JP3920082B2 - 誘導発熱ローラ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は誘導発熱ローラ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばプラスチックフイルム、紙、布、不織布、金属箔などのシート材あるいはウエブ材の連続熱処理工程において、適度の温度に誘導発熱して回転するローラが使用されることは、すでによく知られており、具体的には、内部を中空としたローラの両側に一体的にジャーナルを取り付け、このジャーナルと一体の駆動軸を機台に対して回転自在に支持するとともに、ローラの内部に誘導発熱機構を配置し、駆動軸に対して軸受によって支持することにより、誘導発熱機構をローラの内部において宙吊り状態で支持することにより構成されている。
【0003】
このような誘導発熱ローラ装置の従来例を示したのが図6である。この構成を説明すると、1はローラ、2A,2Bはローラ1の両側に取り付けられたジャーナル、3A,3Bは各ジャーナル2A,2Bに一体であって、かつ中空の駆動軸で、これは軸受4A,4Bを介して機台5に回転自在に支持されている。6は誘導発熱機構で、筒状のホルダー7の外周に支持されている筒状の鉄心8と、その外周に巻装されている誘導コイル9とによって構成されている。
【0004】
10A,10Bはホルダー7の各端部に一体的に延びるように取り付けられた支持ロッドで、各支持ロッドはそれぞれ駆動軸3A,3Bの内部に挿通されてあり、軸受11A,11Bを介して駆動軸3A,3Bに対して支持されている。これにより誘導発熱機構6は、ローラ1の内部において宙吊り状態で支持されることになる。12は誘導コイル9に接続されるリード線で、一方の支持ロッド10B内を通り、その外端から外部に導出され、所要の交流電源に接続されている。13は支持ロッド10Bがローラ1の回転に連れられて回転することのないようにするための回り止め具である。
【0005】
このような従来構成によると、各駆動軸3A,3Bの外周は軸受4を介して機台5に回転自在に支持され、内周には軸受11A,11Bを介して支持ロッド10A,10Bが配置されているので、各駆動軸の内周の軸心と外周の軸心とが一致していないと、ローラ1の回転時において支持ロッドの軸心が周期的に偏心してしまい、これにより支持ロッドとともに誘導発熱機構6が振動する。いずれか一方のみならず両方の駆動軸の内周と外周との軸心が一致していない場合でも誘導発熱機構6は振動する。更に両側の駆動軸の内周同志の軸心、および外周同志の軸心が一致していないと、その振動は更に顕著となる。
【0006】
このような振動の発生を回避するために、駆動軸の内周と外周との軸心が一致するように駆動軸を加工する必要がある。そのため具体的には、まずジャーナルとこれに一体の駆動軸を単体で加工を仕上げる。次にこれをローラに組付けてローラの外周を仕上げ加工し、またこのとき駆動軸の外周も同じように仕上げ加工して、ローラの外周の軸心と駆動軸の外周の軸心とを一致させる。このあとローラが組付けられている状態で、駆動軸の内周を仕上げ加工して、その内周と外周の軸心を一致させる。このような加工作業は両駆動軸において必要であるし、また両駆動軸の内外周の軸心が互いに一致するように仕上げなければならない。このように誘導発熱機構、支持ロッドの振動を回避するためには、精度の高い加工が要求されるし、また調整加工が必要となる。
【0007】
また誘導発熱機構がローラの内部において宙吊り状態にあるとき、誘導発熱機構にたわみが生じたり、あるいは支持ロッドにたわみが生じたりすると、軸受11A,11Bに不規則な負荷が加わるため、駆動軸およびローラの回転が不安定となり、滑らかな回転が得られないようになる。これを回避するため従来では、支持ロッドならびにホルダー7として機械的強度の大きいものを使用していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、誘導発熱機構の振動を回避する手段を、簡易化することを目的とする。
【0009】
本発明は、誘導発熱機構の宙吊り状態にたわみが発生しても、ローラが滑らかに回転できるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、回転するローラと、前記ローラの各端部に連なる駆動軸と、前記ローラの内部に配置される誘導発熱機構と、前記誘導発熱機構の各端部を支持する支持ロッドとを備え、前記支持ロッドの一方を、自動調心機能を有する軸受機構を介して前記駆動軸の一方の内面に支持し、前記支持ロッドの他方を、前記駆動軸の他方より外部に導出し、導出された前記支持ロッドを、機台に連結具を介して固定されたリングにはめ込んで支持してなる誘導発熱ローラ装置であって、前記外部に導出された支持ロッドの外周に軸心方向に沿って延びる溝を設けるとともに、前記リングの内側に前記溝にはめ込む突起を設け、前記溝に前記突起をはめ込んで前記リングに対して前記支持ロッドを回転不能にするとともに軸心方向に沿ってスライド自在としたことを特徴とする。
【0011】
少なくも一方の支持ロッドは駆動軸からはフリーとされ、駆動軸より外部に導出しているので、この駆動軸については、その内周、外周の軸心を必ずしも高精度で一致させる必要はなくなる。他方の支持ロッドは自動調心機能を有する軸受機構を介して駆動軸に支持されるので、この駆動軸については、その内周、外周の軸心を一致させる必要はあるが、従来のように両駆動軸について軸心を調整する必要はなくなるし、両駆動軸の軸心を互いに一致させるような修正加工も不要となる。
【0012】
そして自動調心機能を有する軸受機構を介して駆動軸に支持しているので、支持ロッド、誘導発熱機構にたわみが生じても、そのたわみに応じて調心作用が発生し、ローラは滑らかに回転するようになる。この場合従来のように支持ロッド、誘導発熱機構に大きな機械的強度を付与する必要はない。
【0013】
一方の支持ロッドは駆動軸より外部に導出され、固定部に対して支持されているが、この支持ロッドはスライド自在とされているので、熱膨張により支持ロッド、誘導発熱機構が延びることがあっても、支持ロッドのスライドによって、熱膨張は吸収される。したがって熱膨張による機械的な破壊は回避できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施態様を図1によって説明する。なお図6と同じ符号を付した部分は、同一または対応する部分を示す。本発明にしたがい、一方の支持ロッド10Aと駆動軸3Aとの間に、従来の軸受11Aに代えて、自動調心機能を有する軸受機構21を介在させる。図示する軸受機構21は、自動調心軸受22と、その外側に設けられたころがり軸受23とによって構成されている。
【0015】
軸受機構21を図2により説明すると、自動調心軸受22は、外周面を球面とする内輪24と、内輪24の外周面に対してスライド自在の球面を内周面に有する外輪25と、外輪25を支持する軸受スリーブ26と、外輪25を軸受スリーブ26に固定するスペーサ27、リング28とにより構成されている。内輪24は支持ロッドの外周に取り付けられてあり、ころがり軸受23は軸受スリーブ26と駆動軸3Aの内周との間に介在し、ころがり軸受23の外輪は駆動軸3Aの内周に取り付けられている。
【0016】
内輪24と外輪25の球面において滑りが生じ、自動調心機能が生じる。したがって支持ロッド10Aが傾いたり、たわむことがあっても、駆動軸3Aは滑らかに回転する。またたわみがあっても、円滑な回転が可能であることから、誘導発熱機構6を強固にホールドする必要はなくなるので、図6に示すようなホルダー7を省略することも可能である。なお内輪24は固定リング29により支持ロッド10Aに固定されている。
【0017】
支持ロッド10Bは駆動軸3Bより外部に導出され、その導出端部は固定部、たとえば機台5に連結具30を介して支持されている。具体的には支持ロッド10Bの導出端部の外周にはめこまれたリング31が、連結具30に固着されている。この例では支持ロッド10Bがリング31に対してスライド自在とされている。ここでは図3に示すように、支持ロッド10Bの外周に、その軸心方向に沿って延びる溝32が設けてあり、この溝32内をスライド自在の突起部33がリング31に一体となっている。またこの連結具30に支持ロッド10Bを上下左右に位置調整できる機構を付加することも可能である。
【0018】
ローラ1の発熱にともなって誘導発熱機構6、支持ロッド10A,10Bが熱膨張した場合、自動調心軸受22の内輪24が固定リング29により固定されているので、誘導発熱機構6、支持ロッド10A,10Bは全体的に図において右側に向かって膨張していく。突起部33が溝32内にあってスライド自在とされているので、これらの膨張はなんら支障なく膨張していく。したがって各部分の機械的損傷はなんら生じない。
【0019】
この構成では、自動調心軸受22を設置する側の駆動軸10Aについては、従来と同様にその内周と外周の軸心が一致するように修正加工が必要であるが、他方の駆動軸10Bについては、その修正加工は不要である。したがってそれだけ修正加工が簡略化される。なお図1の構成に代えて図4のように、ころがり軸受23と自動調心軸受22との位置を取り替えて、ころがり軸受23を支持ロッド10Aの外周と自動調心軸受22との間に配置してもよい。具体的にはころがり軸受23の内輪を支持ロッドの外周に取り付け、自動調心軸受22の外輪を駆動軸の内周に取り付けるようにすればよい。
【0020】
なお図1において、41はローラ1の周壁の温度を測定するための温度センサで、この温度センサ41により検出された温度信号は、リード線42を経て回転トランス43に送られる。回転トランス43は、駆動軸3Bと一体の回転側コイル44と、支持ロッド10Bと一体の固定側コイル45とによって構成されている。固定側コイル45に誘起する温度信号は、端子46から取りだされる。
【0021】
47はシール機構で、内周端が支持ロッド10Aに固定されてあり、外周端が駆動軸3Aの内周面をスライド自在とされているリングからなり、誘導コイル8から発生するガス、蒸気が軸受機構21側に流れてきて軸受機能の低下を起こさないようにするためのものである。48はローラ1の周壁の内部に設けられたジャケット室で、内部に気液二相の熱媒体が封入されている。49は軸受4を駆動軸3Aと機台5との間に固定するための固定リングである。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
図5に別の軸受機構21を示す。ここに示す軸受機構21は自動調心ころ軸受であり、支持ロッド10Aに対してスライド自在としたものである。この構成を説明すると、内周面が球面とされた外輪61と、外周面が球面とされた内輪62と、両輪の間に介在するころ63とによって主として構成されている。外輪61はキャップ64により段部65に押しつけられ、固定されている。内輪62は支持ロッド10Aの周面においてスライド自在とされている。ころ63によって駆動軸3Aの回転に対して支持ロッド10Aは静止状態を保つし、両輪61,62の球面によって、支持ロッド10Aの傾きに対しても駆動軸3Aの回転を安定に保つ。なお66はオイルシールである。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、誘導発熱機構の一方の支持ロッドを、自動調心機能を有する軸受機構を介して一方の駆動軸の内面に支持し、他方の支持ロッドを、他方の駆動軸より外部に導出し、導出された支持ロッドを連結具を介して軸心方向に沿ってスライド自在に機台により支持したので、一方の駆動軸については、その内外周の軸心を必ずしも高精度で一致させる必要はなくなるとともに、熱膨張の吸収も可能となり、更に支持ロッド、誘導発熱機構にたわみが生じても、ローラは滑らかに回転するし、また支持ロッド、誘導発熱機構に大きな機械的強度を付与する必要はないといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施態様を示す断面図である。
【図2】 図1の一部の拡大断面図である。
【図3】 図1の他の一部の拡大断面図である。
【図4】 図2の構成の変更例を示す拡大断面図である。
【図5】 自動調心機能を備えた軸受機構の他の例を示す断面図である。
【図6】 従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 ローラ
3A 駆動軸
3B 駆動軸
5 固定部(機台)
6 磁束発生機構
10A 支持ロッド
10B 支持ロッド
21 自動調心機能を備えた軸受機構
30 連結具
31 固定リング
32 溝
33 突起
Claims (2)
- 回転するローラと、前記ローラの各端部に連なる駆動軸と、前記ローラの内部に配置される誘導発熱機構と、前記誘導発熱機構の各端部を支持する支持ロッドとを備え、前記支持ロッドの一方を、自動調心機能を有する軸受機構を介して前記駆動軸の一方の内面に支持し、前記支持ロッドの他方を、前記駆動軸の他方より外部に導出し、導出された前記支持ロッドを、機台に連結具を介して固定されたリングにはめ込んで支持してなる誘導発熱ローラ装置であって、前記外部に導出された支持ロッドの外周に軸心方向に沿って延びる溝を設けるとともに、前記リングの内側に前記溝にはめ込む突起を設け、前記溝に前記突起をはめ込んで前記リングに対して前記支持ロッドを回転不能にするとともに軸心方向に沿ってスライド自在とした誘導発熱ローラ装置。
- 前記軸受機構は、外周面を球面とする内輪と、前記内輪の外周面に対してスライド自在の球面を内周面に有する外輪とを備えた自動調心軸受と、前記自動調心軸受の外側または内側に設けられたころがり軸受とからなる請求項1記載の誘導発熱ローラ装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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