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JP3937163B2 - 鍛造成形方法および鍛造型 - Google Patents
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荒地鍛造と仕上鍛造とを含む鍛造成形方法および該方法の実施に用いる鍛造型に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車部品の1つであるステアリングナックル用の鍛造粗形材は、図6および7に符号1にて示すように、大端部2と小端部3とを屈曲形状のコラム部4により連接した形状となっている。このような鍛造粗形材1は、その大端部2と小端部3との間に大きな径差および高低差があるため、これを一回の鍛造で仕上げることは困難である。そこで、通常は、事前にロール成形および曲げ成形を行って予備成形体を得、この予備成形体を鍛造素材として用いて、荒地鍛造および仕上鍛造を順に行い、最終的にトリミングを行って鍛造粗形材1を得るようにしていた。なお、一部では、事前に曲げ成形を行わずに、トリミング後の最終工程で曲げ成形を行っている(例えば、特許文献1参照)
【0003】
図8〜10は、上記した荒地鍛造に用いられる従来の荒地型10を示したもので、インプレッション11の一端側の大端成形部11aの外側に位置決め部12を配置した下型13と、大端成形部14aを含むインプレッション14の周りにフラッシュランド部15を配置した上型16とからなっている。
荒地鍛造に際しては、図8に示したように、上記ロール成形および曲げ成形により得られた予備成形体Wを、その一端部を前記位置決め部12に係合させた状態で下型13上に位置決め載置した後、上型16を下降させる。すると、図10に示すように、予備成形体Wが下型13と上型16との間で押し潰され、インプレッション11と14との間に材料がフィルアップすると共に、下型13の型合せ面と上型16のフラッシュランド部15との間(フラッシュランド)、および位置決め部12を含む下型13の型合せ面と上型16の型合せ面との間(ガッタ)に余分な材料が流入し、これにより周辺にバリ6を有する荒地鍛造品5が得られるようになる。
なお、下型のインプレッションの周りに位置決め部を配置することは、予備成形体を鍛造素材として用いる場合に、一般的に採用されることである(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−179476号公報
【特許文献2】
特開2001−105080号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の鍛造成形において材料歩留りの向上を図るには、荒地鍛造で用いる鍛造素材(予備成形体W)として、できるだけ長さの短いものを用いるのが望ましい。しかし、予備成形体Wの長さを短くすると、図11に示すように、下型13に設けられる位置決め部12をインプレッション11に近づけなければならず、この場合は、上型16に設けられるフラッシュランド部15´の肉厚が必然的に薄くなり、結果としてフラッシュランド部15´の強度が低下して型破損や異常摩耗を招くことになる。
本発明は、上記した技術的背景に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、荒地型に設ける位置決め部をインプレッションに近づけても型破損や異常摩耗を招くことがないようにし、もって材料歩留りの向上に大きく寄与する鍛造成形方法および鍛造型を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る鍛造成形方法は、位置決め部をインプレッションに近接して配置した下型と前記位置決め部に対向する側のフラッシュランド部を省略した上型とにより荒地鍛造をした後、規定のフラッシュランド部を有する仕上型により仕上鍛造をすることを特徴とする。
このように行う鍛造成形においては、上型から、下型の位置決め部に対向するフラッシュランド部が省略されているので、位置決め部をインプレッションに近づけても、上型が型破損や異常摩耗を起こすことはなくなる。
本鍛造成形方法は、下型の位置決め部をインプレッション側から型外方へ2段に設け、荒地鍛造に際し、前記インプレッションから後退して配置される位置決め部により、仕上鍛造用の被位置決め部をバリ部に形成するようにしてもよいもので、この場合は、バリ部に形成した被位置決め部を利用して、後の仕上鍛造を円滑かつ高精度に行うことができる。
本発明に係る鍛造型は、上記した鍛造成形方法の実施に用いるもので、荒地型と仕上型とからなり、前記荒地型は、位置決め部をインプレッションに近接して配置した下型と前記位置決め部に対向する側のフラッシュランド部を省略した上型とを備え、前記仕上型は、規定巾のフラッシュランド部を備えていることを特徴とする。
本鍛造型は、上記荒地型の位置決め部が、インプレッション側から型外方へ2段に設けられており、仕上型の位置決め部が、前記荒地型の2段の位置決め部のうち、インプレッションから後退して配置される位置決め部と同じ大きさおよび配置で設けられている構成とすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基いて説明する。
図1乃至3は、本発明に係る鍛造型を構成する荒地型20を、図4および5は、同じ鍛造型を構成する仕上型30をそれぞれ示したものである。なお、本鍛造型は、前記ステアリングナックル用鍛造粗形材1(図5、6)の鍛造成形に用いられるもので、仕上型30については、要部のみを示している。
【0008】
本荒地型20は、従来の荒地型10(図8)と同様に、インプレッション21の一端側の大端成形部21aの外側に位置決め部22を配置した下型23と、大端成形部24aを含むインプレッション24の周りにフラッシュランド部25を配置した上型26とを備えている。
本実施の形態において、上記荒地型20の下型23は、その位置決め部22をインプレッション21の大端成形部21aに近接して配置した構造となっている。図1中、一点鎖線は、従来の下型13(図8)における位置決め部12の位置を表しており、本下型23における位置決め部22は、この従来の位置決め部12に対して距離Lだけインプレッション21に接近して配置されている。
【0009】
また、この下型23の位置決め部22は、インプレッション21側から型外方へ2段に設けられている。この2段の位置決め部のうち、インプレッション21に近接する側の位置決め部(以下、これを第1位置決め部という)22Aは、前記ロール成形および曲げ成形で得られた予備成形体Wを下型23に対して位置決めするためのものである。しかして、この第1位置決め部22Aは、上記したように従来の位置決め部12に対して距離Lだけインプレッション21に接近して配置されており、したがって、前記予備成形体Wは、前記距離L分だけ短くなるようにその長さが設定されている。一方、インプレッション21から後退する側の位置決め部22B(以下、これを第2位置決め部という)は、本荒地型20により鍛造された荒地鍛造品F(図3)のバリ部F1に、後の仕上鍛造に必要な被位置決め部F2を成形するためのものである。
【0010】
荒地型20の上型26は、そのフラッシュランド部25の一部であって、下型23の位置決め部22に対向する部分(図8、10に符号15にて指す部分)を省略すると共に、このフラッシュランド部25の省略部分とその型合せ面とを、なだらな緩傾斜面27で接続した構造となっている。すなわち、上型26は、その緩傾斜面27を下型23の位置決め部22に対向させており、これにより、鍛造時の型閉じ状態(図3)において下型23の位置決め部22と上型26との間には、フラッシュランドとして必要な間隙よりも大きな間隙が形成されるようになっている。なお、この上型26のフラッシュランド部の25は、従来のフラッシュランド部15(図8、10)と同じ幅(規定幅)を有するようにその大きさが設定されている。
【0011】
仕上型30は、図4および5に示すように、インプレッション31の一端側の大端成形部31aの外側に位置決め部32を配置した下型33と、大端成形部34aを含むインプレッション34の周りにフラッシュランド部35を配置した上型36とを備えている。本実施の形態において前記下型33の位置決め部32は、前記荒地型20の下型23の2段の位置決め部のうち、インプレッション11から後退して配置される第2位置決め部22B(図1、3)と同じ大きさおよび配置で設けられている。この位置決め部32は、下型33に対して荒地鍛造品Fを位置決めするためのもので、前記荒地鍛造品Fのバリ部F1に成形された被位置決め部F2が、この位置決め部32に係合可能となっている。なお、上型36のフラッシュランド部35は、従来の仕上型と同じ幅(規定幅)を有するようにその大きさが設定されている。
【0012】
以下、上記のように構成した鍛造型による鍛造成形方法について述べる。
本実施の形態において、上記荒地型20と仕上型30とは、図示を略すトリミング型と共にトランスファプレスに一体的に組込まれている。鍛造成形に際しては、前記ロール成形および曲げ加工により得られた予備成形体Wが、図示を略すトランスファ装置(フィードバー)により荒地型20内へ搬送され、図1に示したように、その一端部を位置決め部22に係合させた状態で、下型23に位置決め載置される。
【0013】
上記荒地型20に対する予備成形体Wの位置決め完了により、プレスラムが下降し、予備成形体Wが下型23と上型26との間で押し潰される。すると、図3に示すように、インプレッション21と24との間に材料がフィルアップすると共に、下型23の型合せ面と上型26のフラッシュランド部25との間(フラッシュランド)、および位置決め部22を含む下型23の型合せ面と緩傾斜面27を含む上型26の型合せ面との間(ガッタ)に余分な材料が流入し、これにより周辺にバリF1を有する荒地鍛造品Fが成形される。この荒地鍛造に際しては、前記バリF1に下型23の第2位置決め部22Bが転写された仕上鍛造用の被位置決め部F2が形成される。また、前記したように下型23の位置決め部22と上型26の緩傾斜面27との間に大きな間隙が形成されることから、得られた荒地鍛造品Fは、その周辺に部分的な厚肉部F3を有する形状となっている。しかして、この荒地鍛造に際しては、上型26のフラッシュランド部25から、下型23の位置決め部22に対向する部分が省略されているので、上記したように該位置決め部22をインプレッション21に十分に近づけても、上型26が型破損や異常摩耗を起こすことはない。
【0014】
その後、図示を略すトランスファ装置により上記荒地鍛造品Fが仕上型30内へ搬送され、図4に示したように、そのバリF1に形成された被位置決め部F2を位置決め部32に係合させた状態で、下型33に位置決め載置される。このとき、同図に示すように、上記荒地下型23上の第1位置決め部22Aが位置した部分が空所Sとなっている。
【0015】
上記仕上型30に対する荒地鍛造品Fの位置決め完了により、プレスラムが下降し、厚肉部F3を含めた荒地鍛造品Fの全体が下型33と上型36との間で押し潰される。すると、図5に示すように、インプレッション31と34との間に材料がフィルアップすると共に、下型33の型合せ面と上型36のフラッシュランド部35との間(フラッシュランド)、および位置決め部32を含む下型33の型合せ面と上型36の型合せ面との間(ガッタ)に余分な材料が流入し、これにより周辺にバリP1を有する仕上鍛造品Pが成形される。しかして、この仕上鍛造に際しては、上型36のフラッシュランド部35が規定幅を有しているので、その強度は十分であり。型破損や異常摩耗が生じることはない。
なお、上記した仕上鍛造後は、図示を略すトランスファ装置により仕上鍛造品Pがトリミング型へ搬送され、前記バリP1が除去される。
【0016】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係る鍛造成形方法および鍛造型によれば、荒地型に設ける位置決め部をインプレッションに近づけても型破損や異常摩耗を招くことがなく、該位置決め部をインプレッションに近づける分、鍛造素材の小寸法化を図ることができ、材料歩留りの大幅な向上を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る荒地型の要部構造を示す断面図である。
【図2】本荒地型の全体構造を示す断面図である。
【図3】本荒地型による荒地鍛造の最終状態を示す断面図である。
【図4】本発明に係る仕上型の要部構造を示す断面図である。
【図5】本仕上型による仕上鍛造の最終状態を示す断面図である。
【図6】本発明の鍛造対象の1つであるステアリングナックル用鍛造粗形材の形状を示す平面図である。
【図7】図6に示したステアリングナックル用鍛造粗形材の形状を示す側面図である。
【図8】従来の荒地型の全体構造を示す断面図である。
【図9】従来の荒地下型の構造を示す平面図である。
【図10】従来の荒地型による荒地鍛造の最終状態を示す断面図である。
【図11】従来の荒地型における材料歩留り向上対策を示す断面図である。
【符号の説明】
20 荒地型
21 下型のインプレッション
22 荒地型の位置決め部
22A 鍛造素材用第1位置決め部
22B 仕上鍛造用第2位置決め部
23 荒地型の下型
24 上型のインプレッション
25 フラッシュランド部
26 荒地型の上型
30 仕上型
32 仕上型の位置決め部
33 仕上型の上型
35 仕上型のフラッシュランド部
36 仕上型の上型

Claims (4)

  1. 位置決め部をインプレッションに近接して配置した下型と前記位置決め部に対向する側のフラッシュランド部を省略した上型とにより荒地鍛造をした後、規定のフラッシュランド部を有する仕上型により仕上鍛造をすることを特徴とする鍛造成形方法。
  2. 下型の位置決め部をインプレッション側から型外方へ2段に設け、荒地鍛造に際し、前記インプレッションから後退して配置される位置決め部により、仕上鍛造用の被位置決め部をバリ部に形成することを特徴とする請求項1に記載の鍛造成形方法。
  3. 荒地型と仕上型とからなり、前記荒地型は、位置決め部をインプレッションに近接して配置した下型と前記位置決め部に対向する側のフラッシュランド部を省略した上型とを備え、前記仕上型は、規定巾のフラッシュランド部を備えていることを特徴とする鍛造型。
  4. 荒地型の位置決め部が、インプレッション側から型外方へ2段に設けられており、仕上型の位置決め部が、前記荒地型の2段の位置決め部のうち、インプレッションから後退して配置される位置決め部と同じ大きさおよび配置で設けられていることを特徴とする請求項3に記載の鍛造型。
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