JP3928697B2 - インクジェット式記録ヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク供給手段から供給されたインク滴を吐出して印刷するインクジェット式記録装置に搭載されるインクジェット式記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のインクジェット式記録ヘッドは、例えば、図5に示すように、インク滴を吐出するヘッド本体101と、このヘッド本体101に供給するインクを貯留するインクカートリッジ等のインク供給手段102を保持する保持手段103とを備えている。また、この保持手段103の下面には、ヘッド本体101が固定されるヘッドケース104が固定され、このヘッドケース104には、一方の開口がインク供給手段102に接続されると共に、他方の開口がヘッド本体101のインク導入路に接続されてインク供給手段102からヘッド本体101にインクを供給するインク流路105が設けられている。
【0003】
一方、インク供給手段102は、例えば、複数色のインクがそれぞれ充填される複数のインク室106に区画され、インク供給手段102のインク供給口107は、各インク室106毎、すなわち各色毎に複数設けられている。
【0004】
そして、インク流路105の一方の開口部に設けられたインク供給針108が、インク供給手段102のインク供給口107に挿入されることにより、インク流路を介してヘッド本体101にインクが供給される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなインクジェット式記録ヘッドでは、通常、インクカートリッジよりもヘッド本体が小さいため、インクカートリッジのインク供給口とヘッド本体のインク導入口とは、インクの供給方向での位置が異なるため、例えば、保持手段の下面に傾斜するインク連通路を設ける場合がある。
【0006】
しかしながら、従来のインクジェット式記録ヘッドでは、このような傾斜するインク連通路を設ける場合、保持手段に設けられた所定の壁に沿って形成することにより、インク連通路を画成する周壁の強度を保持していた。このため、樹脂等で保持手段を成型して冷却する際に、インク連通路内に凹凸が形成されてしまうという問題がある。すなわち、インク連通路の周壁は、保持手段の壁側が実質的に厚くなるため、冷却による収縮量も多くなってしまい、インク連通路内に凹凸が形成されてしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、インク連通路を良好に形成でき、ヘッド本体に常に良好にインクを供給することができるインクジェット式記録ヘッドを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、インク滴を吐出する複数のノズル開口を有するヘッド本体を具備し、インク供給手段を保持すると共に該インク供給手段のインク供給口とヘッド本体とを連通するインク流路を有する保持部を備えたインクジェット式記録ヘッドにおいて、前記保持部が、前記インク流路の少なくとも一部を構成するインク連通路がそれぞれ形成された管状の複数の流路形成部を有し、該流路形成部の少なくとも一つが前記保持部の下面に対して傾斜して当該保持部の下面に突設され、この突設された流路形成部の先端が前記保持部の下面に対して略直交する方向に立設された支持部によって支持され、且つ該支持部が実質的に前記流路形成部の先端近傍のみに設けられていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0009】
かかる第1の態様では、傾斜した流路形成部の保持部の下面に対して略直交する方向での強度が向上し、組立時等に加わる荷重による破壊が防止される。また、支持部を設けることによる影響を及ぼすことなく、流路形成部(インク連通路)を成型によって良好に形成することができる。
【0012】
本発明の第2の態様は、前記インク連通路を画成する壁の厚さが略均一であることを特徴とする第1の態様のインクジェット式記録ヘッドにある。
【0013】
かかる第2の態様では、流路形成部(インク連通路)を成型によって形成する際、インク連通路を画成する周壁の冷却による熱収縮量が略均一となり、インク連通路は、内面に凹凸が形成されることなく良好に形成される。
【0014】
本発明の第3の態様は、前記保持部が樹脂材料で形成されていることを特徴とする第1又は2の態様のインクジェット式記録ヘッドにある。
【0015】
かかる第3の態様では、流路形成部を所定の強度で形成でき、且つインク連通路を良好に形成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態について詳細に説明するが、勿論本発明の構成は、これに限定されるものではない。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの斜視図、図2はその要部を示す断面図、図3はインクカートリッジケースの斜視図、図4は、インクカートリッジケースの上面図及び底面図である。
【0018】
本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッド10を構成する保持部材であるカートリッジケース11は、インク供給手段であるインクカートリッジ(図示なし)がそれぞれ装着されるカートリッジ装着部12を有する。例えば、本実施形態では、インクカートリッジは、ブラック及び3色のカラーインクがそれぞれ充填された別体で構成され、カートリッジケース11には、各色のインクカートリッジがそれぞれ装着される4つのカートリッジ装着部12を有する。また、カートリッジケース11の底面には、一端が各カートリッジ装着部12に開口し、他端が後述するヘッドケース側に開口する複数のインク連通路14A〜14Dが設けられている。
【0019】
なお、図示したカートリッジケース11は、その底部を構成する基台のみを示したものであり、図示しないが、実際にはこの基台上にインクカートリッジを保持する空間を画成する筐体が固定されてカートリッジケースとなる。
【0020】
また、カートリッジケース11の上面側、すなわち、各カートリッジ装着部12のインク連通路14A〜14Dの開口部分には、インクカートリッジのインク供給口に挿入されるインク供給針15が、インク内の気泡や異物を除去するためのフィルタ16を介して固定されている。
【0021】
一方、カートリッジケースの下面側には、カートリッジケースとは反対側の端面に圧電素子の駆動によってノズル開口からインク滴を吐出するヘッド本体17が固定されるヘッドケース18が、エラストマ等からなるシール部材19及び圧電素子を駆動するための回路基板20を介して固定されている。
【0022】
また、このヘッドケース18には、複数の圧電素子を有する圧電素子ユニット21A,21Bを収容して圧電素子を位置決め固定するための収容室22が並設されている。本実施形態のインクジェット式記録ヘッド10は、ブラックインクを吐出するための圧電素子ユニット21Aと、カラーインクを吐出するための圧電素子ユニット21Bとを有するため、ヘッドケース18には、これらの圧電素子ユニット21A,21Bを収容する2つの収容室22が並設されている。また、各収容室22の外側には、インク連通路14Aと連通してブラックインクをヘッド本体17に供給するインク供給路23Aと、インク連通路14B〜14Dとそれぞれ連通して各カラーインクをそれぞれヘッド本体17に供給するための複数のインク供給路23B〜23Dとが設けられている。
【0023】
ここで、各インク供給路23A〜23Dは、ヘッドケース18の中央部のヘッド本体17に対向する領域にそれぞれ近接して設けられている。また、カラーインクをヘッド本体17に供給する各インク供給路23B〜23Dは、インク連通路14A〜14Dのインクカートリッジ側の開口の並び方向に対して略直交する方向に一列に配置されている。すなわち、インク供給路23A〜23Dの開口位置と、各インク連通路14のインクカートリッジ側の開口位置とが対応していないものがある。例えば、本実施形態では、カラーインクを供給する3つのインク連通路14B〜14Dのうち中央のインク連通路14Cのみが、インク供給路23Cに対応して設けられている。このため、本実施形態では、他のインク連通路14A,14B,14Dを3次元的に傾斜させることによって、各インク供給路23A,23B,23Dとを連通させている。
【0024】
具体的には、図3及び図4に示すように、カートリッジケース11の下面側には、インク連通路14A〜14Dがそれぞれ形成された管状の流路形成部24A〜24Dが突設されている。また、インク連通部は、流路形成部の断面略中央部に形成されており、インク連通部を画成する周壁の厚さが略均一となっている。
【0025】
なお、本実施形態では、カラーインクに対応する流路形成部24B〜24Dのうち、中央の流路形成部24Cのみがカートリッジケース11の下面に対して略直交する方向に立設され、他の流路形成部24A,24B,24Dが3次元的に傾斜して設けられ、各インク連通路14A〜14Dとインク供給路23A〜23Dとがそれぞれ連通されている。
【0026】
また、このように3次元的に傾斜する各流路形成部24A,24B,24Dの先端は、カートリッジケース11の底面に対して略直交する方向に立設された支持部25によってそれぞれ支持されている。これにより、傾斜した各流路形成部24A,24B,24Dのカートリッジケース11の底面に略直交する方向で加わる荷重に対する強度を確保している。すなわち、各流路形成部24A,24B,24Dの組立時等に加わる荷重による破壊をこの支持部25によって防止している。
【0027】
この支持部25は、流路形成部24の強度を確保できる程度に比較的小さく形成されていることが好ましく、本実施形態では、実質的に各流路形成部24の先端のみを支持するようにしている。なお、流路形成部24Dは、その下側全体に支持部25が存在するが、その内部は図4に示すようにカートリッジ装着部12側から空間部25aが形成されて中空構造となっており、実質的に先端のみが支持されている。
【0028】
このようにカートリッジケース11の下面側にインク連通路14が形成された流路形成部24を設け、3次元的に傾斜して設けられた流路形成部24A,24B,24Dを支持部25によって支持するようにしたので、樹脂材料を成型することによりカートリッジケース11にインク連通路14を一体的に良好に形成することができる。
【0029】
すなわち、流路形成部24は、その先端のみが支持部25によって支持されているため、インク連通路14の周壁の厚さは実質的に略均一となっている。このため、成型後の冷却による熱収縮量が略均一となり、内面に凹凸が形成されることなくインク連通路14が良好に形成される。したがって、インク連通路14を介してヘッド本体17にインクを良好に供給することができる。
【0030】
また、インク連通路14が形成された流路形成部24を突設するようにしたので、カートリッジケース11とヘッドケース18との当接面積が小さくなり、これらインク連通路14とインク供給路23との連結部分からのインク漏れを比較的容易に防止することができる。
【0031】
なお、上述したインクジェット式記録ヘッドを構成する各部材は、カートリッジケース11の下面側に、シール部材19、回路基板20、ヘッドケース18及びヘッド本体17の順で積層され、その外側にヘッド本体17のノズル開口を露出する窓部26を有する枠体27を填め込み、ネジ28によってカートリッジケース11に固定され(図1参照)、その後インクジェット式記録装置に搭載される。
【0032】
また、本実施形態では、カートリッジケースとヘッドケースとが別体で構成されているものを例示して説明したが、勿論、これらが一体的に形成されていてもよいことは言うまでもない。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明のインクジェット式記録ヘッドによれば、保持部材の底面に対して傾斜して設けられる流路形成部の先端を支持部によって支持するようにしたので、流路形成部を成型によって良好に形成することができる。すなわち、流路形成部の強度を確保できると共に、内面に凹凸が形成されることなくインク連通路を良好に形成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの要部を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るカートリッジケースの斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るカートリッジケースの上面図及び底面図である。
【図5】従来技術に係るインクジェット式記録ヘッドを示す断面図である。
【符号の説明】
11 カートリッジケース
12 カートリッジ装着部
14A〜14D インク連通路
15 インク供給針
16 フィルタ
17 ヘッド本体
18 ヘッドケース
19 シール部材
20 回路基板
21A,21B 圧電素子ユニット
22 収容室
23A〜23D インク供給路
24A〜24D 流路形成部
25 支持部
Claims (3)
- インク滴を吐出する複数のノズル開口を有するヘッド本体を具備し、インク供給手段を保持すると共に該インク供給手段のインク供給口とヘッド本体とを連通するインク流路を有する保持部を備えたインクジェット式記録ヘッドにおいて、
前記保持部が、前記インク流路の少なくとも一部を構成するインク連通路がそれぞれ形成された管状の複数の流路形成部を有し、該流路形成部の少なくとも一つが前記保持部の下面に対して傾斜して当該保持部の下面に突設され、この突設された流路形成部の先端が前記保持部の下面に対して略直交する方向に立設された支持部によって支持され、且つ該支持部が実質的に前記流路形成部の先端近傍のみに設けられていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 前記インク連通路を画成する壁の厚さが略均一であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッド。
- 前記保持部が樹脂材料で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット式記録ヘッド。
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