートのステップ8→11→12→13→111→113→115→116→16→17の順に実行する。ただし、目的地が設定されていないがナビゲーション装置33が動作している場合は、車両が過去に走行したことのある通勤経路や日常良く走行する経路を走行していることを検出し、過去の走行時の情報から例えば通勤先やスーパーなどの目的地を特定してステップ3以降を実行するようにしてもよい。
なお、SOC換算効率指標SOCcを演算するに当たっては、すべての分割区間way(i)の予測SOC(p_SOC(i))を演算することになるので、ステップ10における予測SOC(p_SOC(i))の演算値としては、ステップ9においてSOCc=SOCc_jとした各分割区間の値を用いてもよい。
このように、第1の実施の形態では、目的地までの誘導経路を分割し、ナビゲーションの道路環境情報に基づいて誘導経路の各分割区間における車速p_vspと制駆動力指令値p_tTdを予測し、各分割区間の予測車速p_vspと予測制駆動力指令値p_tTdおよびバッテリーSOCの初期値SOCc_0を設定したSOC換算効率指標SOCcに基づいて燃料利用効率の良いエンジンとモーターの運転点を仮に決定する。次に、各分割区間のエンジンとモーターの仮運転点と現在のSOC検出値d_SOCとに基づいて目的地におけるSOCを予測し、目的地における予測SOC(p_SOC)が目的地における目標SOC(t_SOC)に略一致するまでSOC換算効率指標SOCcを収束値SOCc_jに収束させる。そして、車速検出値d_vspとアクセル開度検出値とに基づいて予め設定した制駆動力指令値テーブルから制駆動力指令値d_tTdを表引き演算し、車速検出値d_vsp、制駆動力指令値の演算値d_tTdおよびSOC換算効率指標の収束値SOCc_jに基づいて、エンジンとモーターの最終的な運転点を決定する。
この第1の実施の形態によれば、SOC換算効率指標SOCcを導入し、ナビゲーション装置により検出された道路環境情報に基づいて誘導経路の車速と制駆動力指令値を予測し、目的地での目標SOCを達成するために燃料利用効率の良いエンジンとモーターの運転点を仮に決定する。そのため、目的地までの車速検出値と制駆動力指令値の演算値がそれぞれ予測車速と予測制駆動力指令値と一致するときは、目的地までの燃料消費量を最少限に抑制することができる。また、実際にエンジンとモーターの運転点を決定し走行するときには、予測車速と予測制駆動力指令値に代えて、車速検出値と制駆動力指令値の演算値を用いて正式な運転点を演算するので、予測車速と予測制駆動力指令値が実際値からずれたときでも、燃料利用効率の悪い運転点が選択されるようなことがなく、予測がずれたときでも燃料消費量の低減効果を維持できる。
さらに本実施形態によれば、走行経路の道路環境情報およびSOCに基づいて、燃料の利用効率を表す効率指標値(従来例のSOC換算指標SOCcに相当)を演算する第1効率指標演算手段と、走行経路の道路環境情報を用いずにSOCに基づいて効率指標値を演算する第2効率指標演算手段とを有するようにした。その上で、車両の走行経路の道路環境情報を検出できるとき(あるいは第1効率指標演算手段が演算したSOCcが上下限値近傍のとき)には第1効率指標演算手段により求めた第1効率指標値SOCc1を、検出できないとき(あるいは第1効率指標演算手段が演算したSOCcが上下限値近傍でないとき)には第2効率指標演算手段により求めた第2効率指標値SOCc2を選択すると共に、選択の切替えの際には切替え前の値から連続的に変化させて切替え後の値に一致させる処理を施して最終効率指標値を演算するようにした。したがって、次のような状況においても最終効率指標値が連続的な値をとるようになり、エンジンおよびモーターの動作点も急激に変化することを抑制でき、乗員に不快感を与えること回避できるようになった。
−改善できる状況−
・ナビゲーション装置に目的地を設定することで、目的地までの走行経路の道路環境情報を入手できるようになり、第2効率指標値を用いた制御から、第2効率指標値を用いた制御に切替えるとき、
・ナビゲーション装置に設定した目的地に到着し、以降の走行経路の道路環境情報を入手できなくなったために、第2効率指標値を用いた制御から、第2効率指標値を用いた制御に切替えるとき、
・車両が、ナビゲーションで誘導している走行経路から逸脱し、走行経路の道路環境情報が不適となったために、第2効率指標値を用いた制御から、第2効率指標値を用いた制御に切替えるとき。
なお、走行経路の道路情報とSOCから演算される効率指標値が更新されたときには、更新前の値から連続的に変化させる処理を施して効率指標値を演算するようにしてもよい。この場合でも、効率指標値が連続的な値をとるようになったので、エンジンやモータの動作点が急激に変化することを抑制でき、乗員に不快感を与えることを回避できるようになった。
また、車両の走行経路の道路環境情報を検出できるときであっても、SOCがバッテリ保護のために予め設定されている上下限値近傍である時には効率指標値を第2効率指標値SOCc2に切替えるようにした。これにより、バッテリ保護を確実に行なうことが出来る。また、切替えの際にユニット動作点が急変することも抑制でき、乗員に不快感を与えること回避できる。
《発明の第2の実施の形態》
SOC換算効率指標SOCcの他の演算方法を説明する。なお、この第2の実施の形態の構成は図1および図2に示す構成と同様であり、図示と説明を省略する。
図9および図10は、SOC換算効率指標の他の演算方法を含む車両制御プログラムを示すフローチャートである。これらのフローチャートにより、第2の実施の形態の動作を説明する。なお、図7および図8に示す動作と同様な動作を行うステップに対しては同一のステップ番号を付して相違点を中心に説明する。
車両コントローラー16は所定時間ごとにこの制御プログラムを実行する。ステップ1で現在地を検出した後、ステップ8で現在のSOC(d_SOC)を検出する。続くステップ2で、上述したように目的地の新規入力または変更、誘導経路の逸脱、あるいは渋滞状況の変化があったかどうかを確認し、いずれかがあったときはステップ3へ進み、何もなかったときはステップ11へ進む。
目的地の新規入力または変更、誘導経路の逸脱、渋滞状況の変化のいずれかがあったときは、ステップ3で目的地までの誘導経路を探索する。次に、ステップ4で、上述したように目的地までの誘導経路をm区間way(j)(j=1〜m)に分割し、さらに各区間way(j)をp分割することによって目的地までの誘導経路をn(=m・p)区間way(i)(i=1〜n)に分割する。続くステップ5では各分割区間way(j)における平均勾配、交差点位置、曲率半径、標高などの道路環境を検出する。続くステップ6で上述したように各分割区間way(j)の道路環境などに基づいて目的地における目標SOC(t_SOC)を決定する。
ステップ21において、車両の動力性能を考慮して各区間way(j)ごとの道路環境に応じたSOCの上下限値を設定する。例えば図11に示すように、経路途中のある区間way(k)から先5kmに渡って上り坂が続くと見込まれる場合は、モーター1、4による駆動力を十分に持続させるために区間way(k)におけるSOC下限値を50%とし、10kmに渡って上り坂が続く場合にはSOC下限値を60%にする。なお、原則として各分割区間のSOC上下限値は、図11に示すようにバッテリー保護のために80%以下、20%以上とする。また、SOCの上下限値は、全区間にわたって設定してもよいし、各区間way(j)ごとに設定してもよい。さらに、誘導経路上の任意の地点に対して設定してもよい。もちろん、上限値のみ、あるいは下限値のみを設定してもよい。
ステップ7では、上述したように、各分割区間way(j)の道路環境に基づいて現在地と目的地の間の各分割区間way(i)における車速p_vsp(i)と制駆動力指令値p_tTd(i)を予測する。車速p_vsp(i)の予測は、例えば次のようにする。誘導経路では区間way(j)の制限速度を予測値とする。また、右左折をする交差点、踏切、あるいは料金所では例えば減速度0.1Gで車速が0になり、3秒停止後に加速度0.1Gで巡航速度に戻るような車速p_vsp(i)を予測し、曲線路区間では道路の曲率に応じた加減速度と通過速度に基づいて車速p_vsp(i)を予測する。また、VICSなどの路車間通信装置から渋滞情報を得た場合は、渋滞区間の渋滞がひどいほど平均車速が低くなるような車速p_vsp(i)を予測する。一方、各分割区間way(i)の制駆動力指令値p_tTd(i)には、車速p_vsp(i)に応じた走行抵抗分(空気抵抗分+転がり抵抗分)の駆動力と、前区間との速度差に応じた加減速度分の制駆動力と、道路勾配に応じた車両のポテンシャルエネルギー変化を吸収するための加減速分の制駆動力との和の制駆動力を設定する。
ステップ9では、第1の実施の形態で上述した方法によりSOC換算効率指標SOCcを演算する。ステップ10で、算出したSOC換算効率指標SOCcと予測車速p_vsp(i)と予測制駆動力指令値p_tTd(i)とに基づいて、各分割区間way(i)のSOC(p_SOC(i))を予測する。まず、SOC換算効率指標SOCcと予測車速p_vsp(i)と予測制駆動力指令値p_tTd(i)とに基づいて、上述したように各分割区間way(i)におけるエンジン2およびモーター1、4の仮の運転点を求めると、各分割区間における予測バッテリー充放電電力p_bat(i)が求まる。したがって、現在のSOC(d_SOC)を初期値として各分割区間way(i)の予測バッテリー充放電電力p_bat(i)を時間積分すると、各分割区間way(i)のSOC(p_SOC(i))を予測することができる。
ステップ22において、予測した各分割区間way(i)のSOC(p_SOC(i))がステップ21で設定した上下限値を超えているかどうかを確認し、超えていればステップ23へ進み、超えていなければステップ11へ進む。予測SOC(p_SOC(i))が上下限値を超えている場合は、ステップ23でSOC換算効率指標SOCcの補正演算を行う。例えば図12に示すように、予測SOC(p_SOC(i))が目的地までの経路途中のPA地点で下限値を超える場合((1)の線)には、下限値を超えないところ((2)の線)までSOC換算効率指標SOCcを上記数式1により補正して小さくする。逆に、予測SOC(p_SOC(i))が上限値を超える場合には、上限値を超えないところまでSOC換算効率指標SOCcを上記数式2により補正して大きくする。ただし、補正の過程で上限値および下限値をともに超えてしまう場合には、車両の現在地に近い方(iの値が小さい方)のSOC予測値p_SOC(i)を優先的に採用し、上下限内に収まるようにSOC換算効率指標SOCcを数式1または数式2により補正する。続くステップ101では、演算したSOCc値をSOCc1に代入しておく。
次に、ステップ24で各区間way(i)の予測SOC(p_SOC(i))がSOC上下限内に収まるようになった地点、例えば図12に示すように予測SOC(p_SOC(i))の変化曲線がSOC上下限値に最接近する地点、または予測SOC(p_SOC(i))の変化曲線とSOC上下限値との交点"PA"を記憶しておく。このとき、(2)の線の目的地における予測SOC(p_SOC(n))は目標SOC(t_SOC)に一致しないため、ステップ23で演算したSOC換算効率指標SOCcを目的地まで使用すれば、目的地における実際のSOCが目標SOC(t_SOC)に一致しないことになる。そこで、車両が地点PAに達するまではステップ23で演算したSOC換算効率指標SOCcを使用し、車両が地点PAに達したことを後述のステップ26で判定した後は、ステップ9でSOC換算効率指標SOCcを演算し直し、その値に基づいて車両の運転点を改めて決定していくことで、目的地における実際のSOCを目標SOC(t_SOC)にほぼ一致させることができる。
目的地の新規入力または変更、誘導経路の逸脱、渋滞状況の変化のいずれもなかったときは、ステップ11で車速センサー23により車速d_vspを検出し、続くステップ12でアクセルセンサー22によりアクセル開度d_accを検出する。ステップ13では、車速とアクセル開度とに基づいて予め設定した制駆動力指令値のテーブルから、検出車速d_vspと検出アクセル開度d_accに対応する制駆動力指令値d_tTdを表引き演算する。
ステップ14では、各分割区間way(j)の終点において、各分割区間の平均車速d_vsp(i)および平均制駆動力指令値d_tTd(i)と、予測車速p_vsp(i)および予測制駆動力指令値p_tTd(i)とのずれがそれぞれの判定基準値より大きいか否かを判断し、大きい場合にはステップ7へ戻り、予測車速p_vsp(i)および予測制駆動力指令値p_tTd(i)を再計算する。一方、車速と制駆動力指令値の予測値と実際値のずれが判定基準値以下の場合はステップ15へ進む。なお、ずれの指標としては、上述した数式3に示す車速の二乗誤差と制駆動力指令値の二乗誤差との和ERR_1を用いたり、あるいは数式4に示す仕事率相当値の二乗誤差ERR_2を用いることができる。ステップ15では、各分割区間way(i)の終点において、現在のSOC(d_SOC)と予測SOC(p_SOC(i))とのずれが判定基準値より大きいか否かを判断し、大きい場合はステップ9へ戻り、SOC換算効率指標SOCcを再計算する。一方、SOCの予測値と実際値とのずれが判定基準値以下の場合はステップ25へ進む。なお、ずれの指標としては例えば上記数式5に示すERR_3を用いることができる。
車速、制駆動力指令値およびSOCの予測値と実際値とのずれが小さいときは、ステップ25で現在のSOC(d_SOC)とステップ21で設定したSOC上下限値との差が所定値δSOC以下かどうかを確認する。ここで、所定値δSOCには、SOCがその上下限値に接近したことを判定するための適当な値を設定する。現在のSOCがその上下限値に接近したときはステップ9へ戻り、SOC換算効率指標SOCcを再計算する。一方、現在のSOCがその上下限値に接近していないときはステップ26へ進み、車両が地点PAに到達したかどうかを確認する。ここで、地点PAは、現在のSOC(d_SOC)がステップ21で設定したSOC上下限値に達する地点である。地点PAに到達したときはステップ9へ戻り、SOC換算効率指標SOCcを再計算する。一方、まだ地点PAへ到達していないときはステップ111へ進む。
ステップ111では、検出したSOC値を第2効率指標値SOCc2に代入する。
ステップ112では、SOC値がメインバッテリー15の保護のために予め設定されている上下限値付近にあるか否かを判断する。たとえば、上限値を80%、下限値を20%としたとき、SOCが78%以上もしくは、22%以下のときに上下限値近傍であると判断する。
SOC検出値が上下限値近傍であると判断された場合には、ステップ113に移行し、SOCc2を目標効率指標SOCctに代入し、それ以外の時にはステップ114で第1効率指標値SOCc1を目標効率指標SOCctに代入する。
ステップ115では、後段でエンジンやモータの運転点を決定する元となる最終的なSOC換算効率指標であるSOCcfを演算する。SOCcf演算は、SOCcf値を徐々にSOCctに一致させるように行なう。例えば、SOCctに一致するまで、1秒間に0.5%ずつSOCctに近づける処理を行なう(SOCcfは、不図示の初期化ルーチンにてd_SOCに初期化しておくものとする)。
ステップ115に続くステップ16では、SOC換算効率指標SOCcの最終値SOCcfと、現在の車速検出値d_vspと、制駆動力指令値の演算値d_tTdとに基づいてエンジンとモーターの走行時の正式な運転点を演算する。続くステップ17では、エンジン/モーター運転点を実現するように、エンジン2のトルク、モーター1および4のトルク、無段変速機5の変速比、クラッチ3の締結/解放を制御する。
このように、第2の実施の形態では、車両の動力性能を考慮して各区間way(i)ごとの道路環境に応じたSOCの上下限値を設定し、SOC換算効率指標SOCcと各区間way(i)の予測SOC(p_SOC(i))を演算する。そして、各区間way(i)の予測SOC(p_SOC(i))がSOCの上下限値を超えている場合は、上下限値の範囲内に収まるようにSOC換算効率指標SOCcを再計算し、各区間way(i)の予測SOC(p_SOC(i))の変化曲線がSOC上下限値に最接近する地点、または予測SOC(p_SOC(i))の変化曲線とSOC上下限値との交点PAを記憶する。SOC換算効率指標SOCcに基づいてエンジン/モーターの運転点を決定し走行しているときに、現在のSOC(d_SOC)がSOC上下限値に接近または上記地点PAに到達したら、それ以降のSOC換算効率指標SOCcを演算し直し、新しいSOC換算効率指標SOCcに基づいてエンジン/モーターの運転点を決定し、目的地への走行を続ける。これにより、目的地までの燃料利用効率を向上させながら目的地における目標SOCを達成することができる。
本実施例にあっても、エンジンおよびモータの動作点を決定する際のSOC換算効率指標SOCcは、連続的に変化するようにしてあるので、エンジンおよびモータの動作点が急変することを抑制できる等、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
《発明の第3の実施の形態》
SOC換算効率指標SOCcの他の演算方法を説明する。なお、この第3の実施の形態の構成は図1および図2に示す構成と基本的に同様であるが、この第3の実施の形態では目的地までの各分割区間の車速と制駆動力指令値を予測する走行条件予測機能16a(図2参照)が不要である。
図13および図14は、SOC換算効率指標の他の演算方法を含む車両制御プログラムを示すフローチャートである。これらのフローチャートにより、第3の実施の形態の動作を説明する。なお、図7および図8に示す動作と同様な動作を行うステップに対しては同一のステップ番号を付して相違点を中心に説明する。
車両コントローラー16は所定時間ごとにこの制御プログラムを実行する。ステップ1において現在地を検出する。続くステップ2で、目的地の新規入力または変更、誘導経路の逸脱、あるいは渋滞状況の変化があったかどうかを確認し、いずれかがあったときはステップ3へ進み、何もなかったときはステップ11へ進む。目的地の新規入力または変更、誘導経路の逸脱、渋滞状況の変化のいずれかがあったときは、ステップ3で目的地までの誘導経路を探索する。続くステップ4では、上述したように道路環境の内の特徴のある地点を区分点として目的地までの誘導経路をm区間way(j)(j=1〜m)に分割する。ステップ5で各分割区間way(j)における平均勾配、交差点位置、曲率半径、標高などの道路環境を検出し、続くステップ6で、上述したように、検出した各分割区間way(j)の道路環境に基づいて目的地における目標SOC(t_SOC)を決定する。
次に、ステップ8で現在のSOC(d_SOC)を検出し、続くステップ31で次のようにしてSOC換算効率指標SOCcを演算する。まず、道路環境ごとに走行パターンを想定し、それらの走行パターンをSOC換算効率指標SOCcで走行した場合の単位距離あたりのSOC変化量データ(MAP2DSOC)として予めメモリに記憶しておく。そして、このデータ(MAP2DSOC)からSOC換算効率指標SOCcと各区間way(j)ごとの道路環境とに対応したSOC変化量p_dSOC(j)を表引き演算し、現在のSOC(d_SOC)を初期値として各区間way(j)のSOC変化量p_dSOC(j)を積分することによって、各区間way(j)の予測SOC(p_SOC(j))と目的地における予測SOC(p_SOC(m))を求める。この演算を、目的地における予測SOC(p_SOC(m))が目的地における目標SOC(t_SOC)とほぼ一致するまで実行し、両者がほぼ一致したときのSOC換算効率指標を最終的な指標SOCcとする。続くステップ101では、演算したSOCc値を第1効率指標値SOCc1に代入しておく。
次にステップ11で車速センサー23により車速d_vspを検出し、続くステップ12でアクセルセンサー22によりアクセル開度d_accを検出する。ステップ13では、車速とアクセル開度とに基づいて予め設定した制駆動力指令値テーブルから、検出車速d_vspと検出アクセル開度d_accに対応する制駆動力指令値d_tTdを表引き演算する。
ステップ32において、各区間way(j)のSOC変化量(p_dSOC(j))の誤差が大きいかどうかを判定する。つまり、各区間way(j)の終点ごとに、直前に通過した区間way(k)の実際のSOC変化量(d_dSOC(k))と算出したSOC変化量p_dSOC(k)とを比較し、ずれが大きい場合は補正する。なお、ずれの判定基準値には例えば次式により求めた値ERR4を用いることができる。
ずれが大きいときはステップ8へ戻ってSOC換算効率指標SOCcを再計算し、ずれが小さいときはステップ15へ進む。
ステップ15では、各分割区間way(j)の終点において、現在のSOC(d_SOC)と予測SOC(p_SOC(i))とのずれが判定基準値より大きいか否かを判断し、大きい場合はステップ9へ戻り、判定基準値以下の場合はステップ16へ進む。なお、判定基準値としては上記数式3に基準値ERR_3を用いることができる。示すずれの指標としては例えば次式に示すようなものがある。
ステップ111では、検出したSOC値を第2効率指標値SOCc2に代入する。
ステップ112では、SOC値が、がメインバッテリー15の保護のために予め設定されている上下限値付近にあるか否かを判断する。たとえば、上限値を80%、下限値を20%としたとき、SOCが78%以上もしくは、22%以下のときに上下限値近傍であると判断する。
SOC検出値が上下限値近傍であると判断された場合には、ステップ113に移行し、SOCc2を目標効率指標SOCctに代入し、それ以外の時にはステップ114で第1効率指標値SOCc1を目標効率指標SOCctに代入する。
ステップ115では、後段でエンジンやモータの運転点を決定する元となる最終的なSOC換算効率指標であるSOCcfを演算する。SOCcf演算は、SOCcf値を徐々にSOCctに一致させるように行なう。例えば、SOCctに一致するまで、1秒間に0。5%ずつSOCctに近づける処理を行なう(SOCcfは、不図示の初期化ルーチンにてd_SOCに初期化しておくものとする)。
続くステップ16において、SOC換算効率指標SOCcの最終値SOCcfと、現在の車速検出値d_vspと、制駆動力指令値の演算値d_tTdとに基づいてエンジンとモーターの走行時の正式な運転点を演算する。このとき、検出SOC(d_SOC)がメインバッテリー15の保護のために予め設定されている上下限値付近にある場合には、バッテリー15の保護を優先させ、SOC換算効率指標SOCcの代わりに検出SOC(d_SOC)を用いて演算するものとする。続くステップ17では、エンジン/モーター運転点を実現するように、エンジン2のトルク、モーター1および4のトルク、無段変速機5の変速比、クラッチ3の締結/解放を制御する。
なお、走行経路の道路環境情報、SOC換算効率指標およびSOC変化量を記憶しておき、この過去の走行経路のデータを考慮して区間way(j)ごとのSOC変化量を予測するようにしてもよい。それにより、より正確な区間way(j)ごとのSOC変化量を予測することができる。
このように、第3の実施の形態によれば、道路環境ごとに走行パターンを想定し、それらの走行パターンを種々のSOC換算効率指標で走行した場合の単位走行距離あたりのSOC変化量データを予めメモリに記憶しておく。そして、この単位走行距離あたりのSOC変化量データから、SOC換算効率指標SOCcと各区間way(j)ごとの道路環境とに対応したSOC変化量p_dSOC(j)を表引き演算し、現在のSOC(d_SOC)を初期値として各区間way(j)のSOC変化量p_dSOC(j)を積分することによって、各区間way(j)の予測SOC(p_SOC(j))と目的地における予測SOC(p_SOC(m))を求める。この演算を目的地における予測SOC(p_SOCm)が目的地における目標SOC(t_SOC)とほぼ一致するまで実行し、両者がほぼ一致したときのSOC換算効率指標を最終的な指標SOCcとする。このSOC換算効率指標SOCcに基づいてエンジン/モーターの運転点を決定し走行しているときに、各区間way(k)の実際のSOC変化量d_dSOC(k)と算出したSOC変化量p_dSOC(k)とを比較し、ずれが大きい場合はSOC換算効率指標(SOC)を補正する。また、各区間way(j)において、現在のSOC(d_SOC)と予測SOC(p_SOC(i))とを比較し、ずれが判定基準値よりも大きい場合はSOC換算効率指標(SOC)を補正する。これにより、目的地までの燃料利用効率を向上させながら目的地における目標SOCを達成することができる。
本実施形態にあっても、エンジンおよびモータの動作点を決定する際のSOC換算効率指標SOCcは、連続的に変化するようにしてあるので、エンジンおよびモータの動作点が急変することを抑制できる等、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
なお、以上の実施形態にあっては、燃料の利用効率を表す効率指標としてSOC換算効率指標値SOCcを使用している。燃料の利用効率を表す効率指標としてSOC換算効率指標値SOCcとの関係は、図5に示す感度SとSOC換算効率指標との関係であるので、燃料の利用効率を表す効率指標値を連続的に変化させることは、上記の実施例のようにSOC換算効率指標値SOCcを連続的に変化させることと同じであることを付け加えておく。
続いて、第4の実施形態として、前述の実施の形態において、車両が目的地までの距離Xp(km)が所定の距離より近い位置に到達した場合のそれ以降の処理について説明する。ナビゲーション装置33は、目的地までの走行経路情報(道のり情報)から、目的地までの距離Xpを計算し、車両コントローラ16に送信する。車両コントローラ16は、ステップ114に変えて以下の処理を行なう。
まず受信したXpの値に応じて、経路情報を用いて演算した第1効率指標値SOCc1と経路情報を用いずに演算した第2効率指標値SOCc2の重み付け係数λ1、λ2を、予め設定された図16の特性に応じて決定する。つまり、所定値より小さくなった(所定距離より目的地に近づいた)場合には、SOCc1の重み付け係数λ1は目的地までの距離が近くなるほど小さくなり、一方SOCc2の重み付け係数λ2は目的地までの距離が近くなるほど大きく設定される。ここで、所定値MXRは例えば2kmに設定する。
そして、これらの重み付け係数を用いて、目標効率指標SOCctを次式で演算する。
こうすることで、車両が目的地に近づくにつれ、経路情報を用いずに演算した第2効率指標値SOCc2の重み付けを大きくすることを実現できる。したがって、以下の課題を解決できる。つまり第1効率指標値にあたるSOC換算指標SOCcは、目的地におけるSOCが予め設定されている目標値(以下、t_SOCと示す。例えば、SOC=60%)となるように導出される従来技術において、次のような課題があった。
課題1)出発地から目的地までの道のりが比較的短く(例えば100m)、かつ現SOCと目的地におけるt_SOCとの差が大きい場合(例えば差が30%)として、図19(a)や(b)のケースがある。(a)の場合、目的地におけるSOCがt_SOCとなるように、充電量が多いもののエンジンの燃料消費効率が著しく悪い運転点が実現されることになる。結果的に目的地におけるSOCはt_SOCに近づくものの、目的地通過後も含めたトータルの燃費としては必ずしも良好になるとは限らず、燃費を改善する余地が残されている。また(b)の場合、目的地におけるSOCがt_SOCとなるように、積極的にバッテリ電力を放電していくことになる。結果的に目的地におけるSOCはt_SOCに近づくものの、目的地通過後も含めたトータルの燃費としては必ずしも良好になるとは限らず、燃費を改善する余地が残されている。
課題2)出発地から目的地までの道のりが長い場合であっても、車両の運転状況に応じて(例えば高速道路のサービスエリア、パーキングエリアや一般道沿いの店で休息をとるなどによって)、車両が目的地に近づいた地点で(例えば100m手前)、現SOCと目的地におけるt_SOCとの差が大きくなる場合(例えば差が30%)が生じる。このような場合、SOC換算指標SOCcの再演算をすると課題1と同じ課題がある。
つまり、従来の方法では目的地までのことしか考えられておらず、目的地より先の運転を考えていなかった為、目的地より先を含めたトータルの燃費を必ずしも良好にできないという課題があった。
本実施形態では目的地に近づくにつれて、効率指標値を第1効率指標値から第2効率指標値へ徐々に移行させるようにしているために、上記課題を回避することが出来る。
さらに、第5の実施形態として、前述の実施の形態において、車両が目的地に到達するまでの時間Tp(s)が所定時間以下となった時の処理について説明する。ナビゲーション装置33は、目的地までの走行経路情報(道のり情報)および道路種別(高速道路/一般道などの種別)および渋滞状況などから、目的地までの到達時間Tp(s)を計算し、車両コントローラ16に送信する。車両コントローラ16は、ステップ114に変えて以下の処理を行なう。
まず受信したTp(s)の値に応じて、経路情報を用いて演算した第1効率指標値SOCc1と経路情報を用いずに演算した第2効率指標値SOCc2の重み付け係数λ1、λ2を、予め設定された図17の特性に応じて決定する。つまり、所定値より小さくなった(所定時間より短時間で目的地に到着する)場合には、SOCc1の重み付け係数λ1は目的地への到着時間が短くなるほど小さくなり、一方SOCc2の重み付け係数λ2は目的地への到着時間が短くなるほど大きく設定される。ここで、所定時間MTRは例えば120秒に設定する。
そして、これらの重み付け係数を用いて、SOCctを次式で演算する。
こうすることで、車両が目的地に近づくにつれ、経路情報を用いずに目的地への到着時間に応じて演算した第2効率指標値SOCc2の重み付けを大きくすることを実現できる。したがって、前述の目的地までの距離に応じて第2効率指標値SOCc2の重み付けを大きくした場合と同様の効果を有することができる。
以上の実施の形態では、燃料増加量Δfuelに対する充電電力増加量Δbatの比(Δbat/Δfuel)、すなわち感度SをSOC換算効率指標とする例を示したが、SOC換算効率指標は感度Sに限定されない。例えば、SOCが低いときには発電を促進し、高いときには発電を抑制する制御を行うハイブリッド車両に対しては、SOCそのものをSOC換算効率指標としてもよい。この場合は、車両の進行経路上に所定距離以上の下り坂がある場合には、目標SOCを検出SOCに対して小さめに補正すればよい。また、SOC検出値と目的地における目標SOCとの差が大きいほどSOCの補正量を大きくしてもよい。
なお、運転者に代わり状況に応じて車両の制駆動力を自動調整するような制駆動力自動調整システムにおいては、上述した実施の形態の"アクセル開度"を制駆動力自動調整システムの制駆動力指令値に置き換えることによって、上述した実施の形態と同様な効果を得ることができる。
また、上述した一実施の形態では、クラッチ3の締結によりパラレル・ハイブリッド走行を実現するとともに、クラッチ3の開放によりシリーズ・ハイブリッド走行も行う車両への適用例を示したが、パラレル・ハイブリッド走行のみ、またはシリーズ・ハイブリッド走行のみを行う車両へも同様に適用できる。
さらに、上述した一実施の形態では無段変速機を例に上げて説明したが、変速機は無段変速機に限定されず、有段変速機でもよい。また、変速機の配置も上述した一実施の形態に限定されない。
さらにまた、本願発明は、前輪駆動、後輪駆動、4輪駆動などのすべての駆動方式の車両に適用することができ、エンジンで前輪を駆動し、モーターで後輪を駆動する形態などのすべての駆動源形態の車両に適用することができる。
上述した一実施の形態では、目的地までの誘導経路を探索し、目的地における目標SOC(t_SOC)を設定するとともに、目的地における予測SOC(p_SOC)を求め、予測SOC(p_SOC)が目標SOC(t_SOC)に略一致するようなSOC換算効率指標SOCcを設定する例を示したが、上記目的地の代わりに誘導経路途中の任意の中間地点を設定し、その中間地点における目標SOCを設定するとともに、中間地点における予測SOCを求め、中間地点における予測SOCが目標SOCに略一致するようなSOC換算効率指標SOCcを設定するようにしてもよい。その場合は、中間地点までの誘導経路を分割し、各分割経路ごとにSOC変化量、予測SOCなどを計算する。なお、上述した"走行経路上の特定地点"は誘導経路の目的地と誘導経路上の任意の中間地点とを含む。