JP3926966B2 - 積載物の締結装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、荷台、パレットなどの積載手段に積載した積載物をワンタッチで積載手段に締結するための積載物の締結装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の荷台、輸送機器の床、運搬用パレットなどの積載手段に、例えば二輪車など不安定な積載物を載置して運搬する際には、積載物に引っ掛けるフック、輪などの引っ掛け手段を備えた複数のワイヤで、積載物を周囲から引っ張り固定する方法が実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
積載物を複数のワイヤで周囲から引っ張る固定方法では、全てのワイヤの緊張を一度に行えると締結作業が迅速、確実にできる。このため、複数のワイヤを同時に巻き取る装置が使用されるが、従来は複数のワイヤにラックを連結して、ピニオンを回動させワイヤを緊張させるラック・ピニオン式であった。このため、ワイヤに引張力が作用しラックの位置がずれてラックとピニオンとの噛み合いが悪く締結操作が円滑にできない等の欠点がある。
この発明の目的は、一度の操作で複数のワイヤにテンションを付与できるとともに、締結操作が円滑にできる積載物の締結装置の提供にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明の積載物の締結装置は、機枠と、該機枠に回転自在に取り付けられるとともに、バネによりワイヤ巻取り方向に付勢されるとともにギアが設けられた複数のワイヤ巻取りプーリー、およびこれら複数のプーリー間の中心位置に設置され、前記各プーリーのギアに噛み合う歯部および前記各プーリーの自由回転を許容する歯欠部が形成された間欠ギアと、該間欠ギアを前記各プーリーのワイヤ巻取り方向に回動させるための操作手段と、前記各プーリーに巻き取られるとともに積載物を引っ張るワイヤと、前記間欠ギアまたは操作手段のロック機構とを有し、
前記操作手段の操作前は、前記間欠ギアの歯欠部が前記各ギアに臨む位置に設定されて前記各プーリーは回動可能であり、
前記操作手段を操作したとき、前記間欠ギアが回動して前記歯部と前記各ギアとが噛み合い、前記プーリーが回動し前記ワイヤは巻かれて緊張し、
前記ロック機構の作動により、前記ワイヤの緊張度合いを保ち、
前記ロック機構の解除により、前記間欠ギアが逆方向に回動して前記歯部と前記各ギアとの噛み合いが解除し、前記各プーリーは回動可能となることを特徴とする。
【0005】
【発明の作用・効果】
請求項1に記載の積載物の締結装置は、操作手段を操作することで間欠ギアが回動し、全てのプーリーが駆動されてワイヤが巻かれて緊張する。これにより、積載手段に積載した積載物をワンタッチで積載手段に締結できる。また、ワイヤを引っ張って引っ掛け手段を積載物に引っ掛ける際には、ワイヤを引き出すことが可能である。このため、操作手段を操作することで、積載物を積載手段に締結させることがワンタッチで行える。
【0006】
請求項2に記載の積載物の締結装置は、間欠ギアは、ホイールと、前記各プーリーのギアに噛み合う歯部および前記各プーリーの自由回転を許容する歯欠部が形成されるとともに前記ホイールに微動可能に連結された間欠ギア環板と、前記ホイールと前記間欠ギア環板との間に介装した弾性部材による微動機構とからなることを特徴とする。この構成では、間欠ギアと各プーリーのギアとの噛み合いが円滑にできる。
【0007】
請求項3に記載の積載物の締結装置は、間欠ギアの歯部および前記各プーリーのギアの歯は、平歯であることを特徴とする。平歯を用いることにより、間欠ギアと各プーリーのギアとの噛み合いが確実になるとともに、耐久性に優れ、かつ製造コストが低減する。
【0008】
請求項4に記載の積載物の締結装置は、前記操作手段は、操作レバーであり、ロック機構は操作レバーに設けられていることを特徴とする。操作性が向上できるとともに、ロック機構の解除がワンタッチで行える。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1〜図4はこの発明にかかる積載物の締結装置Aを示し、偏平な矩形箱状を呈する機枠1と、該機枠1の中心に取り付けられた間欠ギア2と、間欠ギア2を中心とする同一円周上に等間隔に配された4個の巻取りプーリー3とを備える。各プーリー3にはワイヤYが巻かれ、各ワイヤYの先端には引っ掛け手段であるフックFが設けられている。
【0010】
ワイヤYは、ロープ、紐、チェーンなど金属細線の撚り線以外の可撓性線を含み、用途に応じて適宜に使用する。引っ掛け手段は、フックF以外に、輪、クリップ、ループなど他の構造であってもよく、積載物または積載手段側に設けた被係合部に係合する係合子であってもよい。
【0011】
機枠1は、この実施例では、板厚で大面積の底板11に、板薄で左右の幅が小さい略冂字型断面を有するカバー板12を締結した構造を有する。カバー板12の図示左右側方の底板11には、前後(図1の下上)に略冂字型断面を有する計4個のローラーカバー14が締結されている。各ローラーカバー14と底板11との間にはそれぞれ転向ローラー15が回転自在に設置されている。
【0012】
各ワイヤYは、転向ローラー15を経て機枠1の左右方向に引き出されている。カバー板12の右側方の中間部の底板11には、間欠ギア2をワイヤYの巻取り方向に回動させるため操作レバー50を備えた操作機構5が取り付けられている。操作機構5は、図12に示す如く、他の部材に取付け、遠隔操作することも可能である。
【0013】
間欠ギア2は、図1、図2、図5の(イ)、(ロ)、(ハ)に示す如く、機枠1のカバー板12および底板11に上下端を固定されたギア軸21、該ギア軸21に軸受22を介して回転自在に支持されたホイール23を備える。ホイール23は、中心側の円缶部24と外周のフランジ部25とからなる。円缶部24の外周部には凹所26が等間隔に3か所形成されている。フランジ部25には間欠ギア環板4が微動可能に取り付けられている。
【0014】
ギア軸21の外周には套管27が嵌着され、円缶部24内には、一端が套管27に係止され他端が円缶部24の内周壁に係止された渦巻きバネ28が収容されている。渦巻きバネ28は、ホイール23を操作レバー50の復帰方向に付勢している。ホイール23の下面は、軸受29を介してギア軸21に回転自在に取り付けられたホイールカバー20により塞がれている。積載物の種類、締結装置Aの大きさに応じて、渦巻きバネ28の代わりに、捩じりバネ、コイルバネ、その他のバネが使用できることは当然である。
【0015】
間欠ギア環板4は、外周に等間隔に歯部41と歯欠部42とが交互に4つづつ設けられ、内周は、円缶部24に遊嵌する内径を有するとともに前記凹所26に遊嵌する3か所の突起43が等間隔に設けられている。間欠ギア環板4の突起43に臨んだ位置には、遊嵌穴44が形成されている。間欠ギア環板4はホイール23に微動機構6を介して微動可能に取り付けられている。
【0016】
微動機構6は、図6(イ)に示す如く、ゴムなど弾性体で形成され、略筒状を呈するとともに等間隔に3か所の凹所61が形成されたブッシュ62を、間欠ギア環板4の内周と円缶部24の外周との隙間に嵌め込んた構造を有する。間欠ギア環板4は、遊嵌穴44を遊嵌して挿通した段付きネジ63により微動可能にフランジ部25に締結されている。この微動機構6は、間欠ギア環板4に外力が作用したときに、半径方向または周方向の微小な変位を許容している。
【0017】
図6(ロ)は、ブッシュ62の他の実施例を示す。この実施例のブッシュ65は、板バネで形成した円環板部66およびその内周にテーパー筒面状に周設された爪67の列からなる。爪67は、3個の内周突起43に対応した位置の3か所が欠落しており、間欠ギア環板4の内周と円缶部24の外周との隙間に嵌め込まれる構造となっている。この構成では、ブッシュ65は、爪67の列の板バネの弾性により間欠ギア環板4の内周と円缶部24の外周との間を半径方向または周方向の微小な変位を許容して連結する。
【0018】
4個の巻取りプーリー3は、図7に示す如く間欠ギア2と類似の構造を有する。前記ギア軸21を中心とする同一円周上で、間欠ギア2の4方には、機枠1のカバー板12および底板11に上下端を固定されたプーリー軸31が配されている。プーリー軸31に軸受32を介して回転自在に支持されたホイール33を備える。ホイール33は、中心側の円缶部34と外周のフランジ部35とからなる。円缶部34の外周部には凹所36が等間隔に3か所形成されている。
【0019】
フランジ部35には、歯部41と噛み合う歯が周設されたギア環板45が固着されている。ギア環板45は、外周に歯部41と噛み合う歯46が周設され内周は、円缶部34に遊嵌する内径を有するとともに前記凹所36に嵌まり込む3か所の突起47が等間隔に設けられている。ギア環板45の突起47に臨んだ位置には、固定ネジ穴48が形成されている。
【0020】
プーリー軸31の外周には套管37が嵌着され、円缶部34内には、一端が套管37に係止され他端が円缶部34の内周壁に係止された渦巻きバネ38が収容されている。渦巻きバネ38は、ホイール33をワイヤYの巻取り方向に付勢している。ホイール33の下面は、軸受39を介してプーリー軸31に回転自在に取り付けられたホイールカバー30により塞がれている。
【0021】
操作機構5は、カバー板12の右側方に位置する機枠1の底板11に平行して固定された縦板部5A、5Aを有する略冂字形断面のブラケット51と、一端が縦板部5A、5Aに回動自在に連結された帯板5B、5Bを有する略冂字形断面のリンク部材52とを備える。
【0022】
帯板5B、5Bの他端(回動側端)は、梃子板53、53の先端側(図示左端側)に回動自在に連結されている。梃子板53、53は、後端(図示右端)がグリップ54により連結されて操作レバー50となっており、先端は後記するスライダー55の後ピン56により連結されている。
【0023】
ブラケット51、51の中間には、凵字形の断面を有するレール57が固定され、両縦板部にスライダー55のガイド長穴58が前後に列設されている。スライダー55は、レール57の外側に配された略冂字形の断面を有し、縦板部の前後には、前後のガイド長穴58、58を挿通する前ピン59および後ピン56を備える。スライダー55の先端と間欠ギア2とは、一端がスライダー55の先端にリンクピン16で回動自在に支持され、他端が間欠ギア環板4の上面にリンクピン17で回動自在に支持された図1に示すリンク部材10で連結されている。
【0024】
操作機構5の作用を図9と共に説明する。グリップ54を掴んで操作レバー50を引き起こすと、スライダー55が右方向に移動し、リンク部材10を引っ張る。これにより間欠ギア2が回動し、4か所の歯部41と、4個のギア環板45とが噛み合い、4個のプーリー3が4本のワイヤYを同時に巻き取る。
【0025】
この噛み合いの際に、ギア環板45の歯46と間欠ギア2の歯部41と歯先が干渉すると、微動機構6の作用で間欠ギア環板4が半径方向または周方向に微動して、円滑に噛み合いがなされる。微動機構6は、巻取りプーリー3のホイール33とギア環板45との間に設けてもよく、この方が噛み合いを円滑にする効果が大きいが、部品数の増大を招きコストが増大する不利がある。
【0026】
図8の(ハ)に示す如く、梃子板53、53が120度回動した位置では、リンク板の右端は左端より下位になり、ロック機構5Rを構成している。このロック機構5Rの作用により、間欠ギア2は締結位置に保たれ、4つのプーリー3が固定され、ワイヤYの緊張状態が維持される。締結の解除はグリップ54を握って操作レバー50を図示右回転させることによりなされる。
【0027】
図10は、他の実施例にかかる間欠ギア7を示す。この間欠ギア7は、円缶部24の外周に周設されたフランジ部25を有するホイール23と、フランジ部25の表面に等間隔に取り付けた4つのギア片71とからなる。ギア片71は、一端がフランジ部25に回動可能に段付きピン72で取り付けられ、内側は円缶部24の外周に設けた凹所73に背設された板バネ74により外方向に付勢されている。この構成では、ギアとの噛み合いが円滑にできる利点と、部品数が増大するという欠点とがある。
【0028】
図11はさらに他の実施例にかかる間欠ギア7Aを示す。この間欠ギア7Aは、円缶部24の外周に周設されたフランジ部25を有するホイール23と、フランジ部25の表面に等間隔に取り付けた4つのギア片76とからなる。ギア片76は、両端がフランジ部25に段付きピン77、77で変位可能に取り付けられ、円缶部24の外周との間に介装したゴムまたは板バネからなる弾性体78で外方向に付勢されている。この構成では、ギアとの噛み合いが円滑にできる利点と、部品数が増大するという欠点とがある。
【0029】
図12は、操作機構5を、機枠1から離れた他の部材に取り付けた実施例を示す。スライダー55とリンク部材10とは、ワイヤ18で連結されている。この実施例の如く、操作機構5を他の部材に取り付けることにより、遠隔操作が可能になる。
【0030】
図13は、この発明の積載物の締結装置Aをトラックの荷台に適用した場合を示す。積載物は二輪車8であり、荷台の床81の所定位置に空けた窓82に操作レバー50が取り付けられ、4つの穴83からワイヤYが引き出してある。
【0031】
図14は、この発明の積載物の締結装置Aを、フォークリフトまたはクレーンで搬送するためのパレットに適用した実施例を示す。二重の床85内に積載物の締結装置Aを取付け、床85に空けた窓87に操作レバー50が取り付けられ、4つの穴88からワイヤYが引き出してある。
【0032】
上記実施例では、ワイヤYが4本の実施例を示したが、2本、6本など複数の本数のワイヤYを締め付ける積載物の締結装置に本発明が適用できることは当然である。また、操作機構はレバー以外の操作手段を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】積載物の締結装置の平面断面図である。
【図2】積載物の締結装置の正面断面図である。
【図3】積載物の締結装置の平面図である。
【図4】積載物の締結装置の正面図である。
【図5】間欠ギアの正面図、側面断面図、底面図である。
【図6】間欠ギアの微動機構の組付図である。
【図7】巻取りプーリーの平面図、正面断面図、底面図である。
【図8】操作機構の平面図、正面断面図、平面断面図である。
【図9】操作機構の作動図である。
【図10】他の実施例にかかる間欠ギアの平面図である。
【図11】さらに他の実施例にかかる間欠ギアの平面図である。
【図12】他の実施例の積載物の締結装置の平面断面図である。
【図13】自動車の荷台で積載物の締結装置を使用した斜視図である。
【図14】パレットに積載物の締結装置を装着した斜視図である。
【符号の説明】
1 機枠
11 底板
12 カバー板
2 間欠ギア
23 ホイール
3 巻取りプーリー
4 間欠ギア環板
41 歯部
42 歯欠部
45 ギア環板
5 操作機構(操作手段)
5R ロック機構
50 操作レバー
6 微動機構
A 積載物の締結装置
Y ワイヤ
Claims (4)
- 機枠と、該機枠に回転自在に取り付けられるとともに、バネによりワイヤ巻取り方向に付勢されるとともにギアが設けられた複数のワイヤ巻取りプーリー、およびこれら複数のプーリー間の中心位置に設置され、前記各プーリーのギアに噛み合う歯部および前記各プーリーの自由回転を許容する歯欠部が形成された間欠ギアと、該間欠ギアを前記各プーリーのワイヤ巻取り方向に回動させるための操作手段と、前記各プーリーに巻き取られるとともに積載物を引っ張るワイヤと、前記間欠ギアまたは操作手段のロック機構とを有し、
前記操作手段の操作前は、前記間欠ギアの歯欠部が前記各ギアに臨む位置に設定されて前記各プーリーは回動可能であり、
前記操作手段を操作したとき、前記間欠ギアが回動して前記歯部と前記各ギアとが噛み合い、前記プーリーが回動し前記ワイヤは巻かれて緊張し、
前記ロック機構の作動により、前記ワイヤの緊張度合いを保ち、
前記ロック機構の解除により、前記間欠ギアが逆方向に回動して前記歯部と前記各ギアとの噛み合いが解除し、前記各プーリーは回動可能となることを特徴とする積載物の締結装置。 - 請求項1に記載の積載物の締結装置において、前記間欠ギアは、ホイールと、前記各プーリーのギアに噛み合う歯部および前記各プーリーの自由回転を許容する歯欠部が形成されるとともに前記ホイールに微動可能に連結された間欠ギア環板と、前記ホイールと前記間欠ギア環板との間に介装した弾性部材による微動機構とからなることを特徴とする積載物の締結装置。
- 請求項1または2に記載の積載物の締結装置において、前記間欠ギアの歯部および前記各プーリーのギアの歯は、平歯であることを特徴とする積載物の締結装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の積載物の締結装置において、前記操作手段は、操作レバーであり、ロック機構は操作レバーに設けられていることを特徴とする積載物の締結装置。
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