図51、図52は、本発明の第一の実施形態によるライン状均一吐出装置の説明図であり、図51は図52の左側面から見た断面図、図52は正面から見た断面図である。図51、図52の作用は、ガスノズルの吐出圧力で媒質を加速し、複数の流路から流れてくる媒質を衝突させて均一化し、その後、媒質を輻輳して集中させ、充分に混合させた状態で基板へ噴霧する。そして、噴霧後の余剰媒質は還流路より回収される。
701は中央ガスノズル、702は左ガスノズル、703は右ガスノズル、704は排気口、705は流路形成部材、706は還流路形成部材、707は媒質貯留槽、708は媒質滲み出し部、709は非処理基板、710は媒質衝突均質化空間、711は媒質搬送加速空間、712は媒質加速空間、713は媒質衝突混合空間、714は還流路、715は媒質斜め加速空間、716は媒質吐出制御板、718は高圧ヘッダー、719はコンプレッサ、720は負圧発生部、721は平行部、722は吐出部、723は高圧ヘッダー、724はコンプレッサ、725は気体漏れ防止板、726は液体漏れ防止板である。
各ガスノズル701、702、703は、図52に示すように図51の紙面の奥行き方向にも複数個備えている。一端は、高圧ヘッダー718を介してコンプレッサ719より不活性ガスなどの加圧気体が供給され、もう一端は、本発明のライン状均一吐出装置本体へ接続されている。高圧ヘッダー718はコンプレッサー719から吐出されたばかりの圧縮流体の圧力変動を抑えて均一な圧力の流体を供給する。また、各ガスノズル701、702、703は、図52に示すように、負圧発生部720、平行部721、吐出部722より構成され、圧力損失を抑えて、加圧ガスを吐出できるようにしている。
左ガスノズル702、右ガスノズル703から供給された加圧ガスは、媒質衝突均質化空間710で衝突し、霧化、混合、均質化が行われる。中央ガスノズル701からの加圧ガスにより、基板709方向へ加速され移動する。左ガスノズル702、右ガスノズル703から供給された加圧ガスは、媒質斜め加速空間715へも供給され、媒質加速空間712で中央ガスノズル701からの加圧ガスと衝突してさらに加速される。そして、媒質衝突混合空間713で最終的に、霧化、混合、均質化が行われて基板709上へ噴霧される。噴霧後の余剰媒質は、還流路714を通して排気口704から回収される。
各ガスの流路は、流路形成部材705、還流路形成部材706により構成される。これらの各流路を形成する部材は、使用する媒質と反応しない材料であれば良く、SUS材、ガラス材、石英ガラス材、プラスチック材などを使用することができ、用途によって選択する。また、本装置は、図52に示すように気体漏れ防止板725、液体漏れ防止板726を、装置側面に設けて気密を保つように構成している。液体漏れ防止板726は、液体をはじく材料を用いると効果的であり、図35で説明するのと同様に撥水性のメッシュを用いることができる。これは、還流路形成部材706の下部へ設けることにより正面側の気密も保つことができる。
図51では、媒質貯留槽707を備えることができ、液体を霧化して噴霧することが可能である。媒質吐出制御板716に表面張力などで付着させた媒質を、下方へ押し出すことにより、媒質滲み出し部708より、媒質が滲み出してくる。この滲み出させた媒質を左ガスノズル702、右ガスノズル703から供給された加圧ガスにより、媒質衝突均質化空間710へ加速移動し、霧化、混合、均質化が行われる。
本発明では、複数の流路からの媒質を衝突させるため、簡単な構造で媒質の霧化と混合を確実に行うことができる。特に、半密閉空間内で、媒質を高速噴射するため、媒質の高速化を容易に行うことができ、成膜を確実に行うことができる。また、スリット状の空間を構成しているためクリーン度管理を容易に行うことができるとともに、スリットによる狭い空間で成膜を行うため媒質の使用量を削減できる。また、外部へ拡散させることなく、基材上へ確実に成膜する事ができる。さらに、回収も容易であり、汚れ防止が可能である。そして、媒質の保管を直前まで別な容器で行うため、媒質の劣化、反応を防止することができ、媒質の寿命の延命を行うことができる。液体媒質の供給も簡単な構造で、容易に霧化、供給できる。
図53は、本発明の第二の実施形態によるライン状均一吐出装置の説明図であり、左側面から見た断面図である。図51に示す媒質搬送加速空間711、媒質斜め加速空間715をシート状の材料で構成するものであり、図53では、加速・均質化ベルト730により構成している。基本的な動作は、図51、図52で説明したのと同様である。図51、図52の動作と異なる点は、加速・均質化ベルト730の回転力を利用することにより、ガス圧力に加えて加速力を付加できることである。
本発明では、媒質搬送加速空間をシート状の材料で構成することにより、特に、媒質使用空間と不使用空間を、簡単な構造で分離できることが特長である。このことにより、媒質使用空間を容易にスリット構造にすることができるとともに、媒質不使用空間には、電極や、冷却剤などを配置することができる効果がある。また、図53に示すベルト730とすることにより清掃が容易であること、常に新しい部分を使用できること、交換が容易であること、奥行き方向の長さを容易に変更できるなどのメリットもある。
図54は、図51、図52に示した装置をプラズマCVD装置に応用したものである。741はプラズマ形成用高周波電極、742は誘電体コーティング、743冷却体、744は反応ガスプラズマ化ゾーン、745は反応ガス供給口、746は金属含有ガスまたはキャリアガス供給口、747は反応ガス・金属含有ガス混合ゾーン、748は成膜媒質である。
従来のプラズマCVDでは、(1)常圧下において、有機金属化合物と酸素との混合ガスをプラズマ励起させた後、基材に吹き付けて酸化物薄膜を成膜する方法、(2)常圧下においてプラズマ励起された金属含有ガスに酸素ガスを混合し、その混合ガスをさらにプラズマ励起して基材に成膜を行う方法、(3)減圧下において、複数種のガスを別々にプラズマ励起し基材付近で混合して成膜する方法があった。ところが、成膜方法(1)、(2)では、成膜用の金属ガスが直接励起されるため電極周囲や真空チャンバに成膜され、ガスが有効利用されず成膜速度を高められない。電極付着物が大量に発生するため、メンテナンス間隔が短くなるという欠点がある。一方、成膜方法(3)によれば、減圧のプロセスであることから、真空引きに多くの時間を要し、スループットが悪いという問題がある。また、複数種のガスを単純に同一個所に集中させて吹き付けても、それぞれが層流として分離して流れてしまうという大きな問題もある。
本発明では、プラズマ励起する反応ガスと、プラズマ励起を行わない金属含有ガスに分けて供給し反応ガスのみをプラズマ励起し、基板直前で金属含有ガスと混合して噴霧して成膜を行うことにより、常圧下において金属含有薄膜を、産業上利用可能な成膜速度で形成することができ、しかもメンテナンス間隔を長くすることが可能となる。
図54は、図51の基本構造にプラズマ形成用高周波電極741が取り付けられている。プラズマ形成用高周波電極741は、誘電体コーティング742、冷却体743により構成される。反応ガス供給口745から供給された反応ガスは、媒質斜め加速空間715に供給され、プラズマ形成用高周波電極741内を通過することにより反応ガスプラズマ化ゾーン744でプラズマ励起される。金属含有ガスは、746は金属含有ガス供給口より供給されて、反応ガス・金属含有ガス混合ゾーン747で混合され、基板709へ噴霧し成膜が行われ成膜媒質748が形成される。
図54のプラズマ形成用高周波電極741は、円形や楕円形で構成している。このことにより、単位面積あたりのプラズマパワーを大きくすることができ、電極破損、ストリーマ放電の発生を防止でき、継続的に安定したプラズマ放電を行うことができる。プラズマ形成用高周波電極741の曲率半径は1〜25mmとすると良い。また、プラズマ形成用高周波電極741は、誘電体コーティング742で被覆することによりストリーマ放電の発生を防止できる。冷却体743は、電極741の内部に設けて電極の過熱を防止する。
電極材料は銅、アルミ、真鍮、SUSなどを使用でき、誘電体材料は、ポリテトラフルオロエチレン等のプラスチック、ガラス、セラミックなどを用いることができる。冷却材料としては、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、純水にエチレングリコールを5〜60重量%混合したものを使用できる。
プラズマ励起する反応ガスとしては、酸素、窒素または水素のいずれかのガスを用いる。また、プラズマ励起を行わない金属含有ガスとしては、TMOS(テトラメトキシシラン)またはTEOS(テトラエトキシシラン)などのSi系の有機金属ガス、TiCl2、Ti(O−i−C3H7)4などのTi系のガス、あるいは、Al(CH3)3、Al(O−i−C3H7)3、Al(O−Sec−C4H9)3などのAl系のガスを挙げることができる。さらに、金属含有ガスには、窒素、アルゴン等の不活性ガス、酸素、水素などのガスを混合してもよい。パルス電界の電界強度は、10〜1000kV/cmであり、好ましくは20〜300kV/cmである。電界強度が10kV/cm未満であると処理に時間がかかりすぎ、1000kV/cmを超えるとアーク放電が発生しやすくなる。上記パルス電界の周波数は、0.5kHz以上であることが好ましい。上記パルス電界における1つのパルス継続時間は好ましくは3〜200μsである。200μsを超えるとアーク放電に移行しやすくなる。
図1は、本発明の第三の実施形態による薄膜形成装置またはパターン形成装置または造形装置の基本的な構成を示す。1は第一のプーリーに巻回したベルトとしての媒質供給ベルト、2は薄膜形成ローラー、3は第二のプーリーに巻回したベルトとしての加速ベルト、4は霧化空間、5は媒質、6は媒質貯留槽、7は媒質加速部、8は吹き付け媒質、9は基材、10はスクリーン、11は形成パターン、12はベース、13は下面ヒーター、14は排気口、15はスクレーパ、16は流量センサー、17は上面ヒーター、21は圧力流体供給ノズル、31は電界印加手段、32は帯電部、33は電極、34は抵抗である。図1により本発明の基本構成について説明する。図1に示すベルト霧化加速装置は、ベルトを対向させて微細な隙間の半密閉空間を構成することにより、高価な真空装置と同様なクリーン環境を安価に容易に得ることができる。
最初にベルトによる半密閉空間と霧化装置と加速装置の構成による成膜装置について説明する。第一のプーリーに巻回したベルトとしての媒質供給ベルト1と第二のプーリーに巻回したベルトとしての加速ベルト3を対向させて配置することにより、半密閉空間を形成することができ、霧化空間4も形成される。媒質供給ベルト1は、媒質貯留槽6から媒質5を取り出し、薄膜形成ローラー2で媒質5の供給量を最適化し薄膜化を行い、霧化空間4へ搬送する。霧化空間4では、第一のプーリーに巻回したベルトとしての媒質供給ベルト1と薄膜形成ローラー2と第二のプーリーに巻回したベルトとしての加速ベルト3の回転力により媒質5を加速し、両方向から同時に供給された媒質5は互いに衝突して霧化される。第二のプーリーに巻回したベルトとしての加速ベルト3では、霧化空間4で霧化した媒質8を、媒質加速部7で加速し、吹き付け媒質8として、基材9上へ塗布し成膜を行う。この時、スクリーン10を配置してスクリーン10を介して媒質8を吹きつけ、塗布することにより、形成パターン11を得ることができる。
基材9は、ベース12上に搭載されており、下面ヒーター13を内蔵させておく事により、パターン形成直後に形成パターン11を乾燥、硬化などを行うことができる。霧化して、薄膜形成し、即刻硬化させる、これを連続的に繰り返し、回数を制御すれば、これまで不可能だったナノメーターオーダーの薄膜から高アスペクト比の厚膜形成まで、精密に膜厚を制御して成膜を行うことができる。また、上面ヒーター17も設けることにより、温度上昇の迅速化と分布の均一化を行う事ができる。
本装置の内部で、媒質を混合、分散、霧化できるため、機能性材料とバインダーを中心とした材料のみで構成する事ができるため、分散剤等も不要とすることができ、媒質材料の削減、媒質作業条件の簡略化、保存の簡略化などを行う事ができる。特に、互いに反応しやすく、予め混合しておくことが不可能な材料であっても、直前に混合することにより成膜が可能となる。また、印刷ペーストのようにレオロジーを考慮する必要がなく、媒質の設計を大幅に容易化することができる。
流量センサー16を設けておくことにより、最適な塗布量を検出できる。図示しない制御装置で媒質供給量を制御することにより塗布厚を最適化できる。流量センサー16は透過光で流量を検出するもので、霧化空間4に配置してもその目的を達成できる。
パターン形成後の不要媒質は、排気口14から取り除かれ、スクリーン10上に残った不要媒質は、スクレーパ15で除去される。ヒーター13、17はなくてもパターン形成は可能であるが、ヒーター13、17がない場合には後工程で加熱乾燥焼成を行う。
次に、図1により、圧力流体による媒質の加速方法について説明する。前記ベルトによる霧化、加速工程に、圧力流体供給ノズル21を設けることにより、媒質5の加速、霧化が推進され細かい微粒子を形成することができる。媒質供給ベルト1を対向させて形成したスリット22の上部から圧力流体供給ノズル21を通じてガスを噴射し、霧化空間4で媒質5を膨張させ霧化を行う。使用するガスは、空気および窒素、アルゴンなどの不活性ガスを使用できる。不要媒質は排気口14から排気され、図示しない処理装置によって処理され循環使用または排気される。媒質8の霧化を推進し粒子を細かくすることにより、薄膜の形成が可能となる。微粒化の度合いは、必要な薄膜によって異なるが、0.1〜100μm程度である。
次に、図1により、電界による加速方法について説明する。前記ベルトによる加速、霧化工程に、電界印加手段31、帯電部32、電極33、抵抗34を設ける。電界印加手段31は具体的には−25〜90kVを印加し、帯電部32をもっとも高電圧とし、基材9側をグランド電位とする。電極33は複数個設け、50MΩ程度の抵抗34を介して接続し電位傾度を持たせることにより、電位を均一化させる事ができるため不平等電界をなくす事ができ、媒質5の飛翔方向をすべて基材9へ向けることができる。複数の電極33の間隔は3〜10cmとし、最終段の電極の電位は−8〜−15kVとなるように設定すると良い。媒質8を加速することにより、霧化を促進して粒子を細かくすることにより、薄膜の形成が可能となる。帯電させる方式のため、媒質5の抵抗値は1012Ω以上としたほうが良い。金属粒子の場合は表面をバインダーなどで被覆すれば良い。本発明の電界加速方式を用いれば、媒質を音速以上に加速出来、基材への媒質密着度を向上させることができる。
以上説明したように、媒質8の加速手段として、ベルト、流体噴射、電界の3種類は、3種類同時に使っても良いし、個別に使っても良いし、必要な方法を組み合わせて使っても良い。ベルト加速方式は、ペーストなどの粘度の高い媒質や、液体などを加速するのに適している。流体噴射加速方式は粘度の低い媒質や液体および粉体やガス状体の加速するのに適している。電界加速方式は、絶縁性の粉体を加速・制御するのに適している。ただし、媒質5が金属粒子の場合は表面をバインダーなどで被覆し、その抵抗値を1012Ω以上とすれば良い。また、高い真空度で使用する場合や加速ガスを使用したくない場合などでは、ベルトの高速回転と電界加速方式を併用して、高速に加速して媒質5の基材9への密着強度を高めることができる。
本発明では、霧化装置を用いて超微粒子を発生させ、非接触で、超微粒子を積層させて精密成膜し厚膜化できるというこれまでにない特徴を持つ。スクリーン10は、基材9と接触させる必要がないため、従来のスクリーン印刷のような裏回りもなく、また、スキージで加圧する必要がなく、版離れも不要となるためスクリーン10の変形がなく高精度のパターン形成が可能となる。さらに、微粒化した媒質を用いて噴霧するため、従来のスクリーン印刷では、充填の難しかった有底ビアのような底のある微細な孔へのペースト充填も容易に行うことができる。そして、媒質8は加速されているため基材9上への密着強度を非常に高められるとともに、基材9上へ密着した媒質8が内部で圧縮され、特別に緻密なパターン形成を行うことができる。さらに、スクリーン10は基材9に接触させる必要がないため、塗布と加熱を繰り返して積層を繰り返せば超微粒子の積層厚膜形成が可能となる。
図1で説明したベルトは、まず、材質として、SUS、スチール、その他の金属、プラスチック、ゴム、紙、繊維、コーティング材これらの組み合わせなどを用いることができるが、媒質5に化学的に反応しないものが良い。形状としては、フィルム状、板状、メッシュ状のものを用いることができる。メッシュ状のベルトでは、完全密閉はできないが、高速移動によって流体のカーテンによって密閉でき、メッシュを撥水処理することにより液体の漏出を防止できる。ベルトとベルトの間隔は0.01〜100mm程度で、吹き付け圧力、媒質の粘度、パターン膜厚、パターン形状(線間/線幅)、基材材質、パターン形成速度などによって調整する。ベルトの奥行き方向の長さは基材9のサイズに合わせて、実用的には10mm〜2m程度までのサイズで自由に変更できる。製造能力によってはさらに大サイズのものも可能であり、容易に安価にクリーンルームを構成できる。スクレーパ15はスクリーン7上に付着した媒質2を清掃除去するものである。スクレーパ15は、ゴムやスポンジ状のもの、紙、金属など何でも良いが、やわらかく変形するものが好ましい。
スクリーン10は撥水性、撥油性処理を行うことで、媒質5の付着を防止できる。撥水性、撥油性処理の方法は、電解ニッケル−コバルト−PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)複合メッキで行うと効果が高い。上記PTFEの替わりに、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)なども使用できる。
本発明では、吹き付けでパターン構成するため、従来使用できなかったペーストを使用できるとともに、大幅な工程の簡略化とペーストの設計の大幅な簡略化を行うことができる。すなわち、これまでの、スクリーン印刷用のペーストは、電気特性などの機能を満足した上で、スクリーン通過性、だれ、にじみ、などを満足しなければならないために、フィラーとバインダー以外に、増粘剤、溶剤、希釈剤、可塑剤、分散剤、沈降防止剤などを添加し、レオロジーの最適化を行なっていた。これらの合成には高い技術と経験が必要であり、長い研究期間を経なければ開発できないものであった。本発明の装置の工程中には、微粒化分散工程と加速工程が存在するため、媒質5として、増粘剤、溶剤、希釈剤、可塑剤、分散剤、沈降防止剤などを最小限にした、フィラーとバインダーを主とした構成とすることができ、ペーストの構成を簡略化でき、開発設計期間を大幅に削減できるとともに乾燥、焼成時間も大幅に短縮できる特徴がある。
また、本発明では、半密閉構造で、基板を直接加熱が可能な構造としているため、銅フィラーを用いることが可能である。銅フィラーは低価格であり、マイグレーションを防止できるメリットがあるが、酸化の問題があったため使用環境が限定されていた。本発明では、塗布直後に基板を加熱することができるためこの問題を回避できる、窒素やアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中でパターン形成を行えばよい。
図1では、下面ヒーター13、上面ヒーター17を設けて基板を加熱した状態で、媒質5を吹き付けることにより、熱CVD法や、スプレー熱分解法で成膜を行うことができる。熱分解のための温度としては、TiO2、SnO2、ZnGaO4、Znフェライト、Cuフェライト、Ni−Znフェライト、Mn−Znフェライトなどでは、250〜500℃で加熱すれば基板上に析出する。LiMn2O4では、750℃前後の加熱温度で基板上に析出する。特に熱CVD法や、スプレー熱分解法では基材9の温度分布の管理が重要であるが、本発明では、ベルトを対向させて、半密閉のスリットを形成してライン状に狭い範囲で成膜していくため、媒質8の温度、基材9表面の温度分布を均一化しやすいため、特性にむらのない均一な薄膜を形成する事ができる。
この場合、スクリーン10は加熱されるため、表面を波長5〜100μmの赤外線放射を行う膜で被覆を行うと熱膨張を防止でき、パターン形成精度を向上できる。被覆材料はステンレスなどのスクリーン10表面を赤外線放射材料であるコージェライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)にMnO2(60%)、FeO3(20%)、CuO(10%)、CoO(10%)の仮焼物を30%添加したセラミックスや、コージェライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、ジルコニア(ZrO2)、アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、マグネシア(MgO)、チタニア(TiO2)、チタン酸バリウム(BaTiO)等を被覆したもので構成できる。また、スクリーン10は、オキツモ株式会社製の製品名CT−800をステンレススクリーン表面に10〜20μ厚さでスプレー塗装し、380℃で20分乾燥すれば非常に簡単に構成できる。このことにより、有効に熱を放射できるため、スクリーン10の溶解を防止できる。
図2はスクリーンを用いずにレーザー光、X線、電子線などの活性光で描画する方法を示す。41はレーザー、42はレーザーによる媒質加熱部または反応部である。図1と基本的に異なる点はスクリーン10の代わりにレーザー41を配置したことである。図1と同じ方法で搬送、霧化され、加速して供給された媒質8は基材9上に薄膜形成される。この薄膜上にレーザー光41を照射して加熱または化学反応させてパターンの形成を行う。加熱用として使用するレーザーは、CO2レーザーやYAGレーザーを用いることができる。薄膜の加熱温度は200〜500℃程度とするのが良い。加熱分解のための温度としては、TiO2、SnO2、ZnGaO4、Znフェライト、Cuフェライト、Ni−Znフェライト、Mn−Znフェライトなどでは、250〜500℃、LiMn2O4では750℃前後の加熱温度である。さらに、造形装置では鉄粉を焼結するために1500℃程度の加熱温度である。媒質を基材9上にレーザー41で描画して、析出、乾燥、焼成、焼結などで一回目のパターン形成を行ったあと、同様の動作を繰り返して行い、積層パターンを形成することが可能である。ここでは、ヒーター13、17は予熱として使用すると良い。
本発明では、ナノメータオーダーの薄膜を形成してレーザー光を照射するため非常に高精度なパターン形成を行うことができる。レーザー光はビームがガウス分布であるため、焦点位置からずれるにしたがって、すそ広がりになり、塗布膜厚が厚い場合には、厚さ方向にスポット径が大きくなる部分ができてしまい、解像度が低下し高精細なパターン形成ができなかった。本発明では薄膜を形成してレーザー光を照射するため、ビームスポット径を小さくすることができ、高精細度のパターン形成ができる。また、薄い膜のため、レーザー光の照射時間を短縮でき、基材9上のダメージを防ぐ事ができる。
また、造形装置に用いれば、薄く焼結できるので、外形焼結部に余熱による不要な焼結物が付着しないので滑らかな外形面を形成でき、従来、必要であった外形の切削加工や、研磨加工などを省略でき、大幅な工程の簡略化と高精度化を行うことができる。
紫外線レーザーとしては、He−Cdレーザー、YAGレーザーの高調波レーザー、半導体レーザーなどを用いることができる。これらはいずれも、ビームスポット径を1μm程度まで小さく絞ることができ、微細パターンを形成できる。本発明により、光導波路を形成する場合を一例として説明する。
分岐度が20%の分岐状ポリメチルフェニルシラン化合物にシリコーン化合物を50wt%添加したポリマを有機溶媒トルエンに溶かしてフォトブリーチング用ポリマ溶液を用い、この溶液を石英ガラス基板上の低屈折率層(SiO2層、膜厚約10μm)上に図2の装置を用いて噴霧塗布して150℃、20分のプリベークと250℃、30分のポストベークを行なって、厚さ約10μmのポリマ層を得た後、このポリマ層上に発振波長が442nmのHe−Cdレーザー(ポリマ層表面での連続波パワー値:約2mw)をレーザビームスポット径約1μmに保持して、基板1を100μm/sの速度で移動させながら長さ50mmの直線部に対して照射した。そして、幅10μmの領域に対しては照射位置を少しずつ(1μmずつ)ずらして約10回走査して照射し、上記ポリマ層の屈折率を照射前の値1.64から1.625に低屈折率化させた領域を得ることができた(波長632.8nmでの屈折率値)。
図3は、図1のスクリーン10を取り除いて代わりにオンオフ電極35を設けて、媒質5の噴霧をオンオフすることにより、直接パターン描画を行うものである。媒質の噴霧をオンオフする方法は、媒質5を通過させる時にはオンオフ電極35を加速電圧側に接続しておき、非通過の時にはグランド電位に接続して、帯電部32で帯電した媒質5をオンオフ電極35に吸引することにより行う。吸引した媒質は排気口14より排気する。図3の紙面奥行き方向に、複数のオンオフ電極35を設けることにより、媒質の通過、非通過を決定する手段を設ければ、高精細なパターン形成を行うことができる。
図4は、本発明によるプラズマCVD装置である。51はプラズマ形成用高周波パルス電圧源、52はプラズマ形成用高周波電極、53はキャリアガス第一供給口、54は第一排気口、55はキャリアガス第二供給口、56は第二排気口、57は気化用ヒーター、58は誘電体ベルト、59は第三のプーリーに巻回したベルトとしてのガス誘導ベルト、60は霧化・気化ゾーン、61は媒質ヒーター、62はカバーベルトである。媒質5は、図1と同じ方法で媒質貯留槽6より取り出され、キャリアガス第一供給口53より、スリット22へ向かってキャリアガスが供給され、霧化・気化ゾーン60で膨張し霧化、気化される。媒質5は、気化用ヒーター57で前もって150〜200℃で加熱されているため霧化された媒質5は気化される。気化した媒質63を、プラズマ形成用高周波電極52によるプラズマ電界で媒質を励起、分解して、基材上に薄膜パターンを形成する。
プラズマ電極52は、安定したプラズマ放電を発生させるために、アーク放電を発生させないように、誘電体ベルト58を挟み込む形で配置する。誘電体材料は、比誘電率が2以上の材料を用いる事ができ、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックや、表面をコージェライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、ジルコニア(ZrO2)、アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、マグネシア(MgO)、チタニア(TiO2)、チタン酸バリウム(BaTiO)等で被覆したもので構成でき、厚さは0.01〜4mm程度が良い。薄いと絶縁破壊が発生し、厚いと高い電圧が必要となる。プラズマ形成用高周波電極52の間隔は、50mm以下が良い。50mmを超えると均一なプラズマが発生しにくくなる。プラズマ形成用高周波パルス電圧源51には、電界強度250kV/cm以下、周波数100kHz、立ち上がり・立下り時間100μs以下のパルス電界を印加する。電界強度250kV/cm、周波数100kHz、立ち上がり・立下り時間が100μsを超えるとアーク放電になりやすくなる。基材9は、ヒーター13、61により、80〜400℃の温度で加熱しておく。基材9の加熱温度は媒質5によって異なる。
本発明は、ガスカーテン機構を、ベルトと組み合わせて行うことが特徴である。ベルトの回転により、ガスの流れを誘導して整流する。キャリアガス第一供給口53よりキャリアガスが供給され、気化した媒質8を基材9へ塗布した後、第一排気口54へ排気される。キャリアガス第二供給口55からもキャリアガスを供給し、第一排気口54と第二排気口56へ排気される。このとき、第三のプーリーに巻回したベルトとしてのガス誘導ベルト59の回転によりガスを誘導し、第一排気口54と第二排気口56へ排気する。このことにより、ガスカーテン機構を確実なものとすることができ、簡単な機構で密閉空間を構成できる。キャリアガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンなどいずれか一種以上のガスを用い、圧力は、9.3313×104〜10.397×104Paの大気圧近傍の圧力が好ましい。
プラズマCVDによるパターン形成の例としては、媒質がガスや、液体をガス化したものの場合が多い。まず、媒質がガスの場合は、ZnOC2H5を2%、酸素を16%、Al(CH3)3を0.008%を混入したアルゴンガスを供給するとガラス基材9上にZnO2にAlがドーピングされた透明導電膜を形成することができる。
媒質が液体をガス化した場合の例としてDRAMの静電容量部のTa2O5の例を説明する。液体原料Ta(OC2H5)5を、ベルト1と前述のキャリアガスで霧化を行い、気化ヒーター57で150〜180℃で気化して基材9上に供給するとTa2O5の膜が形成される。その他の液体原料は、NbO5 (五酸化ニオブ)を成膜するためのNb(OC2H5 )5 (ペンタ・エトキシ・ニオブ)、TiOx(チタンオキサイド)を成膜するためのTi(OC3 H7 )4 (テトラ・イソプロピル・チタン)、ZrO2(二酸化ジルコニウム)を成膜するためのZr(OC4 H9 )4 (テトラ・ブトキシ・ジルコニウム)、HfO2 (二酸化ハフニウム)を成膜するためのHf(OC4 H9 )4 (テトラ・ブトキシ・ハフニウム)等を使用してもよい。
図5は、本発明によるレーザーCVD装置である。図4の装置にレーザー光源41を付加している。パターン形成例としては、コンデンサを形成する材料として、SrTiO3 膜を形成する場合を説明する。Si基板を熱処理して表面にSiO2 膜を形成しその上にスパッタリング法でTi膜、Pt膜を形成し、このPt膜の上に次に示す条件でSrTiO3 膜を形成する。2つの媒質貯留槽6にSr原料とTi原料を供給し、Si基板を370℃に加熱しておき、気化ゾーン60で気化させた200℃のSr原料ガスと35℃のTi原料ガスを、キャリアガスとしてのArガス及び酸化性ガスとしてのO2 ガスとともに供給口53より導入供給する。一方、レーザー光41より150mJのエネルギーを照射して、原料ガスを分解、励起してSiO2膜、Ti膜及びPt膜を有するSi基板の上にSrTiO3 膜を形成する。次に、このSrTiO3 からなる薄膜の上に、直径0.5mmのAg膜を形成し、下部電極のPt膜と上部電極のAg膜とを対向電極としてコンデンサを構成した。
図6は、図4で示した本発明によるプラズマCVD装置にレーザー41を設け、プラズマCVD形成した薄膜上にレーザー光41でパターン形成を行うものである。プラズマ形成用高周波パルス電圧源51には、電界強度250kV/cm以下、周波数100kHz、立ち上がり・立下り時間100μs以下のパルス電界を印加し、基材9を、ヒーター13、61で予熱しておき、選択的に前記レーザー光で加熱して、照射部分42が、80〜400℃の温度になるように加熱してパターン形成を行う。
図7は、図4で示した本発明によるプラズマ電源51の代わりに光CVD用光源として、エキシマランプを設け、加速ベルトを光が通過できるように透明ベルトまたはメッシュベルトとしたものである。図4と同様に霧化・気化ゾーン60で膨張し霧化、気化し、気化した媒質5を、エキシマランプを照射して、ベルト66を通過した気化媒質63を励起、分解して、基材上に薄膜を形成する。図1〜図7では、基材として平坦なものを説明してきたが、図1〜図7に示す構造であれば、円筒形や、ローラーに巻きつけたフィルム状、ベルト状のものへも、ロールツーロール方式で連続して成膜を行う事ができる。
図8は、加速ベルト3の表面に、羽根状の突起を設けたものである。送風機の羽根と同じ原理で、媒質やガスを基材方向へ押し出す力を得ることおよび対向させたベルト間で微粒子を衝突させて、さらに、霧化を促進することを目的とする。図8ではベルト走行方向に斜めに羽根状の突起を設けている。このことにより媒質は斜め下方の押し出し力を受ける。ベルトを対向させることにより斜め下方の押し出し力を受けた媒質は、互いにぶつかり合うことになり、微粒化が促進される。羽根の突き出し量、幅、ピッチは、ともに0.5〜10mm程度とすればよい。突き出し量は大きいほど媒質押し出し効果は高いが突き出し部の強度的に弱くなる。
図9は、ベルト加速方式の他の実施形態を示す。図1と異なる点は、媒質貯留槽6を1セットとしてそれに対応して各ベルトも1セットとし、加速ベルトの構成を変更して、全体の構成の簡略化を行っている。加速ベルト23は、薄膜形成ローラ2とスリット22を構成し、媒質搬送ベルト1とともに第1霧化空間24を構成し、吐出ベルト25とともに第1霧化空間26を構成する。媒質搬送ベルト1により媒質5を加速搬送し、加速ベルト23の第1衝突面27へ衝突させ、第1霧化空間24内で最初の霧化を行う。次に、吐出ベルト25の第2衝突面28へ衝突させて2回目の霧化を行い、スクリーン10を介して基材9上へ媒質8を吹き付け、形成パターン11を得る。
図9では、ノズル21から、基材9、スクリーン10面、排気口14へ通ずる経路を構成することにより負圧領域29を形成している。媒質8の塗布前に、負圧領域29を設けることにより、基材9への媒質8の塗布を行いやすくすることができる。また、圧力調整室37を設け、媒質5を、吸引保持しておき、媒質加圧機構38の位置を変更することにより、吐出量を制御する事ができる。そして、図1同様に、下面ヒーター13と上面ヒーター17を配置しておく事により、基材9のパターン形成直後に形成パターン11を乾燥、硬化などを行うことが、ナノメーターオーダーの薄膜から高アスペクト比の厚膜形成まで、精密パターン形成を行う事ができる。スクリーン10は、図1同様に、加熱されるため表面を波長5〜100μmの赤外線放射を行う膜で被覆を行うと熱膨張を防止でき、パターン形成精度を向上できる。
図10は、図9で示した霧化、加速装置を基本構成として、4種類の媒質を塗布することが可能な装置の例を示す。43は第一衝突霧化空間、44は第二衝突霧化空間、45a、45bは霧化空間形成ベルト、46a、46bは下方搬送ベルト、47は第一霧化空間、48は第二霧化空間、49は第三霧化空間である。動作は図9とほぼ同様である。異なる点は4媒質を混合する点である。第一媒質5aは第一搬送ベルト1aで取り出し、第二媒質5bは第二搬送ベルト1bで、第三媒質5cは第三搬送ベルト1cで、第四媒質5dは第四搬送ベルト1dで取り出す。取り出された第一媒質5aは、第一搬送ベルト1a、霧化空間形成ベルト45a、下方搬送ベルト46aで構成される第一霧化空間47で第一段階の霧化が行われ、その後、霧化空間形成ベルト45a、下方搬送ベルト46a、吐出ベルト25aで構成される第三霧化空間49で第二段階の霧化が行われ、第二衝突霧化空間44へ加速搬送される。第二媒質5bは第二搬送ベルト1b、第一搬送ベルト1a、霧化空間形成ベルト45aで構成される第二霧化空間48で第一段階の霧化が行われ、その後、第一衝突霧化空間43へ加速搬送される。同様に、第三媒質5c、第四媒質5dも霧化され、衝突霧化空間43、44へ加速、搬送される。したがって、第一衝突霧化空間43では、第二媒質5bと第四媒質5dが衝突、霧化され、第二衝突霧化空間44では、第一媒質5aと第三媒質5cが衝突、霧化されると同時に、第一衝突霧化空間43で衝突、霧化された第二媒質5bと第四媒質5dもさらに衝突、霧化される。このとき、図1と同様にノズル21より圧力流体をスリット22へ向けて供給すると霧化が促進される。すなわち、第二衝突霧化空間44では、4つの媒質が霧化されて混合され、吐出ベルト25a、25bの間から媒質8として吐出される。図10で各媒質の投入量を制御したい場合は、それぞれの媒質搬送ベルト1の速度を制御すればよい。駆動を停止すれば供給を停止できる。
図10の方法であれば、基材9上で混合することとなるため、例えば、金属とセラミックスの複合造形体を製造する場合、金属微粉体、セラミックス微粉体、潤滑剤を、長時間攪拌して、均一に分散、混合しなければならないが、本発明では、分散、混合、焼成工程をもっているため、媒質を単体で供給するだけで容易に確実に製造する事ができる。第一媒質として、Al2O3、TiO2、ZrO2、cBN、Si3N4、TiN、TiC、WC、TaCなどから1種または2種以上のセラミックス微粉体を用い、第二媒質として、珪酸のアルカリ塩、タルクホウ酸、アルギン酸のナトリウム塩、グリセリンなどの有機バインダーを用い、第三媒質として、Fe、Co、Ni、Cu、Agなどの金属またはこれらの合金を用い、第四媒質として、第二媒質と同様の有機バインダーを用いて、混合塗布して、ヒーター13で加熱して、有機バインダーの揮発、金属微粉の溶融を行い基材9上に薄膜形成する。または、スクリーン10を介してパターン11を形成する。ここでも、スクリーン10は、図1同様に、加熱されるため表面を波長5〜100μmの赤外線放射を行う膜で被覆を行うと熱膨張を防止でき、パターン形成精度を向上できる。
図11は、広域を一括で噴霧し、ヒーター13で、基材9を加熱しながら媒質8を吹き付け、基材9とスクリーン10を乖離させていき、高アスペクト比パターン69を得るものである。媒質5の加速、霧化、噴霧方法はこれまでとほぼ同じである。媒質5を媒質供給ベルト1で取り出し、第一霧化空間67で霧化を行い、媒質供給ベルト1で第二霧化空間68で霧化を行うとともに、広域に噴霧を行う。これまでと同様ノズル21より流体をスリット22へ向けて吹き付けることにより、霧化を促進させることができる。そして、図11では、電界印加手段31で媒質8へ静電気力を与えて、媒質5を加速する。静電気力による媒質加速方法は図1〜3で説明したのと同様である。図11の方法を用いれば広域を一括で容易に塗布でき、従来形成不可能だった高アスペクト比パターンを形成する事ができる。ここでも、スクリーン10は、図1同様に、加熱されるため表面を波長5〜100μmの赤外線放射を行う膜で被覆を行うと熱膨張を防止でき、パターン形成精度を向上できる。
図12は広域塗布方式のプラズマCVDの例を示す。70は下方搬送ベルト、71は第一霧化空間、72は第二霧化空間、73は媒質分散ベルト、74はキャリアガス第三供給口である。媒質5を媒質供給ベルト1で取り出し、媒質供給ベルト1、薄膜形成ローラ2、下方搬送ベルト70で構成する第一霧化空間71へ搬送し、キャリアガス第二供給口霧化55よりキャリアガスを供給し霧化を行う。続いて媒質供給ベルト1、下方搬送ベルト70、誘電体ベルト58で構成する第二霧化空間72へ搬送して霧化を行い、気化用ヒーター57で加熱し、誘電体ベルト58で霧化、気化ゾーン60へ搬送し、これまでと同様キャリアガス第一供給口53よりキャリアガスを供給し気化を行う。気化した媒質をプラズマ用高周波パルス電源51より、プラズマ電極52へ供給して励起、分解を行い、媒質分散ベルト73で広域に噴霧を行い、ヒーター13で加熱した基材9上へ塗布して成膜を行う。排気ガスは、ガス誘導ベルト59で排気口54より排気される。ガス誘導ベルト59はキャリアガス第三供給口74より供給されたガスでガスカーテンを構成して、外部との遮断を行う。図12の方法を用いれば広域を一括で容易に塗布でき、短時間成膜を行う事ができる。
図13は、図9の霧化装置を2セット配置して、中央にレーザー41を設置したものである。親水性材料を用いてフォトリソ工法を用いずに高精細パターンを形成する方法に応用する例を説明する。第一媒質5aとして、チタン前駆体として、四塩化チタン(TiCl4)、チタンテトライソプロポキシド(Ti(i−OC3H7)4)、チタンオキシアセチルアセトネート(TiO(CH3COCHCOCH3)2)のうち一種または2種以上を用いて溶媒に溶解したチタン有機化合物を用い、図9で述べたと同様な方法で、搬送、加速、霧化して、基材9を350〜500℃に加熱した状態で、チタン前駆体86を噴霧し、TiO2薄膜を成長させる。この基材9の上のTiO2薄膜に、発振波長325nmのヘリウムカドミウムレーザーによって走査露光を行う。照射スポットは10μmφ、照射スポットの中心間隔が20μmで、各列の間隔が20μmの親水化域パターン87を形成した。レーザー光の照射条件は下記の通りである。レーザ−出力 : 200 mW、ビーム半径 : 5.0μm、走査速度 : 1.7m/sec、出力 : 700mJ/cm2、発光間隔 : 12 μsec。露光後、第二媒質5bとして、市販のBayer社製ポリエチレンオキシチオフェンの水性導電ポリマーからなるインクを用いて、前記レーザー照射スポット上に、水性導電ポリマー88を吹き付け、導電性パターンの形成を行った。
図14は、三次元造形装置への応用例を示す。図13とほぼ同じ構成であり、媒質の搬送は、図9、図13とほぼ同じであるが、積層厚に応じて基材を上下方向へ移動する点と、一箇所に集中して噴霧する点が異なる。従来の焼結方式の三次元造形装置では、予め50μm程度の厚さで前面に平面状態で金属粉を塗布しておき、YAGレーザー光を照射して1500℃程度で溶融して形成していた。塗布厚が50〜100μmと厚いため、塗布厚50〜100μmごとの段差ができるため仕上がり精度が低く面が粗くなり研磨などの2次加工を必要となることや、レーザーのビーム径が太くなり解像度が低下する問題や、大きな溶融エネルギーを必要としていた。
図14に示す本発明の三次元造形装置では、第二媒質5bに例えば平均直径20μmの大粒径粉を用い、第四媒質5dに例えば平均直径1μm以下の小粒径粉を用いて、第一媒質5b、第三媒質5bとして、バインダーや、水、有機溶剤を用いる。バインダーや有機溶剤は、供給調整ローラ103a、103bで量を調整して接着力を調整する。大径粒子100、小径粒子101は、媒質搬送ベルト1の回転速度を変更して取り出し量を制御して、搬送、霧化して噴霧する。大径粒子100、小径粒子101は、図14に示すように、基材9に対して斜め方向から、対向して噴霧する。レーザー41は、媒質噴霧と同時、噴霧後、第二媒質、第四媒質同時、別々順次を選択して照射する。媒質が鉄粉やSUS粉の場合、YAGレーザーを用いて1500℃程度で焼結を行う。サポート部102は、大径粒子100、小径粒子101によって形成される。
図14の方法によれば、精密な曲面形状を得る場合には、小径粒子101を中心に用い、そうでない場合は、大径粒子100を用いて高速化を図るなどの方法で造形を行う事ができる。バインダーや、水、有機溶剤は、接着と微粒粉の飛散を防止する事ができる。媒質を基材9に対して斜め方向から噴霧することにより、媒質噴霧と同時、噴霧後、第二媒質、第四媒質同時、別々順次を選択して、レーザー41を照射できる。このことにより、媒質の混合状態、積層状態を調整して、合金状態、曲面状態を最適化できる。また、媒質を斜め方向から噴霧することにより、側面の斜め形状や、せり出しや、曲面形状の表現が行いやすくなる。使用できる媒質、材料は、金属、セラミックス、ワックス状ポリマー粉、ABSプラスチック、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネートなどがある。
第二媒質5bに光硬化性エポキシ樹脂を用い、第四媒質5dに酸化チタンを用いて、量を調整して噴霧し、波長355nmの紫外光を照射することにより、フォトニック結晶を三次元造形でき、ミリ波導波管などギガヘルツ帯、テラヘルツ帯のデバイスの作成、量産が可能となる。ヒーター17a、17bは、焼結による高熱のために発生する、反りや収縮による剥離、変形、狂いなどを防止する事ができる。
図15は、斜め方向からの噴射力を強めたものである。段差改善、サポート部の形成の容易化、サポート部の粒子の溶融付着による表面あれの防止を目的としている。下方搬送ベルト81、82、83の動作ストロークを長くして加速力を強くしたことと、ノズル110、ノズル111で、媒質を強く吹きつけ、ノズル112で、側面への逃げを防止し、レーザー照射中央部へ集中させている。このことにより、図14の場合より、曲面形状や、斜め形状を表現しやすくできる。媒質取り出し方法は図14とほぼ同じであるが、側面噴射できるため、造形物側面へのサポート部102の形成が容易となる。サポート102を必要な個所のみへ設ける事ができ、従来問題となっていた周囲の粉末材料への熱伝導による不要粉末粒子の付着を防ぎ、表面あれを防止できる。ノズル112から流体を吹き付けることにより、レーザー溶融時に発生するプラズマを排気管113より排気することにより、レーザー光の減衰を防止する。また、ノズル112の流体を熱するヒーター114を設けておくことにより、吐出口84、85から吐出する材料粉末を直接予備加熱できるため、焼結を確実に行う事ができるとともに、側面への加熱を可能とするためサポート部の形成は容易になる。そして、吐出ベルト25や第三下方搬送ベルト83の先端部の角度を変化させることにより媒質の吐出方向を制御できる。前記各ベルトの回転速度を変化させるのとの組み合わせにより、吐出量と吐出方向を制御して、段差のない微妙な曲面形状を形成する事ができる。すなわち、滑らかさを得たい場合には、吐出量を減少し、その後、斜め噴霧により段差を解消するようにすれば良い。
図16は、図15をさらに進めて縦方向描画レーザー115の他に側面レーザー116、117を備えたもので、側面から媒質を吹きつけて、側面レーザー116、117を用いて側面からも焼結を行うようにしたものである。側面からも焼結を行う事が可能であるので、図15の場合よりさらに、側面部の形成が容易となり、複雑な曲面形状も製作が可能となる。サポート部が不要となり、図16に示すようにオーバーハング部118の形成も可能となる。側面レーザー116、117は、照射角度を変えることを可能としておき、オーバーハング部118を形成する自由度を高めておく。側面レーザー116、117は、必ずしも同時に照射する必要はない。そして、図16では、波長を変えたレーザーを備えて、熱、化学反応など硬化条件の異なる材料に対応して、複雑なデバイスに対応することも可能である。例えば熱レーザーによる溶融、焼結と短波長レーザーによる光硬化樹脂との組合せで多材料の組み合わせデバイスを形成できる。結像位置をずらして全体を加熱することも可能である。図16でも、ノズル112から流体を吹き付け、レーザー溶融時に発生するプラズマを排気管113より排気することにより、レーザー光の減衰を防止している。
図17は、レーザー溶融に、プラズマ溶融を組み合わせたものである。焼結温度を低温にでき、レーザー光の照射エネルギーを低減できる。120a、120bはタングステン電極、121は交流プラズマ電源、122はトリガ回路、123はプラズマガス、124はカバーである。タングステン電極120a、120b周囲へ、プラズマガス123を供給し、プラズマ電源121より、電力を供給して、プラズマを発生させ、レーザー41との複合エネルギーで粉末100、101を溶融して造形を行う。交流プラズマを発生させるには、最初に、トリガ回路122を駆動させ、タングステン電極120a、120bとカバー124との間にプラズマを発生させたあと、交流プラズマ電源121に切り替え、タングステン電極120a、120bとベース12の間へ移行する。本発明のプラズマアーク溶融では、レーザー溶融部の高温部にプラズマアークが誘導され、さらに、レーザー光のエネルギー吸収率は溶融温度が高いほど高くなる事が知られており、容易に高温を得る事ができる。交流プラズマアーク溶融では、正負が短時間に切り替わるため、酸化皮膜の除去などを行う事ができる。本発明では、プラズマ電源として交流を用いているが、直流電源でも使用可能であることは言うまでもない。レーザー/プラズマ複合溶融では、溶融池が大きくなるため、大型の造形物に有利である。しかし、常に、複合で用いる必要はなく、精密溶融したい場合は、プラズマを停止して、レーザー溶融のみでも良い。
図18は、不燃性液体中でレーザー加工を行うもので、特に、透明導電膜や、非晶質半導体膜、金属電極膜などの薄膜125のレーザー加工によるパターン形成に有効である。溶融飛散物の再付着防止などの加工不良をなくすことができる。液体であるため気体より冷却効果が高く1μm以下の薄膜であっても加工が可能である。不燃性液体としては、透明導電膜の加工では水、a−Si、a−SiGe、a−SiCでは水酸化ナトリウムやアンモニア、銅薄膜ではグリシン過酸化水素水を用いる事ができる。これまでの媒質取り出し方法によって、加工物に合わせて媒質を取り出し、レーザー加工と同時に噴霧を行い、エッチングおよび飛散防止を行う。レーザー出力は、SnO2の透明導電膜では、波長1.06μm、パルス周波数0.3kHz、エネルギー密度13J/cm2のYAGレーザーで加工できる。シリコンウエハのダイシングを行う場合には、波長266nm、パルス周波数10kHz、エネルギー密度4J/cm2、液体としてアンモニアを用いて加工する事ができる。本発明によれば、クラック、転移、チッピングなどが発生することなく、精密な加工を行う事ができる。特に、液体供給を噴霧で行っているため、液体の使用量を最小限度にでき、レーザー光の減衰も少ない。また、常に新しい液体を供給できるため、加工速度を向上できる特徴がある。設備としても大掛かりな水槽などは不要である。
図19は、図10の4媒質混合方式を8媒質へ拡大し、レーザー光でパターンを描画することを可能とするものである。媒質の搬送、加速、霧化は図10とほぼ同じであるが、図19では、図10の4媒質搬送、加速、霧化装置を左右対称に設けている。紙面右側の搬送、加速、霧化装置では、第一下方搬送ベルト81、第二下方搬送ベルト82、第三下方搬送ベルト83で、第一吐出口84へ搬送、加速して噴霧塗布する。紙面左側の搬送、加速、霧化装置でも、同様に行い、第二吐出口85へ搬送、加速して噴霧塗布する。第一吐出口84と第二吐出口85より合成して噴霧塗布された媒質8にレーザー41を照射してパターン形成を行う。レーザー光の照射条件は媒質の材料によって異なるが、図2、図5、図6の場合とほぼ同様な条件で成膜可能である。図19の場合は、8つの異なる媒質を、媒質を単体で供給するだけで、分散、混合、焼成を行い、容易に確実に製造する事ができる。また、前もって混合できない、互いに反応してしまう媒質に使用すると効果的である。
図20は、基材9を縦送りとして、基材9の両面から成膜を行うものである。図19の構成のレーザー光照射部分に基材9を通過させる構造としている。したがって媒質5の搬送、加速、霧化の構造は図19と同様である。図20では、レーザー41を横に配置して表裏両面からパターン形成できるようにしている。図20の装置では、例えば、燃料電池の製造装置として使うと有効である。従来の湿式法では、カーボン粉末に貴金属を付着させた電極材料をIPAなどの溶剤に溶解または懸濁させて電解質膜上に塗布するので、溶剤が電解質膜を変質させたり、膨潤、収縮させてクラックを発生させやすい。また、確実な攪拌を行う必要がある。乾式法では、任意の形状電極や、各部位における濃度や、厚さ方向に組成を変えることなどができない。
図20では、Ptなどの触媒を担持させたカーボン粉末を第一媒質5aとし、電解質粉末を第二媒質5bとし、バインダーを第三媒質5cとし、第四媒質5dは予備槽とし、図19と同様な方法で、搬送、混合して、第一吐出口84から噴霧し、レーザー41aより照射してパターン形成を行う。同様に反対面の第二吐出口85より噴霧し、レーザー41bより照射してパターン形成を行う。本発明によれば、複数の異なる媒質を、単体で供給するだけで、分散、混合、焼成を行い、表裏同時に、容易に確実に製造する事ができる。
図21は、微粒子を加速して、基材9上へ機械的衝撃力で噴射して成膜を行うもので、室温程度での低温成膜が可能となる。成膜方法は、機械的な衝撃力で衝突させて、表面清浄化、結合と、研磨・研削・平坦化により高強度接合を行うものである。酸化チタン超微粒子を衝撃力で透明化可能、PZTを白金、銀に交互に積層し、圧電アクチュエータを作成可能である。従来の成膜方法では、基材を数100度の温度に加熱する必要があったが、本発明では、機械的な衝撃力のみであるため、プラスチック基板などへの成膜が可能である。
図21の加速方法は、ベルト130、131、132の回転力、加速電極33の加速電界、流体ノズル133、134の噴射圧力、超音波振動板135のいずれか、または、組み合わせによって行う。第二媒質5bとして平均粒径1.5μmの酸化チタンの粉砕用微粒子を用い、第一媒質5aとして平均粒径0.4μmの酸化チタンの超微粒子脆性材料を用いて、上記加速方法で加速を行い成膜を行う。平均粒径1.5μmの第一媒質5aで機械的エネルギーを与え、平均粒径0.4μmの第二媒質5bを基材9へ密着させる。噴射方法は、平均粒径1.5μmと平均粒径0.4μmの両者を同時に噴射しても良いし、平均粒径0.4μmを先に、1.5μmを後に交互に噴射しても良い。また、第四媒質5dを第二媒質5bと同様の材料にし、第三媒質5cを第一媒質5aと同様の材料として噴射を行うとより密着力を強める事ができる。これらの媒質は、霧化空間136a、霧化空間136bで霧化される。ベルトの加速力を強めるためには図8で示したベルトを使うと効果的である。図21の発明では、バインダーがなくても強い密着力を得られるが、粒径が大きい場合には、エッチング効果が大きくなり除去能力が高まり、小さい場合には密着力を得られない。このため、最適な密着力を得られる粒径を選ぶ必要があるとともに、エッチング効果材料、機械エネルギー用材料、密着用材料などに機能を分けて、用途に応じて使い分けをすればよい。
図22は、図21と目的は同じであるが、回転円板140によって媒質の加速を行う事が異なる。媒質5b、5dを媒質取り出しベルト141で取り出し霧化空間136aで霧化し、回転円板140上に吹き付け、数百〜数万回転の高速で回転させることにより、機械的な衝撃力で衝突させて、表面清浄化、結合と、研磨・研削・平坦化により高強度接合を行う。回転円板140の構造は、2枚の板の間に羽根を挟み込む形のファンや、インペラ形状のものを用いる事により、安定的に高速回転できるとともに、装置を小型化できる。圧力流体、超音波振動板、ベルト回転力、加速電界を併用することにより、加速力をさらに強める事ができる。回転円板140による加速方法では、構造が簡単で、回転数の制御が容易で、回転数を制御することにより噴射力を制御できるので、容易に成膜を行う事ができる。図22では、平均粒径0.4μmを第2加速ベルト131と吐出ベルト132で噴霧し、平均粒径1.5μmを回転円板140で加速し、機械的エネルギーを高めて噴射して成膜を行う。図21、図22では、成膜のみの構成としたが、図31、図34、図36に示すのと同様に、レーザー光源41と媒質誘導ベルト299を設置し、その間にレーザー光を照射してパターン形成を行うことも可能である。
図23は、直流プラズマ溶射装置である。主トーチと副トーチを、直角配置し、溶射材料を、プラズマの中心に吹き付けることにより、これまでより大幅に少ないエネルギーで溶射を行う事ができる。従来方式では、200A、175V、35kWのエネルギーが必要であったが、市販の酸化クロム末(45〜10μm)を、50A、100V、5kWで溶射する事ができる。150は主陽極、151は第一カバーベルト、152は第一副起動電極、153は第二副起動電極、154は第二カバーベルト、155は第三カバーベルト、156は主高周波電源、157は主起動スイッチ、158は主アークスイッチ、159は第二主アークスイッチ、160は副高周波電源、161は主プラズマガス、162は第一副アークスイッチ、163は第二副アークスイッチ、164は第三副アークスイッチ、165は第四副アークスイッチ、166はガス誘導ベルト、167は副プラズマガス、168は主プラズマ、169は副プラズマ、170は副プラズマ、171は冷却剤である。
第一カバーベルト151で囲まれた主陽極150の周囲へ、アルゴンガスなどの不活性ガスを主プラズマガス161として噴射する。主起動スイッチ157を投入し、主高周波電源156、主陽極150、第一カバーベルト151a、151bの閉回路を形成すると、主陽極150、第一カバーベルト151a、151bの間で、主プラズマ168が発生し、第一カバーベルト151a、151bの外部へ放出される。このとき、主アークスイッチ158、第二主アークスイッチ159、第一副アークスイッチ162、第二副アークスイッチ163、第三副アークスイッチ164、第四副アークスイッチ165は開いた状態としておく。次に、この状態から、副プラズマガス167a、167bを噴射し、第一副アークスイッチ162、第二副アークスイッチ163を閉じて、副高周波電源160、第一副起動電極152、第二カバーベルト154a、154bの閉回路を形成すると第一副起動電極152、第二カバーベルト154a、154bの間で副プラズマ169が発生する。次に、この状態から、第三副アークスイッチ164、第四副アークスイッチ165を閉じて、第二副起動電極153、第三カバーベルト155a、155b閉回路を形成すると第二副起動電極153、第三カバーベルト155a、155bの間で副プラズマ170が発生する。次に、主起動スイッチ157、第二副アークスイッチ163、第四副アークスイッチ165を開いて、主アークスイッチ158、第二主アークスイッチ159を閉じると、主陽極150から、第一副起動電極152、第二副起動電極153へ逆T字型の導電路が形成され電流が流れる。媒質5a、5bを、薄膜形成ローラー2、媒質搬送ベルト1で取り出し、加速して、第一カバーベルト151a、151b、第二カバーベルト154、第三カバーベルト155内へ供給するとプラズマの高温で溶融され、加速されて、基材9へ向かって進行し成膜される。
ここで、カバーベルト151a、151b、154a、154b、155a、155b、媒質搬送ベルト1a、1bは、表面を赤外線放射材料であるコージェライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)にMnO2(60%)、FeO3(20%)、CuO(10%)、CoO(10%)の仮焼物を30%添加したセラミックスや、コージェライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、ジルコニア(ZrO2)、アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、マグネシア(MgO)、チタニア(TiO2)、チタン酸バリウム(BaTiO)等をステンレスベルトなどに被覆したもので構成できる。また、オキツモ株式会社製の製品名CT−800をステンレスベルトに10〜20μ厚さでスプレー塗装し、380℃で20分乾燥すれば非常に簡単に構成できる。このことにより、有効に熱を放射できるため、ベルトの溶解を防止できる。さらに、上記ベルトに囲まれた内部に、冷却剤171を配置して冷却を行うことにより冷却効果を高める事ができる。
本発明では、プラズマアークをカバーベルトで構成されるトーチの外部に引き出すため最も高温となるプラズマ中心へ媒質を供給するため、媒質5をプラズマと長時間接触できるため、非常に効率が良い。そして、陰極側ではなく、陽極150側に媒質5を供給するので、熱電子を発生させるための高温を発生させる必要がなく、媒質の付着などの問題は発生しない。
図24、図25は、レーザー溶融によるガスデポジションまたは溶射により成膜する薄膜形成装置である。るつぼと反応してしまうような材料に対して有効である。200はレーザー溶融部、201はインナーガス、203は線材、204はガスカーテンベルト、205は膨張空間、206は溶融レーザー光、207はダンパ、208は給気管、209は排気管である。線材203として直径φ0.8のチタン(Ti)ワイヤを用い、溶融レーザー光206としてはYAGレーザー2kWを用い、ワイヤの先端部200にレーザー光206を照射し溶融させ、インナーガス201として窒素ガス(N2)を供給し、膨張空間205で微粒子化し、飛散した液滴を、ガスと搬送ベルト81、82、83で加速搬送して基材9上に成膜すると同時に、描画レーザー41で再溶融してパターン形成を行う。ガスカーテンベルト204は、外部との遮断のために設けるもので、インナーガス201と同様なガスを不活性ガスを給気管208から供給する。排気は排気管209で行う。膨張空間205は、ガスカーテンベルト204、第一下方搬送ベルト81、第二下方搬送ベルト82で構成する。ここで、下方搬送ベルト81、82、83、ガスカーテンベルト204は、図23同様に表面を赤外線放射材料で被覆して耐熱性を向上させると良好な溶射を行う事ができ、ベルトの長寿命化を図ることができる。
図26は熱遮蔽ベルト方式の触媒CVD装置(ホットワイヤCVD、Cat−CVDとも呼ぶ)である。触媒CVDは、熱と触媒作用による化学反応により低温成膜を可能とする成膜法である。プラズマCVDのような基材へのプラズマダメージをなくす事ができる。従来の触媒CVD装置では、触媒を1500℃程度に加熱するため、その輻射熱により基材が400℃程度まで加熱されてしまい、基材の適正温度である300℃以下に制御することが難しく、良い膜質を得られない問題があった。本発明では、熱遮蔽ベルトを用いて簡易に基材の過熱防止を実現する。220は触媒電極、221は密閉空間ベルト、222は原料ガス供給口、223はカーテンガス、224は熱遮蔽加速ベルト、225はガスカーテンベルト、226は排気口、227はサセプタヒータ、228は基材、229はガス誘導ベルト、230は分解ガス、231は冷却材である。
触媒電極220の周囲を、熱遮蔽、加速ベルト224、密閉空間ベルト221で囲み、熱遮蔽と原料ガスを搬送する構造とし、さらにその周囲は、ガス誘導ベルト229、ガスカーテンベルト225で囲む構造として外部と遮断する構造とする。排気ガスは排気口226から排気される。原料ガス供給口222から原料ガスを供給する。供給した原料ガスを、熱遮蔽、加速ベルト224、密閉空間ベルト221で、触媒電極220の周囲へ誘導し触媒作用により分解する。触媒電極220は触媒作用を行うために1600℃以上に加熱するが、熱遮蔽、加速ベルト224によって熱遮蔽されるため基材228は過熱することなく、サセプタヒータ227で加熱された温度300℃以下に保つ事ができる。そして、熱遮蔽、加速ベルト224によって分解されたガス230は基材228に噴射され成膜が行われる。
熱遮蔽ベルト224は表面を赤外線放射材料であるコージェライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)にMnO2(60%)、FeO3(20%)、CuO(10%)、CoO(10%)の仮焼物を30%添加したセラミックスや、コージェライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、ジルコニア(ZrO2)、アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、マグネシア(MgO)、チタニア(TiO2)、チタン酸バリウム(BaTiO)等をステンレスベルトなどに被覆したもので構成できる。このことにより、有効に熱を放射できるため、ベルトの溶解を防止できる。さらに、ベルト224に囲まれた内部に、冷却材231を配置して冷却を行うことにより冷却効果を高める事ができる。また、熱遮蔽ベルト224は、オキツモ株式会社製の製品名CT−800をステンレスベルトに10〜20μ厚さでスプレー塗装し、380℃で20分乾燥すれば非常に簡単に構成できる。
例えば、シリコン基板上にシリコン窒化膜形成を形成する場合、シリコン基板を280℃に制御し、触媒電極220を1610℃程度に保持して、原料ガスとして、シランSiH4とアンモニアNH3を供給し、熱遮蔽、加速ベルト224、密閉空間ベルト221で加速、搬送し、原料ガスを触媒作用により分解してシリコン基板上に噴射して成膜する。触媒フィラメントはタングステンW、モリブデンMo、タンタルTaなどを使用できる。図26の方法によれば、熱遮蔽を行うため、基材の温度を安定的な温度に制御できるため、均一な膜質の成膜を事ができる。また、熱遮蔽、加速ベルト224で、反応したガスを絞って加速噴射するため、所定の位置にのみ成膜することも可能である。
図27は、銅板を塩素ガスプラズマでエッチングして、前駆体を生成し成膜を行う装置である。240は前駆体、241は密閉空間ベルト、242は原料ガス供給口、243はカーテンガス供給口、244は誘電体ベルト、245はガスカーテンベルト、246は排気口、247はヒーター、248は基材、249はガス誘導ベルト、250は被エッチング部材、251はプラズマ電極、252はプラズマ形成用高周波パルス電圧源、253はヒーターである。被エッチング部材250を、誘電体ベルト244を介して、プラズマ電極251を対向させて挟み込む構造とし、その周囲を密閉空間ベルト241、ガスカーテンベルト245、ガス誘導ベルト249で囲む構造として外部と遮断している。原料ガス供給口242より原料ガスを供給し、密閉空間ベルト241、誘電体ベルト244で加速して、被エッチング部材250へ吹き付ける。プラズマ電極251へプラズマ形成用高周波パルス電圧源252より電圧を印加してプラズマガスを発生して被エッチング部材250をエッチングして前駆体240を生成する。前駆体240を基材248上に吹き付けて還元して成膜を行う。図27では、被エッチング部材2501つで成膜する構成としたが、図31、図34、図36に示すのと同様な構成として、被エッチング部材250を気化媒質加速ベルト298と媒質誘導ベルト299の間に2つ設置し、その間にレーザー光を照射してパターン形成を行うことも可能である。
従来、気相成長法で銅の成膜を行う場合には、有機金属錯体を気化してガス化して供給し、加熱した基板上で反応させて成膜を行っていたが、有機金属錯体の合成が面倒で高価であること、気化装置が必要であることなどの問題があったが、本発明によれば、合成が面倒で高価な有機金属錯体を用いることなく、低温で、短時間に成膜を行う事ができ、簡易な構造で、低価格に装置を構成することができる。また、本発明によれば、半密閉空間による狭い空間で成膜できるため、必要な部分のみ加熱すれば良く、空間内温度の立ち上がりが早くなり、成膜速度を高速化できる。
シリコン基板上に銅を成膜する場合には、被エッチング部材250を銅板とし、ヒーター253で200〜400℃に維持し、シリコン基板248をヒーター247で100〜200℃に維持して、原料ガスとして、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)で希釈された、塩素(Cl2)ガスを供給し、プラズマ電極251へプラズマ形成用高周波パルス電圧源252より電圧を印加してCl2プラズマガスを発生する。このCl2プラズマガスで銅の被エッチング部材250をエッチングして銅前駆体(CuxCly)240を生成する。銅前駆体240を、銅の被エッチング部材250より低い温度に維持されたシリコン基板248上に吹き付けると還元反応で銅が成膜される。
ここでは、原料ガスとしてCL2ガスの希釈ガスを用いたが、CL2ガス単独や、HClガスを用いる事ができさらにハロゲンガスであれば他のガスも使用できる。被エッチング部材250は、銅以外に、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)等の高蒸気圧ハロゲン化物を作る金属であれば用いる事ができる。成膜後、窒素ガスを供給し、その後、水素ガスを供給して水素プラズマを発生させ、ベルトに付着するCl2を除去する。さらに、アルゴンガスを供給してアルゴンガスプラズマでベルト他に付着する付着物を除去する。
図28は、本発明の揚水管方式の霧化装置を示す。液体などの低粘度媒質の霧化に応用すると効果的である。270は揚水管、271は第一隙間形成管、272は第二隙間形成管、273は第一隙間、274は第二隙間275は媒質取り込み口、276は噴出口、277は上板、278は上隙間、279は衝突部、280はモーターである。従来公知の揚水管方式の霧化装置は、円錐形の管の小径側を下にして媒質中に投入し、小径側から媒質を取り込み、上方に向かって次第に直径が大きくなることによる遠心力の増加により媒質を下から上へ汲み揚げ、メッシュなどを通過させて霧化するものであるが、大量に汲み上げてしまうため、媒質取り込み量の精密制御が出来ず、微粒子径を小さくすることはできなかった。
本発明の揚水管270では、霧化する粒子の直径を規定する一つ以上の複数の微細な隙間を設けるが、図28では、2つの隙間273、274を設けた揚水管を示している。第一隙間273は第一隙間形成管271で形成し、第二隙間274は第二隙間形成管272で形成する。第一隙間形成管271、第二隙間形成管272は、揚水管270に合わせて円錐形状をしている。小径側は媒質取り込み口275が設けられている。大径側は水平方向に噴出口276を設け、噴出口276側も上板277で微細な隙間278を形成している。第一隙間形成管271、第二隙間形成管272の円錐形部と上板277の平面部が交わる部分に衝突部279が形成されている。これらは、組み立て一体化されモーター280で駆動され遠心力が与えられる。媒質取り込み口275と微細な隙間273、274を通して媒質を汲み揚げる量を限定し、遠心力で通過させることにより、小さい微粒子を発生させる事ができる。すなわち、霧化微粒子の直径は、2つの揚水管の隙間で決定され、例えば、10μm前後の微粒子を得るためには隙間を10μm以下とする。小さな直径の微粒子を得るためには、隙間273、274は小さい方が良いが、媒質の汲み上げ量が減少してしまうので、本発明の隙間形成管の数を増やせばよい。
隙間形成管271、272で10μm以下の隙間273、274を形成するには、隙間形成管271、272、揚水管270のいずれかまたは両方に、10μm以下の突起や凹凸部を、切削、プレス、溶接、溶融などの方法で加工して設けて重ね合わせる方法や、隙間形成板として金属やプラスチックフィルムを接着、溶接などの方法で貼り合わせて、後で、媒質通路を形成するか、予め、媒質通路を設けてあるものを貼り合わせて、その後、隙間形成管271、272、揚水管270を重ね合わせて隙間を形成する方法で構成できる。隙間形成管271、272、揚水管270の間に、メッシュ状、繊維状の材料を挟み込むことによっても隙間を形成できる。そして、本発明では、図28に示すように、円錐形部と平面部が交わる部分に衝突部279が形成されているので、ここで、汲み上げられた媒質5が衝突してさらに霧化が促進される。
図29は、図28の霧化装置を用いた液体の超微粒子の噴霧による一括成膜法である。281は誘導ベルト、282は第1媒質加速ベルト、283は第2媒質加速ベルト、284は第一霧化空間、285は第二霧化空間、286は形成パターンである。揚水管270の噴出口276から媒質5を噴出し、誘導ベルト281で加速し、第1媒質加速ベルト282、第2媒質加速ベルト283で形成する第一霧化空間284霧化を行う。さらに、第1媒質加速ベルト282、第2媒質加速ベルト283で下方へ加速、搬送し、第二霧化空間285で噴霧し成膜を行う。
本発明では、液体の超微粒子の噴霧により、ナノメーターオーダーの薄膜を一括成膜する事ができる。基材9をヒーター13で加熱しながら噴霧する事により、図11と同じ目的の高アスペクト比パターン286を形成することが可能である。図11と異なる点は、液体の超微粒子の噴霧が可能となるため、緻密な膜を形成する事ができることである。また、噴霧ごとにスクリーン10と媒質5を変更すれば、多層膜を容易に形成できる。
図30は、図29の霧化装置を2セット、第1霧化装置288、第2霧化装置289として用いて、基材290を縦方向送りとし、基材290の表裏両面を同時に成膜するものである。動作は図29とほぼ同様であるが、第一霧化空間284aで霧化された媒質は直接基材290へ噴霧し、第一霧化空間284bで霧化された媒質は、媒質加速ベルト292で搬送し基材290へ噴霧する点が異なる。基材290は基材送りローラー291で縦方向送りとし、第1霧化装置288、第2霧化装置289で表裏同時成膜を行う。
図31は、プラズマCVDで成膜したものをレーザーでパターン形成するものである。図6と目的は同じであるが、図31では、図29の霧化装置を用いて、液体を霧化、気化してプラズマCVDを構成した場合の形態を示している。295は気化ヒーター、296は媒質加熱ヒーター、297は気化媒質、298は気化媒質加速ベルト、299は媒質誘導ベルト、300はガスカーテンベルト、301は給気管、302はカーテンガス給気管、303は排気管である。動作は以下の通りである。揚水管270の噴出口276から出た微粒子は第一霧化空間284で第一段階の霧化が行われ、次に第二霧化空間285で第二段階の霧化が行われる。第一霧化空間284と第二霧化空間285では、気化ヒーター295が配置され、媒質貯留槽では媒質加熱ヒーター296で加熱されている。加熱する事により気化が行われる。これらはガスカーテンベルト300、カーテンガス給気管302、排気管303の経路で外部と遮断されており、簡易な構造で異物の混入を防止する事ができる。
気化された媒質297は、図4、図6で説明したと同様にプラズマ電極52を通してプラズマ電源51からの高周波パルス電界を供給してプラズマ化され、励起、分解され基材9上に塗布される。図31では、霧化装置を2セット設け、その間にレーザー41の光を通して、図6と同様な方法でレーザー反応部42でパターン形成している。気化媒質加速ベルト298、媒質誘導ベルト299は誘電体ベルトであり、材質は図4、図6で説明したものと同様のものを用いる事ができる。図31では、基材9の成膜面を直接、上面ヒーター17で加熱し、下面ヒーター13でも加熱しているため、最適な温度制御を行うことができる。
MOSFETに用いる高誘電率膜として、ZrSiO4膜を形成する場合の例を示す。ターシャリーブトキシル基を配位子としてもつジルコニウム(Zr)の有機金属化合物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解した液体を一方の媒質貯留槽に投入し、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)をテトラヒドロフラン(THF)に溶解した液体を一方の媒質貯留槽に投入して、霧化を行い、ヒーターで気化を行い、両者の媒質を、基材上で混合して成膜すると同時に、レーザー光を照射して、パターン形成を行う。プラズマ電源51からプラズマ電極52への高周波パルス電界の供給方法および駆動方法は、図4、図6で説明したものと同様にして行う。図31では、霧化装置を2セット設けているため、予め混合しておくことができない薬品を基板へ塗布すると同時にレーザー光で反応させることにより成膜する事ができる。例えば、La、Ti、Vの溶液にBi成分を混合するとポットライフが短くなる事が知られており、本発明では、これらを成膜直前に混合する事が出来るため高品質の成膜を行う事ができる。図31では、プラズマ源とレーザー光源を使用せずに、基板の温度管理を行えば、熱CVDを構成できる。
図32は、レーザープラズマ軟X線を用いて、無機透明材料を加工する場合と、レーザープラズマ軟X線に替えて、フェムト秒またはピコ秒のパルスレーザーと弗酸エッチング液を用いてダイヤモンドやまたはファイヤを加工する場合の装置を示す。310はレーザープラズマ軟X線源またはパルスレーザー、311は加工用レーザー、312は加工材料、313は第一搬送ベルト、314は第二搬送ベルト、315はエッチング液である。図32では、揚水管方式の霧化装置を用いて説明しているが、メニスカス方式、撥水メッシュ方式など他の霧化装置を使用することも可能であることは言うまでもない。
最初に、レーザープラズマ軟X線を用いて、無機透明材料として、二酸化珪素ガラスを加工する場合を説明する。ベース12上に、二酸化珪素ガラス312を固定し、レーザープラズマ軟X線310をパターン光として照射する。この照射により自己捕獲励起子が二酸化珪素ガラス312に生成され、1μ秒の間、波長400nmの紫外光を吸収可能となるので、加工用レーザー311に紫外レーザーを用いて照射すれば加工が可能となる。レーザープラズマ軟X線としては、キセノン(Xe)クラスターターゲットにフェムト秒レーザーを照射して発生できる。レーザープラズマ軟X線を図示しないトロイダルミラーとマスクで集光し、光学系を用いて加工材料である二酸化珪素ガラス312へ照射する。このことにより、通常では、透過してしまうレーザー光を吸収させて加工を行う事が可能となる。
次に、レーザープラズマ軟X線に替えて、フェムト秒またはピコ秒のパルスレーザーと弗酸エッチング液を用いてダイヤモンドやサファイアを加工する場合を説明する。加工材料312としてサファイアを固定し、フェムト秒またはピコ秒のパルスレーザーとして310チタンサファイアレーザーを用いて照射すると、照射が行われた部分は、光学エネルギーによって構造変化を起こし、屈折率の変化などを生じる。そこへ、弗酸(HF)エッチング液315aを噴霧すると、照射部分のみを溶解させ、エッチング加工を行う事ができる。レーザービームの集光スポット径は、レーザービームの波長が795nmの時は0.78μm、480nmの時は、0.47μmとなり、微小孔加工が可能となる。上記レーザー光を連続して照射し、エッチングを行っていけば、微小で深い孔加工が可能となる。
エッチング液315の噴霧方法は、図31の場合と同様で、揚水管270でエッチング液315を汲みだし、噴出口276より噴出し、第一搬送ベルト313、第二搬送ベルト314で加速搬送し噴霧する。本方法では、通常ではレーザー光を透過してしまう材料に、光学エネルギーによって構造変化を起こさせ、エッチング加工を行う事を可能とし、レーザー光を連続して照射し、エッチング加工を行うことにより、硬質材料への微小で深い孔の加工が可能となる。サファイヤの他、ダイヤモンドの加工も可能である。
図33は、他の霧化装置であり、液体を霧化することを目的とする。320は媒質汲み上げベルト、321は加速ベルト、322はメニスカス、323は薄膜形成ベルト、324は霧化空間、325は第1下方搬送ベルト、326は第2下方搬送ベルトである。媒質汲み上げベルト320で媒質5を汲み上げ、メニスカス322を形成し、加速ベルト321と薄膜形成ベルト323によって加速して第1下方搬送ベルト325へ衝突させ、霧化空間324で霧化され、第2下方搬送ベルト326とともに下方へ搬送する。図33では、媒質汲み上げベルト320を中心にして左右対称の構造をしており、右側のみを説明したが、左側はメニスカス322から残ったメニスカス327を加速搬送し、右側と同様に霧化して下方へ搬送される。左右均等に霧化させるためには、加速ベルト321と薄膜形成ベルト323の回転速度を制御してやれば良い。媒質汲み上げベルト320、加速ベルト321、薄膜形成ベルト323を図示した方向とは逆方向に回転させると霧化量を制御できる。
図33では、ベルトのみで液体の霧化装置を構成できるため、ベルトのギャップ制御、回転制御だけで、容易に精密に制御を行う事ができる。従来のバブリング、ガス搬送などでは難しかった微粒子径の制御が容易に実現できる。また、従来の超音波による霧化装置では、超音波の温度上昇や超音波特性の経時変化により、安定した霧化が行えなかったが、本発明では、安定して霧化を行う事ができ、装置の信頼性を向上させる事ができる。
図34は、図33の霧化装置を用いた、プラズマCVD装置である。図31に示したプラズマCVD装置とは霧化装置部分が異なるだけで、媒質の搬送ベルト系は同様である。これら搬送系ベルトは、ガスカーテンベルト300、カーテンガス給気管302、排気管303の経路で外部と遮断されており、簡易な構造で異物の混入を防止する事ができる。そして、霧化装置で霧化された媒質は、媒質加熱ヒーター296、気化ヒーター295が配置され媒質が気化され、気化された媒質297となる。
気化された媒質297は、図4、図6、図31で説明したと同様にプラズマ電極52を通してプラズマ電源51からの高周波パルス電界を供給してプラズマ化され、励起、分解され基材9上に塗布される。図34では、霧化装置を2セット設け、その間にレーザー41の光を通して、図6、図31と同様な方法でレーザー反応部42でパターン形成している。気化媒質加速ベルト298、媒質誘導ベルト299は誘電体ベルトであり、材質は図4、図6で説明したものと同様のものを用いる事ができる。図34でも、基材9の成膜面を直接、上面ヒーター17で加熱し、下面ヒーター13でも加熱しているため、最適な温度制御を行うことができる。
図35は、さらに、他の霧化装置である。媒質貯留槽6の出口部に、撥水、撥油処理351を行ったメッシュ350を配置し、普段は媒質5が漏れ出ないが圧力で媒質を滲み出させて搬送ベルトで、加速して霧化する霧化装置である。簡単な構成で、精密に吐出量を制御できる事が特徴である。350はメッシュ、351は撥水、撥油処理部、352は滲み出し媒質、353は霧化ベルト、354はカーテンガス給気管、355は排気管、356は霧化媒質、357は吐出口、358は吸着板、359は媒質加圧機構、360は圧力調整室、361は圧力調整流体供給口、362は搬送ガス給気管、363は下方搬送ベルト、364はカーテンガスベルト、365は第一霧化空間、366は第二霧化空間である。
構造と動作は次の通りである。媒質貯留槽6の出口部に、撥水、撥油処理351を行ったメッシュ350を配置し普段は媒質5が漏れ出ない構造としている。そして、媒質貯留槽6の入口部に吸着板358を設け、圧力調整室360を真空または低圧として媒質5を吸着保持し、この吸着板358を押圧下降させて媒質5を、撥水、撥油処理351を行ったメッシュ350より滲み出させる。この吸着板358の位置を、媒質加圧機構359によって精密に位置制御することで滲み出し媒質352の吐出量を制御することができる。媒質加圧機構359は、図示しないモータなどのアクチュエータを用いる事ができる。滲み出し媒質352は、霧化ベルト353で搬送、加速し、第一霧化空間365で、搬送ガス給気管362から供給される搬送ガスによって霧化され、さらに、第二霧化空間366で下方搬送ベルト363の回転力で霧化されて霧化媒質356として、吐出口357より、スクリーン10を介して基材9へ噴霧される。ベース12内へ内蔵したヒーター13によって加熱されパターン11が形成される。これらの霧化装置は、カーテンガス給気管354、カーテンガスベルト364、排気管355によってガスカーテンによって外部と遮断されている。
メッシュ350は、撥水、撥油処理351を行っているが、霧化ベルト353、下方搬送ベルト363、カーテンガスベルト364についても撥水、撥油処理を行っても良い。霧化ベルト353のみ、撥油処理をしないか、親水性または親油性処理を行うことによって、滲み出した媒質を一旦霧化ベルト353へ付着させ、回転力で吹き飛ばす方法で霧化を行う事ができる。これらは、媒質5の媒質の種類、量によって、組み合わせを考えれば効果的である。この方法は、本発明で用いているベルトすべてに適応可能である。
撥水性、撥油性処理の方法は、メッシュ、ベルト、スクリーン等の被メッキ材料をアルカリ脱脂液で脱脂した後、それぞれを負極とし、ニッケルストライクメッキ液(塩化ニッケル 245g/l塩酸 120g/l)を含むメッキ槽を用いて、液温25℃、電流密度10A/dm2の条件下で、2分間のニッケルストライクメッキ処理を行ったあと、電解ニッケル−コバルト−PTFE複合メッキ液(PTFE微粒子(平均粒径0.2μm、ダイキン工業(株)製、ルブロンL−2)を、電解ニッケル−コバルト合金メッキ液(組成:スルファミン酸ニッケル200g/l、スルファミン酸コバルト10g/l、塩化ニッケル25g/l、ホウ酸40g/l)1リットルに対して50g添加し、更に、界面活性剤として第4級パーフルオロアンモニウム塩{商標“メガファックF150”、大日本インキ化学(株)製、(C8F17SO2NH(CH2)3N+(CH3)3・Cl−)}をPTFE1gに対して30.0mgの割合で添加)を含むメッキ槽を用いて、液温50℃、pH4.2、電流密度2A/dm2の条件下に、スクリュー撹拌しつつ、膜厚が10μmとなるまで電解メッキを行って、電解ニッケル−コバルト−PTFE複合メッキ皮膜を形成させることによって形成できる。電解ニッケル−コバルト−PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)複合メッキのPTFEの替わりに、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)なども使用できる。この場合、次のように行う。PTFE微粒子の代わりにPFA微粒子(平均粒径2μm、ダイキン工業(株)製)を電解ニッケル−コバルト合金メッキ液1リットルに対して50g添加し、前記ベルト、スクリーン等の被メッキ材料にニッケルストライクメッキ及び電解ニッケル−コバルト−PFA複合メッキ皮膜を順次形成させる。
図36は、図35の霧化装置を用いたレーザー描画付プラズマCVD装置である。図31、図34の霧化装置部分を図35の撥水メッシュ方式の霧化装置に置き換えた構造であり、ベルト搬送系、ガス供給系は図31、図34の構成と同様である。媒質加熱ヒーター296で予め媒質5を加熱しておき、メッシュ350の撥水、撥油処理部351より滲み出した媒質352を霧化ベルト353で搬送し、第一霧化空間365で霧化し、気化ヒーター295で気化され、第二霧化空間366で気化された媒質297となる。
気化された媒質297は、図4、図6、図31、図34で説明したと同様にプラズマ電極52を通してプラズマ電源51からの高周波パルス電界を供給してプラズマ化され、励起、分解され基材9上に塗布される。図36でも、霧化装置を2セット設け、その間にレーザー41の光を通して、図6、図31、図34と同様な方法でレーザー反応部42でパターン形成している。気化媒質加速ベルト298、媒質誘導ベルト299は誘電体ベルトであり、材質は図4、図6で説明したものと同様のものを用いる事ができる。図36でも、基材9の成膜面を直接、上面ヒーター17で加熱し、下面ヒーター13でも加熱しているため、最適な温度制御を行うことができる。図31、図34、図36では、媒質を混合する前にプラズマ電界を印加しているため、化学反応しやすい媒質を特性劣化させずに基材上で合成できる特徴がある。
図37は、ベルトの替わりに、ローラーで半密閉空間を構成し、媒質の搬送、加速を行って、霧化を行う霧化装置である。370は媒質取り出しローラー、371は加速ローラー、372は絞り逆転ローラー、373は加速電界電源、374は加速電極、375抵抗、376は帯電部、377は密閉ローラーである。図37では、図35、図36で用いたメッシュ350に設けた撥水、撥油処理部351より滲み出した媒質352をローラーで取り出す構造としている。そして、加速電極を設けて電界により加速する構造としている。この加速電極はなくても霧化可能である。
構造および動作は次の通りである。まず、ローラーのみで密閉構造を構成する。媒質取り出しローラー370、加速ローラー371間を密閉ローラー377で密着して回転することで密閉し、絞り逆転ローラー372は最終段の加速ローラー371と密着して回転することで密閉構造としている。次に、媒質霧化方法を説明する。メッシュ350に設けた撥水、撥油処理部351より滲み出した媒質352を、媒質取り出しローラー370で取り出し、加速ローラー371で下方へ加速搬送し、絞り逆転ローラー372によって、拡散を抑えながら、霧化媒質356を吐出口357より、スクリーン10を介して基材9へ噴霧される。基材9上の媒質は、ベース12内へ内蔵したヒーター13によって加熱されパターン11が形成される。図37の方法によれば、ローラーのみの簡単な構造で、密閉構造を構成でき、霧化を行う事ができるため、装置の小型化が可能となり、メンテナンスも容易となる。
図37では、図1、図2、図3と同様に、電界加速も併用できる。媒質取り出しローラー370、加速ローラー371のシャフト部分に加速電極374を設け、抵抗375を介して、加速電界電源373に接続して、加速できる構造としている。具体的には、図1で説明したと同様に、加速電界電源373は−25〜90kVを印加し、帯電部376をもっとも高電圧とし、基材9側をグランド電位とすることにより媒質352を加速することができる。電極374は複数個設け、50MΩ程度の抵抗375を介して接続し電位傾度を持たせることにより、電位を均一化させる事ができるため不平等電界をなくす事ができ、媒質352の飛翔方向をすべて基材9へ向けることができる。複数の電極374の間隔は3〜10cmとし、最終段の電極の電位は−8〜−15kVとなるように設定すると良い。媒質352の霧化を推進し、粒子を細かくすることにより、薄膜の形成が可能となる。帯電させる方式のため、媒質5の抵抗値は1012Ω以上としたほうが良い。金属粒子の場合は表面をバインダーなどで被覆すれば良い。媒質352の加速手段として、ベルト、電界の2種類は、2種類同時に使っても良いし、個別に使っても良い。
図38は、図35、図36、図37で示した撥水撥油処理したメッシュによる霧化装置を用いて、ローラーのみによって基材全面噴霧を行う装置である。基材全面噴霧を行う装置は図11でも説明したが、図38は、ベルトの替わりにローラーを使う事が異なる。構造および動作は次の通りである。図37と同様な方法で、メッシュ350に設けた撥水、撥油処理部351より滲み出した媒質352を、媒質取り出しローラー380で取り出し、噴霧室381へ噴霧する。スクリーン10を介して基材9へ噴霧され、基材9上の媒質は、ベース12内へ内蔵したヒーター13によって加熱されパターン11が形成される。図38の方法によれば、ローラーのみの簡単な構造で、霧化を行う事ができるため、装置の小型化が可能となり、メンテナンスも容易となる。
図39は、図3と同様の考え方で電界をオンオフすることで媒質の通過、非通過を決定してパターン形成する構成としたものであるが、図3よりさらに精密なパターン形成を行うことを可能としている。図40は図39のA−A方向断面図である。399は帯電部、400は電界電源、401は加速電極、402は抵抗、403は加速オンオフスイッチ、404は吸引オンオフスイッチ、405は媒質通過・非通過制御回路、406は吸引部、407は吐出口、408はスクリーン、409は配線、410は媒質貯留槽、411は媒質、412は形成パターン、413は給気管、414は排気管、415はパターン口、416は媒質噴霧状態、417は媒質吸引状態418は排気ベルトである。
図39、図40では霧化装置を3セットパターン形成方向に揃えてパターン形成密度を3倍としている。媒質取り出しおよび霧化の方法は、図3と同様に薄膜形成ローラー396、媒質供給ベルト397、加速ベルト398で行う。電界による加速方法は基本的な構成は以下のように図1と同じである。加速電界電源400は−25〜90kVを印加し、帯電部399をもっとも高電圧とし、電極401は複数個設け、50MΩ程度の抵抗402を介して接続し電位傾度を持たせ、基材9側をグランド電位とする。複数の電極401の間隔は3〜10cmとし、最終段の電極の電位は−8〜−15kVとなるように設定する。媒質411の抵抗値は1012Ω以上として帯電しやすくする。金属粒子の場合は表面をバインダーなどで被覆して高抵抗とする。
図3と異なる第一の点は、複数電極401a、b、cそれぞれに、加速オンオフスイッチ403a、b、cを設けていることである。加速オンオフスイッチ403a、b、cは、媒質411を加速する度合いを加減するために設けている。403cのみをオンしているときがもっとも低加速で、403b、403aの順に高加速化する。媒質411を加速する度合いを加減することにより、媒質411のドットごとの濃度を加減でき膜厚の制御を行う事ができる。通常は、加速オンオフスイッチ403a、b、c3つともオンさせて使用する。加速させた媒質は、吐出口407より噴霧され、図40に示すように媒質吸引器406をオンオフさせて、吸引、非吸引を行い、パターン形成したい部分のみのパターン孔415へ媒質を通過させる。
図3と異なる第二の点は、図40に示すように、パターン孔415は、スクリーン408に霧化装置に対応させて千鳥配列させて配置しており、パターン孔415ごとに媒質吸引器406を配置している。例えば20μmピッチのパターンを得たい場合には、スクリーン408に、パターン孔415を60μmピッチで配置すればよい。媒質吸引器406はパターン孔前後に配置できるので60μmの2倍の120μmピッチで配置すればよい。霧化装置の数を増やせばピッチの値を大きく出来る。吸引された媒質は排気管414によって排気ベルト418に誘導されて排気される。給気管413からは不活性ガスなどのガスが供給される。媒質通過・非通過制御回路405では、パターン形成位置に対応して媒質吸引オンオフスイッチ404と連動させて加速オンオフスイッチ403a、b、cを制御する。
このスクリーン408は、スクリーン印刷に用いるスクリーンの製造法である電鋳法やレーザー法、エッチング法などで容易に製造できる。媒質吸引器406は、吸引部をパイプ状、ダクト状などで構成し、媒質を非通過とする場合には、グランド電位に落とし媒質を吸引することで行う。図示しない吸引装置に接続し電磁弁を配置しておいても良い。本発明の方法によれば、パターン孔を選択するプログラムを製作して、オンオフ制御すれば、どのようなパターンでも対応することができ、高精細度のスクリーンを用いずに、高精細度パターンを形成できる。そして、通常のインクジェットに比べて、配列ピッチを大きくできるので、ノズル部の製造が楽になるとともに、スクリーンで構成できるため、目詰まりも少なく、簡単な方法で製造できる。そして、パターン孔415はスクリーン408一体で形成されており、霧化装置をパターン孔415の位置に合わせて配置し固定すれば、パターンずれは発生しない。
図41、図42は、図39、図40の媒質吸引機406に替えて、低密度のロータリースクリーン430と低密度のオンオフシャッター435を組み合わせて、さらに、高精細度のパターン形成を行うことを可能とするものである。図41、図42は、構造の簡単化を行っている。媒質411の霧化は、薄膜形成ローラー396、媒質供給ベルト397、加速ベルト398、排気ベルト418の3つのベルトで行っている。電界電源400による加速を行っていないが、媒質供給ベルト397、加速ベルト398の間に電極を配置して、電界加速を行っても良い。
図39、図40と基本的に異なる点は、ロータリースクリーン430とオンオフシャッター435による2段階のスイッチングを行うことにある。スクリーン408のドット密度は、図39、図40と同様の60μmピッチを3セット千鳥配列で設けて実質的に20μmピッチとする。ロータリースクリーン430は、スクリーン408のパターン孔415より2倍程度大きい媒質通過孔431を千鳥配列で配置する。図42では5つの媒質通過孔431を千鳥配置している。5つの媒質通過孔431ごとにオンオフシャッター435を設けている。オンオフシャッター435の大きさを60μmピッチの5倍の300μmとする事ができる。ロータリースクリーン430は、スプロケット432で回転時の位置決めを行っている。図示しないモーターなどのアクチュエータを用いてスプロケット432で位置決め回転を行い、シャッターオンオフ制御回路436により、媒質通過孔431をスクリーン408のパターン孔415上に合わせたときに、オンオフシャッター435をオンオフさせて、パターン形成状態433か、噴霧オフ状態437を切り替える。パターン形成後はクリーナー438でロータリースクリーン430の清掃を行う。クリーナー438は、アルコールなどの溶剤を染み込ませたフェルト状などの繊維系材料を介して真空吸引することで、ふき取りながら、残量媒質を清掃できる。
図42で示した5つの千鳥配置した媒質通過孔431は、同じパターンを繰り返して、筒状に構成する。ロータリースクリーン430の製造方法は、スクリーン408の製造法と同様の製造方法である電鋳法やレーザー法、エッチング法などで容易に製造できる。前記の媒質通過孔431とスプロケット432を形成して、端部を突合せ溶接で接続して円筒形とする。オンオフシャッター435は、電磁ソレノイドや空圧シリンダ、モーターなどのアクチュエータの先端にシャッター板を取り付けて構成できる。
本発明によれば、低密度のロータリースクリーン430とオンオフシャッター435と精密スクリーン408の組み合わせで、高精細度パターンを簡単に構成する事ができる。従来のような精密なロータリースクリーンを必要としないため、製造が容易であり、位置決めも容易である。
図43は、被加工物にプラズマを照射してハロゲン化し、ハロゲン化した部分にレーザー光を照射して低温で加工を行うものである。図43では、ロータリースクリーンを2セット用いて精密加工を行う。450はオンオフロータリースクリーン、451は精密ロータリースクリーン、452はプラズマ形成用高周波パルス電圧源、453はプラズマ形成用高周波電極、454はハロゲンガス、455は被加工物、456はプラズマ照射ハロゲン化部、457はレーザー低温加工部、458はレーザー、460は誘電体ベルト、461はスクリーン駆動ベルトである。
図43の加工原理は、次の通りである。プラズマ電極に高周波電力を印加し、反応ガス中でプラズマを発生させると、反応ガスを起源とする中性ラジカルが生成する。中性ラジカルと半導体薄膜の表面とが化学的に反応し揮発性の高い反応生成物を生成する。この反応生成物は容易に被加工物表面から脱離するため、半導体薄膜に物理的な損傷を与えること無く除去加工を行うことができる。従来の装置構成では、被加工物を精密なパターン加工する事ができず、全面加工かライン状の加工しか出来なかった。
図43では、オンオフロータリースクリーン450と精密ロータリースクリーン451とオンオフシャッター435を組み合わせて3セット配置して、図41、42と類似の方法で、高精細度パターン孔をオンオフし、このパターン孔へプラズマを通過、非通過を切り替えて、被加工物455の所望のポイントへ照射しハロゲン化を行う。プラズマは、ハロゲンガス供給口454より供給した希釈ハロゲンガスを誘電体ベルト460で誘導し、誘電体ベルト460を挟んで配置したプラズマ形成用高周波電極453へ、プラズマ形成用高周波パルス電圧源452よりプラズマ形成用高周波パルスを印加し、発生させる。そして、プラズマ照射により生成されたハロゲン化部456が加工される。また、この、プラズマ照射により生成されたハロゲン化部456にレーザー光458を照射すると、レーザー照射部を非常に低い温度で加工部457を加工する事ができる。
図43では、オンオフロータリースクリーン450と精密ロータリースクリーン451をスクリーン駆動ベルト461を介して挟んで駆動している。これは、正確に位置決めすること、ずれを防止して駆動することを目的としている。オンオフロータリースクリーン450と精密ロータリースクリーン451はハロゲンガスでハロゲン化しないように、表面をセラミックスなどを溶射などの方法で被覆しておくと効果的である。
ハロゲン化による加工例として、板厚数mmのガラス基板上に形成された膜厚500〜700nmのアモルファスシリコン層および透明電極膜をエッチング加工する場合、反応性ガス(SF6、CF4など)を不活性ガス(ヘリウムHe、アルゴンArなど)によって数%から10%(体積%)程度の濃度に希釈したものを導入し、ニッケル等の耐腐食性の高い金属プラズマ電極に、高周波電力供給装置から周波数13.56MHz、投入電力200W程度の高周波電力を供給することによって薄膜加工を行う事ができる。具体的には、ガラス基板上に成膜した微結晶Si薄膜に対して、雰囲気圧力1atm、SF6濃度4%(体積%)、送り速度7.5mm/秒、投入電力200Wの加工 条件で、深さ250nm程度のパターン加工を行うことができる。加工幅に関しては、スクリーンの孔径と、基材にプラズマガスが衝突して拡散する大きさによって決まる。
ハロゲン化した被加工物にレーザー光を照射して加工する場合について説明する。ヘリウムHeやアルゴンArの不活性ガスで、CCl4、BCl3、Cl2、SF6やCF4等の反応ガスを、数%から10%に希釈して数Torr〜大気圧の圧力の雰囲気中で、電極に高周波電源より周波数13.56MHz、投入電力10W〜100Wの高周波電力を印加するとプラズマが発生する。プラズマ中では、反応ガスの解離によって、例えば塩素系ラジカルが生成され、このラジカルが被加工物の表面に輸送されることで、例えば、被加工物がアルミニウム(Al)の場合、塩化アルミニウム(AlCl3)を生成する。塩化アルミニウム(AlCl3)は沸点が180℃であり、アルミニウムの沸点2213℃に比べ低下する。この塩化アルミニウム(AlCl3)に集光されたレーザー光を照射すると、塩化アルミニウム(AlCl3)は容易に脱離し、局所的に加工を行う事ができるため、被加工物を熱によるダメージ無く加工できる。以上の被加工物は、被加工物が活性な中性ラジカルとの反応によってハロゲン化合物を生成し、その蒸気圧が高くなるものであれば、いかなる材料に対しても成立する。具体的には、ガラス基板上のアルミニウム薄膜の表面に、プラズマによる表面改質によって数百nmオーダの盛り上がりを有する堆積物が生成し、その後、堆積物の上方から、アルミニウムが熱溶融加工されないような低パワーのレーザー局所加熱条件で堆積物の除去を行うと数10nmオーダの凹部が形成される。
反応ガスとしては、ハロゲン系ガスとしてはBCl3、Cl2、SF6、CF4等を用いることができ、希釈用ガスには、Heの他に、N2、Ar等を用いることができる。放電電極は、CCl4、BCl3、Cl2等の塩素系反応 ガスを用いる場合はタングステン、白金あるいはニッケル電極を用いることが望ましく、SF6、CF4等のフッ素系反応 ガスを用いる場合はニッケル電極を用いることが望ましい。局所的加熱手段には市販のNd:YAGレーザー、CO2ガスレーザ、Arガスレーザーを用いることが望ましいが、電子ビーム発振器等の高エネルギー発生源を用いることも可能である。
本実施形態ではプラズマによる表面処理とレーザーによる局所加熱を別々に行っているが、図6に示す構成で、ハロゲンガスを供給すれば同時加工ができる。同時加工により、レーザー局所加熱による反応生成物の速やかな除去が行われるためさらに加工速度を上げることができる。さらに、図31、図34、図36に示す構成や、図43と図31、図34、図36との組み合わせた構成でハロゲンガスを供給すれば、複数種類のハロゲンガスを同時に供給し、複数被加工物を同時加工することができる。
図44は、電子写真方式の画像形成装置を本発明のベルト霧化装置を現像器として用いた構成した例を示す。500はレーザー、501は現像器、502は感光体、503は帯電器、504は転写ローラー、505は定着器、506は基材、507は形成パターンである。現像器501は、本発明のベルト霧化装置であり、図41で用いたものと同様の構成をしている。現像器501以外は通常の電子写真プリンタで使用しているものを用いる事ができる。レーザー500は半導体レーザー、感光体502はOPC(有機感光体)やアモルファスシリコン感光体、帯電器503はコロナ放電方式やローラー帯電器などである。図44では、現像器501を3セット配置し、赤、緑、青の色の三原色に対応している。
パターン形成方法は、最初に、レーザープリンタなどの電子写真方式と同様の方法で感光体502上へ、帯電器503のコロナ放電やローラー接触帯電などで帯電させ、次にレーザー500で露光を行い静電潜像を形成する。静電潜像に本発明の霧化器による現像器501より、トナーを噴霧して現像を行う。噴霧の方法は本発明のこれまでと同じ、媒質411を、媒質供給ベルト397で取り出し、加速し、薄膜形成ローラー396で薄膜化を行い、加速ベルト398、排気ベルト418で霧化し感光体502上へ噴霧を行う。噴霧、現像されたパターンは感光体上に静電気力で付着しているものであり、転写ローラー504を介して基材506上へ再転写する。定着器505で熱定着を行い、形成パターン507を得る。これを繰り返して赤、緑、青の色の三原色に対応して3セット配置した現像器501を順に移動して重ね合わせてカラー画像を形成する。
電子写真方式の画像形成装置は、現像器部分に非常に難しい技術が必要であり、磁気ブラシ、交流電界式、接触式など積極的な開発が行われてきた。トナー付着制御を行うために、複雑な構造と、繊細なトナー状態管理、微妙な動作条件調整が必要である。本発明によれば、ベルト回転制御駆動でスリット状の噴霧口から微少量を精密制御してトナーを噴霧することができるため、高品質画像形成を行う事ができる。また、不要トナーの量も最少にでき、回収も吸引口から即時に行う事ができ、メンテナンスも容易である。
本発明を用いて液体トナー方式のカラープリンタを構成する場合を説明する。液体トナーは、電気的な特性を有する溶媒中に樹脂と顔料を混ぜたものである。感光体502には約+600ボルトの電圧を印加し、レーザー500の照射により+100ボルト程度まで電圧が下がり静電潜像が形成される。そして現像器501には薄膜形成ローラー396などを介して+400ボルト程度の電圧が印加されていて、トナーを媒質供給ベルト397、加速ベルト398、排気ベルト418と給気管413で搬送し噴霧することにより、+100ボルトに低下した部位に帯電されたトナー粒子を付着させて現像する。その後、排気管414で剰余分の現像液を回収する。
従来の液体トナー現像方式では、感光体へ現像器を、直接接触させてメニスカスを形成させるものであり、大量のトナーを用いないとメニスカスをうまく形成できず精密な画像形成を行う事ができず、また、不要トナーの回収装置が必要であった。前述のように、本発明によれば、ベルト回転制御駆動でスリット状の噴霧口から微少量を精密制御してトナーを噴霧することができるため、高品質画像形成を行う事ができ、不要トナーの量も最少にできる。
本発明を用いて、セラミックグリーンシート上に銅パターンを形成する方法を説明する。トナーとして重量比が6重量%の量のポリエチレン系樹脂で銅粉を被覆した平均粒径6μmの粒子にシリカを外添して1012Ω以上の抵抗値となるように絶縁化表面処理を行ったものを用いる。感光体は、感光層膜厚25μmのアモルファスシリコン感光体を用いる。感光体を350Vに帯電し、レーザー照射により露光し、電位15Vまで低下させる。薄膜形成ローラー396などを介して120Vの電圧を印加し、トナーを媒質供給ベルト397、加速ベルト398、排気ベルト418と給気管413で搬送し噴霧することにより、15ボルトに低下した部位に帯電されたトナー粒子を付着させて現像する。その後、排気管414で剰余分の現像液を回収する。次に、グリーンシート上に形成した導体パターンを、還元雰囲気で900℃、1時間焼結してセラミックス基板上に銅の導体パターンを形成する事ができる。
他の製造例として燃料電池の電極製造法について説明する。電極材料として、触媒物質(たとえば、Pt)を担持したカーボン粉末と電解質粉末を
混合したものおよびバインダーを、現像器501へ投入し、基材506として電解質膜をセットし、前記と同様の方法で、帯電、レーザー照射、潜像形成、噴霧現像、定着を行い、電極のパターン形成を行う。本方法であれば、任意の形状の電極や、所定形状中の各部位において濃度等構成を変えた電極を作ることもできる。また、イソプロピルアルコール、エタノール、キシレン等の溶剤が不要なので、溶剤が電解質膜を変質させたり、膨潤・収縮させて塗布された電極層にクラックを発生させることがない。
図44では、感光体ドラムを用いたが、感光体ドラムに替えて誘電体ドラムを用い、レーザーと帯電器に替えて、静電書き込み装置としてのイオンヘッドを用いることも可能である。また、これらを磁気ドラムと磁気書き込みヘッドに替え、磁性潜像を形成し、媒質を磁性成分を含有させて現像する磁気方式も可能である。また、図44では、感光体ドラムと光書き込み装置を1セット用いる方式を説明しているが、現像器ごとに複数セット備えても構成は可能であり高速化できる。また、円筒状のドラムを説明したが、ベルトであっても装置の構成は可能であり、複数の光書き込み装置と複数の現像器を備えれば高速パターン形成できる。また、レーザー光源を、面発光レーザーとして、複数本のレーザー光を同時に照射することにより、高密度パターンを高速で形成できる。例えば、密度2400DPI(1インチ当たり2400ドット;1ピッチ10.58μm)、発光素子数32素子の面発光レーザーを用いることにより実現できる。
図45は、図44の構成を変更し、平坦な基材へ直接パターン形成可能としたものである。520は第1媒質、521は第2媒質、522は第3媒質、523は第4媒質、524は第1給気管、525は第2給気管、526は第3給気管、527は第4給気管、528は第1吐出ベルト、529は第2吐出ベルト、530は第3吐出ベルト、531は第4吐出ベルト、535は基材、536は透明電極層、537は正孔注入層、538は正孔輸送層、539は帯電ローラー、540はヒーター、541は形成パターン、542は帯電部、543は排気管である。パターン形成方法は、平坦状の基材535上へ透明電極層536、正孔注入層537、正孔輸送層538を形成し、帯電ローラー539で感光体層へ帯電を行い、レーザー光500の照射を行い静電潜像を形成する。静電潜像に本発明の霧化器より帯電部542で帯電される媒質を噴霧して現像を行い、ヒーター540で加熱して定着を行い形成パターン541を得る。噴霧の方法は第1媒質520、第2媒質521、第3媒質522、第4媒質523より、第1吐出ベルト528、第2吐出ベルト529、第3吐出ベルト530、第4吐出ベルト531によって取り出し、媒質を選択、組み合わせて、第1給気管524、第2給気管525、第3給気管526、第4給気管527によってガスを吹き付け噴霧を行う。
図44では、現像器を移動してカラー画像を形成していたが、図45では一箇所に噴霧するため、現像器を移動する必要はなく小型化できる。また、露光直後に現像を行う事ができるため、パターンエッジの形状を尖鋭にする事ができる。図45では、平板上にパターン形成しているが、図44のような円筒ドラム形状であっても良い。また、図44同様、レーザー光源を、面発光レーザーとして、密度2400DPI(1インチ当たり2400ドット;1ピッチ10.58μm)、発光素子数32素子の面発光レーザーを用いることにより、高密度パターンを高速で形成できる。
本発明の霧化装置を用いて有機ELの発光層を形成する方法を説明する。従来、有機ELの発光層を形成するにはマスク蒸着法が用いられてきたが、マスクの自重、蒸着時の輻射熱による熱膨張で撓み、歪みが発生する、マスクの微細な位置制御が難しい等で各層が重なり、分離不足が発生し易い、大画面化が困難である等の欠点があった。本発明では、有機EL素子において、素子にダメージが少なく、簡便な方法で、微細化、カラー化が図れる有機ELパネルの製造方法を提供する。
まず、厚さ1.1mmのガラス基板に、予め、陽極透明電極として膜厚120nm、シート抵抗15Ω/□のITO薄膜をスパッタにより成膜し、その上に電荷発生層(正孔注入層)を膜厚500nmと電荷輸送層(正孔輸送層)膜厚1000nmの薄膜を形成しておく。ここで、電荷発生層(正孔注入層)はチタニルフタロシアニンとブチラール樹脂を重量比で3.0:1となるように秤量し、THF(テトラヒドロフラン)に溶かし、ミキサーで分散させ、固形分比率5wt%の分散塗料を作製した。電荷輸送層(正孔輸送層)は、TPD(トリフェニルジアミン誘導体)とポリカーボネートを重量比で2.5:1となるように秤量し、ジクロロメタンに溶かし、固形分比率3wt%の分散塗料を作製した。
そして、帯電ローラー539へ−1100Vの電圧を印加し、ガラス基板上への表面電位は−700Vに帯電させる。次に、波長780nmの半導体レーザーを用いて選択的にパターンの露光を行う。露光量は0.3mW/cm2、露光スポット径は10μmで、潜像電位Vi=−50Vの静電潜像を得る。現像剤として用いる媒質には、発光、電子輸送剤として、赤材料にはアルミキノリンにDCMを5wt%、ポリエステル樹脂に混練し、体積中心粒径6μmまで粉砕したものを用いて現像バイアスとして帯電部542へ−350Vを印加し現像を行う。この媒質を、ヒーター540などの方法で120℃で非接触定着し、赤色画素パターンを得る。次に、赤材料を定着したガラス基板を同様に帯電、露光し、緑材料にアルミキノリンにキナクリドンをドーパントとして5wt%、定着温度110℃のポリエステル樹脂に混練したものを用いて現像を行う。この媒質を定着温度110℃で定着し、緑色パターンを得る。さらに、このガラス基板を帯電、露光し、青材料にアルミキノリンにペリレン誘導体を10wt%、定着温度100℃のポリエステルに混練したものを用いて現像を行い、定着温度100℃で定着し、青色パターンを得る。なお、各色トナーの平均帯電量は−15μC/gであった。先に定着温度の高いバインダー樹脂を定着することにより定着を繰り返しても色がにじむ、混在するという問題を回避できる。各色定着膜の膜厚は60nmである。この後、陰極用の配線パターンとしてMg:AgやLi:Alを真空蒸着法などで形成して、ドットピッチ40μm、スペース15μmの有機ELパネルを構成する。
図44、図45の電子写真方式のパターン形成装置では、従来の現像器の構造に比べて、ベルトで供給し、トナーをスリットから吹き付ける構造のため、ベルトの回転速度制御、スリット幅の制御などの方法で、最適量のトナーを精密制御して供給でき、限定した潜像形成部分にのみ供給できるため高品質印刷を行う事ができる。また、図で説明した霧化装置以外の他の霧化装置でも代替可能である。本発明で述べてきた種々の霧化装置を組み合わせて用いることにより、粉体トナーだけでなく、液体トナーの使用も可能であり、粉体をわずかに湿らせて舞い上がりを防止したトナーも使用可能である。
図46は、レーザーめっき装置に、本発明の霧化装置を応用した例を示す。550は対向電極、551は他方電極、552はめっき電源、553レーザー、554はレーザー反応部、555はめっき液溜、556は撥水層、557は還流ベルト、558は還流口である。レーザーめっきとは、無電解めっき液中に浸漬した被めっき物表面にレーザー光線を照射して、いわゆるフラッシュフォトリシスさせ、ミクロ領域のみでめっき液の分解が起こって金属酸化物(もしくは金属水酸化物)微粒子が析出沈着し、これがめっき液中の還元剤によって還元され、自己触媒として作用することによって、活性化処理を無電解めっき液そのもので行うものである。レーザー照射部分にのみパターン形成されるのでマスクも不要となる。
図46では、図28に示した揚水管方式の霧化装置の例を示しており、噴霧方式でめっきを行う事が特徴であるので、メニスカス方式、撥水メッシュ方式など他の霧化装置を使用することも可能である。レーザーめっきでは、照射時間が数秒と短いために、めっき液への長時間浸漬が不要であり、大量のめっき液を必要としないこと、および、レーザー光を透過しやすくするため、本構成とした。装置構成は図28の霧化装置を用いた図31の構成から、プラズマ電源とプラズマ電極、および、気化ヒーターを取り外してある。揚水管270から噴射して、各ベルトで霧化、搬送し、加速ベルト298、誘導ベルト299、還流ベルト557で中央部の基材9上へ媒質を噴霧し、めっき液溜555を形成する。めっき液溜555に向かってレーザー553を照射して、反応部554に金属微粒子を析出させる。めっき液溜555の周囲は、撥水層556で被覆しておきめっき液の漏出を防止する。めっき液溜555のめっき液は還流ベルト557を通して還流口558より図示しないポンプにより還流される。
基材9としてガラスエポキシ基板を被めっき物として用い、60℃のシプレー社製「コンディショナー231」6%水溶液に3分間浸漬し、十分に水洗した後、上記基板に、液温50℃、pH9.0に保持した無電解パラジウムめっき液を噴霧し、アルゴンイオンレーザー(最大出力2W)を用いて、上記ガラスエポキシ基板の所望の箇所を0.5秒間照射してパラジウム微粒子を基板表面に吸着させた。無電解パラジウムめっき液の組成は、塩化パラジウム0.01ml/L、エチレンジアミン0.08mol/L、ホスフィン酸ナトリウム0.03mol/L、及び、チオグリコール酸30mg/Lである。この後、レーザ照射を止めてから約1分間めっき液を噴霧してパラジウム微粒子を成長させた。この後、この基板をパラジウムめっき液から取り出して、十分に水洗した後、厚膜用化学銅めっき液(pH12.2、液温68〜72℃)へ1時間浸漬して、アルゴンレーザーの被照射箇所のみに約3μmの銅めっき皮膜を成長させた。
以上の方法では、レーザー無電解めっきで説明を行ってきたが、電解めっきにも応用できる。成長させたパラジウム微粒子を核として、硫酸第二銅やピロリン酸銅を主成分としためっき液を用いて電解めっきを行う。ピロリン酸銅めっき液は、ピロリン酸銅を錯塩としてピロリン酸カリウム水溶液に溶解させている。液温50℃で、対向電極550と他方電極551の間にめっき電源552より20mA/cm2程度の電流を流すことにより電解めっきを行うことができる。
本装置による電解めっき法では、レーザーめっき法と組み合わせてめっき成膜とパターン形成を同時に行うことができる。少量のめっき液を連続して供給できるため、効率の良いめっきを行う事ができ、装置も小型化できる。また、上面からめっき液を供給できるため、基板搬送を容易に行う事ができる。また、本装置であれば、レーザーめっき、電解めっき、無電解めっき以外にも、液を交換するだけで、光電着、電着、ミセルにも応用できる。
図47は、図35で説明した霧化装置の、撥水処理メッシュ部を用いてめっき槽を構成したものである。560は還流ベルト、561は還流口、562は給気管、563はポンプである。メッシュ撥水処理部351から滲み出ためっき液352を基材9上に接触させ、めっき後の液は還流ベルト560で吸出し、還流口561より、ポンプ563で媒質貯留槽6へ還流する。電解めっきを行う場合は、図46で説明したと同様に、基材9をめっき液中に浸漬した状態で、メッシュ対向電極550と他方電極551との間に、めっき電源552を接続して、めっき電流を流すことにより電解めっきを行う。本装置によれば、簡易な構造で、めっき装置を構成でき、信頼性を向上できる。また、図46同様に、基材表面にのみめっきを行う事ができること、電極間隔を小さく出来ることの効果と、液を交換するだけで、電解めっき、無電解めっき、光電着、電着、ミセルにも応用できる効果がある。
図48、図49は、本発明の図28、図29の霧化装置と図47の霧化装置を用いて交互吸着法を実現するための装置である。反射膜、光学フィルタ、光共振器などへの利用に適した多層ヘテロ構造膜を、大面積にわたって形成する技術が求められており、交互吸着法は有効な方法である。569は基材、570は第一の系、571は第二の系、572は化学吸着浴、573はリンス浴、574は加水分解浴、575は乾燥工程、576は吸着部、580は正の電解質ポリマー浴、581はリンス浴、582は負の電解質ポリマー浴、583はリンス浴、584は吸着部、585は吸着部である。化学吸着浴572、正の電解質ポリマー浴580、負の電解質ポリマー浴582は、図28、図29の霧化装置を用いて噴霧により吸着を行い、リンス浴573と加水分解浴574は、図47の霧化装置を用いて、リンス、加水分解を行うことにより、交互吸着装置を構成している。
反射膜、光学フィルタ、光共振器などへの利用に適した多層ヘテロ構造膜を、大面積にわたって形成する技術について具体的に説明する。従来から行われている方法の次の問題を解決する。真空蒸着、スパッタリング、分子線ビームエピタキシーなどの成膜方法は、膜厚の制御性に優れているが、高温、高真空を必要とするため、大面積にわたった成膜が困難であり、製造コストが高騰するといった問題がある。溶液キャスト法、スピンコート法、ラングミュアブロジェット法などの成膜方法は、常温、常圧で成膜を行う事が可能である特徴を持つが、溶液キャスト法やスピンコート法は膜厚の制御性に欠けるという問題があり、スピンコート法では大面積化が困難であり、ラングミュアブロジェット法は、膜厚の制御性には優れているが、扱える物質が限定され、薄膜の強度に欠けるという問題がある。本発明の霧化装置による交互吸着法によれば噴霧方式で行うため、必要最小限の液だけを供給すればよく、常に新鮮な液を供給でき、確実な成膜を行う事ができる。また、大掛かりな装置を必要としないため、簡易な構造で、装置の小型化、低価格化を行う事ができるとともに、装置の信頼性向上を図る事ができる。
基材569として、ガラス基板を用意し、その表面を、水酸化カリウム(KOH)のエタノール溶液で親水処理することにより、表面がヒドロキシル基(OH−)で覆われた状態にする。続いて、この基材569の表面に、図47に示す第1の系を利用して、酸化チタン層を形成する。このとき、化学吸着浴572内には、トルエンとエタノールの1:1溶液を溶媒として用い、チタンブトキシド(Ti(O−nBu)4:Buはブチル基)を100mMの濃度で溶かした溶液(金属アルコキシド溶液)を用意し、リンス浴573内には、トルエンとエタノールの1:1溶液からなるリンス液を用意する。そして、まず、基材569を化学吸着浴572内に3分間だけ浸漬させ化学吸着を行う。続いて、この基材569をリンス浴573へ移して1分間だけリンスを行い、更に、加水分解浴574へ移して1分間だけ加水分解を行う。そして、乾燥工程575で窒素ガスを基材569に吹き付け、基板表面が十分に乾くまで行う。以上の4工程を1サイクルとして繰り返し行いながら、図示しない水晶振動子の発振周波数fをモニタし、厚みdx=61.5nmの酸化チタン膜第一層を形成する。このときの基板表面は、ヒドロキシル基(OH−)で覆われた状態となっている。
次に、図48に示す第2の系を用いて、この基材569の表面に、PAH/PAAの交互吸着膜を形成する。この場合、正の電解質ポリマー浴580には、正の電解質ポリマーとしてポリアリルアミン塩酸塩(略称PAH:分子量=55000)を入れ、負の電解質ポリマー浴582には、負の電解質ポリマーとして、ポリアクリル酸(:略称PAA:分子量=90000)を入れる。いずれも、10−2mol/lの濃度の水溶液を作成して各槽に収容する。また、リンス浴581、583には、18MΩ・cm以上の超純水を用意する。正の電解質ポリマー浴580および負の電解質ポリマー浴582からの引き上げのタイミングは、図示しない水晶振動子の発振周波数fの変化量Δfが、所定の基準値fref =250Hzに到達したタイミングとし、リンス浴581、リンス浴583には、それぞれ3分間浸すように制御する。このような工程を1サイクルとして繰り返し、水晶振動子20の発振周波数fをモニタし、厚みdy=101.4nmのPAH/PAA複合有機膜第二層を形成する。このときの基板表面は、COO−基で覆われた状態となっている。
この基板を再び、図48に示す第1の系に戻し、厚みdx=61.5nmの酸化チタン膜を第三層として形成した後、図49に示す第2の系に戻し、厚みdy=101.4nmのPAH/PAA複合有機膜の第四層を形成する。このようにして、第1の系と第2の系とを交互に利用することにより、最終的に、多層ヘテロ構造膜を作成する。
図50は、本発明のパターン形成ヘッドを、ツールチェンジャーによって自動交換し、成膜を行い、スパイラルコンベアで乾燥、焼成、冷却を行い、再び、元へ戻って成膜を繰り返し行い、多層膜を形成可能とするものである。600はコンベアベルト、601は加熱ゾーン、602は冷却ゾーン、603はヒーター、604は冷却装置、605は搬入口、606は搬出口、610はツールチェンジャー、611はツール保持具、612はヘッド、613は交換ヘッド、614は交換装置である。最初に、ヘッド612を選択し、コンベアベルト600内に配置する。この時配線や配管はフレキシブルのものを用いると良い。次に、ヘッド612を動作させてパターン形成を行った後、コンベアベルト600内の加熱ゾーン601へ搬送し、ヒーター603で加熱し、乾燥、焼成を行う。次に、冷却ゾーン602へ搬送し、冷却装置604で冷却を行い、再び、ヘッド612で成膜を行う。ヘッド612は、ツールチェンジャー610で交換ヘッド613から必要なものを選択し、交換装置614で交換する。
本発明のパターン形成ヘッドを、ツールチェンジャー610で交換しながら、最適なヘッドを組み合わせて使うことにより、一つの工場で多品種の成膜を行う事が出来、成膜工程を分散させずに、多品種少量生産を、一箇所で集中的に生産を行う事ができる。例えば、スプレー工程、CVD成膜工程、噴霧工程、溶射工程、三次元成膜工程、めっき工程等の組み合わせにより、それぞれの工程の特徴を生かした多層膜の成膜が一括で行う事が可能となる。また、スパイラルコンベアで乾燥、焼成、冷却を行うことにより、設置面積を最小にでき、搬入口と搬出口を一箇所にできハンドリング操作が容易になる。ここでは、スパイラルコンベアとして説明しているが、必ずしも円形である必要はなく、直線を組み合わせて、方向変更を行い、連続的に上方へ移動するものであれば良い。
本発明の成膜装置、パターン形成装置、三次元造形装置で一種類の霧化装置で説明している場合があるが、他の霧化装置を使用することも可能であることは言うまでもない。また、レーザー描画方式の装置では、1本ビームで説明しているが、複数本同時照射することも可能である。特に、スタックレーザーや面発光レーザーなどによって複数本同時照射することによって高密度化、高速化が可能となる。
図57は、水平旋回流型のジェットミルにより微粒化された粉体を、図51、52、53に示した媒質加速空間を通して処理基板上へ噴霧し処理を行うものである。水平旋回流型のジェットミルは、直径400mm程度の円周上に、複数の吐出ノズルを配置し、吐出ノズルより音速以上の高速の旋回流を発生させ、そこへ、原料の粉末や液体などを投入することにより、原料を衝突させて微粒化する装置である。一方、CVD装置などでは、原料をガスや、液体をガス化しなければならないが、原料の中には常温で固体のものも多い。そのため、固体原料を溶解させる必要があるが、溶解作業に時間と手間がかかる。粉末を直接原料とできれば非常に簡単となる。
850は水平旋回流型ジェットミル、851は高圧ヘッダー、852は原料供給口、853は旋回流用ガス供給口、854はヒーター、855はガスノズル、856は霧化媒質、857はキャリアガス供給口、858は反応ガス供給口、859は排気口、860は加速・均質化ベルト、861はプラズマ形成用高周波電極、862は反応ガスプラズマ化ゾーン、863は気化用ヒーター、864は気化ゾーン、865は反応ガス・原料ガス混合ゾーン、866は成膜媒質、867はガス供給口である。
図57に示す、ガス供給口867から高圧ヘッダー851へ加圧ガスを供給すると、水平旋回流型ジェットミル850内で、複数の旋回流用ガス供給口853から加圧ガスが供給され旋回流が発生する。原料供給口852より原料を投入すると、旋回流内に原料が投入され、原料どうしが衝突して微粒化が行われる。ガスノズル855より加圧ガスを供給すると霧化媒質856は加速・均質化ベルト860方向へ加速されて移動する。このとき、ヒーター854により、霧化媒質856は加熱され溶融され、気化ゾーン864で、気化用ヒーター863により、気化される。一方反応ガス供給口858から反応ガスが供給され、反応ガスプラズマ化ゾーン862で、プラズマ形成用高周波電極861によりプラズマ化される。2つの経路で処理されたガスは、反応ガス・原料ガス混合ゾーン865で衝突混合されて、基材9上へ成膜媒質866が成膜される。処理後のガスは排気口859より排出される。
本発明の使用方法を説明する。図57に用いることが可能な原料としては、特開2003−64019、特開平08−085873、特開平09−049081に開示されている材料が挙げられる。Ir薄膜を得る場合、複数の旋回流用ガス供給口853からアルゴンの加圧ガスを供給し旋回流を発生させ、トリス−ジピバロイルメタナトイリジウム1gを原料供給口852より投入し原料の微細化を行うと同時に、ミル850内を120℃に保温しておく。ガス供給口857よりアルゴンガスを100ml/min導入し、このガスにトリス−ジピバロイルメタナトイリジウムを同伴させ、ヒーター854、863を通過させ気化を行う。シリコン基板9はヒーター13により500℃に加熱しておく。このような条件下で30分間薄膜化を行うと、厚さ2800オングストロ−ム程度の均一なIr薄膜が得られる。
トリス−ジピバロイルメタナトイリジウムに代えてトリス 1、1、1、5、5、5−ヘキサフルオロアセチルアセトナトイリジウムを使用して同様な方法で成膜すると、30分後に厚さ3200オングストローム程度の均一なIr薄膜が得られる。上記の方法では、熱分解のみで形成する方法を説明したが、反応ガスをプラズマ形成用高周波電極861で分解して混合噴霧することにより成膜することも可能である。
ここで使用したIr有機錯体は、蒸気圧が高く、熱安定性に優れているので高い昇華性を有する上、昇華温度と分解温度とが離れているため、速い成膜速度で均質かつ再現性に優れた薄膜を得ることができる。
次に、本発明の他の使用方法を説明する。旋回流の線速度を300m/sec以上、ミル850内の滞留時間250秒以上にすると、酸化スズ粉のような凝集性の強い材料を効果的に微粉砕を行うことができる。例えば、酸化錫の原料粉末のメジアン径2.5μm、ジェットミル 全体に供給する空気量2.7m3/min、原料供給口852のガス量を1.5m3/minと原料供給口852の吐出口径をφ8mmより、線速度を497m/secとすると、処理量を3.0kg/hrとしたときは、粒度分布から求めたメジアン径が0.55μmが得られ、処理量を1.0kg/hrとしたときは、粒度分布から求めたメジアン径が0.38μmが得られた。処理量1kg/hrの時、粉砕室内の粉体量は97gで滞留時間は348秒である。従来の条件による方法では、線速度122m/secで滞留時間は211秒のとき、処理量3kg/hrの時、粒度分布から求めたメジアン径が0.70μmであった。図57で、酸化スズを原料として原料供給口852から投入し上記条件で粉砕を行い、反応ガス供給口858より反応ガスの代わりにバインダーを供給し、混合ゾーン865で混合して基材9上へ噴霧することによりITO膜を成膜できる。
次に、本発明の他の使用方法を説明する。図57では高圧ヘッダー851を設けているため、ミル850内の温度を高温化することが容易であり、ミル850内の温度を300℃とすることにより、例えばキュリー点以上とすることができ磁化による凝集を防止できることができる。例えば、Sm−Fe−N系磁石などの製造に用いられる磁石粒子は、磁化および保持力を有するため、微粉砕により得られた微粒子が、特に、凝集し易く、その凝集によって効果的に粉砕することができず、粗大粒子の割合が多くなって均一な粒子径の微粒子を得ることができない。
この問題点を解決するために、現在、磁石粒子をキュリー温度付近から窒素の放出温度までの間の温度例えば300〜650℃に保つ状態とすることで、磁石粒子の磁化および保持力が極めて小さくさせるかあるいは消失させてジェットミルにより微粉砕する粉砕方法が提案されている。
これまでの方法では、ガス噴射ノズルに高温の高圧ガスを供給していたため、粉砕室内のガス噴射位置での温度が高く、粉砕室内の温度を全体を均一の温度に保つことが困難であって磁石粒子の全体を均一に加熱することができず、磁石粒子の凝集を完全に防止することができなかった。図57で、Sm−Fe−N系磁石を原料として原料供給口852から投入し、上記条件で粉砕を行い、反応ガス供給口858より反応ガスの代わりにバインダーを供給し、混合ゾーン865で混合して基材9上へ噴霧することにより磁化膜を成膜できる。
次に、本発明の他の応用方法を説明する。微粒子を機械的に加速して基板上に成膜を行うものである。Si基板上に予めSiO2膜 /Ti膜 /Pt膜 を順に成膜したものを用いて、Pt膜上にPZT膜を被着させる場合を説明する。図57に示すガス供給口867から高圧ヘッダー851へ加圧ガスを供給し、水平旋回流型ジェットミル850内で複数の旋回流用ガス供給口853から加圧ガスが供給され旋回流を発生させる。次に、原料供給口852よりPZT粉の原料を投入し、旋回流内に原料が投入され、原料どうしが衝突して微粒化が行われると同時に分級が行われた粒子が中央部に集まってくる。ガスノズル855より加圧ガスを供給するとPZT粉の超微粒子856は加速・均質化ベルト860方向へ加速されて移動する。混合ゾーン865でキャリアガス供給口857からのガスでさらに加速されて、基材9上へ成膜媒質866が成膜される。処理後のガスは排気口859より排出される。PZT粉の粒径が1μm以下の超微粒子の場合、成膜速度が大きくなると同時に基板との密着強度が向上する。PZT粉の微粒化と粒子径を揃える分級が重要となるが本発明の方法であれば容易に行うことができる。
このとき、ヒーター854、気化用ヒーター863、ヒーター13、プラズマ形成用高周波電極861は使用しなくても良い。
図58は、図57の装置を2セット用意して第一ジェットミル870、第二ジェットミル871とし、中央にレーザー872を配置したものである。熱レーザーによる溶融成膜や焼結方式三次元造型装置、スプレー熱分解などへ応用でき、紫外線レーザーによる化学反応成膜に使用することや、紫外線硬化方式三次元造型装置などへ応用することができる。
図60は、3本ロールミルにより微粒化された粉体を、図51、52、53に示した媒質加速空間を通して処理基板上へ噴霧し処理を行うものである。951は第一セラミックロール、952は第二セラミックロール、953は第三セラミックロール、954はキャリアガス供給口、955は霧化ゾーンである。3本ロールミルは、直径φ40mm〜φ120mm、ローラー長さ180mm〜450mmの硬質セラミックなどで構成され、ローラー間に粉体を供給し強力なせん断力で微粒化する装置である。特に、粉体、液体、結合材、添加剤などの高粘度固/液凝集粒子の練合分散、練肉分散の促進に有効である。各ローラーの回転比は、1:2:4〜1:2.8:7.9などで行われる。
図60に示す第一セラミックロール951より媒質を取り出し、第一セラミックロール951と第二セラミックロール952との間で媒質にせん断力を与え、さらにと第二セラミックロール952と第三セラミックロール953との間で再度、媒質にせん断力を与える。第三セラミックロール953に取り出された粉砕媒質を、キャリアガス供給口954よりキャリアガスを供給して霧化ゾーン955で霧化を行い、加速・均質化ベルト860で加速して基材9上へ噴霧する。ヒーター13で加熱することにより成膜媒質866を得る。
図60の方法で、ペーストを製作して基材9へ成膜する方法を説明する。周速の異なる3つの直径120mmのロールを有する三本ロールミルのロール間に線圧100kg/cmの圧力を加え、各ローラーの回転比を1:2:4〜1:2.8:7.9、第三セラミックロール953の周速を570mm/secとして、平均粒径10μmの樹枝状銅粉100部にバインダーとしてメラミン樹脂を15部および添加剤としてリノール酸1部、o−アミノフェノールを0.3部、ブチルカルビトールを溶剤として添加した組成物をロールに強制的に通過させて銅ペーストを得る。次に、第三セラミックロール953に取り出された銅ペーストを、キャリアガス供給口954よりキャリアガスを供給して霧化ゾーン955で霧化を行い、加速・均質化ベルト860で加速して基材9上へ噴霧する。ヒーター13で加熱することにより成膜媒質866を得る。
図60の発明によれば、図57、58で説明した固体CVD原料による成膜、酸化スズによる成膜、PZTによる成膜に対しても応用できる。
本発明によれば、解砕粒子の再凝集によるダマの発生を防ぐことができ、工程数を削減できる。そして、半密閉空間内で、媒質を高速噴射するため、外部へ拡散させることなく、基材上へ確実に成膜する事ができ、洗浄工程も簡略化できる。
図61は、図60の装置の中央にレーザー960を配置したものである。熱レーザーによる溶融成膜や焼結方式三次元造型装置、スプレー熱分解などへ応用でき、紫外線レーザーによる化学反応成膜に使用することや、紫外線硬化方式三次元造型装置などへ応用することができる。上記の銅ペーストを噴霧したあと、レーザー960をCO2レーザーやYAGレーザーとして照射を行うと照射部分のみにパターンを形成することができる。
図62は、傾斜させ、対向させた回転籠により微粒化された液体や、粉体、ペーストを、図51、52、53に示した媒質加速空間を通して処理基板上へ噴霧し処理を行うものである。980は撥水メッシュ回転かご、981はキャリアガス供給口、982はキャリアガス供給口、983は霧化ゾーン、984はメッシュカバーである。
撥水メッシュ回転かご980は、撥水メッシュで構成されているため、回転が停止された状態では、媒質は表面張力で外部に漏れ出ないようになっている。撥水メッシュ回転かご980が回転すると、遠心加速度により遠心方向の容器側面に強く押し付けられ、撥水メッシュから媒質が滲み出してくる仕組みとなっている。そして、回転かご980を傾斜、対向させて、内側のみから吐出できるようにメッシュカバー984が設けてあるので霧化ゾーン983で吐出した媒質が衝突し霧化する。すなわち、撥水メッシュと衝突の両方で霧化するようになっている。効果的に霧化と分散が行われる。ガスノズル981より加圧ガスを供給すると霧化媒質は加速・均質化ベルト860方向へ加速されて移動する。気化ゾーン864で、気化用ヒーター863により、気化される。一方反応ガス供給口858から反応ガスが供給され、反応ガスプラズマ化ゾーン862で、プラズマ形成用高周波電極861によりプラズマ化される。2つの経路で処理されたガスは、反応ガス・原料ガス混合ゾーン865で衝突混合されて、基材9上へ成膜媒質866が成膜される。処理後のガスは排気口859より排出される。本発明では通常のプラズマCVDの液体原料を用いることができる。非常に簡単な構造で効果的に霧化と分散を行うことができる。
図55は、図51、図52に示した装置を元にして噴霧めっき装置に応用したものである。図46と異なる点は、本体装置内で各処理液の供給を独立して制御できるようにして、各処理液間の反応などの影響をなくすようにして無電解めっきを行えるようにしていることである。本発明は、大型のプラスチックやガラス等の絶縁性被めっき体へ無電解めっきする方法であって、還元液とめっき液を別々の容器で保存し、被めっき体へ吐出する直前に噴霧状態で混合し、被めっき体表面を無電解めっきする方法である。数百mm角から、1〜2m角の大型基板等の被処理基板に適用することが可能である。751はガスノズルA、752はガスノズルB、753はガスノズルC、754はガスノズルD、755はガスノズルE、756はガスノズルF、757はガスノズルG、758はガスノズルH、760は還元剤、761はめっき液、762は前処理剤、763はセンシタイザー、764はアクチベーター、765はタンニン酸、766は純水、767は媒質滲み出し部、768はヒーター、769は液体漏れ防止板、770は不活性ガス供給口、771は媒質衝突均質化空間、772は媒質加速空間、773は媒質衝突混合空間、774は封止用ガス、775は排気口、776は斜め加速空間である。
ガスノズルA751〜ガスノズルH758は、還元剤760、めっき液761、前処理剤762、センシタイザー763、アクチベーター764、タンニン酸765、純水766の横に配置して、不活性加圧ガスの供給を独立してオンオフ制御できる。このことにより、各処理液の供給を独立に制御できる。
不活性加圧ガスにより、独立に供給制御され、加速された各処理液は、純水766以外は、媒質衝突均質化空間771で衝突し、霧化、混合、均質化が行われる。中央ガスノズル770からの加圧ガスにより、基板709方向へ加速され移動する。純水766は、ガスノズルA751とガスノズルH758によって、媒質加速空間772と斜め加速空間776の両方に供給可能なように構成されている。各処理液の吐出後、毎時またはめっき終了後、この純水を供給することにより洗浄を行うことができる。
各処理液は、各ノズルによって順次選択供給され、媒質衝突均質化空間771で衝突し、霧化、混合、均質化が行われ、ヒーター768によって所定温度に加熱され、媒質衝突混合空間773を通して、基板709へ噴霧されめっきが行われる。噴霧めっき後の余剰媒質は排気口775から回収される。本発明装置では、封止用ガス774と液体漏れ防止板769を設けて、めっき液が外部に漏れるのを防止している。
各ガスノズルは、図51、図52と同様な構造である。
本発明の装置は、噴霧ノズルの機能として、長尺、平面のスリットで、複数の流路を、輻輳するように構成し、衝突させて霧化するとともに、前記媒質を被処理材の直前で混合して集中させて吐出する構造をしており、めっき液や還元液の媒質を衝突させるための空間と、媒質を輻輳させるための空間と、漏れ防止機構と、吐出物を回収する空間とを備えており、これらは一体的に構成されている。
プラスチックやガラス等の絶縁性被めっき体は、上記の媒質衝突空間と媒質輻輳空間と吐出物回収空間と漏れ防止機構によって一体的に構成された空間で覆い隠され、ゴミ、異物などの侵入を防止している。この空間内は、不活性ガスを充填することにより、不要な酸素の還元を抑制でき、めっきを確実に行うことができる。
媒質貯留槽と、媒質取出し機構とを一体的に取り付けた装置で、めっき液や還元液は別々の貯留槽で保管し、直接取り出し、被めっき面にめっき前処理液やめっき溶液、あるいは被めっき面を洗浄するための純水を噴霧ノズルから連続的に供給することができる。この構造にすることにより、迅速かつ確実なめっきを行うことができるとともに、めっき後の洗浄を、めっき後、即、行うことができるため、各液の混合などによる液の劣化などの異常の発生を防止できる。
本発明の工程を以下に説明する。図55に示す装置を用いて、界面活性剤、脱脂剤、水洗用純水、センシタイザーとしての塩化スズ、水洗、アクチベーターとしての塩化パラジウム、無電解めっき用の還元剤、硫酸ニッケルなどの調整液を別々の容器に保管し、処理時に、以下の順番でノズルに送り込んで、基板上へ噴霧を行い無電解めっきを行う。各液を順番に噴霧しながら、連続的に回収動作を行うことにより、前処理液などの廃液と、重金属を含むめっき廃液を区別して、別個に廃液回収することが可能となる。界面活性剤、脱脂剤などによる表面調整工程;1〜2分、水洗;10〜20秒、センシタイザーとしての塩化スズによる感応性付与工程;1〜2分、水洗;10〜20秒、アクチベーターとしての塩化パラジウムによる活性化工程;1〜2分、水洗;10〜20秒、還元剤、硫酸ニッケルなどの調整液による無電解めっき工程;3〜6分、無電解めっき液の温度は50〜70℃にする。これは、ノズルの途中でヒーターにより加熱する。
被めっき体の表面を調整する材料としては、タンニン酸、過マンガン酸カリを用いることができ、感応性を付与するセンシタイザー材料として塩化スズ、表面を活性化するアクチベーターとして塩化パラジウム、還元液として水酸化ホウ素ナトリウムとアンモニア水の混合液、あるいはジメチルアミンボラン、めっき液として塩酸ニッケルと塩酸アンモニウムの混合液、または硫酸ニッケルと硫酸アンモニウムの混合した各溶液を用いることができる。それぞれ常温で独立した貯留槽に保管する。
被めっき体のめっき膜厚測定は、めっき液の中からめっき金属が析出している中に、レーザー光線を照射して行うことができる(図示せず)。そしてめっき膜厚が所定の厚みに達した時は、次工程に移るべく制御装置が指令を発信する。
各独立タンク内のめっき用溶液を常に加圧する様にしているので、前処理液ライン又はめっき液ラインに通じる出口のフロー操作バルブを必要に応じて開いてやれば、流量計を通して最適量の液が、直ちにノズルからめっき用溶液が噴霧する仕組みになっている。したがって、各めっき用溶液は通常この独立したタンク内に保管されているため各溶液の混合や濃度の低下などの問題は生じない。
洗浄用純水は、供給源から流量計とフィルターを通って各液の配管に接続されているため、各液の通過した後の配管内の洗浄を行うことができる。
先ず洗浄用純水で被めっき面が洗浄され、次いで工程順に前処理液がノズルから噴霧される。次に純水でライン配管内が洗浄され、表面調整剤が噴霧され、再び管内洗浄が行われ、センシタイザー噴霧、管内洗浄と続いてアクチベーター噴霧が行われ、溶液の通過した後の管内洗浄が終わると、めっき液ラインに還元液とめっき液が同時に被めっき面に噴霧される。常温の還元液とめっき液は、スリット状のノズルの途中でヒータにより50〜70℃に加熱される。被めっき面直前で混合され、噴霧されると酸化・還元作用が始まり、被めっき面の上に金属としてのニッケルの堆積が行われ、均一な厚みをもっためっき膜が成長する。
図55に示す、均一ビームレーザー777によるレーザーめっき法を説明する。図55では、均一ビームレーザー777を付加している。均一ビームレーザー777は、集光レンズとしてリングモードレンズとカライドスコープレンズの組合せからなる光学系により構成されており、ガウシアンビームの中央部のレーザー強度を低くして、周囲を高くするようにしてビーム強度を均一化している。集光レンズは、コリメートレンズ、円錐プリズム、フォーカスレンズの組合せからなるリングモードレンズと、カライドスコープ、コヒーレントレンズの組合せからなるカライドスコープレンズより構成される。均一ビームレーザー777の照射方向は、図55では上方から行っているが、基板709が透明である場合には基板裏面から照射を行うことが可能である。
従来、レーザーめっき法では、レーザーのガウシアン強度分布に比例した膜厚分布となり凹凸ができる大きな問題があったが、本発明では、集光レンズとしてリングモードレンズとカライドスコープレンズの組合せからなる光学系を用いてレーザー光を照射する構造としてガウシアンビームの中央部のレーザー強度を低くして、周囲を高くするようにしてビーム強度を均一化しているため、めっき膜厚分布の均一化を行うことが出来る。特に、レーザー光の強度分布の均一化と本発明の噴霧めっきを組み合わせることによりこれらの問題を効果的に解決できる。また、本発明によれば、半密閉空間による狭い空間で成膜できるため、空間内温度の立ち上がりが早くなり、めっき速度を高速化できる。簡易な構造で、低価格に装置を構成することができ、めっき液の使用量を削減できる。
本発明で使用できるレーザー光は、CO2レーザー 、YAGレーザー 、アルゴンイオンレーザー 、エキシマレーザーであり、さらに、Nd:YAGレーザー、チタンサファイヤレーザー、ラマン増幅圧縮レーザーなどの短パルスレーザーを用いることにより、ITO薄膜などの弱い膜上への成膜が可能となる。また、マスクを介してのレーザー照射によるレーザーめっきも可能である。
短パルスレーザーによるITO基板表面への金微粒子の析出・固定化;チオール化合物の共存下に塩化金酸(Au:S=6:1)を水素化ホウ素ナトリウムで還元する方法で平均粒径7〜8nm金微粒子のコロイド溶液をシクロへキサンに溶解したコロイド溶液3mLをITO基板上に噴霧し、20℃の温度の下で、パルスレーザー光(Nd:YAGレーザー、波長532 nm、パルス幅 3-7ns,パルスエネルギー約8mJ、くり返し数10Hzを照射することにより、ITO基板表面への金微粒子の析出・固定化を行うことができる。
図56は、図51、図52に示した装置を元にして洗浄装置に応用したものである。本発明は、大型の基板の洗浄を可能とするものである。本発明の装置は、噴霧ノズルの機能として、長尺、平面のスリットで、複数の流路を、輻輳するように構成し、衝突させて霧化するとともに、ミストを基板直前で混合して集中させて吐出する構造をしており、ミストを衝突させるための空間と、媒質を輻輳させるための空間と、漏れ防止機構と、吐出物を回収する空間とで、基板を覆い隠す構造として、ゴミ、異物などの侵入を防止している。787は媒質滲み出し部、788はヒーター、789は液体漏れ防止板、790は純水、791はヒーター、792は水ミスト用純水、793はガスノズル、794はガスノズル、795はガスノズル、796はガスノズル、797はガスノズル、798は水ミスト加速空間、799はスチーム加速空間、800は媒質衝突均質化空間、801は水ミスト・スチーム衝突混合空間、802は封止用ガス、803は排気口、804は斜め加速空間、805は回収路である。
ガスノズル794〜ガスノズル797は、不活性加圧ガスの供給を独立してオンオフ制御でき、スチーム用純水790、水ミスト用純水792の横に配置して吐出制御を行う。このことにより、各処理液の供給を独立に制御できる。スチーム用純水790にはヒーター791が配置されていて加熱されている。
ヒーター791により加熱されたスチーム用純水790は、媒質滲み出し部787から滲み出て来る。この加熱純水は、ガスノズル795、ガスノズル796より供給される不活性加圧ガスにより、媒質衝突均質化空間800へ移動、加速され、衝突し、ミスト化される。そして、中央ガスノズル793からの加圧ガスにより、基板709方向へ加速され移動し、ヒーター788により、さらにミスト状態で加熱することにより乾き蒸気となる。純水792は、ガスノズル794とガスノズル797によって、斜め加速空間804にミスト化されて供給される。水ミストと乾き蒸気となったスチームミストは、衝突混合空間801で混合され、基板709上へ噴霧され洗浄が行われる。
洗浄が行われた後、剥離物は回収路805を通して排気口803より回収される。封止用ガス802は、液体や、剥離物が外部へ漏れないように内側へ向けられ排気口803へ抜けるようになっている。基板709との隙間は、液体漏れ防止板789を設けて、液体や、剥離物が外部に漏れるのを防止している。各ガスノズルは、図51、図52と同様な構造である。
半導体装置などの製造工程でのレジスト膜等不用物の除去技術として、酸素プラズマによりレジスト膜を灰化除去するプラズマアッシング方法、有機溶媒(フェノール系・ハロゲン系など溶媒)で膜体を加熱溶解除去させる方法、濃硫酸・過酸化水素による加熱溶解方法などがあった。しかしながら、プラズマアッシャ装置では、真空装置・プラズマ源および半導体ガスなどが必要となり、真空制御・プラズマ安定制御等の付帯設備と制御装置が複雑となり大型化・コスト高などの問題点がある。また、ウェット洗浄装置を使用する場合においては、大量の薬液・高温薬液制御・廃液・排水等の多くの付帯設備ならびに環境対策が必要となるという問題がある。これらを解決する方法として、水ミストとスチームミストを混合して洗浄する方法が提案されているが、ミストの発生方法がおおがかりであることと、剥離物の回収方法が不充分である。
図56の洗浄装置によれば、水ミストとスチームミストを、被処理基板上で混合して吐出し、基板の洗浄を行い、洗浄終了後の液を回収する構造としたため、レジスト剥離・ポリマー除去・洗浄等の半導体関連分野の処理や製造プロセスにおいて、処理効果が高く、設備コストが低く、効率が良い処理が実行できる。また、本発明によれば、半密閉空間による狭い空間で洗浄できるため、空間内温度の立ち上がりが早くなり、短時間に洗浄を行う事ができ、簡易な構造で、低価格に装置を構成することができる。
本発明による他の洗浄方法を説明する。図56に示す2つの貯留槽790のスチーム用純水を、以下の第一の処理液と第二の処理液に入れ替え、貯留槽792の純水を超純水に入れ替える。第一の処理液は、式:Cn H2n+1(COOH)[n=1,2又は3の整数]で表される脂肪酸(酢酸、プロピオン酸及び酪酸)またはジクロロメタンに、オゾンを100ppm以上溶解させたものである。第二の処理液は、脂肪酸(酢酸、プロピオン酸及び酪酸)またはジクロロメタンである。第一の処理液、第二の処理液、純水を別々の貯留槽で保存し、前記被処理基板上へ、第一の処理液、第二の処理液、超純水を順次吐出し、基板の洗浄を行う。洗浄後の余剰液体、剥離物は回収する。
吐出方法は次の通りである。第一の処理液、第二の処理液は、媒質滲み出し部787から滲み出て来る。この第一の処理液は、ガスノズル795より供給される不活性加圧ガスにより、媒質衝突均質化空間800へ移動、加速され、衝突し、ミスト化される。そして、中央ガスノズル793からの加圧ガスにより、加速され基板709へ1分間噴霧される。次に、第二の処理液は、ガスノズル796より供給される不活性加圧ガスにより、媒質衝突均質化空間800へ移動、加速され、衝突し、ミスト化され、中央ガスノズル793からの加圧ガスにより、加速され基板709へ1分間噴霧される。30秒放置して酢酸しずくが落下しウェーハ表面が薄い酢酸膜に覆われた状態に達したところで、ガスノズル794、797より供給される不活性加圧ガスにより、超純水を3分間噴霧してオーバーフローリンスして洗浄を完了する。洗浄が行われた後、剥離物は回収路805を通して排気口803より回収される。封止用ガス802は、液体や、剥離物が外部へ漏れないように内側へ向けられ排気口803へ抜けるようになっている。基板709との隙間は、液体漏れ防止板789を設けて、液体や、剥離物が外部に漏れるのを防止している。本方法では、処理後の表面の炭素量が1012原子/cm2のオーダーまで低減出来、フォトレジスト密着剤の完全な除去を可能とし、かつ短時間化できる。
本発明による加工方法を説明する。本発明は、透明材料を、ビレン、ベンジル、ローダミン6Gまたは、炭素微粒子を含む流動性物質を、噴霧して接触させた状態で、エキシマレーザーまたは600nm以下の波長域のレーザー光を照射して加工を行うものである。
図55に示す各貯留槽760〜766の各処理液を、ビレン、ベンジル、ローダミン6Gまたは、炭素微粒子を含む流動性物質に入れ替える。この流動性物質をガスノズルより供給される不活性加圧ガスにより、媒質衝突均質化空間771へ移動、加速され、衝突し、ミスト化される。そして、中央ガスノズル770からの加圧ガスにより、加速され加工物質709へ噴霧する。同時にエキシマレーザーまたは600nm以下の波長域のレーザー光777を照射して加工を行う。
0.5mmの厚さの透明合成石英ガラスに加工を行う場合、ピレンの濃度0.4mol/dm3のアセトン溶液を噴霧により接触触させた状態で、KrF(λ=248nm)の紫外レーザーをマスクを通じて、室温、大気圧中でフルエンス0.9J/cm2/pulse照射回数400回(くり返し照射速度2回/秒)の条件下で照射を行うことにより加工を行うことができる。
本発明では、透明加工材料に流動性物質を接触させる方法として、図55のように流動性物質を噴霧する方法を用いる。そして、流動性物質を接触させた後は回収を行う。この接触部分は大気圧に開放しても、減圧でも加圧でも可能で、雰囲気ガスを導入しても良い。また作業温度としては流動性物質の流動性が保持されるのであれば限定されない。本発明では、加工材料と流動性物質との界面に600nm以下の波長を持つレーザー光を照射して、流動性物質に、高い吸収率で吸収させることにより加工を行うものである。流動性物質と接触した加工材料面でレーザー照射部分にのみ選択的にエッチングを行うことができる。エッチング部分には何らの化学的な劣化や損傷を与えない。
エッチング速度はレーザー強度に依存し、エッチング工程を精密に制御できる。また、エッチングの深さは、レーザーパルス数に比例して増加するので、エッチングの深さを精密に制御できる。透明加工材料の界面から流動性物質内部に0.1mmの深さで10%以上の吸収率を有することが望ましく、さらに0.1mmの深さで50%以上の吸収率を有することが望ましい。吸収率が十分に高くない場合には、エッチングの精密化及び微細化が十分には達せられない。直接にレーザーをレンズにより集光させて照射する方法、マスクを介して照射する方法などの任意の方法によって行うことができる。
レーザーと透明材料の入射角度は任意に設定でき、流動性物質と透明材料の接触面にレーザーが到達できるようになれば良い。また、単一のレーザービームを照射するか、複数のレーザービームを同時にまたは続いて照射するか、あるいは、透明材料の両面からレーザーを照射するか任意に行うことができる。1つのレーザービームが透明材料を通して流動性物質と透明材料の接触面に照射できれば良い。直接にレーザーをレンズにより集光させて照射する方法、マスクを介して照射する方法などの任意の方法によって行うことができる。
本発明によれば、噴霧により流動性物質を供給し接触するため、常に新しい液を供給できるため、非常に少ない量の液で効率的に加工を行うことができるとともに、加工後、即、液の回収を行うため、汚れ防止、液の無駄をなくすことができる。また、照射部分にのみ選択的にエッチングを行うことができ、エッチング部分には何らの化学的な劣化や損傷を与えない。そして、エッチング速度はレーザー強度に依存しエッチング工程を精密に制御できる。また、エッチングの深さは、レーザーパルス数に比例して増加するので、エッチングの深さを精密に制御できる。また、マスクパターンを通してレーザー照射することによって、線幅が数マイクロメーターの鮮明なエッチングパターンの形成も可能である。
本発明で加工可能な透明材料は、使用するレーザー波長に対して透明性があれば良く、例えば、石英ガラス、一般ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム、シリコンカーバイド、アルミナ、サファイヤ、水晶、ダイヤモンドのような無機材料、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂などのプラスチック材料、有機ガラス、有機結晶・固形化合物、およびそれらの混合物などが挙げられる。
本発明で使用できる流動性物質は、使用しているレーザー波長に高い吸収率を持つ物質であれば良く、例えば、ピレンのアセトン溶液、ベンジルのアセトン溶液、ピレンのテトラヒドロフラン溶液、ローダミン6Gのエタノール溶液、フタロシアニンのエタノール溶液などのような芳香族環を含む有機化合物の溶液;有機色素化合物を含む溶液;ベンゼン、トルエン、四塩化炭素などのような液体状の化合物などが挙げられる。また、有機化合物、有機色素、無機顔料、あるいは炭素などの微粒子などを分散して作った溶液や、有機化合物、有機色素、無機顔料、あるいは炭素粉末などの微粒子や微結晶で作った流動性粉体などが挙げられる。さらに、上記に挙げられた物質の二種類以上を混合して作られた流動性物質も使用することができる。
本発明で使用できるレーザーは、600nm以下の波長を持つものであれば良く、例えば、ArF(λ=193nm)、KrCl(λ=222nm)、KrF(λ=248nm)、XeCl(λ=308nm)、XeF(λ=351nm)エキシマレーザー、YAGレーザー、YLFレーザー、色素レーザー、炭酸ガスレーザー、Krイオンレーザー、Arイオンレーザー、銅蒸気レーザー等の基本発振波長光、およびその基本発振波長光を非線形光学素子などにより変換したものを用いることもできる。例えば、YAGレーザーに二倍高調波(λ=532nm)、三倍高調波(λ=355nm)、四倍高調波(λ=266nm)なども挙げられる。
エッチングを行うためのレーザー強度は、レーザー波長に対する流動性物質の吸収によって異なるが、レーザー強度が0.01から100J/cm2/pulseまでが望ましい。さらに望ましいのは0.1から10J/cm2/pulseまでの範囲である。レーザー強度が弱すぎる場合には加工することはできず、レーザー強度が強すぎる場合には材料に損傷を与える問題が発生する。本発明方法による透明材料の微細加工の結果、数マイクロメーターの微細構造の形成が可能である。具体的な応用例としては、グレーティング、マイクロレンズ、マスクなどの加工、透明材料のマーキングなど様々の材料の加工が可能となる。
図59は、水平旋回流型のジェットミルにより微粒化された粉体を、直接ウエハーへ供給するプラズマCVD装置である。CVD装置などでは、原料をガスや、液体をガス化しなければならないが、原料の中には常温で固体のものも多い。そのため、固体原料を溶解させる必要があるが、溶解作業に時間と手間がかかる。粉末を直接原料とでき、さらに、直接ウエハーへプラズマ励起して成膜できれば非常に簡単となる。880は水平旋回流型ジェットミル、881は高圧ヘッダー、882は原料供給口、883は旋回流用ガス供給口、885はガスノズル、886は霧化媒質、888は反応ガス供給口、890はプラズマ電源、891はプラズマ形成用高周波電極、892は反応ガスプラズマ化ゾーン、895は回転式サセプタ、896はヒーター、897は回転軸、898はフード、899はガス吹き出し口、900はウエハー、901は旋回流用ガス供給口である。
水平旋回流型のジェットミルは、直径400mm程度の円周上に、複数の吐出ノズルを配置し、吐出ノズルより音速以上の高速の旋回流を発生させ、そこへ、原料の粉末や液体などを投入することにより、原料を衝突させて微粒化する装置である。図59では、水平旋回流型のジェットミル880と回転型式サセプタ895を一体化して微粒化された霧化媒質886を、直接ウエハー900へ成膜するプラズマCVD装置である。回転型式サセプタ895は、ウエハー900を加熱するヒーター896、サセプタを回転する回転軸897、フード898、ガス吹き出し口899より構成されている。
ガス供給口883から高圧ヘッダー881へ加圧ガスを供給すると、水平旋回流型ジェットミル880内で、複数の旋回流用ガス供給口901から加圧ガスが供給され旋回流が発生する。原料投入口882より原料を投入すると、旋回流内に原料が投入され、原料どうしが衝突して微粒化が行われる。ガスノズル885より加圧ガスを供給すると霧化媒質886は加速されて移動する。一方反応ガス供給口888から反応ガスが供給され、反応ガスプラズマ化ゾーン892でプラズマ形成用高周波電極891によりプラズマ化される。2つの経路で処理されたガスは衝突混合されて、ヒーター896により予め加熱されているウエハー900上へ供給され成膜が行われる。処理後のガスは排気口898より排出される。原料は、通常のCVDで使用するものを使用できる。図57の場合と同様なものを使用できる。
Ir薄膜を得る場合、複数の旋回流用ガス供給口901からアルゴンの加圧ガスを供給し旋回流を発生させ、トリス−ジピバロイルメタナトイリジウム1gを原料供給口882より投入し原料の微細化を行うと同時に、ミル880内を120℃に保温しておく。ガス供給口885よりアルゴンガスを100ml/min導入し、このガスにトリス−ジピバロイルメタナトイリジウムを同伴させる。一方反応ガス供給口888から反応ガスが供給され、反応ガスプラズマ化ゾーン892でプラズマ形成用高周波電極891によりプラズマ化される。2つの経路で処理されたガスは衝突混合されて、ヒーター896で500℃加熱したウエハー900上へ供給され成膜が行われる。
本発明の装置を用いためっき方法を説明する。本発明は、 高分子材料の成形品に、波長が600nm以下であるレーザーを照射して正に帯電させた後、Na2PdCl4粉末をイオン交換水に溶解したパラジウム触媒、または、PdCl2粉末をイオン交換水に溶解することにより得られるパラジウム触媒、または、PdCl2粉末をイオン交換水に溶解したものにNaCl粉末を加えることにより得たパラジウム触媒を付着することによりめっきを行うものである。
図55に示す各貯留槽760〜766の各処理液を、Na2PdCl4粉末をイオン交換水に溶解したパラジウム触媒、または、PdCl2粉末をイオン交換水に溶解することにより得られるパラジウム触媒、または、PdCl2粉末をイオン交換水に溶解したものにNaCl粉末を加えることにより得たパラジウム触媒に入れ替える。本発明では、最初に、エキシマレーザーまたは600nm以下の波長域のレーザー光777を、基板709へ照射して所定領域を正に帯電する。次に、パラジウム触媒をガスノズルより供給される不活性加圧ガスにより、媒質衝突均質化空間771へ移動し、加速、ミスト化し、中央ガスノズル770からの加圧ガスにより加速して基板709の帯電領域へ噴霧することによりめっきを行う。処理後の液は即時に回収する。
本発明では、高分子材料の成形品の所定領域に、波長が600nm以下のレーザを照射して正に帯電させ、PdCl42−を付着させることにより行うものである。この場合、水溶液中には、PdCl42−のほか、PdCl2、Pd2+、Cl−等が存在するだけである。つまり、使用する化学物質がPdCl2の1種類だけとなり、安価に製作できると共に、従来のように混合比率を管理する必要もない。また、前記水溶液中には界面活性剤が存在しないため、PdCl42−を含む水溶液は、疎水部には付着せず、レーザ照射領域のみにPdCl42−が付着し、無電解めっき膜をこの領域のみに形成してパターン分解能を向上させることが可能となる。さらに、前記水溶液中には還元剤も存在しないため、パラジウム(Pd)が凝集することがなく、3ヶ月以上の長期に亘る使用(保存)にも十分に耐え得る。但し、還元されたパラジウムでなければ、無電解めっきの析出状態が不安定となるが、これは無電解めっき液中の還元剤を濃度管理することにより安定させることが可能であるため、問題はない。このように、前記パラジウム水溶液は実用性の高いものである。
本発明では、パラジウム水溶液としてPdCl2粉末をイオン交換水に溶解したものや、Na2PdCl4粉末をイオン交換水に溶解したり、PdCl2粉末をイオン交換水に溶解したものに、NaCl粉末を溶解したものを使用できる。後者の場合、PdCl2とNaClの混合比率が、PdCl2が1に対してNaClが10以下となるように設定すればよく、混合比率の管理は容易である。また、NaClによりパラジウムの利用効率を向上させることが可能となる。これは、PdCl2粉末をイオン交換水に溶解したときにPd2+、PdCl2として存在するものが、NaClから供給されるCl−により、PdCl42−として存在するためである。
ガラスフィラーを添加した液晶ポリマーにパラジウム付着後、ニッケル無電解めっきを行う場合には、次のように行う。KrFエキシマレーザー(波長λ=248nm)を、フルーエンス(単位パルスの単位面積当たりのエネルギー:J/cm2/1パルス)0.2J/cm2、照射回数200、発振周波数10Hzにより、大気中で照射したあと、PdCl2粉末72mgをイオン交換水188gに溶解したパラジウム水溶液を15分間噴霧する。その後、軽く純水洗浄し、ニッケル無電解めっき液を15分間噴霧または浸漬すれば、選択性良くレーザー照射領域のみにニッケル無電解めっき膜を形成することができる。
本発明に係わるスプレー熱分解法に換わる低温薄膜形成方法を説明する。スプレー熱分解法により金属アセチルアセトナート錯体を用いて金属酸化物を製造する方法では、金属アセチルアセトナートを分解させるために、通常500℃以上の高温下で処理することが必要である。金属有機酸塩を原料とした場合でも500℃以上で分解を行うことが不可避であった。このような高温度で熱分解することは、エレクトロニクスデバイスにとっては、いくつかの弊害が生ずることが指摘されている。たとえば、シリコンを用いる場合には劣化が起こること、積層されている積層膜同士が反応してしまうことなどが知られている。そこで、シリコンの劣化を防止したり、積層膜相互の反応を生じさせないためには熱処理温度は650℃以下、望ましくは300℃以下が必要であると言われている。
図55により薄膜形成方法を説明する。本発明では、図55に示す各貯留槽760〜766の各処理液を、鉄、インジウム、錫、ジルコニウム、コバルト、鉄、ニッケル、鉛から成る群から選ばれる材料と、ナフテン酸、2−エチルヘキサン酸、カプリル酸、ステアリン酸、ラウリン酸、酪酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、乳酸、安息香酸、サリチル酸、エチレンジアミン四酢酸からなる群から選ばれる有機酸で構成される2−エチルヘキサン酸鉄、2−エチルヘキサン酸インジウム、及び2−エチルヘキサン酸スズなどの金属有機酸塩またはチタン、インジウム、スズ、ジルコニウム、亜鉛からなる群から選ばれる材料を、酢酸ブチル、トルエン、アセチルアセトン、メタノールから選ばれる溶媒で溶解させる金属アセチルアセトナート錯体または金属有機化合物が炭素数6以上の有機基を有する金属アルコキシドなどの金属有機化合物を溶媒に溶解させて溶液と入れ替える。前記溶液をガスノズルより供給される不活性加圧ガスにより、媒質衝突均質化空間771へ移動し、加速、ミスト化し、中央ガスノズル770からの加圧ガスにより加速して基板709へ噴霧する。次に、これをヒーター13によって乾燥させたあと、波長400nm以下のレーザー光としてArF、KrF、XeCl、XeF、F2から選ばれるエキシマレーザー777を用い、最初の段階の照射を金属有機化合物を完全に分解させるに至らない程度の弱い照射を行い、次に酸化物にまで変化させることができる強い照射を行うことにより基板上に金属酸化物を形成する。
石英基板にγFe2O3膜を形成する場合には、2−エチルヘキサン酸鉄溶液(Fe含有量6%)をトルエンで2倍に希釈した原料溶液を、石英基板に噴霧し、200℃で10分間乾燥後、ArFエキシマレーザー(193nm)光を、10mJ/cm2、50Hz、30秒間、更に50mJ/cm2、10Hz、5分間大気中で照射することにより生成する。その他、2エチルヘキサン酸インジウムにArFエキシマレーザー光を照射するとIn2O3を生成でき、2エチルヘキサン酸スズにArFエキシマレーザー光を照射するとSnO2を生成でき、アセチルアセトナートチタンにArFエキシマレーザー光を照射するとTiO2 を生成でき、アセチルアセトナートインジウムにArFエキシマレーザー光を照射するとIn2O3を生成でき、アセチルアセトナートスズをn−酢酸ブチルで2倍希釈したものを石英基板に噴霧して乾燥後、ArFエキシマレーザー光を10Hz、50mJ/cm2、5分間、大気中で照射することにより結晶性SnO2が得られる。アセチルアセトナートジルコニウムをメタノールに溶解させたものを、石英基板に噴霧し、乾燥後、ArFエキシマレーザー光を10Hz、50mJ/cm2、5分間、大気中で照射することにより結晶性ZrO2が得られる。
カーボンナノチューブ薄膜を形成する方法を図30を用いて説明する。可溶化ナノチューブをクロロホルムに溶解し、単分子膜を水面上に展開し、垂直方向にした基板上に噴霧する。基板の上下移動を繰り返すことにより均質な薄膜を成長させる。カーボンナノチューブの膜厚は、基板の上下移動回数を変化させることにより精密に制御することが可能である。可溶化カーボンナノチューブをPDDAと混合した方が安定な単分子膜が形成され積層回数を増やすことができる。積層回数は、通常、2〜150回、好ましくは10〜100回である。基板としては、疎水処理、あるいは親水処理を施したガラス、石英、導電性ガラス、シリコン等が用いられる。
カーボンナノチューブの従来の薄膜形成法として次の方法があり問題があった。溶媒中に超音波分散させたカーボンナノチューブをスプレー塗布する方法では噴霧が不均一で凹凸が多い。界面活性剤の中にカーボンナノチューブを分散させ水面上に展開し基板上に移し取る方法では、分散できるカーボンナノチューブの濃度は7重量%程度以下と極めて希薄であり、また、単層膜しか作製できないため、膜厚を任意に制御することは不可能であった。均質な膜を作ることは困難であり、また膜厚を制御することは不可能であった。均質で、膜厚が精密に制御されたカーボンナノチューブの薄膜を形成することが必要である。
本発明では、式−CONHR(Rは炭素数14〜20の脂肪族基(アルキル基又はアルケニル基を示す))で表されるアミド基を含有する可溶化カーボンナノチューブを用いる。また、カーボンナノチューブは、単層のものでも、それが同心円上に多重となった多層のものでも良い。カーボンナノチューブの直径は、単層のものでは0.4〜2.0ナノメートル、多層のものではこれよりも更に太いものでも良い。カーボンナノチューブの長さに制限はないが、良好な溶解性を得るためには、1ミクロン程度以下のものが望ましい。可溶化ナノチューブは単独で用いても良いし、可溶化ナノチューブをポリ(N−ドデシルアクリルアミド)(PDDA)等のポリマーと混合して用いても良い。混合する場合は、可溶化カーボンナノチューブの濃度が0重量%超から100重量%未満までの、任意の混合比率を用いることが可能である。水面上に展開した時の表面圧対膜面積(π−A)曲線は、鋭い立ち上がりと高い崩壊圧を示すことから、可溶化カーボンナノチューブ、あるいは可溶化カーボンナノチューブとPDDAとの混合物は、水面上で安定な単分子膜を形成する。単分子膜の表面圧は、20〜45mN/m程度に保つ。
成膜方法は次の通りである。図30に示す貯留槽6の媒質を、可溶化ナノチューブをクロロホルムに溶解し単分子膜を水面上に展開した水に入れ替え、疎水処理を施した石英基板を垂直方向にして噴霧する。基板の上下移動を繰り返すことにより均質な薄膜を成長させる。可溶化ナノチューブをクロロホルムに溶解し単分子膜を水面上に展開した水は、貯留槽6から揚水管270が回転することにより整列して汲み上げられ、噴出口271より基材290へ噴霧される。基材290は、疎水処理を施した石英基板として、垂直方向にして噴霧し、上下移動を繰り返すことにより均質な薄膜を成長させることができる。
本発明の他のパターン形成装置に係わる説明を行う。本発明の図51、図55、図56などに示す流路形成部材705または還流路形成部材706を放電電極に加工して、または他の霧化装置に放電電極を付加して、媒質貯留槽707に加工液を投入して噴霧することにより放電加工機を構成できる。放電電極には50〜200Vの電圧を印加加工液として脱イオン水の蒸気を噴霧することにより気泡の発生を防止して効果的な加工を行うことができる。図51では、放電電極の形状は最適な形状はしていない。加工対象に応じて最適な電極形状とすれば、大型の薄型形状の材料にも適応できる。従来は2メーターサイズの材料に一括加工できる装置はなかった。本発明によれば大型サイズの基板の加工も可能となる。
1第一のプーリーに巻回したベルトとしての媒質供給ベルト2薄膜形成ローラ3第二のプーリーに巻回したベルトとしての加速ベルト4霧化空間5媒質6媒質貯留槽7媒質加速部8吹き付け媒質9基材10スクリーン11形成パターン12ベース13下面ヒーター14排気口15スクレーパ16流量センサー17上面ヒーター18羽根19微粒子移動方向21圧力流体供給ノズル22スリット23衝突加速ベルト24第一霧化空間25吐出ベルト26第二霧化空間27第一衝突面28第二衝突面29負圧領域31電界印加手段32帯電部33電極34抵抗35オンオフ電極37圧力調整室38媒質加圧機構41レーザー42レーザー反応部43第一衝突霧化空間44第二衝突霧化空間45霧化空間形成ベルト46下方搬送ベルト47第一霧化空間48第二霧化空間49第三霧化空間50第四霧化空間51プラズマ形成用高周波パルス電圧源52プラズマ形成用高周波電極53キャリアガス第一供給口54第一排気口55キャリアガス第二供給口56第二排気口57気化用ヒーター58誘電体ベルト59第三のプーリーに巻回したベルトとしてのガス誘導ベルト60霧化、気化ゾーン61媒質ヒーター62カバーベルト63気化媒質65エキシマランプ66メッシュor透明ベルト67第1霧化空間68第二霧化空間69高アスペクト比パターン70下方搬送ベルト71第一霧化空間72第二霧化空間73媒質分散ベルト74キャリアガス第三供給口81第一下方搬送ベルト82第二下方搬送ベルト83第三下方搬送ベルト84第一吐出口85第二吐出口86チタン前駆体87光浸水化域88水性導電ポリマー89残材吸引機100大径粒子101小径粒子102サポート部103供給調整ローラ110ノズル111ノズル112ノズル113排気管114熱風用ヒーター115縦方向レーザー116斜め方向レーザー117斜め方向レーザー118オーバーハング120タングステン電極121交流プラズマ電源122トリガ回路123プラズマガス124カバー125薄膜130第1加速ベルト131第2加速ベルト132吐出ベルト133加速・霧化ガス134加速・霧化ガス135超音波振動板136霧化空間140回転円板141媒質取り出しベルト150主陽極151第一カバーベルト152第一副起動電極153第二副起動電極154第二カバーベルト155第三カバーベルト156主高周波電源157主起動スイッチ158主アークスイッチ159第二主アークスイッチ160副高周波電源161プラズマガス162第一副アークスイッチ163第二副アークスイッチ164第三副アークスイッチ165第四副アークスイッチ166ガス誘導ベルト167プラズマガス168主プラズマ169副プラズマ170副プラズマ171冷却材200レーザー溶融部201インナーガスN2203線材チタンφ0.8204ガスカーテンベルト205膨張空間206溶融レーザー光207ダンパ208給気管209排気管220触媒電極221密閉空間ベルト222原料ガス供給口223カーテンガス224熱遮蔽加速ベルト225ガスカーテンベルト226排気口227サセプタヒーター228基材229ガス誘導ベルト230分解ガス231冷却材240前駆体241密閉空間ベルト242原料ガス供給口243カーテンガス244誘電体ベルト245ガスカーテンベルト246排気口247ヒーター248基材249ガス誘導ベルト250被エッチング部材251プラズマ電極252プラズマ形成用高周波パルス電圧源253ヒーター270揚水管271第一隙間形成管272第一隙間形成管273第一隙間274第二隙間275媒質取り込み口276噴出口277上板278上隙間279衝突部280モーター281誘導ベルト282第1媒質加速ベルト283第2媒質加速ベルト284第一霧化空間285第二霧化空間286形成パターン288第1霧化装置289第2霧化装置290基材291基材送りローラー292媒質加速ベルト295気化ヒーター296媒質加熱ヒーター297気化媒質298気化媒質加速ベルト299媒質誘導ベルト300ガスカーテンベルト301給気管302カーテンガス給気管303排気管310軟X線源311加工用レーザー312加工材料313第一搬送ベルト314第二搬送ベルト315エッチング液320媒質汲み上げベルト321加速ベルト322メニスカス323薄膜形成ベルト324霧化空間325第1下方搬送ベルト326第2下方搬送ベルト327メニスカス350メッシュ351撥水、撥油処理部352滲み出し媒質353霧化ベルト354カーテンガス給気管355排気管356霧化媒質357吐出口358吸着板359媒質加圧機構360圧力調整室361圧力調整流体供給口362搬送ガス給気管363下方搬送ベルト364カーテンガスベルト365第一霧化空間366第二霧化空間370媒質取り出しローラー371加速ローラー372絞り逆転ローラー373加速電界電源374加速電極375抵抗376帯電部377密閉ローラー380媒質取り出し拡散ローラー381噴霧室396薄膜形成ローラー397媒質供給ベルト398加速ベルト399帯電部400電界電源401加速電極402抵抗403加速オンオフスイッチ404吸引オンオフスイッチ405媒質通過・非通過制御回路406媒質吸引器407吐出口408スクリーン409配線410媒質貯留槽411媒質412形成パターン413給気管414排気管415パターン口416媒質噴霧状態417媒質吸引状態418排気ベルト430ロータリースクリーン431媒質通過孔432スプロケット433パターン形成状態435オンオフシャッター436シャッターオンオフ制御回路437噴霧オフ状態438クリーナー450オンオフロータリースクリーン451精密ロータリースクリーン452プラズマ形成用高周波パルス電圧源453プラズマ形成用高周波電極454ハロゲンガス455被加工物456プラズマ照射ハロゲン化部457レーザー低温加工部458レーザー460誘電体ベルト461スクリーン駆動ベルト500レーザー501現像器502感光体503帯電器504転写ローラー505定着器506基材507形成パターン520第1媒質521第2媒質522第3媒質523第4媒質524第1給気管525第2給気管526第3給気管527第4給気管528第1吐出ベルト529第2吐出ベルト530第3吐出ベルト531第4吐出ベルト535基材536透明電極層537正孔注入層538正孔輸送層539帯電ローラー540ヒーター541形成パターン542帯電部543排気管550対向電極551他方電極552めっき電源553レーザー554レーザー反応部555めっき液溜556撥水層557還流ベルト558還流口560還流ベルト561還流口562給気管563ポンプ569基材570第一の系571第二の系572化学吸着浴573リンス浴574加水分解浴575乾燥工程576吸着部580正の電解質ポリマー浴581リンス浴582負の電解質ポリマー浴583リンス浴584吸着部585吸着部600コンベアベルト601加熱ゾーン602冷却ゾーン603ヒーター604冷却装置605搬入口606搬出口610ツールチェンジャー611ツール保持具612ヘッド613交換ヘッド614交換装置701中央ガスノズル702左ガスノズル703右ガスノズル704排気口705流路形成部材706還流路形成部材707媒質貯留槽708媒質滲み出し部709非処理基板710媒質衝突均質化空間711媒質搬送加速空間712媒質加速空間713媒質衝突混合空間714還流路715媒質斜め加速空間716媒質吐出制御板718高圧ヘッダー719コンプレッサ720負圧発生部721平行部722吐出部723高圧ヘッダー724コンプレッサ725気体漏れ防止板726液体漏れ防止板730加速・均質化ベルト741プラズマ形成用高周波電極742誘電体コーティング743冷却体744反応ガスプラズマ化ゾーン745反応ガス供給口746金属含有ガス供給口747反応ガス・金属含有ガス混合ゾーン748成膜媒質751ガスノズルA752ガスノズルB753ガスノズルC754ガスノズルD755ガスノズルE756ガスノズルF757ガスノズルG758ガスノズルH760還元剤761めっき液762前処理剤763センシタイザー764アクチベーター765タンニン酸766純水767媒質滲み出し部768ヒーター769液体漏れ防止板770中央ガスノズル771媒質衝突均質化空間772媒質加速空間773媒質衝突混合空間774封止用ガス775排気口776斜め加速空間777均一ビームレーザー787媒質滲み出し部788ヒーター789液体漏れ防止板790純水791ヒーター792水ミスト用純水793中央ガスノズル794ガスノズル795ガスノズル796ガスノズル797ガスノズル798水ミスト加速空間799スチーム加速空間800媒質衝突均質化空間801水ミスト・スチーム衝突混合空間802封止用ガス803排気口804斜め加速空間805回収路850水平旋回流型ジェットミル851高圧ヘッダー852原料供給口853旋回流用ガス供給口854ヒーター855ガスノズル856霧化媒質857キャリアガス供給口858反応ガス供給口859排気口860加速・均質化ベルト861プラズマ形成用高周波電極862反応ガスプラズマ化ゾーン863気化用ヒーター864気化ゾーン865反応ガス・原料ガス混合ゾーン866成膜媒質867ガス供給口870第一ジェットミル871第二ジェットミル872レーザー880水平旋回流型ジェットミル881高圧ヘッダー882原料供給口883旋回流用ガス供給口885ガスノズル886霧化媒質888反応ガス供給口890プラズマ電源891プラズマ形成用高周波電極892反応ガスプラズマ化ゾーン895回転式サセプタ896ヒーター897回転軸898フード899ガス吹き出し口900ウエハー901旋回流用ガス供給口951第一セラミックロール952第二セラミックロール953第三セラミックロール954キャリアガス供給口955霧化ゾーン960レーザー961分離ベルト980撥水メッシュ回転かご981キャリアガス供給口982キャリアガス供給口983霧化ゾーン984メッシュカバー