JP3937894B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に関し、特には基板表面の溝内に埋込ゲート電極を設けてなる溝ゲート型の半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の高集積化および高機能化の要求にともない、素子構造の微細化が進んでいる。このようななか、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して埋込ゲート電極を設けてなる半導体装置(いわゆるMOSトランジスタンジスタ)においては、微細化によって顕著になる短チャネル効果(例えばパンチスルー現象)を、不純物濃度の増加やゲート絶縁膜の薄膜化によって抑制することが限界となってきている。
【0003】
そこで、特開平7−38095に開示されているように、基板の表面層に形成した溝内に埋込ゲート電極を埋め込んで溝ゲート型とする構成の半導体装置が提案されている。溝ゲート型の半導体装置は、図5に示すように、基板3の表面層に形成された溝3aの内壁がゲート絶縁膜5で覆われ、この溝3a内にゲート絶縁膜5を介して埋込ゲート電極7が設けられている。埋込ゲート電極7は、基板3の表面よりも低い位置に埋め込まれており、溝3aの両側における基板3の表面層には、ソース/ドレイン拡散層(S/D層)9a,9bが設けられている。
【0004】
また、埋込ゲート電極7上の溝3aの内壁には、酸化シリコンや窒化シリコンからなる絶縁性のサイドウォール11が設けられ、このサイドウォール11によって、S/D層9a,9bに対して十分に絶縁された状態で、埋込ゲート電極7の表面にシリサイド層13が設けられている。
【0005】
このような構成の半導体装置1においては、埋込ゲート電極7の線幅Lgを微細化しつつも、S/D層9a,9bを溝3aの深さHよりも浅く形成することによってS/D層9a−S/D層9b間の距離、すなわちチャネル長Laを確保することができる。このため、S/D層9a,9bからの空乏層の伸びによる短チャネル効果を抑制しつつ、安定した閾値電圧を保って素子構造の微細化を図ることが可能になる。このため、DRAMのセルトランジスタのような微細化が要求される回路素子として有効に用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した溝ゲート型の半導体装置を、DRAMのセルトランジスタとして用いる場合には、次のような課題が生じる。すなわち、DRAMのセルトランジスタには、電荷の保持特性が求められるため、S/D層とチャネル領域との間の電界を緩和するべく、S/D層の不純物(例えばP)の濃度を低濃度に抑える必要がある。しかし、S/D層の不純物濃度を低濃度に抑えた場合、S/D層の寄生抵抗が大きくなるため、電流駆動能力が得られないといった問題が生じるのである。したがって、上記構造の溝ゲート型の半導体装置をDRAMのセルトランジスタとして用いた場合、電荷の保持特性を確保しようとすると、書き込み不良による歩留まりの低下が引き起こされる。
【0007】
そこで発明は、S/D層の不純物濃度を上昇させることなく電流駆動能力の向上を図ることで、DRAMのセルトランジスタのような電荷の保持特性が求められる回路素子として好適に用いることが可能な溝ゲート型の半導体装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するための本発明の半導体装置は、基板の表面層に形成された溝の内壁を覆うゲート絶縁膜を備えている。そして、ゲート絶縁膜で覆われた溝内には、基板の上面よりも低い高さで埋込ゲート電極が設けられている。また、溝の両側における基板の表面層には、溝よりも浅いソース/ドレイン拡散層が設けられている。そして特に、埋込ゲート電極上部には、ゲート絶縁膜を介してソース/ドレイン拡散層と対向させた状態で、窒化シリコンよりも誘電率の高い材料で構成された絶縁膜が設けられていることを特徴としている。
【0009】
このような構成の半導体装置では、埋込ゲート電極に電圧を印加した場合に、当該埋込ゲート電極上に設けられた窒化シリコンよりも誘電率の高い材料で構成された絶縁膜の誘電分極により、当該絶縁膜に対向する位置のソース/ドレイン拡散層の界面部分のキャリア濃度が十分に高められ、ソース/ドレイン拡散層の溝側界面の低抵抗化が図られる。したがって、ソース/ドレイン拡散層の不純物濃度が同程度であれば、この絶縁膜に窒化シリコンや酸化シリコンを用いた場合よりも、電流駆動能力を向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の半導体装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1は、実施形態の半導体装置の構成を示す断面図である。この図に示す半導体装置100と、図5を用いて説明した従来の半導体装置との異なるところは、埋込ゲート電極7上部における溝3aの側壁を覆うサイドウォール101が、窒化シリコンよりも誘電率の高い絶縁性材料で構成されている点にある。
【0012】
このような絶縁性材料としては、金属酸化膜を用いることができるが、具体的には、Al,Ti,Ta,Zr,Hf,In,Sr,Pb,Ba,Pa等の酸化物やこれらの酸化物の混晶が用いられる。またこの中でも特に、HfO2 、Ta2O5、Al2O3、ZrO2等、さらにはPZT[Pb(Zr,Ti)O3]、BST[BaTiO3とSrTiO3との混晶]を用いることができる。
【0013】
以下、半導体装置100のさらに詳しい構成を、図2を用いてその製造手順と共に説明する。
【0014】
先ず、図2(1)に示すように、例えばp型の単結晶シリコンからなる基板3上に、酸化シリコンのような絶縁性の保護膜4を成膜する。そして、この保護膜4上から基板3をパターンエッチングすることによって、基板3に溝3aを形成する。この溝3aは、基板3の表面に対して所定深さHで形成されることとする。その後、溝3aの内壁に、必要に応じて閾値電圧調整用の不純物をイオン注入によって導入する。
【0015】
次に、溝3aの内壁を含む基板3の表面に、例えば熱酸化によって酸化シリコンからなるゲート絶縁膜5を形成する。その後、ゲート絶縁膜5で覆われた溝3a内に、基板3の表面よりも低い高となるようにゲート材料を埋め込んでなる埋込ゲート電極7を形成する。この埋込ゲート電極7を形成する場合には、例えば、溝3a内を埋め込む状態で基板3上にポリシリコン膜を成膜し、このポリシリコン膜をエッチバックすることで溝3a内のみにポリシリコン膜を残すことによって得られる。
【0016】
次に、図2(2)に示すように、イオン注入によって、基板3の表面層および埋込ゲート電極7に不純物を導入し、基板3の表面層にS/D層9a,9bを形成すると共に、埋込ゲート電極7の導電性を確保する。この際、例えば、S/D層9a,9bが、溝3aの深さHよりも浅く、かつ埋込ゲート電極7の高さに対して所定の深さとなり、例えば埋込ゲート電極7と高さ方向に所定の重なりSを持つように、イオン注入の注入エネルギーを設定することが重要である。尚、ここでは、p型の基板3に対して、P(リン)のようなn型不純物を導入することとする。また、ここで形成する半導体装置100が、DRAMのセルトランジスタのような電荷の保持特性が要求される回路素子として用いられる場合、S/D層9a,9bの不純物濃度は、できるだけ低く抑えられることとする。
【0017】
次いで、図2(3)に示すように、埋込ゲート電極7上部の溝3aの側壁に、本発明の特徴である、窒化シリコンよりも誘電率の高い材料で構成された絶縁性材料からなるサイドウォール101を形成する。このサイドウォール101を形成する場合には、先ず、上述した絶縁性材料の材料膜(例えば金属酸化膜)を、MOCVD(metal organic-chemical vapor deposition)法、プラズマCVD法、またはスパッタ法などの成膜方法によって、溝3a内が完全に埋め込まれる状態に成膜する。その後、この材料膜を全面エッチバックすることにより、溝3aの内壁のみに材料膜を残してこれをサイドウォール101とする。尚、このサイドウォール101は、基板3aに形成された溝3aの側壁を覆う高さを有していれば良く、図示したように基板3上の保護膜4の側壁をも覆う高さで有っても良い。
【0018】
以上の後、サイドウォール101から露出している埋込ゲート電極7の表面層をシリサイド化して低抵抗化層13を形成する。この低抵抗化層13を形成する場合には、先ず、サイドウォール101および溝3aの内壁を覆う状態で、金属膜(例えばCo、Ni、Ti、Pt等の高融点金属)を成膜する。次に、熱処理を行うことにより、埋込ゲート電極7と金属膜との界面でシリサイド化反応を進める。これにより、サイドウォール101によってS/D層9a,9bと絶縁された金属シリサイドからなる低抵抗化層13を、埋込ゲート電極7の表面層に自己整合的に形成する。そして、このシリサイド化反応の後には、金属膜の未反応部分を除去する工程を行う。
【0019】
以上の後、図1に示したように、低抵抗化層13及びサイドウォール101上を覆う状態で、絶縁性のストッパ層15を形成する。このストッパ層15は、以降の工程で接続孔を形成する場合のエッチングにおいて、エッチングストッパとなる膜であり、例えば窒化シリコンで形成する。その後、このストッパ層15上に、例えば酸化シリコンからなる平坦化絶縁膜17を形成し、平坦化絶縁膜17、ストッパ層15、および保護膜4を順次パターンエッチングすることで、S/D層9bに達する接続孔19を形成する。このパターンエッチングにおいては、ストッパ層15で一端エッチングを停止させることで、S/D層9bが過剰にエッチングされることを防止する。その後、この接続孔19内に、S/D層9bに達するプラグ21を埋め込む。尚、この半導体装置100が、DRAMのセルトランジスタとして設けられる場合には、このプラグがビットコンタクトとなる。
【0020】
以上のような、製造手順にしたがって得られた構成の半導体装置100では、埋込ゲート電極7上部の溝3a側壁を覆うサイドウォール101が、窒化シリコンよりも誘電率の高い材料で構成されている。このため、埋込ゲート電極7にゲート電圧を印加した場合には、サイドウォール101の誘電分極により、サイドウォール101に対向する位置におけるS/D層9a,9bの界面部分のキャリア濃度を十分に高めることができる。すなわち、ゲート電圧を印加した際のフリンジ電界を有効的に利用して、S/D層9a,9bの溝側界面の低抵抗化が図られ、電流駆動能力の向上を図ることが可能になる。
【0021】
さらに、ゲート長を短縮させることなく、すなわち閾値電圧を確保して短チャンチャネル効果を抑制した状態で電流駆動能力の向上が図られるため、半導体装置の動作マージンを確保することが可能になり、ゲート幅を縮小して素子構造のさらなる微細化を図ることも可能になる。
【0022】
そして、S/D層9a,9bの不純物濃度を上昇させることなく、すなわち電荷の保持特性を確保した状態で電流駆動能力の向上が図られるため、例えばDRAMのセルトランジスタとしてこの半導体装置100を用いた場合には、書き込み不良を抑えることが可能になる。しかも、電流駆動能力を一定とすれば、S/D層9a,9bの不純物濃度を低下させることができるので、電荷の保持特性の向上を図ることが可能になる。したがって、DRAMのセルトランジスタのような回路素子として、溝ゲート型の半導体装置を好適に用いることが可能になる。
【0023】
図3には、サイドウォールの誘電率に対する電流駆動能力のシミュレーション結果を示す。また、図4には、サイドウォールの誘電率に対する閾値電圧のシミュレーション結果を示す。尚、各シミュレーションにおいては、各構造部分の設計値を以下のように設定した。
ゲート長Lg :0.14μm
ゲート酸化膜の膜厚 :5nm
基板のp型不純物濃度 :5×1016個/cm3
S/D層のn型不純物(P)濃度 :1018個/cm3
【0024】
これらのシミュレーション結果から、サイドウォールに、酸化シリコン(SiO2:誘電率3.9)や窒化シリコン(Si3N4:誘電率7)を用いた場合と比較して、上述した実施形態のように酸化ハフニウム(HfO2:誘電率25)や酸化タンタル(Ta2O5:誘電率30)のような窒化シリコンよりも誘電率の高い材料を用いることで、閾値電圧を変化させることなく、電流駆動能力の向上が図られていることが分かる。具体的には、サイドウォールを、酸化シリコンから酸化ハフニウム(HfO2)に変えることで、電流駆動能力を3%上昇させることが可能である。
【0025】
尚、上述した実施形態においては、埋込ゲート電極7の上部における溝3aの側壁にサイドウォール101を設け、このサイドウォール101が窒化シリコンよりも誘電率の高い材料からなる構成を説明した。しかし、本発明はこのような構成に限定されることはない。例えば、埋込ゲート電極7の上部の溝3a内に、サイドウォールを形成せずに絶縁膜が埋め込まれる場合、この溝3a内に埋め込まれる絶縁膜部分を、窒化シリコンよりも誘電率の高い材料とする構成としても良い。このような構成では、S/D層9a,9bが配置された溝3aの側壁部分に、ゲート絶縁膜5を介して窒化シリコンよりも誘電率の高い絶縁膜部分が配置されることになるため、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。ただし、このような絶縁膜は、ゲート絶縁膜5を介してS/D層9a,9bに近い位置に配置されることが好ましく、より高い効果を得ることが可能になる。
【0026】
また、本発明は、溝ゲート構造の半導体装置に広く適用可能である。例えば、溝の構造は、図示したような底部に角部を有する構成に限定されることはなく、角部のない曲面状の底部を有する構成であっても同様の効果を得ることができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の溝ゲート型の半導体装置によれば、埋込ゲート電極上の溝側壁に、ゲート絶縁膜を介してS/Dに対向させた状態で、窒化シリコンよりも誘電率の高い材料からなる絶縁膜を設けたことで、埋込ゲート電極にゲート電圧を印加した場合に、絶縁膜の誘電分極によりS/D層の界面部分のキャリア濃度を十分に高めて低抵抗化を図ることが可能になる。したがって、ゲート長およびS/D層の不純物濃度を上昇させることなく、すなわち閾値電圧および電荷の保持特性を確保しつつ、電流駆動能力の向上を図ることができる。この結果、溝ゲート型の半導体装置を、DRAMのような微細でかつ電荷の保持特性が要求される素子として用いることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の一構成例を示す断面図である。
【図2】図1の半導体装置の製造方法を示す断面工程図である。
【図3】半導体装置におけるサイドウォールの誘電率に対する電流駆動能力のシミュレーション結果を示す図である。
【図4】半導体装置におけるサイドウォールの誘電率に対する閾値電圧のシミュレーション結果を示す図である。
【図5】従来の溝ゲート型の半導体装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
100…半導体装置、3…基板、3a…溝、5…ゲート絶縁膜、7…埋込ゲート電極、9a,9b…S/D層(ソース/ドレイン拡散層)、13…低抵抗化層、101…サイドウォール(絶縁膜)
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に関し、特には基板表面の溝内に埋込ゲート電極を設けてなる溝ゲート型の半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の高集積化および高機能化の要求にともない、素子構造の微細化が進んでいる。このようななか、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して埋込ゲート電極を設けてなる半導体装置(いわゆるMOSトランジスタンジスタ)においては、微細化によって顕著になる短チャネル効果(例えばパンチスルー現象)を、不純物濃度の増加やゲート絶縁膜の薄膜化によって抑制することが限界となってきている。
【0003】
そこで、特開平7−38095に開示されているように、基板の表面層に形成した溝内に埋込ゲート電極を埋め込んで溝ゲート型とする構成の半導体装置が提案されている。溝ゲート型の半導体装置は、図5に示すように、基板3の表面層に形成された溝3aの内壁がゲート絶縁膜5で覆われ、この溝3a内にゲート絶縁膜5を介して埋込ゲート電極7が設けられている。埋込ゲート電極7は、基板3の表面よりも低い位置に埋め込まれており、溝3aの両側における基板3の表面層には、ソース/ドレイン拡散層(S/D層)9a,9bが設けられている。
【0004】
また、埋込ゲート電極7上の溝3aの内壁には、酸化シリコンや窒化シリコンからなる絶縁性のサイドウォール11が設けられ、このサイドウォール11によって、S/D層9a,9bに対して十分に絶縁された状態で、埋込ゲート電極7の表面にシリサイド層13が設けられている。
【0005】
このような構成の半導体装置1においては、埋込ゲート電極7の線幅Lgを微細化しつつも、S/D層9a,9bを溝3aの深さHよりも浅く形成することによってS/D層9a−S/D層9b間の距離、すなわちチャネル長Laを確保することができる。このため、S/D層9a,9bからの空乏層の伸びによる短チャネル効果を抑制しつつ、安定した閾値電圧を保って素子構造の微細化を図ることが可能になる。このため、DRAMのセルトランジスタのような微細化が要求される回路素子として有効に用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した溝ゲート型の半導体装置を、DRAMのセルトランジスタとして用いる場合には、次のような課題が生じる。すなわち、DRAMのセルトランジスタには、電荷の保持特性が求められるため、S/D層とチャネル領域との間の電界を緩和するべく、S/D層の不純物(例えばP)の濃度を低濃度に抑える必要がある。しかし、S/D層の不純物濃度を低濃度に抑えた場合、S/D層の寄生抵抗が大きくなるため、電流駆動能力が得られないといった問題が生じるのである。したがって、上記構造の溝ゲート型の半導体装置をDRAMのセルトランジスタとして用いた場合、電荷の保持特性を確保しようとすると、書き込み不良による歩留まりの低下が引き起こされる。
【0007】
そこで発明は、S/D層の不純物濃度を上昇させることなく電流駆動能力の向上を図ることで、DRAMのセルトランジスタのような電荷の保持特性が求められる回路素子として好適に用いることが可能な溝ゲート型の半導体装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するための本発明の半導体装置は、基板の表面層に形成された溝の内壁を覆うゲート絶縁膜を備えている。そして、ゲート絶縁膜で覆われた溝内には、基板の上面よりも低い高さで埋込ゲート電極が設けられている。また、溝の両側における基板の表面層には、溝よりも浅いソース/ドレイン拡散層が設けられている。そして特に、埋込ゲート電極上部には、ゲート絶縁膜を介してソース/ドレイン拡散層と対向させた状態で、窒化シリコンよりも誘電率の高い材料で構成された絶縁膜が設けられていることを特徴としている。
【0009】
このような構成の半導体装置では、埋込ゲート電極に電圧を印加した場合に、当該埋込ゲート電極上に設けられた窒化シリコンよりも誘電率の高い材料で構成された絶縁膜の誘電分極により、当該絶縁膜に対向する位置のソース/ドレイン拡散層の界面部分のキャリア濃度が十分に高められ、ソース/ドレイン拡散層の溝側界面の低抵抗化が図られる。したがって、ソース/ドレイン拡散層の不純物濃度が同程度であれば、この絶縁膜に窒化シリコンや酸化シリコンを用いた場合よりも、電流駆動能力を向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の半導体装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1は、実施形態の半導体装置の構成を示す断面図である。この図に示す半導体装置100と、図5を用いて説明した従来の半導体装置との異なるところは、埋込ゲート電極7上部における溝3aの側壁を覆うサイドウォール101が、窒化シリコンよりも誘電率の高い絶縁性材料で構成されている点にある。
【0012】
このような絶縁性材料としては、金属酸化膜を用いることができるが、具体的には、Al,Ti,Ta,Zr,Hf,In,Sr,Pb,Ba,Pa等の酸化物やこれらの酸化物の混晶が用いられる。またこの中でも特に、HfO2 、Ta2O5、Al2O3、ZrO2等、さらにはPZT[Pb(Zr,Ti)O3]、BST[BaTiO3とSrTiO3との混晶]を用いることができる。
【0013】
以下、半導体装置100のさらに詳しい構成を、図2を用いてその製造手順と共に説明する。
【0014】
先ず、図2(1)に示すように、例えばp型の単結晶シリコンからなる基板3上に、酸化シリコンのような絶縁性の保護膜4を成膜する。そして、この保護膜4上から基板3をパターンエッチングすることによって、基板3に溝3aを形成する。この溝3aは、基板3の表面に対して所定深さHで形成されることとする。その後、溝3aの内壁に、必要に応じて閾値電圧調整用の不純物をイオン注入によって導入する。
【0015】
次に、溝3aの内壁を含む基板3の表面に、例えば熱酸化によって酸化シリコンからなるゲート絶縁膜5を形成する。その後、ゲート絶縁膜5で覆われた溝3a内に、基板3の表面よりも低い高となるようにゲート材料を埋め込んでなる埋込ゲート電極7を形成する。この埋込ゲート電極7を形成する場合には、例えば、溝3a内を埋め込む状態で基板3上にポリシリコン膜を成膜し、このポリシリコン膜をエッチバックすることで溝3a内のみにポリシリコン膜を残すことによって得られる。
【0016】
次に、図2(2)に示すように、イオン注入によって、基板3の表面層および埋込ゲート電極7に不純物を導入し、基板3の表面層にS/D層9a,9bを形成すると共に、埋込ゲート電極7の導電性を確保する。この際、例えば、S/D層9a,9bが、溝3aの深さHよりも浅く、かつ埋込ゲート電極7の高さに対して所定の深さとなり、例えば埋込ゲート電極7と高さ方向に所定の重なりSを持つように、イオン注入の注入エネルギーを設定することが重要である。尚、ここでは、p型の基板3に対して、P(リン)のようなn型不純物を導入することとする。また、ここで形成する半導体装置100が、DRAMのセルトランジスタのような電荷の保持特性が要求される回路素子として用いられる場合、S/D層9a,9bの不純物濃度は、できるだけ低く抑えられることとする。
【0017】
次いで、図2(3)に示すように、埋込ゲート電極7上部の溝3aの側壁に、本発明の特徴である、窒化シリコンよりも誘電率の高い材料で構成された絶縁性材料からなるサイドウォール101を形成する。このサイドウォール101を形成する場合には、先ず、上述した絶縁性材料の材料膜(例えば金属酸化膜)を、MOCVD(metal organic-chemical vapor deposition)法、プラズマCVD法、またはスパッタ法などの成膜方法によって、溝3a内が完全に埋め込まれる状態に成膜する。その後、この材料膜を全面エッチバックすることにより、溝3aの内壁のみに材料膜を残してこれをサイドウォール101とする。尚、このサイドウォール101は、基板3aに形成された溝3aの側壁を覆う高さを有していれば良く、図示したように基板3上の保護膜4の側壁をも覆う高さで有っても良い。
【0018】
以上の後、サイドウォール101から露出している埋込ゲート電極7の表面層をシリサイド化して低抵抗化層13を形成する。この低抵抗化層13を形成する場合には、先ず、サイドウォール101および溝3aの内壁を覆う状態で、金属膜(例えばCo、Ni、Ti、Pt等の高融点金属)を成膜する。次に、熱処理を行うことにより、埋込ゲート電極7と金属膜との界面でシリサイド化反応を進める。これにより、サイドウォール101によってS/D層9a,9bと絶縁された金属シリサイドからなる低抵抗化層13を、埋込ゲート電極7の表面層に自己整合的に形成する。そして、このシリサイド化反応の後には、金属膜の未反応部分を除去する工程を行う。
【0019】
以上の後、図1に示したように、低抵抗化層13及びサイドウォール101上を覆う状態で、絶縁性のストッパ層15を形成する。このストッパ層15は、以降の工程で接続孔を形成する場合のエッチングにおいて、エッチングストッパとなる膜であり、例えば窒化シリコンで形成する。その後、このストッパ層15上に、例えば酸化シリコンからなる平坦化絶縁膜17を形成し、平坦化絶縁膜17、ストッパ層15、および保護膜4を順次パターンエッチングすることで、S/D層9bに達する接続孔19を形成する。このパターンエッチングにおいては、ストッパ層15で一端エッチングを停止させることで、S/D層9bが過剰にエッチングされることを防止する。その後、この接続孔19内に、S/D層9bに達するプラグ21を埋め込む。尚、この半導体装置100が、DRAMのセルトランジスタとして設けられる場合には、このプラグがビットコンタクトとなる。
【0020】
以上のような、製造手順にしたがって得られた構成の半導体装置100では、埋込ゲート電極7上部の溝3a側壁を覆うサイドウォール101が、窒化シリコンよりも誘電率の高い材料で構成されている。このため、埋込ゲート電極7にゲート電圧を印加した場合には、サイドウォール101の誘電分極により、サイドウォール101に対向する位置におけるS/D層9a,9bの界面部分のキャリア濃度を十分に高めることができる。すなわち、ゲート電圧を印加した際のフリンジ電界を有効的に利用して、S/D層9a,9bの溝側界面の低抵抗化が図られ、電流駆動能力の向上を図ることが可能になる。
【0021】
さらに、ゲート長を短縮させることなく、すなわち閾値電圧を確保して短チャンチャネル効果を抑制した状態で電流駆動能力の向上が図られるため、半導体装置の動作マージンを確保することが可能になり、ゲート幅を縮小して素子構造のさらなる微細化を図ることも可能になる。
【0022】
そして、S/D層9a,9bの不純物濃度を上昇させることなく、すなわち電荷の保持特性を確保した状態で電流駆動能力の向上が図られるため、例えばDRAMのセルトランジスタとしてこの半導体装置100を用いた場合には、書き込み不良を抑えることが可能になる。しかも、電流駆動能力を一定とすれば、S/D層9a,9bの不純物濃度を低下させることができるので、電荷の保持特性の向上を図ることが可能になる。したがって、DRAMのセルトランジスタのような回路素子として、溝ゲート型の半導体装置を好適に用いることが可能になる。
【0023】
図3には、サイドウォールの誘電率に対する電流駆動能力のシミュレーション結果を示す。また、図4には、サイドウォールの誘電率に対する閾値電圧のシミュレーション結果を示す。尚、各シミュレーションにおいては、各構造部分の設計値を以下のように設定した。
ゲート長Lg :0.14μm
ゲート酸化膜の膜厚 :5nm
基板のp型不純物濃度 :5×1016個/cm3
S/D層のn型不純物(P)濃度 :1018個/cm3
【0024】
これらのシミュレーション結果から、サイドウォールに、酸化シリコン(SiO2:誘電率3.9)や窒化シリコン(Si3N4:誘電率7)を用いた場合と比較して、上述した実施形態のように酸化ハフニウム(HfO2:誘電率25)や酸化タンタル(Ta2O5:誘電率30)のような窒化シリコンよりも誘電率の高い材料を用いることで、閾値電圧を変化させることなく、電流駆動能力の向上が図られていることが分かる。具体的には、サイドウォールを、酸化シリコンから酸化ハフニウム(HfO2)に変えることで、電流駆動能力を3%上昇させることが可能である。
【0025】
尚、上述した実施形態においては、埋込ゲート電極7の上部における溝3aの側壁にサイドウォール101を設け、このサイドウォール101が窒化シリコンよりも誘電率の高い材料からなる構成を説明した。しかし、本発明はこのような構成に限定されることはない。例えば、埋込ゲート電極7の上部の溝3a内に、サイドウォールを形成せずに絶縁膜が埋め込まれる場合、この溝3a内に埋め込まれる絶縁膜部分を、窒化シリコンよりも誘電率の高い材料とする構成としても良い。このような構成では、S/D層9a,9bが配置された溝3aの側壁部分に、ゲート絶縁膜5を介して窒化シリコンよりも誘電率の高い絶縁膜部分が配置されることになるため、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。ただし、このような絶縁膜は、ゲート絶縁膜5を介してS/D層9a,9bに近い位置に配置されることが好ましく、より高い効果を得ることが可能になる。
【0026】
また、本発明は、溝ゲート構造の半導体装置に広く適用可能である。例えば、溝の構造は、図示したような底部に角部を有する構成に限定されることはなく、角部のない曲面状の底部を有する構成であっても同様の効果を得ることができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の溝ゲート型の半導体装置によれば、埋込ゲート電極上の溝側壁に、ゲート絶縁膜を介してS/Dに対向させた状態で、窒化シリコンよりも誘電率の高い材料からなる絶縁膜を設けたことで、埋込ゲート電極にゲート電圧を印加した場合に、絶縁膜の誘電分極によりS/D層の界面部分のキャリア濃度を十分に高めて低抵抗化を図ることが可能になる。したがって、ゲート長およびS/D層の不純物濃度を上昇させることなく、すなわち閾値電圧および電荷の保持特性を確保しつつ、電流駆動能力の向上を図ることができる。この結果、溝ゲート型の半導体装置を、DRAMのような微細でかつ電荷の保持特性が要求される素子として用いることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の一構成例を示す断面図である。
【図2】図1の半導体装置の製造方法を示す断面工程図である。
【図3】半導体装置におけるサイドウォールの誘電率に対する電流駆動能力のシミュレーション結果を示す図である。
【図4】半導体装置におけるサイドウォールの誘電率に対する閾値電圧のシミュレーション結果を示す図である。
【図5】従来の溝ゲート型の半導体装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
100…半導体装置、3…基板、3a…溝、5…ゲート絶縁膜、7…埋込ゲート電極、9a,9b…S/D層(ソース/ドレイン拡散層)、13…低抵抗化層、101…サイドウォール(絶縁膜)
Claims (2)
- 基板の表面層に形成された溝の内壁を覆うゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜で覆われた溝内に前記基板の上面よりも低い高さで埋め込まれた埋込ゲート電極と、前記溝の両側における前記基板の表面層に設けられた前記溝よりも浅いソース/ドレイン拡散層とを備えた半導体装置において、
前記埋込ゲート電極上には、前記ゲート絶縁膜を介して前記ソース/ドレイン拡散層と対向させた状態で、窒化シリコンよりも誘電率の高い材料で構成された絶縁膜が設けられている
ことを特徴とする半導体装置。 - 請求項1記載の半導体装置において、
前記絶縁膜は、前記溝の側壁を覆うサイドウォールとして設けられ、
前記サイドウォールから露出している埋込ゲート電極の表面層には、低抵抗化層が形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
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