JP3936065B2 - 土舗装材用結合剤組成物、土舗装材、自然土舗装方法、及び土舗装体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐水性、耐久性、耐変色性、舗装可能な十分長い可使時間を取ることができる土舗装材用結合剤組成物、土舗装材、自然土舗装方法、及び舗装構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
土を用いた舗装は古くから現在に至るまで広く利用されている。天然に産する単一土を用いた舗装から、透水性、保水性、弾力性等が要求される舗装の場合には数種類の土、砂、砂利等を混合した混合土、化学的な結合で補強された二和土(土と石灰の混合)、三和土(土、石灰と砂利の混合)等の改良土が住居の庭、競技・球技用の運動場、公園、或いは道路舗装用として広く用いられている。このように身近で多く使われている理由には土が簡単にしかも安く入手出来、舗装方法においても新設、補修も簡単で且つ経済的に舗装できるできることが挙げられる。また土を用いた舗装は身体に優しく、スポーツ競技場で特にその評価は高く、高分子舗装材が多用されている現在に於いて土舗装が持つ特有の自然感が受け入れられ、例えばアンツーカやクレー舗装が行われている所以である。
【0003】
しかし土舗装は、凍害を受け易く、且つ風雨に弱点を持っている。即ち、凍結すると舗装体が崩壊し、雨が降るとぬかるみ、勾配があると土が流されるという欠点に加えて、乾燥して風が吹くと土埃を巻き上げ土埃公害を与えるこが悩みとされている。
【0004】
このような欠点のために、冬期や降雨時と降雨直後は土舗装の庭、競技・球技用の運動場は前述の理由で通常使用は制限されている。また都会の建築物密集地にある公園、運動場を土で舗装したものは、乾燥して風が吹くと土埃が起ち折角の自然舗装も嫌われる結果となっている。
【0005】
このような凍害と風雨による土の欠点を解消するために、表層がハードなアスファルトコンクリート、或いは一般的なコンクリートで舗装したり、ソフトな高分子物質により競技・球技用の運動場、公園を全天候型に舗装する方法は既に知られているところである。しかし、これらは、土舗装と比較すると前者は固くて身体になじみ難く、後者は逆に粘弾性面から観て自然感にほど遠い特性を有している。
【0006】
このような欠点を解消して自然土舗装に近く、且つ耐久性のある土を用いた舗装がこれまでに種々工夫され研究されている。既に、その一つの方法として土に水性樹脂分散物を混合して転圧するか、土の上から散布して土を自然固結に近い状態に固める舗装方法が開発されている。しかし、この方法はエマルジョンを用いるため固結舗装直後に雨が降ると硬化性が遅いのと耐水性が乏しいために崩壊流失しやすく、特に低温の冬期においては凍害が避けられず、その欠点は顕著になる。また完全に固結した舗装体においても必ずしも耐水性が優れているとはいい難いために耐久性が満足されていない。
【0007】
また、上記水性樹脂分散物の耐水性を改良して、適度な弾性を付与して自然土舗装に近い舗装方法として液状ウレタン樹脂を用いる舗装が提案されているが、未だ市場では本格採用に至っていない。その理由は、液状ウレタン樹脂中に遊離のイソシアネート基を有するため土中の水分とイソシアネートが反応して固化が速く進むために、舗装工程中の混合、敷き均し、転圧等に必要な時間(可使時間)を確保することができないことにある。特に高温の夏期には水分とイソシアネートの反応が一段と速くなり可使時間が極端に短くなって舗装前に固結してしまう等の可使時間の調節が不可能なことが原因である。またウレタン樹脂は上記水性樹脂分散物に比べ耐水性に優れているものの、土に対する混合比率が多くなると土本来の風合いを失うため普通10%以下の添加量に抑えられる。この為ウレタン本来の耐水性が発揮し難く長期の耐久性が不十分である。
【0008】
一般的な舗装において、舗装面積が小規模の場合は舗装しようとする直近場所で材料を混合することができるが、大面積の場合や舗装箇所が付近に点在する場合には材料の混合基地を適当な場所に設けて、アスファルト舗装の場合と同様にそこから施工場所にトラックで一般道路を経由して、運搬する方法が取られるため、混合されたものが運搬に要する十分な可使時間を有していることが最も重要視される。
【0009】
特開昭58−181903号公報、特開昭62−1907号公報に土舗装に関して発明がなされているが、いずれも水性樹脂分散物が結合剤の主体であり、ポリイソシアネート化合物が硬化剤として組み合わされている。よって、配合上の水性樹脂分散物/ウレタンの固形分比においては1以上で水性樹脂分散物の方が多くなっている。また前者の発明では、可使時間の確保がが40分以内であり、この方法が適用できるものは舗装面積が小規模で舗装しようとする直近場所での混合舗装に限られ、アスファルト舗装の場合と同様に混合場所から舗装場所に一般道路を経由して運搬する舗装方法は可使時間が不足しとても使用できない。該発明の可使時間が短い理由は、用いているポリイソシアネートが単量体であり水分とイソシアネートの反応がより速いためのものであると推察される。後者の発明中の可使時間も実施例によると、前者より僅かに長い60分以内程度であって、前述の欠点を脱していない。その理由も同様である。
【0010】
一方、土舗装が人に優しく周辺の環境にマッチするには自然土色が維持されることが要求されている。ウレタン系樹脂を土舗装用の結合剤に使用する場合の最大の問題は、変色し易いことにあり、この樹脂を土粒子と混合して、所定場所に敷き均して次の工程の転圧処理に移行するまでの極めて短い時間帯においてさえグレースケール値4以上に相当する顕著な変色を生じるものであった。そして、そのまま転圧して硬化させて、表面舗装とした場合には、変色域や変色斑が舗装面の一面に発生する結果となり、本来この種の土舗装において重視される「使用した土本来の色調や風合いの表出」という要請には応えられないことになり、景観との相応性も損なわれてしまうことが問題であった。
【0011】
このウレタン系結合剤の変色は、その原因は明らかでないが、日射の強い高湿度の環境条件下で特に発生しやすいことが認められた。この現象は、無黄変性の高級ウレタン樹脂塗料の分野で賞用されている脂肪族ポリウレタンを使用した場合においてさえ見られる欠点となっている。従って、変色の問題は、各種ウレタン系樹脂を土舗装用の結合剤として使用する場合に解決すべきものとして残されていた。
【0012】
本発明者らは、この問題を鋭意研究し、解決した発明としてウレタンプレポリマーと水性樹脂分散物とからなる土舗装材用結合剤組成物を出願した。(特願平9−57585号)しかし、この土舗装材用結合剤は、耐水性、耐久性が不十分であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、土に対する混合比率が少なくても耐水性、耐久性に優れ、かつ耐変色性に優れ、可使時間を長くとれる土舗装材用結合材組成物、土舗装材、これによる舗装方法及び舗装構造体にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、このように土舗装の自然感を保持させて、且つ耐水性、耐久性、耐変色性を満足させる土舗装方法について研究の結果、少なくとも一部に1,2−ブチレンオキサイドを付加重合して得られるポリエーテルポリオールに有機ポリイソシアネート化合物をを反応させて得られる末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと水性樹脂分散物からなる土舗装材用結合材によって、直射日光下での環境にあっても黄変しない安価で且つアスファルト舗装の場合と同様に合材混合場所から舗装場所に一般道路を経由して運搬可能に十分な可使時間を確保できる結合材を見い出し本発明を完成するに至った。
【0015】
即ち、本発明は、水酸基を2個以上有するポリオールとトリレンジイソシアネートとをNCO/OH当量比で1.3以上で反応して得られ、且つ、常温で液状であるブチレンオキサイド由来の構造を有する末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と水性樹脂分散物(B)とからなることを特徴とする土舗装材用結合剤組成物と、含水量が5〜15重量%となるように調湿した土性材料(C)を有することを特徴とする土舗装材、好ましくは水性樹脂分散物(B)とウレタンプレポリマー(A)との固形分での比率(B)/(A)が1以下であること、ウレタンプレポリマー(A)が、ポリオールにトリレンジイソシアネートを反応して得られるもので、そのポリオールが、少なくとも一部に1,2−ブチレンオキサイドを付加重合して得られるポリエーテルポリオールを含み、その1,2−ブチレンオキサイドに由来するポリオールが全ポリオールの5重量%以上となるようなポリオールを必須成分として用いること、好ましくは水性樹脂分散物(B)が、ビニル系重合単量体を重合して得られる水性樹脂分散物、或いはラバーラテックスの水性樹脂分散物であること、20℃における可使時間が15時間以内であること、該土舗装材を基盤上に敷き均した後、転圧をすることを特徴とする自然土舗装方法、基盤上に土舗装材を設けてなることを特徴とする土舗装構造体を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の末端にイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、好ましくはブチレンオキサイド由来の構造を有するポリエーテルポリオールに有機ポリイソシアネートを反応させて得られる液状物であり、使用されるブチレンオキサイドを付加重合して得られるポリエーテルポリオールは、水酸基等の活性水素を含有する化合物を開始剤にし、通常のポリエーテルポリオールの製造方法にて1,2−ブチレンオキサイドを付加重合することにより得られる。勿論、最初に開始剤に1,2−ブチレンオキサイド以外のアルキレンオキサイドを付加重合し、後に1,2−ブチレンレンオキサイドを付加重合しても得ることもできる。この場合、必要に応じてポリオール内部に開環付加重合されるアルキレンオキサイドとしては、通常使用されるアルキレンオキサイドであればよく、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイド、ハロゲン含有アルキレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、イソブチレンオキサイド、グリシジルエステル、グリシジルエーテル、その他の3員環エーテルが挙げられる。
【0017】
この1,2−ブチレンオキサイドに由来するポリエーテルポリオールは、単独または他のポリオールと併用して用いることが出来るが、ウレタンプレポリマー(A)に使用される全ポリオール中に1,2−ブチレンオキサイド由来の構造単位をポリオール中に好ましくは5〜100重量%、より好ましくは20〜100重量%含有するものである、5重量%未満だと十分な耐水性の向上が得られない。他のポリオールと併用する際には、ブチレンオキサイド由来の構造単位を100%有するポリオールを全ポリオール中好ましくは20〜100重量%用いる。
【0018】
1,2−ブチレンオキサイドに由来する構造単位を有するポリエーテルポリオールと併用される他のポリオールとしては、他のイソシアネート基と反応し得る活性水素含有官能基を2個以上有する活性水素化合物を併用することができ、この具体例としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリブタジエンポリオール、アクリルポリオール、高級脂肪酸エステルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ひまし油、ポリブタジエンポリオール、ポリオール型キシレンホルムアルデヒド樹脂等がポリオールとして一部併用して使用される。これらは、好ましくは数平均分子量60〜16000のもので、その量は全ポリオール量の0〜80重量%ある。
【0019】
好ましくは水酸基を2個以上有するポリオールとイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネートとをNCO/OH当量比で、好ましくは1.3以上で反応して得られるもので、遊離イソシアネート基を分子中に好ましくは2〜20重量%含有するウレタンプレポリマーである。液状ウレタン樹脂故にポリイソシアネートの単量体含有比率が低いウレタンプレポリマーであり、混合時の可使時間を大幅に延ばしているものと考えられる
【0020】
水酸基を2個以上有するポリオールは、公知慣用のエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、3−メチルペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、トリメチロールプロパン等の単鎖ポリオール類、これら単鎖ポリオール類とアルキレンオキサイド類(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等)を単独または併用で重合させたポリアルキレンエーテルポリオール類、
【0021】
あるいはフタル酸、マレイン酸、アジピン酸、ヘット酸、コハク酸、水添ダイマー酸等の二塩基酸と前述の単鎖グリコール類とのエステル化反応によって得られるポリエステルポリオール類、ポリオール類に付加重合させたイプシロンカプロラクトンのポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ひまし油、ポリブタジエンポリオール、ポリオール型キシレンホルムアルデヒド樹脂の単体または混合物のポリオール類が挙げられる。これらは、好ましくは数平均分子量60〜16000のものである。
【0022】
イソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネートとしては、例えば、2,4/2,6=80/20異性体比のトリレンジイソシアネート(80/20TDI)、65/35TDI、2,4−100TDI、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート(ピュアーまたはモノメリックMDI)、ポリメリックMDI、クルードMDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トランスーシクロヘキサ1,4−ジイソシアネート(CHDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、m−キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、4,4’−ジフェニルメタントリイソシアネート(デスモジュールRI)等の単体若しくは混合物が使用できる。
【0023】
また液状ウレタン樹脂(A)に必要に応じて、増量剤、減粘剤としてジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルアジペート(DOA)、塩素化パラフィン、燐酸エステルのような一次可塑剤、或いは難燃性可塑剤等或いはウレタン樹脂の一般的希釈剤として用いられるアセトン、酢酸エチル、キシレン、トルエン、高沸点の溶剤類を単体或いは併用して混合することもできる。その粘度は、20℃において好ましくは50〜10,000CPSである。
【0024】
本発明の液状ウレタン樹脂(A)は、土性材料(C)100重量部に対し1〜10重量部、好ましくは2〜5重量部添加される。土性材料(C)に対する添加量が10重量部を越えると固結体がゴムの特性を呈して自然感から離れた特性となり好ましくない。添加量が、1重量部より少ないと固結強度が劣弱となり、耐水性、耐久性の実用上の性能が発揮されない。
【0025】
本発明の水性樹脂分散物(B)は、好ましくはビニル系重合性単量体を重合して得られる水性樹脂分散物或いはラバーラテックスの水性樹脂分散物である。ビニル系重合性単量体を重合して得られる水性樹脂分散物とは、例えばアクリル樹脂エマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン、アクリル酸エステル/スチレン共重合樹脂エマルジョン、ラバーラテックスとは、スチレン/ブタジエンラバーラテックス、アクリロニトリル/ブタジエンラバーラテックス、ポリクロロプレンラバーラテックス等が挙げられ、またこれらに保護コロイド、例えばポリビニルアルコール、セルローズ、デンプン等を含有していても良い水性樹脂分散物でポリマー組成、乳化剤の種類、樹脂分(%)には特に拘らない。しかしながら同時に使用する液状ウレタン樹脂(A)に対して水性樹脂分散物(B)の樹脂固形分当たり10〜100重量%、好ましくは20〜90重量%の範囲で用いられる。
【0026】
本発明に用いる土性材料(C)とは、岩石の物理的及び化学的風化によってできた固体粒子が、沈積したりあるいはよく固まらない状態で集積しているものをいい、有機物を含んでいる場合もあるものを云う。例えば真砂土、荒木田土、ローム、山砂、天然川砂等である。真砂土は花崗岩が風化してできた残積土であり、荒木田土は東京荒川沿岸の荒木田原に産したことから呼ばれるシルト質粘土で保水性の高い粘性土である。ロームは火山灰質粘性土で全国に分布している。
【0027】
これらの自然土を単一または混合して使用することもでき、或いはこれらに砂、砂利を適当な比率、好ましくは5〜20重量%を混合使用することもできる。これらの自然土中に含まれる水分は好ましくは5〜15重量%位の範囲になるよう調湿して使用することができる。
【0028】
このように調整した結合剤組成物は、土性材料(C)としての自然土と混合されるが、組成物中のイソシアネート基は、その−NCO基が水性樹脂分散物(B)中の水や自然土中の含有水と反応して、徐々に重合化し硬化を始める。水性樹脂分散物中のオリゴマーもゲル化を始め、さらに水分の蒸発に伴って、硬化し、圧縮強さ、耐水性能、耐摩耗性などの優れた舗装硬化体が得られる。そして、本発明においては、イソシアネートの硬化途上や硬化後にあっても、水性樹脂分散物の共存により、その機構は明らかでないが、ウレタン樹脂特有の変色が見られなくなるのである。
【0029】
さらに、水と反応したポリイソシアネートは、尿素結合により重合化するが、その過程で少量ながら炭酸ガスが発生し、そのガスの一部は舗装硬化体の組織内に気泡として残留して、舗装面に適度の柔らかさを付与するのに役立つのである。
【0030】
これらの評価は、舗装面にゴルフボールを1mの高さから落下させて反発係数(跳ね返り高さ)を測定することによって行うことができ、土に近い舗装程反発係数が低く、コンクリートやゴム体は反発係数が高い傾向となる。本発明の反発係数は、好ましくは10〜30、より好ましくは15〜25である。
【0031】
本発明の土舗装材は、繊維を混合しても良い。繊維は固結舗装体のひび割れ発生や舗装端部の欠落を防止するのに有用で、有機短繊維、天然繊維として、例えば紙、パルプ、羊毛、絹、木綿、麻、セルロース等や人造繊維のナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ウレタン、アクリル、ビニロン等の繊維で、好ましくは繊維長が3〜50mmで繊維の太さは特に限定されない短繊維を補強のために土性材料(C)100重量部に対して、好ましくは0.005〜0.05重量部程度単体または併用して使用することができる。
【0032】
本発明では、液状ウレタン樹脂(A)、水性樹脂分散物(B)を上述の配合範囲になるよう土性材料(C)と混合して土舗装材として供されるが、混合してから舗装可能な可使時間は、20℃で60分以上10時間以内のもので、舗装上を歩行可能になる時間が舗装後24時間以内である。
【0033】
また、本発明の土舗装材を用いる舗装方法としては、基盤上に樹脂が浸透しやすいように土性材料(C)を敷き均した上から、ウレタンプレポリマー(A)と水性樹脂分散物(B)の混合物を散布する簡易な方法でも良い。
【0034】
本発明の土性材料(C)との混合方法は、モルタルミキサー、パークミル等の一般舗装の混合に用いられる混合機を用いて混合し、一定の厚さに敷き均した後、アスファルト舗装等に用いられる一般的な転圧ローラにて、1回以上転圧舗装をすることができる。
【0035】
本発明の舗装をしようとする基盤とは、砕石転圧層、アスファルトコンクリート層、コンクリート、モルタルコンクリート等特に問わない。例えば、土、コンクリート、モルタルなどこれらに類する建築、土木等に一般的に用いられている下地、または金属、木材等の下地も挙げられる。またこれら基盤には、既に塗布されたウレタン塗膜材、エポキシ塗膜材、重合性塗膜材が形成されている場合を含むものであり、また合成高分子系の敷物、例えばPVC製のタイル、シートまたはゴム製のタイル、シート或いはこれらに類似するタイル、シート状材が接着剤で基盤に貼られている既存のものも基盤に含むものである。基盤上に舗装する自然土舗装層の厚さは、特に拘らないが好ましくは15mm以上100mm以下が好ましい、より好ましくは20〜80mmである。
【0036】
本発明の土舗装材を用いた土舗装構造体は、屋内・屋外競技・球技用の運動場、公園、ジョギングコースの歩経路或いは自転車道路、屋上舗装、道路舗装用として、身体に優しく自然感を活かせる用途に広く用いることができる。
【0037】
【作用】
結合剤の無変色機構は、必ずしも明らかでないが、結合剤を自然土粒と混合して土舗装に長期使用した場合の舗装面の変色を防止して舗装面に自然土本来の色調を保持させるのである。
【0038】
【実施例】
以下本発明を実施例及び比較例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は断りのない限り重量部を表す。
[分子末端にイソシアネート基を含有する液状ウレタン樹脂(A)の調製]
【0039】
(製造例1)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口を備えた2リットルの四つ口フラスコにハイプロックスTG−3000(大日本インキ化学工業株式会社製:ポリプロピレンエーテルトリオール、水酸基価56.1)660部、ハイプロックスDP−2000(大日本インキ化学工業株式会社製:ポリプロピレンエーテルグリコール、水酸基価56.1)540部、1、3ブチレングリコール27部、ジオクチルフタレート176部、80/20TDIを355部を仕込み80℃で5時間反応を行い液状ウレタン樹脂(Aー1)を得た。
【0040】
得られた性状は外観:淡黄色液体、遊離NCO%:5.3、粘度:5000CPS(20℃)であった。
【0041】
(製造例2)
(製造例例1)と同様な2リットルの四つ口フラスコにハイプロックスDP−1500(大日本インキ化学工業株式会社製:ポリプロピレンエーテルグリコール、水酸基価74.8)500部、NISSOーPB G−2000(日本曹達製:ポリブタジエングリコール、分子量2000)250部、1、3ブチレングリコール9部、80/20TDIを207部を仕込み80℃で5時間反応を行い液状ウレタン樹脂(Aー2)を得た。
【0042】
得られた性状は外観:淡黄色液体、遊離NCO%:5.2、粘度:9000CPS(20℃)であった。
【0043】
(製造例3)
(製造例1)と同様な2リットルの四つ口フラスコにハイプロックスTG−3000(大日本インキ化学工業株式会社製:ポリプロピレンエーテルトリオール、水酸基価56.1)240部、ハイプロックスDP−2000(水酸基価56.1)400部、ミリオネートMRー200(日本ポリウレタン製:粗製ジフェニルメタンジイソシアネート)810部を仕込み80℃で5時間反応を行い液状ウレタン樹脂(Aー3)を得た。
【0044】
得られた性状は外観:褐色液体、遊離NCO%:15.2、粘度:7600CPS(20℃)であった。
【0045】
(製造例4)
製造例1において使用したDP−2000を1,2−ブチレンオキサイドを付加重合して得られる平均分子量2000のポリオール〔大日本インキ化学工業(株)製商品名ハイプロックスBG−2000〕水酸基価56.1にした以外は製造例1と同様の方法で合成した、液状ウレタン樹脂(Aー4)を得た。
【0046】
得られた性状は外観:淡黄色液体、遊離NCO%:5.3、粘度:5000CPS(20℃)であった。
【0047】
(製造比較例1)
ミリオネートMRー200(日本ポリウレタン製の粗製ジフェニルメタンジイソシアネート)を比較用に用いた。
【0048】
性状は外観:褐色液体、固形分:100%、遊離NCO%:31.0、粘度:200CPS(20℃)であった。
【0049】
[用いた土、水性樹脂分散物(B)]
<土>
真砂土 :5メッシュの篩いを通過させた含水量10〜12%のもの
荒木田土 :5メッシュの篩いを通過させた含水量10〜12%のもの
【0050】
<水性樹脂分散物(B)>
水性樹脂分散物(B−1):エバデイックEV−15(大日本インキ化 学工業株式会社製、エチレン/酢酸ビニル 共重合タイプ、樹脂分55%)
水性樹脂分散物(B−2):ボンコート5495(大日本インキ化学工 業株式会社製、アクリル/スチレン共重合 タイプ、樹脂分55%)
【0051】
(実施例1〜3、比較例1〜12)
[舗装可使時間と固結強度測定用試験体の調製]1リットルのプラスチック製ビーカーに表1の配合により、土と液状ウレタン樹脂(A)、水性樹脂分散物(B)を加えてスパチュラにて均一になるよう混合し、舗装可使時間を計るために一定時間が経過した後、固結物の圧縮強度と曲げ強度測定用金属製型枠40×40×160mm3本に混合物を充填し、固結比重1.8±0.1になるように突き固めたものを試験体として作成した。
【0052】
結果を表2に示した。
【0053】
<評価試験方法>
[圧縮・曲弾性率]
上記試験体調製方法により作製した固結体40×40×160mmを用い「セメントの物理試験方法」JISR5201に規定する試験方法によりn=3の試験を行い平均値で示した。
【0054】
[固結物の常態及び耐水性試験]
常態物性 :上記試験体調製方法により作製した固結体を20℃、湿度65%の室内にて7日間養生したもの
耐水性 :上記試験体調製方法により作製した固結体を20℃、湿度65%の室内にて7日間養生した後、20℃の水中に7日間浸漬して取り出し、更に20℃、湿度65%の室内に24時間放置したもの試験値は常態値に対する次式の保持率で示した。
【0055】
【0056】
[ゴルフボールの反発係数]
厚さ50×300×300mmのコンクリート歩道板上に土とそれぞれ適量の液状ウレタン樹脂(A)、水性樹脂分散物(B)を加えて混合したものを厚さ50mmで固結比重1.8±0.1になるように突き固めたものを20℃、湿度65%の室内に7日間養生したものを試験体として、1mの高さからゴルフボールを落下させて、その跳ね返り高さを次式で計算して反発係数を測定した。
舗装体の配合例
【0057】
舗装体の配合例
【表1】
【0058】
混合10分後に固結強度測定用試料を調製した舗装体の強度
【表2】
【0059】
混合1、5時間後に固結強度測定用試料を調製した舗装体の強度
【表3】
【0060】
混合10、15時間後に固結強度測定用試料を調製した舗装体の強度
【表4】
【0061】
(比較例13)ウレタン系液状樹脂{三洋化成工業(株)製「サンプレンBD−04B」}100部にキシロール、メチルエチルケトン、酢酸エチル、フタル酸ジブチルをそれぞれ別個に50部を添加して攪拌し、4種類の均一な溶液に調製した。これらの各4部を真砂土(奈良県柳生産、含水率10.0%)100部に加えて、よく混練して土性配合物を作り、これをスレート板上に厚さ50mm程度に敷き均して、秋季直射日光下へ静置し、時間の経過に従って表面の色調の変化を観察した。この結果、すべての配合物が、5〜15分の経過で表面が濃褐色系の色調に変化し(グレースケール4〜5相当)、配合直後の色調とは大きく異なっていた。変色した表層部を除去すると、内部は混練直後の色調を維持していたが、そのまま直射日光下へ静置しておくと、再び著しく変色した。
【0062】
(比較例14)3種類のウレタン樹脂液{(1)三洋化成工業(株)製「サンプレンBD−04B」、(2)大日本インキ化学工業(株)製「パンデックスTP−1233」、(3)住友バイエルウレタン(株)製「スミジュール」}各100部に対して、キシロール、酢酸エチル、フタル酸ジオクチルをそれぞれ20部づつ加えて攪拌し、合計9種類の粘稠な樹脂液を調製した。
【0063】
これらの樹脂液に対して、(イ)SBRラテックス{中外商工(株)製:「ワンコートミックス」}、(ロ)エチレン酢酸ビニルエマルジョン{(株)クラレ製:「パンフレックスOM4000C」}、(ハ)アクリル酸エステルエマルジョン{コニシ(株)製「ボンドCAT202」}を、固形分濃度比(水性樹脂分散物/ウレタン系樹脂)0/10〜20/10の範囲で段階的に増加させた混合物を作り、これを真砂土(奈良県柳生産、含水率10.8%)100部に対してそれぞれ、2、3、7及び10部の各割合で添加して、よく混練し、スレート板上に厚み2.0mmになるように敷き均して試験用舗装体とした。
【0064】
この舗装体を、直射日光下で静置して時間の経過に伴う表面の色調の変化を観察した。その結果、水性樹脂分散物/ウレタン系樹脂の混合比0/10の場合が変色に至るまでの時間が5分程度で最も短く、変色の程度もグレースケール値4.5で最も大きかった。水性樹脂分散物/ウレタン系樹脂の混合比が大きくなるにつれて、変色に至るまでの時間が長くなり、変色の程度も小さくなった。この傾向は、使用した水性樹脂分散物、ウレタン系樹脂の種類と組み合わせ、使用した真砂土に対する添加量に殆ど影響されなかった。
【0065】
さらに水性樹脂分散物が混合比10/10を過ぎると変色防止の効果こそ発揮するけれども、これを締め固めて舗装層とした場合における耐久性(固結強度)が低下することになる。従って、防変色性と耐久性との両方の特性を勘案して結合剤組成物とする必要があり、このためには、水性樹脂分散物/ウレタン系樹脂の混合比を3/10〜10/10とするのが最適であると結論することができる。
【0066】
(比較例15)ウレタン樹脂{大日本インキ化学工業(株)製「パンデックスTP−1233」}、100部に対して、フタル酸ジブチル30部を加えて攪拌して樹脂液に調製した。この樹脂液100部に予め水で希釈した水性樹脂分散物としてエチレン酢酸ビニルエマルジョン{(株)クラレ製:「パンフレックスOM4000C」固形分35%}をそれぞれ、(1)50部(水性樹脂分散物/ウレタン系樹脂の混合比2/10)、(2)70部(同混合比3/10)、(3)100部(同混合比5/10)、(4)150部(同混合比7/10)、(5)200部(同混合比9/10)、(6)250部(同混合比11/10)、(7)300部(同混合比14/10)、(8)350部(同混合比16/10)の割合で添加して、攪拌して8種類の混合液に調節した。
【0067】
これらの混合液4部を真砂土(奈良県柳生産、含水率13.1%)100部に混合して機械混練し、予め転圧しておいた砕石路盤上に厚さ80mm程度に敷き均して、約1時間後にローラー転圧して土舗装面とした。
【0068】
この作業は、気温25℃の直射日光下で実施したものであるが、混練土の敷き均しのあとの段階はもとより、当該期間における表面への降雨降雪にも拘らず、土舗装として充分に機能していた。他方(1)の舗装面は経時的な変色が大きく、硬めの仕上がりで舗装面には不向きであり、(6)〜(8)の舗装面は変色こそ見られないものの、舗装体としては強度不足の状態で、水性樹脂分散物(B)の過多のため降雨水によって随所に浸食を受けていた。
【0069】
【発明の効果】
本発明は、分子末端にイソシアネート基を含有すウレタンプレポリマー(A)と水性樹脂分散物(B)、土性材料(C)の混合物からなる舗装材で、可使時間を長く取ることが出来、舗装体も耐水性、耐久性に優れることから、競技・球技用の運動場、公園、ジョギングコースの歩経路或いは簡易道路舗装用として、身体に優しく自然感を活かせる用途に広く用いることができる。
特に(A)で使用するポリオールが、その少なくとも一部に1,2−ブチレンオキサイドを付加重合して得られるポリエーテルポリオールを含むものは耐水性に優れている土舗装材用結合剤組成物であった。
【0070】
本発明の土舗装材用結合剤は、必要な可使時間の確保を自然土中に含有する水分とエマルジョン中の水分子が液状ウレタン樹脂(A)のイソシアネート基との反応において、水性樹脂分散物(B)がイソシアネート基を包み込んで保護すると推測され、そのためにイソシアネート基と水の反応が遅延されることと、液状ウレタン樹脂(A)がポリイソシアネートの単量体含有比率が低いウレタンプレポリマー組成物であることが可使時間を大幅に延ばしているものと考えられる。
Claims (7)
- 水酸基を2個以上有するポリオールとトリレンジイソシアネートとをNCO/OH当量比で1.3以上で反応して得られ、且つ、常温で液状であるブチレンオキサイド由来の構造を有する末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と水性樹脂分散物(B)とからなることを特徴とする土舗装材用結合剤組成物と、
含水量が5〜15重量%となるように調湿した土性材料(C)を有することを特徴とする土舗装材。 - 水性樹脂分散物(B)とウレタンプレポリマー(A)との固形分での比率(B)/(A)が1以下であることを特徴とする請求項1記載の土舗装材。
- 該ウレタンプレポリマー(A)が、ポリオールにトリレンジイソシアネートを反応して得られるもので、そのポリオールが、少なくとも一部に1,2−ブチレンオキサイドを付加重合して得られるポリエーテルポリオールを含み、その1,2−ブチレンオキサイドに由来するポリオールが全ポリオールの5重量%以上となるようなポリオールを必須成分として用いることを特徴とする請求項1又は2記載の土舗装材。
- 水性樹脂分散物(B)が、ビニル系重合単量体を重合して得られる水性樹脂分散物、或いはラバーラテックスの水性樹脂分散物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の土舗装材。
- 20℃における可使時間が15時間以内であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の土舗装材。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の土舗装材を基盤上に敷き均した後、転圧をすることを特徴とする自然土舗装方法。
- 基盤上に請求項1〜6のいずれかに記載の土舗装材を設けてなることを特徴とする土舗装構造体。
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