JP3914738B2 - 赤外線レーザー照準器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,ライフル,自動小銃,機関短銃等の小火器用の赤外線レーザー照準器に関する。
【0002】
【従来の技術】
小火器用のレーザー照準器は、銃弾が発射される銃身と平行に設置され標的に単一の輝点を照射することにより照準を行なうものである。このような小火器用レーザー照準器は、標的に対して小火器の照門と照星を目で合わせての照準作業や、スコープを目で覗き、レチクルに標的を合わせるなどの照準作業に比較して、小火器の本体は射撃手の目から離れた位置にありながら、照準器から照射投影される輝点を狙点として視認して照準するため、短時間に照準することができ、特に緊急な射撃に用いられる場合に有用である。
【0003】
レーザー光線を使用した照準器は、使用する小火器の弾道特性から一般的には比較的近距離で使用される場合が多く、かつ近年のレーザ照準器は夜間に肉眼では視認することのできない赤外域のレーザー光を使用し、ゴーグル型暗視装置と併用することが求められている。
【0004】
ところで、軍事用途などにおける近距離での緊急時の射撃においては、射撃する側の火力の大きさ、すなわち単位時間あたりに標的に与える弾丸のエネルギーが大きいことが有利かつ安全であるため、複数の小火器での同一標的に対する同時照準や、同時射撃を行なう必要性が増してきている。複数同時照準射撃を行なう場合おいて、従来は狙点となるレーザー光の輝点に固有のパルスをもたせることより、射撃手が固有の小火器の照準器を識別できるようにし、各射撃手に自らの狙点を認識させるようにしている。
【0005】
なお、周知のとおり、可視光のレーザーポインターにおいて図形を表示するフィルターが存在する。しかし、レーザーポインターにおける図形は、本来、装飾として、または矢印等のシンボル表示を目的としており、複数のレーザーポインターを識別する目的や特に背景の遠い目標物からの中心のズレ量を修整したり、レーザー光の輝点を見失うことの防止を目的としたものではない。よって、レーザーポインターにおける図形としては、文字や人形や不定形の絵柄が描かれたりしており,また可視光であるため軍用などの小火器の照準器には適当でない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の小火器用レーザー照準器では、レーザー光の小さな輝点にパルスを与えて射撃手に認識させているため、次のようなような問題がある。
【0007】
第1の問題点は、レーザーの特性である直進性により狙点である輝点が数ミリから数センチと非常に小さく、ゴーグル型暗視装置などを使用した場合に小さな輝点のパルスは視認性が悪いために認識し難く、近距離の緊急な射撃においてレーザー照準器のパルスを個別に判別することは困難であり、各射撃手の小火器固有の照準器識別が困難となっているということである。
【0008】
また、第2の問題点は、図8に示すように標的の背景物が草木の葉13などのような不連続な形状である場合、小火器19を動かすたびに草木の葉13の隙間がレーザー光11の輝点17の動きにより輝点17の点滅になって見えるため、各赤外線レーザー照準器20を識別する輝点17のパルスと誤認しやすく、射撃手が自らの赤外線レーザー照準器20と他の赤外線レーザー照準器20を誤認して本来の輝点を見逃す可能性が大きくなるということである。
【0009】
さらに第3の問題点は、図9に示す様にレーザー光の小さな輝点17は、標的14を少しでも外れた場合において、標的14の背後物18が標的14から離れている場合は、レーザー光の輝点17が急激に小さくなるように見えるため射撃手が輝点17を見失い易いということである。
【0010】
このような近距離の緊急射撃において、自らのレーザー照準器の狙点を見失ったり、誤認したりすることは、射撃手にとって標的の移動や射撃反動などで標的から狙点がズレる状況から狙点を回復する動作が遅滞することであり、緊急な近接射撃においては不利の要因となる問題がある。
【0011】
本発明の主な目的は、赤外線レーザー照準器を小火器に取り付けて夜間にゴーグル型暗視装置を装着した状態で小火器に赤外線レーザー照準器を装着して使用した場合において、射撃手が自らのレーザー照準器の狙点を見失ったり誤認したりすることにより、射撃手が標的の移動や射撃反動などで標的からズレる狙点を回復する動作が遅滞することを防止することができる赤外線レーザー照準器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の赤外線レーザー照準器は、暗視装置を併用する小火器の銃身の前方に取付具で固定された赤外線レーザー照準器であって、赤外線レーザーを発振する赤外線レーザー発振器(図1の2)と、赤外線レーザー発振器に電力を供給する電池(図1の4)と、赤外線レーザー発振器に印加される電圧を適切な値に維持されるように電池からの電力供給量を制御する制御器(図1の3)と、赤外線レーザー発振器から出力されるレーザー光の出力側に取り付けられており、レーザー光を回折または屈折させる回折格子または特殊形状レンズで構成されたフィルタ(図1の1)を設け、フィルタを通過したレーザー光は、小火器の狙点に照準用のレチクル図形を投影することを特徴とする。
【0013】
このような本発明を複数の小火器を適用する場合、各小火器のフィルタのレチクル図形に異なった形状を持たせると、各小火器の赤外線レーザー照準器を視覚的に瞬時に個別識別できるようになる。
【0014】
また、レチクル図形は、標的への投影面において幾らかの面積を持たせることができるので、標的の背景物が草木などの葉ような不連続な形状である場合でも人間が元来有する視覚的な形状認識能力で比較的にレチクル形状を視認し易く、赤外線レーザー照準器の狙点を見失い難くなる。
【0015】
さらに、レチクル図形は、標的の背景がある程度遠距離にある場合でも、標的からの狙点のズレ量とズレ方向を暗視装置による視野から図形によって容易に把握でき、即座に狙点を修整することができる。
【0016】
なお、本発明の赤外線レーザー照準器には、異なるレチクル図形を有する複数のフィルタを備え、いずれかのフィルタを選択して使用できるようにしたフィルタチェンジャーを設けてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
先ず、本発明が適用される小火器5と、その拡大された銃身6および本発明による赤外線レーザー照準器7の一実施例の外観を図2に示す。赤外線レーザー照準器7は小火器5の銃身6の前方に取付具8によって固定されている。また赤外線レーザー照準器7の先端にフィルタ1が設けられている。
【0019】
図3は、本発明に係わる赤外線レーザー照準器7の一実施例の分解図(図3A)と赤外線レーザー照準器7が収納されるケース9およびスイッチ10(図3B)を示す。図3Aを参照すると、赤外線レーザー照準器7は、フィルタ1,赤外線レーザー発振器2,制御器3および電池4で構成されている。これらの構成部品の接続を図1に示す。
【0020】
図1において、赤外線レーザー発振器2は赤外線レーザーを発振する半導体等の発振器であり、電池4はそのための電力を供給する。制御器3は、赤外線レーザー発振器2に印加される電圧が適切な値に維持されるように電池4からの電力供給量を制御し、これによって赤外線レーザー発振器2が安定した赤外線レーザーを発振できるようにする。スイッチ10は赤外線レーザー発振器2への電力供給を手動によりオン/オフするためのものである。
【0021】
フィルタ1は、赤外線レーザー発振器2から出力されるレーザー光11の出力側に配置されており、レーザー光11を回折または屈折させる回折格子または特殊形状レンズで構成される。フィルタ1を通過したレーザー光11は、図1に正面図で例示するようなレチクル図形12を小火器の狙点に投影する。
【0022】
レチクル図形は、図4に典型的な6つを例示するように、視覚的に単純な形である。また、自然界に存在し難い人工的な形状である。さらに、フィルタ1によって投影されるレチクル図形は、レーザー光11の小さな輝点と異なり、ある程度の広がりを有するという特徴を持っている。
【0023】
次に、本発明の赤外レーザー照準器7の動作について説明する。
【0024】
この赤外線レーザー照準器7では、狙撃手が図1においてスイッチ10を操作してオンにすると、電池4から電力が制御器3に供給される。制御器3に供給された電力は一定の電力に制御されて赤外線レーザー発振器2へ供給され、赤外のレーザー光11を出力する。レーザー光11は出力直後にフィルタ1に入射すると、フィルタ1が有する回折格子またはレンズの作用により図形を形成し、投影面にレチクル図形12を投影する。
【0025】
図1においては、回折格子によって図形を投影できるフィルタ1が投影面にレーザー光11を変換して同芯円のレチクル図形12を描いた状況を示している。この例のようにフィルタ1によって投影されるレチクル図形12は、視覚的に単純な形である。そのため、他の射撃手が他の形状のレチクル図形を投影するフィルタ5を装着した赤外線レーザー照準器を操作している場合、射撃手は暗視装置を用いて自らの赤外線レーザー照準器7に装着されたフィルタ1により投影されたレチクル図形12を他の輝点の中から視覚的にすばやく識別できる。したがって、標的に対してすばやく狙点を移動することができるようになる。
【0026】
また、投影されるレチクル図形は自然界に存在しにくい人工的な形状であるため、図5に示すように、草木の葉13などのように不定形、かつ隙間のあいた背景が標的の背後にあっても人間が元来有する形状認識能力により、容易に射撃手がレチクル形状12を認識することができるので、射撃手自らの狙点を見失うことを防ぐことができ。同時に小火器の銃口火炎によって、暗視装置が一時的にホワイトアウトした後でも、射撃手は狙点を形状認識し易いので,次弾の発射に備えての再照準が容易になる。
【0027】
また、図1の実施例のようにフィルタ1によって投影されるレチクル図形12が同芯円である場合、円の中心が小火器の狙点となるように光軸調整を行なうと、射撃手が暗視装置を用いて視覚的に素早く中心を認識することができる形状であるため、上記と同様に標的に対して素早く狙点を移動することができる。
【0028】
さらに、図6に示すように、フィルタ1によって投影されるレチクル図形12は、レーザー光11のある程度の直径を持った同芯円となるため、標的14から多少狙点がズレてもレチクル図形12の円形の一部が標的14に残る形で投影される。したがって、射撃手は標的14からの狙点のズレ量とズレ方向を感覚的に素早く認識することができるため、標的14に対して素早く狙点を戻すことができる。
【0029】
次に、本発明の他の実施例について説明する。この実施例は、その基本的構成は上述の実施例と異ならないが、フィルタ1が有するレチクル図形の種類の交換を容易化している。図7に、本実施例の赤外線レーザー照準器の外観を示す。
【0030】
図7(A)は赤外線レーザー照準器の斜視図、図7(B)は正面図、図7(C)は側面図、図7(D)は裏面図である。この赤外線レーザー照準器では、赤外線レーザー発振器のレーザー光出力側にフィルタチェンジャー16が配置されている。フィルタチェンジャー16は、それぞれ異なるレチクル図形を有する4つのフィルタ15を円盤の円周に配置しており、円周の中心を軸にして回転するようにしてある。射撃手はフィルタ15を一つづつ回転させて他の射撃手と異なるレチクル図形を有するフィルタ15を素早く選択することができる。
【0031】
フィルタ15の1つとして、レチクル図形を有しないでレーザー光11をそのまま透過するガラス板を設定することもできる。そうすることにより、中距離以遠の標的14に対しては、レーザー光11の光量を確保しつつ、従来の赤外線レーザー照準器として使用するという効果が期待できる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の第1の効果は、装着するフィルタがさまざまな種類のレチクル図形を標的に投影できるようにしたため、その形状が認識し易くなり複数の射撃手が一度に同じ標的を射撃する場合において、各射撃手が自らの狙点と他の射撃手の狙点を素早く区別し、認識できるということである。
【0033】
第2の効果は、投影されたレチクル図形は、人間が有する形状認識力によってレーザー光を点で表示することよりも、はるかに容易に認識することができるため、標的の背景物が隙間の多い不連続な形状である場合、例えば草木の葉のようなものの場合でも狙点となるレチクル図形を認識し易くなるということである。
【0034】
第3の効果は、レチクル図形はある程度の面積を持っており、その一部でも標的にかかっていれば標的からの狙点のズレ量とズレ方向を感覚的に容易に把握することができるため、標的の背景物が標的から遠く離れている場合で、標的から狙点がズレた場合において容易に狙点を標的に復帰させて再照準できるということである。
【0035】
なお、本発明が上記各実施例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施例は適宜変更され得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による赤外線レーザー照準器の一実施例の構成図
【図2】本発明による赤外線レーザー照準器の一実施例の外観図
【図3】本発明による赤外線レーザー照準器の一実施例の分解図不連続形状の背景物における背景
【図4】種種のレチクル図形を例示する図
【図5】不連続形状の背景物が存在する場合における本発明の効果を説明するための図
【図6】標的から背後物が遠い場合における本発明の効果を説明するための図
【図7】本発明による赤外線レーザー照準器の他の実施例の外観図
【図8】不連続形状の背景物が存在する場合における従来技術の問題点を説明するための図
【図9】標的から背後物が遠い場合における従来技術の問題点を説明するための図
【符号の説明】
1 フィルタ
2 赤外線レーザ発振器
3 制御器
4 電池
5 小火器
6 銃身
7 赤外線レーザー照準器
8 取付具
9 ケース
10 スイッチ
11 レーザー光
12 レチクル図形
13 草木の葉
14 標的
15 フィルタ
16 フィルタチェンジャー
Claims (2)
- 暗視装置を併用する小火器の銃身の前方に取付具で固定された赤外線レーザー照準器であって、
赤外線レーザーを発振する赤外線レーザー発振器と、
該赤外線レーザー発振器に電力を供給する電池と、
前記赤外線レーザー発振器に印加される電圧を適切な値に維持されるように前記電池からの電力供給量を制御する制御器と、
前記赤外線レーザー発振器から出力されるレーザー光の出力側に取り付けられており、レーザー光を回折または屈折させる回折格子または特殊形状レンズで構成されたフィルタを設け、
前記フィルタを通過したレーザー光は、小火器の狙点に照準用のレチクル図形を投影することを特徴とする赤外線レーザー照準器。 - 前記フィルタ,赤外線レーザー発振器,制御器および電池をこの順序でケースに収容したことを特徴とする請求項1に記載の赤外線レーザー照準器。
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