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JP3937862B2 - ヒドロシリル化触媒およびこれを用いるアルキルシラン化合物の製造方法 - Google Patents
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ヒドロシリル化触媒およびこれを用いるアルキルシラン化合物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不飽和炭化水素化合物とヒドロシラン化合物からヒドロシリル化反応により高付加価値なアルキルシラン化合物を製造する際に用いるヒドロシリル化触媒、およびこの触媒を用いるアルキルシラン化合物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
ヒドロシリル化反応は、>C=C<,−C≡C−,>C=O,>C=N−などの不飽和結合を有する化合物に、ヒドロシリル化合物が後者のSi−H結合の開列を伴って付加する反応であり、有機合成上重要な反応の一つである。特に、炭素・炭素間二重結合を有する化合物のヒドロシリル化により得られるアルキルシラン化合物は、化学品の製造中間体として工業的に重要である。
【0003】
炭素・炭素間二重結合を有する化合物とヒドロシラン化合物からヒドロシリル化反応によりアルキルシラン化合物を得る方法は、下記反応式[1]に示される通りである。
【0004】
【化3】
Figure 0003937862
【0005】
炭素・炭素間二重結合を有する化合物がアリルクロライドのようなハロゲン化アリル化合物である場合は、3−ハロプロピルシラン化合物が生成するが、この反応生成物は接着剤やプラスチック架橋剤などの製造に用いられるきわめて重要な化合物である。アリルクロライドの場合の反応を下記反応式[2]で示す。
【0006】
【化4】
Figure 0003937862
【0007】
一般に、ハロゲン化アリル化合物のヒドロシリル化により3−ハロプロピルシラン化合物を製造する際には、主に白金化合物、例えば塩化白金酸6水和物のイソプロパノ−ル溶液(Spier,s Catalyst)等が触媒として用いられるが、その際、ヒドロシリル化反応と同時に副反応が起こり、3−ハロプロピルシラン生成物の収率低下を招く。アリルクロライドの場合の副反応を下記反応式[3]に示す。
【0008】
【化5】
Figure 0003937862
【0009】
特開平9−157276号公報には、その副反応を抑えるべく三級フォスフィンと塩化白金酸を触媒として用いてハロゲン化アリル化合物とヒドロシラン化合物から3−ハロプロピルシラン化合物を得る方法が記載されている。
【0010】
また、特開平9−192494号公報には、同様に副反応を抑えるべく三級アミンと白金コロイドを触媒として用いてハロゲン化アリル化合物とヒドロシラン化合物から3−ハロプロピルシラン化合物を得る方法が記載されている。
【0011】
これらの触媒を用いれば、三級フォスフィンを持たない塩化白金酸や三級アミンを持たない白金コロイドを触媒として使用した時と比べ、3−ハロプロピルシラン化合物の収率は向上するが副反応の割合は依然大きく、これらは3−ハロプロピルシラン化合物を高収率で得るにはまだ満足の行く触媒ではない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
反応式[2]で得られる3−ハロプロピルシラン化合物は、上述の如く接着剤やプラスチック架橋剤などの原料としてきわめて重要な化合物であるため、ヒドロシリル化反応における収率の向上はわずかであっても工業的には大きな意味があり、また、収率の向上は廃棄物の減少をもたらす点からも要望されている。
【0013】
よって、本発明はヒドロシリル化反応における収率向上を達成することができる触媒を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1のものは、2,3−ジメチルキノキサリンと白金化合物とからなることを特徴とする、不飽和結合を有する化合物のヒドロシリル化触媒に関する。
白金化合物としては、塩化白金酸無水物、塩化白金酸6水和物等の塩化白金酸や、白金コロイドなどがよく用いられ、特に塩化白金酸6水和物が好ましい。
【0015】
本発明の第2のものは、不飽和結合を有する化合物とヒドロシラン化合物を触媒の存在下に反応させてアルキルシラン化合物を製造するに当たり、該触媒として、下記一般式[I]
【化6】
Figure 0003937862
(式中、 R 1 R 2 および R 3 は、互いに同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリ−ル基、アラルキル基またはアルコキシル基である。)
で表される環状アミンと白金化合物とからなるヒドロシリル化触媒を用い、
反応前に不飽和結合を有する化合物に環状アミンと白金化合物を添加し、これらを含む混合液にヒドロシラン化合物を添加するか、反応前にヒドロシラン化合物に環状アミンと白金化合物を添加し、これらを含む混合液に不飽和化合物を添加するか、または、反応前に溶媒に環状アミンと白金化合物を添加し、これらを含む混合液に不飽和化合物とヒドロシラン化合物を添加することを特徴とするアルキルシラン化合物の製造方法に関する。
【0016】
第2発明において、環状アミンとしては、キノキサリンや2,3−ジメチルキノキサリンなどがよく用いられ、特に2,3−ジメチルキノキサリンが好ましい。
【0017】
第2発明においても、白金化合物としては、塩化白金酸無水物、塩化白金酸6水和物等の塩化白金酸や、白金コロイドなどがよく用いられ、特に塩化白金酸6水和物が好ましい。
【0018】
上記ヒドロシリル化触媒の存在下に、不飽和結合を有する化合物とヒドロシラン化合物を反応させてアルキルシラン化合物を製造する。
【0019】
本発明による触媒を用いるヒドロシリル化反応は、>C=C<,−C≡C−,>C=O,>C=N−などの不飽和結合を有する化合物のヒドロシリル化に適用可能であるが、炭素・炭素間二重結合を有する化合物、とりわけ炭素・炭素間二重結合を有するハロゲン含有化合物、特にハロゲン化アリル化合物のヒドロシリル化に好適である。ハロゲン化アリル化合物のヒドロシリル化により、下記一般式[II]
【化7】
Figure 0003937862
【0020】
(式中、Xはハロゲン原子であり、R4、R5 、R6、 R7および R8は、互いに同一または異なり、水素原子またはアルキル基であり、R9、R10およびR11は、互いに同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシル基である)
で表される3−ハロプロピルシラン化合物が得られる。例えばアリルクロライドを本発明による触媒の存在下にヒドロシリル化することにより、上記反応式[2]で示すように、3−クロロプロピルトリクロロシランが得られる。この反応では上述したような副反応[3]を抑えて目的物を高収率で得ることができる。
【0021】
環状アミンと 白金化合物とからなる触媒を反応系に存在させるには、ヒドロシリル化反応前に原料である不飽和結合を有する化合物に触媒を添加しておき、ついでここへヒドロシラン化合物を添加することが好ましい。場合によっては、反応前にヒドロシラン化合物に触媒を添加しておき、ついでここに不飽和化合物を添加してもよい。また、不飽和化合物とヒドロシラン化合物の混合溶液に触媒を添加してもよい。さらには反応液に触媒を添加しておき、ここに不飽和化合物とヒドロシラン化合物の混合溶液を添加してもよい。
【0022】
触媒を構成する環状アミンと 白金化合物の比は、白金化合物中の白金1モルにつき環状アミン0.1〜3.0当量が好ましく、より好ましくは0.5〜2.0当量である。
【0023】
反応系中の白金化合物の量は、ヒドロシラン化合物1モルに対して好ましくは1×10−8〜1×10−3当量、より好ましくは1×10−6〜1×10−4である。
【0024】
本発明方法の好ましい実施形態は、ハロゲン化アリル化合物とヒドロシラン化合物を上記触媒の存在下にヒドロシリル化反応させて3−ハロプロピルシラン化合物を得る方法である。その反応では反応前に触媒をハロゲン化アリル化合物に添加しておき、ついでここへヒドロシラン化合物を添加することが好ましい。場合によっては、反応前にヒドロシラン化合物に触媒を添加しておき、ついでここにハロゲン化アリル化合物を添加してもよい。また、ハロゲン化アリル化合物とヒドロシラン化合物の混合溶液に触媒を添加してもよい。さらには反応液に触媒を添加しておき、ここにヒドロシラン化合物とハロゲン化アリル化合物の混合溶液を添加してもよい。
【0025】
ハロゲン化アリル化合物とヒドロシラン化合物とを上記触媒の存在下にヒドロシリル化反応させる時の温度は、好ましくは20℃〜200℃、より好ましくは30℃〜150℃である。
【0026】
ハロゲン化アリル化合物とヒドロシラン化合物とを上記触媒の存在下にヒドロシリル化反応させる時の雰囲気および圧力は、好ましくは乾燥空気雰囲気下大気圧、より好ましくは窒素雰囲気下大気圧である。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、環状アミン[I]と白金化合物からなる触媒を用いることにより、副反応の割合を抑えることができる。よって、3−ハロプロピルシラン化合物のようなアルキルシラン化合物の収率を向上させることができると共に、廃棄物軽減に寄与することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。反応操作は全て窒素雰囲気下にて行った。
【0029】
実施例1
温度計、滴下ロ−トおよび−10℃ブラインコンデンサ−を備え付けた500mL 4つ口フラスコにアリルクロライド124.6g(1.63mol )、0.1M 塩化白金酸6水和物のイソプロパノ−ル溶液 148μL (白金原子1.48×10−5mol )および0.4M 2,3−ジメチルキノキサリンの イソプロパノ−ル溶液18μL (0.74×10−5mol )を入れ、マグネチックスタ−ラ−を用いて混合液を30℃で30分攪拌した。その後、温度を60℃へ上げアリルクロライドを十分に還流させた後、トリクロロシラン200.0g(1.48mol )を2.5時間かけて滴下した。トリクロロシラン滴下中は反応液が還流するように加熱を続けた。トリクロロシラン滴下終了後30分還流を続けて熟成し、トリクロロシランが消失したことをガスクロマトグラフィ−により確認した後に、生成物を蒸留により単離した。純度99.7%の3−クロロプロピルトリクロロシランが229.85g(収率73%)得られた。
【0030】
実施例2
2,3−ジメチルキノキサリンの イソプロパノ−ル溶液に代えて同量のキノキサリンのイソプロパノ−ル溶液を用い、その他の点を実施例1と同じにして操作を繰返した。純度99.5%の3−クロロプロピルトリクロロシランが219.6g(収率70%)得られた。
【0031】
比較例1
2,3−ジメチルキノキサリンの イソプロパノール溶液を使用せず、その他の点を実施例1と同じにして操作を繰返した。純度99.4%の3−クロロプロピルトリクロロシランが156.8g(収率55%)得られた。

Claims (10)

  1. 2,3−ジメチルキノキサリンと白金化合物とからなることを特徴とする、不飽和結合を有する化合物のヒドロシリル化触媒。
  2. 白金化合物が塩化白金酸であることを特徴とする請求項1記載のヒドロシリル化触媒。
  3. 不飽和結合を有する化合物が炭素・炭素間二重結合を有する化合物であることを特徴とする請求項1または2記載のヒドロシリル化触媒。
  4. 不飽和結合を有する化合物が炭素・炭素間二重結合を有するハロゲン含有化合物であることを特徴とする請求項1または2記載のヒドロシリル化触媒。
  5. 炭素・炭素間二重結合を有するハロゲン含有化合物がハロゲン化アリル化合物であることを特徴とする請求項記載のヒドロシリル化触媒。
  6. 不飽和結合を有する化合物とヒドロシラン化合物を触媒の存在下に反応させてアルキルシラン化合物を製造するに当たり、該触媒として、下記一般式[I]
    Figure 0003937862
    (式中、 R 1 R 2 および R 3 は、互いに同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリ−ル基、アラルキル基またはアルコキシル基である。)
    で表される環状アミンと白金化合物とからなるヒドロシリル化触媒を用い、
    反応前に不飽和結合を有する化合物に環状アミンと白金化合物を添加し、これらを含む混合液にヒドロシラン化合物を添加するか、反応前にヒドロシラン化合物に環状アミンと白金化合物を添加し、これらを含む混合液に不飽和化合物を添加するか、または、反応前に溶媒に環状アミンと白金化合物を添加し、これらを含む混合液に不飽和化合物とヒドロシラン化合物を添加することを特徴とするアルキルシラン化合物の製造方法。
  7. 不飽和結合を有する化合物が炭素・炭素間二重結合を有する化合物であることを特徴とする請求項記載のアルキルシラン化合物の製造方法。
  8. 不飽和結合を有する化合物が炭素・炭素間二重結合を有するハロゲン含有化合物であることを特徴とする請求項記載のアルキルシラン化合物の製造方法。
  9. 炭素・炭素間二重結合を有するハロゲン含有化合物がハロゲン化アリル化合物であり、アルキルシラン化合物が、下記一般式[II]
    Figure 0003937862
    (式中、Xはハロゲン原子であり、R4、R5 、R6、 R7および R8は、互いに同一または異なり、水素原子またはアルキル基であり、R9、R10およびR11は、互いに同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシル基である)
    で表される3−ハロプロピルシラン化合物であることを特徴とする請求項記載のアルキルシラン化合物の製造方法。
  10. 3−ハロプロピルシラン化合物が、3−クロロプロピルトリクロロシランであることを特徴とする請求項項記載のアルキルシラン化合物の製造方法。
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