JP3930360B2 - 動画像復号装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動画像復号装置に関し、特に、ブロック単位で符号化された動画像の復号技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像信号の符号化は一般的に画面を複数のブロックに分割し、各ブロックに対してDCT(Discrete Cosine Transform:離散コサイン変換)などの符号化、量子化を行う方式が用いられる。このような方式を用いて符号化された画像を復号した場合には、ブロック単位に独立に変換係数の量子化が行われるため、復号画像のブロック境界で不連続なレベルの変化が生じる。このようなレベルの変化はブロック歪と呼ばれている。
【0003】
そこで、このようなブロック歪をなくしてブロック境界周辺の画像をより自然なものにするために、ISO/IEC 14496−2(MPEG−4 visual)では、その付属書において次のようなブロック歪の除去方法を開示している。
【0004】
まず、ブロック境界を中心にして左右方向に5画素づつ計10画素をサンプルし、これらサンプルされた10画素に相当する部分が平坦部分かどうかを判定する。このような判定を垂直方向に所定画素数分だけ行なう。
【0005】
より詳細には、まず、サンプルされた10画素について、隣接する各組の画素の差分値を求める。次に、求まった9つの画素差分値のうち第1の境界値T0以下の値をとる組を見つける。そして、この組の総数が第2の境界値T1以上であるかどうかを判断し、T1以上である場合にはサンプルされた画素の部分は平坦であると判断する。すなわち、隣接する画素の差分値が比較的小さいと判断される部分が所定数以上存在する場合には平坦であると判断している。そして、この平坦であると判断されたサンプル画素において、ブロック境界面を中心として左右方向に各4画素づつ(計8画素)に9タップのローパスフィルタをかけている。また、平坦部分でなく細かい画像であると判定された場合には、ブロック境界が不連続かどうかをブロック境界を中心とする左右方向の2画素(計4画素)に対して判定を行い、ここで不連続と判定された場合にはブロック境界の画素を補正して段差を小さくするという処理が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この手法によると、例えばブロック境界を中心にして左右に数個の画素だけが平坦な画像であり、そこから先は細かい画像であったとしても、ブロック境界を挟んだ8画素に対してローパスフィルタをかけるか、あるいは、ブロック境界を挟む2画素の値を補正するかの2通りの方法しかなく、検出された平坦部分に対して適切なフィルタ処理を行なうことができなかった。また、一部に平坦な部分を含んでいても全体として見た場合に平坦ではない画像があった場合には、ローパスフィルタをかける条件からはずれてしまうので画素補正が代わりに行なわれることになり、不自然な画像になってしまう場合があった。
【0007】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、ブロック境界を挟んだ画素の平坦部分の長さに応じて最適な特性のフィルタをかけることにより、画像の特徴に相応したブロック歪の除去を行うことができる動画像復号装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る動画像復号装置は、画像を複数のブロックに分割し、分割した各ブロック毎に符号化を行った信号を復号して得られた復号画像のブロック境界を検出するブロック境界検出手段と、前記ブロック境界検出手段により検出された復号画像の各ブロック境界からの平坦部分の長さを判定する平坦部分長判定手段と、前記平坦部分長判定手段により判定された平坦部分の長さに適合したフィルタ特性を選択するフィルタ特性選択手段と、前記フィルタ特性選択手段により選択されたフィルタ特性を用いて前記検出された平坦部分の長さの画素に対するフィルタ処理を行うフィルタ処理手段と、を具備し、前記平坦部分長判定手段は、前記ブロック境界検出手段により検出されたブロック境界から第1の方向に所定数の画素の平均値である第1の画素平均値と、前記ブロック境界から第2の方向に所定数の画素の平均値である第2の画素平均値との差を求める第1の算出手段と、前記第1の画素平均値からのばらつきと、前記第2の画素平均値からのばらつきとの和を求める第2の算出手段と、前記第1の算出手段の算出結果と、前記第2の算出手段の算出結果とを比較して両者の大小関係により平坦部分長を算出する第3の算出手段と、を有する。
【0009】
また、本発明の第2の態様に係る動画像復号装置は、第1の態様において、前記第1の方向に所定数の画素の平均値 DC0(n) 、当該平均値からのばらつき SAD0(n) 、前記第2の方向に所定数の画素の平均値 DC1(n) 、当該平均値からのばらつき SAD1(n) をそれぞれ以下の式(但しp、qは画素、nは画素数)で表わしたときに、
【数3】
前記第1の算出手段は、| DC0(n) − DC1(n) |の値を求め、前記第2の算出手段は、 SAD0(n) + SAD1(n) の値を求め、前記第3の算出手段は、
| DC0(n) − DC1(n) |×α> SAD0(n) + SAD1(n) で表わされる不等式(α:平坦部であるとの判定のされやすさの指数)を用いて前記第1の算出手段の算出結果と前記第2の算出手段の算出結果の大小関係を判定する。
【0010】
また、本発明の第3の態様に係る動画像復号装置は、画像を複数のブロックに分割し、分割した各ブロック毎に符号化を行った信号を復号して得られた復号画像のブロック境界を検出するブロック境界検出手段と、前記ブロック境界検出手段により検出された復号画像の各ブロック境界からの平坦部分の長さを判定する平坦部分長判定手段と、
前記平坦部分長判定手段により判定された平坦部分の長さに適合したフィルタ特性を選択するフィルタ特性選択手段と、前記フィルタ特性選択手段により選択されたフィルタ特性を用いて前記検出された平坦部分の長さの画素に対するフィルタ処理を行うフィルタ処理手段と、復号画像のエッジ部分が検出された画像を作成するエッジ検出用画像作成手段と、を具備し、前記平坦部分長判定手段は、前記エッジ検出用画像作成手段により作成されたエッジ検出用画像について、前記ブロック境界から第1の方向に所定数の画素のパワーと、前記ブロック境界から第2の方向に所定数の画素のパワーとの差を求める第4の算出手段と、前記ブロック境界を挟む2画素の差の絶対値を求める第5の算出手段と、前記第4の算出手段の算出結果と、前記第5の算出手段の算出結果とを比較して両者の大小関係により平坦部分長を算出する第6の算出手段と、を有する。
【0011】
また、本発明の第4の態様に係る動画像復号装置は、画像を複数のブロックに分割し、分割した各ブロック毎に符号化を行った信号を復号する動画像復号手段と、前記動画像復号手段により復号された復号画像のブロック境界を検出するブロック境界検出手段と、前記ブロック境界検出手段により検出された復号画像の各ブロック境界からの平坦部分の長さを判定する平坦部分長判定手段と、前記平坦部分長判定手段により判定された平坦部分の長さに適合したフィルタ特性を選択するフィルタ特性選択手段と、前記フィルタ特性選択手段により選択されたフィルタ特性を用いて前記検出された平坦部分の長さの画素に対するフィルタ処理を行うフィルタ処理手段と、前記フィルタ処理手段によりフィルタ処理された平坦部分の長さの画素を、前記動画像復号手段により復号された復号画像とともに表示する表示手段と、を具備し、前記平坦部分長判定手段は、前記ブロック境界検出手段により検出されたブロック境界から第1の方向に所定数の画素の平均値である第1の画素平均値と、前記ブロック境界から第2の方向に所定数の画素の平均値である第2の画素平均値の差を求める第1の算出手段と、前記第1の画素平均値からのばらつきと、前記第2の画素平均値からのばらつきの和を求める第2の算出手段と、前記第1の算出手段の算出結果と、前記第2の算出手段の算出結果とを比較して両者の大小関係により平坦部分長を算出する第3の算出手段と、を有する。
【0012】
また、本発明の第5の態様に係る動画像復号装置は、第4の態様において、前記第1の方向に所定数の画素の平均値 DC0(n) 、当該平均値からのばらつき SAD0(n) 、前記第2の方向に所定数の画素の平均値 DC1(n) 、当該平均値からのばらつき SAD1(n) をそれぞれ以下の式(但しp、qは画素、nは画素数)で表わしたときに、
【数4】
前記第1の算出手段は、| DC0(n) − DC1(n) |の値を求め、前記第2の算出手段は、 SAD0(n) + SAD1(n) の値を求め、前記第3の算出手段は、| DC0(n) − DC1(n) |×α> SAD0(n) + SAD1(n) で表わされる不等式(α:平坦部であるとの判定のされやすさの指数)を用いて前記第1の算出手段の算出結果と前記第2の算出手段の算出結果の大小関係を判定する。
【0013】
また、本発明の第6の態様に係る動画像復号装置は、画像を複数のブロックに分割し、分割した各ブロック毎に符号化を行った信号を復号する動画像復号手段と、前記動画像復号手段により復号された復号画像のブロック境界を検出するブロック境界検出手段と、前記ブロック境界検出手段により検出された復号画像の各ブロック境界からの平坦部分の長さを判定する平坦部分長判定手段と、前記平坦部分長判定手段により判定された平坦部分の長さに適合したフィルタ特性を選択するフィルタ特性選択手段と、前記フィルタ特性選択手段により選択されたフィルタ特性を用いて前記検出された平坦部分の長さの画素に対するフィルタ処理を行うフィルタ処理手段と、前記フィルタ処理手段によりフィルタ処理された平坦部分の長さの画素を、前記動画像復号手段により復号された復号画像とともに表示する表示手段と、復号画像のエッジ部分が検出された画像を作成するエッジ検出用画像作成手段と、を具備し、前記平坦部分長判定手段は、前記エッジ検出用画像作成手段により作成されたエッジ検出用画像について、前記ブロック境界から第1の方向に所定数の画素のパワーと、前記ブロック境界から第2の方向に所定数の画素のパワーとの差を求める第4の算出手段と、前記ブロック境界を挟む2画素の差の絶対値を求める第5の算出手段と、前記第4の算出手段の算出結果と、前記第5の算出手段の算出結果とを比較して両者の大小関係により平坦部分長を算出する第6の算出手段と、を有する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る動画像復号装置の構成を示すブロック図であり、動画像復号部11と、復号画像メモリ12と、ブロック境界ライン抽出部(ブロック境界検出手段)13と、平坦部分長判定部14と、フィルタ特性選出部15と、フィルタ処理部16と、表示画像メモリ17と、表示部18とからなる。また、上記した平坦部分長判定部14は、判定基準値抽出部19と、判定手段20とからなる。
【0016】
上記した構成において、動画像復号部11ではブロック単位で符号化されたビットストリームを受け取り画像データの復号処理を行う。復号された画像データはブロック単位で復号画像メモリ12に蓄積される。ブロック境界ライン抽出部13では縦方向のブロック境界に対する処理の場合は各ラインごとに左右方向に特定数のサンプル画素を抽出する。ブロック境界は1ブロックを構成する画素数により一義的に決まる。例えば1ブロックが8×8画素により構成される場合には最初の画素から8画素目がブロック境界となる。従って、抽出する画素数が8画素であるならば、ブロック境界ライン抽出部13は、図2に示すようにブロック境界から左右方向に8画素づつサンプル画素を抽出する。抽出された画素ラインは平坦部分長判定部14に送られる。
【0017】
平坦部分長判定部14では、ブロック境界から各ブロックの内方向に平坦部分長が何画素分存在するかを図3のフローチャートを実行することにより判定する。まず、ブロック境界から指定された判定サンプル画素を抽出する(ステップS1)。ここでは、平坦部分長を例えば3段階(判定の段階数=3)に求めるとし、その判定基準画素数を2画素、4画素、8画素とする。この場合、判定基準値抽出部19は、ブロック境界に隣接する画素から2画素分、4画素分、8画素分の判定条件値を求めて行く。
【0018】
このときの判定基準値は例えば画素平均値と平均値からのばらつきを用いる場合、判定画素数=nとし、ブロック境界を中心にして一方の側のブロックの画素pに対する画素平均値とばらつき(SAD)をそれぞれDC0(n)、SAD0(n)とし、ブロック境界を中心にして他方の側のブロックの画素qに対する画素平均値とばらつき(SAD)をそれぞれDC1(n)、SAD1(n)とすると、
【数1】
で求めることができる。
【0019】
ステップS2及びS3では、このような式を用いてn画素分のDC(DC0(n)、DC1(n))と、n画素分のSAD(SAD0(n)、SAD1(n))をブロック境界から左右方向にそれぞれ計算する。
【0020】
次に、求めた各画素に対するDC(n)とSAD(n)が判定手段20に送られる。判定手段20では送られてきたDC(n)とSAD(n)から平坦部分長を判定するが、この場合、DCの差が両ブロック間の差となり、SADが平坦度となっており、平坦部分でブロック歪が生じる場合はSADが小さくDCがある程度の差を持つことになり以下の式に基づいて判定がなされる(ステップS4、S5)。
【0021】
すなわち、平坦部であるとの判定のされやすさの指数をαとし
【数2】
が成り立つ場合のn(=2,4,8)を平坦部分長とする(ステップS6)。
【0022】
一方、上記条件が成り立たなかった場合には判定の段階数に応じてnを更新し(ステップS7)、ステップS2に戻る。最終的に条件が成立しなかった場合には平坦部分長=0とする。
【0023】
n=8画素の場合のDC0(8)、DC1(8)、SAD0(8)、SAD1(8)、DC_Diff=lDC0−DC1)lの具体的な例が図2に示されている。
【0024】
上記のようにして求まった平坦部分長nはフィルタ特性選出部15に送られる。以上が、平坦部分長判定部14における平坦部分長判定プロセスの処理内容である。
【0025】
図4は、フィルタ特性選出部15でのフィルタ特性選択プロセスの手順を示している。フィルタ特性選出部15はまず、平坦部分長判定部14から平坦部分長nを取得する(ステップS10)。そして、取得した平坦部分長nに応じたタップ数n+1、特性π/n、対象画素数n/2を計算する(ステップS11)。これらの値はテーブル引きにより求めても良い。次に、計算により求めたタップ数n+1、特性π/n、対象画素数n/2から対応するフィルタを選択してフィルタ処理部16へ送る(ステップS12)。
【0026】
上記の処理をさらに詳細に説明する。例えば平坦部分長n=2が選択された場合にはブロック境界を挟んで左右方向の計4画素が平坦部分となり、この4画素に対して平滑化を行うフィルタが必要となる。周期=4(画素)を平滑化するフィルタの特性を考えると、f=1/4としてフィルタの特性はω=2πf=π/2となる。従って平坦部分長=2に対してはフィルタの特性π/2、タップ数=3のフィルタがブロック境界を挟んだ左右両方向の画素にかかるようにフィルタ特性選出部15での設定がなされる。
【0027】
同様にして平坦部分長がnの場合には、特性π/n、タップ数n+1のフィルタがブロック境界を挟んだn/2画素の計n画素に対してかかるようにフィルタ特性が選択される。
【0028】
フィルタ特性選択部15で求められた特性のフィルタを用いて、ブロック境界ライン抽出部13で抽出された画素群がフィルタ処理部16に送られ、特性に応じたフィルタがかけられる。フィルタ処理を施された画像データは表示画像メモリ17に送られ、所定のタイミングで表示部18で表示がなされる。
【0029】
なお、上記した図1の各部で行なわれる処理はソフトウェア処理であっても、ハードウェア処理であっても実現可能である。
【0030】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係る動画像復号装置の構成を示すブロック図である。図1と同様に動画像復号部11と、復号画像メモリ12と、ブロック境界ライン抽出部13と、平坦部分長判定部14と、フィルタ特性選出部15と、フィルタ処理部16と、表示画像メモリ17と、表示部18を有し、平坦部分長判定部14は、判定基準値抽出部19、判定手段20から構成される。図5の構成はさらに、エッジ検出用画像作成部21、エッジ検出用画像メモリ22を構成要素として備えている。
【0031】
動画像復号部11ではブロック単位で符号化されたビットストリームを受け取り画像データの復号処理を行う。復号された画像データはブロック単位で復号画像メモリ12に蓄積される。エッジ検出用画像作成部21では画像の水平方向または垂直方向ラインに対してエッジ部分を検出するための処理を行い、エッジ成分の特徴のみが現れている画像を作成し、エッジ検出用画像メモリ22に蓄積する。例えば、ハイパスフィルタをかけることでエッジ成分のみが現れることは周知である。この場合フィルタにかけられる画素が全て同じ値の画素であればフィルタ結果はゼロとなり、隣接画素との画素値が異なる場合にのみフィルタ結果が値を持つことが特徴である。
【0032】
第2実施形態では上記復号画像メモリ12に記憶された画像データと、エッジ検出用画像メモリ22に記憶された蓄積されたエッジ検出用画像とを用いて平坦部分長の判定を行う。
【0033】
図6は、第2実施形態に係る平坦部分長判定プロセスの手順を説明するためのフローチャートである。
【0034】
まずブロック境界ライン抽出部13では、縦方向のブロック境界に対する処理の場合は各ラインごとに左右方向に特定数のエッジ検出処理画素をエッジ検出用画像メモリ22から抽出する(ステップS20)。抽出する画素数が8画素であるならば、ブロック境界ライン抽出部13は、図7に示すようにブロック境界から左右方向に8画素づつサンプル画素を抽出する。抽出された画素ラインは平坦部分長判定部14に送られる。
【0035】
図7は、第1実施形態において説明した復号画素についてのn=8画素の場合のDC0(8)、DC1(8)、SAD0(8)、SAD1(8)、DC_Diff=lDC0−DC1)lの例に加えて、エッジ検出用画素の例を示している。
【0036】
上記の処理と並行して、復号画像メモリ12からブロック境界を挟む2画素を判定用サンプル画素として抽出し(ステップS21)、平坦部分長判定部14に送る。
【0037】
平坦部分長判定部14では、ブロック境界から各ブロック内部方向に平坦部分長が何画素分存在するかを判定する。そのため、まずエッジ検出処理画素について、判定の段階数に応じた判定画素数(n)に対してブロック境界から双方向にn画素のパワーPを計算する(ステップS22)。
【0038】
平坦部分長判定部14は、これと並行して、判定用サンプル画素について、ブロック境界を挟む2画素の差の絶対値Dを計算する(ステップS23)。
【0039】
以下に、n画素のパワーPの計算について具体的に説明する。平坦部分長を例えば3段階(判定の段階数=3)に求めるとし、その判定基準画素数を2画素、4画素、8画素とする。この場合、判定基準値抽出部19において、ブロック境界に隣接する画素から2画素分、4画素分、8画素分の判定基準値を求めて行く。判定基準値は上述したように平坦部ではエッジ検出用画像メモリ22の対応画素値がゼロとなっていることから、復号画像の画素値のばらつきは抽出した画素値の大きさを求めることで判定できる。また、同時に求められたブロック境界を挟む両画素の差分からブロック間の画素差分を求めることができる。
【0040】
以上より判定基準画素数=nとし、抽出されたエッジ検出用画像メモリ22から抽出した画素のうち、一方の側のブロックの画素pに対するn画素分のパワーをP0(n)、他方の側のブロックの画素qに対するものをP1(n)とし、ブロック境界を挟んだ両画素の差の絶対値をDとすると、P0(n)、P1(n)、Dはそれぞれ、
【数3】
により求めることができる。
【0041】
このようにして求められた各nに対するパワーP(n)と差の絶対値Dとは、平坦部分長判定部14の判定手段20に送られる。判定手段20では送られてきたパワーP(n)と両画素の差の絶対値Dとに基づいて平坦部分長を判定するが、この場合、Dが両ブロック間の差を、Pが平坦度を表しており、平坦部分でブロック歪が生じる場合はPが小さくDがある程度の差を持つことになり、以下の不等式に基づいて判定を行うことができる(ステップS25)。
【0042】
【数4】
ここでαは、平坦部の判定されやすさの指数を表している。
【0043】
ここでの条件が成り立つことによりステップS25の判断がYESならば平坦画素数をn(=2,4,8)とし(ステップS26)、NOの場合には判定の段階数に応じてnを更新し(ステップS24)、ステップS22に戻る。nを更新しても条件が成り立たなかった場合には平坦部分長=0とする(ステップS26)。
【0044】
上記のようにして求まった平坦部分長をフィルタ特性選出部15に送る(ステップS27)ことにより平坦部分長判定プロセスを終了する。
【0045】
フィルタ特性選出部15では、送られてきた平坦部分長nに応じたフィルタが選択される。例えば平坦部分長nが2画素と選択された場合はブロック境界を挟んで計4画素が平坦部分となり、4画素に対して平滑化を行うフィルタが必要となる。周期=4(画素)を平滑化するフィルタの特性を考えると、f=1/4としてフィルタの特性はω=2πf=π/2となる。
【0046】
従って平坦部分長=2に対してはフィルタの特性π/2、タップ数=3のフィルタがブロック境界を挟んだ左右両方向の画素にかかるようにフィルタ特性選出部15での設定がなされる。
【0047】
同様にして平坦部分長がnの場合には、特性π/n、タップ数n+1のフィルタがブロック境界を挟んだn/2画素の計n画素に対してかけるようにフィルタ特性が選択される。
【0048】
フィルタ特性選択部15で求められた特性のフィルタを用いて、ブロック境界ライン抽出部13で抽出された画素群がフィルタ処理部16に送られ、特性に応じたフィルタがかけられる。フィルタ処理を施された画像データは表示画像メモリ17に送られ、所定のタイミングでモニタ18で表示がなされる。
【0049】
上記した第1及び第2実施形態によれば、平坦部分長判定部14とフィルタ特性選出部15とを新たに付加することにより、ブロック境界を挟んだ画素の平坦部分の長さが長い場合には長い画素に対してかかるローパスフィルタを、平坦部分の長さが短い場合には少ない画素数に対して有効なローパスフィルタをかけるようにしたので、画像の特徴に相応したブロック歪の除去が可能となる。
【0050】
なお、上記した図5の各部で行なわれる処理はソフトウェア処理であっても、ハードウェア処理であっても実現可能である。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、ブロック境界を挟んだ画素の平坦部分の長さに応じて最適な特性のフィルタをかけるようにしたので、画像の特徴に相応したブロック歪の除去が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る動画像復号装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態の方法により平坦部分長を求める方法を説明するための図である。
【図3】本発明の第1実施形態の方法により平坦部分長を求める手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態の方法によるフィルタ特性選択プロセスの手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態に係る動画像復号装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態の方法により平坦部分長を求める手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態の方法により平坦部分長を求める方法を説明するための図である。
【符号の説明】
11 動画像復号部
12 復号画像メモリ
13 ブロック境界ライン抽出部
14 平坦部分長判定部
15 フィルタ特性選出部
16 フィルタ処理部
17 表示画像メモリ
18 表示部
19 判定基準値抽出部
20 判定手段
21 エッジ検出用画像作成部
22 エッジ検出用画像メモリ
Claims (6)
- 画像を複数のブロックに分割し、分割した各ブロック毎に符号化を行った信号を復号して得られた復号画像のブロック境界を検出するブロック境界検出手段と、
前記ブロック境界検出手段により検出された復号画像の各ブロック境界からの平坦部分の長さを判定する平坦部分長判定手段と、
前記平坦部分長判定手段により判定された平坦部分の長さに適合したフィルタ特性を選択するフィルタ特性選択手段と、
前記フィルタ特性選択手段により選択されたフィルタ特性を用いて前記検出された平坦部分の長さの画素に対するフィルタ処理を行うフィルタ処理手段と、を具備し、
前記平坦部分長判定手段は、前記ブロック境界検出手段により検出されたブロック境界から第1の方向に所定数の画素の平均値である第1の画素平均値と、前記ブロック境界から第2の方向に所定数の画素の平均値である第2の画素平均値との差を求める第1の算出手段と、前記第1の画素平均値からのばらつきと、前記第2の画素平均値からのばらつきとの和を求める第2の算出手段と、前記第1の算出手段の算出結果と、前記第2の算出手段の算出結果とを比較して両者の大小関係により平坦部分長を算出する第3の算出手段と、を有することを特徴とする動画像復号装置。 - 前記第1の方向に所定数の画素の平均値 DC0(n) 、当該平均値からのばらつき SAD0(n) 、前記第2の方向に所定数の画素の平均値 DC1(n) 、当該平均値からのばらつき SAD1(n) をそれぞれ以下の式(但しp、qは画素、nは画素数)で表わしたときに、
前記第1の算出手段は、| DC0(n) − DC1(n) |の値を求め、前記第2の算出手段は、 SAD0(n) + SAD1(n) の値を求め、前記第3の算出手段は、
| DC0(n) − DC1(n) |×α> SAD0(n) + SAD1(n) で表わされる不等式(α:平坦部であるとの判定のされやすさの指数)を用いて前記第1の算出手段の算出結果と前記第2の算出手段の算出結果の大小関係を判定することを特徴とする請求項1記載の動画像復号装置。 - 画像を複数のブロックに分割し、分割した各ブロック毎に符号化を行った信号を復号して得られた復号画像のブロック境界を検出するブロック境界検出手段と、
前記ブロック境界検出手段により検出された復号画像の各ブロック境界からの平坦部分の長さを判定する平坦部分長判定手段と、
前記平坦部分長判定手段により判定された平坦部分の長さに適合したフィルタ特性を選択するフィルタ特性選択手段と、
前記フィルタ特性選択手段により選択されたフィルタ特性を用いて前記検出された平坦部分の長さの画素に対するフィルタ処理を行うフィルタ処理手段と、
復号画像のエッジ部分が検出された画像を作成するエッジ検出用画像作成手段と、を具備し、
前記平坦部分長判定手段は、前記エッジ検出用画像作成手段により作成されたエッジ検出用画像について、前記ブロック境界から第1の方向に所定数の画素のパワーと、前記ブロック境界から第2の方向に所定数の画素のパワーとの差を求める第4の算出手段と、前記ブロック境界を挟む2画素の差の絶対値を求める第5の算出手段と、前記第4の算出手段の算出結果と、前記第5の算出手段の算出結果とを比較して両者の大小関係により平坦部分長を算出する第6の算出手段と、を有することを特徴とする動画像復号装置。 - 画像を複数のブロックに分割し、分割した各ブロック毎に符号化を行った信号を復号する動画像復号手段と、
前記動画像復号手段により復号された復号画像のブロック境界を検出するブロック境界検出手段と、
前記ブロック境界検出手段により検出された復号画像の各ブロック境界からの平坦部分の長さを判定する平坦部分長判定手段と、
前記平坦部分長判定手段により判定された平坦部分の長さに適合したフィルタ特性を選択するフィルタ特性選択手段と、
前記フィルタ特性選択手段により選択されたフィルタ特性を用いて前記検出された平坦部分の長さの画素に対するフィルタ処理を行うフィルタ処理手段と、
前記フィルタ処理手段によりフィルタ処理された平坦部分の長さの画素を、前記動画像復号手段により復号された復号画像とともに表示する表示手段と、を具備し、
前記平坦部分長判定手段は、前記ブロック境界検出手段により検出されたブロック境界から第1の方向に所定数の画素の平均値である第1の画素平均値と、前記ブロック境界から第2の方向に所定数の画素の平均値である第2の画素平均値の差を求める第1の算出手段と、前記第1の画素平均値からのばらつきと、前記第2の画素平均値からのばらつきの和を求める第2の算出手段と、前記第1の算出手段の算出結果と、前記第2の算出手段の算出結果とを比較して両者の大小関係により平坦部分長を算出する第3の算出手段と、を有することを特徴とする動画像復号装置。 - 前記第1の方向に所定数の画素の平均値 DC0(n) 、当該平均値からのばらつき SAD0(n) 、前記第2の方向に所定数の画素の平均値 DC1(n) 、当該平均値からのばらつき SAD1(n) をそれぞれ以下の式(但しp、qは画素、nは画素数)で表わしたときに、
前記第1の算出手段は、| DC0(n) − DC1(n) |の値を求め、前記第2の算出手段は、 SAD0(n) + SAD1(n) の値を求め、前記第3の算出手段は、
| DC0(n) − DC1(n) |×α> SAD0(n) + SAD1(n) で表わされる不等式(α:平坦部であるとの判定のされやすさの指数)を用いて前記第1の算出手段の算出結果と前記第2の算出手段の算出結果の大小関係を判定することを特徴とする請求項4記載の動画像復号装置。 - 画像を複数のブロックに分割し、分割した各ブロック毎に符号化を行った信号を復号する動画像復号手段と、
前記動画像復号手段により復号された復号画像のブロック境界を検出するブロック境界検出手段と、
前記ブロック境界検出手段により検出された復号画像の各ブロック境界からの平坦部分の長さを判定する平坦部分長判定手段と、
前記平坦部分長判定手段により判定された平坦部分の長さに適合したフィルタ特性を選択するフィルタ特性選択手段と、
前記フィルタ特性選択手段により選択されたフィルタ特性を用いて前記検出された平坦部分の長さの画素に対するフィルタ処理を行うフィルタ処理手段と、
前記フィルタ処理手段によりフィルタ処理された平坦部分の長さの画素を、前記動画像復号手段により復号された復号画像とともに表示する表示手段と、
復号画像のエッジ部分が検出された画像を作成するエッジ検出用画像作成手段と、を具備し、
前記平坦部分長判定手段は、前記エッジ検出用画像作成手段により作成されたエッジ検出用画像について、前記ブロック境界から第1の方向に所定数の画素のパワーと、前記ブロック境界から第2の方向に所定数の画素のパワーとの差を求める第4の算出手段と、前記ブロック境界を挟む2画素の差の絶対値を求める第5の算出手段と、前記第4の算出手段の算出結果と、前記第5の算出手段の算出結果とを比較して両者の大小関係により平坦部分長を算出する第6の算出手段と、を有することを特徴とする動画像復号装置。
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