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JP3930593B2 - 殺菌又は静菌作用を有する3−イソチアゾリノン組成物を製造する方法 - Google Patents
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殺菌又は静菌作用を有する3−イソチアゾリノン組成物を製造する方法 Download PDF

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    • A01N43/80Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds having rings with nitrogen atoms and oxygen or sulfur atoms as ring hetero atoms five-membered rings with one nitrogen atom and either one oxygen atom or one sulfur atom in positions 1,2

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
殺菌又は静菌作用を有する殺生剤は、工業分野、或いはその他の分野で使用される多数の化学的混合物から成る材料に不可欠なものとなっている。即ち、このような材料の種々の特性は、微生物による腐敗によって損なわれるが、殺生剤によってこれを防止するものである。従って、これら殺生剤は消費者の健康も保護する。
【0002】
【従来技術】
殺生剤は、例えば、清浄化剤、磨き剤、洗剤、研磨剤、コーティング剤、接着剤、膏薬、紙、段ボール、織物、皮革、ドリル流体、金属加工流体、ラテックスエマルジョン、プラスチック、燃料および冷却回路内に使用する水等の保存に必要である。即ち、殺生剤の配合により、これら物質の寿命を実質的に長くし、密閉容器内での保管時、運搬、搬送時、或いは使用時においてのこれらの物質の特性低下を防止する。
【0003】
3−イソチアゾリノンは、最近の殺生剤に要求される最も重要な性質である殺菌性を備えた物質である。また、3−イソチアゾリノンは、バクテリア、かび菌、イースト菌および藻類に対して極めて広範な活性を有しているが、環境内で容易に分解し得るものでもある。このイソチアゾリノンは、分子内の置換基の種類によって、反応性や作用が異なるが、可溶性も異なる。
【0004】
3−イソチアゾリノンの製造法は公知であり、種々の方法で製造し得る。例えば米国特許第3,849,430号には2つの製造法が開示されている。
第1の製造法は、ジチオジアミドをハロゲン剤で環化することにより、対応する3−イソチアゾリノンに変換させるというものである。例えば、3,3’−ジチオ−N,N’−ジメチルジプロピオンアミドを塩化スルフリルと反応させることにより、5−クロロ−2−メチルイソチアゾリノンと2−メチル−3−イソチアゾリノンとの混合物が得られる。
第2の製造法では、ジチオジアミドの代わりにメルカプトアミドを使用する。例えば、N−メチル−3−メルカプトプロピオンアミドと原子状の塩素(例えば次亜塩素酸)とを反応させることにより、上記2種類の3−イソチアゾリノンの混合物が得られる。
【0005】
多くの場合、3−イソチアゾリノンは溶液の形で使用される。溶剤としては、水が好適に使用されるが、アルコール類等の極性有機溶剤も好適である。
これらイソチアゾリノン溶液のうちのある種のものは、保存中、すなわち使用前に、既に3−イソチアゾリノンの化学的分解を生じ、この結果、殺菌作用が低下することとなる。
【0006】
米国特許第3,870,795号によれば、このような欠点は、金属硝酸塩または金属亜硝酸塩を添加して、溶液中の3−イソチアゾリノンを化学的に安定化することにより解消する。
しかしながら、このような安定化は、特に分解し易いある種の3−イソチアゾリノンの場合には十分でないことが認められた。即ち、活性成分が沈殿して失われ、このため、3−イソチアゾリノン溶液の特性が著しく損なわれてしまうのである。このような現象は、かかる硝酸塩で安定化された3−イソチアゾリノン溶液について、さらに安定化処理を行うことにより抑制できる。例えば、欧州特許EP−B−95907号では、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾリノンと2−メチル−3−イソチアゾリノンとの混合物の場合、95℃×4時間の熱処理によって更なる安定化を行っている。
しかしながら、このような熱処理による安定化にも問題がある。
【0007】
例えば、3−イソチアゾリノン溶液を熱処理して比較的高い温度に保持すると、該溶液内に存在しているイソチアゾリノン製造時の副生成物が、安定化剤として添加された硝酸塩によりニトロソ化され、ニトロソアミンを形成する。このニトロソアミンは、発ガン性物質であり、あらゆる環境下で回避しなければならない。前記副生成物は、ジチオジアミドからイソチアゾリノンを製造する際に主に生じるものである。
【0008】
また、熱処理時の比較的高い温度により、3−イソチアゾリノンの一部が分解し、溶液の有効活性成分の一部が失われてしまう。更に、この分解に関連して、一部が未知の副生成物が発生し、3−イソチアゾリノン溶液の特性が損なわれてしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、3−イソチアゾリノンの少なくとも1種を含み、且つ水および/または極性有機溶剤の溶液の形で存在する殺菌又は静菌作用を有する組成物を製造する方法を提供することであり、特に、その殺菌又は静菌作用が安定に保持された組成物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記一般式:
【化2】
Figure 0003930593
式中、Yは、水素原子、炭素数1〜18の非置換アルキル基、炭素数2〜8の非置換
もしくはハロゲン置換のアルケニル基乃至アルキニル基、炭素数5〜のシクロ
アルキル基、炭素数7〜11のアラルキル基又は炭素数6〜10のアリール基で
あり、RおよびR’は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4の
アルキル基である、
で表される3−イソチアゾリノンの少なくとも1種を含む水及び/又は極性有機溶媒組成物であって、該3−イソチアゾリノンはそれ自体公知の方法で調製され、硝酸塩を添加して安定化させたものに於いて、
得られた3−イソチアゾリノンを含有する混合物に前記硝酸塩を添加した後、0.2〜1.5のpH及び40℃以下の温度に少なくとも48時間保持して更に安定化を行い、そのうえでpHをそれぞれその用途に適合する値にまで高めることを特徴とする殺菌又は静菌作用の有効持続性が改善された組成物の製造方法が提供される。
【0011】
本発明で採用される安定化では、有効活性成分が全く或いは殆ど失われることがなく、特性低下をもたらす副生成物の生成量は極めて少ない。このような副生成物は、沈殿物として、または溶液の色により、その存在を示すことができる。
【0012】
【発明の実施の態様】
本発明において、極性有機溶剤としては、これに限定されるものではないが、例えばグリコール等のアルコール、特にジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール等が好適に使用される。
【0013】
本発明によって得られる組成物中の3−イソチアゾリノンの濃度は、一定の殺菌乃至静菌作用が損なわれない限り広い範囲に設定することができるが、一般的には、1〜30重量%、特に10〜20重量%の範囲が好ましい。この濃度は、更なる安定化処理前の濃度と実質的に同じである。
【0014】
また最初の安定化処理に用いる硝酸塩としては、種々の硝酸金属塩を使用することができ、例えば米国特許第3,870,795号に開示されているような公知のものは全て使用することができるが、本発明において最も好適に使用されるのは、硝酸マグネシウムである。
かかる硝酸金属塩は、安定化処理すべき3−イソチアゾリノン溶液の濃度によっても異なるが、一般的には、該溶液当り1〜30重量%の量で使用するのが好ましい。
【0015】
本発明によって行われる更なる安定化処理は、3日〜3週間、特に1〜2週間、0.5〜1.5、特に0.8〜1.2のpH、および0〜40℃、特に10〜30℃の温度に、溶液を保持することにより行うことが好ましい。
この場合、pH調整は、硝酸塩の添加前に行っておく。即ち、環化反応等によって得られる3−イソチアゾリノン溶液のpHは著しく低く、このため、硝酸塩の添加に先立って、該溶液のpHを上述した範囲に調整しておく。このpH調整のためには、種々の塩基性化合物が使用されるが、特に好ましいものは、酸化マグネシウムである。また、これ以外にも、例えば酸化亜鉛、アルカリ金属乃至アルカリ土類金属の水酸化物等も好適に使用することができる。
【0016】
本発明の方法は、3−イソチアゾリノンとして、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾリノンおよび/または2−メチル−3−イソチアゾリノンを含む溶液に用いると特に有利であるが、これら以外の3−イソチアゾリノンを含む溶液にも適用できる。
【0017】
本発明の方法は、3−イソチアゾリノンの製造態様と無関係である。従って、このような活性成分は、例えばジチオアミドまたはメルカプトアミドの環化により、または他の公知の方法により得ることが可能となっている。
【0018】
本発明の方法は、従来行われていた比較的高温での熱処理を行うことなく、3−イソチアゾリノン溶液を安定化するものである。従って、本発明では、安定化により活性成分を全く或いはほとんど失うことがないという利点を有する。
【0019】
また本発明によれば、更なる安定化処理時の3−イソチアゾリノンの分解が防止されるので、対応する分解生成物の生成も防止される。このことは、本発明によって製造される組成物は、熱処理によって得られる公知の組成物と比較して、不純物量が少ないことを意味している。
【0020】
本発明によって得られる組成物は純度がより高く、これは外観に現れる。例えば長期間保存した場合でも、殆ど或いは全く沈殿物を含んでいないので、溶液はほぼ又は完全に透明である。これと対照的に、公知の熱処理された溶液は、銅の塩などの他の安定化剤を混合しなければ、保存中に沈殿物を生じる。
【0021】
本発明によって製造される組成物は、その色により、純度が改善されていることが判る。例えば、本発明によって得られる組成物は、ほとんど又は全く無色であるが、公知の熱処理された組成物は色が濃い。
【0022】
また公知の熱処理(約100℃)と比較すると、本発明の方法による安定化では、かなり低い温度、例えば室温で十分であるので、当然エネルギーを節約できる。
【0023】
本発明の方法は、その製造段階で生じた副生成物を不純物として含む3−イソチアゾリノンを安定化するのに特に適する。
【0024】
本発明にしたがって更なる安定化が行われた後は、3−イソチアゾリノン溶液のpHを高める。この最終時のpH値は、溶液が市販された後の用途に応じて決まる。このようなpH調整は、先のpH調整と同様の塩基性化合物を用いて行うことができ、例えば酸化マグネシウムが好適に使用される。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明について説明する。
次に示す活性成分の量は、何れも、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)により測定したものである。パーセントで表示された値は重量%である。サンプルは気密性ガラス容器で保存した。
【0026】
(製造実施例)出発物質として、5-クロロー2−メチルー3−イソチアゾリノンと2−メチルー3−イソチアゾリノンとの混合物を活性成分として含む水性コンパウンドを製造した。
これら2種の3−イソチアゾリノンは、米国特許第3,849,430号に従って製造したものである。
具体的には、ブチルアセテート(溶剤)中で、Nーメチルー3−メルカプトプロピオンアミドを原子状の塩素で環化し、2−メチルー3−イソチアゾリノン(MIT)および5-クロロー−メチルー3−イソチアゾリノン(CIT)を含む混合液を得た。
上記混合液中の塩酸塩を濾過により分離し、水に吸収させた。
こうして得られる溶液のMIT及びCIT含量は次の通りであった。
MIT:6.3%
CIT:17.3
【0027】
次いで水性酸化マグネシウムスラリーを用い、25〜27℃の温度に冷却されている条件下で上記溶液のpHを0.9に調整した後、安定化のためマグネシウム硝酸塩と混合した。
得られた溶液のpHは0.9であり、透明でほとんど無色であった。また、この溶液は次の物質を含んでいた。
MIT:3.98%
CIT:10.91%
マグネシウム:15.80%
塩化マグネシウム:5.50%
このようにして得られた溶液を、次の実施例および比較例1〜3の出発物質として用いた。
【0028】
(実施例)
上記製造実施例で得られた溶液を、pHが0.9および25℃の温度で2週間保存することにより、更なる安定化処理を行い、次に酸化マグネシウムによりpHを2.9に調整し、濾過した。
2週間の安定化の直後の溶液の活性成分の量、色度指標(ガードナーカラースケールによる)および外観を表1に示した。
また上記溶液を、54℃×2週間、及び20℃×3か月保存した時の安定性を、表2に示した。
更に上記溶液を更に水で希釈し、イソチアゾリノンの濃度を商業的に慣用されている1.5%に調整した。この希釈溶液の安定性を、表3に示した。
【0029】
表1では、活性成分の損失割合はCITについてのみ示した。ここで、CIT100%(CITの損失量が0%を示す)は、製造実施例で定量された出発物質である溶液のCIT含量(10.91%)に相当する。CITについてのみ損失割合を示したのは、CITはMITよりも殺生活性成分として実質的により活性的であり、特別な安定化を必要とするMIT/CIT混合物の代表成分でもあるため、MITを考慮せず、CITだけを考慮すれば十分だからである。
同じ理由から、表2でも、一定条件での保存後の溶液のイソチアゾリノン保持率(%)は、CITについてのみ示した。
【0030】
(比較例1)
この比較例は、米国特許第3,870,795号に記載の安定化のみが行われた場合の例であり、硝酸塩の添加のみが行われ、更なる安定化を行わなかった例である。
即ち、先の製造実施例で得られた溶液を、更なる安定化を行うことなしに、直ちに酸化マグネシウムを用いてpHを2.9に調整し濾過を行った。
このようにして得られた溶液について、実施例と同様の実験を行った。結果を表1乃至3に示す。
【0031】
(比較例2)
この例は、欧州特許出願第EP−B−95907号に記載の安定化を行った例であり、硝酸塩を添加し、次いで熱処理を行って安定化を行った例である。
即ち、先の製造実施例で得られた溶液を直ちに酸化マグネシウムを用いてpHを2.9に調整し、次に4時間×95℃の熱処理を行って安定化を行い、次に室温まで冷却し、濾過した。
このようにして得られた溶液について、実施例と同様の実験を行った。結果を表1乃至3に示す。
【0032】
(比較例3)
この比較例は、比較例2にほぼ対応するものであり、より低いpH値で熱処理による安定化を行った例である。
即ち、先の製造実施例で得られた溶液を直ちに4時間×95℃の熱処理を行って安定化を行い、次いで酸化マグネシウムを用いてpHを2.9に調整し濾過を行った。
このようにして得られた溶液について、実施例と同様の実験を行った。結果を表1乃至3に示す。
【0033】
以上の比較例1〜3からは次のことが判る。
先ず、マグネシウム硝酸塩のみによる安定化は、僅かな着色しか生じないが、極めて安定な製品が得られるものではない。
また95℃での熱処理は安定性を改善するが、この結果、明らかな変色と活性成分の損失が生じる。
これに対して、本発明の実施例では活性成分の損失もほとんどなく、また変色もなく、更に最終製品の安定性も優れている。
【0034】
【表1】
Figure 0003930593
【0035】
【表2】
Figure 0003930593
【0036】
【表3】
Figure 0003930593
【0037】
【発明の効果】
本発明では、3−イソチアゾリノンの溶液に硝酸塩を添加した後、少なくとも48時間、pHを0.2〜1.5、及び40℃以下の温度に保存した後に、pHを高くすることにより、3−イソチアゾリノンの殺菌性乃至静菌性が有効に安定化され、また液の外観も良好であり、保存の安定性が著しく向上する。

Claims (3)

  1. 下記一般式:
    Figure 0003930593
    式中、Yは、水素原子、炭素数1〜18の非置換アルキル基、炭素数2〜8の非置換
    もしくはハロゲン置換のアルケニル基乃至アルキニル基、炭素数5〜のシクロ
    アルキル基、炭素数7〜11のアラルキル基又は炭素数6〜10のアリール基で
    あり、RおよびR’は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4の
    アルキル基である、
    で表される3−イソチアゾリノンの少なくとも1種を含む水及び/又は極性有機溶媒組成物であって、該3−イソチアゾリノンはそれ自体公知の方法で調製され、硝酸塩を添加して安定化させたものに於いて、
    得られた3−イソチアゾリノンを含有する混合物に前記硝酸塩を添加した後、0.2〜1.5のpH及び40℃以下の温度に少なくとも48時間保持して更に安定化を行い、そのうえでpHをそれぞれその用途に適合する値にまで高めることを特徴とする殺菌又は静菌作用の有効持続性が改善された組成物の製造方法。
  2. 前記更なる安定化を、0.8〜1.2のpH及び10〜30℃温度条件下に1〜2週間行う請求項1記載の方法。
  3. 前記3−イソチアゾリノンとして、5−クロロー2−メチルー3−イソチアゾリノンおよび/または2−メチルー3−イソチアゾリノンを使用する請求項1又は2記載の方法。
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