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JP3930448B2 - 環境負荷評価装置及び環境負荷評価方法 - Google Patents
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JP3930448B2 - 環境負荷評価装置及び環境負荷評価方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製品ライフサイクルにおける環境負荷を評価するためのものであって、特に、製品ライフサイクル全体にわたる環境汚染物質の排出量を算出する環境負荷評価方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境問題への社会的な高まりにより、工場における生産活動が及ぼす環境への配慮だけでなく、製品についても環境への負荷低減が求められており、ライフサイクルアセスメント(LCA; Life Cycle Assessment)が注目されている。LCAとは、製品が一生を通じて環境に与える負荷を分析・評価する手法である。すなわち、製品のライフサイクル(原料採取→製造→流通→使用→廃棄/リサイクル)を通じて環境負荷を把握し、環境負荷の低減に向けて改善するために利用される。LCAは製品生涯での総合的評価であること、そして、大気汚染や資源効率、廃棄物量などの負荷を定量的に把握して、科学的あるいは合理的に改善する手立てに利用できることに特徴がある。
【0003】
しかし、製品のライフサイクル全体にわたる綿密な工程分析を行うには多大な時間と労力を要する。家電製品などは製造される数量も品種も膨大で、環境負荷に占める比重も大きいことから、LCAによる評価は重要であり、製品のライフサイクルからどの段階でどのような環境負荷がどのくらい発生するのか、環境負荷軽減のためにはどの段階で何を改善するべきなのかといった課題を掘り下げて、実際の改善に反映させる必要がある。
【0004】
家電製品などのような開発期間の短い製品において、製品設計段階からLCAを活用するための手法は既に公知となっている(例えば、特許文献1参照)。このような手法により、簡易に製品のライフサイクルにわたる環境負荷を把握することができるが、環境負荷排出原単位のデータベースによって算出される環境負荷は大きく異なるため、どのようなデータベースを用いるかが大きな問題となる。
【0005】
ここでいう環境負荷排出原単位とは、例えば、材料1単位あたりの環境負荷排出量のことである。このデータベース構築に用いる信頼性のあるデータとしては、例えば「産業連関表(Input−Output tables,以下I/O表)」のデータがある。I/O表は、国内の産業分野ごとの需要と供給を全て網羅しているために、結果として源流まで遡った排出原単位を算出することが出来る。また、信頼性のあるデータとしては産業連関表に限るものではなく、業界標準として排出原単位が統一されればそれを用いても良い。
【0006】
また、LCAのインベントリデータ(環境負荷データ)作成方法には、上記のようにI/O表を活用した産業連関分析法(Input−Output Analysis,以下I/O法)の他に、積み上げ法が知られている。積み上げ法は、評価対象システムの全ライフサイクルプロセスを網羅するインベントリデータを収集し、環境負荷を算出する。しかし、全プロセスにわたるインベントリデータを収集することは非常に困難であり、現実的に把握可能な範囲をシステム境界とすることになるが、それでもLCA手法の専門家ではない製品設計者にとっては、LCA実施に莫大な労力と費用を費やすことになる。このような背景からも、LCA実施が比較的容易であるI/O法の適用が提案されている。
【0007】
I/O法を適用したLCA評価事例は数多く存在するが、インベントリ項目としてはエネルギー消費量および二酸化炭素排出量が焦点となっている。これら2つの指標は、地球環境負荷を示した代表的なインベントリであるが、環境影響の一側面を捉えているにすぎない。環境影響には、地球温暖化、オゾン層破壊、酸性化、生態系への影響、資源枯渇など多種多様な側面がある。これらを総合的に評価するのが本来のLCAであるが、評価するためのデータが十分にそろっているとはいえない状況にある。特に、人体や生態系への影響を評価するために必要となる重金属等の有害化学物質のインベントリデータは、十分に整備されているとは言えない。
【0008】
環境汚染物質の排出データとしては、環境汚染物質排出移動登録制度(PRTR:Pollutant Release and Transfer Register)によるデータ(以下、PRTRデータと呼ぶ)が広く知られている。PRTR法は、指定された化学物質を製造または使用している事業者に対して、それらを環境中に排出した量と、廃棄物として処理するために事業所の外へ移動させた量とを自ら把握し、年一回行政機関に対して届け出ることを義務付けるものである。PRTR制度においては、354種類の化学物質が第一種指定物質となっており、これらの移動量及び排出量の把握・届出を行う。平成14年4月からは第1回目の届出が始まっており、今後、PRTRデータのデータベース化が進んでいくことになる。
【0009】
このようなPRTRデータは、これまでにLCAに活用されてはこなかった。その理由としては、例えば、PRTRデータは事業所・施設ベースの排出量データであるために、LCAに利用可能な形での大規模なデータベース構築にまで至っていないことが挙げられる。
【0010】
製品ライフサイクルに関わる環境負荷を簡易かつ高精度に推計するためには、大規模なインベントリデータが必要不可欠である。従来の二酸化炭素排出量やエネルギー消費量のような充実したインベントリデータ構築が望まれる。
【0011】
【特許文献1】
特開平10−57936号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来は、製品のライフサイクルの各段階において排出される、人体への影響や生態系への影響を評価するための環境汚染物質の排出量を推定するための手法が存在しなかった。
【0013】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、例えば、PRTR制度に基づく環境汚染物質の排出量データのような、産業連関表の産業の分類とは異なる分類上の各部門別の環境汚染物質の排出量を表すデータを基に、LCA、すなわち、製品ライフサイクルにおける当該環境汚染物質の排出量を算出するために必要な当該環境汚染物質の排出原単位を容易に算出することができる環境負荷評価方法及び装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)産業連関表における産業を分類するための第1の分類(I/O表分類)とは異なる第2の分類(例えば、工業統計中分類、工業統計細分類)上の各部門別の環境汚染物質k(例えば、鉛)の排出量を、前記第1の分類上の前記環境汚染物質に関する複数の第1の関連部門に配分して、前記第1の分類上の各部門別の1単位当たりの当該環境汚染物質の排出量(マトリクスEk)を求め、(b)前記第1の分類の前記複数の第1の関連部門を細分化した第3の分類上の前記環境汚染物質に関する複数の第2の関連部門に、前記複数の第1の関連部門のそれぞれの1単位当たりの前記排出量を配分することにより、前記第3の分類上の各部門別の1単位当たりの前記環境汚染物質の排出量(マトリクスEk)を求め、(c)前記産業連関表の投入係数表(マトリクスA)として表されている前記複数の第1の関連部門間の投入係数を前記複数の第2の関連部門間に配分し、前記第3の分類上の各部門間の投入係数を表した第2の投入係数表(マトリクスA´)を求め、(d)前記第3の分類上の各部門別の前記環境汚染物質の排出量と前記第2の投入係数表を基に、製品ライフサイクルにおける前記環境汚染物質の排出量を算出するために必要な当該環境汚染物質の排出原単位であって、前記第3の分類上の各部門別の1単位当たりの前記環境汚染物質の排出量を表す排出原単位を算出する(マトリクスεk)ことにより、産業連関表の産業の分類とは異なる分類上の各部門別の環境汚染物質の排出量を表すデータ(例えば、PRTRデータ)を基に、製品ライフサイクルにおける当該環境汚染物質の排出量を算出するために必要な当該環境汚染物質の排出原単位を容易に算出することができる。また、第1の分類から第3の分類へ細分化することにより、実際い環境汚染物質の投入されている部門に限定して、当該環境汚染物質の(部門1単位当たりの)排出量や投球係数を配分することにより、より現実に即した国内産業への波及効果を反映させた排出原単位を算出することができる。
【0015】
また、前記複数の第1の関連部門(例えば、I/O表分類)のそれぞれの前記排出量や前記複数の第1の関連部門間の投入係数を前記第2の関連部門(例えば、用途別分類)に配分する際には、前記第2の関連部門別の生産量あるいは生産額に応じて配分する。
【0016】
また、第2の分類(例えば、工業統計中分類)上の各部門別の環境汚染物質k(例えば、鉛)の排出量から、上記マトリクスEkを求める際には、前記第2の分類上の各部門別の前記環境汚染物質の排出量を、前記産業を分類するための前記第2の分類とは異なる第4の分類(工業統計細分類)上の前記環境汚染物質に関する各部門に配分して、当該第4の分類上の各部門別の前記環境汚染物質の排出量(マトリクスX6)を求め、当該第4の分類上の各部門別の前記環境汚染物質の排出量を、前記第1の関連部門に配分して、前記第1の分類上の各部門別の当該環境汚染物質の排出量(マトリクスX7)を求めた後、第1の分類上の各部門別の1単位当たりの当該環境汚染物質の排出量(マトリクスEk)を求める。
【0017】
さらに、評価対象の製品のライフサイクルにおいて使用される原材料・エネルギーの前記第3の分類上の各部門別の投入量と前記排出源単位を基に、当該評価対象のライフサイクルにおける前記環境汚染物質の排出量(当該製品の評価結果)を算出する。実際に当該環境汚染物質の投入されている部門からの波及効果を現した、投入係数A´、マトリクスEk´を用いているので、当該環境汚染物質が実際に投入されている部門からの排出量を推計することができ、より現実に即した信頼性の高い評価結果が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
ここでは、例えば、PRTR制度において収集された環境汚染物質の排出量データを基に、製品・サービスの各環境汚染物質の排出原単位を求めるとともに、この得られた環境汚染物質毎の排出原単位を用いて、製品のライフサイクルの各段階における当該環境汚染物質の排出量を算出することにより、当該製品の環境負荷を評価する環境負荷評価装置について説明する。
【0020】
なお、以下の説明に用いる、産業連関表(Input−Output tables,以下I/O表)は、基本取引表(取引基本表あるいは生産額表)、投入係数表、逆行列係数表の3表で構成されており、基本取引表は、各産業間で行われた製品(産業連関表の各部門(分類項目))の取引金額を表したものである。
【0021】
また、産業連関表の投入係数表は、基本取引表の各列毎に、原材料等の投入額をそれぞれの産業の生産額で除して得られた係数(投入係数)を一覧表にしたものである。横方向に並べられた各製品(I/O表分類)を1単位生産する際に必要な、縦方向に並べられた各製品(I/O表分類)の割合(比率)を表している。
【0022】
さらに、産業連関表の付帯表として作成されるコード対応表は、工業統計細分類の各部門(製品)1単位について、その部門に含まれるI/O表分類の各部門(製品)の割合(係数値)を表したものである。
【0023】
図1は、本実施形態に係る環境負荷評価装置のハードウエア的な構成例を示したもので、バス1に通信I/F装置2、可搬記録媒体ドライブ装置3、表示装置4、入力装置5、出力装置6、演算装置7および外部記憶装置8並びにメモリ9が接続されて構成されている。
【0024】
本実施形態に係る様々な手段に関するプログラムが、外部記憶装置8に予め記憶され、必要に応じて、例えば入出力手段11、アロケーション手段12、詳細化手段13、排出原単位算出手段14,製品評価手段15に対応する各プログラムがメモリ9に読み込まれて動作する。
【0025】
PRTRデータ、投入係数表、後述する各種統計データ(総務省や経済産業省などで作成されている産業連関表や工業統計データなど)等の情報を格納するデータベースは外部記憶装置8に保管されている。また、算出結果として得られた各環境汚染物質の排出原単位や、製品の環境負荷評価結果なども外部記憶装置8に格納される。
【0026】
演算装置7は、メモリ9内のプログラムを実行することで、入出力制御や各種演算処理などを行う。入力装置5としてはマウス、キーボード、出力装置6としてはプリンタ、表示装置4としてはディスプレイなどが使用される。可搬記憶媒体ドライブ装置3はフロッピーディスクドライブ、光ディスクドライブなどにより構成される。
【0027】
外部記憶装置8には、後述する、排出原単位の算出に用いる各種統計データを格納したデータベースが保管されている。
【0028】
図2は、図1の環境負荷評価装置の機能的な構成例を示したもので、第1の入力部21、アロケーション部22、詳細化部23、第1の記憶部24、排出原単位算出部25、第2の記憶部26、第2の入力部27、製品評価部28、出力部29から構成されている。なお、第1の入力部21と第2の入力部27と出力部29の機能は入力手段11に対応し、アロケーション部22の機能はアロケーション手段12に対応し、詳細化部23の機能は詳細化手段13に対応し、排出源単位算出部25の機能は排出原単位算出手段14に対応し、製品評価部28は、製品評価手段15に対応し、第1の記憶部24、第2の記憶部26は外部記憶装置8、メモリ9に対応する。
【0029】
以下、図2を参照して各構成部について説明する。
【0030】
第1の入力部21には、環境汚染物質別に、所定の分類に従った製品毎に、例えば、大気、水、土壌のそれぞれへの排出量を表した排出量データが入力する。ここでは、このような排出量データの一例として、PRTRデータを用い、環境汚染物質kについてのPRTRデータを、PRTR(k)データと表す。また、ここでは、例えば第1種指定物質として指定された環境汚染物質のうち、鉛を例にとり説明する(すなわち、k=鉛)。
【0031】
PRTRデータは、日本全国の全事業所において、各製品(工業統計中分類の各部門)を生産・製造する際に排出される各環境汚染物質の排出量を大気排出と水域排出と土壌排出とに分けて表したものである。例えば、環境汚染物質kとしての鉛の排出量についてのPRTRデータの一例を図7に示す。図7は、環境省により実施された平成12年度のPRTRパイロット事業の集計結果である。これをここでは、PRTRパイロットデータと呼ぶ。
【0032】
平成12年度のパイロット事業の「平成12年度パイロット事業報告書」は、30の都道府県市の全域または一部の地域を対象地域とし、16,149事業所を対象事業所として調査を行っている。このうち、約46%の事業所からの報告結果に基づいて数値がまとめられたものである。図7に示すPRTRパイロットデータは、平成12年度パイロット事業報告書における各産業の「鉛及びその化合物」の排出量および移動量を示している。
【0033】
このPRTRパイロットデータは、一部の地域における事業所から集められたデータを集計したものであるので、本実施形態では、これを基に日本全体の排出量を推計した結果得られた排出量データをPRTRデータとして用いて説明する。
【0034】
なお、PRTRデータは、工業統計中分類上の各部門別の環境汚染物質の排出量を表すものとして説明するが、この場合に限らず、工業統計再分類上の各部門別の環境汚染物質の排出量を表すものであってもよい。また、ここで入力されるデータは、上記のように、PRTRデータを用いて説明するが、この場合に限らず、日本全国から排出される環境汚染物質の排出量を任意の分類上の各部門別に表したデータでよい。後述するアロケーション部22において、一旦I/O表分類上の各部門別の環境汚染物質の排出量に配分することができるものであれば、どの分類に従った排出量であっても用いることはできる。
【0035】
アロケーション部22では、第1の入力部21から入力したPRTRデータ(すなわち、日本全体の各産業の事業所から排出される鉛の排出量を表すデータ)を基に、I/O表分類の各部門別(各製品)の(生産額あるいは生産量)の1単位の生産を行う際に排出される、環境汚染物質k(=鉛)の排出量を表すマトリクスEkを算出する。
【0036】
前述したように、PRTRデータでは、工業統計中分類に従った製品毎の環境汚染物質kの排出量を表している。そこで、アロケーション部22では、一旦、工業統計中分類に従った製品毎の環境汚染物質kの排出量を、I/O表分類に従った製品毎の環境汚染物質kの排出量に分配し直す。マトリクスEkは、I/O表分類における環境汚染物質kの直接排出量を表したものとなる。
【0037】
I/O表は、独自の分類によって日本全国の産業を400分類程度に分類している。PRTRデータは、事業所単位や工業統計分類単位で集計されることから、この分類の整合性を確保する必要がある。
【0038】
一般に、PRTRデータは、事業所単位・施設単位で集計される。各プロセスについてデータ収集が行われていれば、事業所単位・施設単位に集計する前の個別のデータが利用可能である。事業所内において製造されている製品が複数存在する場合には、環境汚染物質排出量の割り当て(アロケーション)を行う必要がある。
【0039】
第1の分類(例えば、工業統計中分類)に従った製品毎の排出量を、第2の分類(例えば、I/O表分類)に従った製品毎の排出量に分配するアロケーション手法としては、製品の価格(生産額)により排出量を割り当てる経済価値配分や、製品質量(生産量)によって排出量を割り当てる物量配分などが考えられる。事業所内の製造プロセスごとに各環境汚染物質の排出量が把握可能な場合を除き、このようなアロケーション手法を用いて、各製品の製造プロセスにおける環境汚染物質排出量を把握することになる。この結果求められる排出量データは、LCAにおけるフォアグラウンドデータ(直接排出量)として利用することができる。
【0040】
さらに、PRTRデータをI/O表と整合させることにより、産業間の環境汚染物質の流れを考慮することが可能となる。これにより、各プロセスからの直接排出される環境汚染物質排出量だけでなく、排出量の把握が困難な他事業所・他産業における間接的な排出量まで把握することになり、LCAにおけるバックグラウンドデータ(間接排出量)として活用することができる。
【0041】
また、PRTRデータに表されている排出量ではなく、この排出量をもとに影響評価を行った結果を用いることにより、地域性を考慮した環境影響評価を行うことが可能である。
【0042】
第1の記憶部24には、I/O表(基本取引表マトリクスTや投入係数表マトリクスAなど)が記憶されている。マトリクスTは、I/O表分類に従った製品間の取引金額を表したものであり、マトリクスAは、I/O表分類に従った製品間の投入係数を表したものである。第1の記憶部24には、マトリクスT、Aの他、アロケーション部22や詳細化部23で後述するマトリクスEkやA´、Ek´を算出する際に用いる、各種統計情報(例えば、後述するマトリクスX4a、X4b、X3、X2や、I/O表分類上の各部門別の生産量や生産額など)や、アロケーション部22や詳細化部23などにおける処理過程で得られる中間データ(例えば、後述するマトリクスX4c、X4d、X5、X5´、X6、X7、T´など)なども一時記憶される。
【0043】
詳細化部23では、I/O表分類による製品のうち、環境汚染物質に関連する製品については、より細かく分類して(詳細化)、第1の記憶部24に記憶されているマトリクスAのI/O表分類に従った製品間の投入係数を詳細化された分類に従った製品間に分配する(実際には、マトリクスTのI/O表分類に従った製品間の取引金額を詳細化された分類に従った製品間に分配した後、各要素をその列和で除することにより、詳細化された分類に従った製品間の投入係数を表したマトリクスA´を求める)。また、I/O表分類の各製品の1単位の生産を行う際に排出される環境汚染物質k(=鉛)の排出量を表す上記マトリクスEについても、I/O表分類の各製品の1単位に対する環境汚染物質kの排出量を詳細化された分類に従った各製品に分配する。
【0044】
環境汚染物質kに関連するI/O表分類に関して部門詳細化を行うことにより、環境汚染物質kを排出するプロセスにおける直接排出量を詳細に割り当てることが可能となり、より現実に即した排出量を推計することが可能となる。
【0045】
I/O表分類は、独自の分類を用いており、日本の全産業を397部門に分類している。従って、一つの部門に複数の製品が含まれることになる。排出源がある製品に限定されているような化学物質の排出を推計するためには、特定の製品のみを1つの部門として設定しなおす必要がある。対象とする化学物質に関連する部門を独立させる、あるいは新設することにより対応可能である。
【0046】
なお、本実施形態では、I/O表分類(397部門)、工業統計中分類(14部門)、工業統計細分類(577部門)のそれぞれの分類に従った各部門に対応する製品の分類として用いている。
【0047】
本実施形態の詳細化部23では、I/O表分類に従った製品を、さらに、例えばその用途別に細分化した用途別分類に詳細化する。そして、マトリクスTのI/O表分類における環境汚染物質kに関連する(物質kを排出する、物質kあるいは物質kを含む製品を原材料とするような)製品iに対応する要素値(取引金額)を、製品iを用途別にさらに細分化した用途別分類の製品uに分配した後、各要素値を素pの列和で除することにより、マトリクスA´を求める。また、物質kに対応するマトリクスEのI/O表分類の製品iの大気、水域、土壌別の排出量を、用途別分類の製品uに配分した、マトリクスEk´を算出する。
【0048】
マトリクスAの投入係数やマトリクスEの排出量を分配する際には、前述したアロケーション手法と同様、製品iの生産額に対する製品uの生産額の割合に応じて投入係数や排出量を割り当てる経済価値配分や、製品iの生産量に対する製品uの生産量の割合に応じて投入係数や排出量を割り当てる物量配分のいずれか一方を用いる。
【0049】
排出源単位算出部25では、マトリクスA´、マトリクスEk´を用いて、環境汚染物質kの排出原単位εkを算出する。すなわち、I/O表による国内産業全体への波及効果を加味した排出原単位を算出する。
【0050】
一般に、I/O法では、次式(1)により環境負荷kの環境負荷排出原単位εを算出する。次式(1)において、添え字のkは環境負荷の種類を示し、Eは直接排出係数マトリクス、AはI/O表投入係数マトリクス、Iは単位行列を表す。
【0051】
εk=Ek×(I−A)−1 …(1)
式(1)は、各部門において直接排出される環境負荷Eに加えて、国内産業全体への波及効果による間接的な排出までを含めた環境負荷排出原単位を算出するものである。この算出方法により、消費者に提供される製品・サービスの総排出量を推計できる。また、式(1)は海外において生産される財・サービス(輸入分)も、国内で生産されるとみなして計算するものである。この他にも、輸入分を無視して計算する方法もある。
【0052】
本実施形態では、上記I/O法と同様にして、上記(1)式を用いて、環境汚染物質kの排出原単位εkを算出する。すなわち、詳細化部23で算出されたマトリクスA´とマトリクスEk´を、次式(2)に代入して、排出原単位εkを用いて算出する。
【0053】
εk=Ek´×(I−A´)−1 …(2)
例えば、I/O表分類の鉛に係る製品iを用途別にさらに細分化することにより、I/O表分類の全397個の部門から、用途別分類の411部門に分類されたとする。この場合、マトリクスEk´3行411列の行列で表され、マトリクスA´は、411行411列の行例で表されている。従って、排出原単位εk(マトリクスεk)は、3行411列の行列として算出される。
【0054】
排出原単位算出部25で算出された、マトリクスεkは、第2の記憶部26に記憶される。
【0055】
製品評価部28は、第2の記憶部26に記憶された環境汚染物質kのマトリクスεkを用いて、第2の入力部27から入力された、製品のライフサイクルの各段階と、ライフサイクル全体にわたる物質kの排出量を算出する。
【0056】
第2の入力部27は、評価対象の製品について、そのライフサイクルの各段階(材料調達段階、製造段階、流通段階、使用段階、廃棄段階など)において投入される原材料やエネルギーの投入量等の情報を入力するためのものである。ここでは、評価対象のライフサイクルの各段階における、上記用途別分類(例えば、411部門)の項目毎に原材料やエネルギーの投入量を示した、各段階別の411行1列のマトリクス(以下、投入量マトリクス)が入力する。
【0057】
製品評価部28は、ライフサイクルの各段階について、各段階別の上記投入量マトリクスとεkを乗算して(次式(3)参照)、当該段階における環境汚染物質kの排出量(大気、水、土壌別)を算出する。ここで算出される環境汚染物質kの排出量は、3行1列の行列として表すことができるので、これを排出量マトリクスと呼ぶ。
【0058】
環境排気物質kの排出量マトリクス(3行1列)=εk(3行411列) ×投入量マトリクス(411行1列) … (3)
出力部29には、製品評価部28で算出された評価結果を表示するための表示データを作成して、それを表示装置4に表示する。
【0059】
(環境汚染物質kの排出原単位εkの算出)
次に、図3に示すフローチャートを参照して、図1の環境負荷評価装置のεkを算出するための処理動作について説明する。この動作は外部記憶装置8からメモリ9に転送されたプログラム(入出力手段11に対応する入出力プログラム、アロケーション手段12に対応するアロケーションプログラム、詳細化手段13に対応する詳細化プログラム、排出源単位算出手段に対応する排出源単位算出プログラムなど)に従って演算装置7を含むコンピュータにより実行され、処理結果が表示装置4に表示されるものである。
【0060】
ここでは、一例として、PRTR制度対象物質の中から「鉛及びその化合物」を対象とした場合の計算例を具体的に説明する。「鉛及びその化合物(以下、簡単に鉛と呼ぶ)」以外の物質についても同様の計算により、排出原単位を算出することができるのはいうまでもない。
【0061】
図7に示したようなPRTRパイロットデータを用いて、εkを算出するまでの処理動作について具体的に説明する。
【0062】
図8は、図7に示したPRTRパイロットデータを、縦方向に「大気排出」「水域排出」「土壌排出」を並べ、横方向に工業統計中分類の14部門の項目を並べた3行14列の行列にて表したものである。
【0063】
第1の入力部21には、図8に示すような排出量データが入力される(ステップS1)。なお、PRTRパイロットデータは、前述したように、一部の地域・事業所のみを調査対象としているため、日本全体を網羅していない。従って、ここでは、まず、図7の対象事業所数と日本全体の総事業所数の比率から、日本全体の排出量を推計する。これは、パイロット事業における対象事業所の排出状況が全国平均値であると仮定していることに等しい。
【0064】
例えば、図8の「電気機械器具」の列に注目すると(図9(a)参照)、この各要素値に、図7に示した(全国総事業所数/報告事業所数)の値を乗ずることで、日本全体の排出量を求める(図9(b)参照)。他の列についても、上記同様にして、各要素値に(全国総事業所数/報告事業所数)の値を乗ずることで、工業統計中分類(14部門)の部門別の日本全体から排出される鉛の排出量を求める。なお、この算出処理は、第1の入力部21に、図8に示したPRTRパイロットデータを入力した後、装置内(例えば、アロケーション部22)で行うようにしてもよいし、予め、図8に示したPRTRパイロットデータから、工業統計中分類(14部門)の部門別の日本全体から排出される鉛の排出量を算出した結果をPRTRデータとして第1の入力部21に入力するようにしてもよい。
【0065】
説明の簡単のため、以下、第1の入力部21には、工業統計中分類(14部門)の部門別の日本全体から排出される鉛の排出量を表した3行14列の行列(マトリクスX2)が入力したとする。この行列の各要素値amnは、工業統計中分類の製品nのm(大気、水域、土壌)別の鉛排出量を表している。図9(b)は、マトリクスX2の一部、すなわち、n=電気機械器具の列にのみを示している。
【0066】
次に、アロケーション部22では、マトリクスX2で表されている、工業統計中分類の各製品毎の鉛排出量から、I/O表分類の各製品毎の鉛排出量を推計する(ステップS2〜ステップS4)。
【0067】
そのために、ここでは、コード対応表を用いる。コード対応表は、前述したように、工業統計細分類(全577部門)の各部門とI/O表分類の各部門を関連付けるものである。一方、マトリクスX2は、工業統計中分類(全14部門)に従った各部門毎の鉛排出量を表している。従って、マトリクスX2の工業統計中分類の各部門をI/O表分類の部門にアロケーションする際には、まず、工業統計中分類の各部門を工業統計細分類の分類にアロケーションする必要がある。
【0068】
工業統計中分類に含まれている全ての部門から一様に鉛が排出されているとは限らないため、工業統計細分類の各部門における鉛の使用状況を正確に把握した上で、詳細化を行うことが望ましい。そこで、工業統計細分類における鉛排出部門を特定するために、例えば、I/O表から鉛の投入状況を抽出する。1995年I/O表においては、「鉛・亜鉛」部門として複数の財が統合されているため、1990年I/O表における「鉛」部門の投入状況を反映させて、1995年における「鉛」の投入先部門を特定する。
【0069】
「鉛」部門からの投入がある部門においては、鉛の使用および排出があると考えられる。この「鉛」投入先部門を、I/O表付帯の「コード対応表」を用いて、I/O表分類から工業統計細分類への変換を行う。これにより、工業統計細分類の部門別の鉛投入金額も明らかとなる。
【0070】
このようにして、工業統計中分類の各部門(製品)nに分類される鉛が投入されている工業統計細分類の部門jが求まる。
【0071】
n=電気機器器具の場合の鉛が投入されている工業統計細分類の部門j別の生産額cjを表すマトリクスx4aの一例を図11に示す。
【0072】
そこで、アロケーション部22では、図10に示すようなコード対応表(マトリクスx4b)と、図11に示すようなマトリクスx4aを用いて、例えば、経済価値配分(アロケーション)により、PRTRデータを工業統計中分類から工業統計細分類、さらに、I/O表分類へと詳細化する。すなわち、工業統計中分類の製品nのm(m=1:大気排出、m=2:水域排出、m=3:土壌排出)毎の鉛の排出量を表すマトリクスX2から、まず、工業統計細分類の製品jのm毎の排出量を表すマトリクスX6を算出する(ステップS2)。例えば、製品iへの鉛の投入金額に応じて、製品nの鉛の排出量を製品jに割り振る。同じ中分類に含まれる細分類は全て同じ排出状況にあることを仮定している。これにより、工業統計細分類ごとの鉛排出量が推計される。
【0073】
その後、このマトリクスX6から、I/O表分類の製品iのm毎の排出量を表すマトリクスX7を算出する(ステップS3)。そして、このマトリクスX7から、製品iの1単位からのm毎の鉛排出量を表すマトリクスEを算出する(ステップS4)。
【0074】
図3のステップS2〜ステップS4の算出処理について、図4,図5に示すフローチャートに従って、具体的に説明する。
【0075】
ここでは、工業統計中分類の各部門(製品)をnで表し、製品nに包含される工業統計細分類の部門のうち、鉛が投入されている部門(製品)をjで表す。また、前述したように、環境汚染物質kは鉛であるとする(ステップS11)。
【0076】
図11に示したような、製品jの日本全体における生産額cjを表すマトリクスX4aと、図10に示したような、製品jの1単位のうち、製品iに使用される割合bjiを表すマトリクスX4b(コード対応表)を用いて、製品jの生産額cjを、製品jが投入される製品iへ係数bjiに応じて割りふる。全てのnについて、上記同様に行い、製品jの製品iへ投入額djiを表すマトリクスX4cを求める(ステップS12)。
【0077】
例えば、マトリクスX4bの各要素値bjiに、当該要素の添え字jに対応するマトリクスX4aの要素cjを乗じて、マトリクスX4cの各要素値djiを算出する。マトリクスx4cのうち、n=電気機器器具に対応する製品jに関する行列の一部を図12(a)に示す。
【0078】
マトリクスX4cの各列について、要素値djiの和を求める。これを列和Diと表す。マトリクスX4cの各要素値djiをその要素の属する列の列和Diで除して、製品iに投入された製品jの割合ejiを表すマトリクスX4dを求める(ステップS13)。マトリクスX4dのうち、n=電気機器器具に対応する製品jに関する行列の一部を図12(b)に示す。
【0079】
次に、製品iに投入された環境汚染物質k(ここでは、k=鉛)の投入額fiを表すマトリクスX3と、上記マトリクスX4dを用いて、投入額fiを製品jに割りふる。(鉛の投入されている)全てのiについて、上記同様に行うことにより、製品jに投入された鉛の投入金額gjを表すマトリクスX5を求める(ステップS14)。
【0080】
例えば、マトリクスX4dの各要素値ejiに、当該要素の添え字iに対応するマトリクスX3の要素fiを乗じたものをj毎に足し合わせて、マトリクスX5の各要素値gjを算出する。マトリクスX3のうち、電池と電球類についての鉛投入額を図13に示し、マトリクスX5のうち、n=電気機器器具に対応する製品jに関する行列の一部を図14(a)に示す。
【0081】
マトリクスX5の列和Gk、すなわち、要素値giの和を求める。マトリクスX5の各要素値gjを列和Gkで除して、鉛の総投入金額Gkに対する製品jに投入された鉛の投入金額の割合hjを表すマトリクスX5´を求める(ステップS15)。マトリクスX5´のうち、n=電気機器器具に対応する製品jに関する行列の一部を図14(b)に示す。
【0082】
次に、工業統計中分類の各製品nのm毎の鉛の排出量amnを表すマトリクスX2と、マトリクスX5´を用いて、amnをマトリクスx5´の各要素値hjに応じて製品jに配分する。全てのnについて、上記同様に行うことにより、製品jのm毎の鉛排出量pmjを表すマトリクスX6を求める(ステップS16)。
【0083】
例えば、図15(a)に示すようなマトリクスX2のある製品nについての各要素値amnに、各jに対応するマトリクスX5´の要素hjを乗じたものを、全てのnについて求め、j毎に足し合わせて、マトリクスX6の各要素値pmlを算出する。マトリクスX6のうち、n=電気機器器具に対応する製品jに関する行列の一部を図15(b)に示す。
【0084】
さらに、製品jのm毎の鉛の排出量pmjを表すマトリクスX6を、I/O表分類上の部門iに配分したマトリクスX7を求める(ステップS17)。すなわち、再び、製品jの1単位のうち製品iに使用される割合bjiを表すマトリクスX4b(コード対応表)を用いて、各製品jのm毎の鉛排出量pmjに、当該要素の添え字j対応するマトリクスX4bの要素bjiを乗じたものを、全てのjについて求めて、i毎に足し合わせることにより、製品iのm毎の鉛排出量qmiを表すマトリクスX7を求める。マトリクスX7のうち、n=電気機器器具に対応する製品iに関する行列の一部を図16に示す。
【0085】
最後に、マトリクスX7から各要素値qmiを製品iの1単位に対するm毎の鉛排出量smiを表すマトリクスEを算出する(ステップS18)。そのために、製品i毎の日本全体における生産額あるいは生産量riを利用する。マトリクスX7の各要素値qmi、すなわち、製品iのm毎の鉛排出量を、製品iの生産額あるいは生産量riで除して、製品iの1単位に対するm毎の鉛排出量smiを表すマトリクスEを算出する。このマトリクスEは、環境汚染物質k(ここでは、k=鉛)のマトリクスであり、これをEkと表す。マトリクスEkのうち、n=電気機器具に対応する製品iに関する行列の一部を図17(b)に示す。
【0086】
図3の説明に戻り、I/O表分類上の製品iの1単位から排出されるm毎の鉛排出量を表すマトリクスEが算出されたら、次に、詳細化部23において、投入係数表(マトリクスA)の環境汚染物質kを使用あるいは排出する製品iに係る投入係数を製品iを用途別にさらに細分化した用途別分類の製品uに配分して、投入係数表A´を求める(ステップS5)。さらに、マトリクスEkのI/O表分類の製品iのm毎の鉛排出量smiを用途別分類の製品uに配分することにより、マトリクスEk´を算出する(ステップS6)。
【0087】
鉛の用途としては、鉛蓄電池(自動車用、小型シール、二輪車用、その他産業用)、無機薬品関連(テレビ・コンピュータ用、塩化ビニル、塗料/顔料、電線被覆、光学ガラス、その他)、はんだ(民生機器用、通信・産業機器用、自動車用、実装加工用、その他)、鉛管・鉛板、その他需要(その他非鉄金属製品、自動車用内燃機関、伸銅品、電子管、陶磁器、武器、ベアリング、印刷、など)があり、幅広い産業分野にわたって需要がある。また、鉛蓄電池としての使用量が最も大きい。
【0088】
I/O表分類は、上記のような鉛の各用途に必ずしも対応していない。これらの用途を正確に表現するためには、各用途に対応可能なレベルにまでI/O表分類を詳細化する必要がある。例えば、以下のようにI/O表分類を修正・詳細化を行う。1つの部門の中から、鉛に関連する財と鉛に関連しない財を明確に分離する。
【0089】
例えば、I/O表分類における「その他無機顔料」部門から、鉛丹、リサージ、黄鉛を取り出して、鉛関連の無機顔料部門を独立させる。
【0090】
I/O表分類における「その他ガラス製品」部門から「鉛ガラス」部門を取り出して独立させる。
【0091】
I/O表分類における「陶磁器」部門の中から、「セラミックス」部門を独立させる。
【0092】
I/O表分類における「鉛・亜鉛」部門を、「鉛」、「はんだ」、および「亜鉛」に分割する。
【0093】
I/O表分類における「その他非鉄金属素形材」部門から、「銅製品」を独立させる。
【0094】
I/O表分類における「その他非鉄金属製品」部門を、「鉛管」、「鉛板」、「合金」、「その他非鉄金属製品」に分割する。
【0095】
I/O表分類における「電子管」部門から、「ブラウン管」部門を独立させる。
【0096】
I/O表分類における「電池」部門から、「鉛蓄電池(自動車用)」、「鉛蓄電池(二輪自動車用)」、「鉛蓄電池(小型シール)」、「鉛蓄電池(その他)」をそれぞれ独立させる。
【0097】
上記のようにI/O表分類の部門詳細化を行うことにより、鉛に関連のある部門についてのみ排出量を割り当てることが可能となる。もともとのI/O表は、397部門×397部門のマトリクスで表現されるが、上記のような詳細化を行った結果、411部門×411部門のマトリクスとなり、これがマトリクスT´に相当する。ここでは、マトリクスAのI/O表分類に従った製品間の投入係数を詳細化された分類に従った製品間に分配するために、まず、マトリクスTのI/O表分類に従った製品間の取引金額を詳細化された分類に従った製品間に分配し、その後、各要素値をその列和で除することにより、詳細化された分類に従った製品間の投入係数を表したマトリクスA´を求める。
【0098】
図18(a)は、マトリクスTの一部を示したものである。ここで、図18(a)を基にマトリクスAの詳細化について説明する。例えば、I/O表分類の製品i=電池について、上記のような用途別(鉛蓄電池自動車用、鉛蓄電池小型シール、鉛蓄電池二輪車用、鉛蓄電池その他産業用、その他電池一般)に詳細化を行う場合を説明する。
【0099】
ここでは、用途別に分類された各製品毎の日本全体における生産額(図18(b)参照)に応じて、マトリクスTの要素値である取引金額(投入金額)を割り振る、経済価値配分の場合を説明するが、前述したように、用途別に分類された各製品毎の日本全体における生産量に応じて、マトリクスTの投入金額を割り振る、物量配分であっても全く同様である。
【0100】
例えば、図18(a)において、横方向に並べられた製品i(=電池)1単位に投入される横方向に並べられた製品i(=電池)の割合を表す要素値(投入金額)t11を用途別に分類された各製品u(「電池一般」、「鉛蓄電池自動車用」、「鉛蓄電池二輪車用」、「鉛蓄電池小型シール」、「鉛蓄電池その他産業用」)に配分するということは、当該投入金額t11を、横方向と縦方向にそれぞれ、「電池一般」、「鉛蓄電池自動車用」、「鉛蓄電池二輪車用」、「鉛蓄電池小型シール」、「鉛蓄電池その他産業用」を並べた行列(図18(c)参照)の各要素wuuに配分するということである。なお、その際、wuuの総和は、t11に等しくなるように配分する。
【0101】
投入金額を配分するために、図18(b)に示した各製品uについての生産額をα1〜α5と表すと、まず、それらの合計値Uαに対する、各製品uの生産額の比率を求め、この比率に応じて、図18(c)の各列に投入金額t11を配分する。そして、各列において、その配分された金額をさらに、各行に対応する製品uの上記比率に応じて配分する。あるいは、各列において、その配分された金額を、各行に対応する製品uで等分(この場合、5等分)して配分してもよい。さらに、明らかに製品uが投入されることのない製品についての要素値については、予め値「0」を入れておき、それ以外の要素値に対し、投入金額t11を配分してもよい。また、予めある製品u(=1〜5)について、ある製品u(=1〜5)の投入される比率がわかっているのであれば、その比率に応じて、投入金額t11を配分してもよい。
【0102】
以上のようにして、用途別に細分化された各製品iに係るマトリクスT上の各要素について、その投入金額を上記同様にして、用途別分類の各製品uに、製品uの生産額あるいは生産量の比率に応じて配分することにより、411行411列のマトリクスT´を求める。
【0103】
図18(c)は、マトリクスT´の一部を示したものである。マトリクスT´の各要素を、各列の総和(すなわち各部門の総生産額)で除することにより、投入係数表マトリクスA´が算出される。
【0104】
マトリクスEkの場合も、マトリクスAの場合と同様にして、経済価値配分、物量配分により、I/O表分類の製品iのm毎の鉛排出量smiを鉛を使用あるいは排出する用途別分類の製品uに配分する。
【0105】
例えば、I/O表分類の製品i=電池について、上記のような用途別(鉛蓄電池自動車用、鉛蓄電池小型シール、鉛蓄電池二輪車用、鉛蓄電池その他産業用、その他電池一般)に詳細化を行い、電池の鉛の排出量smiを物量配分する場合について、図19を参照して具体的に説明する。
【0106】
図19(a)は、マトリクスEkの一部であって、i=電池と電球類のm(大気、水域、土壌)別の鉛排出量smiを示したものである。このうち、電池の鉛排出量を、電池のうち鉛の投入されている製品(鉛電池)についてさらに詳細に分類した用途別分類の各製品に物量配分する場合、図20に示すような、例えば、用途別に分類した各製品の日本全体における生産量に基づき、鉛の排出量smiを割り振る。
【0107】
図20から、鉛電池に分類される各製品u(u=2〜5)の生産量β2〜β5の総和Uβを求め、この値に対する各製品u(u=2〜5)の生産量の比率を算出する。
【0108】
電池の大気への鉛排出量s11とすると、各製品uの大気への鉛排出量w1uは、s11に、当該製品uの生産量βuの総和Uβに対する比率(βu/Uβ)を乗じることにより求めることができる。
【0109】
このようにして、各製品iの鉛排出量を、鉛を使用あるいは排出する用途別分類の各製品uへ配分することにより、例えば、411部門の各製品について、大気、水域、土壌別の鉛排出量を表す3行411列のマトリクスE´を求める。
【0110】
図19(b)は、マトリクスE´の一部を示したものである。
【0111】
以上説明したように、用途別分類の各部門(製品)間の投入係数を表した、マトリクスA´と、用途別分類の各分門(製品)の大気、水域、土壌別の鉛排出量を表したマトリクスE´が得られると、次に、鉛の排出原単位εを上記式(2)から算出する(図3のステップS7)。
【0112】
まず、マトリクスA´を基に、逆行列係数マトリクス(I−A´)−1を求める。マトリクスA´を用いることにより、鉛関連部門の投入先についても実際に投入されている部門に限定させることが可能であり、より現実に即した国内産業への波及効果が表現可能となる。
【0113】
上記式(2)を用いて鉛の排出原単位εを算出した結果を図21に示す。
【0114】
図21では、上記用途別分類の411分類の一部の部門について、大気、水域、土壌別に、各部門に対応する用途別分類の製品(財・サービス)が1単位生産されるまでに排出される鉛の排出量を表形式で示している。
【0115】
第2の記憶部26は、図21に示したような、例えば全部で411部門の用途別分類の各部門毎の1単位当たりの大気、水域、土壌別の鉛排出量を表す、3行411列の行例εkを記憶する。
【0116】
(製品評価)
次に、以上のようにして算出された排出原単位εkを用いて、図1の環境負荷評価装置が製品のライフサイクル全体に関わる鉛排出量を算出するための処理動作について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。この動作は外部記憶装置8からメモリ9に転送されたプログラム(入出力手段11に対応する入出力プログラム、製品評価手段15に対応する製品評価プログラムなど)に従って演算装置7を含むコンピュータにより実行され、処理結果が表示装置4に表示されるものである。
【0117】
ここでは、例えば、ノートパソコン(ノートPC)のライフサイクル全体に関わる鉛排出量をI/O法を用いて算出する場合を例にとり説明する。
【0118】
なお、397部門のI/O表分類に従った、排出原単位εを用いて製品のライフサイクル全体に渡る例えば二酸化炭素などの排出量を算出するI/O法は、公知公用の手法である。本実施形態では、前述したように、PRTRデータのような、各事業所から排出される鉛などの環境汚染物質の排出量データを基に、鉛などの各環境汚染物質毎に、当該環境汚染物質を使用あるいは排出する部門に関して、I/O表分類よりもさらに詳細化した(例えば、用途別にI/O表分類の各部門をさらに細かく分類した用途別部門)分類による排出原単位を用いて、I/O法により、評価対象の製品の環境汚染物質のライフサイクル全体に渡す排出量を算出するものである。
【0119】
まず、評価対象であるノートパソコンのライフサイクルの各段階stにおける投入される原材料、エネルギーについて、用途別分類の各部門別にそれらの投入量を第2の入力部27から入力する(ステップS31)。
【0120】
ライフサイクルには、材料調達段階(st=1)、製造段階(st=2)、流通段階(st=3)、使用段階(st=4)、廃棄段階(st=5)がある場合、各段階(st)における各部門毎の投入量を表すデータ(すなわち、411行1列の行列)を、ここでは投入量マトリクスIDstと呼ぶ。
【0121】
製品評価部28では、図22に示したように、例えば、鉛の排出原単位を表したマトリクスεと、各段階stの投入量マトリクスとを乗算して、段階st毎の大気、水域、土壌別の排出量を表した排出量マトリクスODstを求める(ステップS32)。なお、ここでは、製品ライフサイクルの上記各段階において鉛排出量を算出する。εを用いて、図22に示したように算出される鉛排出量を間接排出量(バックグランドデータ)と呼ぶ。
【0122】
製品ライフサイクルから直接排出される量、すなわち、直接排出量(フォアグラウンドデータ)は、例えば、製造段階および廃棄段階において、評価対象の製品に含有する鉛の使用量に応じた排出量をカウントする。
【0123】
以下、各段階における間接排出量、直接排出量の算出方法について説明する。
【0124】
[1]材料調達段階
材料調達段階としては、評価対象の製品の部品構成および材料構成をもとに環境負荷を計算する。ノートPCの場合、筐体、HDD、FDD、LCDなどのユニットから構成されており、各ユニットは、鉄、銅、アルミ、樹脂、電子部品などから構成されている。このような各種材料使用量[g]を表す投入量マトリクスID(st=1)と、鉛排出原単位ε[g/g]を、掛け合わせることによって、材料調達段階における大気、水域、土壌別の鉛の間接排出量を算出する。
【0125】
[2]製造段階
ノートPCの組立て工程において、電力、工業用水、ガス、重油などのエネルギー投入量と、はんだ、段ボール、木材などの副資材使用量を求め、これら投入量を表す投入量マトリクスID(st=2)と、鉛排出原単位εを掛け合わせることにより、製造工程における大気、水域、土壌別の鉛の間接排出量を算出する。
【0126】
なお、製造工程において直接排出される鉛の量(鉛の直接排出量)は、PRTRデータをそのまま適用することが可能である。PRTRデータにある環境中への排出量と、鉛の消費量との比率を求めることにより、例えば、ノートPCのはんだ使用量から環境中への排出量を推定する。例えば、A社B事業所の環境報告書によれば、製品の鉛含有量のうち、大気および公共用水へは0.0%が排出され、土壌への排出はない。従って、ここでは製造段階における直接排出量は「0」と設定する。
【0127】
[3]流通段階
製品が工場から消費者に輸送される際に用いられるトラックや電車などの燃料消費量を表す投入量マトリクスID(st=3)と、鉛排出原単位εを掛け合わせることにより、流通段階における大気、水域、土壌別の鉛の間接排出量を算出する。
【0128】
[4]使用段階
まず、使用期間におけるトータルの消費電力を求める。例えば、使用年数を4年間とし、法人使用は8時間/日の240日/年、個人使用は5時間/日の360日/年とし、法人使用と個人使用の比率は7:3とすれば、製品の消費電力[W]から、4年間における総電力消費量が求められる。この総電力消費量を表す投入量マトリクスID(st=3)と、鉛排出原単位εを掛け合わせることにより、使用段階における大気、水域、土壌別の鉛の間接排出量を算出する。
【0129】
[5]廃棄段階
廃棄段階においては、製品の廃棄状況を設定する必要がある。例えば、製品の回収率を90%と仮定し、回収されない10%分については含有量全てが土壌に排出されるものと設定すれば、製品の鉛含有量[g]の10%が製品廃棄時に土壌に排出されるものと仮定することができる。これが廃棄段階における鉛の直接排出量である。
【0130】
製品評価部28では、以上のようにして算出されたノートPCの鉛の排出量の算出結果を基に、表示データを作成し(ステップS34)、それを表示する(ステップS35)。図23、図24は、表示データの表示例を示したものである。
【0131】
図23は、製品ライフサイクルの各段階別の鉛の間接排出量と直接排出量をテーブル形式に表した表示データの表示例であり、図24は、製品ライフサイクルの各段階別の鉛の間接排出量を大気、水域、土壌別にグラフにて表した表示データの表示例である。
【0132】
図24によれば、廃棄段階および材料調達段階における鉛排出量が大きいことがわかる。材料調達段階における排出は、製品を構成する材料・部品が製造・加工されるまでの総排出量であり、製造段階よりもはるかに大きい。製造段階においては、製品一台の鉛含有量、排出率ともに小さいために、排出量も小さい。また、流通段階においては、輸送トラックの消費燃料からの排出がカウントされるが、製品一台当たりの排出量は微量である。
【0133】
間接排出量(バックグラウンドデータ)の中では材料調達段階における排出の寄与が大きい。製品製造業者が正確に排出状況を管理することが可能である製造工程における排出量と比較して、上流工程においてより大きな規模で排出されている。従って、製品中に含まれることになる購入部品の鉛含有量をより正確に把握する、といった上流工程に対する配慮も必要不可欠あることが見えてくる。企業におけるグリーン調達の進展に伴って、自社工程よりも上流側における排出状況の把握および排出削減が進められていくことが考えられる。
【0134】
以上説明したように、上記実施形態によれば、PRTR制度において収集された環境汚染物質の排出量データを基に、I/O表分類上の各部門別の当該環境汚染物質の排出量を求める。そして、I/O表分類を例えば用途別に細分化し、この詳細化した用途別分類上の各部門に、I/O表分類上の各部門別の当該環境汚染物質の排出量を配分してマトリクスE´を算出するとともに、I/O表分類上の各部門間の投入係数を用途別分類上の各部門間に配分してマトリクスA´を算出する。マトリクスE´とマトリックスA´とから上記式(2)を用いて環境汚染物質kの排出原単位εkを算出する。
【0135】
製品ライフサイクルにおける環境汚染物質kの排出量(間接排出量)は、この排出原単位εkに、ライフサイクルの(各段階別の)原材料・エネルギーの上記用途別分類上の各部門別の投入量マトリクスを乗ずることで算出することができる。
【0136】
このように、PRTRデータとI/O表を関連付けることにより、各種環境汚染物質の排出原単位が簡易に算出することができ、製品およびサービスのライフサイクル全体にわたって様々な環境負荷排出量を把握することができる。また、算出結果に基づいて、ライフサイクル全体にわたって環境負荷を低減させた製品・サービスの設計・開発を実現することができる。
【0137】
本発明の実施の形態に記載した本発明の手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納して頒布することもできる。
【0138】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0139】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、産業連関表の産業の分類とは異なる分類上の各部門別の環境汚染物質の排出量を表すデータ(例えば、PRTRデータ)を基に、製品ライフサイクルにおける当該環境汚染物質の排出量を算出するために必要な当該環境汚染物質の排出原単位を容易に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る環境負荷評価装置のハードウエア的な構成例を示した図。
【図2】 環境負荷評価装置の機能的な構成例を示した図。
【図3】 図1の環境負荷評価装置の排出原単位を算出するための処理動作について説明するためのフローチャート。
【図4】 アロケーション部の処理動作を説明するためのフローチャート。
【図5】 アロケーション部の処理動作を説明するためのフローチャート。
【図6】 製品評価部の処理動作を説明するためのフローチャート。
【図7】 平成12年度のPRTRパイロット事業の集計結果である鉛の排出量を表したPRTRデータの一例を示した図。
【図8】 図7に示したPRTRパイロットデータを、行列形式(マトリクス1)で表した図。
【図9】 (a)図は、マトリクスX1の一部を示した図で、(b)図は、マトリクスX2の一部を示した図。
【図10】 コード対応表の一部を示した図。
【図11】 工業統計中分類の各部門別の生産額を表したマトリクスX4aを説明するための図。
【図12】 (a)図は、工業統計細分類の各部門からI/O表分類の各部門への投入額を表すマトリクスX4cを説明するための図で、(b)図は、工業統計細分類の各部門からI/O表分類の各部門への投入額の比率を表すマトリクスX4dを説明するための図。
【図13】 I/O表分類の各部門の鉛投入額を表すマトリクスX3を説明するための、マトリクスX3の一部を示した図。
【図14】 (a)図は、工業統計細分類の部門別の鉛投入額を表すマトリクスX5を説明するための図で、(b)図は、工業統計細分類の部門別の鉛投入額の比率を表すマトリクスX5´を説明するための図。
【図15】 (a)図は、工業統計中分類の各部門別の鉛排出量を表したマトリクスX2の一部を示した図で、(b)図は、工業統計細分類の各部門別の鉛排出量を表すマトリクスX6の一部であって、(a)図に対応する部分を示した図。
【図16】 I/O表分類の各部門別の鉛排出量を表すマトリクスX6の一部を示した図。
【図17】 マトリクスX6とI/O表分類の部門別の生産額とを基に算出される、I/O表分類の各部門における1単位に対する鉛排出量を表すマトリクスEを説明するための図。
【図18】 (a)図および(b)図は、産業連関表の基本取引表(マトリクスT)の詳細化について説明するための図で、(c)図は、詳細化された基本取引表(マトリクスT´)の一部を示した図。
【図19】 (a)図は、マトリクスEの一部を示した図で、(b)図は、マトリクスEを詳細化することにより得られるマトリクスE´の一部を示した図。
【図20】 マトリクスEの詳細化に用いた用途別分類の各部門の生産量を示した図。
【図21】 用途別分類の各部門別の鉛の排出原単位を表すマトリクスεの一例を説明するための図。
【図22】 製品ライフサイクルにおける環境汚染物質の排出量の算出方法を説明するための図。
【図23】 評価対象をノートパソコンとしたときの評価結果の一表示例を示した図。
【図24】 評価対象をノートパソコンとしたときの評価結果の他の表示例を示した図。
【符号の説明】
1…バス、2…通信インタフェース(I/F)装置、3…可搬記憶媒体ドライブ装置、4…表示装置、5…入力装置、6…出力装置、7…演算装置、8…外部記憶装置、9…メモリ、11…入出力手段、12…アロケーション手段、13…詳細化手段、14…排出原単位算出手段、15…製品評価手段、21…第1の入力部、22…アロケーション部、23…詳細化部、24…第1の記憶部、25…排出原単位算出部、26…第2の記憶部、27…第2の入力部、28…製品評価部、29…出力部。

Claims (4)

  1. 製品ライフサイクルにおける環境汚染物質の排出量を算出する環境負荷評価装置であって、
    産業連関表における複数の産業部門間での投入係数を示す第1の投入係数マトリックスと、前記複数の産業部門間の取引金額を表す基本取引表と、工業統計細分類の複数の細分類部門のそれぞれについて、該細分類部門で生産される1単位のうち、該細分類部門に属する各産業部門の占める割合である投入係数を表すコード対応表と、細分類部門毎の生産額/生産量を示す第1の統計データと、産業部門毎の前記環境汚染物質の投入額を示す第2の統計データと、産業部門毎の生産額/生産量を示す第3の統計データと、各産業部門に属する製品を用途別に分類した用途別製品部門毎の生産額/生産量を示す第4の統計データと、各産業部門に属する製品を用途別に分類した用途別製品部門毎の前記環境汚染物質の排出量を示す第5統計データと、を記憶する第1の記憶手段と、
    工業統計中分類の複数の中分類部門のうち、環境汚染物質を排出する中分類部門毎の該環境汚染物質の排出量を示す第1のマトリックを入力する第1の入力手段と、
    前記第1の統計データの細分類部門毎の生産額/生産量を前記コード対応表を基に各産業部門へ配分することにより、各産業部門について、各細分類部門から該産業部門への投入金額/投入量の総和に対する各細分類部門からの投入金額/投入量の割合を表す第2のマトリックを求める第1の計算手段と、
    前記第2のマトリックスを基に、前記第2の統計データの産業部門毎の前記環境汚染物質の投入額を、前記細分類部門群へ配分することにより、前記環境汚染物質の総投入金額/総投入量に対する各細分類部門に投入された前記環境汚染物質の投入金額/投入量の割合を表す第3のマトリックスを求める第2の算出手段と、
    前記第3のマトリックスを基に、前記第 1 のマトリックスの中分類部門毎の前記環境汚染物質の排出量を各細分類部門に配分することにより、中分類部門毎に、該中分類部門に属する前記環境汚染物質が投入されている各細分類分門の前記環境汚染物質の排出量を表す第4のマトリックを求める第3の算出手段と、
    前記第4のマトリックスの各細分類部門の前記環境汚染物質の排出量を、前記コード対応表を基に、前記複数の産業部門に配分することにより、各産業部門の前記環境汚染物質の排出量を表す第5のマトリックスを求める第4の計算手段と、
    前記第5のマトリックスの各産業部門の前記環境汚染物質の排出量を、前記第3の統計データの産業部門毎の生産額/生産量で除算することにより、各産業部門における 1 単位の生産額/生産量当たりの前記環境汚染物質の排出量を表す第6のマトリックを求める第5の計算手段と、
    前記第4の統計データの各産業部門における用途別製品部門毎の生産額/生産量に応じて、前記基本取引表の該産業部門の取引金額を各用途別製品部門へ配分することにより、用途別製品部門間での投入係数を表す第2の投入係数マトリックスを求める第6の計算手段と、
    前記第5の統計データの各産業部門における用途別製品部門毎の前記環境汚染物質の排出量に応じて、前記第6のマトリックスの該産業部門の要素値を各用途別製品部門へ配分することにより、用途別製品部門毎の 1 単位の生産額/生産量当たりの前記環境汚染物質の排出量を表す第7のマトリックスを求める第7の計算手段と、
    第7のマトリックスに、単位行列から第2の投入係数マトリックスを減算した結果得られる行列の逆行列を乗じることにより、各用途別製品部門における 1 単位当たりの前記環境汚染物質の排出量を表す排出原単位を求める第8の計算手段と、
    各用途別製品部門における前記環境汚染物質の前記排出原単位を表す第8のマトリックスを記憶する第2の記憶手段と、
    を具備したことを特徴とする環境負荷評価装置。
  2. 評価対象の製品のライフサイクルにおいて使用される、前記用途別製品部門別の原材料・エネルギーの投入量を表す投入量マトリックスを入力する第2の入力手段と、
    前記第8のマトリックスと前記投入量マトリックスとを乗算して、前記評価対象のライフサイクルにおける前記環境汚染物質の排出量を算出する第9の計算手段と、
    をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の環境負荷評価装置。
  3. (a)産業連関表における複数の産業部門間での投入係数を示す第1の投入係数マトリックスと、(b)前記複数の産業部門間の取引金額を表す基本取引表と、(c)工業統計細分類の複数の細分類部門のそれぞれについて、該細分類部門で生産される1単位のうち、該細分類部門に属する各産業部門の占める割合である投入係数を表すコード対応表と、(d)細分類部門毎の生産額/生産量を示す第1の統計データと、(e)産業部門毎の前記環境汚染物質の投入額を示す第2の統計データと、(f)産業部門毎の生産額/生産量を示す第3の統計データと、(g)各産業部門に属する製品を用途別に分類した用途別製品部門毎の生産額/生産量を示す第4の統計データと、(h)各産業部門に属する製品を用途別に分類した用途別製品部門毎の前記環境汚染物質の排出量を示す第5統計データと、を記憶する第1の記憶手段と、
    工業統計中分類の複数の中分類部門のうち、環境汚染物質を排出する中分類部門毎の該環境汚染物質の排出量を示す第1のマトリックを入力する第1の入力手段と、
    前記第1のマトリックスの中分類部門毎の前記環境汚染物質の排出量を、各細分類部門に配分する第1のアロケーション手段と、
    細分類部門毎の前記環境汚染物質の排出量を、各産業部門に配分する第2のアロケーション手段と、
    産業部門毎の前記環境汚染物質の排出量から、各産業部門における 1 単位の生産額/生産量当たりの前記環境汚染物質の排出量を計算する第3のアロケーション手段と、
    用途別製品部門間の投入係数を表す第2の投入係数マトリックスを算出する第1の詳細化手段と、
    各用途別製品部門における 1 単位の生産額/生産量当たりの前記環境汚染物質の排出量を計算する第2の詳細化手段と、
    各用途別製品部門における 1 単位当たりの前記環境汚染物質の排出量を表す排出原単位を求める原単位算出手段と、
    各用途別製品部門における前記環境汚染物質の前記排出原単位を記憶する第2の記憶手段と、
    を備えた、製品ライフサイクルにおける環境汚染物質の排出量を算出する環境負荷評価装置における環境負荷評価方法であって、
    前記第1の入力手段が、前記第1のマトリックを入力する第1のステップと、
    前記第1のアロケーション手段が、前記第1の統計データの細分類部門毎の生産額/生産量を前記コード対応表を基に各産業部門へ配分することにより、各産業部門について、各細分類部門から該産業部門への投入金額/投入量の総和に対する各細分類部門からの投入金額/投入量の割合を表す第2のマトリックを求める第2のステップと、
    前記第1のアロケーション手段が、前記第2のマトリックスを基に、前記第2の統計データの産業部門毎の前記環境汚染物質の投入額を、前記細分類部門群へ配分することにより、前記環境汚染物質の総投入金額/総投入量に対する各細分類部門に投入された前記環境汚染物質の投入金額/投入量の割合を表す第3のマトリックスを求める第3のステップと、
    前記第1のアロケーション手段が、前記第3のマトリックスを基に、前記第 1 のマトリックスの中分類部門毎の前記環境汚染物質の排出量を各細分類部門に配分することにより、中分類部門毎に、該中分類部門に属する前記環境汚染物質が投入されている各細分類分門の前記環境汚染物質の排出量を表す第4のマトリックを求める第4のステップと、
    前記第2のアロケーション手段が、前記第4のマトリックスの各細分類部門の前記環境汚染物質の排出量を、前記コード対応表を基に、前記複数の産業部門に配分することにより、各産業部門の前記環境汚染物質の排出量を表す第5のマトリックスを求める第5のス テップと、
    前記第3のアロケーション手段が、前記第5のマトリックスの各産業部門の前記環境汚染物質の排出量を、前記第3の統計データの産業部門毎の生産額/生産量で除算することにより、各産業部門における 1 単位の生産額/生産量当たりの前記環境汚染物質の排出量を表す第6のマトリックEを求める第6のステップと、
    前記第1の詳細化手段が、前記第4の統計データの各産業部門における用途別製品部門毎の生産額/生産量に応じて、前記基本取引表の該産業部門の取引金額を各用途別製品部門へ配分することにより、用途別製品部門間での投入係数を示す第2の投入係数マトリックスを求める第7のステップと、
    前記第2の詳細化手段が、前記第5の統計データの各産業部門における用途別製品部門毎の前記環境汚染物質の排出量に応じて、前記第6のマトリックスの該産業部門の要素値を各用途別製品部門へ配分することにより、用途別製品部門毎の 1 単位の生産額/生産量当たりの前記環境汚染物質の排出量を表す第7のマトリックスを求める第8のステップと、
    前記原単位算出手段が、第7のマトリックスに、単位行列から第2の投入係数マトリックスを減算した結果得られる行列の逆行列を乗じることにより、各用途別製品部門における 1 単位当たりの前記環境汚染物質の排出量を表す排出原単位を求める第9のステップと、
    前記第2の記憶手段が、各用途別製品部門の前記排出原単位を表す第8のマトリックスを記憶する第10のステップと、
    を含む環境負荷評価方法。
  4. 前記環境負荷評価装置が備える第2の入力手段が、評価対象の製品のライフサイクルにおいて使用される、前記用途別製品部門別の原材料・エネルギーの投入量を表す投入量マトリックスを入力する第11のステップと、
    前記緩急お付加評価装置が備える評価手段が、前記第8のマトリックスと前記投入量マトリックスとを乗算して、前記評価対象のライフサイクルにおける前記環境汚染物質の排出量を算出する第12のステップと、
    をさらに含む請求項3記載の環境負荷評価方法。
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