JP3936067B2 - 半導体製造用燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素導入用の内管と酸素導入用の外管とを有する二重管によって燃焼管内に水素と酸素を導入し、水素を燃焼させることにより水蒸気を生成する半導体製造用燃焼装置に関し、特に、酸化膜の形成や不純物の拡散などに好適に用いられる半導体製造用燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水素と酸素を反応(燃焼)させることで発生する水蒸気を用いて、半導体ウエハ表面の酸化及び熱処理を行う技術が広く知られている。この技術では、図10に示すような燃焼装置が多用されている。
【0003】
同図において、1は燃焼管、2は燃焼管1内に水素及び酸素を導入する二重管である。この場合、内管3が水素導入用で、外管4が酸素導入用である。二重管2の周囲には、燃焼管1内に放出される水素と酸素を加熱するためのヒータ5を配置してある。したがって、燃焼管1内で、酸素との反応により燃焼する水素炎6は、通常、内管3の先端部に形成される。生成された水蒸気は、供給管7を介して図示しない半導体の処理炉内に送られる。
【0004】
ところで、燃焼管1や二重管2等は、一般に石英から作られている。その理由として、耐熱性があること、水素炎6により生成される水蒸気内に、ウエハの処理に不都合な不純物が混入されにくいこと、などが挙げられる。
【0005】
ところが、このような構成の燃焼装置では、水素炎6の熱によって、特に内管3の先端部が高温になり溶けてしまうしっとうが起こり、パーティクルや石英の汚染を炉の中へ送り込んでしまい、半導体の特性を劣化させる問題があった。
【0006】
この点の解決手段として、例えば、特開平8−008241号公報に記載の技術がある。この技術は、水素導入用のノズルの先端部に円筒状のカバーを取り付けることで、水素炎の高温部をノズルの先端部から離すように工夫したものである。また、ノズルの先端部をSiC等の耐熱性材質に変更することで、ノズル先端部の劣化が少なくなるように配慮したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特開平8−008241号公報に記載の技術においては、ノズルの先端部に円筒状のカバーを取り付けるという、余分な部材を装備しなければならない問題がある。また、このように円筒状のカバーを取り付ける方法は、単管のノズルに対しては簡便に取り付けられるが、二重管構造のものには不向きである。なぜなら、この円筒状のカバーは内管に取り付けなければならず、その場合、外管の存在とその機能に悪影響を及ぼさないようにしなければならないからである。
【0008】
また、この円筒状のカバーを取り付けることによって、水素炎の高温部をノズルの先端部から離した場合、ノズル先端部の温度は若干低下することになるが、水素炎自体はノズル先端部に接しているため依然として高温であり、ノズル先端部のしっとうや劣化を効果的に防止できる程度に有効ではない。
【0009】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、水素及び酸素導入用二重管の内管先端部のしっとうや劣化を簡易な方法で効果的に防止することができる技術を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明では、水素導入用の内管と酸素導入用の外管とを有する二重管の先端開口部を燃焼管内に望ませ、内管の先端部から放出する水素を燃焼させて水蒸気を生成する半導体製造用燃焼装置において、内管の外周部分に、内管の先端部付近を冷却するための冷却手段を設けた。
【0011】
冷却手段としては、内管の外周部分に形成した凹凸面と、外管内を流れる酸素とを含む構成とするのが大変好適である。その場合、冷却手段は、内管の周方向に沿って一周し、内管の軸方向に間隔をおいて形成した複数の環状冷却フィンを含む構成とすることもできる。また、冷却手段は、内管の軸方向に延び、内管の周方向に間隔をおいて形成した複数のリブ状冷却フィンを含む構成とすることもできる。
【0012】
また、本発明では、水素導入用の内管と酸素導入用の外管とを有する二重管の先端開口部を燃焼管内に望ませ、内管の先端部から放出する水素を燃焼させて水蒸気を生成する半導体製造用燃焼装置において、内管及び外管の先端部を先細りに形成した。ここで、先細りにする内管の先端部の口径は、その先端部から放出する水素の流速との関係で、水素炎が内管の先端部から離れた位置で燃焼するように設定するのが好適である。
【0013】
また、本発明では、水素導入用の内管と酸素導入用の外管とを有する二重管によって燃焼管内に水素と酸素を導入して燃焼させることにより水蒸気を生成する半導体製造用燃焼装置であって、燃焼管内に配置した発熱体と、この発熱体にレーザー光を照射して燃焼管内の水素の発火点温度以上に発熱させるためのレーザーとを備える構成とした。その場合、燃焼管を透明な耐熱性材料で形成し、その燃焼管の外から発熱体にレーザー光を照射するように構成することもできる。また、発熱体の材料にSiCを用いることもできる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体製造用燃焼装置の全体構成図であり、図2は二重管の先端開口部の拡大平面図、図3は図1のAで囲む二重管の先端開口部の拡大断面図である。
【0016】
これらの図において、1は燃焼管であり、耐熱性のある石英等によって形成している。この燃焼管1の一端側11に二重管2を接続し、その二重管2の先端開口部21を燃焼管1内に望ませている。そして、燃焼管1の他端側12に、図示しない半導体の処理炉へ水蒸気を導く供給管13を設けている。
【0017】
二重管2は、水素導入用の内管3と、酸素導入用の外管4とを有する。内管3及び外管4には、図示しない供給設備から水素(H2 )及び酸素(O2 )がそれぞれ供給される。
【0018】
この二重管2の周囲には、燃焼管1内に放出される水素と酸素を加熱するためのヒータ5を配置してある。ヒータ5の温度は800℃前後である。したがって、燃焼管1内で、酸素との反応により燃焼する水素炎6は、内管3の先端部(開口3a部分)に形成される。
【0019】
この第1の実施形態では、内管3の外周部分に、内管3の先端部付近を冷却するための冷却手段を設けた点に大きな特徴がある。冷却手段については、内管3の外周部分に形成した凹凸面と、外管4内を流れる酸素との組み合わせを利用する考え方を採用している。
【0020】
即ち、冷却手段の主体となる凹凸面は、図2及び図3に示すように、内管3の周方向に沿って一周し、内管3の軸方向に間隔をおいて配置した複数の環状冷却フィン31によって形成している。これらの環状冷却フィン31は、図示例では内管3の先端部付近又は全体の肉厚を厚くし、外周部分に環状の溝を設けることによって形成している。勿論、この環状冷却フィン31は、内管3の肉厚を通常とし、内管3の外周面から突出する形態とすることもできる。何れにしても内管3と一体に形成する方が熱伝導及び放熱効果等の観点から好ましい。
【0021】
内管3及び外管4の材質に関しては、共に石英製とすることもできるが、少なくとも内管3を石英よりも耐熱性に優れた炭化珪素(SiC)で形成するのが好ましい。
【0022】
この第1の実施形態によれば、内管3の先端部付近の外周部分に複数の環状冷却フィン31を形成しているので、放熱効果が大きくなり、その分、内管3の先端部は冷却される。この際、外管4内を流れる酸素が冷媒として働き、冷却フィン31の熱を連続的に奪う、いわゆる熱交換作用が活発に行われる。したがって、内管3の先端部は効果的に冷却される。
【0023】
この結果、従来のように内管3の先端部が溶けてしっとうしたり、劣化したりするのを効率的に防止することができる。しかも、外管4内を流れる酸素を冷媒に利用するので、内管3にはこのように冷却フィン31を設けるだけの簡単な構成で済ますことができる。
【0024】
図4及び図5は、本発明の第2の実施形態を示す平面図及び断面図をそれぞれ示す。この実施形態では、冷却手段の主体となる凹凸面を、内管3の軸方向に延び、内管3の周方向に間隔をおいて配置した複数の縦リブ状冷却フィン32によって構成したものである。
【0025】
この冷却フィン32は、二重管2の軸方向に延びているため、冷却フィン32の、内管3の半径方向外方への突出長を大きくしても、外管4内を流れる酸素の流路を閉塞する問題は生じない。したがって、冷却フィン32の、内管3の半径方向外方への突出長を大きくして、放熱効果をより高められる利点がある。
【0026】
この点に着目した場合、例えば、第3の実施形態として図6に示すように、各冷却フィン33の一部あるいは全部を外管4の内面に突き当てた構成とすることもできる。このようにすれば、放熱効果をさらに高めることができる他、冷却フィン33を内管3と外管4との位置決め用スペーサとしての機能も持たせることができる。
【0027】
なお、図6においては、内管3と外管4とは別部材として構成した例を示しているが、一つの部材として一体に形成してもよい。そうすれば、製作性の点からも大変好ましい構造となる。
【0028】
図7及び図8は、本発明の第4の実施形態を示す全体構成図及び要部の拡大断面図をそれぞれ示す。この実施形態では、水素導入用の内管3と酸素導入用の外管4とを有する二重管2の先端開口部を先細りに形成した点に特徴がある。即ち、内管3及び外管4の両方の先端部を積極的に先細りにしている。
【0029】
そして、先細りにする内管3の先端部の口径(開口3aの口径)は、その開口3aから放出する水素の流速との関係で、水素炎6が内管3の先端部から離れた位置で燃焼するように設定している。その他の構成については先の実施形態と同様であるので、同一符号を付してその説明を省略する。
【0030】
二重管2の先端開口部21をこのように構成した場合、水素及び酸素が放出される流速が早くなり、このため内管3の先端部から離れたところで着火してそこに水素炎6が形成される。したがって、内管3の先端部が異常に温度上昇することはなくなるので、その先端部がしっとうすることもない、これにより、パーティクルや汚染を炉内に送り込まないようにすることができる。また、水素及び酸素の流速が速いため、水素が逆流して爆発するといった危険も根本的になくすことができる。
【0031】
図9は、本発明の第5の実施形態を示す全体構成図である。この実施形態では、水素導入用の内管3と酸素導入用の外管4とを有する二重管2によって燃焼管1内に水素と酸素を導入して燃焼させる際の着火方法に工夫を凝らした点に特徴がある。
【0032】
即ち、先の実施形態で示したように、水素と酸素の加熱手段であるヒータ5を配置する代わりに、燃焼管1内に配置した発熱体7と、この発熱体7にレーザー光8aを照射して燃焼管1内の水素の発火点温度以上に発熱させるためのレーザー8とを備える構成としたものである。
【0033】
その場合、燃焼管1を透明な耐熱性材料(透明石英ガラス等)で形成し、燃焼管1の外から発熱体7にレーザー光8aを照射するように構成している。レーザー光には、加熱効果に優れた赤外線レーザー光が好適に用いられる。符号9は二重管を加熱するヒータの代わりに燃焼管1を加熱するように配置したヒータを示している。このヒータ9の温度は200℃前後に保たれる。
発熱体7の材料としては、水素の着火温度以上の発熱によっても不純物を発生せず、かつ、赤外線レーザー光の反射率が低い材料であれば特に限定されないが、SiC(炭化珪素)や有色のサファイア、シリコン(Si)などが用いられる。
【0034】
発熱体7は、燃焼管1内の中央部分に配置しているが、この位置は適宜に変更することも可能である。ただ、特に図示していないが、発熱体7を支持する部材も燃焼管1内に配置する必要がある。この支持部材は、発熱体7を下から支持する構成とすることが好ましい。なぜなら、水素炎6の熱的影響を殆ど受けないように配慮することができるからである。
【0035】
この支持部材についても、発熱体7とほぼ同程度の性能をもつ材質で構成するのが好適である。勿論、発熱体7や支持部材については、上記の耐熱性材料を他の材料からなるベース材の表面にコーティングすることによって構成することもできる。
【0036】
この実施の形態によれば、レーザー光8aで加熱される発熱体7を熱源として着火する水素炎6は、内管3の先端部から離れた位置で燃焼する。したがって、内管3の先端部が異常に温度上昇することはなくなるので、その先端部がしっとうすることもない。これにより、パーティクルや汚染を炉内に送り込まないようにすることができる。
【0037】
また、着火のための熱源となる発熱体7が燃焼管1内に存在することになるので、先の実施形態のように二重管2の回りに配置するヒータを不要にすることができる。この点からすれば、燃焼管1を加熱するためのヒータ9も基本的には不要である。しかし、二重管2自体の温度が低下しすぎないように保持する意味からは有効である。その理由は、通常、水素の着火、燃焼、燃焼終了が繰り返されるので、その際の温度変化を小さくすることができるからである。
【0038】
なお、以上の実施形態では、半導体処理炉の外部にある燃焼装置に適用した例を述べたが、半導体処理炉の内部にこの燃焼装置を設けたものにも本発明を適用することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、水素導入用の内管と酸素導入用の外管とを有する二重管によって燃焼管内に水素と酸素を導入して燃焼させることにより水蒸気を生成する装置において、内管の外周部分に、内管の先端部付近を冷却するための冷却手段を設けたので、水素炎による内管先端部のしっとうや劣化を簡易な方法で効果的に防止することができる。
【0040】
また、内管及び外管の先端部を積極的に先細りに形成することによって、水素及び酸素が放出される流速を速くし、内管の先端部から離れたところに水素炎を形成することができる。したがって、内管の先端部が異常に温度上昇することはなくなるので、その先端部がしっとうすることもない、これにより、パーティクルや汚染を炉内に送り込まないようにすることができる。また、水素及び酸素の流速が速いため、水素が逆流して爆発するといった危険も根本的になくすことができる。
【0041】
また、本発明によれば、水素導入用の内管と酸素導入用の外管とを有する二重管によって燃焼管内に水素と酸素を導入して燃焼させる際に、燃焼管内に配置した発熱体にレーザー光を照射して燃焼させ、これにより内管の先端部から水素炎を離すようにしたので、内管先端部のしっとうや劣化をさらに確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体製造用燃焼装置の全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体製造用燃焼装置の二重管の先端開口部を示す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体製造用燃焼装置の二重管の先端開口部を示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る半導体製造用燃焼装置の二重管の先端開口部を示す平面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る半導体製造用燃焼装置の二重管の先端開口部を示す断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る半導体製造用燃焼装置の二重管の先端開口部を示す平面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る半導体製造用燃焼装置の全体構成図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る半導体製造用燃焼装置の二重管の先端開口部を示す断面図である。
【図9】本発明の第5の実施形態に係る半導体製造用燃焼装置の全体構成図である。
【図10】従来の燃焼装置の全体構成図である。
【符号の説明】
1 燃焼管
2 二重管
3 内管
3a 開口
4 外管
5 ヒータ
6 水素炎
7 供給管
8 レーザー
8a レーザー光
9 ヒータ
11 一端側
12 他端側
13 供給管
21 先端開口部
31 環状冷却フィン(冷却手段)
32、33 リブ状冷却フィン(冷却手段)
Claims (8)
- 水素導入用の内管と酸素導入用の外管とを有する二重管の先端開口部を燃焼管内に望ませ、内管の先端部から放出する水素を燃焼させて水蒸気を生成する半導体製造用燃焼装置において、前記内管の外周部分に、内管の先端部付近を冷却するための冷却手段である複数の冷却フィンを設けたことを特徴とする、半導体製造用燃焼装置。
- 前記冷却手段は、前記内管の周方向に沿って一周し、該内管の軸方向に間隔をおいて配置した複数の環状冷却フィンで構成される、請求項1に記載の半導体製造用燃焼装置。
- 前記冷却手段は、前記内管の軸方向に延び、該内管の周方向に間隔をおいて配置した複数の縦リブ状冷却フィンで構成される、請求項1に記載の半導体製造用燃焼装置。
- 前記冷却手段は、前記縦リブ状冷却フィンの一部あるいは全部が外管の内面に突き当たるように構成される、請求項3に記載の半導体製造用燃焼装置。
- 水素導入用の内管と酸素導入用の外管とを有する二重管の先端開口部を燃焼管内に望ませ、内管の先端部から放出する水素を燃焼させて水蒸気を生成する半導体製造用燃焼装置であって、
前記燃焼管内に配置された発熱体であって、前記内管の先端部から離間する位置に配置される発熱体と、
この発熱体にレーザー光を照射して燃焼管内の水素の発火点温度以上に発熱させるためのレーザーと
を備えていることを特徴とする、半導体製造用燃焼装置。 - 前記発熱体は、自身が熱源となって着火した水素炎が前記内管の先端部から離れた位置で燃焼する状態となる位置に配置される、請求項5に記載の半導体製造用燃焼装置。
- 前記先端開口部は、先細り状に形成される、請求項5または6に記載の半導体製造用燃焼装置。
- 前記内管は、炭化珪素で形成される、請求項1から7の何れかに記載の半導体製造用燃焼装置。
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