JP3926064B2 - プリント配線基板及びプリント配線基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプリント配線基板に係り、更に詳細にはいわゆる多層板を構成するプリント配線基板及びプリント配線基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より多層板を形成する方法のひとつとして、プリプレグ、即ちエポキシ樹脂などのシート状熱硬化性樹脂からなる未硬化の絶縁性基板に、金属粉などの導電性材料を樹脂中に分散させたものを略円錐型に成形した導体バンプを配設した導体層を押圧して前記プリプレグに前記導体バンプを貫通させ、これにより絶縁性基板の厚さ方向での電気的導通を形成する方法がある。
【0003】
図8は導体バンプを貫通させて絶縁性基板の電気的導通を形成する方法(以下、この方法を単に「貫通法」という。)を模式的に示した図である。
【0004】
図8に示したように、この貫通法では、第1の導体層101上に複数個の略円錐型の導体バンプ102,102,…を形成し、この導体バンプ102,102,…の上側に絶縁性基板のプリプレグ103を配置する(図8(a))。
【0005】
しかる後に前記第1の導体層101とプリプレグ103とを押圧し、前記導体バンプ102,102…をしてプリプレグ103を貫通せしめる。この状態で加熱等によりプリプレグ103を硬化させる。
【0006】
次いで、プリプレグ103の図中上面上に第2の導体層104を形成し、「コア材」と呼ばれる、絶縁性基板の両面に導体層が形成されたプリント配線基板の基本的な要素が形成される。なお、多層板を形成するにはこのようなコア材どうしを別のプリプレグを介して積層して多層化する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、多層板上に各種半導体素子を実装する際、例えばワイヤーボンディングする際には基板を150〜180℃付近まで加熱するため、このような高温に耐えうる材料として一般にビスマレイドトリアジンレジン(以下、「ビスマレイドトリアジンレジン」を単に「マレイドレジン」ということがある。)のようなガラス転移温度の高い材料が用いられる。
【0008】
しかし、マレイドレジンのようなガラス転移温度の高い材料は配線基板の汎用材料として広く用いられているガラス繊維強化エポキシ樹脂などに比較して配線パターンを形成する銅箔と基板の絶縁材料との密着強度であるピール強度が0.8N/mm程度と低く、大きな衝撃を受けると部品や配線パターンと導体バンプとの接触部分が剥離して断線してしまうという問題がある。
【0009】
このような衝撃に耐えられる多層板として、マレイドレジンのようなガラス転移温度の高い材料で形成された基板と、ガラス繊維強化型エポキシ樹脂で形成された基板とを積層した複合型の多層板が提案されている。この多層板では高ガラス転移温度型の基板と、高ピール強度型の基板とを積層したものにスルホールを穿孔し、このスルホールの内壁面に鍍金を施して多層板の厚さ方向での電気的導通を図っている。
【0010】
しかし、このような種類の異なる複数の基板を積層したものにスルホールを穿孔するべくドリル加工する場合、基板毎に最適な加工条件が異なるため、種類の異なる基板と基板との境目をドリルが通過するときにバリや亀裂が生じやすく、このバリや亀裂が生じた多層板にスルホール鍍金して実装するとこのバリや亀裂に沿って短絡するマイグレーションが発生するという問題がある。
【0011】
本発明はこれらの問題を解決するためになされたものである。即ち、本発明は衝撃による断線やマイグレーションを生じることの無いプリント配線基板およびそのようなプリント配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は反りや捩れのないプリント配線基板およびそのようなプリント配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のプリント配線基板は、170℃以上のガラス転移温度を有する絶縁性材料からなる内側層と、前記内側層の第1の面上に形成された第1の内側配線パターン層と、前記内側層の第2の面上に形成された第2の内側配線パターン層と、前記内側層を貫通して前記第1の内側配線パターン層と前記第2の内側配線パターン層とを電気的に接続する内側導体バンプと、前記内側層よりパターン層とのピール強度の高い絶縁性材料からなり、前記第1の内側配線パターン層を介して前記内側層に積層された第1の外側層と、前記第1の外側層を介して前記第1の内側配線パターン層と対向配置された第1の外側配線パターン層と、前記第1の外側層を貫通して前記第1の内側配線パターン層と前記第1の外側配線パターン層とを電気的に接続する第1の外側導体バンプと、前記内側層よりパターン層とのピール強度の高い絶縁性材料からなり、前記第2の内側配線パターン層を介して前記内側層に積層された第2の外側層と、前記第2の外側層を介して前記第2の内側配線パターン層と対向配置された第2の外側配線パターン層と、前記第2の外側層を貫通して前記第2の内側配線パターン層と前記第2の外側配線パターン層とを電気的に接続する第2の外側導体バンプと、を具備する。
【0014】
更に、本発明は、170℃以上のガラス転移温度を有する絶縁性材料からなる第1の内側層と、前記第1の内側層の第1の面上に形成された第1の内側配線パターン層と、前記第1の内側層の第2の面上に形成された第2の内側配線パターン層と、前記第1の内側層を貫通して前記第1の内側配線パターン層と前記第2の内側配線パターン層とを電気的に接続する第1の内側導体バンプと、170℃以上のガラス転移温度を有する絶縁性材料からなり、前記第1の内側配線パターン層を介して前記第1の内側層に積層された第2の内側層と、前記第2の内側層を介して前記第1の内側配線パターン層と対向配置された第1の中間配線パターン層と、前記第2の内側層を貫通して前記第1の内側配線パターン層と前記第1の中間配線パターン層とを電気的に接続する第2の内側導体バンプと、170℃以上のガラス転移温度を有する絶縁性材料からなり、前記第2の内側配線パターン層を介して前記第1の内側層に積層された第3の内側層と、前記第3の内側層を介して前記第2の内側配線パターン層と対向配置された第2の中間配線パターン層と、前記第3の内側層を貫通して前記第2の内側配線パターン層と前記第2の中間配線パターン層とを電気的に接続する第3の内側導体バンプと、前記内側層よりパターン層とのピール強度の高い絶縁性材料からなり、前記第1の中間配線パターン層を介して前記第2の内側層に積層された第1の外側層と、前記第1の外側層を介して前記第1の中間配線パターン層と対向配置された第1の外側配線パターン層と、前記第1の外側層を貫通して前記第1の中間配線パターン層と前記第1の外側配線パターン層とを電気的に接続する第1の外側導体バンプと、前記内側層よりパターン層とのピール強度の高い絶縁性材料からなり、前記第2の中間配線パターン層を介して前記第2の内側層に積層された第2の外側層と、前記第2の外側層を介して前記第2の中間配線パターン層と対向配置された第2の外側配線パターン層と、前記第2の外側層を貫通して前記第2の中間配線パターン層と前記第2の外側配線パターン層とを電気的に接続する第2の外側導体バンプと、を具備する。
【0015】
また、本発明のプリント配線基板の製造方法は、第1の導体層上に複数個の略円錐型の第1の導体バンプを形成する工程と、前記第1の導体バンプ上に170℃以上のガラス転移温度を有する材料からなる未硬化の第1の絶縁性基板を配設する工程と、前記第1の導体板と前記第1の絶縁性基板とを押圧して前記第1の絶縁性基板に前記第1の導体バンプを貫通させる工程と、前記第1の導体バンプが貫通した前記第1の絶縁性基板の面上に第2の導体層を形成する工程と、前記未硬化の第1の絶縁性基板を硬化させる工程と、前記第1の導体層をパターン形成する工程と、前記第2の導体層をパターン形成する工程と、第3の導体層上に複数個の略円錐型の第2の導体バンプを形成する工程と、第4の導体層上に複数個の略円錐型の第3の導体バンプを形成する工程と、前記第1の絶縁層よりパターン層とのピール強度の高い材料からなる未硬化の第2の絶縁性基板を介して前記第1の絶縁性基板と前記第2の導体バンプとを対向配置すると同時に、前記第1の絶縁層よりパターン層とのピール強度の高い材料からなる未硬化の第3の絶縁性基板を介して前記第1の絶縁性基板と前記第3の導体バンプとを対向配置する工程と、前記第3の導体層と前記第4の導体層とを押圧して前記第2の絶縁性基板に前記第2の導体バンプを貫通させると同時に前記第3の絶縁性基板に前記第3の導体バンプを貫通させ、それにより、前記第1の導体層と前記第3の導体層との間、及び、前記第2の導体層と前記第4の導体層との間をそれぞれ電気的に接続する工程と、前記第2の絶縁性基板及び前記第3の絶縁性基板を硬化する工程と、前記第3の導体層をパターン形成する工程と、
前記第4の導体層をパターン形成する工程と、を具備する。
【0016】
上記発明において、前記内側層を構成する基板、或いは、前記第1の絶縁性基板としては、例えばビスマレイドトリアジンレジンからなる基板が挙げられる。また、前記外側層を構成する基板、或いは、前記第2及び第3の絶縁性基板は、前記パターン層との間で1.2N/mm以上のピール強度を有する材料で形成された基板が好ましい。
【0017】
更に、前記外側層を構成する基板、或いは、前記第2及び第3の絶縁性基板の例としては、エポキシ樹脂基板が挙げられる。
【0018】
本発明のプリント配線基板では、多層板の外層にピール強度の高い基板を配設しているので配線パターンとの間で十分な接着強度が得られ、高い耐衝撃性が得られる。その一方で、内層にガラス転移温度の高い基板を配設しているので、高温の実装工程に耐えられる。更に反りや捩れの発生も防止される。
【0019】
更に、本発明ではいわゆる貫通型構造を採用しており、多層板にドリルによる穴あけなど、バリや亀裂の生じるような機械的な加工は不要であるため、バリや亀裂が原因で生じるマイグレーションの発生が未然に防止される。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施の形態に係るプリント配線基板の製造方法について説明する。図1〜図3は本実施形態に係るプリント配線基板の製造手順を模式的に描いた垂直断面図であり、図4は同手順を図示したフローチャートである。
【0021】
まず図1に示すようにしてコア材、即ち絶縁性基板の両面に導体層を設けたものを作成する。図1(a)に示すように第1の導体層としての薄板状の導体、例えば銅箔のような薄板状の導体板1を用意し(STEP1)、この導体板1上に所定の回路パターンに沿って複数個の略円錐型の導体バンプ(第1の導体バンプ)2,2,…を印刷技術などを用いて形成する(図1(b)/STEP2)。しかる後に前記導体バンプ2,2,…の上に第1の絶縁性基板としての未硬化の絶縁性基板(プリプレグ)3を配置する(図1(c)/STEP3)。ここで用いる絶縁性基板3はガラス転移温度が170℃以上の材料、例えばマレイドレジン(ビスマレイドトリアジンレジン)などが挙げられる。
【0022】
ここで、ガラス転移温度が170℃以上の材料を採用した理由は、一般にガラス転移温度と熱膨張係数との間には、ガラス転移温度が大きい材料ほど熱膨張率が小さい、という関係があり、ガラス転移温度の高い材料ほど耐熱性に優れているためである。
【0023】
また、ガラス転移温度の値を170℃以上としたのは、ガラス転移温度が170℃未満であると、その材料の熱膨張係数はある限界を超えて大きくなり、導体バンプと絶縁性基板との間にミスマッチが起き、ハンダ耐熱性試験(288℃で10秒放置)で、バンプにクラックが生じ、電気的接続が破壊される、という弊害を生じるからである。
【0024】
次いでこれら導体板1と絶縁性基板3とを押圧してこの絶縁性基板3に前記導体バンプ2,2,…を貫通させる(図1(d)/STEP4)。
【0025】
更に絶縁性基板3の前記導体バンプ2,2,…の先端が貫通した面、即ち図中3a面上に第2の導体層としての金属層、例えば銅箔層4を鍍金技術やプレス加工などを用いて形成する(図1(e)/STEP5)。しかる後に加熱などにより絶縁性基板3を硬化することによりコア材5が完成する(STEP6)。
【0026】
次いで、このコア材5の第1の面(図中上面)、第2の面(図中下面)にそれぞれ配線パターンを形成する(STEP7)。
【0027】
なお、図面中では導体バンプの底面の幅と、この導体バンプ底面と接触する配線パターンの幅とが同じ寸法で描かれているが、実際には導体バンプ底面とその下の配線パターンとが電気的に接触していればよく、必ずしも両者の寸法が一致している必要はない。
【0028】
一方、図2に示したように、別途用意した導体板6上に上述したと同様の方法により略円錐型の導体バンプ7, 7, …を形成する(STEP8)。全く同様にして、更に別に用意した導体板9上に略円錐型の導体バンプ10,10,…を形成する(STEP9)。
【0029】
次に、先に配線パターンを形成したコア材5の第1の面の図中上側に未硬化の絶縁性基板(プリプレグ)8を配設し、更にその上に先ほど形成した導体バンプ7,7,…がコア材5と対向するように導体板6を配置する(STEP10)。全く同様にしてコア材5の第2の面の図中下側に未硬化の絶縁性基板11を配設し、更にその上に先ほど形成した導体バンプ10,10,…がコア材5と対向するように導体板9を配置する(STEP11/図2(a))。なお、ここで用いる絶縁性基板8,11は上記絶縁性基板3と同じ材料からなるものである。
【0030】
この状態で導体板6及び9を押圧する(STEP12/図2(b))。この押圧により導体バンプ7,7,…が絶縁性基板8を貫通し、反対側のコア材5の第1の面上に形成された配線パターン51に到達する。それにより絶縁性基板8の厚さ方向で導体板6と配線パターン51との間の電気的な導通が形成される。
【0031】
下側の面でも全く同様にして、上記押圧により導体バンプ10,10,…が絶縁性基板11を貫通し、反対側のコア材5の第2の面上に形成された配線パターン52に到達する。それにより絶縁性基板8の厚さ方向で導体板6と配線パターン51との間の電気的な導通が形成される。
【0032】
次にこの積層体を加熱するなどして絶縁性基板8及び11を硬化させる(STEP13)。しかる後にこの積層体の第1の面(図中上面)に配設された導体板6をエッチングなどによりパターン形成を行い、第1の配線パターン61を形成する。同様にしてこの積層体の第2の面(図中下面)に配設された導体板9をエッチングなどによりパターン形成を行い、第2の配線パターン91を形成する(STEP14/図2(c))。このようにして内層、即ち、多層板の内側に配設される積層体が得られる。なお、この内層全体の厚さは0.4mm以上であることが求められる。ここで内層全体の厚さを0.4mm以上としたのは、内層全体の厚さが0.4mm未満であると、さらに外側に導体バンプを突き当てて基板の多層化を行うときに前記外側に突き当てる導体バンプが積層プレス時にバンプの高さの1/3以下の寸法に圧縮されず、バンプ接続の信頼性が得られない、問
いう弊害を生じるからである。
【0033】
次に、別に導体板12を用意して、この上に略円錐型の導体バンプ13,13,…を複数個形成する。同様に導体板15の上に略円錐型の導体バンプ16,16,…を複数個形成する(STEP15)。
【0034】
次に、先に形成した積層体の第1の面(図中上面)上の第1のパターン61の上に高ピール強度型の未硬化の絶縁性基板(プリプレグ)14を配設し、更にその上に前記導体バンプ13,13,…が前記第1のパターン61と対向するように導体板13を配設する(STEP16)。また、積層体の第2の面(図中下面)側についても同様に、第2のパターン91の上に高ピール強度型の未硬化の絶縁性基板 (プリプレグ)17を配設し、更にその下に前記導体バンプ16,16,…が前記第2のパターン91と対向するように導体板15を配設する(STEP17/図3(a))。
【0035】
ここでいわゆる外層に用いる高ピール強度型絶縁性基板14,17としては配線パターンとのピール強度が1.2N/mm以上のものが好ましく、例えばガラス繊維強化エポキシ樹脂基板プリプレグなどが挙げられる。
【0036】
この外層に用いる絶縁性基板の配線パターンに対するピール強度を1.2N/mm以上に限定したのは、配線パターンに対するピール強度が1.2N/mmを下回ると、出来あがった本配線基板に電子部品を実装後、落下試験を行うと、前記部品が剥離してしまうからである。これは絶縁層と配線パターンとの密着強度が小さいことにより起きる。
【0037】
この状態で導体板12及び15を押圧する(STEP18/図3(b))。この押圧により、導体バンプ13,13,…は高ピール強度型絶縁性基板14を貫通し第1の配線パターン61の上面に突き当たり、導体層12と第1の配線パターン61との間に電気的な導通が形成される。同様に、導体バンプ16,16,…は高ピール強度型絶縁性基板17を貫通し第1の配線パターン91の上面に突き当たり、導体層16と第1の配線パターン91との間に電気的な導通が形成される。
【0038】
こうして得られた積層体に加熱を施すなどして高ピール強度型絶縁性基板14,17を硬化させる(STEP19)。
【0039】
次いで、エッチングなどにより導体板12及び導体板15にパターン形成し、配線パターン121,151を形成する(STEP20/図3(c))ことにより多層板50が完成する(STEP21)。
【0040】
このようにして、第1の内側層としての絶縁性基板3、第1の内側配線パターン層としての配線パターン51、第2の内側配線パターン層としての配線パターン52、第1の内側導体バンプとしての導体バンプ2、第2の内側層としての絶縁性基板8、第1の中間配線パターン層としての配線パターン61、第2の内側導体バンプとしての導体バンプ7、第3の内側層としての絶縁性基板11、第2の中間配線パターン層としての配線パターン91、第3の内側導体バンプとしての導体バンプ10、第1の外側層としての絶縁性基板14、第1の外側配線パターン層としての配線パターン121、第1の外側導体バンプとしての導体バンプ13、第2の外側層としての絶縁性基板17、第2の外側配線パターン層としての配線パターン151、及び、第2の外側導体バンプとしての導体バンプ16、を具備する多層板型のプリント配線基板が形成される。
【0041】
以上説明したとおり、本発明のプリント配線基板では、多層構造の中心にガラス転移温度の高い絶縁性基板を配設し、このガラス転移温度の高い絶縁性基板の外側に配線パターンに対するピール強度の高い絶縁性基板を配設した複合構造となっているので、衝撃などを受けても配線パターンと基板とが剥離することがない。そのため、配線パターン上に実装した半導体素子が脱落したり、多層板の厚さ方向での断線が生じるというトラブルが未然に防止される。
【0042】
また、本発明のプリント配線基板では導体バンプをプリプレグの状態の絶縁性基板に押圧して基板の厚さ方向での電気的導通を形成するので、スルホールを機械的に穿孔する必要がない。そのためスルホール穿孔のためのドリル加工時に種類の異なる2枚の基板の接合面で生じるバリや亀裂が惹起するマイグレーションの発生が防止される。
【0043】
更に、本発明のプリント配線基板では、多層構造の内側にガラス転移温度の高い絶縁性基板を配設した構造となっているので、基板の反りや捩れが防止され、それにより配線パターンの剥離や半導体素子の脱落、多層板の厚さ方向での断線が防止される。また、ガラス転移温度の高い絶縁性基板の優れた耐熱性により、半導体素子を実装する際に晒される高温にも十分耐えることができる。
【0044】
(実施例)
以下に本発明の実施例について説明する。図5は、銀ペーストバンプ28で層間を接続する方法で作成した4層基板27を示した垂直断面図である。この4層基板27の絶縁材料にはBT(ビスマレイドトリアジン)レジン(三菱ガス化学製、型番:GHPL830、Tg=190℃)を使用した。
【0045】
図6は6層基板の外層の製造手順を模式的に示した垂直断面図である。まず、厚さ18μmの銅箔31に銀ペーストを用いて直径200μm、高さ160μmの円錐形の導体バンプ30を形成する。次に、4層基板27の絶縁材料29とは異なる絶縁材料32(利昌工業製、型番:ES3305H,Tg=150℃)を図6(b)のように配置して加熱、加圧してバンプ30を絶縁材料32の厚さ方向に貫通させた(図6(c))。
【0046】
次に、得られた外層33を内層基板27に図7のようにセットして積層プレスを行うと、図8のように全層が導体バンプで接続された構造の6層基板34が得られる。6層基板34の内層基板の厚さhが0.4mm以上のとき、温度サイクル試験(−65℃〜+125℃、500サイクル)、及び、ホットオイル試験(20℃〜260℃、40サイクル)で抵抗変化が10%以内という良好な接続信頼性が得られた。また、基板外層の銅箔31のピール強度は1.4〜1.7N/mmであった。内層27のうち、真中の絶縁層の厚さd1は0.28mmであり、その両側の絶縁層の厚さd2,d3は共に0.06mmであった。また、外層を構成する絶縁層の厚さd4,d5は共に0.06mmであった。
【0047】
なお、本発明の範囲は上記実施形態や実施例の範囲に限定されない。例えば、上記実施形態や実施例では内層27をガラス転移温度の高い3層の絶縁性基板の積層体から構成し、その両側にピール強度の高い外層を積層して、合計5枚の絶縁性基板を積層した構造の多層板について説明したが、内層27が1枚の絶縁性基板のみからなる構造とし、その両側にピール強度の高い外層を配設した合計3枚の絶縁性基板を積層した多層板としても良い。なお、その場合には内層1枚の厚さが0.4mm以上であることが求められる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、多層板の外層にピール強度の高い基板を配設しているので配線パターンとの間で十分な接着強度が得られ、高い耐衝撃性が得られる。その一方で、内層にガラス転移温度の高い基板を配設しているので、高温の実装工程に耐えられる。更に反りや捩れの発生も防止される。
【0049】
更に、本発明ではいわゆる貫通型構造を採用しており、多層板にドリルによる穴あけなど、バリや亀裂の生じるような機械的な加工は不要であるため、バリや亀裂が原因で生じるマイグレーションの発生が未然に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリント配線基板の製造手順を模式的に描いた垂直断面図である。
【図2】本発明に係るプリント配線基板の製造手順を模式的に描いた垂直断面図である。
【図3】本発明に係るプリント配線基板の製造手順を模式的に描いた垂直断面図である。
【図4】本発明に係るプリント配線基板の製造手順のフローチャートである。
【図5】本発明に係るプリント配線基板の製造手順を模式的に描いた垂直断面図である。
【図6】本発明に係るプリント配線基板の製造手順を模式的に描いた垂直断面図である。
【図7】本発明に係るプリント配線基板の製造手順を模式的に描いた垂直断面図である。
【図8】従来の多層板の製造手順を図示した垂直断面図である。
【符号の説明】
3…………絶縁性基板(第1の内側層)、
51………配線パターン(第1の内側配線パターン層)、
52………配線パターン(第2の内側配線パターン層)、
2…………導体バンプ(第1の内側導体バンプ)、
8…………絶縁性基板(第2の内側層)、
61………配線パターン(第1の中間配線パターン層)、
7…………導体バンプ(第2の内側導体バンプ)、
11………絶縁性基板(第3の内側層)、
91………配線パターン(第2の中間配線パターン)、
10………導体バンプ(第3の内側導体バンプ)、
14………絶縁性基板(第1の外側層)、
121……配線パターン(第1の外側配線パターン層)、
13………導体バンプ(第1の外側導体バンプ)、
17………絶縁性基板(第2の外側層)、
151……配線パターン(第2の外側配線パターン)、
16………導体バンプ(第2の外側導体バンプ)。
Claims (5)
- 複数層の内側配線パターン層が、それぞれ170℃以上のガラス転移温度を有する内側絶縁層を介して前記内側絶縁層が複数層をなすよう積層され、前記各内側配線パターン層が前記内側絶縁層を貫通する内側導体バンプにより電気的に接続させてなる全体の厚さが0.4 mm 以上の内層と、
前記内層の外側に積層された配線パターン層とのピール強度が前記内側絶縁層のそれより高い外側絶縁層と、この外側絶縁層上に形成された外側配線パターン層と、前記外側絶縁層を貫通して前記外側配線パターン層と前記内層の内側配線パターン層とを電気的に接続する外側導体バンプとを有する外層と、
を具備することを特徴とするプリント配線基板。 - 請求項1記載のプリント配線基板であって、前記内側絶縁層が、ビスマレイドトリアジンレジンからなることを特徴とするプリント配線基板。
- 請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のプリント配線基板であって、前記外側絶縁層が、前記パターン層との間で1.2N/mm以上のピール強度を有する材料からなることを特徴とするプリント配線基板。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のプリント配線基板であって、前記外側絶縁層が、エポキシ樹脂層からなることを特徴とするプリント配線基板。
- 複数層の内側配線パターン層が、それぞれ170℃以上のガラス転移温度を有する内側絶縁層を介して前記内側絶縁層が複数層をなすよう積層され、前記各内側配線パターン層が前記内側絶縁層を貫通する内側導体バンプにより電気的に接続させてなる全体の厚さが0.4 mm 以上の内層基板を形成する工程と、
外側導体板上に複数個の略円錐型の導体バンプを形成する工程と、
前記外側導体板上の導体バンプの先端側に、前記内層基板の絶縁層よりも配線パターンとのピール強度の高い材料からなる未硬化の絶縁性基板、前記内層基板を順に配設し、これらを押圧して前記外側導体板と前記内層基板の配線パターンとを前記バンプで電気的に接続する工程と、
前記ピール強度の高い材料からなる未硬化の絶縁性基板を硬化させる工程と、
前記外側導体板をパターン形成して外層とする工程と、
を具備することを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
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