JP3922017B2 - 画像読取装置およびプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿と読取光学系とを相対移動させて原稿の画像を光学的に読み取る画像読取装置およびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
複写装置や印刷装置あるいはイメージスキャナなどでは、原稿と受光部などの読取光学系とを相対移動させて原稿の画像を光学的に読み取る画像読取装置が利用されている。この画像読取装置には、原稿を原稿載置台上に固定させた状態で読み取る固定読取方式と、原稿を原稿給送部により搬送させながら読み取る搬送読取方式(流し読取り方式ともいわれる)とがある。また特開平7−114232号や同7−110641号などには、この2つの方式を切替使用することも提案されている。
【0003】
一方、画像読取装置において、コンタクトガラスなどの原稿載置台上の所定の原稿読取位置や読取光学系の光路上にゴミや埃などが付着する場合がある。かかる場合に原稿画像を読み取ると、ゴミが読み取られてしまうため、画像読取装置から得られる出力画像に、原稿画像にない副走査方向(相対移動の方向)に延びたスジ状のノイズ(以下単にスジという)が発生してしまう。
【0004】
この問題を解消するための手段として、読取位置のコンタクトガラスの表面にゴミなどが付着するのを防ぐための処理を施したり、読取位置をゴミの付着の少ないところにするなどの方法が提案されている。しかし、これらの方法では、読取位置などにゴミが付着してしまった場合に生じる不具合、すなわち、出力画像にゴミ付着によるスジが発生するという不具合を解消することはできない。
【0005】
そこで、ゴミが付着した場合にそのゴミの影響が出力画像に現れないようにする技術が、たとえば特開平9−139844号や特開2000−152008号により提案されている。両者に記載されたものは、複数のラインセンサの読取画像を比較することで読取画像中にゴミが発生しているか否かを検出している。
【0006】
たとえば特開平9−139844号では、搬送読取方式を採用しつつ、原稿の搬送方向に沿って僅かに隔たった2箇所の読取位置において、搬送中の原稿を読み取る。なお、以下では便宜上、搬送中の原稿が最初に通過する読取位置を上流側読取位置、2番目に通過する読取位置を下流側読取位置という。
【0007】
このように上流側読取位置および下流側読取位置に2箇所において原稿から画像を読み取った場合、上流側読取位置では、副走査方向に並んだ各主走査線上の複数の画像が順次得られる。これに対し、下流側読取位置では、上流側読取位置との間隔に対応する、位相が数ラインだけ遅れた(この位相遅れ分をdとする)画像が順次得られる。
【0008】
ここで、仮にコンタクトガラスにおける下流側読取位置に対応した位置のみにゴミが付着したとすると、上流側読取位置からは原稿画像に忠実な画像が得られるのに対し、下流側読取位置からはゴミの影響を受けた画像が得られることとなり、両画像間に差異が生じることとなる。そこで、上流側読取位置における画像に対し、上記位相遅れ相当の遅延(dライン分)を付与して下流側読取位置における画像と同相の画像を生成し、この画像と下流側読取位置における画像とを比較し、両者に差があれば下流側読取位置にゴミが付着していると判定するようにしている。またこの場合において、下流側読取位置における画像のうち上流側読取位置における画像と異なっている部分は、ゴミに影響を受けている部分の画像であるということができる。そこで、このゴミの影響を受けている部分の画像をマスク画像(マスクデータ)に置き換えることにより、出力画像に顕れるスジを除去している。
【0009】
一方、搬送ロールへの原稿の突入時や搬送ロールからの原稿の排出時には、原稿の姿勢が不安定となり易く、これが実質的には、原稿と受光部との相対移動速度に対応する原稿の搬送速度の変動として現れてしまう。また上流側読取位置における画像と下流側読取位置における画像との位相差は、上流側および下流側の各読取位置間の距離と原稿の搬送速度とにより決定される。したがって、原稿の搬送速度に変動が生じると、上流側読取位置における画像と下流側読取位置における画像の位相差dが変化してしまう。このため前記特開平9−139844号に記載された方法では、前者の画像に位相差d相当の遅延を付与したとしても後者の画像と異なったものとなってしまい、実際にゴミが付着していない場合であっても、あたかもゴミが付着しているが如き誤判定がなされてしまう。
【0010】
この問題を解消するため、特開2000−152008号では、副走査方向に所定画素数連続して不一致があると判定されたらゴミがあると判定することで、搬送速度の変動でゴミが誤検出されないようにする方法が提案されている。ここで、前記所定画素数は以下の観点から決定している。先ず、原稿の搬送速度の変動は、原稿がローラに当たるときやローラから離れるときに発生するものであるため、搬送速度の変動に基づく2つの読取位置における画像の位相ずれは、2〜3ライン周期程度しか持続しないと考る。この位相ずれが発生するライン数は、モータの回転むらや読取倍率によって変化する原稿搬送速度などに応じて変動する。これに対し、ゴミの付着によるスジの発生は、ゴミの大きさにもよるが、略5ライン周期(400μm程度)以上持続すると考える。したがって、特定の画素に対応してたゴミが5ライン周期以上に亘って連続して検知された場合には、原稿の搬送速度の変動の影響ではなく、ゴミの付着に起因してそのような事態が起こっていると考える。これにより、前記所定画素数を“4”や“5”と設定すれば、位相ずれによる影響をゴミであると誤判定することはない。
【0011】
ただし、原稿の搬送速度が速くなると、速度変動に起因した位相ずれが発生するライン数も増加するため、位相ずれがゴミの付着に起因するものであるかを正確に判定するには、位相ずれに応じて所定画素数を設定することが望ましい。これに対して特開2000−152008号では、原稿の搬送速度に応じて所定画素数を設定することを提案している。具体的には、原稿の搬送速度が速くなるほど、所定画素数を大きな値に設定したり、原稿の搬送速度が速い場合に生じるノイズの画素数に応じて所定画素数を設定したり、あるいは、原稿の搬送速度が速い場合に生じる2つの画像の位相ずれ量に応じて設定する。つまり特開2000−152008号では、搬送速度と位相ずれとが比例するとの前提の元に、専ら、搬送速度を条件として所定画素数を決定しており、この値は設計段階で決定できるのものであるため、最終的には、決定された固定値を設定している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、誤検知防止を重視して、原稿の突入時や排出時など原稿の特定の位置に発生する搬送速度の変動に対応できるように前記所定画素数を決定すると、その他の比較的搬送速度が安定している大部分の原稿領域においてゴミの検出能力が劣ってしまい、出力画像にスジ状のノイズが生じてしまう。逆に、ゴミ検出性能を重視して(ゴミを確実に検出するように)比較的搬送速度が安定している領域に合わせて前記所定画素数を決定すると搬送速度が大きい領域に誤検出が発生してしまい、本来ゴミでない黒画素を白画素などに置換してしまう。この場合出力画像上では、たとえば黒線が所々で細り、全体として線が波打って見えてしまうなどの現象が生じる。つまり、特開2000−152008号に記載の方法では、誤検知防止を重視するとスジノイズにより画質が低下し、ゴミ検出性能を重視すると誤検出に起因した過剰置換により画質が低下してしまうなど、ゴミ付着の検知性能と出力画像の画質とのバランスをとることはできていない。
【0013】
また特開2000−152008号では、画像の位相ずれが発生するライン数は、モータの回転むらや読取倍率によって変化する原稿搬送速度などに応じて変動するため、前述のように、原稿の搬送速度が速くなるほど所定画素数を大きな値に設定することが望ましいとしている。しかしながら、搬送速度の大きさと、速度変動や位相ずれの大きさとは必ずしも比例関係にあるとはいえず、搬送速度に応じて設定された所定画素数が必ずしも適正な値であるとは限らない。すなわち、速度変動は、搬送モータの振動や読取装置の振動、あるいはこれらの共振現象など、複合的な要素によって生じるもので、一概に、搬送速度が速いから速度変動が大きくなり、それに伴う画像の位相ずれも大きくなるとはいえない。このため、搬送速度が高速の場合に対応するべく前記所定画素数を設定しても、中速時や低速時の方が速度変動が大きい場合には、この速度変動に起因した誤検出のために、画質が低下してしまう。つまり、原稿搬送速度に比例するように所定画素数を設定しても、ゴミ付着の検知性能と出力画像の画質とのバランスをとることはできない。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、搬送読取方式であるのか固定読取方式であるのかに拘わらず、原稿と受光部との相対移動速度に変動がある場合でも、ゴミ付着の検知性能と出力画像の画質とのバランスをとることができる画像読取装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る第1の画像読取装置は、原稿を搬送する搬送部と、原稿の画像を読み取る読取光学系とを備え、搬送部により原稿を移動させて原稿の画像を読み取る画像読取装置であって、先ず、読取光学系を、相対的に移動させる方向において所定間隔を隔てて配された複数の受光素子を有するものとする。また第1の画像読取装置は、予め定められた検出性能条件の下に、複数の受光素子によって取得された原稿1枚分の各画像を比較して複数の受光素子のうちの何れかによって出力された画像に含まれているノイズを検知するノイズ検知部と、検出性能条件を切り替える切替部とを備えた。
【0016】
ここで切替部は、原稿上の移動の方向における、少なくとも端部と中央部とで検出性能条件を切り替える。
【0017】
また従属項に記載された発明は、本発明に係る画像読取装置のさらなる有利な具体例を規定する。さらに、本発明に係るプログラムは、本発明に係る画像読取装置を、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェア的に実現するために好適なものである。なお、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されてもよい。
【0018】
【作用】
上記第1の画像読取装置において、切替部は、ノイズ検知部におけるノイズ検知処理の際の検出性能条件を切り替える。そしてノイズ検知部は、切替部により切り替えられた検出性能条件の下で、複数の受光素子によって取得された各画像を比較してノイズを検知する。
【0019】
この際、誤検知の要因となる搬送速度の変動は、原稿の副走査方向位置によって異なり、原稿先端部や後端部を読み取っているときの方が中央部を読み取っているときよりも大きいという点を考慮して、切替部は、原稿の端部と中央部で検出性能条件を切り替えるようにする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る画像読取装置の一実施形態である画像取得部を搭載したカラー複写装置の一例の機構図である。カラー複写装置1は、画像取得部10、画像処理部20、画像出力部30、およびプラテンカバーの機能も備えた循環機能のないADF(自動原稿搬送)装置60を備える。画像処理部20は、画像取得部10と画像出力部30との境界部分に配された基板上に設けられている。
【0022】
カラー複写装置1は、プラテンガラス11上に設けられたADF装置60を利用するのか否かに応じて、固定読取方式と搬送読取方式とを選択して使用可能に構成されている。なお、ADF装置60は、循環機能のないものであるが、循環機能を有する原稿自動給送装置(RDF)を使用することもできる。
【0023】
画像取得部10は、筐体112と、この筐体112上に設けられた透明ガラスからなるプラテンガラス(原稿載置台)11とを備える。また画像取得部10は、筐体112内に、プラテンガラス11の原稿載置面と反対側の面(裏面)に向かって光を照射する光源12と、光源12から発せられた光をプラテンガラス11側に反射させる略凹状の反射笠131および反射鏡132と、プラテンガラス11側からの反射光をプラテンガラス11に略平行の方向に偏向する反射ミラー134aとを有するフルレートキャリッジ(F/R−CRG)134を備える。
【0024】
光源12としては、主走査方向(図における紙面直交方向)を長手方向とする蛍光ランプが使用されている。また画像取得部10は筐体112内に、略直角を形成するように配された2つの反射ミラー136a,136bを有し、フルレートキャリッジ134によって偏向された反射光を順次略90°づつ偏向するハーフレートキャリッジ(H/R−CRG)138を備える。フルレートキャリッジ134およびハーフレートキャリッジ138は、図示しないステッピングモータにより、連動して、副走査方向(図1中矢印X方向)およびこれと反対方向に往復移動可能に構成されている。
【0025】
さらに画像取得部10は、筐体112内に、反射ミラー136bにより偏向された反射光を収束するレンズ140と、レンズ140で収束された反射光を受光して副走査方向と略直交する主走査方向(図1の紙面奥行き方向)に画像を読み取り濃度に応じた画像信号を順次出力する受光部13とを備える。この受光部13は、図示しないラインセンサ142を駆動するCCDドライバなどの駆動回路143のほか、読取信号処理部14やノイズ除去処理部15などとともに基板上に配設される。
【0026】
また図示していないが、画像取得部10は、筐体112内に、読取光学系や受光部13などをプラテンガラス11下で移動させるためのワイヤや駆動プーリなども具備する。駆動プーリは、駆動モータの駆動力によって往復回転させられ、該回転駆動によってワイヤを当該駆動プーリに巻き取ることで、プラテンガラスの下方において読取光学系などを所定速度で移動させる。
【0027】
ADF装置60は、給紙トレイ62と、処理トレイ63と、原稿Pの搬送路を形成するためのレジストロール対64aやエグジットロール対64bなどの種々の搬送ロール対64とを備える。筐体112上部のプラテンガラス11の端部(図中左側)にはガイドBが設けられ、その直ぐ近傍には光透過性のコンタクトガラス(読取ガラス)が配設されている。
【0028】
コンタクトガラス上にはガイドAが設けられている。またガイドB内には白色基準板19が内包されている。また、搬送経路上の複数の所定位置には、原稿Pを検知する用紙センサ65が設けられている。この用紙センサ65の検知出力を監視することにより、原稿Pの先端あるいは後端を検知することができる。
【0029】
上記構成において、画像取得部10は、通常ホームポジション(図中△マークで示す固定読取画先位置Gの近傍)にある。搬送読取方式時には、読取光学系を原稿の搬送経路上であるプラテンガラス11下の任意の位置に固定(停止ロック)させた状態で原稿をADF装置60により搬送させながら画像を読み取る。たとえば、フルレートキャリッジ134は、プラテンガラス11下方をホームポジションから矢印Xと反対方向に移動もしくは露光走査しながら移動し、図中△マークで示す搬送読取画先位置Hに停止ロックされ、受光部13や読取信号処理部14が撮像待機状態とされる。その後、本体側CPUより(図示せず)露光開始許可信号がADF装置60に送信されると、この許可信号を受けたADF装置60は給紙トレイ62に載置された原稿(用紙)Pの給送を開始する。
【0030】
原稿Pが種々の搬送ロール対64からなる所定の搬送路を経てガイドA,Bの方向に導かれ、レジストロール対64aを通過し搬送読取画先位置Hに原稿の先端が到達したとき、ADF装置60側から画像取得部10側に画先信号を送信することで、原稿画像の読取りが開始される。このとき、レジストロール対64aやエグジットロール対64bなどの搬送ロール対64は図示しない駆動モータによりその周速が等速に制御され、これにより、原稿は略等速でガイドA,B上を通過し、エグジットロール対64bを通過して処理トレイ63の方向へ排出される。
【0031】
一方、固定読取方式時には、人手により(ADF装置60を利用してもよい)原稿載置台としてのプラテンガラス11上に原稿を載置し、当該プラテンガラス11上の任意の位置に固定(停止ロック)させた状態で、固定読取画先位置Gを先端基準として、読取光学系を矢印Xの方向へ等速移動走査して原稿を露光し画像を読み取る。たとえば、プラテンガラス11上に載置された原稿をADF装置60で覆った状態で、光源12からの光がプラテンガラス11上に載置された原稿を照射し、反射光がフルレートキャリッジ134、ハーフレートキャリッジ138、およびレンズ140からなる読取光学系を介して赤、緑、青の各色に分光される。そして各色光が、それぞれ対応する、各色光用に分けられたラインセンサ142に入射し、入力画像が所定の解像度で読み取られることで、赤、緑、青の各色成分のアナログの撮像画像信号が得られる。
【0032】
そして、この読取りにより得た撮像画像信号を赤(R)、緑(G)、青(B)の各色成分のデジタル画像データに変換し、赤、緑、青のデジタル画像データを画像処理部20に送る。この読取り時には、光源12からの光が原稿を全面に亘って照射し、受光部13がレンズ140などの読取光学系を介して入力画像を全面に亘って読み取るように、光源12を含む読取光学系や受光部13などは、矢印Xで示すように図1中の左方から右方(副走査方向)に相対移動させられる。
【0033】
搬送読取方式あるいは固定読取方式における各原稿画像は、フルレートキャリッジ134やハーフレートキャリッジ138により光路を変え、レンズ140により縮小され、受光部13に至る。そして、読取信号処理部14やノイズ除去処理部15などによる処理を受けた後に画像処理部20に送られる。
【0034】
このようにして、搬送読取方式あるいは固定読取方式における読取りが完了すると、画像処理部20は、画像取得部10からの赤、緑、青の画像データR,G,Bに基づいて、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のオンオフ2値化トナー信号を得、各トナー信号を画像記録部30に出力する。
【0035】
本実施形態の画像出力部30は、一方向に順次一定間隔をおいて並置されたK,Y,M,Cの各色の画像形成部31K,31Y,31M,31Cを有する。先端検出器44が、原稿カセット41から各画像形成部に搬送される原稿の搬送経路上に近接して設けられている。この先端検出器44は、原稿カセット41からレジストローラ42を通じて転写ベルト43上に送り出された原稿の先端をたとえば光学的に検出して先端検出信号を得、この先端検出信号を画像処理部20に送る。画像処理部20は、入力された先端検出信号に同期して、K,Y,M,Cの各色のオンオフ2値化トナー信号を順次一定間隔をおいて得る。
【0036】
画像出力部30においては先ず、半導体レーザ38Kは、画像処理部20からのブラックのオンオフ2値化トナー信号によって駆動されることで、ブラックのオンオフ2値化トナー信号を光信号に変換し、この変換されたレーザ光をポリゴンミラー39に向けて照射する。このレーザ光は、さらに反射ミラー47K,48K,49Kを介して一次帯電器33Kによって帯電された感光体ドラム32K上を走査することで、感光体ドラム32K上に静電潜像を形成する。この静電潜像は、ブラックのトナーが供給される現像器34Kによってトナー像とされ、このトナー像は、転写ベルト43上の原稿が感光体ドラム32Kを通過する間に転写帯電器35Kによって原稿上に転写される。そして転写後は、クリーナ36Kによって感光体ドラム32K上から余分なトナーが除去される。
【0037】
同様に、半導体レーザ38Y,38M,38Cは、画像処理部20からブラックのオンオフ2値化トナー信号に対して順次一定間隔をおいて得られる対応するY,M,Cの各色のオンオフ2値化トナー信号によって駆動されることで、各色のオンオフ2値化トナー信号を光信号に変換し、この変換されたレーザ光をポリゴンミラー39に向けて照射する。このレーザ光は、さらに反射ミラー47Y〜49Y,47M〜49M,47C〜49Cを介して一次帯電器33Y,33M,33Cによって帯電された感光体ドラム32K上を走査することで、感光体ドラム32Y,32M,32C上に静電潜像を順次形成する。各静電潜像は、各色のトナーが供給される現像器34Y,34M,34Cによって順次トナー像とされ、各トナー像は、転写ベルト43上の原稿が対応する感光体ドラム32Y,32M,32Cを通過する間に対応する転写帯電器35Y,35M,35Cによって原稿上に順次転写される。
【0038】
このようにK,Y,M,Cの各色のトナー像が順次多重転写された原稿は、転写ベルト43上から剥離され、定着ローラ45によってトナーが定着されて、複写機の外部に排出される。
【0039】
なお、画像出力部30は、1個のレーザ光スキャナによって1個の感光体ドラム上にK,Y,M,Cの各色の静電潜像が順次形成され、静電潜像が感光体ドラムの周囲に設けられた、それぞれK,Y,M,Cの各色のトナーが供給される現像器によって順次トナー像とされ、トナー像が転写ドラム上に吸着された原稿上に順次、多重転写される構成でもよい。
【0040】
図2は、受光部13の構成を示す図である。受光部13は、その主要部として2つのラインセンサ142A,142B(纏めて142という)を使用している。各ラインセンサ142は、主走査方向の1ラインに対応させてアレー状に画素サイズ7μm×7μmの光電変換素子(フォトダイオード)が多数配列されて構成されている。すなわち、受光部13のパッケージには、画素サイズ7μm×7μmの光電変換素子をn個並べたラインセンサ142が2列形成されている。これらの各ラインセンサ142は、上流側および下流側の各読取位置における原稿画像を各々読み取る手段である。またカラー画像撮像用途として、ラインセンサ142は、R,G、Bの3色の成分の検出が可能なものを使用する。たとえば、各画素(画素番号を1,2,3,…で示す)ごとに、オンチップで、カラーフィルタ(色分離フィルタ)が形成されたものを使用する。
【0041】
ここで各ラインセンサ142A,142Bは、L1μmだけ隔たっている。これに対し、原稿の搬送経路上の上流側読取位置および下流側読取位置はL2μmだけ隔たっている。これらの各読取位置における各原稿画像(各々1ライン分の線画像)は、図1に示す読取光学系を経ることによりL1/L2倍に縮小されて各ラインセンサ142A,142B上に結像する。つまり、2つのラインセンサ142間の距離L1μmは、レンズ140により集光される前の原稿位置ではL2μmの距離に相当し、2つのラインセンサ142は原稿PのL2μm離れた位置を同時に読み取る。
【0042】
下流側の読取位置に対応したラインセンサ142Aでは、1ライン周期(主走査周期)ごとに、当該ラインセンサ142Aを構成するn個のフォトトランジスタに流れる電流が順次検知され、1ライン分(n画素分)の各画素の濃度を表すアナログの撮像信号SAとして出力される。同様に、上流側の読取位置に対応したラインセンサ142Bにおいても、1ライン周期(主走査周期)ごとに、n個のフォトトランジスタに流れる電流が順次検知され、1ライン分(n画素分)の各画素の濃度を表すアナログの撮像信号SBが出力される。
【0043】
ここで、上流側および下流側の各読取位置(間隔L2)に対応した各ラインセンサ142の間隔L1μmは、L1/7(“7”は画素サイズ)ライン分の走査線に対応した間隔である。たとえば、上流側および下流側の各読取位置の間隔L2を423μm、各ラインセンサ142の間隔L1を70μmとすれば、10ラインとなる。したがって、原稿の搬送速度に変動がなければ、撮像信号SAは、撮像信号SBよりもL1/7(前例では10ライン)相当の位相遅れを持った信号となる。
【0044】
図3は、画像取得部10の回路ブロック図である。画像取得部10は、カラー複写装置1の全体を制御する制御部160と、ラインセンサ142およびこのラインセンサ142を駆動する駆動回路143を有した受光部13と、受光部13によって取得された撮像画像に対してシェーディング補正などの処理を施す読取信号処理部14と、出力遅延回路170、ノイズ検知部の一例であるスジ検知回路200、およびノイズ除去部の一例であるスジ除去回路300を有したノイズ除去処理部15とを備える。
【0045】
制御部160は、駆動回路143によって行なわれるラインセンサ142の駆動の周期を設定したり、出力増幅回路146A,146Bの利得の制御、シェーデイング補正回路150A,150Bの制御、スジ検知回路200の定数の制御(後述)などを行なう。
【0046】
ラインセンサ142は、駆動回路143からの駆動信号によって駆動されることにより、原稿の搬送経路上の上流側読取位置および下流側読取位置の各々において原稿画像を読み取り、下流側読取位置における撮像信号SAと上流側読取位置における撮像信号SBとを出力する。
【0047】
ラインセンサ142の後段に設けられた読取信号処理部14は、第1読取信号処理部14Aおよび第2読取信号処理部14Bを有する。第1読取信号処理部14Aは、ラインセンサ142A(図2参照)により撮像された下流側読取位置における画像信号SAに対応した信号処理系であり、サンプルホールド回路144A、出力増幅回路146A、A/D変換回路148Aおよびシェーデイング補正回路150Aを有する。シェーディング補正回路150Aは、減算回路152A、RAM154A、乗算回路156A、除算回路158Aを有する。第2読取信号処理部14Bは、ラインセンサ142Bにより撮像された上流側読取位置における画像信号SBに対応した信号処理系であり、サンプルホールド回路144B、出力増幅回路146B、A/D変換回路148Bおよびシェーデイング補正回路150Bを有する。シェーディング補正回路150Bは、減算回路152B、RAM154B、乗算回路156B、除算回路158Bを有する。
【0048】
この構成において、ラインセンサ142は、原稿の画像を読み取り、R,G,Bの各色成分を示す2系統の撮像信号SA,SBを出力する。撮像信号SA,SBは、対応するサンプルホールド回路144A,144Bにより各々サンプリングされた後、対応する出力増幅回路146A,146Bによって各々適正なレベルに増幅され、対応するA/D変換回路148A,148Bにより各々デジタル画像データDA,DBに変換される。これらの2系統のデジタル画像データDA,DBに対し、対応するシェーデイング補正回路150A,150Bは、対応するラインセンサ142A,142Bの画素感度バラツキの補正や、読取光学系の光量分布特性に対応した補正を施し、処理済のデータDA,DBを、ノイズ除去処理部15に出力する。
【0049】
ラインセンサ142は、駆動回路143からの駆動信号によって駆動されることにより、原稿の搬送経路上の上流側読取位置および下流側読取位置の各々において原稿画像を読み取り、下流側読取位置における撮像信号SAと上流側読取位置における撮像信号SBとを出力する。ここで前述のように、2つのラインセンサ142は、原稿PのL2μm離れた位置を同時に読み取り、原稿Pの搬送方向に対して、上流側のラインセンサ142Bが先行して読み取っているので、ゴミ付着がないと、下流側のラインセンサ142Aが読み取った撮像信号SA(あるいは画像データDA)は、原稿がL2μm分搬送される前の上流側のラインセンサ142Bが読み取った撮像信号SB(あるいは画像データDB)と一致する。
【0050】
出力遅延回路170は、シェーデイング補正回路150Bから出力される画像データDBを、2つのラインセンサ142A,142Bの配列間隔L2相当分の遅延時間(前例では10ライン相当)だけ遅延させることで、画像データDAと同相の画像データDB1を出力する。
【0051】
スジ検知回路200は、シェーデイング補正回路150Aから出力される画像データDAと、出力遅延回路170から出力される画像データDB1とを比較することにより、画像データDAに含まれる黒スジ状のノイズを検知し、黒スジ検知データDSをスジ除去回路300に入力する。スジ除去回路300は、スジ検知回路200からの黒スジ検知データDSに基づいて、画像データDAから黒スジ状のノイズを除去した画像データを生成し、図示しない画像処理部20に出力する。
【0052】
スジ検知回路200には、制御部160から、用紙センサ65により検知した原稿Pの先端および後端の位置情報に基づいて算出された原稿サイズ、または図示しない操作パネルを介して入力されたユーザ指示に基づく原稿サイズに関する情報、あるいは搬送速度に関する情報、さらには倍率などに関する情報が入力されている。つまり、制御部160は、これらの情報を取得する情報取得部としても機能している。
【0053】
図4は、スジ検知回路200の第1実施形態を示すブロック図である。この第1実施形態のスジ検知回路200は、データ比較ブロック210、連続性検知ブロック230、および切替ブロック250を備える。データ比較ブロック210には、ライン周期(主走査周期)ごとに、各々n画素分の画素の濃度を表す画像データDA,DB1が入力される。ここで、画像データDB1は、上流側の読取位置において読み取られた原稿画像に対応しているが、出力遅延回路170により10ライン相当の遅延が施されている。したがって、原稿の搬送速度の変動がなければ、データ比較ブロック210に入力される画像データDA,DB1は、各々原稿上の同一ラインに対応した読取画像を表しているものであり、両者は本来一致すべきものである。
【0054】
しかしながら、下流側読取位置にゴミなどが付着すると、下流側読取位置に対応した画像データDAのうちゴミの付着箇所に対応した画素の画像データがその影響を受け、画像データDAによって表される当該画素の濃度が画像データDB1によって表される当該画素の濃度よりも顕著に高くなると考えられる。そこで、データ比較ブロック210は、このような前提に基づいて、画像データDAが画像データDB1よりも顕著に高くなっている場合に、画像データDAがゴミの影響を受けている可能性がある旨の信号を発生する。さらに詳述すると次の通りである。
【0055】
データ比較ブロック210は、2つの比較回路212,216、減算回路214、およびAND回路218を有する。比較回路212は、画像データDAと画像データDB1とを比較し、前者が後者よりも大きい場合に信号“1”を出力し、そうでない場合には信号“0”を出力する。また減算回路214は、画像データDAから画像データDB1を減算し、画像データDA,DB1の差“A−B”を出力する。比較回路216は、減算回路214によって求められた差“A−B”を、制御部160から入力された所定の閾値(スレッショルドレベル)と比較し、差“A−B”が閾値よりも高い場合に信号“1”を出力し、そうでない場合には信号“0”を出力する。
【0056】
AND回路218は、比較回路212の出力信号および比較回路216の出力信号の供給を受け、両者の論理積を出力する。すなわち、AND回路218は、画像データDAに対応した画素の濃度が画像データDB1に対応した画素の濃度よりも高く、かつ、両画素間に所定の閾値以上の濃度差がある場合に信号“1”を出力し、そうでない場合には信号“0”を出力する。なお、以下では便宜上、このAND回路218の出力信号をゴミ判定ビットという。
【0057】
なお検出可能な最大のゴミや汚れの大きさ(以下最大ゴミサイズという)は、基本的には、2つのラインセンサ142の間隔L2により定まる。前述のように、2つのラインセンサ142は、原稿面上で所定距離L2(前例では10ライン相当分)だけの距離をもって設けられているので、本実施形態では、10ライン分以下のゴミや汚れを検出することができる。
【0058】
切替ブロック250は、カウンタ回路252と選択回路254とを有する。カウンタ回路252には副走査同期信号および主走査同期信号が入力されている。カウンタ回路252は、入力された副走査同期信号および主走査同期信号に基づいて、画像データDA,DB1が、副走査同期信号が有効になってから何ライン目かをカウントする。つまり、原稿読取開始からの読取位置をカウントする。
【0059】
選択回路254は、3入力−1出力型の切替スイッチ255と、この切替スイッチ255を切替制御する切替制御部256とを有する。切替スイッチ255の各入力端子には、予め決定された連続画素数NA,NB,NCが入力されている。切替制御部256には、図示しない制御部160から、原稿Pのサイズ、基準搬送速度、倍率(読取サイズQ1に対する出力サイズQ2の比率Q=Q2/Q1)に関する情報が入力されている。切替制御部256は、カウンタ回路252の値(カウント信号)に応じて切替スイッチ255を制御して連続画素数NA,NB,NCを切り替え、所定画素数N0としてAND回路240に入力させる。
【0060】
この構成により、切替ブロック250は、原稿読取位置に応じて、ゴミ判定ビット連続性の個数すなわちライン数を切替制御する。そしてこの切替制御の際、入力された原稿Pのサイズ、装置の基準搬送速度、あるいは倍率などを参照し、ADF装置60により原稿Pを副走査方向(搬送方向に対応する)に搬送している際の原稿読取位置(読取ライン数)を算出し、適切な副走査位置にて連続画素数NA,NB,NCを切り替える。
【0061】
連続性検知ブロック230は、データ比較ブロック210の後段に設けられたものである。この連続性検知ブロック230は、N段(Nは正の整数)だけ縦続接続されたラインメモリ232(各段に対して“−@”を付して示す)と、AND回路240とを有する。ラインメモリ232は、各々FIFO(First−In First−Out;先入れ先出し)メモリによって構成されている。各ラインメモリ232は、データ比較ブロック210から出力されたゴミ判定ビットを順次シフトする1個のシフトレジスタを構成している。また各ラインメモリ232は、nビットのシリアルデータを記憶し得るように構成されており、各ラインメモリ232に入力されたデータは、1ライン周期後に当該ラインメモリ232から出力される。
【0062】
既に説明したように、データ比較ブロック210には、ライン周期ごとに、各々1ライン(n画素)分の画像データDA,DB1が入力される。データ比較ブロック210では、1ラインを構成する各画素ごとに上記処理が行なわれ、画像データDAがゴミの影響を受けているか否かを各画素ごとに表したゴミ判定ビットからなるnビットのシリアルデータがライン周期ごとにAND回路218から連続性検知ブロック230に入力される。したがって、ある画素に対応したゴミ判定ビットがAND回路218から出力されているとき、各ラインメモリ232からは当該画素よりも各々1〜Nラインだけ前の各画素に対応した各ゴミ判定ビットが出力される。
【0063】
AND回路240は、後述する選択回路254から指定された所定画素数N0に基づいて各ラインメモリ232から出力されるゴミ判定ビットを選択使用して、ゴミ判定ビットの連続性を判定する。すなわち、AND回路240は、データ比較ブロック210のAND回路218および各ラインメモリ232から出力されるゴミ判定ビットが、AND回路218の出力が“1”になった後所定画素数N0だけ“1”である場合、つまり主走査方向での位置を同じくする画素がゴミの影響を受けている旨の判定が所定画素数N0だけのライン連続して行なわれた場合には信号“1”を出力し、そうでない場合には信号“0”を出力する。このAND回路240の出力信号が黒スジ検知データDSである。
【0064】
ここでラインメモリ232の段数“N”は、想定される速度変動の最大値においても、この速度変動に起因する位相変動をゴミと誤判定しないようにする、誤検知防止性能の要求度合いに応じたライン数から決める。たとえば搬送速度の変動に基づく2つの読取位置における画像データの位相ずれを、M1ライン周期程度しか持続しないと考える。この位相ずれが発生するライン数“M1”は、モータの回転むらや読取倍率によって変化する原稿搬送速度などに応じて変動する。これに対し、ゴミの付着によるスジの発生を、ゴミの大きさにもよるが、M2(M1<M2とする)ライン周期程度以上、最大検出サイズ分まで持続すると考える。
【0065】
したがって、特定の画素に対応してたゴミがM2ライン周期以上最大検出サイズ分(本例では10ライン分)に亘って連続して検知された場合には、原稿の搬送速度の変動の影響ではなく、ゴミの付着に起因してそのような事態が起こっていると考えてよい。つまり段数“N”を、M1よりも大きくかつM2以下と設定すれば、位相ずれによる影響をゴミであると誤判定することはない。
【0066】
ここで、原稿の搬送速度が一定である場合には、ゴミ判定ビットが“1”となることを以て、出力画像に黒スジが現れる旨の判定を行なうことも可能である。しかしながら、実際には原稿の搬送速度には変動が生じるので、このゴミ判定ビットが“1”になったからといって、直ちに出力画像に黒スジが現れる旨の判定を行なうことは問題となる。以下この点について説明する。
【0067】
図5は、搬送時における原稿Pの姿勢の変化を示した図(A)と、スジ検知位置切替領域との関係を示した図(B)である。図5(A)において、コンタクトガラスは、光透過性を有しており、図示した読取位置の上部を通過している原稿Pの画像が、図示しない画像取得部10によって読み取られる。
【0068】
図5(A)において、(A1)は、原稿先端部がレジストロール対64aを通過してガイドA,Bの極近傍まで搬送されてきた状態を示す。この場合、原稿Pの先端は、先ずレジストロール対64aに挟み込まれた後、原稿読取位置を通過し、ガイドAもしくはガイドBの表面に突き当たり、さらにガイドBのテーパ部Q1に沿ってエグジットロール対64bの方向へ移動の向きを変えられるため先端が曲がってしまう。ここで、原稿Pの先端が読取位置を通過してからガイドA,Bの表面に突き当たるまでの間は、レジストロール対64aにより搬送されているので、原稿Pの先端は宙に浮いた状態にあり、上下変動を少なからず生じてしまう。
【0069】
また原稿Pは、ガイドAもしくはガイドBの表面に突き当たったとき、およびガイドBのテーパ部Q1に沿ってエグジットロール対64bの方向へ移動の向きを変えられたときに、その姿勢が大きく変えられる。またテーパ部Q1に沿って先端が曲げられた後エグジットロール対64bに挟み込まれるまでの間は、原稿Pの先端が宙に浮いた状態にあり、上下変動を少なからず生じてしまう。そして、原稿Pの先端がエグジットロール対64bに挟み込まれると、その先端の上下移動が抑えられるので、姿勢変動が和らぐ。
【0070】
したがって、読取位置を基準に見ると、原稿の読取位置への突入時には、原稿の搬送速度が変動したように現れてしまう。この搬送速度変動は、姿勢変動の大きさに依存するので、原稿Pの極先端部の画像を読み取っているときよりも、原稿PがガイドA,Bの表面に突き当たりガイドBのテーパ部Q1に沿って曲げられるまでに相当する少し内側部分(副走査方向に進んだ側)の画像を読み取っているときの方が大きくなる。またテーパ部Q1に沿って曲げられた後エグジットロール対64bに挟み込まれるまでは原稿Pの極先端部の画像を読み取っているときと同程度の速度変動を生じる。そして原稿Pの先端がエグジットロール対64bに挟み込まれると、速度変動は治まり小さな状態となる。
【0071】
次に(A2)は、原稿先端部がエグジットロール対64bを通過した後であって、原稿先端部がまだエグジットロール対64b近傍に存在する状態を示す。この場合、原稿Pは、先端がエグジットロール対64bに、下流側がレジストロール対64aに、それぞれ挟み込まれているので、原稿Pの上下移動が抑えられ、姿勢変動が和らぐ。このため、速度変動が非常に小さな状態を維持する。
【0072】
次に(A3)は、原稿後端部がレジストロール対64aの近傍に到達したときであって、かつ未だレジストロール対64aを通過していない状態を示す。この場合、原稿Pは、上流側がエグジットロール対64bに、後端がレジストロール対64aに、それぞれ挟み込まれているので、原稿Pの上下移動が抑えられ、姿勢変動が和らぐ。このため、速度変動が非常に小さな状態を維持する。
【0073】
次に(A4)は、原稿後端部がレジストロール対64aを通過してガイドA,Bの極近傍まで搬送されてきた状態を示す。この場合、原稿Pの後端は、先ずレジストロール対64aから解放された後、原稿読取位置を通過し、ガイドBのテーパ部Q1に沿ってエグジットロール対64bの方向へ移動の向きを変えられ、やがて排出される。ここで、原稿Pの後端がレジストロール対64aから解放されると、原稿Pの後端は宙に浮いた状態になり、上下変動を少なからず生じてしまう。そして引き続き搬送される過程では、その上下移動が大きくなる。また後端がコンタクトガラス上に設けられたガイドAを通過すると上下移動が和らぐ。
【0074】
したがって、原稿の読取位置からの排出時には、原稿Pの極後端部の画像を読み取っているときよりも、原稿Pの後端がガイドA近傍を通過するときに相当する少し内側部分の画像を読み取っているときの方が大きくなる。またレジストロール対64aを通過した直後は、原稿Pの極後端部の画像を読み取っているときと同程度の速度変動を生じる。
【0075】
これにより図5(B)に示すように、搬送速度の変動についてみると、原稿Pは、その副走査位置に応じて、搬送速度の変動が非常に小さな領域、中程度の領域、大きな領域に大別される。ここで、速度変動が大きな領域は、原稿Pの先端側(副走査方向の始点側)であってやや中央よりの領域Y2と、原稿Pの後端側(副走査方向の終点側)であってやや中央よりの領域Y6の部分である。また速度変動が中程度の領域は、原稿Pの先端側および後端側であって、前記速度変動が大きな領域を挟んだ領域Y1,Y3およびY5,Y7の部分である。そして、速度変動が小さな領域は、原稿Pの中央の領域Y4の部分である。
【0076】
このため、副走査期間内の原稿の内側を読み取っているときには(図5(A2)から図(A3)の間)、略正規の搬送速度で原稿Pが搬送されているため、データ比較ブロック210には同相の画像データDA,DB1が入力される。したがって、この場合には減算回路214からゼロレベルの出力信号が得られる。
【0077】
これに対して、原稿先端側や原稿後端側を読み取っているときには(図5(A1)や図(A4)のとき)、正規の搬送速度よりも大きな搬送速度もしくは小さな搬送速度で原稿Pが搬送される。したがって、原稿Pが上流側読取位置を通過してから下流側読取位置に到着するまでの遅延時間が出力遅延回路170の遅延時間よりも短くなり画像データDAの位相が画像データDB1の位相よりも進む。あるいは、原稿Pが上流側読取位置を通過してから下流側読取位置に到着するまでの遅延時間が出力遅延回路170の遅延時間よりもあるいは長くなり、 画像データDAの位相が画像データDB1の位相よりも遅れる。このため原稿先端側や原稿後端側を読み取っているときには、減算回路214の出力信号が波立つ。
【0078】
このように画像データDA,DB1がゴミの影響を受けておらず、各々の波形自体に乱れがない場合であっても、両者に位相差が生じると、それのみにより減算回路214の出力信号が波立つこととなる。そして、減算回路214の出力信号が閾値を越え、そのとき画像データDAが画像データDB1よりも大きければゴミ判定ビットが“1”となる。このようにゴミ判定ビットは、原稿の搬送速度の変化によっても“1”となるので、ゴミ判定ビットが“1”になったからといって、直ちに出力画像に黒スジが現れると判定することは、誤判定を招く。
【0079】
一方、原稿の搬送速度の変動は、原稿が搬送ローラ対に当たるときや離れるときに発生するものであるため、搬送速度の変動に基づく2つの読取位置における画像データの位相ずれは、M1ライン周期程度しか持続しないと考えてよい。この位相ずれが発生するライン数は、モータの回転むらや読取倍率によって変化する原稿搬送速度などに応じて変動する。これに対し、ゴミの付着によるスジの発生は、略5ライン周期以上持続する。したがって、特定の画素に対応してたゴミが5ライン周期以上L1/7(前例では10)ラインまでに亘って連続して検知された場合には、原稿の搬送速度の変動の影響ではなく、ゴミの付着に起因してそのような事態が起こっていると考えてよい。
【0080】
ただし、原稿の搬送速度が速くなると、位相ずれが発生するライン数も増加するため、位相ずれがゴミの付着に起因するものであるかを正確に判定するには、原稿の搬送速度に応じて画素の連続数を設定することが望ましい。このため、原稿の搬送速度が速くなるほど、連続数を大きな値に設定したり、原稿の搬送速度が速い場合に生じるノイズの画素数に応じて連続数を設定したり、あるいは、原稿の搬送速度が速い場合に生じる2つの画像データの位相ずれ量に応じて設定する。この連続数が、連続性検知ブロック230のAND回路240に入力される所定画素数N0に相当する。
【0081】
また、図5(A)で示したように、搬送速度の変動は、原稿の副走査方向位置によって異なり、原稿先端部や後端部を読み取っているときの方が中央部を読み取っているときよりも大きい。さらに、原稿先端部や後端部においても、副走査方向位置に応じて、速度変動の大きさが変わる。
【0082】
したがって、誤検知防止を重視して、原稿の突入時や排出時など原稿の特定の位置に発生する搬送速度の変動に対応できるように所定画素数を決定すると、その他の比較的搬送速度が安定している大部分の原稿領域においてゴミの検出能力劣ってしまい、読取画像にスジ状のノイズが生じてしまう。逆に、ゴミ検出性能を重視して(ゴミを確実に検出するように)比較的搬送速度が安定している領域に合わせて前記所定画素数を決定すると搬送速度が大きい領域に誤検出が発生してしまい、本来ゴミでない黒画素を白画素などに置換してしまう。この場合、たとえば黒線が所々で細り、全体として線が波打って見えてしまうなどの現象が生じる。
【0083】
なお前例では、搬送方向における原稿の先端部と中央部とでは安定性が異なり、端部ほど不安定になっている。このため、少なくとも端部と中央部とで検出性能条件を切り替えることが望ましく、さらには端部ほど検出性能条件を厳しくすることが望ましい。
【0084】
そこで、第1実施形態のスジ検知回路200では、先ず、連続性検知ブロック230内に設けるラインメモリ232の段数“N”を、想定される速度変動の最大値においても、この速度変動に起因する位相変動をゴミと誤判定しないように、図5(B)に示した速度変動が大きな領域Y2,Y6の部分に対応するような段数に設定する。ここでは、たとえば速度変動が大きな領域Y2,Y6での位相ずれM1が2〜3ライン周期程度であると考え、最大検知サイズの略半分のN=4とする。これにより、少なくとも、ゴミ判定ビットが“1”となる画素がN+1=5ライン以上L1/7(前例では10)ライン分まで連続して存在すれば、ゴミと判定できる。なお、“N”を最大検知サイズの略半分としたのは、後述するスジ除去回路300のノイズ除去特性を考慮したものである。スジ除去回路300の構成やノイズ除去特性に応じて、“N”の値を適宜変更してもよい。
【0085】
また本実施形態では、スジ検知回路200内に切替ブロック250を設け、所定画素数N0を、原稿読取時の副走査位置に応じた適切な値にダイナミックに切り替える。たとえば、連続画素数NAとして、図5(B)に示した速度変動が大きな領域Y2,Y6に応じた適切な値(たとえばNA=N=4)を設定し、それよりも速度変動が小さな領域については、NAよりも小さな値を設定する。たとえば連続画素数NBとして、図5(B)に示した速度変動が中程度の領域Y1,Y3,Y5,Y7に応じた適切な値(たとえばNB=3)を設定する。さらに連続画素数NCとして、図5(B)に示した速度変動が小さな領域Y4に応じた適切な値(たとえばNC=1あるいは0)を設定する。
【0086】
そして選択回路254は、原稿読取時に、画像データDA,DB1が、副走査同期信号が有効になってから何ライン目か、すなわち原稿読取開始からの読取位置をカウンタ回路252のカウント値に基づいて監視しながら、各読取位置(副走査方向位置)に応じた所定画素数N0を選択して出力する。これにより、搬送速度変動の大きさに拘わらず、それぞれの領域に適した所定画素数N0が副走査位置に応じてダイナミックに切り替えられ、連続性検知ブロック230は、それぞれの位置に応じた適正な連続性判定をするようになる。すなわち、原稿Pの読取領域に応じて、副走査方向の所定連続画素数を切り替えることで、誤検出なくゴミの検出能力を向上させることができる。
【0087】
前例でいえば、速度変動が大きな領域Y2,Y6では、ゴミ判定ビットが“1”となる画素がNA+1=5ライン以上連続して存在したときにゴミや汚れがあると判定するのに対して、速度変動が中程度の領域Y1,Y3,Y5,Y7ではNB+1=4ライン以上連続したことを以て、また速度変動が小さな領域Y4ではNC+1=2ライン以上連続したことを以て、あるいは1画素でも存在したことを以てゴミなどが存在すると判定することができる、つまり、速度変動が比較的小さな領域では、小さなゴミや埃などを確実に検知できるようになる。
【0088】
図6は、連続画素数を副走査位置に応じて切り替える際の、副走査位置の算出方法の一例を示す図である。図示した例は、A3サイズの原稿P(以下A3原稿という)の場合を示している。前述のように、読取時には搬送速度が副走査位置に応じて変動し、特に先端および後端での変動が大きい。そこで本例では、切替制御部256は、原稿先端側では先端から10mm,20mm,30mm、後端側では後端から10mm,30mm,30mmにて、連続数を切替制御する。
【0089】
選択回路254の切替制御部256には、図示しない制御部160から、搬送速度、原稿Pのサイズ、および倍率に関する情報が入力されている。これにより、切替制御部256は先ず、これらの情報に基づいて、A3原稿を読み取るときの副走査方向の総ライン数を割り出す。たとえば100%読取り時において、ADF装置60により縦210mm、横297mmのA3原稿を横方向を副走査方向として600dpi(dot per inch;1インチ当たりの画素数)相当の搬送速度で搬送して読み取ると、副走査方向の総ライン数は7016ラインとなる。原稿Pの搬送速度を遅くして200%読取りとすれば、副走査方向の総ライン数は、100%読取時の2倍(2×7016ライン)となる。
【0090】
また切替制御部256は、原稿先端部から10mm,20mm,30mmの各切替位置のライン数(先端側の切替ライン数)を割り出しておく。さらに切替制御部256は、図6に示した式(1)に基づいて、原稿後端部から10mm,30mm,40mmの各切替え位置の、先端側からのライン数(後端側の切替ライン数)を割り出しておく。なお、原稿後端側のライン数を特定するには、予め原稿サイズもしくは原稿後端位置を知る必要がある。このためには、たとえばユーザから指定された原稿サイズの情報を参照してもよい。あるいは、ADF装置60に設けられた用紙センサ65により原稿先端および後端を検出し、搬送速度との関係に基づいて原稿サイズを割り出してもよい。
【0091】
カウンタ回路252は、原稿先端部の画像を読み出してからのライン数を切替制御部256に入力する。これにより切替制御部256は、画像読取時のライン数(読取ライン数)が予め割り出しておいた各切替ライン数に到達したら、切替スイッチ255を制御して、各領域に適した所定画素数N0を副走査位置に応じてダイナミックに切り替える。
【0092】
なお前述の例では、原稿サイズに基づいて原稿後端側の先端側からの切替ライン数を特定していたが、これに限らず、原稿Pの搬送時に直接に割出すこともできる。たとえば、搬送経路上の複数の所定位置には、原稿Pを検知する用紙センサ65が設けられている。切替制御部256は、この用紙センサ65の検知出力を監視することにより、先ず原稿Pの後端を検知する。そして搬送速度と原稿読取位置Hとの関係に基づいて、原稿Pの後端を検知してから原稿後端部の10mm,30mm,40mmの各位置に到達するまでのライン数(搬送中の切替ライン数)を割り出し、その切替ライン数に読取ライン数が達したら、切替スイッチ255を制御して、後端側の各領域に適した所定画素数N0をダイナミックに切り替えるとよい。
【0093】
図7は、スジ除去回路300の第1実施形態を示すブロック図である。この第1実施形態のスジ除去回路300は、2つの選択回路302,304、および2つの遅延回路312,314を有する遅延ブロック310を備える。選択回路302は、スジ検知回路200がゴミ(スジ状のノイズ)を検知したことを条件としてラインセンサ142Aから出力された撮像画像信号すなわち画像データDAに含まれている前記ゴミを除去する。具体的には、選択回路302は、スジ検知回路200から出力された黒スジ検知データDSが“0”である場合にはシェーディング補正回路150Aからの画像データDAを選択し、“1”である場合には出力遅延回路170からの画像データDB1を選択し、このようにして選択したデータを黒スジ除去画像データDCとして出力する。
【0094】
遅延ブロック310内の遅延回路312は、選択回路302からの黒スジ除去画像データDCをN(“N”はラインメモリ232の段数)ライン周期だけ遅延させて黒スジ除去画像データDC1を出力する。また遅延回路314は、出力遅延回路170からの画像データDB1をNライン周期だけ遅延させて画像データDB2を出力する。選択回路304は、スジ検知回路200から出力された黒スジ検知データDSが“0”である場合には遅延回路312からの黒スジ除去画像データDC1を選択し、“1”である場合には遅延回路314からの画像データDB2を選択し、このようにして選択したデータを最終黒スジ除去画像データDC2として出力する。つまり、選択回路302は第1段目のノイズ除去部として機能し、遅延ブロック310および選択回路304は第2段目のノイズ除去部として機能する。
【0095】
これによりスジ除去回路300は、黒スジ検知データDSが“0”であるときは画像データDAをそのまま出力するが、黒スジ検知データDSが“1”となり、画像データDAを用いたのでは黒スジが出力画像に現れることが判明したときに、実質的にNライン前に遡って画像データDAの代わりに画像データDB1(事実上DBと等しい)を出力する。このようにNライン周期前に遡って画像データを切り替えるのは、黒スジ検知データDSが“0”から“1”へ切り替わるのが、すなわちゴミが存在すると判定できるのが、出力画像(本例では画像データDA)に黒スジが現れるタイミングよりも最大でNライン周期だけ遅れるからである。
【0096】
遅延回路312,314と選択回路304は、実質的にNライン周期遡って画像データを切り替えるために選択回路302の後段に付加されたものである。ここで「実質的に」といっているのは、実時間として遡ってノイズ除去することはできないので、画像データを所用分(本例ではNライン分)だけ遅延させ、この遅延させた画像データに対してノイズ除去処理を施すことで、事実上遡ってノイズ除去するようにするためである。
【0097】
以上説明したように、第1実施形態のノイズ除去処理部15を備えたカラー複写装置1によれば、原稿上の副走査方向位置に応じて、連続性検知ブロック230が判定すべきゴミ判定ビットの連続ライン数をダイナミック(動的)に切り替えるようにしたので、原稿Pの搬送速度変動が大きな領域では、この速度変動に起因する位相ずれを原因とする誤判定が生じないように5ライン以上連続したことを以てゴミと判定することができる(ただし4ライン分以下の小さなゴミの検知性能を犠牲にせざるを得ない)とともに、前記領域Y2,Y6以外の、速度変動が比較的小さな領域(前例の中程度も含む)では、速度変動に起因した位相ずれが生じる虞れが少なくなる分だけ、小さなゴミに対する検知性能を向上させることができる。
【0098】
つまり、原稿上の副走査方向位置に応じて、ゴミ検知性能をダイナミックに切り替えることで、原稿の搬送速度に変動があって、この変動量が副走査方向において位置依存性を有する場合であっても、この位置依存性の影響を受けることなく、読取画像からゴミ付着によるスジ状のノイズをできるだけ誤検知を生じないようにしつつ正確に検知するとともに確実に除去することができ、読取位置へのゴミ付着の検知性能と読取画像の画質とのバランスをとることができるようになる。
【0099】
なお、上記第1実施形態のスジ検知回路200では、各領域での速度変動は倍率に拘わらず同じであるとの前提の元に、所定画素数N0を、何れの倍率時すなわち何れの基準搬送速度時においても、領域Y2,Y6に対してはNA=N=4、領域Y1,Y3,Y5,Y7に対してはNB=3、領域Y4に対してはNC=1あるいは0に設定するようにしていた。しかしながら、原稿Pと受光部13との相対的な移動速度を変更して読取倍率を切り替えることで出力倍率を切り替える機構の場合、倍率を変えると基準搬送速度が変わり、速度変動も変わる。また、この際の速度変動は、搬送モータの振動や読取装置の振動、あるいはこれらの共振現象など、複合的な要素によって生じるので、速度変動と搬送速度には、必ずしも比例関係があるとはいえない。
【0100】
たとえば600dpi読取時が100%読取りの場合において、搬送速度を低速にして実質的に1200dpi読取りとすることで200%に拡大する場合、200%時の方が搬送速度は低速でありながら速度変動が大きくなることもある。また装置によっては、中央部(前例の領域Y4に相当)を読み取っているときの方が先端あるいは後端を読み取っているときよりも振動が大きく速度変動が大きくなることもある。
【0101】
そこで、倍率切替機構を有するカラー複写装置1の場合には、切替制御部256は、予め倍率と各副走査位置における速度変動の大きさとの関係を取得しておく。そして倍率が切替えられたときには、その倍率すなわち原稿搬送速度における各副走査位置の速度変動の大きさに基づいて、所定画素数N0を切替制御するのがよい。
【0102】
このように、読取速度に応じて所定連続画素数を切り替えることで、その読取速度に応じた最適なゴミ検出を行なうことができる。つまり、どのような倍率条件下においても、ゴミ検知性能を、きめ細かに、また適切かつダイナミックに切り替えることができる。そして、原稿の搬送速度に位置依存性を有する場合であっても、位置依存性の影響を受けることなく、読取画像からゴミ付着によるスジ状のノイズをできるだけ誤検知を生じないようにしつつ正確に検知するとともに確実に除去することができ、読取位置へのゴミ付着の検知性能と読取画像の画質とのバランスをとることができるようになる。
【0103】
図8は、スジ除去回路300の第2実施形態を示すブロック図である。この第2実施形態のスジ除去回路300は、スジ検知回路200におけるスジ判定ビットの連続画素数の副走査位置に応じた切替動作に連動して、ノイズが含まれている旨の判定がなされた時点よりも遡ってノイズ除去するべき画素数を切替えるようにした態様である。このため、第2実施形態のスジ除去回路300は、第1実施形態のスジ除去回路300における2つの選択回路302,304の間に、遅延回路312,314に代えて、2つの可変遅延回路322,324を有する可変遅延ブロック320を備えている。可変遅延回路322,324としては、たとえばラインメモリの多段従属接続と、その中から何れか1つのラインメモリの出力を選択して出力する回路などであればよい。
【0104】
可変遅延ブロック320には、スジ検知回路200の選択回路254から出力された所定画素数N0が入力されている。2つの可変遅延回路322,324は、この所定画素数N0に応じて、出力データの遅延量がN0となるように切り替える。すなわち、可変遅延回路322は、選択回路302からの黒スジ除去画像データをN0ライン周期だけ遅延させて出力する。また、遅延回路314は、出力遅延回路170からの画像データDB1をN0ライン周期だけ遅延させて出力する。
【0105】
これによりスジ除去回路300は、黒スジ検知データDSが“0”であるときは画像データDAをそのまま出力するが、黒スジ検知データDSが“1”となり、画像データDAを用いたのでは黒スジが出力画像に現れることが判明したときに、副走査位置に応じたNOライン前に遡って画像データDAの代わりに画像データDB1を出力する。このようにN0を副走査位置に応じて切り替えるのは、黒スジ検知データDSが“0”から“1”へ切り替わるのが、出力画像に黒スジが現れるタイミングよりもN0ライン周期だけ遅れるとともに、選択回路254による切替動作によってN0が副走査位置に応じて、NA,NB,NCの何れかに変わるからである。
【0106】
第1実施形態では、スジ検知回路200におけるスジ判定ビットの連続画素数判定に際してその連続数を副走査位置に応じて切り替えても、スジ除去回路300では、ノイズが含まれている旨の判定がなされた時点よりも固定のN画素だけ遡ってノイズ除去するようにしており、両者に連動性はない。このことによる影響について、第1実施形態のスジ除去回路300の動作例を参考に、以下に説明する。
【0107】
図9は、第1実施形態のスジ除去回路300の動作例を示す図である。図9において、(A@)はスジの長さ(連続ライン数)がN*2=8画素の場合、(B@)はスジの長さが9画素の場合、(C@)はスジの長さが7画素の場合、(D@)はスジの長さが6画素の場合、(E@)はスジの長さが5画素の場合を示す。また各図において、@が“1”の図は、特定の画素に対応したスジ除去回路300に入力される画像データDA、@が“2”の図はこの画像データDAに対応した画像データDB1を例示している。また、@が“3”の図は黒スジ検知データDS、@が“4”の図は黒スジ除去画像データDC、@が“5”の図は黒スジ除去画像データDCをN=4画素分だけ遅延させた黒スジ除去画像データDC1、@が“6”の図は画像データDB1をN=4画素分だけ遅延させた画像データDB2、@が“7”の図は最終的な黒スジ除去画像データDC2を示す。また図(A1)の上部に示した番号は、ライン番号を示す。
【0108】
以下、図9において、(A@)の図を図9(A)、(B@)の図を図9(B)、(C@)の図を図9(C)、(D@)の図を図9(D)、(E@)の図を図9(E)という。なお参考のために、図9(E)の下部には、図(A5)に示した黒スジ除去画像データDC1を再度示している。
【0109】
図9(A)に示すスジの長さが8画素の場合、4〜11ラインにかけて、画像データDAがゴミの付着による影響を受けており、この間、当該画素に対応したゴミ判定ビットは“1”となる。そして、黒スジ検知データDSは、ゴミ判定ビットが最初に“1”となってからN(本例ではN=NA=4)ライン周期遅れて“1”となる。したがって、図9(A3)に示すように、8〜11ライン周期の間は、黒スジ検知データDSが“1”となる。このため、図9(A4)に示すように、4〜7ライン周期の間は、ゴミ付着の影響を受けた画像データDAが選択回路302によって選択され、8〜11ラインはゴミ付着の影響のない画像データDB1が選択され、黒スジ除去画像データDCとして出力される。以下、黒スジ検知データDSが“1”となる部分をノイズ除去ライン分という。
【0110】
この黒スジ除去画像データDCは、図9(A5)に示すように、遅延回路312によって4ライン周期だけ遅延される。また、画像データDB1も、図9(A6)に示すように、遅延回路314によって4ライン周期だけ遅延される。なお遅延された黒スジ除去画像データDC1は、図9(E)の下部にも示すように、スジの長さに拘わらず同じである。
【0111】
選択回路304は、黒スジ検知データDSが“0”である期間は4ライン周期遅延後の黒スジ除去画像データDC1を選択するが、“1”である期間は4ライン周期遅延後の画像データDB2を選択する。ここで、黒スジ除去画像データの前半の4ライン周期分の画像データはゴミ付着の影響を受けている。しかしながら、黒スジ検知データDSが“1”となるノイズ除去ライン分が4ライン周期分確保されているので、選択回路304による上記の選択動作により、このゴミ付着の影響を受けた黒スジ除去画像データDC1に代えて、ゴミ付着の影響のない画像データDB2が選択されることとなる。したがって図9(A7)に示すように、ゴミ付着の影響の全くない最終的な黒スジ除去画像データDC2が選択回路304から出力される。
【0112】
また図9(B)に示すスジの長さが9画素の場合、4〜12ラインにかけて、画像データDAがゴミの付着による影響を受ける。このため8画素の場合から類推されるように、図9(B3)に示すように、8〜12ライン周期の間は、黒スジ検知データDSが“1”となる。つまり、黒スジ検知データDSが“1”となるノイズ除去ライン分が、5ライン周期分確保される。そして、図9(B7)に示すように、ゴミ付着の影響の全くない最終的な黒スジ除去画像データDC2が選択回路304から出力される。
【0113】
図示していないが、スジの長さが10ライン分の場合は4〜13ラインにかけて画像データDAがゴミの付着による影響を受けるが、黒スジ検知データDSが“1”となるノイズ除去ライン分が4ライン周期分以上確保されるので、図9(A7),(B7)と同様に、ゴミ付着の影響の全くない最終的な黒スジ除去画像データDC2が選択回路304から出力される。
【0114】
これに対して、スジの長さが7画素以下の場合には、最終的な黒スジ除去画像データDC2は、上述と異なり、ゴミノイズが残ってしまう。たとえば図9(C)に示す、スジの長さが7画素の場合には、4〜10ラインにかけて、画像データDAがゴミの付着による影響を受けており、この間、当該画素に対応したゴミ判定ビットは“1”となる。そして、黒スジ検知データDSは、ゴミ判定ビットが最初に“1”となってから4ライン周期遅れて“1”となる。したがって、図9(C3)に示すように、8〜10ライン周期の3画素分だけ、黒スジ検知データDSが“1”となる。つまり、黒スジ検知データDSが“1”となるノイズ除去ライン分が、3ライン周期分になってしまう。
【0115】
この黒スジ除去画像データDCは、図9(A5)に示すように、遅延回路312によって4ライン周期だけ遅延され、これはスジの長さに拘わらず同じになる。選択回路304は、黒スジ検知データDSが“0”である期間は4ライン周期遅延後の黒スジ除去画像データDC1を選択するが、“1”である期間は4ライン周期遅延後の画像データDB2を選択する。ここで、ノイズ除去ライン分が3ライン周期分しかないので、黒スジ除去画像データの前半の4ライン周期分の画像データのうち、前半の3画素分は選択回路304によりゴミ付着の影響を受けた黒スジ除去画像データDC1に代えてゴミ付着の影響のない画像データDB2が選択されるが、残りの1画素はゴミがそのまま残ってしまう。したがって、図9(C7)に示すように、11番目のラインにゴミ付着の影響が残った黒スジ除去画像データDC2が選択回路304から出力される。
【0116】
同様に、図9(D)に示すスジの長さが6画素の場合、4〜9ラインにかけて画像データDAがゴミの付着による影響を受ける。このため7画素の場合から類推されるように、図9(D3)に示すように、8〜9ライン周期の間は、黒スジ検知データDSが“1”となり、ノイズ除去ライン分が2ライン周期分になってしまう。そして、図9(D7)に示すように、10および11番目のラインにゴミ付着の影響が残った黒スジ除去画像データDC2が選択回路304から出力される。
【0117】
また、図9(E)に示すスジの長さが5画素の場合には、4〜8ラインにかけて画像データDAがゴミの付着による影響を受ける。このため図9(E3)に示すように、8番目のラインのみ、黒スジ検知データDSが“1”となり、ノイズ除去ライン分が1ライン周期分になってしまう。そして、図9(E7)に示すように9〜11番目のラインにゴミ付着の影響が残った黒スジ除去画像データDC2が選択回路304から出力される。
【0118】
以上説明したように、第1実施形態のスジ除去回路300によれば、N*2=8画素(8ライン)分以上10画素(10ライン)分までのスジ状のノイズに対しては完全にその成分を除去できるが、7画素(7ライン)以下のスジ状のノイズに対しては、ゴミが存在することを検知できてはいるものの、スジ状のノイズを完全に除去することはできておらず、残留成分を有する。そしてこの原因は、遅延回路312により遅延された黒スジ除去画像データDC1が有する残留成分の期間が、図9(A5)に示すように、スジの長さに拘わらずNライン分で一定であるのに対して、ゴミ検知後に黒スジ検知データDSが“1”となる期間(ノイズ除去ライン分)は、スジの長さに応じて、4ライン分未満になることに起因する。
【0119】
つまり、遅延回路312,314および選択回路304の選択動作、より詳しくは、遅延ブロック310(詳しくは遅延回路312,314)の遅延期間をNライン分に固定していることに因る。この問題を軽減するために、第2実施形態は、遅延ブロック310による遅延量を、スジ検知回路200の遅延量に連動させてダイナミックに切り替えるようにしている。
【0120】
図10は、第2実施形態のスジ除去回路300の動作例を示す図である。図10における各波形図は、図9に示したものと略同様である。ここで図10(A)は、所定画素数N0として、連続画素数NB=3が設定された場合において、スジの長さが8画素の場合を示す。所定画素数N0が“3”に設定されたので、図10(A3)に示すように、7〜11ライン周期の間黒スジ検知データDSが“1”となる。このため、図10(A4)に示すように、4〜6ライン周期の間、すなわち所定画素数N0と同じ3ライン周期の間は、ゴミ付着の影響を受けた画像データDAが選択回路302によって選択され、7〜11ラインはゴミ付着の影響のない画像データDB1が選択され、黒スジ除去画像データDCとして出力される。
【0121】
そしてこの黒スジ除去画像データDCは、図10(A5)に示すように、可変遅延回路322によって所定画素数N0と同じ3ライン周期だけ遅延される。また、画像データDB1も、図10(A6)に示すように、可変遅延回路324によって所定画素数N0と同じ3ライン周期だけ遅延される。このように、遅延された黒スジ除去画像データDC1は、スジの長さに拘わらず、所定画素数N0と同じ周期だけ遅延される。
【0122】
選択回路304は、黒スジ検知データDSが“0”である期間は3ライン周期遅延後の黒スジ除去画像データDC1を選択するが、“1”である期間は3ライン周期遅延後の画像データDB2を選択する。これにより、図10(A7)に示すように、ゴミ付着の影響の全くない最終的な黒スジ除去画像データDC2が選択回路304から出力される。図示していないが、ゴミが9画素分あるいは最大検知サイズの場合にも、図10(A7)と同様に、ゴミ付着の影響の全くない最終的な黒スジ除去画像データDC2が選択回路304から出力される。
【0123】
また、図10(B)に示すように、所定画素数N0として連続画素数NC=1が設定された場合において、スジの長さが8画素の場合、黒スジ検知データDSが“1”となるノイズ除去ライン分が、所定画素数N0に応じてより前半側に広くなる。このため、4番目のラインのみ、すなわち所定画素数N0と同じ1ライン周期の間ゴミ付着の影響を受けた画像データDAが選択回路302によって選択され、5〜11ラインはゴミ付着の影響のない画像データDB1が選択され、黒スジ除去画像データDCとして出力される。したがって、黒スジ検知データDSが“1”となるノイズ除去ライン分は、所定画素数N0と同じ1ライン周期に軽減される。そして、この黒スジ除去画像データDCは、図10(B5)に示すように、可変遅延回路322によって所定画素数N0と同じ1ライン周期だけ遅延される。
【0124】
選択回路304は、黒スジ検知データDSが“0”である期間は1ライン周期遅延後の黒スジ除去画像データDC1を選択するが、“1”である期間は1ライン周期遅延後の画像データDB2を選択する。これにより、図10(B7)に示すように、ゴミ付着の影響の全くない最終的な黒スジ除去画像データDC2が選択回路304から出力される。また図示していないが、スジの長さが9〜10画素分の場合にも、図10(B7)と同様に、ゴミ付着の影響の全くない最終的な黒スジ除去画像データDC2が選択回路304から出力される。
【0125】
また、図10(C)に示すように、所定画素数N0として連続画素数NB=3が設定された場合において、スジの長さが5画素の場合、図10(C3)に示すように、7〜8ライン周期の間黒スジ検知データDSが“1”となり、ノイズ除去ライン分が2ライン周期分になる。このため、図10(A4)と同様に、所定画素数N0と同じ4〜6ラインの3ライン周期の間は、ゴミ付着の影響を受けた画像データDAが選択回路302によって選択される。これにより、7および8ラインはゴミ付着の影響のない画像データDB1が選択され、3画素分のゴミ成分を有する黒スジ除去画像データDCとして出力される。
【0126】
また3画素分のゴミ成分を有する黒スジ除去画像データDCは、図10(C5)に示すように、可変遅延回路322によって所定画素数N0と同じ3ライン周期だけ遅延される。選択回路304は、黒スジ検知データDSが“0”である期間は3ライン周期遅延後の黒スジ除去画像データDC1を選択するが、“1”である期間は3ライン周期遅延後の画像データDB2を選択する。これにより、図10(C7)に示すように、9番目のラインにゴミ付着の影響が残った黒スジ除去画像データDC2が選択回路304から出力される。図9(E7)と比べると分かるように、黒スジ除去画像データDC1に対する遅延量を固定としていた第1実施形態よりも、2画素分だけゴミが軽減されている。
【0127】
また、図10(D)に示すように、所定画素数N0として連続画素数NC=1が設定された場合において、スジの長さが5画素の場合、1画素分のゴミ成分を有する黒スジ除去画像データDCが、図10(B5)と同様に、可変遅延回路322によって所定画素数N0と同じ1ライン周期だけ遅延される。選択回路304は、黒スジ検知データDSが“0”である期間は1ライン周期遅延後の黒スジ除去画像データDC1を選択するが、“1”である期間は3ライン周期遅延後の画像データDB2を選択する。これにより、図10(D7)に示すように、ゴミ付着の影響が完全に除去された黒スジ除去画像データDC2が選択回路304から出力される。図示していないが、スジの長さが6画素分あるいは7画素分の場合にも、図10(C7),(D7)と同様に、ゴミ付着の影響が軽減された、あるいは完全に除去された黒スジ除去画像データDC2が選択回路304から出力される。
【0128】
以上説明したように、第2実施形態のスジ除去回路300によれば、黒スジ除去画像データDC1に対する遅延量を、ゴミ判定ビットの連続度合いを判定する際の所定画素数N0に応じて切り替えるようにしたので、前記遅延量を固定とした場合よりも、ゴミ付着の影響を軽減することができるようになる。
【0129】
なお、上記説明から類推されるように、所定画素数N0を5以上に設定すると遅延量を連動させた弊害として、ゴミが残ってしまう。たとえば図10(A)に示した参考例であるN0=5の場合、スジの長さが8画素のときには、黒スジ除去画像データには5画素分のゴミが残り、これが5画素分遅延されるので、2画素分だけゴミが残ってしまう。上記実施形態で、ラインメモリ232の段数“N”や所定画素数N0の最大値を4に設定していたのは、この点を考慮し、誤検知に対する信頼度、ゴミ検知性能、ゴミ除去性能のバランスが全体としてとれるようにするためである。
【0130】
図11は、スジ除去回路300の第3実施形態を示すブロック図である。この第3実施形態のスジ除去回路300は、第2実施形態の構成に加えて、黒スジ検知データDSが“1”となってから、所定画素数N0に等しいライン分だけのパルス信号をマスク信号DMとして発生し、このマスク信号DMを選択回路304の切替端子SELに入力するマスク信号発生回路330を備えている。
【0131】
図12は、第3実施形態のスジ除去回路300の動作例を示す図である。図12における各波形図は、図10に示したものと略同様である。ここで、スジの長さが8画素の場合において所定画素数N0として連続画素数NB=3が設定された場合、マスク信号DMは、図12(A8)に示すように、黒スジ検知データDSが“1”となるのに連動して“1”となり、その後所定画素数N0=3だけのラインが経過すると“0”になる、つまり3ライン分の正極性のパルスを生成する。図12(A4)に示す3ライン分のスジ状ノイズが残った黒スジ除去画像データDCは、図12(A5)に示すように、可変遅延回路322によって所定画素数N0と同じ3ライン周期だけ遅延される。
【0132】
選択回路304は、マスク信号DMが“0”である期間は3ライン周期遅延後の黒スジ除去画像データDC1を選択するが、“1”である期間は3ライン周期遅延後の画像データDB2を選択する。これにより、図12(A7)に示すように、ゴミ付着の影響の全くない最終的な黒スジ除去画像データDC2が選択回路304から出力される。図示していないが、スジの長さが9〜10画素分の場合にも、図12(A7)と同様に、ゴミ付着の影響の全くない最終的な黒スジ除去画像データDC2が選択回路304から出力される。
【0133】
また、図12(B)に示すように、所定画素数N0として連続画素数NC=1が設定された場合において、スジの長さが8画素の場合、マスク信号DMは、図12(B8)に示すように、黒スジ検知データDSが“1”となるのに連動して“1”となり、その後所定画素数N0=1だけのラインが経過すると“0”になる、つまり1ライン分の正極性のパルスを生成する。一方、黒スジ除去画像データDCは、先頭側の1ライン分のみにゴミ成分が残り、図12(B5)に示すように、可変遅延回路322によって所定画素数N0と同じ1ライン周期だけ遅延される。
【0134】
選択回路304は、マスク信号DMが“0”である期間は1ライン周期遅延後の黒スジ除去画像データDC1を選択するが、“1”である期間は1ライン周期遅延後の画像データDB2を選択する。これにより、図12(B7)に示すように、ゴミ付着の影響の全くない最終的な黒スジ除去画像データDC2が選択回路304から出力される。
【0135】
また図12(C)に示すように、所定画素数N0として連続画素数NB=3が設定された場合において、スジの長さが5画素の場合、マスク信号DMは、図12(C8)に示すように、黒スジ検知データDSが“1”となるのに連動して“1”となり、その後所定画素数N0=3だけのラインが経過すると“0”になる、つまり3ライン分の正極性のパルスを生成する。一方、黒スジ除去画像データDCは、先頭側の3ライン分のみにゴミ成分が残り、図12(C5)に示すように、可変遅延回路322によって所定画素数N0と同じ3ライン周期だけ遅延される。
【0136】
選択回路304は、マスク信号DMが“0”である期間は3ライン周期遅延後の黒スジ除去画像データDC1を選択するが、“1”である期間は3ライン周期遅延後の画像データDB2を選択する。これにより、図12(C7)に示すように、ゴミ付着の影響の全くない最終的な黒スジ除去画像データDC2が選択回路304から出力される。
【0137】
また図12(D)に示すように、所定画素数N0として“5”が設定された場合において、スジの長さが8画素の場合、マスク信号DMは、図12(D8)に示すように、黒スジ検知データDSが“1”となるのに連動して5ライン分の正極性のパルスを生成する。選択回路304は、このマスク信号DMにより、先頭側の5ライン分に残ったゴミ成分を完全に除去する。
【0138】
図10(C7)や参考例で示したN0=5の場合と比べると分かるように、第2実施形態のスジ除去回路300ではゴミ成分が残ってしまう場合があるのに対して、このように第3実施形態によればゴミ成分を完全に除去することができる。したがって、ラインメモリ232の段数“N”や所定画素数N0の最大値は、ゴミ除去性能を考慮する必要がなくなり、誤検知に対する信頼度とゴミ検知性能に基づいて設定するだけでよくなり、設計の自由度が増す。
【0139】
なお上述した図12(A)〜図12(D)の形態では、マスク信号発生回路330は、黒スジ検知データDSが“1”となってから、すなわちゴミを検知してから、所定画素数N0に等しいライン周期分だけのパルス信号をマスク信号DMとして発生していたが、所定画素数N0に応じた幅のパルスを生成するものである限り、その他の生成形態を採用してもよい。ここで「所定画素数N0に応じた幅」とは、アクティブ期間(ライン数)が所定画素数N0と等しいことに限らず、所定画素数N0に連動してアクティブ期間が切り替わるということを意味する。そしてこのパルス形態に応じてノイズ除去部の主要部として機能する選択回路の構成を適宜変更すればよい。
【0140】
たとえば、図12(E8)に示すように、スジ検知回路200がゴミを検知した時点近傍で、すなわち黒スジ検知データDSが“1”となった時点近傍でアクティブ(本例では“1”)となり、その後黒スジ検知データDSが“0”となった時点から、所定画素数N0に等しいライン分だけアクティブ期間を継続したパルス信号をマスク信号DMとして発生してもよい。そしてこの場合、図10に示したスジ除去回路300の構成において、選択回路302を割愛し、可変遅延ブロック320内の可変遅延回路322に画像データDAを直接に入力する接続態様に変更する。これにより可変遅延回路322からは、図12(E5)に示すように、黒スジ除去画像データに代えて、ゴミ(黒スジ)が除去されていない画像データDAを、所定画素数N0に等しいライン周期分だけ遅延させた画像データDC3が出力される。
【0141】
選択回路304は、マスク信号発生回路330からのマスク信号DMに基づいて、マスク信号DMが“0”である期間はN0ライン周期遅延後の画像データDC3を選択するが、“1”である期間はN0ライン周期遅延後の画像データDB2を選択する。これにより、図12(E7)に示すように、ゴミ付着の影響の全くない最終的な黒スジ除去画像データDC2が選択回路304から出力される。
【0142】
このように上記第3実施形態のスジ除去回路300の技術思想は、スジ検知回路200におけるゴミ判定ビットの連続性判定に伴い、ゴミが存在すると判定できるのが画像データDAに黒スジが現れるタイミングよりもN0ライン周期だけ遅れ、これによりそのままでは前半のN0ライン周期分のノイズを除去しきれないということに対して、このN0ライン周期分のノイズを完全に除去するための技術を提示するものである。
【0143】
なお上記第3実施形態で示したスジ除去回路300の構成は、ゴミ判定ビットの連続性を副走査位置に応じてダイナミックに切り替える第1実施形態のスジ検知回路200との組合せに限らず、その他の構成のスジ検知回路200と組み合わせることもできる。たとえば、ゴミ判定ビットの連続性を副走査位置に応じてダイナミックに切り替えない、特開2000−152008号に記載のスジ検知回路200と組み合わせることもできる。この場合においても、黒スジ検知データDSが“1”となってから、連続画素数Nに等しいライン分だけのパルス信号をマスク信号DMとして発生することで、このマスク信号DMを用いて先頭側に残るゴミ成分を除去することができる。
【0144】
またマスク信号発生回路330は、黒スジ検知データDSが“1”すなわち“アクティブ”となるのに連動して所定画素数N0と等しいライン分だけ正極性すなわち“アクティブ”となるパルスを生成していたが、これに限らず、連続性検知後にゴミ成分を除去せざるを得ないことに起因して先頭側に残るゴミ成分(残留ゴミ)を除去するためのマスク信号DMを生成するものであれば、どのような構成であってもよい。また、この残留ゴミを完全に除去するだけの幅のパルスに限らず、視覚的に目立たない程度に除去するだけの幅のパルスを生成してもよい。たとえば、残留ゴミが1画素分程度残っていても視覚的には目立たないので、残留ゴミの位置とマスク信号DMのアクティブ期間とが多少ずれている、あるいは、多少幅狭であってもよい。
【0145】
図13は、スジ検知回路200の第2実施形態を示すブロック図である。この第2実施形態のスジ検知回路200は、図4に示した第1実施形態の構成に加えて、連続性検知ブロック230のAND回路240の後段に、連続性検知ブロック230から出力された黒スジ検知データDSを規制(マスク)するための規制信号を生成する規制制御部262および規制制御部262からの規制信号DKに基づいて連続性検知ブロック230から出力された黒スジ検知データDSを規制する選択回路264を有し、連続性検知ブロック230が検知した検知結果を無効化する無効化部260を備えている。
【0146】
規制制御部262は、カウンタ回路252のから出力された値(カウント信号)を監視しながら、原稿読取位置に応じて、黒スジ検知データDSを規制(マスク)するための規制信号DKを生成し、この生成した規制信号DKを選択回路264に入力する。選択回路264は、この規制信号DKを受けて、連続性検知ブロック230のAND回路240から出力された黒スジ検知データDSをそのまま出力するか強制的に信号“0”を出力するかを切り替え(黒スジ検知データDSをマスクし)、最終的な黒スジ検知データDS1を出力する。
【0147】
たとえば図5に示した領域Y2,Y6の中でも、細分化すれば、速度変動が非常に大きく、特に誤検知が生じやすい部分が生じ得る。このように、誤検知が生じ易い領域については、カウンタ回路252からのカウント値に基づいて選択回路264により、黒スジ検知データDSを強制的に信号“0”にして出力する。つまり速度変動が異常に大きな領域については、ゴミ検知出力を強制的に無効とする。これにより、仮にこのような領域で誤判定が生じても、最終的な黒スジ検知データDS1は、その影響を受けることがなくなる。これにより、誤検知の確立の方が高くなり、偶にしかおきないゴミに対する検知性能のとのバランスをとることができるようになる。
【0148】
なお、規制制御部262および選択回路264を用いて、速度変動が異常に大きな領域についてゴミ検知出力を強制的にマスクするという技術的思想は、第1実施形態のスジ検知回路200に適用することに限らず、その他の構成に適用することもできる。たとえば図13中点線で示しているように、切替スイッチ255および切替制御部256を有する選択回路254を必ずしも備えていなくてもよい。つまり、特開2000−152008号に記載の装置に適用することもできる。また、特開平9−139844号に記載の装置に適用することもできる。
【0149】
図14は、スジ検知回路200の第3実施形態を示す図である。この第3実施形態のスジ検知回路200は、第1実施形態の切替ブロック250に設けられていたカウンタ回路252を備えていない。また切替制御部256の機能が異なる。この第3実施形態の切替制御部256は、画像読取時の副走査位置に応じてダイナミックに所定画素数N0を切り替えるのではなく、ユーザからの指令に基づいて切替スイッチ255を制御することで、所定画素数N0を半固定的に切り替える。切替スイッチ255には、第1実施形態と同様に、予め決められた連続画素数NA,NB,NCが入力されている。
【0150】
カラー複写装置1の図示しない操作パネル部には、操作キーとして、誤検知重視/ゴミ検知サイズ重視の何れか一方/もしくは不問であることを選択するための画質選択キー、および原稿P上の副走査方向における何れの領域を重視するのか/あるいは不問であるのかを選択するための領域選択キーが設けられる。
【0151】
たとえば、ユーザは、原稿Pの画像を確認し、画像の主要部が、原稿P上の副走査方向における何れの領域にあるかを判断する。そして、たとえば先端側にのみ画像が配された原稿の場合において、この画像中でゴミの誤検知が生じないようにしたいときには、その領域と誤検知重視であることを示す選択キーを入力する。これを受けて切替制御部256は、先端側の誤検知性能を重視した設定である連続画素数NAを所定画素数N0として設定する。この場合、比較的速度変動の小さな原稿中央部も含めて、小さなゴミに対する検知性能が犠牲になる。
【0152】
一方、この先端部での画像中で微小なゴミも検知して除去したいときには、その旨を示す選択キーを入力する。これを受けて切替制御部256は、連続画素数NAよりも小さな値を選択して所定画素数N0として設定する。この場合、先端部での速歩変動に起因した誤検知が生じやすくなる。しかしながら、比較的速度変動の小さな原稿中央部では、誤検知の虞れが少なく、小さなゴミに対する検知性能が前例よりも向上する。
【0153】
画像の主要部が原稿P上のその他の領域にある場合においても、選択キーのユーザ指定、およびこの指定に基づいた所定画素数N0の選択設定は、前例に準じてすればよい。
【0154】
なお上記例では、切替スイッチ255の入力端子に、予め決められた連続画素数NA,NB,NCを設定しておき、この中からユーザが希望する条件に適した所定画素数N0を選択して設定するようにしていたが、これに限らず、たとえば所定画素数N0を受け付ける入力部を設け、所定画素数N0自体を、ユーザがマニュアルで入力できる、すなわちユーザが所定画素数N0を自由に設定入力できる構成としてもよい。
【0155】
このように、第3実施形態では、比較的自由に、あるいは完全に自由に所定画素数N0を切り替えることができるので、ユーザが希望する画質条件、あるいは画質を重要視する場所に応じて、ゴミ判定ビットの連続性判定を自由に切り替えることができ、便利になる。従来の装置では、設計段階で決められた値が固定的に付与されているので、このような自由度はなかった。
【0156】
図15は、CPUやメモリを利用して、ソフトウェア的に画像読取装置を構成する、すなわち電子計算機(コンピュータ)を用いて画像読取装置を構成する場合のハードウェア構成の一例を示した図である。
【0157】
この画像読取装置を構成するコンピュータシステム900は、CPU902、ROM(Read Only Memory)904、RAM906、および通信I/F(インターフェース)908を備える。また、たとえばメモリ読出部907、ハードディスク装置914、フレキシブルディスク(FD)ドライブ916、あるいはCD−ROM(Compact Disk ROM)ドライブ918などの、記憶媒体からデータを読み出したり記録するための記録・読取装置を備えてもよい。ハードディスク装置914、FDドライブ916、あるいはCD−ROMドライブ918は、たとえば、CPU902にソフトウェア処理をさせるためのプログラムデータを登録するなどのために利用される。通信I/F908は、インターネットなどの通信網との間の通信データの受け渡しを仲介する。またコンピュータシステム900は、読取信号処理部14との間のインターフェースの機能をなすI/F部930を備える。
【0158】
このような構成のコンピュータシステム900は、上記実施形態に示した画像取得部10の基本的な構成および動作と同様とすることができる。また、上述した処理をコンピュータに実行させるプログラムは、CD−ROM922などの記録媒体を通じて配布される。あるいは、前記プログラムは、CD−ROM922ではなくFD920に格納されてもよい。また、MOドライブを設け、MOに前記プログラムを格納してもよく、またフラッシュメモリなどの不揮発性の半導体メモリカード924などのその他の記録媒体に前記プログラムを格納してもよい。さらに、他のサーバなどからインターネットなどの通信網を経由して前記プログラムをダウンロードして取得したり、あるいは更新してもよい。なお、記録媒体としては、FD920やCD−ROM922などの他にも、DVDなどの光学記録媒体、MDなどの磁気記録媒体、PDなどの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、ICカードやミニチュアーカードなどの半導体メモリーを用いることができる。
【0159】
記録媒体の一例としてのFD920やCD−ROM922などには、上記実施形態で説明した画像取得部10(すなわち画像読取装置)における処理の一部または全ての機能を格納することができる。したがって、以下のプログラムや当該プログラムを格納した記憶媒体を提供することができる。たとえば、画像取得部10用のプログラム、すなわちRAM906などにインストールされるソフトウェアは、上記実施形態に示された画像取得部10と同様に、データ比較ブロック210、連続性検知ブロック230、および切替ブロック250などの各機能部をソフトウェアとして備える。このソフトウェアは、たとえばスキャナドライバなどとして、CD−ROMやFDなどの可搬型の記憶媒体に格納され、あるいはネットワークを介して配布されてもよい。
【0160】
そしてたとえば画像読取装置をコンピュータにより構成する場合、CD−ROMドライブ918は、CD−ROM922からデータまたはプログラムを読み取ってCPU902に渡す。そしてソフトウエアはCD−ROM922からハードディスク装置914にインストールされる。ハードディスク装置914は、FDドライブ916またはCD−ROMドライブ918によって読み出されたデータまたはプログラムや、CPU902がプログラムを実行することにより作成されたデータを記憶するとともに、記憶したデータまたはプログラムを読み取ってCPU902に渡す。ハードディスク装置914に格納されたソフトウエアは、RAM906に読み出された後にCPU902により実行される。たとえばCPU902は、記録媒体の一例であるROM904およびRAM906に格納されたプログラムに基づいて上記の処理を実行することにより、上記処理を実行するための機能をソフトウェア的に実現することができる。すなわち、コンピュ−タを用いたデジタル画像処理によって上記処理を実現することができる。
【0161】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記の実施形態は、クレームにかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0162】
たとえば上記実施形態では、ゴミの検出性能条件として、所定画素数だけ連続して一致していない場合に画像にスジ状のノイズが含まれている旨の判定をすることとし、副走査位置に応じてダイナミック(動的)に、あるいはユーザ指定に基づいて、所定画素数を切り替える形態、すなわちゴミ判定ビットの連続性の検知性能(つまり検知すべきスジ状ノイズの長さ)を適宜切り替える形態で説明したが、検知すべきスジの長さに対応した所定画素数に代えて、他の観点からの検出性能条件を切り替える構成としてもよい。たとえば、図4に示したスジ検知回路200の構成において、データ比較ブロック210における比較性能を、速度変動に起因したゴミ検知の誤判定と除去されないゴミ成分による画像ノイズ(画質)とのバランスを考慮して、たとえば副走査位置に応じて動的に切り替えるなどしてもよい。この場合たとえば、比較回路216に入力されている閾値を切り替えるとよい。
【0163】
また上記実施形態では、所定画素数だけ連続して一致していない場合に画像にスジ状のノイズが含まれている旨の判定をすることとしていたが、必ずしも連続していなくてもよい。たとえば、ノイズと判定され得る画素が10画素中所定画素数(たとえば5画素)だけ不連続に存在する場合に(たとえばノイズ画素とそうでない画素が交互に現われる場合でもよい)ノイズが含まれている旨の判定をし、そのノイズを除去するように作動させてもよい。このような仕組みの具体的構成について説明することは割愛する。
【0164】
さらに上記実施形態では、ゴミを検知したとき、そのゴミの影響が画像上に現れないように、自動的に画像を補正する仕組みを採っていたが、画像を補正する仕組みは、必ずしも必要ではない。たとえば、ゴミの影響が画像上に現れ、画質を所定レベルに低下させるようなときには、その旨の警告をユーザに発する仕組みとしてもよい。この警告を受けたユーザは、プラテンガラスに付着したゴミや埃などをクリーナで拭き取ったり、ゴミなどが付着するのを防止するために帯電防止処理を施したりなどできる。これにより、ゴミを拭き取るまでは画質改善を望めないが、拭き取った後には、ゴミ付着ない画像を得ることができる。
【0165】
さらに、下流側の読取位置に付着したゴミを検知する例で説明したが、上流側に付着したゴミを検知する態様としてもよい。また、ラインセンサの副走査方向の間隔は、上記実施形態の例に限らず、検知すべきスジの長さに応じて設定すればよい。
【0166】
また、原稿地肌データを生成する生成部を設け、画像データDAがゴミ付着の影響を受けている場合にその該当部分を、画像データDBによって置き換えるのではなく、原稿地肌データによって置き換えてもよい。これにより、出力画像などにおけるゴミ付着の影響を受けている部分が原稿の地肌によって置き換えられるので、固定データに置き換える場合に比べて自然な出力画像が得られる。
【0167】
また上記実施形態では、白地の画像に現れる黒スジを検知する場合を例に説明したが、黒地の画像に現れる白スジを検知する構成としてもよい。たとえば、画像データDAが画像データDBよりも小さく、かつ、両者の差が所定の閾値を越えている場合にゴミ判定ビットとして“1”を出力するように、スジ検知回路200のデータ比較ブロック210の構成を変更すればよい。黒地の画像を読み取る場合において白いゴミが読取位置に付着した場合に、読取画像に現れる白スジ状のノイズを正確に検知することができる。
【0168】
また、白ズジ検知と黒スジ検知のそれぞれに対応した構成を独立に備えていてもよい。あるいはユーザからの指定により、黒スジ検知または白スジ検知の一方を行なうようにしてもよい。後者によれば、読み取り対象である原稿の地肌が白い場合には黒スジ検知、地肌が黒い場合には白スジ検知という具合に、出力画像の品質に対する悪影響の大きなノイズを選択して検知し除去することができる。
【0169】
また、ラインセンサを所定間隔を隔てて2ライン配していたが、3ラインあるいはそれ以上配してもよい。この場合、各ラインセンサにより取得された各画像データを比較し、全ての画像データが一致している場合には、スジ状のノイズが含まれていない旨の信号を出力するようにしてもよい。あるいは、多数設けたラインセンサを任意(選択的)に組み合わせて、副走査方向に並んだ複数の画素について、2種類以上の画像データ間で不一致が連続して発生した場合に、当該複数の画素についてはゴミ付着によるスジ状のノイズが発生している旨の判定をするようにしてもよい。
【0170】
この場合、スジ除去回路300は、当該複数の画素については、各画像データ間で多数決を取り、多数側に属する画像データの中の1つを出力用画像データとして選択してもよい。3個以上の画像データのいずれかがノイズを含む場合に、ノイズを含まない画像データを適切に選択することができる。あるいは、該当する複数の画素について各画像データの中から最も相互間の差が少ない2個の画像データを選択し、これらの画像データの一方を出力用画像データとして選択してもよい。さらには、たとえば2個の画像データの平均値を求めて出力用画像データとしたり、あるいは2個の画像データのうち大きい方を出力用画像データとするなどしてもよい。また3ライン以上配したラインセンサを連続させて任意数だけ組み合わせて使用することにより、種々の大きさのゴミを検知できるようにもなる。
【0171】
また、原稿の材質に関する情報を取得する材質情報取得部を設け、材質情報取得部が取得した原稿の材質(原稿が紙媒体であれば紙質)に応じて、検出性能条件(たとえば連続画素数N0)を切り替えるようにしてもよい。ここで、材質とは、原稿の厚さや腰の強さなどである。
【0172】
なお、材質情報取得部が原稿の材質に関する情報を取得する構成としては、材質を検知するための所定のセンサを設けることで材質を自動検知する構成であってもよいし、ユーザから指定入力された材質に関する情報を取得する構成であってもよい。原稿搬送時のバタツキが、これら原稿の材質によって違うので、原稿の材質に応じて検出性能条件を切り替えることは、ゴミ検知性能などを改善する上で効果がある。
【0173】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ノイズ検知部におけるノイズ検知処理の際の検出性能条件を切り替え、この切り替えられた検出性能条件の下で、複数の受光素子によって取得された各画像を比較してスジ状のノイズを検知するようにしたので、ゴミ付着の検知性能とユーザが希望する出力画像の画質とのバランスを考慮して前記検出性能条件を切り替えることができる。換言すれば、検出性能条件を適宜切り替えることで、ゴミ付着の検知性能と出力画像の画質とのバランスをとることができるようになる。
【0174】
また、各画素値が所定画素数だけ連続して一致していない場合に、画像にスジ状のノイズが含まれていると判定するとともに、検知結果のうち、原稿上の移動の方向における所定の読取部位についてその検知結果を無効化するようにすれば、たとえば搬送速度変動が異常に大きく誤検知の発生確率の方が大きい領域についての判定結果を無視することで、前記誤判定の影響が画像に現れないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像読取装置の一実施形態である画像取得部を搭載したカラー複写装置の一例の機構図である。
【図2】 受光部の構成を示す図である。
【図3】 画像取得部の回路ブロック図である。
【図4】 スジ検知回路の第1実施形態を示すブロック図である。
【図5】 搬送時における原稿の姿勢の変化を示した図(A)と、スジ検知位置切替領域との関係を示した図(B)である。
【図6】 連続画素数を副走査位置に応じて切り替える際の、副走査位置の算出方法の一例を示す図である。
【図7】 スジ除去回路の第1実施形態を示すブロック図である。
【図8】 スジ除去回路の第2実施形態を示すブロック図である。
【図9】 第1実施形態のスジ除去回路の動作例を示す図である。
【図10】 第2実施形態のスジ除去回路の動作例を示す図である。
【図11】 スジ除去回路の第3実施形態を示すブロック図である。
【図12】 第3実施形態のスジ除去回路の動作例を示す図である。
【図13】 スジ検知回路の第2実施形態を示すブロック図である。
【図14】 スジ検知回路の第3実施形態を示す図である。
【図15】 電子計算機(コンピュータ)を用いて画像読取装置を構成する場合のハードウェア構成の一例を示した図である。
【符号の説明】
1…カラー複写装置、10…画像取得部、11…プラテンガラス、12…光源、13…受光部、14…読取信号処理部、20…画像処理部、30…画像出力部、60…ADF装置、142…ラインセンサ、15…スジ除去処理部、170…出力遅延回路、184…表示部、200…スジ検知回路、210…データ比較ブロック、212…比較回路、214…減算回路、216…比較回路、218…AND回路、230…連続性検知ブロック、232…ラインメモリ、240…AND回路、250…切替ブロック、252…カウンタ回路、254…選択回路、255…切替スイッチ、256…切替制御部、260…無効化部、262…規制制御部、264…選択回路、300…スジ除去回路、302…選択回路、304…選択回路、310…遅延ブロック、312…遅延回路、314…遅延回路、320…可変遅延ブロック、322…可変遅延回路、324…可変遅延回路、330…マスク信号発生回路
Claims (17)
- 原稿を搬送する搬送部と、前記原稿の画像を読み取る読取光学系とを備え、前記搬送部により前記原稿を移動させて前記原稿の画像を読み取る画像読取装置であって、
前記読取光学系は、前記相対的に移動させる方向において所定間隔を隔てて配された複数の受光素子を有するものであり、
予め定められた検出性能条件の下に、前記複数の受光素子によって取得された前記原稿1枚分の各画像を比較して前記複数の受光素子のうちの何れかによって出力された画像に含まれているノイズを検知するノイズ検知部と、
前記読取光学系が前記原稿を読み取っているときの、前記原稿上の前記移動の方向における読取部位の、少なくとも端部と中央部とで前記検出性能条件を切り替える前記検出性能条件を切り替える切替部と
を備えたことを特徴とする画像読取装置。 - 前記ノイズ検知部は、前記移動の方向に並んだ複数の画素について各画素値が、前記検出性能条件としての所定画素数一致していない場合に、前記複数の受光素子のうちの何れかによって出力された画像にノイズが含まれている旨の判定をする
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。 - 前記ノイズ検知部は、前記移動の方向に並んだ複数の画素について各画素値が、前記検出性能条件としての所定画素数だけ連続して一致していない場合に、前記複数の受光素子のうちの何れかによって出力された画像にスジ状のノイズが含まれている旨の判定をする
ことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。 - 前記切替部は、前記所定画素数を切り替えることを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
- 前記切替部は、前記原稿上の前記移動の方向における、前記端部ほど前記検出性能条件を厳しくする
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。 - 前記切替部は、前記移動の速度に基づいて、前記検出性能条件を切り替えるための前記原稿上の前記移動の方向における前記読取部位の位置を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。 - 前記原稿の画像を読み取る読取光学系と前記原稿との前記相対的な移動の速度を切り替えることで読取倍率を切り替えるものであって、
前記切替部は、前記読取倍率に基づいて、前記検出性能条件を切り替えるための前記原稿上の前記移動の方向における前記読取部位の位置を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。 - 前記原稿の大きさに関する情報を取得するサイズ取得部を備え、
前記切替部は、前記サイズ取得部が取得した前記原稿の大きさに基づいて、前記原稿の前記移動の方向における後端側の前記読取部位の位置を決定する
ことを特徴とする請求項6または7に記載の画像読取装置。 - 前記原稿の材質に関する情報を取得する材質情報取得部を備え、
前記切替部は、前記材質情報取得部が取得した前記原稿の材質に応じて、前記検出性能条件を切り替える
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。 - 前記原稿の画像を読み取る読取光学系と前記原稿との前記相対的な移動の速度を切り替えることで読取倍率を切り替えるものであって、
前記切替部は、前記読取倍率に基づいて、前記所定画素数を決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。 - 前記ノイズ検知部が前記ノイズを検知したことを条件として、前記複数の受光素子のうちの何れかによって出力された画像に含まれている前記ノイズを除去するノイズ除去部を備えた
ことを特徴とする請求項1から10のうちの何れか1項に記載の画像読取装置。 - 前記ノイズ除去部は、前記ノイズ検知部が前記ノイズを検知した時点よりも所定期間だけ実質的に前に遡って、前記ノイズを除去する
ことを特徴とする請求項11に記載の画像読取装置。 - 前記切替部は、前記ノイズ検知部に対する前記所定画素数の切替えに連動して、前記ノイズ除去部に対する前記所定期間を切り替えることを特徴とする請求項12に記載の画像読取装置。
- 前記ノイズ検知部が前記ノイズを検知した時点近傍で前記所定期間だけ前に遡って前記ノイズを除去するためのマスク信号を生成するマスク信号発生部と、
前記複数の受光素子のうちの何れかによって出力された画像を前記所定期間だけ遅延させる遅延部と
をさらに備え、
前記ノイズ除去部は、前記マスク信号発生部により生成されたマスク信号に基づいて、前記遅延部から出力された画像における前記ノイズを除去することを特徴とする請求項12または13に記載の画像読取装置。 - 前記マスク信号発生部は、前記切替部による前記ノイズ検知部に対する前記所定画素数の切替えに連動して、当該所定画素数に応じた幅の前記マスク信号を生成することを特徴とする請求項14に記載の画像読取装置。
- 原稿の移動方向において所定間隔を隔てて配された複数の受光素子を有する読取光学系を固定した状態で前記原稿を移動させて、前記原稿の画像を読み取るためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記読取光学系が有する複数の受光素子によって取得された各画像を比較して、前記移動の方向に並んだ複数の画素について、各画素値が、所定画素数だけ連続して一致していない場合に、前記複数の受光素子のうちの何れかによって出力された画像にノイズが含まれていると判定するノイズ検知部と、
前記読取光学系が前記原稿を読み取っているときの、前記原稿上の前記移動の方向における読取部位の、少なくとも端部と中央部とで、前記所定画素数を動的に切り替える切替部と
して機能させることを特徴とするプログラム。 - 原稿の移動方向において所定間隔を隔てて配された複数の受光素子を有する読取光学系を固定した状態で前記原稿を移動させて、前記原稿の画像を読み取るためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記読取光学系が有する複数の受光素子によって取得された各画像を比較して、前記移動の方向に並んだ複数の画素について、各画素値が、所定画素数だけ連続して一致していない場合に、前記複数の受光素子のうちの何れかによって出力された画像にノイズが含まれていると判定するノイズ検知部と、
前記原稿の画像を読み取る読取光学系と前記原稿との前記相対的な移動の速度を切り替えることで読取倍率を切り替え、当該読取倍率に基づいて、前記読取光学系が前記原稿を読み取っているときの、前記原稿上の前記移動の方向における読取部位の、少なくとも端部と中央部とで、前記所定画素数を切り替える切替部と
して機能させることを特徴とするプログラム。
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| JP2001387692A JP3922017B2 (ja) | 2001-12-20 | 2001-12-20 | 画像読取装置およびプログラム |
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-
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