JP3940231B2 - 曲面ドアトイレのドア非常開放装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、曲面ドアトイレの非常開放装置、すなわち、非常時に、使用状態の曲面ドアトイレを外部から開けるための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
横断面形状が円弧状の曲面ドアを用いた曲面ドアトイレは、例えば特開平5-44348号公報、特公平8-6474号公報、特公平8-6475号公報等に記載され公知である。
【0003】
図6に示すように、このような曲面ドアトイレは、曲面ドア(30)を閉めた使用状態のトイレブースの広さが広くなり、また、曲面ドアを矢印に示すように、側壁(31)に沿う位置とした空き状態の時には、トイレ前の通路空間が広くとれるため、より狭い空間にもトイレの設置が可能となり、トイレ室全体での空間の利用効率が向上するという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、トイレ使用者が気分が悪くなったりして、ドアを外部から非常開放しようとする場合、トイレブースが狭いので、ドア収納位置に障害物がある(使用者が曲面ドア(30)の収納位置側に倒れ込んでいたり、手荷物が置かれていたりする場合のように)と、ドアが開かなくなるという問題点がある。
【0005】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、例えば具合が悪くなったトイレ使用者を救助する場合のような非常時に、曲面ドアトイレのドアを外側に開くことを可能とした非常開放装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)左右に立設した側壁の一方の上部において、該側壁に向けて凸状に湾曲し、また両側壁間の前方開口部の上部において、前方に向けて凸状に湾曲するように連続する円弧状のレールを、前記左右の側壁の上部に架設し、前記レールに対応する横断面円弧状の曲面ドアを、前記一方の側壁側となる開放状態と、前記前方開口部を閉塞して内側から施錠可能な閉止状態との間で、前記レールに移動可能に吊支した曲面ドアトイレのドア非常開放装置において、前記一方の側壁の前端下方に、前記曲面ドアを案内するガイドローラを固着し、前記曲面ドアの上端に、前記レール内を摺動する吊車を有する吊支部材を複数個取り付けるとともに、前記一方の側壁に最も近い前記吊支部材を、前記曲面ドアを前記閉止状態から、他方の側壁の内側から脱して、曲面ドアにおける他方の側壁側の端部に手を掛けられる状態まで、若干開いたとき、前記ガイドローラの軸線とほぼ一致する垂直の軸線をなすような位置で前記曲面ドアに固着し、かつ、その他の吊支部材を、前記曲面ドアに外部から取り外し可能に取り付ける。
【0007】
(2)上記(1)項において、吊支部材を、曲面ドアに穿設した凹所に嵌合させ、該凹所に収容された前記吊支部材の下部に前記曲面ドアの外面側から挿入された係止部材により、前記曲面ドアに取り付ける。
【0008】
(3)上記(2)項において、吊支部材の下部に、水平方向に延びる円柱形の貫通孔と、該貫通孔の下端から吊支部材の下端まで延びる縦長スリット状の切り欠き部とを設けるとともに、係止部材は、前記円柱形の貫通孔に合致する形状部分と、該形状部分の中間に形成され前記縦長スリット状の切り欠き部に対応する形状の中間部分とを備えるものとする。
【0009】
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、一方の側壁側に設けられ、曲面ドアの開放を阻止する回動レバーの回転軸を、前記一方の側壁の外面まで延ばし、該回転軸の外面に、レンチ係合部を形成する。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を実施した曲面ドアトイレの前部だけを破断して示す斜視図であり、左右の側壁(2)、(3)の間の前面に前方開口部(4)が形成されており、ここを曲面ドア(1)が塞いで、内部のトイレブース(5)を仕切っている。
【0011】
一方の側壁(2)の上部から他方の側壁(3)の上部にかけて、円弧状のレール(6)が架設されている。
レール(6)は、一方の側壁(2)側では、この側壁に向けて凸状に湾曲し、また前方開口部(4)の上部から他方の側壁(3)に至るところでは、前方に向けて凸状に湾曲しながら、連続する平面視円弧状をなしている。
【0012】
レール(6)は、下面が開口し、ここに、レール(6)の円弧に対応する横断面円弧状の曲面ドア(1)を吊支する吊支部材(7a)(7b)の吊車を、走行可能に収容するコ字状の部材である。
図1に示す実施形態では、2つの吊支部材(7a)(7b)が、前方開口部において曲面ドア(1)に取り付けられている。すなわち、曲面ドア(1)が閉止状態にあるとき、一方の側壁(2)に近い位置において、1つの吊支部材(7a)を曲面ドア(1)の上端に取り付けてあり、他方の側壁(3)に近い位置にもうひとつの吊支部材(7b)を、曲面ドア(1)の上端に取り付けてある。
なお、符号(8)は、一方の側壁(2)側の吊支部材(7a)に作用する定荷重ばねを示す。
【0013】
吊支部材(7a)(7b)は、図2に示すように、吊り車(20)を上部に取り付けた吊りボルト(21)を円筒形の支持部材(22)に、高さ調節可能に螺合させてなるもので、支持部材(22)の下部には、水平方向に延びる円柱形の貫通孔(23)と、貫通孔(23)の下端から円筒部材下端まで延びる縦長スリット状の切り欠き部(24)とを設けてある。
【0014】
曲面ドア(1)の上端面には、吊支部材(7a)(7b)における支持部材(22)の径に等しい直径の丸孔である凹所(9)が穿設されており、この凹所(9)に支持部材(22)が差し込まれる。
差し込まれた支持部材(22)の水平方向の貫通孔(23)に対応する位置において、曲面ドア(1)には、前後方向に貫通する丸孔(10)が穿設されている。丸孔(10)の径は、円柱形の貫通孔(23)の径に等しい。
【0015】
丸孔(10)に、曲面ドア(1)の前面側から差し込まれる係止部材(12)は、円柱形の貫通孔(23)に合致する形状部分(12a)(12b)と、形状部分(12a)(12b)の中間に形成され縦長スリット状の切り欠き部(24)に対応する形状の中間部分(12c)とを備えている。
【0016】
吊支部材、ことに他方の側壁(3)側の吊支部材(7b)は、図2に示すように、曲面ドア(1)の上端部の内側に支持部材(22)の形状に合致させて穿設した凹所(9)に嵌合させ、曲面ドア(1)の前面まで貫通して穿設した丸孔(10)に、曲面ドア(1)の前方から係止部材(12)を挿通する。この時、係止部材(12)の中間部(12c)が、縦長スリット状の切り欠き部(24)に整合していない角度にあれば、曲面ドア(1)の荷重が加わっても、吊支部材(7a)(7b)から抜け落ちることはない。
【0017】
また、予め係止部材(12)を、縦長の中間部分(12c)を上下方向に向いた姿勢で丸孔(10)に挿入し、後から吊支部材の支持部材(22)を凹所(9)に挿入するようにしてもよい。この場合、支持部材(22)の挿入後、係止部材(12)を180度以内の角度、好適には90度回動することにより吊支部材が係止される。
【0018】
図3は、図2に示した構造の変形例を示すもので、この場合、吊支部材の支持部材(22)は角柱状のもので、曲面ドア(1)の凹所(9)は、これに対応する四角形の孔とされている。したがって、この変形例では、貫通孔(23)の向きが定まっている。
【0019】
図1に戻って、一方の側壁(2)の前部には、曲面ドア(1)の下端部を、その後面に接触して案内するガイドローラ(13)が下方に設けられている。
【0020】
図1に示すように、一方の側壁(2)の前部には、曲面ドア(1)を施錠する錠(14)が設けられている。
図4に示すように、錠(14)は、曲面ドア(1)の内面側までに延びる水平軸(15)の先端に、細長い回動レバー(16)を固着したもので、図示の直立する非施錠状態から、曲面ドア(1)の端部の内面側に掛かる施錠状態に、90度矢印に示すように回転させることができる。
【0021】
側壁(2)の前面に現れている錠(14)の真ん中、すなわち軸(15)の中心には、レンチ係合部である六角孔(17)が形成してあり、外部からレンチ(18)を挿入して回わすことにより、上述の回動レバー(16)を90度、回動させることができる。
【0022】
上述の構造の曲面ドアトイレに入った使用者が、曲面ドア(1)を閉めて、内部から錠(14)の回動レバー(16)を廻して施錠した状態で、トイレブース(5)内で具合が悪くなって助けを求めた時等、非常時の外部からの曲面ドア非常開放手順は次の通りである。
【0023】
まず、錠(14)の六角孔(17)にレンチ(18)を係合させて、時計方向とは逆に90度回転させると、回動レバー(16)は、直立の非施錠状態(図3に示す状態)となるので、曲面ドア(1)に掌をかけて、これを収納方向(図2において左の方向)に少し動かす。
【0024】
すると、曲面ドア(1)の右端すなわち他方の側壁(3)側の端部は、側壁(3)の内側から脱して、曲面ドア(1)の右端に手を掛かられる状態となる。
この状態においては、一方の側壁(2)側の吊支部材(7a)は、ほぼ曲面ドア(1)の下端部のガイドローラ(13)の真上に来る。すなわち、吊支部材(7a)は、ガイドローラ(13)と垂直または垂直に近い軸線をなす位置となる。
【0025】
次いで、他方の側壁(3)側の吊支部材(7b)(一般に、一方の側壁(2)側の吊支部材(7a)以外の全部の吊支部材)について、曲面ドア(1)の前面から係止部材(12)をプライヤ(図示してない)により引き抜くか、ドライバー(図示してない)により縦長の中間部分(12c)が上下方向に向いた姿勢となるように回動する。このようにすれば、吊支部材(7b)と曲面ドア(1)との係合が解かれる。
【0026】
すると、図5に示すように、曲面ドア(1)は、吊支部材(7b)から抜け落ちて、右端部側で若干下に下がる。この状態で曲面ドア(1)の右端に手を掛けて前方に引くと、曲面ドア(1)は、下端部のガイドローラ(13)と上端の吊支部材(7a)とを結ぶ直線を軸として前方に回動して開くことが可能となる。
【0027】
このように、本実施形態によれば、ドア収納位置に障害物があっても、曲面ドア(1)を開放することができる。
なお、錠(14)が側壁(2)の前面に露出していない場合でも、物差しのような板材を、側壁(2)と曲面ドア(1)との隙間から差し込み上方に動かして、回動レバー(16)を直立の非施錠位置に戻すこともできる。
【0028】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、トイレ使用者が気分が悪くなってドア収納位置側に倒れ込んでいたり、手荷物が置かれていたりして曲面ドアが開かなくなっても、外部からの曲面ドアの非常開放が簡単に行える。
【0029】
請求項2記載の発明のように、吊支部材を、曲面ドアに穿設した凹所に嵌合させ、該凹所に収容された前記吊支部材の下部に前記曲面ドアの外面側から挿入された係止部材により、前記曲面ドアに取り付けると、吊支部材と曲面ドアとの係合は、曲面ドアの外面側から簡単に解除することができる。
【0030】
請求項3記載の発明のように、吊支部材の下部に、水平方向に延びる円柱形の貫通孔と、該貫通孔の下端から吊支部材の下端まで延びる縦長スリット状の切り欠き部とを設けるとともに、係止部材は、前記円柱形の貫通孔に合致する形状部分と、該形状部分の中間に形成され前記縦長スリット状の切り欠き部に対応する形状の中間部分とを備えるものとすると、係止部材の抜き出しまたは係止部材の縦長の中間部分の姿勢を上下方向に向く姿勢に回動させるだけでも、容易に吊支部材と曲面ドアとの係合を解くことができる。
【0031】
請求項4記載の発明のように、一方の側壁側に設けられ曲面ドアの開放を阻止する回動レバーの回転軸を、前記一方の側壁の外面まで延ばし、該回転軸の外面にレンチ係合部を形成すると、回動レバーの解錠を外部から簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を備える曲面ドアトイレの前部だけを示す斜視図である。
【図2】本発明のドア非常開放装置の一部を構成する曲面ドアと吊支部材との取付構造を示す要部の分解拡大斜視図である。
【図3】図2の取付構造の変形例を示す要部の分解拡大斜視図である。
【図4】曲面ドアの錠の付近を示す部分拡大斜視図である。
【図5】本発明により曲面ドアを前方に開放する途中の状態を説明する曲面ドアとレールとの関係を示す斜視図である。
【図6】従来の曲面ドアトイレの平面図で、レールを省略して示す図である。
【符号の説明】
(1)曲面ドア
(2)(3)側壁
(4)前方開口部
(5)トイレブース
(6)レール
(7a)(7b)吊支部材
(8)定荷重ばね
(9)凹所
(10)丸孔
(12)係止部材
(12a)(12b)形状部分
(12c)中間部分
(13)ガイドローラ
(14)錠
(15)水平軸
(16)回動レバー
(17)六角孔(レンチ係合部)
(18)レンチ
(20)吊り車
(21)吊りボルト
(22)支持部材
(23)貫通孔
(24)切り欠き部
Claims (4)
- 左右に立設した側壁の一方の上部において、該側壁に向けて凸状に湾曲し、また両側壁間の前方開口部の上部において、前方に向けて凸状に湾曲するように連続する円弧状のレールを、前記左右の側壁の上部に架設し、前記レールに対応する横断面円弧状の曲面ドアを、前記一方の側壁側となる開放状態と、前記前方開口部を閉塞して内側から施錠可能な閉止状態との間で、前記レールに移動可能に吊支した曲面ドアトイレのドア非常開放装置において、
前記一方の側壁の前端下方に、前記曲面ドアを案内するガイドローラを固着し、前記曲面ドアの上端に、前記レール内を摺動する吊車を有する吊支部材を複数個取り付けるとともに、前記一方の側壁に最も近い前記吊支部材を、前記曲面ドアを前記閉止状態から、他方の側壁の内側から脱して、曲面ドアにおける他方の側壁側の端部に手を掛けられる状態まで、若干開いたとき、前記ガイドローラの軸線とほぼ一致する垂直の軸線をなすような位置で前記曲面ドアに固着し、かつ、その他の吊支部材を、前記曲面ドアに外部から取り外し可能に取り付けたことを特徴とする曲面ドアトイレのドア非常開放装置。 - 吊支部材を、曲面ドアに穿設した凹所に嵌合させ、該凹所に収容された前記吊支部材の下部に前記曲面ドアの外面側から挿入された係止部材により、前記曲面ドアに取り付けた請求項1記載の曲面ドアトイレのドア非常開放装置。
- 吊支部材の下部に、水平方向に延びる円柱形の貫通孔と、該貫通孔の下端から吊支部材の下端まで延びる縦長スリット状の切り欠き部とを設けるとともに、係止部材は、前記円柱形の貫通孔に合致する形状部分と、該形状部分の中間に形成され前記縦長スリット状の切り欠き部に対応する形状の中間部分とを備えるものとした請求項2記載の曲面ドアトイレのドア非常開放装置。
- 一方の側壁側に設けられ、曲面ドアの開放を阻止する回動レバーの回転軸を、前記一方の側壁の外面まで延ばし、該回転軸の外面に、レンチ係合部を形成した請求項1〜3のいずれかに記載の曲面ドアトイレのドア非常開放装置。
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- 1998-10-29 JP JP30794198A patent/JP3940231B2/ja not_active Expired - Fee Related
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