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JP3914929B2 - 養鶏施設の給水装置 - Google Patents
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本発明は、養鶏施設の給水装置に関する。
昨今の養鶏施設は、卵や鶏肉の生産効率を上げるために、養鶏施設内に多段かつ多列にケージを配置するとともに、給餌、給水も自動化するなどして数万羽という鶏を一度に飼育できるようになっている。
ところで、このような養鶏施設で問題となるのが、夏場等の気温が高い時期の対策である。すなわち、鶏は気温が高くなってくると、夏バテを起こし、鶏卵の生産が落ちり、さらには熱射病により死んでしまったりする。そこで、対策としては、養鶏施設内の温度を下げる方法と、鶏に水を飲ませて体温を下げる方法が考えられる。
そこで、養鶏施設内の温度を下げる方法としては、養鶏施設内を冷房する方法が提案されている(たとえば、特許文献1等参照)。
一方、鶏に水を飲ませて体温を下げる方法の場合、鶏が自主的に水を飲まなければならないが、養鶏施設内の温度があがると給水管内の水温も上昇する。そして、水温が上がるとを鶏が水を飲まなくなり、結果として脱水症状を起こして死んでしまう恐れがある。
そこで、給水管内の水温を監視し、水温がある一定以上に上がると、給水管内の水を捨てて新しい水に入れ換える給水方法(たとえば、特許文献2等参照)が提案されている。
特開平9−135648号公報 特開平6−343367号公報
しかし、特許文献1の方法の場合、大きな養鶏施設内を冷房するため、大型の冷房装置が必要でコストがかかり過ぎるという問題がある。
一方、特許文献2の方法の場合、給水管内の水を捨てて新しい水に入れ換えるようになっているため、水が大量に必要となり、コストがかかるとともに、夏場などは上水道の温度もかなり高くなっており、新しい水と入れ換えるだけでは十分とはいえない。
本発明は、上記事情に鑑みて、養鶏施設内を冷房するような大掛かりな装置を用いなくても、夏場などの気温が高い時期の鶏の水分補給を十分行えるとともに、鶏の暑さによる体力減退や熱射病等による死亡を防止することができる養鶏施設の給水装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の養鶏施設の給水装置(以下、「請求項1の給水装置」と記す)は、養鶏施設の各ケージに沿って配管され、養鶏施設内で飼育される鶏に飲み水を供給する給水管を有し、この給水管が所望ピッチで設けられた給水口をその途中に備える養鶏施設の給水装置において、前記給水管が循環路中に組み込まれているとともに、循環路の途中に給水路中の水を冷却する冷却装置を備えていることを特徴としている。
本発明の請求項2に記載の養鶏施設の給水装置(以下、「請求項2の給水装置」と記す)は、請求項1の給水装置において、循環路内の水温または養鶏施設内の気温を測定する温度センサを有し、冷却装置を前記温度センサで計測された温度が設定温度以上になった時稼働させる冷却温度制御手段を備えていることを特徴としている。
本発明の請求項3に記載の養鶏施設の給水装置(以下、「請求項3の給水装置」と記す)は、請求項1または請求項2の給水装置において、冷却装置を設定された時間稼働するように制御する冷却装置稼働時間制御手段を備えていることを特徴としている。
本発明の請求項4に記載の養鶏施設の給水装置(以下、「請求項4の給水装置」と記す)は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の給水装置において、循環路が、冷却装置付きの貯水槽と、この貯水槽の水を給水管に送る送り配管と、給水管から送り出される水を再び貯水槽に戻す戻り配管とを備えていることを特徴としている。
本発明の請求項1の給水装置は、以上のように給水管が循環路中に組み込まれているとともに、循環路の途中に給水路中の水を冷却する冷却装置を備えているので、夏場などの気温が高い時期にも、冷却装置によって給水路中の水を冷却して、鶏が常に冷たい水を摂取できる状態にすることができる。したがって、夏場などの気温が高い時期においても、鶏が脱水症状を起こしたり、夏バテにより食欲減退を起こしたり、死んでしまったりすることがなくなる。しかも、水が循環路を循環するようになっていて、外部に排出されないので、水の使用量が必要最小限になる。
請求項2の給水装置は、循環路内の水温または養鶏施設内の気温を測定する温度センサを有し、冷却装置を前記温度センサで計測された温度が設定温度以上になった時稼働させる冷却温度制御手段を備えているので、冷却装置を必要な時間だけ稼働させることができるので、電気等のエネルギーコストを最小限に抑えることができる。
請求項3の給水装置は、冷却装置を設定された時間稼働するように制御する冷却装置稼働時間制御手段を備えているので、夜間などの気温が低い時間帯あるいは鶏が眠っていて給水が不要な場合に冷却装置を停止しておくことができ、電気等のエネルギーコストを最小限に抑えることができる。
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1〜図3は、本発明にかかる養鶏施設の給水装置の1つの実施の形態をあらわしている。
図1〜図3に示すように、この給水装置1は、送り配管2と、50本の給水管3と、戻り配管4と、貯水槽5とからなる循環路6を備えている。
また、この給水装置1が設置される養鶏施設7は、図4に示すように、建屋7内に5列のケージ8が平行に設けられている。各ケージ8は、それぞれ5階建てで各階とも幅方向に2つの部屋に仕切られ、長手方向に複数の部屋に仕切られている。
各ケージ8は、各階で、ケージ8の幅方向の両側面に沿って1本ずつの給水管3が全長に渡って添設されているとともに、図1および図3に示すように、ケージ8内に新鮮空気を送風する送風装置81を備えているとともに、図示していないが、給餌装置を含む公知の養鶏施設と同様の設備も備えている。
給水管3の各部屋に臨む位置には、図5に示すような給水口としてのニップル式給水器31が設けられている。
ニップル式給水器31は、図6および図7に示すように、鶏Cが網83から首を給水管3の下方に突き出し、ニップル式給水器31の下方に突出するニップル状の突起31aをくちばし等で上方に突き上げると、突起31aが図7(a)に示すように、本体31b内に入り込み、弁が開放されて本体31bの下方から水が流れ落ちるようになっている。すなわち、鶏が突起31aを突き上げないと、図7(b)に示すように、突起31aが下がり弁が閉じて給水管3から水が漏れ出ないようになっている。
送り配管2は、一端が貯水槽5に臨むみ本管部21と、本管部21の他端で25本に分岐した分岐管部22と、各分岐管部22の先端で2つに分岐した接続管部23とを備え、接続管部23の先端がそれぞれ給水管3の入口に接続されている。
また、本管部21の途中には、送水ポンプ26が設けられ、分岐管部22には、減圧器24と圧力ゲージ25が設けられている。
送水ポンプ26は、圧力センサ(図示せず)が設けられていて、一定以上の負荷がかかると停止するようになっている。
戻り配管4は、給水管3の出口にそれぞれ接続される接続管部41と、各階ごとに2本の接続管部41が集合した25本の集合管部42と、この25本の集合管部42の出口が接続されその終端が貯水槽5に臨む本管部43とを備えている。
また、戻り配管4の集合管部42には、電磁弁44がそれぞれ設けられている。
電磁弁44は、給水不要時には、制御手段により一斉に閉じた状態になり、定常給水状態では、ある1列または2列のケージ8に添設された給水管3に接続された電磁弁44が開放した状態になり、残りの4列または3列のケージ8に添設された給水管3が閉じた状態になり、一定時間毎に開放される電磁弁44を切り換えるようになっている。
貯水槽5は、冷却装置としてのチラーユニット9と、水補給配管51と、水温計(図示せず)を備えている。
チラーユニット9は、チラー91と、貯水槽5の水Wをチラー91と貯水槽5との間で循環する循環配管92と、循環配管92の途中に設けられた循環ポンプ93と、冷却温度制御手段と、冷却装置稼働時間制御手段としてのタイマーとを備えている。
冷却温度制御手段は、温度センサ(図示せず)で測定された養鶏施設7の建屋71内の気温が設定温度以上になると、チラーユニット9を稼働させ、設定温度未満の場合、チラーユニット9を停止するようになっている。
タイマーは、夜間など、鶏が眠りにつきほとんど水を飲まない時間になると、チラーユニットの稼働を停止し、朝になり、鶏が活動する時間になるとチラーユニットを稼働させるようになっている。
水補給配管51は、井戸水のくみ上げポンプ(図示せず)に接続されていて出口にボールタップ52が設けられ、貯水槽5のレベルが下がると、自動的にボールタップ52が働くレベルになるまで水を貯水槽5に補給するようになっている。
つぎに、この給水装置1の動作を説明する。
この給水装置1は、定常給水状態では、貯水槽5の水Wを送水ポンプ26によって送り配管2を介して電磁弁44が開放され通水可能になった1列または2列のケージ8に添設された給水管3に水を送り込み、給水管3に溜まっている温もった状態の水を戻り配管4を介して貯水槽5に戻す。
そして、一定時間経過し、1列または2列のケージ8に添設された給水管3の水が新しい冷たい水に交換されると、今まで開放されていた電磁弁44が閉じ、他の1列または2列のケージ8に添設された給水管3が接続された集合管部42の電磁弁44を開放し、上記同様の動作を繰り返すようになっている。
また、チラーユニット9は、温度センサによって測定された建屋7内の気温が一定温度以上になると作動し、貯水槽5内の水温が気温に応じて予め設定された水温になるように稼働するようになっている。
以上のように、この給水装置1は、給水管3が循環路6内に組み込まれていて、給水管3を通った水が再び貯水槽5に戻るようになっているので、すなわち、水が循環路を循環するようになっていて、外部に排出されないので、水の使用量が必要最小限になる。
しかも、貯水槽5にチラーユニット9が設けられているので、貯水槽5内の水温が上がると、チラーユニット9の働きで、貯水槽5内の水を冷却して、給水管3に鶏が飲みやすい温度の水を常に供給できる。したがって、夏場などの気温が高い時期であっても、鶏が給水管3の水を十分摂取し、熱射病や脱水症状によって死ぬと言った問題を解消できる。
勿論、養鶏施設内を冷房する必要もなく、コストダウンを図れる。
また、この給水装置1は、給水が不要時には、電磁弁44を閉じた状態にするようになっているので、循環路6内に水抜けが発生せず、空気のかみ込み等による送水不良がない。なお、送水ポンプ26は、圧力センサを備えているので、電磁弁44を閉じて送水ポンプ26に大きな負荷がかかると、自動的停止する。したがって、電気等のエネルギーコストを最小限に抑えることができる。
さらに、この給水装置1の場合、電磁弁44の開閉によって、1列または2列のケージ8に沿って向けられた給水管3内の水を順次入れ換えるようにしているので、送り配管から一度に送られる水の送水量を全体を一度に入れ換える場合の1/5または2/5にすることができる。したがって、送水ポンプ26の容量を小さくすることができ、設備コストを低減できる。
また、冷却温度制御手段によって養鶏施設7の建屋7内の気温が設定温度以上になると、チラーユニット9を稼働させ、設定温度未満の場合、チラーユニット9を停止するようになっているとともに、タイマーによって、夜間など、鶏が眠りにつきほとんど水を飲まない時間になると、チラーユニットの稼働を停止し、朝になり、鶏が活動する時間になるとチラーユニットを稼働させるようになっているので、チラーユニット9の稼働を必要最小限に抑えることができ、電気等のエネルギーコストを最小限に抑えることができる。
本発明にかかる養鶏施設の給水装置は、上記の実施の形態に限定されない、たとえば、上記の実施の形態では、1列または2列のケージ8に添設された給水管3の水を一度に入れ換えるようにしているが、各給水管3に温度センサを設け、電磁弁を個別に開閉して操作温度センサで計測された温度が設定温度以上になった給水管のみ水を入れ換えるようにしても構わない。また、すべての給水管に常時新しい冷たい水を流すようにしても構わない。
上記の実施の形態では、ケージが5階建てであったが、6階建て以上としても構わないし、4階建て以下でも構わない。
上記の実施の形態では、養鶏施設内のケージが5列であったが、6列以上としても構わないし、4列以下でも構わない。
全長が58mの給水管3を備えた上記のような養鶏施設Aの3つのケージのすべての給水管に対して連続的に貯水槽5の水を総量で34.3リットル/分で給水し、養鶏施設内の気温、給水管入口の水温、給水管出口の水温、貯水槽5の水温、チラーユニット9の戻り配管の水温を10:30〜15:30までの間で調べその結果を表1に示した。
Figure 0003914929
上記表1から、常時、給水管に新しい水を送り続けていても、給水管の入口から出口に達するまでの間に水温が4℃以上上昇していることがわかる。したがって、チラーユニットの稼働、給水量、給水の交換頻度等は、給水口の出口での水温を管理することが好ましいことがわかる。
本発明にかかる養鶏施設の給水装置の1つの実施の形態をあらわし、そのケージの給水管入口側部分を模式的にあらわす斜視図である。 図1の養鶏施設の給水装置におけるケージの給水管出口側部分を模式的にあらわす斜視図である。 図1の養鶏施設の給水装置におけるチラーユニットと貯水送部分の配管系統図である。 図1の養鶏施設の給水装置におけるケージの配置状態を説明する平面図である。 図1の養鶏施設の給水装置における給水管の正面図である。 図5の給水管の給水器部分の拡大斜視図である。 図5の給水器の断面図である。
符号の説明
C 鶏
1 給水装置
2 送り配管
3 給水管
31 ニップル式給水器(給水口)
4 戻り配管
5 貯水槽
6 循環路
7 養鶏施設
8 ケージ
9 チラーユニット(冷却装置)

Claims (4)

  1. 養鶏施設の各ケージに沿って配管され、養鶏施設内で飼育される鶏に飲み水を供給する給水管を有し、この給水管が所望ピッチで設けられた給水口をその途中に備える養鶏施設の給水装置において、
    前記給水管が循環路中に組み込まれているとともに、循環路の途中に給水路中の水を冷却する冷却装置を備えていることを特徴とする養鶏施設の給水装置。
  2. 循環路内の水温または養鶏施設内の気温を測定する温度センサを有し、冷却装置を前記温度センサで計測された温度が設定温度以上になった時稼働させる冷却温度制御手段を備えている請求項1に記載の養鶏施設の給水装置。
  3. 冷却装置を設定された時間稼働するように制御する冷却装置稼働時間制御手段を備えている請求項1または請求項2に記載の養鶏施設の給水装置。
  4. 循環路が、冷却装置付きの貯水槽と、この貯水槽の水を給水管に送る送り配管と、給水管から送り出される水を再び貯水槽に戻す戻り配管とを備えている請求項1〜請求項3のいずれかに記載の養鶏施設の給水装置。
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