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JP3940960B2 - ヒステリシスを低減し可変ブースト比を有するブースト式ブレーキ装置 - Google Patents
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JP3940960B2 - ヒステリシスを低減し可変ブースト比を有するブースト式ブレーキ装置 - Google Patents

ヒステリシスを低減し可変ブースト比を有するブースト式ブレーキ装置 Download PDF

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Description

本発明は、車両のブレーキに接続された流体回路内の流体圧力を制御するマスターシリンダを包含し、車両の運転者がブレーキペダルを踏み込んだ時にこのマスターシリンダが空気圧ブースタによって駆動できるようにした、自動車用ブースト式ブレーキ装置に関する。
慣例的に、マスターシリンダは、ブレーキ流体を満たされ、共に軸線方向に作用する入力とブースト力とから成る駆動力を受けるようになっている主流体ピストンを備えている。
さらに、空気圧ブースタは、弁の開放を制御する作動ロッドに入力を加えることにより作動されて、マスターシリンダの主流体ピストンに駆動力を発揮でき、このブースタは、可動隔壁によって2つの室に密封態様で区分された剛性ケーシングを包含し、可動隔壁は、弁の開放により生じる2つの室の圧力差を介して作用され、弁を支持しケーシングに対して移動可能な空気圧ピストンを駆動でき、入力はプランジャを介して伝達され、このプランジャも、マスターシリンダに流通する流体圧力を受ける。
これらの装置では、マスターシリンダの主流体ピストン自体は、ブースト力の少なくとも一部を受けマスターシリンダに連通する中空可動シリンダを含み、この可動シリンダ内では、少なくとも入力を受け得る反動ピストンが密封態様で軸線方向に摺動し、弾性装置が反動ピストンと可動シリンダとの間で反動ピストンをマスターシリンダの方向に押圧する弾性力を発揮し、少なくとも1つの開口が可動シリンダに形成されてこの可動シリンダの内部をマスターシリンダの内部に連通するようになっている。
このような装置が、例えば、文献WO 98/03385に記載されている。
流体反力を備えたこれらの装置は、主たる利点として、制動作用の強さ及び入力の作用レートの大きさにかかわりなく、それらの作動特性曲線、すなわち、ブースタの入力の強さの関数としてマスターシリンダ内の圧力を与える曲線が不変となっている。
しかしながら、これらの装置は、駆動位相と解放位相との間で相当のヒステリシスがあり、このヒステリシスが最も平凡な制動作用すなわち緊急性の無い制動作用において特に著しいという欠点を有する。
本発明はこれに関連するもので、その目的は、センサ又は複雑な電子回路を必要とすることなしに、ヒステリシスが無く且つ非常制動の場合における改善された作動特性を有し、従って、あらゆる状況のもとで高い信頼性をもって作動する一方、低コストとした、流体反力を備えたブースト式ブレーキ装置を提案することにある。
この目的のため、本発明は、一方において、ブレーキ流体を満たされ、共に軸線方向に作用する入力とブースト力とから成る駆動力を受けるようになっている主流体ピストンを備えたマスターシリンダと、他方において、三方弁の開放を制御するプランジャに固着された作動ロッドに入力を加えることにより作動されて主流体ピストンに駆動力を発揮できる空気圧ブースタとを包含し、ブースタが、少なくとも1つの可動隔壁によって少なくとも2つの室に密封態様で区分された剛性ケーシングを包含し、可動隔壁が、三方弁の開放により生じる2つの室の圧力差を介して作用され、三方弁を支持しブースト力を少なくとも伝達できケーシングに対して移動可能な空気圧ピストンを駆動でき、マスターシリンダの主流体ピストン自体が、ブースト力の少なくとも一部を受けマスターシリンダの内部容積室に連通する中空可動シリンダを含み、この可動シリンダ内では、少なくとも入力を受け得る反動ピストンが密封態様で軸線方向に摺動し、第1弾性装置が反動ピストンと可動シリンダとの間で反動ピストンをマスターシリンダの方向に押圧する第1弾性力を発揮し、少なくとも1つの開口が可動シリンダに形成されてこの可動シリンダの内部をマスターシリンダの内部容積室に連通し、反動ピストンが、通常開放しているがマスターシリンダの内部容積室と可動シリンダの内部との連通を遮断できる二方弁装置を含み、反動ピストンが複合体であり、休止位置では第1弾性装置の作用のもとで可動シリンダに対して当接する第1部分と、この第1部分に対して摺動できる第2部分とを包含し、第2弾性装置が、休止位置では第2部分を第1部分に対して当接せしめるように第2弾性力を後方に向けて第2部分に発揮し、第2部分が第1部分内を密封態様で摺動でき、第3ピストンが可動シリンダ内を密封態様で摺動でき、第3弾性装置によって後方へ押圧されて休止位置では第1部分に当接し、第2弾性装置が第2部分と第3ピストンとの間に配設され、第3ピストンが、可動シリンダの内部をマスターシリンダの内部容積室に連通させる中央開口を形成され、二方弁装置が、第2部分又は第3ピストンに配設されたシートで構成されるようにした自動車用ブースト式ブレーキ装置に関する。
本発明によると、第3ピストンは段付けられ、可動シリンダの段付孔内を密封態様で摺動し、段付孔の前方部分の径はこの孔の後方部分の径よりも小さい。
この構成により、非常制動作用の際、反動ピストンの第1及び第2部分が互いに対して摺動して二方弁装置を閉鎖方向に駆動できるので、反動ピストンは、マスターシリンダ内部圧力反力を、通常状態のもとでの制動中にこの反力を受ける断面積よりも小さい断面積でのみ受けることとなり、この結果、ブースト式ブレーキ装置のブースト比は、非常制動のもとでは、通常状態のもとでの制動におけるブースト比よりも高くなる。非常状態のもとではない制動作用中、段付ピストンが二方弁装置を開放せしめる差圧ピストンを形成して、ヒステリシスを回避している。
本発明の更なる目的、特徴及び利点は、非限定的な例として添付図面を参照して行う一実施例の下記説明から明らかとなるであろう。
図1は、本発明に従って製作したブースト式ブレーキ装置の断面図である。
図2は、図1のブレーキ装置の中央部分の拡大断面図である。
図3は、本発明によるブースト式ブレーキ装置で得られる、ブレーキペダルに加えられる力の関数としてマスターシリンダによって発生される圧力の曲線を示す図である。
本発明が空気圧ブースト式ブレーキ装置に対してなした改良にのみ関し、またこのような装置の一般的な構成及び作動が当業者にはよく知られているので、ブレーキ装置は、ここでは本発明が提供する改良を十分に理解できるように簡単に記載することとする。
概略的に、この型式の装置はブースタ100とマスターシリンダ200とを包含する。
中央部分のみが示されているブースタ100は、車両のエンジン室をこの車両の運転室から分離する防火壁(図示しない)に通常の態様で固定され、この運転室内に位置されているブレーキペダル(図示しない)によって駆動されるように設計されている。後方部分のみが示されているマスターシリンダ200は、車両の流体ブレーキ回路を作動し、ブースタ100の前方壁に固定される。
慣例により、マスターシリンダ200に向かって指向するブースタ/マスターシリンダ組立体の部分を“前方”と称し、ブレーキペダルに向かって指向するこの組立体の部分を“後方”と称する。従って、図において、前方が左側で、後方が右側である。
ブースタ100自体は、可動隔壁16によって前方室12と後方室14とに密封態様で区分されている剛性ケーシング10を包含しており、この可動隔壁は隔膜18と剛性スカート20とから成り、ケーシング10の内部を移動できる空気圧ピストン22を携行するよう一緒に駆動し得る。
マスターシリンダ200によって前面を密封態様で閉鎖された前方室12は、部分真空源(図示しない)に常時接続されている。後方室14内の圧力は、作動ロッド26により駆動される三方弁24によって制御され、この作動ロッドはブレーキペダルに連結されるとともにプランジャ28に固着されている。
作動ロッド26が右方へ引張られている休止位置にある時、弁24はブースタの2つの室12及び14の連通を確立する。後方室14は前方室12と同じ部分真空を受けているので、ピストン22はスプリング25によって休止位置へ右方に押し戻されて、ケーシング10の後方壁の内面に対して休止する。
左方に向かう作動ロッド26の駆動は、まず第1に、室12及び14を互いに隔離するように弁24を変位させる作用をなし、次いで第2に、後方室14を大気圧に開放するようにこの弁を変位させる作用をなす。
隔膜18によって感知される2つの室12及び14の圧力差は、ピストン22を携行しながら可動隔壁16を左方に向けて変位させようとするスラストをこの隔壁に発揮し、そしてこのピストンがスプリング25を圧縮しながら変位する。
従って、作動ロッド26に発揮される制動力又は“入力”及び可動隔壁16のスラストから生じるブレーキ倍力又は“ブースト力”は、マスターシリンダ200の方向へブースタ100の軸線X−X′に沿って一緒に加えられ、マスターシリンダの駆動力を形成するように連合される。
より詳細には、駆動力はマスターシリンダの主流体ピストン30に加えられて、該ピストンを(図中)左方へ移動させ、この移動が、マスターシリンダ200の内部容積室V内に存在するブレーキ流体の圧力の上昇及びマスターシリンダに接続されたブレーキ(図示しない)の駆動を導くこととなる。
図2からよくわかるように、主流体ピストン30は実際には複合体であり、一方において中空可動シリンダ32と、他方において反動ピストン34とを包含する。中空可動シリンダ32の内部容積室35は、中空可動シリンダ32に軸線方向に形成した36のような開口を介してマスターシリンダの内部容積室Vに連通する。
マスターシリンダ200の内部容積室Vと可動シリンダ32の内部容積室35との間の開口36により許容される流体の流通とは別に、この可動シリンダ32はマスターシリンダ200の本体内を密封態様で摺動し、この密封は少なくとも1つの環状リップシール37によって得られている。
反動ピストン34は可動シリンダ32内を摺動し、環状シール38によって密封態様でこの可動シリンダを閉鎖する。可動シリンダ32は、リング40を介して剛性スカート20に連結されていて、この剛性スカート20により発揮されるブースト力の少なくとも一部を受ける。
反動ピストン34は、プランジャ28に固着されたプッシュロッド42に軸線方向に対向して配置されており、このプッシュロッドは、少なくともプランジャ28に固着された作動ロッド26に発揮される入力をこの反動ピストンに伝達することができる。
次に、ここまで述べた装置の作動について説明する。
休止時、多数の可動部品は図1及び2に示した位置を占めており、特に、反動ピストン34は、スプリング46の押圧作用のもとで可動シリンダ32の半径方向肩部44に対し前方に向かって当接している。弁24は2つの室12及び14の連通を許容し、従って、これらの室は同じ低圧力にある。
ブレーキペダルへの第1の力は、作動ロッド26の戻しスプリングの予負荷を克服して、2つの室12及び14を互いに隔離する位置へ弁24をもたらすように働く。従って、ブレーキペダルへのこの力の増大はマスターシリンダの圧力を増大させることはなく、図3の曲線において線分OAで表されている。
作動ロッド26のこの所定の行程の後、弁24はブースタ100の後方室14を大気に開放し、ブースタの2つの室12及び14の圧力差が確立されるようになる。この圧力差は、剛性スカート20及び可動シリンダ32を前方に移動させるブースト力を上昇させる。
従って、マスターシリンダ200の内部容積室V内の流体圧力は上昇し、開口36を通る流体の流れによって可動シリンダ32の内部容積室35内に確立されるようになり、そして反動ピストン34の断面積Sに発揮される。
まず第1に、断面積Sに発揮されたこの圧力により発生される力は、スプリング46の休止時での予負荷を超えることはなく、すなわち、反動ピストン34は、プッシュロッド42から或る距離を離れて、可動シリンダ32に対して不動状態に保たれており、従って、ブレーキペダルには反力は感知されない。この第1作動位相が図3の曲線において線分ABで表されている。線分ABの長さはブースタの“ジャンプ”として知られている。
ブースタのジャンプは、スプリング46の休止時での予負荷を調整することによって、所望の値に設定されてよい。例えば、図1及び2に示されているように、リング40にねじを設けて可動シリンダ32内へ螺入するようにして、このリングに対して当接するスカート20に発揮されたブースト力の少なくとも一部を可動シリンダに伝達することが可能である。
このように、可動シリンダ32内へリング40を螺入することは、スプリング46を圧縮し、従ってマスターシリンダの方向へ反動ピストン34に発揮する予負荷を増大させる作用、すなわちジャンプの値を更に増大させる作用を有する。
可動シリンダ32内へリング40を螺入することから起こる長さの減少を補償するために、このリングは、例えば、調節可能な全長を有するように互いに螺合された2つの部品で作られる。
また、プッシュロッド42を、調節可能な全長を有するように互いに螺合された2つの部品で作るようにすることも可能であり、この長さの調節は、特に、可動シリンダ32内へリング40を螺入することにより得られたこのジャンプの値にかかわりなく、ジャンプが起こった時に弁の開放を変化させることを可能にしている。
作動の第2位相では、容積室V及び35内で流体圧力が上昇し、断面積Sに加えられた時にスプリング46の休止時での予負荷を克服するに十分となる所定の値に達する。従って、反動ピストン34は後方に変位して、図3の曲線の点Bで表されているように、プッシュロッド42に接触する。
従って、反動ピストン34は、プッシュロッド42及びブレーキペダルに、ブースト力に依存して入力に抵抗し、従って図3の曲線において線分BCで表されているように第1の力を第2の力で制御できるようにする反力を発揮する。従って、反動ピストン34は、可動シリンダ32の内部容積室35から成る反動室内の流体圧力を受ける反動ピストンを構成する。
入力に対する出力の比に等しいこの線分BCの勾配は、ブレーキ装置のブースト比を表している。このブースト比は、また、反動ピストン34の断面積Sに対する可動シリンダ32の断面積S1の比に等しい。
ブースタの後方室内の圧力が大気圧に達すると、ブースト力はその最大値に達し、従ってさらに増大することはできない。こうして、図3の曲線において線分CDで表され飽和として知られている現象が起こる。
作動のすべての位相において、特に、弁24を駆動し後方室14内の圧力を変化させるのに必要とされ、且つ図3の曲線における線分OAに一致するプランジャ28の行程とは別に、プランジャ28及びプッシュロッド42は可動隔壁16と一緒に変位する。
上述したブレーキ装置は、作動ロッド26への入力の作用レートにかかわりなく、すなわち、車両の小さな減速を所望する通常の制動、及び運転者が車両を即座に停止させる必要のある非常制動の両方に関して、各制動作用の度に同じ態様で作動する。
後者の場合には、勿論、相当の制動力すなわち流体ブレーキ回路内に高圧力を急速に得ることが望まれている。本発明は、簡単で有効であり且つ応答時間を最小限とした手段を用いて、このような成果を達成すること、すなわち非常制動の際に高制動圧力を即座に得ることを可能にしている。
図2によく示されているように、反動ピストン34自体は複合体である。このピストンは、休止位置においてスプリング46からの押圧作用のもとで可動シリンダ32に前方で当接する第1部分50を含む。ピストンは、また、環状シール63により第1部分50の内部を密封態様で摺動できる第2部分52を含む。
可動シリンダ32は、また、中空可動シリンダ32の前部に形成した段付軸線方向孔84−85内を密封態様で摺動できる第3ピストン82を含んでおり、段付孔の小径部分84は大径部分85の前方に位置されている。この摺動はシール87及び89により密封態様で行われる。シール87,89、第3ピストン82及び孔84,85の間にある容積室91は、低圧のブレーキ流体リザーバに例えば管路93を介して接続されていて、この第3ピストンが移動することを許容する。代わりとして、この第3ピストンが移動することを許容するために、この容積室91を封鎖隔離し窒素等の不活性ガス又は空気のような圧縮性流体で満たすようにしてもよい。
第3ピストン82はスプリング86により休止位置へ後方に押圧されて、半径方向リブ88を介して第1部分50に後方で当接休止する。第3ピストンは中央貫通開口90を形成されており、スプリング92がこの半径方向リブ88と第2部分52との間に配置されている。第2部分52は、また、中央開口90を閉鎖するように第3ピストン82に相互作用できる例えばゴム製のシート94を設けられている。有益的には、第3ピストン82の後面には開口90の縁部のまわりでリップ95が形成されて、この閉鎖をより完全なものとする。
スプリング86の休止時での予負荷はスプリング46の予負荷よりも小さく、また、スプリング86及び92の休止時での予負荷の和はスプリング46の予負荷よりも小さいので、休止時には、第2部分52は可動シリンダ32に対して前方で当接する。その上、スプリング92はスプリング86よりも弱い剛さを有する。
作動において、通常の態様で車両を減速させようとする制動作用のためにブレーキペダルに力が加えられると、上述した組立体は、先に説明したと同様に作動する。マスターシリンダの内部容積室Vに流通する圧力は、開口90を介して反動室35に連通されて、第1部分50の断面積Sに発揮され、環状シール63により与えられた密封性のため、この第1部分を第2部分52と同時に、この第2部分52がプッシュロッド42に接触するまで後退移動させる。
同時に、ブレーキ流体圧力は第3ピストン82の両端に発揮される。その形状により、また容積室91がリザーバに接続されていることにより、第3ピストン82は作動ピストンのように働く。このピストンは前方に指向した力を受け、段付孔の部分85及び84の断面積の差とスプリング86の休止時での予負荷との関数として、マスターシリンダに流通する圧力に比例する距離を変位する。
運転者が作動ロッド26への力を釈放すると、ブースタの後方室14内の圧力の低下そしてブースト力の減少を生じさせる。従って、可動隔壁16はスプリング25により後方へ戻され、可動シリンダ32を携行駆動する。その後、マスターシリンダの内部容積室V内の圧力は低下し、同様に開口90及び反動室35内においても低下できる。これは、差動ピストン82が前方へ変位されているため、反動室が開口90を介してマスターシリンダの内部容積室Vに常時連通しているからである。マスターシリンダ内の圧力が低下するにつれて、このピストンは徐々にその休止位置へ戻る。
従って、ブレーキ装置の作動特性曲線は、入力が増大する際及び入力が減少する際に共に、点O,A,B,C及びDを通過する図3の曲線に一致する。
対照的に、非常状態での制動作用の際、すなわち、ブレーキペダルへの入力が非常に高い値に達するように急速に増大する時、プランジャ28及びプッシュロッド42は急速に前進され、特にこれらは剛性スカート20に対して前進され、前方室と後方室との圧力差が確立されて可動隔壁16を動かすに十分な時間はない。この現象は2つの重要な結果を有する。
一方において、プランジャ28の追加の前方移動は弁24の開放を大きくして、後方室14内で圧力をより急速に上昇できるようにする。
他方において、同時に、プッシュロッド42は第2部分52に接触して、この第2部分を第1部分50の孔62内で前方へ摺動させる。この移動において、スプリング46は圧縮されず、その作用は、第1部分50を肩部44に対して休止状態に保つことだけである。スプリング86の剛さはスプリング92の剛さよりも強いので、前者のスプリングは後者のスプリングを圧縮して、第2部分52を差動ピストン82に接触させ、より正確には、シート94をリップ95に接触できるようにする。この時点から、スプリング86は圧縮され得る。
第2部分52及び差動ピストン82で形成された組立体の前方移動は、この組立体が一定容積を有する反動室35内を変位し、また容積室91が低圧ブレーキ流体リザーバに接続されているために、制限されることはない。
この移動において、マスターシリンダの内部容積室Vと反動室35との連通は遮断される。それに続き、マスターシリンダの内部容積室V内の流体圧力は、段付孔84−85の部分84により画定された断面積S2で差動ピストン82に発揮される。従って、この結果、非常制動状態のもとでのブースト比は、反動ピストン34の第2部分52に休止し流体圧力が発揮される差動ピストン82の断面積S2に対する可動シリンダ32の断面積S1の比に等しく、この差動ピストンの断面積は孔部分84の断面積によって画定される。
断面積S2は第1部分50の断面積Sよりも小さいので、非常制動状態のもとでは、ブースト比は、通常制動状態のもとで得られる比よりも大きいことになるのである。従って、ブレーキ装置の作動は図3の曲線において線分BEで表されている。
こうして、同じ瞬間入力F1に関して、通常制動状態のもとで得られる瞬間圧力P1よりも遥かに高い瞬間圧力P2が得られることがわかる。その上、ブースト比が高くなるにつれて、点Eで表されている飽和現象がより早く到達する。
この第2のブースト比は任意に選択され、いかなる所望の値にも、特にリップ95及び開口90の径を小さい値に選択することによって高い値に設定することができる。しかしながら、開口90は、通常制動状態のもとで、マスターシリンダの容積室Vとの連通を制限することなしに、反動室35内の流体圧力を上昇できるに十分大きい径を有している必要がある。
このような非常制動作用の後に運転者が力を釈放すると、再び後方へ戻る作動ロッド26の作用は、プランジャ28及び弁24を動かして、前方室と後方室とを互いに連通せしめる。従って、スプリング25の作用のもとでの可動隔壁16と可動シリンダ32の後退移動、マスターシリンダの内部容積室V内の圧力の低下を生じさせることとなる。
同時に、プッシュロッド42が後退移動しているので、スプリング86は差動ピストン82と第2部分52を後方へ押動することができる。この作動位相は図3の曲線における線分DE及びEBで表されている。半径方向リブ88が第1部分50に当接すると、図3の曲線の点Bに至り、それから、スプリング92は第2部分52を第1部分50に当接するようになるまで後方へ押動する。
こうして、多数の可動部品は図1及び2に示した休止位置へ戻り、反動室35はマスターシリンダの内部容積室に再び連通される。
このように、本発明によると、ブースト式ブレーキ装置は、通常制動状態のもとで得られる比よりも遥かに高いブースト比を有しているため、非常制動の場合には改善された作動特性を有することが実際に達成されている。このブースト比の変化は、センサや複雑な電子回路を必要とすることなしに、これらの極限状態のもとでプランジャ28及びプッシュロッド42を剛性スカート20に対して相対移動させることを単に利用することによって、自動的に得られている。各ブースト比に関して、駆動位相と解放位相とで作動特性曲線は同一である。この結果を得るのに用いられる手段は、比較的簡単で低コストであり、通常制動状態及び非常制動状態の両方を含むあらゆる状況のもとで高い信頼性をもって作動する。

Claims (6)

  1. 一方において、ブレーキ流体を満たされ、共に軸線方向に作用する入力とブースト力とから成る駆動力を受けるようになっている主流体ピストン(30)を備えたマスターシリンダ(200)と、他方において、三方弁(24)の開放を制御するプランジャ(28)に固着された作動ロッド(26)に入力を加えることにより作動されて主流体ピストン(30)に駆動力を発揮できる空気圧ブースタ(100)とを包含し、ブースタが、少なくとも1つの可動隔壁(16)によって少なくとも2つの室(12,14)に密封態様で区分された剛性ケーシング(10)を包含し、可動隔壁が、三方弁(24)の開放により生じる2つの室(12,14)の圧力差を介して作用され、三方弁(24)を支持しブースト力を少なくとも伝達できケーシング(10)に対して移動可能な空気圧ピストン(22)を駆動でき、マスターシリンダ(200)の主流体ピストン(30)自体が、ブースト力の少なくとも一部を受けマスターシリンダの内部容積室(V)に連通する中空可動シリンダ(32)を含み、この可動シリンダ内では、少なくとも入力を受け得る反動ピストン(34)が密封態様で軸線方向に摺動し、第1弾性装置(46)が反動ピストン(34)と可動シリンダ(32)との間で反動ピストン(34)をマスターシリンダ(200)の方向に押圧する第1弾性力を発揮し、少なくとも1つの開口(36)が可動シリンダ(32)に形成されてこの可動シリンダの内部(35)をマスターシリンダの内部容積室(V)に連通し、反動ピストン(34)が、通常開放しているがマスターシリンダの内部容積室(V)と可動シリンダ(32)の内部(35)との連通を遮断できる二方弁装置(94,95)を含み、反動ピストン(34)が複合体であり、休止位置では第1弾性装置(46)の作用のもとで可動シリンダ(32)に対して当接する第1部分(50)と、この第1部分(50)に対して摺動できる第2部分(52)とを包含し、第2弾性装置(92)が、休止位置では第2部分(52)を第1部分(50)に対して当接せしめるように第2弾性力を後方に向けて第2部分(52)に発揮し、第2部分(52)が第1部分(50)内を密封態様で摺動でき、第3ピストン(82)が可動シリンダ(32)内を密封態様で摺動でき、第3弾性装置(86)によって後方へ押圧されて休止位置では第1部分(50)に当接し、第2弾性装置(92)が第2部分(52)と第3ピストン(82)との間に配設され、第3ピストン(82)が、可動シリンダ(32)の内部(35)をマスターシリンダ(200)の内部容積室に連通させる中央開口(90)を形成され、二方弁装置(94,95)が、第2部分(52)又は第3ピストン(82)に配設されたシート(94)で構成されるようにした自動車用ブースト式ブレーキ装置において、第3ピストン(82)が段付けられ、可動シリンダ(32)の段付孔(84,85)内を密封態様で摺動し、段付孔の前方部分(84)の径がこの孔の後方部分(85)の径よりも小さいことを特徴とするブースト式ブレーキ装置。
  2. 請求項1記載のブレーキ装置において、マスターシリンダ(200)の内部容積室(V)内のブレーキ流体の圧力が、二方弁装置(94,95)の開放時には中空可動シリンダ(32)の第1断面積(S)に加えられ、二方弁装置(94,95)の閉鎖時には第1断面積(S)よりも小さい反動ピストン(34)の第2断面積(S2)に加えられることを特徴とするブースト式ブレーキ装置。
  3. 請求項1記載のブレーキ装置において、プランジャ(28)が、可動隔壁(16)とプランジャ(28)との相対移動の際に二方弁装置(94,95)を閉鎖方向に駆動するプッシュロッド(42)に固着されていることを特徴とするブースト式ブレーキ装置。
  4. 請求項1記載のブレーキ装置において、第3ピストン(82)及び段付孔(84,85)が、一定の圧力を受ける容積室(91)を画成することを特徴とするブースト式ブレーキ装置。
  5. 請求項4記載のブレーキ装置において、第3ピストン(82)及び段付孔(84,85)により画成された容積室(91)が、低圧のブレーキ流体リザーバに常時接続されていることを特徴とするブースト式ブレーキ装置。
  6. 請求項1記載のブレーキ装置において、第3ピストン(82)及び段付孔(84,85)が、圧縮性流体で満たされる容積室(91)を画成することを特徴とするブースト式ブレーキ装置。
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